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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120425
(43)【公開日】2022-08-18
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/11582 20170101AFI20220810BHJP
   H01L 27/11575 20170101ALI20220810BHJP
   H01L 27/11565 20170101ALI20220810BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20220810BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L27/11575
H01L27/11565
H01L29/78 371
H01L27/088 E
H01L27/088 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021017321
(22)【出願日】2021-02-05
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】石原 英恵
【テーマコード(参考)】
5F048
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F048AA01
5F048AA07
5F048AB01
5F048AC01
5F048AC03
5F048BA01
5F048BA19
5F048BA20
5F048BB06
5F048BB09
5F048BB11
5F048BC03
5F048BC18
5F048BD07
5F048BF07
5F048BF12
5F048BF15
5F048BF16
5F048BG13
5F048CB01
5F048CB03
5F048CB04
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP76
5F083ER23
5F083GA01
5F083GA10
5F083GA11
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA40
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA20
5F083LA21
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083MA20
5F083NA01
5F101BA45
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
(57)【要約】
【課題】ワード線の電圧制御性を悪化させず信頼性の高い半導体メモリを提供する。
【解決手段】半導体メモリの第1領域は第1方向に積層される第1導電層と、第1導電層内に第1方向に延びる第1半導体柱とを含む。第2領域は、積層される第2導電層と、第2導電層内に第1方向に延びる第2半導体柱とを含む。第3領域は、積層される第3導電層と、第3導電層内に第1方向に延びる複数の絶縁体柱とを含む。第3領域は、第1方向と交差する第2方向において第1領域と第2領域との間に配置される。第3領域は、その内部で複数の第3導電層が第1導電層と第2導電層との間を電気的に接続する第4領域と、その内部で第3導電層が、コンタクトプラグに接続される第5領域とを含む。第4領域に設けられた第1および第2方向に交差する第3方向における第1絶縁体柱の幅は、第5領域に設けられた第2絶縁体柱の第3方向における幅よりも小さい。
【選択図】図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔をあけて第1方向に積層される複数の第1導電層と、前記複数の第1導電層内において前記第1方向に延びる第1半導体柱とを含み、前記複数の第1導電層と前記第1半導体柱との交差点にメモリセルが形成される第1領域と、
互いに間隔をあけて積層される複数の第2導電層と、前記複数の第2導電層内において前記第1方向に延びる第2半導体柱とを含み、前記複数の第2導電層と前記第2半導体柱との交差点にメモリセルが形成される第2領域と、
互いに間隔をあけて積層される複数の第3導電層と、前記複数の第3導電層内において前記第1方向に延びる複数の絶縁体柱とを含み、前記第1方向と交差する第2方向において、前記第1領域と前記第2領域との間に配置され、かつ、前記複数の第3導電層のうちの一層は、前記複数の第1導電層のうちの一層、前記複数の第2導電層のうちの1層と連続する、第3領域とを備え、
前記第3領域は、その内部で前記複数の第3導電層のうちの一層が前記複数の第1導電層のうちの一層と前記複数の第2導電層のうちの一層との間を電気的に接続する第4領域と、その内部で前記複数の第3導電層のうちの一層が、コンタクトプラグに接続される第5領域とを含み、
前記第1方向から見たときに、前記複数の絶縁体柱のうち前記第4領域に少なくとも一部分が設けられた第1絶縁体柱の、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向における幅は、前記複数の絶縁体柱のうち前記第5領域に設けられた第2絶縁体柱の前記第3方向における幅よりも小さい、半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1方向から見たときに、前記複数の絶縁体柱のうち前記第4領域内に設けられた第1絶縁体柱の前記第3方向における幅は、前記第2絶縁体柱の前記第3方向における幅よりも小さい、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1方向から見たときに、前記複数の絶縁体柱のうち前記第4領域と前記第5領域との境界部またはその近傍に設けられた第1絶縁体柱の前記第3方向における幅は、前記第2絶縁体柱の前記第3方向における幅よりも小さい、請求項1または請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第1方向から見たときに、前記第1絶縁体柱は、前記第4領域と前記第5領域との境界部の延伸方向に長径を有する略楕円形である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第1方向から見たときに、前記複数の絶縁体柱のうち前記第4領域と前記第5領域との境界部の近傍に設けられた第1絶縁体柱は、前記第4領域内にある前記絶縁体柱よりも前記第5領域内にある前記絶縁体柱に近い、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
互いに間隔をあけて第1方向に積層される複数の第1導電層と、前記複数の第1導電層内において前記第1方向に延びる第1半導体柱とを含み、前記複数の第1導電層と前記第1半導体柱との交差点にメモリセルが形成される第1領域と、
互いに間隔をあけて積層される複数の第2導電層と、前記複数の第2導電層内において前記第1方向に延びる第2半導体柱とを含み、前記複数の第2導電層と前記第2半導体柱との交差点にメモリセルが形成される第2領域と、
互いに間隔をあけて積層される複数の第3導電層と、前記複数の第3導電層内において前記第1方向に延びる複数の絶縁体柱とを含み、前記第1方向と交差する第2方向において、前記第1領域と前記第2領域との間に配置され、かつ、前記複数の第3導電層のうちの一層は、前記複数の第1導電層のうちの一層、前記複数の第2導電層のうちの1層と連続する、第3領域とを備え、
前記第3領域は、その内部で前記複数の第3導電層のうちの一層が前記複数の第1導電層のうちの一層と前記複数の第2導電層のうちの一層との間を電気的に接続する第4領域と、その内部で前記複数の第3導電層のうちの一層が、コンタクトプラグに接続される第5領域とを含み、
前記第1方向から見たときに、前記複数の絶縁体柱のうち前記第5領域内に設けられ前記第4領域と前記第5領域との境界に最も近い絶縁体柱を第1絶縁体柱とし、前記第5領域内に設けられ前記第1絶縁体柱に隣接する絶縁体柱を第2絶縁体柱とした場合、前記第1絶縁体柱と前記第2絶縁体柱と間の第1間隔は、前記第2絶縁体柱同士の間の第2間隔よりも狭い、半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第1方向から見たときに、前記複数の絶縁体柱のうち前記第4領域内に設けられた絶縁体柱を第3絶縁体柱とした場合、前記第1間隔は、前記第1絶縁体柱と前記第3絶縁体柱との間の第3間隔よりも狭い、請求項6に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
NAND型フラッシュメモリのような半導体記憶装置は、複数のメモリセルが三次元的に配置された立体型メモリセルアレイを有する場合がある。このようなメモリセルアレイでは、ワード線の電圧制御性を悪化させることなく、信頼性の高いメモリセルアレイが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-161059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ワード線の電圧制御性を悪化させることなく、信頼性の高い半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態による半導体記憶装置は、第1領域と、第2領域とを備える。第1領域は、互いに間隔をあけて第1方向に積層される複数の第1導電層と、複数の第1導電層内において第1方向に延びる第1半導体柱とを含み、複数の第1導電層と第1半導体柱との交差点にメモリセルが形成される。第2領域は、互いに間隔をあけて積層される複数の第2導電層と、複数の第2導電層内において第1方向に延びる第2半導体柱とを含み、複数の第2導電層と第2半導体柱との交差点にメモリセルが形成される。第3領域は、互いに間隔をあけて積層される複数の第3導電層と、複数の第3導電層内において第1方向に延びる複数の絶縁体柱とを含む。第3領域は、第1方向と交差する第2方向において、第1領域と第2領域との間に配置され、かつ、複数の第3導電層のうちの一層は、複数の第1導電層のうちの一層、複数の第2導電層のうちの1層と連続する。第3領域は、その内部で複数の第3導電層のうちの一層が複数の第1導電層のうちの一層と複数の第2導電層のうちの一層との間を電気的に接続する第4領域と、その内部で複数の第3導電層のうちの一層が、コンタクトプラグに接続される第5領域とを含む。第1方向から見たときに、複数の絶縁体柱のうち第4領域に少なくとも一部分が設けられた第1絶縁体柱の、第1方向および第2方向に交差する第3方向における幅は、複数の絶縁体柱のうち第5領域に設けられた第2絶縁体柱の第3方向における幅よりも小さい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係る半導体装置を例示する斜視図。
図2】積層体を示す平面図。
図3】3次元構造のメモリセルの一例を示す断面図。
図4】3次元構造のメモリセルの一例を示す断面図。
図5】第1実施形態に係る半導体装置の一例を示す平面図。
図6】接続領域およびメモリセル領域のレイアウトを示す概略平面図。
図7A】ブロックBLKの接続領域の概略を示す斜視図。
図7B】ブロックBLKの接続領域の概略を示す斜視図。
図8A】接続領域のいくつかの導電層をより詳細に示す平面図。
図8B】接続領域のいくつかの導電層をより詳細に示す平面図。
図9A図8Aの破線枠Bの拡大平面図。
図9B】2列の絶縁体柱を有するブリッジ領域の一例を示す平面図。
図10図9の10-10線に沿った断面図。
図11】第2実施形態による接続領域を示す平面図。
図12】第3実施形態による接続領域を示す平面図。
図13】第4実施形態による接続領域を示す平面図。
図14】第5実施形態による接続領域を示す平面図。
図15】第6実施形態による接続領域を示す平面図。
図16】第7実施形態による接続領域を示す平面図。
図17】第2実施形態と第7実施形態とを組み合わせた例を示す図。
図18】第3実施形態と第7実施形態とを組み合わせた例を示す図。
図19】第4実施形態と第7実施形態とを組み合わせた例を示す図。
図20】第5実施形態と第7実施形態とを組み合わせた例を示す図。
図21】上記実施形態のいずれかを適用した半導体記憶装置の構成例を示すブロック図。
図22】メモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。以下の実施形態において、半導体基板の上下方向は、半導体素子が設けられる面を上とした場合の相対方向を示し、重力加速度に従った上下方向と異なる場合がある。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置100を例示する斜視図である。図2は、積層体2を示す平面図である。本明細書では、積層体2の積層方向をZ軸方向とする。Z軸方向と直交する1つの方向をY軸方向とする。Z及びY軸方向のそれぞれと直交する方向をX軸方向とする。図3および図4のそれぞれは、3次元構造のメモリセルの一例を示す断面図である。図5は、第1実施形態に係る半導体記憶装置100の一例を示す平面図である。図1図5に示すように、第1実施形態に係る半導体記憶装置100は、3次元構造のメモリセルアレイを有した不揮発性メモリである。
【0009】
半導体記憶装置100は、基体部1と、積層体2と、板状部3と、複数の柱状部CLと、複数の絶縁体柱CLHRと、を含む。
【0010】
基体部1は、半導体ウェハ(基板)10、絶縁膜11、導電膜12及び半導体部13を含む。絶縁膜11は、半導体ウェハ10上に設けられている。導電膜12は、絶縁膜11上に設けられている。半導体部13は、導電膜12上に設けられている。半導体ウェハ10は、例えば、シリコンウェハである。半導体ウェハ10の導電型は、例えば、p型である。半導体ウェハ10の表面領域には、例えば、素子分離領域10iが設けられている。素子分離領域10iは、例えば、シリコン酸化膜を含む絶縁領域であり、半導体ウェハ10の表面領域にアクティブエリアAAを規定する。アクティブエリアAAには、トランジスタTrのソース及びドレイン領域が設けられる。トランジスタTrは、不揮発性メモリの制御回路としてCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路を構成する。絶縁膜11は、例えば、シリコン酸化膜を含み、トランジスタTrを絶縁する。絶縁膜11内には、配線11aが設けられている。配線11aは、トランジスタTrと電気的に接続されている。導電膜12は、導電性金属、例えば、タングステン(W)を含む。半導体部13は、例えば、n型シリコンを含む。半導体部13の一部は、アンドープのシリコンを含んでいてもよい。
【0011】
積層体2は、半導体部13に対してZ軸方向の上方に位置する。積層体2は、複数の第1導電層としての複数の導電層21と複数の第1絶縁層としての複数の絶縁層22とをZ軸方向に交互に積層して構成されている。複数の導電層21は、絶縁層22を挟んで互いに間隔をあけて積層されている。導電層21は、導電性金属、例えば、タングステンを含む。絶縁層22は、例えば、シリコン酸化物を含む。絶縁層22は、導電層21同士を絶縁する。導電層21及び絶縁層22のそれぞれの積層数は、任意である。絶縁層22は、例えば、ギャップであってもよい。積層体2と、半導体部13との間には、例えば、絶縁膜2gが設けられている。絶縁膜2gは、例えば、シリコン酸化膜を含む。絶縁膜2gは、シリコン酸化物よりも比誘電率が高い高誘電体を含んでいてもよい。高誘電体は、例えば、ハフニウム酸化膜等の酸化物でもよい。
【0012】
導電層21は、少なくとも1つのソース側選択ゲートSGSと、複数のワード線WLと、少なくとも1つのドレイン側選択ゲートSGDとを含む。ソース側選択ゲートSGSは、ソース側選択トランジスタSTSのゲート電極である。ワード線WLは、メモリセルMCのゲート電極である。ドレイン側選択ゲートSGDは、ドレイン側選択トランジスタSTDのゲート電極である。ソース側選択ゲートSGSは、積層体2の下部領域に設けられる。ドレイン側選択ゲートSGDは、積層体2の上部領域に設けられる。下部領域は、積層体2の、基体部1に近い側の領域を、上部領域は、積層体2の、基体部1から遠い側の領域を指す。ワード線WLは、ソース側選択ゲートSGSとドレイン側選択ゲートSGDとの間に設けられる。
【0013】
複数の絶縁層22のうち、ソース側選択ゲートSGSとワード線WLとを絶縁する絶縁層22のZ軸方向の厚さは、例えば、ワード線WLとワード線WLとを絶縁する絶縁層22のZ軸方向の厚さよりも、厚くされてもよい。さらに、基体部1から最も離された最上層の絶縁層22の上に、カバー絶縁膜を設けてもよい。カバー絶縁膜は、例えば、シリコン酸化物を含む。
【0014】
半導体記憶装置100は、ソース側選択トランジスタSTSとドレイン側選択トランジスタSTDとの間に直列に接続された複数のメモリセルMCを有する。ソース側選択トランジスタSTS、メモリセルMC及びドレイン側選択トランジスタSTDが直列に接続された構造は“メモリストリング”、もしくは“NANDストリング”と呼ばれる。メモリストリングは、例えば、コンタクトCbを介してビット線BLに接続される。ビット線BLは、積層体2の上方に設けられ、Y軸方向に延びる。
【0015】
積層体2内には、複数の深いスリットST、及び、複数の浅いスリットSHEが設けられている。スリットSTは、図2に示すように、平面レイアウトにおいて、X軸方向に延伸している。また、スリットSTは、Z方向(積層方向)の断面において、積層体2の上端から基体部1にかけて積層体2を貫通し、積層体2内に設けられている。図2の板状部3は、スリットST内に設けられている。板状部3には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁膜を用いている。あるいは、板状部3は、半導体部13と電気的に接続された導電物(例えば、タングステン、銅)等の導電性金属で構成されており、かつ、絶縁膜によって積層体2から電気的に絶縁されていてもよい。スリットSHEは、平面レイアウトにおいて、スリットSTと略平行にX軸方向に延伸している。また、スリットSHEは、Z方向の断面において、積層体2の上端から積層体2の途中まで設けられている。スリットSHE内には、例えば、絶縁物4が設けられている。絶縁物4には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁膜を用いている。
【0016】
積層体2は、図2に示すように、階段部分2sと、メモリセルアレイMCAとを含む。階段部分2sは、積層体2の縁部に設けられている。メモリセルアレイMCAは、階段部分2sによって挟まれ、あるいは、囲まれている。スリットSTは、積層体2の一端の階段部分2sから、メモリセルアレイMCAを経て、積層体2の他端の階段部分2sまで設けられている。スリットSHEは、少なくともメモリセルアレイMCAに設けられている。
【0017】
2つのスリットST(板状部3)によって挟まれた積層体2の部分は、ブロックBLKと呼ばれている。ブロックは、例えば、データ消去の最小単位を構成する。スリットSHE(絶縁物4)は、ブロック内に設けられている。スリットSTとスリットSHEとの間の積層体2は、フィンガーと呼ばれている。ドレイン側選択ゲートSGDは、フィンガー毎に区切られている。このため、データ書き込み及び読み出し時に、ドレイン側選択ゲートSGDによりブロック内の1つのフィンガーを選択状態とすることができる。
【0018】
メモリセルアレイMCAは、図5に示すように、セル領域Cellと、それ以外の領域とを含む。セル領域Cellには、複数の柱状部CLがメモリホールMH内に設けられている。セル領域Cell以外の領域において、タップ領域Tap、階段領域SSAおよびブリッジ領域BRAが設けられている。タップ領域Tapは、階段領域SSAおよびブリッジ領域BRAに対してスリットSTを挟んでY方向に隣接するブロックBLKに設けられている。タップ領域Tapは、図6に示すように、X方向においてセル領域同士の間に設けられていてもよい。階段領域SSAおよびブリッジ領域BRAも、X方向においてセル領域同士の間に設けられていてもよい。階段領域SSAは、複数のコンタクトプラグCCが設けられる領域である。ブリッジ領域BRAは、図6に示すように、階段領域SSAを挟んでX方方向に隣接するブロックBLKのワード線WLの各配線層を電気的に接続するために設けられている。タップ領域Tapは、コンタクトプラグC4が設けられる領域である。コンタクトプラグCC、C4のそれぞれは、例えば、Z軸方向に延びる。コンタクトプラグCCは、それぞれ、例えば、導電層21と電気的に接続される。コンタクトプラグC4は、トランジスタTrへの電源供給等のために、例えば、配線11aと電気的に接続される。コンタクトプラグCC、C4には、例えば、銅、タングステン等の低抵抗金属が用いられる。
【0019】
コンタクトプラグCC、C4の周囲には、それぞれ絶縁膜(図示せず)が設けられている。これにより、コンタクトプラグCC、C4と積層体2とは、電気的に絶縁されている。これにより、コンタクトプラグCC、C4は、積層体2から絶縁されたまま、積層体2の上方にある配線等を積層体2の下方にある配線等に電気的に接続することができる。絶縁膜には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁膜が用いられる。
【0020】
複数の柱状部CLのそれぞれは、積層体2内に設けられたメモリホールMH内に設けられている。メモリホールMHは、積層体2の積層方向(Z軸方向)に沿って積層体2の上端から積層体2を貫通し、積層体2内及び半導体部13内にかけて延伸している。複数の柱状部CLは、図3および図4に示すように、それぞれ、半導体柱としての半導体ボディ210、メモリ膜220及びコア層230を含む。半導体ボディ210は、積層体2内においてその積層方向(Z方向)に延びている。半導体部13と電気的に接続されている。メモリ膜220は、半導体ボディ210と導電層21との間に、電荷捕獲部を有する。各フィンガーからそれぞれ1つずつ選択された複数の柱状部CLは、コンタクトCbを介して1本のビット線BLに共通に接続される。柱状部CLのそれぞれは、例えば、図5のセル領域(Cell)に設けられている。
【0021】
図3および図4に示すように、X-Y平面におけるメモリホールMHの形状は、例えば、円又は楕円である。導電層21と絶縁層22との間には、メモリ膜220の一部を構成するブロック絶縁膜21aが設けられていてもよい。ブロック絶縁膜21aは、例えば、シリコン酸化物膜又は金属酸化物膜である。金属酸化物の1つの例は、アルミニウム酸化物である。導電層21と絶縁層22との間、及び、導電層21とメモリ膜220との間には、バリア膜21bが設けられていてもよい。バリア膜21bは、例えば、導電層21がタングステンである場合、例えば、窒化チタンとチタンとの積層構造膜が選ばれる。ブロック絶縁膜21aは、導電層21からメモリ膜220側への電荷のバックトンネリングを抑制する。バリア膜21bは、導電層21とブロック絶縁膜21aとの密着性を向上させる。
【0022】
半導体ボディ210の形状は、例えば、筒状である。半導体ボディ210は、例えば、シリコンを含む。シリコンは、例えば、アモルファスシリコンを結晶化させたポリシリコンである。半導体ボディ210は、例えば、アンドープシリコンである。また、半導体ボディ210は、p型シリコンであっても良い。半導体ボディ210は、ドレイン側選択トランジスタSTD、メモリセルMC及びソース側選択トランジスタSTSのそれぞれのチャネルとなる。
【0023】
メモリ膜220は、ブロック絶縁膜21a以外の部分が、メモリホールMHの内壁と半導体ボディ210との間に設けられている。メモリ膜220の形状は、例えば、筒状である。複数のメモリセルMCは、半導体ボディ210と、ワード線WLとなる導電層21と、の間に記憶領域を有し、Z軸方向に積層されている。メモリ膜220は、例えば、カバー絶縁膜221、電荷捕獲膜222及びトンネル絶縁膜223を含む。半導体ボディ210、電荷捕獲膜222及びトンネル絶縁膜223のそれぞれは、Z軸方向に延びている。
【0024】
カバー絶縁膜221は、絶縁層22と電荷捕獲膜222との間に設けられている。カバー絶縁膜221には、例えば、シリコン酸化物が用いられる。カバー絶縁膜221は、製造プロセスにおいて、絶縁層22間に設けられた犠牲膜を導電層21にリプレースするときに、電荷捕獲膜222がエッチングされないように保護するために設けられている。カバー絶縁膜221は、リプレース工程において、導電層21とメモリ膜220との間から除去されてもよい。この場合、図3および図4に示すように、導電層21と電荷捕獲膜222との間には、例えば、ブロック絶縁膜21aが設けられる。また、導電層21の形成に、リプレース工程を利用しない場合には、カバー絶縁膜221は、設けられていなくてもよい。
【0025】
電荷捕獲膜222は、ブロック絶縁膜21a及びカバー絶縁膜221とトンネル絶縁膜223との間に設けられている。電荷捕獲膜222は、例えば、シリコン窒化物を含み、膜中に電荷をトラップするトラップサイトを有する。電荷捕獲膜222のうち、ワード線WLとなる導電層21と半導体ボディ210との間に挟まれた部分は、電荷捕獲部としてメモリセルMCの記憶領域を構成する。メモリセルMCのしきい値電圧は、電荷捕獲部中の電荷の有無、又は、電荷捕獲部中に捕獲された電荷の量によって変化する。これにより、メモリセルMCは、情報を保持することができる。
【0026】
トンネル絶縁膜223は、半導体ボディ210と電荷捕獲膜222との間に設けられている。トンネル絶縁膜223には、例えば、シリコン酸化物、又は、シリコン酸化物とシリコン窒化物が用いられる。トンネル絶縁膜223は、半導体ボディ210と電荷捕獲膜222との間の電位障壁である。例えば、半導体ボディ210から電荷捕獲部へ電子を注入するとき(書き込み動作)、及び、半導体ボディ210から電荷捕獲部へ正孔を注入するとき(消去動作)、電子および正孔が、それぞれトンネル絶縁膜223の電位障壁を通過(トンネリング)する。
【0027】
コア層230は、筒状の半導体ボディ210の内部スペースを埋め込む。コア層230の形状は、例えば、柱状である。コア層230には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁膜が用いられる。
【0028】
図5に示す複数の絶縁体柱CLHRのそれぞれは、積層体2内に設けられたホールHR内に設けられている。ホールHRは、Z軸方向に沿って積層体2の上端から積層体2を貫通し、積層体2内及び半導体部13内にかけて設けられている。絶縁体柱CLHRには、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁物を用いている。また、絶縁体柱CLHRのそれぞれは、柱状部CLと同じ構造であっても良い。絶縁体柱CLHRのそれぞれは、例えば、タップ領域Tap、階段領域SSA、ブリッジ領域BRAに設けられている。絶縁体柱CLHRは、犠牲膜(図示せず)を導電層21にリプレースするとき(リプレース工程)、階段領域及びタップ領域に形成される空隙を保持するための支持部材として機能する。絶縁体柱CLHRのホールHRは、柱状部CLよりも大きな径(X方向またはY方向における幅)を有する。
【0029】
半導体記憶装置100は、図1に示すように、半導体部14をさらに含む。半導体部14は、積層体2と半導体部13との間に位置している。半導体部14は、絶縁層22のうち、半導体部13に最も近い絶縁層22と、絶縁膜2gとの間に設けられている。半導体部14の導電形は、例えば、n型である。半導体部14は、例えば、ソース側選択ゲートSGSとして機能する。
【0030】
図6は、接続領域101およびメモリセル領域100aのレイアウトを示す概略平面図である。メモリセル領域100aは、互いに隣接する第1メモリセル領域100a_1および第2メモリセル領域100a_2を含む。第1メモリセル領域100a_1および第2メモリセル領域100a_2は、それぞれ複数のブロックBLKを含んでいる。Y方向において、複数のブロックBLKは、X方向に延伸するスリットSTによって、それぞれ分断されている。
【0031】
第1メモリセル領域100a_1および第2メモリセル領域100a_2は、ともに上記複数の柱状部CL(メモリホールMH)を備えており、3次元配置された複数のメモリセルを有する。メモリセルは、複数のワード線WLと柱状部CLとの交差点に形成される。
【0032】
便宜上、第1メモリセル領域100a_1に属するブロックBLKを、ブロックBLK_1と表記する。また、第2メモリセル領域100a_2に属するブロックBLKを、ブロックBLK_2と表記する。
【0033】
接続領域101は、Z方向に交差するX方向において第1メモリセル領域100a_1と第2メモリセル領域100a_2との間に設けられており、ブロックBLKごとに、タップ領域Tap、階段領域SSAおよびブリッジ領域BRAを備えている。階段領域SSAおよびブリッジ領域BRAは、以下、階段領域SSA等ともいう。
【0034】
上述の通り、タップ領域Tapと階段領域SSA等とは、スリットSTを介してY方向に隣接している。図6に示すように、タップ領域Tapと階段領域SSA等とは、Y方向に交互に設けられている。また、図示しないが、タップ領域Tapと階段領域SSA等とは、X方向にも交互に設けられている。即ち、タップ領域Tapと階段領域SSA等とは、Y方向に、スリットSTを挟んで交互に設けられ、X方向にはメモリ領域Cell(ブロックBLK)を挟んで交互に設けられている。
【0035】
階段領域SSAでは、選択ゲート線(ソース側選択ゲート)SGSおよび複数のワード線WLのそれぞれの端部が下層から順番にX方向に段差が設けられ、階段状に形成されている。言い換えると、階段領域SSAにおいて選択ゲート線SGSおよび複数のワード線WLのそれぞれは、端部において下層の配線層(導電層)と重ならないテラス部分(階段、階段部、引き出し部とも言う)を有している。各テラス部分上には図5のコンタクトプラグコンタクトプラグCCが形成されている。選択ゲート線SGSおよび複数のワード線WLは、コンタクトプラグCCを介して、それぞれ別々に電圧が印加され得る。このように、階段領域SSAは、選択ゲート線SGSおよび複数のワード線WLに接続される複数の導電層のそれぞれに複数のコンタクトを接続するためのテラス領域として設けられている。
【0036】
尚、コンタクトプラグCCは、図5のタップ領域のコンタクトプラグC4に上層配線(図示せず)を介して電気的に接続され、コンタクトプラグC4を介してメモリセルアレイの下に設けられたロウデコーダに電気的に接続される。これにより、ロウデコーダは、コンタクトプラグCCを介して各導電層21(ワード線WL)の電圧を制御することができる。コンタクトプラグCCおよびC4の径は、絶縁体柱CLHRの径よりも大きい。
【0037】
ブリッジ領域BRAには、選択ゲート線SGSおよび複数のワード線WLのそれぞれに対応する複数の第3導電層がZ方向に互いに間隔をあけて積層されている。第3導電層は、第1メモリセル領域100a_1の導電層21(選択ゲート線SGSおよび複数のワード線WL)と第2メモリセル領域100a_2の導電層21(選択ゲート線SGSおよび複数のワード線WL)との間をそれぞれ電気的に接続する。従って、第1および第2メモリセル領域100a_1、100a_2は、1つのメモリセルアレイMCAとして機能することができる。
【0038】
このように、接続領域101がメモリセルアレイMCAの中間部に配置されていることによって、コンタクトプラグCCがワード線WLの配線の中間に位置し、コンタクトプラグCCaからワード線WLの端部までの距離を短くすることができる。これにより、半導体記憶装置100は、コンタクトプラグCCを介してワード線WLの端部まで素早く給電することができ、ワード線WLの電圧制御を容易にする。また、1つの接続領域101の両側にメモリセル領域100a_1、100a_2を配置することができるので、動作速度を維持しつつ、メモリセルアレイMCAの規模(記憶容量)を増大させることができる。
【0039】
ブリッジ領域BRAは、第1および第2メモリセル領域100a_1、100a_2と同じ積層体の構造を有する。従って、ブリッジ領域BRAの積層体は、複数の導電層21と複数の絶縁層22とをZ軸方向に交互に積層して構成されている。即ち、複数の第3導電層としての複数の導電層21は、絶縁層22を挟んで互いに間隔をあけて積層されている。絶縁層22は上述の通り、エアギャップであってもよい。
【0040】
図7Aおよび図7Bは、或るブロックBLKの接続領域101の概略を示す斜視図である。接続領域101の階段領域SSAは、複数の導電層21(ワード線WL)のそれぞれに複数のコンタクトプラグCCを接続するために階段状に設けられている。ブリッジ領域BRAは、複数の導電層21が第1および第2メモリセル領域100a_1、100a_2のそれぞれの導電層21(ワード線WL)の間を電気的に接続している。
【0041】
ブリッジ領域BRAは、接続領域101において、階段領域SSAに対してY方向(スリットSTの延伸方向に対して略垂直方向)に隣接して設けられており、階段状には彫り込まれていない。従って、ブリッジ領域BRAは、第1および第2メモリセル領域100a_1、100a_2の積層体2と同数の導電層21および同数の絶縁層22を有する。
【0042】
図8Aおよび図8Bは、接続領域101のいくつかの導電層21をより詳細に示す平面図である。図8Aは、導電層21が積層された状態を示し、図8Bは、導電層21のそれぞれの層を別々に示している。図8Aおよび図8Bでは、5つの導電層21が表示されている。勿論、導電層21は、4層以下であってもよいし、6層以上であってもよい。尚、図8Aおよび図8Bでは、1つのブロックBLK部分を示しており、図5に示す柱状部CL(メモリホールMH)、絶縁体柱CLHR、スリットSHEの図示は省略されている。
【0043】
接続領域101の階段領域SSAは、図8Aに示すように、各導電層21の表面(踏み面)がZ方向から見えるように階段状に形成されている。各導電層21の表面(踏み面)は、コンタクトプラグCCがZ方向から接続可能な広さ(面積)を有する。図8Aでは、階段領域SSAの階段部は、接続領域101のX方向の両側に対向するように設けられている。図8Aおよび図8Bに示すように、コンタクトプラグCCは、階段領域SSAの導電層21に1つずつ設けられており、導電層21の踏み面上に接続されている。例えば、図8に示す例では、コンタクトプラグCCは、階段領域SSAの左右の階段部に交互に接続されている。より詳細には、最上層の導電層21では、コンタクトプラグCCは、階段領域SSAの左側の階段部の踏み面に接続されている。2番目の導電層21では、コンタクトプラグCCは、階段領域SSAの右側の階段部の踏み面に接続されている。3番目の導電層21では、コンタクトプラグCCは、階段領域SSAの左側の階段部の踏み面に接続されている。4番目の導電層21では、コンタクトプラグCCは、階段領域SSAの右側の階段部の踏み面に接続されている。5番目(最下層)の導電層21では、コンタクトプラグCCは、階段領域SSAの左側の階段部の踏み面に接続されている。
尚、階段領域SSAは、接続領域101のX方向の片側のみに設けられていてもよい。この場合、コンタクトプラグCCは、接続領域101の片側に設けられた階段部の踏み面に接続される。
【0044】
コンタクトプラグCCが各導電層21に1つずつ設けられているので、コンタクトプラグCCが接続されていない側のメモリセル領域の導電層21は、ブリッジ領域BRAを介してコンタクトプラグCCに電気的に接続される。例えば、右側の第2メモリセル領域100a_2の最上層の導電層21には、コンタクトプラグCCが設けられていない。従って、右側の第2メモリセル領域100a_2の最上層の導電層21は、ブリッジ領域BRAの最上層の導電層21を介して、左側の第2メモリセル領域100a_2の最上層の導電層21に設けられたコンタクトプラグCCに電気的に接続される。また、左側の第2メモリセル領域100a_2の2番目の導電層21には、コンタクトプラグCCが設けられていない。従って、左側の第2メモリセル領域100a_2の2番目の導電層21は、ブリッジ領域BRAの2番目の導電層21を介して、右側の第2メモリセル領域100a_2の2番目の導電層21に設けられたコンタクトプラグCCに電気的に接続される。このように、接続領域101の両側にあるメモリセル領域100a_1、100a_2の一方は、ブリッジ領域BRAを介して他方に設けられたコンタクトプラグCCに電気的に接続される。よって、ブリッジ領域BRAの各導電層21の抵抗が高くなると、メモリセル領域100a_1、100a_2の電圧制御性が悪化する。従って、ブリッジ領域BRAの各導電層21の抵抗は低い方が好ましい。即ち、ブリッジ領域BRAのY方向の幅Wは広い方が好ましい。
【0045】
一方、ブリッジ領域BRAのY方向の幅Wを広くすると、階段領域SSAが狭くなる。この場合、階段領域SSAにおいて、Z方向への窪みの深さが変わらないまま、階段領域SSAが狭くなるので、階段領域SSAのアスペクト比が高くなる。よって、階段領域SSAをシリコン酸化膜(例えば、TEOS)で埋め込んだときに、シリコン酸化膜内にボイドが発生する可能性がある。この場合、コンタクトプラグCCがボイドを介して他のコンタクトプラグCCに短絡するおそれがある。
【0046】
そこで、本実施形態では、図9に示すように絶縁体柱CLHRの大きさや配置を接続領域101において変更する。
【0047】
図9Aは、図8Aの破線枠Bの拡大平面図である。図9Aでは、図5に示す絶縁体柱CLHRが図示されている。絶縁体柱CLHRは、接続領域101のブリッジ領域BRAおよび階段領域SSAの導電層21の積層体内において積層方向(Z方向)に延びている複数の絶縁体柱である。図9Aでは、便宜的に、ブリッジ領域BRAに設けられている絶縁体柱CLHRをCLHR_1と呼び、階段領域SSAに設けられている絶縁体柱CLHRをCLHR_2と呼ぶ。
【0048】
メモリセル領域100a_1、100a_2および接続領域101の積層体は、まず、絶縁層22(例えば、シリコン酸化膜)と犠牲膜(例えば、シリコン窒化膜)との積層体として形成され、犠牲膜(図示せず)を導電層21(例えば、タングステン)にリプレースすることによって形成される。この犠牲膜を導電層21にリプレースするリプレース工程において犠牲膜が除去されると、絶縁層22間に導電層21を埋め込むための空隙が形成される。絶縁体柱CLHRは、接続領域101に形成されるこのような絶縁層22間の空隙を保持するための支持部材として機能する。もし、絶縁体柱CLHRがない場合、絶縁層22は、支持がないため、自重で撓み、あるいは、つぶれてしまうおそれがある。従って、絶縁体柱CLHRは、接続領域101に略均等に配置されている。これにより、犠牲膜から導電層21へのリプレース工程において、絶縁体柱CLHRは、絶縁層22を支持し、絶縁層22間の間隙を維持することができる。
【0049】
ここで、本実施形態では、導電層21の積層方向(Z方向)から見たときに、絶縁体柱CLHRのうち、ブリッジ領域BRAに設けられた絶縁体柱CLHR_1の径R1は、階段領域SSAに設けられた絶縁体柱CLHR_2の径R2よりも小さい。これにより、ブリッジ領域BRAにおける導電層21の幅WBRAを広げることなく、ブリッジ領域BRAの導電層21の電気的抵抗値を低下させることができる。ブリッジ領域BRAの導電層21の抵抗値を低下させることによって、コンタクトプラグCCを介して第1および第2メモリセル領域100a_1、100a_2の導電層21(ワード線WL)の電圧制御が容易になる。その結果、選択メモリセルの読出し動作、書込み動作、消去動作を高速化することができる。尚、絶縁体柱CLHR_1の径R1は、径R2よりも小さければよく、互いに相違していてもよい。
【0050】
尚、図9Aでは、ブリッジ領域BRAが延伸するX方向に配列された1列の絶縁体柱CLHR_1のみがブリッジ領域BRAに重複している。しかし、ブリッジ領域BRAに重複する絶縁体柱CLHR_1は、複数列であってもよい。例えば、図9Bは、X方向に延伸する2列の絶縁体柱CLHR_1を有するブリッジ領域BRAの一例を示す平面図である。この場合、ブリッジ領域BRAの積層体2が複数列の絶縁体柱CLHR_1によって支持されるので、積層体2の導電層21がより確実に指示される。また、複数列の絶縁体柱CLHR_1の径R1を階段領域SSAの絶縁体柱CLHR_2の径R2よりも小さくすることによって、ブリッジ領域BRAの抵抗値を小さくすることができる。
【0051】
図10は、図9Aまたは図9Bの10-10線(Y方向)に沿った断面図である。図10には、コンタクトプラグCCおよび絶縁体柱CLHR_2が設けられている階段領域SSAと、絶縁体柱CLHR_1が設けられているブリッジ領域BRAとが表示されている。コンタクトプラグCCは、階段領域SSAのうちテラス領域TRAに設けられている。テラス領域TRAにおいて、コンタクトプラグCCは下方の導電層21に接続される。階段領域SSAおよびブリッジ領域BRAでは、絶縁体柱CLHR_1、CLHR_2が、導電層21の積層体2をZ方向に貫通している。階段領域SSAでは、導電層21が階段状に形成されており、比較的径の大きな絶縁体柱CLHR_2が階段状の導電層21を貫通している。ブリッジ領域BRAでは、導電層21は、積層体2の最上層まで設けられており、比較的径の小さな絶縁体柱CLHR_1が積層体2の全導電層21を貫通している。
【0052】
このように、ブリッジ領域BRAの絶縁体柱CLHR_1の径R1を小さくすることによって、ブリッジ領域BRAの幅WBRAを広げずに、ブリッジ領域BRAの導電層21の抵抗値を低下させることができる。尚、絶縁体柱CLHR_1の径R1は、絶縁体柱CLHR_1が積層体2の導電層21を支持することができる程度の大きさを有することが好ましい。径R1の適切な値は、導電層21の積層数や厚みによって変わる。
【0053】
もし、ブリッジ領域BRAの幅WBRAを広げると、階段領域SSAの領域が狭くなるため、階段領域SSAに埋め込まれているシリコン酸化膜150にボイドが発生しやすくなる。例えば、メモリセルアレイMCAの中間部分に設けられた階段領域SSAを広げると、その両側のメモリセルアレイMCAを接続するブリッジ領域BRAの抵抗が増大し、ワード線抵抗が上昇する。ワード線抵抗の上昇は、ワード線WLの電圧制御性を悪化させるおそれがある。一方、ブリッジ領域BRAを広げるために階段領域SSAを狭めると、階段領域SSAを埋め込むシリコン酸化膜にボイドが発生するおそれがある。これは、半導体記憶装置の信頼性を低下させる原因となる。
【0054】
これに対し、本実施形態によれば、ブリッジ領域BRAの幅WBRAを広げずに、ブリッジ領域BRAの導電層21の抵抗値を実質的に低下させることができる。従って、シリコン酸化膜150にボイドが発生することを抑制しつつ、導電層21(ワード線WL)の電圧制御を容易にすることができる。
【0055】
(第2実施形態)
図11は、第2実施形態による接続領域101を示す平面図である。第2実施形態では、絶縁体柱CLHRのうちブリッジ領域BRAに少なくとも一部分が重複する絶縁体柱CLHR_1の径R1が、階段領域SSAに設けられた絶縁体柱CLHR_2の径R2よりも小さい。図11では、X方向に並ぶ1列目の絶縁体柱CLHR_1aの全体がブリッジ領域BRAに重複し、それに隣接する2列目の絶縁体柱CLHR_1bの一部がブリッジ領域BRAに重複している。即ち、Z方向から見たときに、2列目の絶縁体柱CLHR_1bは、ブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部に設けられている。従って、ブリッジ領域BRAに含まれる絶縁体柱CLHR_1aの径R1およびブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの境界部に設けられた絶縁体柱CLHR_1bの径R1は、絶縁体柱CLHR_2の径R2よりも小さく形成されている。これにより、ブリッジ領域BRAにおける導電層21の幅WBRAを広げることなく、ブリッジ領域BRAの導電層21の電気的抵抗値をさらに低下させることができる。尚、絶縁体柱CLHR_1a、CLHR_1bの径は、径R2よりも小さければよく、互いに相違していてもよい。第2実施形態のその他の構成は第1実施形態の対応する構成と同様でよい。従って、第2実施形態は、第1実施形態の効果も得ることができる。
【0056】
第2実施形態では、2列目の絶縁体柱CLHR_1bは、その一部がブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部に重複している。しかし、2列目の絶縁体柱CLHR_1bは、ブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部の近傍にあれば、重複していなくてもよい。例えば、仮に絶縁体柱CLHR_1bが絶縁体柱CLHR_2と同じ径R2を有するものとした場合に、絶縁体柱CLHR_1bはブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部に重複する場合がある。一方、このような場合に、絶縁体柱CLHR_1bの径を小さくした結果、絶縁体柱CLHR_1bはブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部に重複しない場合もある。この場合、2列目の絶縁体柱CLHR_1bは、ブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部の近傍にあるが、重複していない。
【0057】
(第3実施形態)
図12は、第3実施形態による接続領域101を示す平面図である。第3実施形態では、絶縁体柱CLHRのうちブリッジ領域BRAに一部分が重複する絶縁体柱CLHR_1bの径R1が、階段領域SSAに設けられた絶縁体柱CLHR_2の径R2よりも小さい。一方、図12では、全体がブリッジ領域BRAに重複している絶縁体柱CLHR_1aの径は、階段領域SSAの絶縁体柱CLHR_2とほぼ等しい径R2となっている。このように、ブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部に重複する絶縁体柱CLHR_1bの径R1のみ小さくしてもよい。この場合であっても、導電層21の幅WBRAを広げることなく、ブリッジ領域BRAの導電層21の電気的抵抗値を或る程度低下させることができる。第2実施形態のその他の構成は第1実施形態の対応する構成と同様でよい。従って、第2実施形態は、第1実施形態の効果も得ることができる。
【0058】
第3実施形態も、第2実施形態と同様に、2列目の絶縁体柱CLHR_1bは、ブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部の近傍にあり、重複していなくてもよい。
【0059】
(第4実施形態)
図13は、第4実施形態による接続領域101を示す平面図である。第4実施形態では、Z方向から見て、絶縁体柱CLHRのうちブリッジ領域BRAに重複する絶縁体柱CLHR_1は、ブリッジ領域BRAの延伸方向(即ち、ブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの境界部の延伸方向:X方向)に長径を有する略楕円形となっている。この長径は、階段領域SSAの絶縁体柱CLHR_2の径R2と同じかそれ以上であってもよい。一方、絶縁体柱CLHR_1の短径R1は、階段領域SSAに設けられた絶縁体柱CLHR_2の径R2よりも小さい。これにより、ブリッジ領域BRAにおける導電層21の幅WBRAを広げることなく、ブリッジ領域BRAの導電層21の実質的な幅を広げることができ、電気的抵抗値をさらに低下させることができる。第4実施形態のその他の構成は第1実施形態の対応する構成と同様でよい。従って、第4実施形態は、第1実施形態の効果も得ることができる。
【0060】
尚、図13では、ブリッジ領域BRAが延伸するX方向に配列された1列の絶縁体柱CLHR_1のみがブリッジ領域BRAに重複している。しかし、図9Bを参照して説明したように、ブリッジ領域BRAに重複する絶縁体柱CLHR_1は、複数列であってもよい。この場合、ブリッジ領域BRAの積層体2が複数列の絶縁体柱CLHR_1によって支持されるので、積層体2の導電層21がより確実に指示される。また、複数列の絶縁体柱CLHR_1の短径R1を階段領域SSAの絶縁体柱CLHR_2の径R2よりも小さくすることによって、ブリッジ領域BRAの抵抗値を小さくすることができる。
【0061】
(第5実施形態)
図14は、第5実施形態による接続領域101を示す平面図である。第5実施形態では、絶縁体柱CLHRのうちブリッジ領域BRAに少なくとも一部分が重複する絶縁体柱CLHR_1a、CLHR_1bは、ブリッジ領域BRAの延伸方向(即ち、ブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの境界部の延伸方向:X方向)に長径を有する略楕円形となっている。即ち、第5実施形態は、第2実施形態と第4実施形態との組み合わせである。
【0062】
図14では、X方向に並ぶ1列の絶縁体柱CLHR_1aの全体がブリッジ領域BRAに重複しており、それに隣接する2列目の絶縁体柱CLHR_1bの一部がブリッジ領域BRAに重複している。即ち、Z方向から見たときに、2列目の絶縁体柱CLHR_1bは、ブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部に設けられている。従って、ブリッジ領域BRAに含まれる絶縁体柱CLHR_1aの短径R1およびブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの境界部に設けられた絶縁体柱CLHR_1bの短径R1は、絶縁体柱CLHR_2の径R2よりも小さく形成されている。
【0063】
絶縁体柱CLHR_1a、CLHR_1bのX方向の長径は、階段領域SSAの絶縁体柱CLHR_2の径R2と同じかそれ以上であってもよい。一方、絶縁体柱CLHR_1a、CLHR_1bのY方向の短径R1は、階段領域SSAに設けられた絶縁体柱CLHR_2の径R2よりも小さい。これにより、ブリッジ領域BRAにおける導電層21の幅WBRAを広げることなく、ブリッジ領域BRAの導電層21の実質的な幅を広げることができ、電気的抵抗値をさらに低下させることができる。第5実施形態のその他の構成は第1実施形態の対応する構成と同様でよい。従って、第5実施形態は、第1実施形態の効果も得ることができる。
【0064】
第5実施形態では、2列目の絶縁体柱CLHR_1bは、その一部がブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部に重複している。しかし、2列目の絶縁体柱CLHR_1bは、ブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部の近傍にあり、重複していなくてもよい。例えば、仮に絶縁体柱CLHR_1bの短径が絶縁体柱CLHR_2と同じ径R2を有するものとした場合に、絶縁体柱CLHR_1bはブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部に重複する場合がある。一方、このような場合に、絶縁体柱CLHR_1bの短径を小さくした結果、絶縁体柱CLHR_1bはブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部に重複しない場合もある。この場合、2列目の絶縁体柱CLHR_1bは、ブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部の近傍にあるが、重複しない。
【0065】
(第6実施形態)
図15は、第6実施形態による接続領域101を示す平面図である。第6実施形態では、Z方向から見て、2列目の絶縁体柱CLHR_1bは、ブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部近傍に設けられているが、階段領域SSA側へ位置がずれている。即ち、ブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの境界部近傍に設けられた絶縁体柱CLHR_1bは、ブリッジ領域BRA内にある絶縁体柱CLHR_1aよりも、階段領域SSA内にある絶縁体柱CLHR_2の近くに配置されている。換言すると、2列目の絶縁体柱CLHR_1bは、-Y方向へピッチがずれている。絶縁体柱CLHR_1bと絶縁体柱CLHR_2との間隔(ピッチP1)は、絶縁体柱CLHR_1bと絶縁体柱CLHR_1aとの間隔(ピッチP3)よりも狭い。これにより、2列目の絶縁体柱CLHR_1bがブリッジ領域BRAと重複しなくなる。あるいは、2列目の絶縁体柱CLHR_1とブリッジ領域BRAとの重複が小さくなる。また、絶縁体柱CLHR_1bとそれに隣接する絶縁体柱CLHR_2との間隔(ピッチP1)は、絶縁体柱CLHR_2同士の間隔(ピッチP2)よりも狭い。このように、ブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの境界部近傍に設けられた絶縁体柱CLHR_1bのピッチをずらすことによって、ブリッジ領域BRAにおける導電層21の幅WBRAを広げることなく、ブリッジ領域BRAの導電層21の電気的抵抗値をさらに低下させることができる。第6実施形態のその他の構成は第1実施形態の対応する構成と同様でよい。従って、第6実施形態は、第1実施形態の効果も得ることができる。
【0066】
(第7実施形態)
図16は、第7実施形態による接続領域101を示す平面図である。第7実施形態では、Z方向から見て、2列目の絶縁体柱CLHR_1bは、ブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部の最も近くに設けられているが、階段領域SSA側へ位置がずれており階段領域SS内に設けられている。ブリッジ領域BRAに重複する1列目の絶縁体柱CLHR_1aは、階段領域SSAの絶縁体柱CLHR_2とほぼ同じ径R2を有する。第7実施形態のその他の構成は第6実施形態の対応する構成と同様でよい。従って、Z方向から見たときに、階段領域SSA内に設けられブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部に最も近い絶縁体柱CLHR_1bとそれに隣接する絶縁体柱CLHR_2とのピッチP1は、階段領域SSA内に設けられ絶縁体柱CLHR_1bに隣接する絶縁体柱CLHR_2同士の間のピッチP2よりも狭い。また、ピッチP1は、ブリッジ領域BRA内に設けられた絶縁体柱CLHR_1aと絶縁体柱CLHR_1bとの間のピッチP3よりも狭い。
【0067】
この場合であっても、ブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの境界部近傍に設けられた絶縁体柱CLHR_1bのピッチをずらすことによって、2列目の絶縁体柱CLHR_1bがブリッジ領域BRAと重複しなくなる。あるいは、2列目の絶縁体柱CLHR_1とブリッジ領域BRAとの重複が小さくなる。よって、ブリッジ領域BRAにおける導電層21の幅WBRAを広げることなく、ブリッジ領域BRAの導電層21の電気的抵抗値を或る程度低下させることができる。
【0068】
(変形例)
第7実施形態は、第1実施形態だけでなく、第2~第5実施形態と組み合わせてもよい。例えば、図17は、第2実施形態と第7実施形態とを組み合わせた例を示す図である。図17では、Z方向から見て、1列目および2列目の絶縁体柱CLHR_1a、CLHR_1bの径R1は、絶縁体柱CLHR_2の径R2よりも小さい。尚且つ、2列目の絶縁体柱CLHR_1bは、ブリッジ領域BRAと階段領域SSAとの間の境界部近傍に設けられているが、階段領域SSA側へ位置がずれている。これにより、ブリッジ領域BRAにおける導電層21の幅WBRAを広げることなく、電気的抵抗値をさらに低下させることができる。
【0069】
例えば、図18は、第3実施形態と第7実施形態とを組み合わせた例を示す図である。図18では、Z方向から見て、1列目の絶縁体柱CLHR_1aの径は、絶縁体柱CLHR_2の径R2とほぼ等しい。しかし、2列目の絶縁体柱CLHR_1bの径R1は、絶縁体柱CLHR_2の径R2よりも小さく、かつ、2列目の絶縁体柱CLHR_1bは階段領域SSA側へ位置がずれている。これにより、2列目の絶縁体柱CLHR_1bがブリッジ領域BRAと重複しなくなる。あるいは、2列目の絶縁体柱CLHR_1とブリッジ領域BRAとの重複が小さくなる。よって、ブリッジ領域BRAにおける導電層21の幅WBRAを広げることなく、ブリッジ領域BRAの導電層21の電気的抵抗値を或る程度低下させることができる。
【0070】
例えば、図19は、第4実施形態と第7実施形態とを組み合わせた例を示す図である。図19では、Z方向から見て、絶縁体柱CLHRのうちブリッジ領域BRAに重複する絶縁体柱CLHR_1aは、ブリッジ領域BRAの延伸方向(X方向)に長径を有する略楕円形となっている。一方、絶縁体柱CLHR_1aの短径R1は、階段領域SSAに設けられた絶縁体柱CLHR_2の径R2よりも小さい。2列目の絶縁体柱CLHR_1bの径は、絶縁体柱CLHR_2の径R2とほぼ等しいが、2列目の絶縁体柱CLHR_1bは階段領域SSA側へ位置がずれている。これにより、2列目の絶縁体柱CLHR_1bがブリッジ領域BRAと重複しなくなる。あるいは、2列目の絶縁体柱CLHR_1とブリッジ領域BRAとの重複が小さくなる。
【0071】
このような構成により、ブリッジ領域BRAにおける導電層21の幅WBRAを広げることなく、ブリッジ領域BRAの導電層21の電気的抵抗値をさらに低下させることができる。
【0072】
例えば、図20は、第5実施形態と第7実施形態とを組み合わせた例を示す図である。図20では、Z方向から見て、絶縁体柱CLHR_1a、CLHR_1bの両方が、ブリッジ領域BRAの延伸方向(X方向)に長径を有する略楕円形となっている。また、2列目の絶縁体柱CLHR_1bは階段領域SSA側へ位置がずれている。これにより、2列目の絶縁体柱CLHR_1bがブリッジ領域BRAと重複しなくなる。あるいは、2列目の絶縁体柱CLHR_1とブリッジ領域BRAとの重複が小さくなる。
【0073】
このような構成により、ブリッジ領域BRAにおける導電層21の幅WBRAを広げることなく、ブリッジ領域BRAの導電層21の電気的抵抗値をさらに低下させることができる。
【0074】
図21は、上記実施形態のいずれかを適用した半導体記憶装置の構成例を示すブロック図である。半導体記憶装置100は、データを不揮発に記憶することが可能なNAND型フラッシュメモリであり、外部のメモリコントローラ1002によって制御される。半導体記憶装置100とメモリコントローラ1002との間の通信は、例えばNANDインターフェイス規格をサポートしている。
【0075】
図21に示すように、半導体記憶装置100は、例えばメモリセルアレイMCA、コマンドレジスタ1011、アドレスレジスタ1012、シーケンサ1013、ドライバモジュール1014、ロウデコーダモジュール1015、及びセンスアンプモジュール1016を備えている。
【0076】
メモリセルアレイMCAは、複数のブロックBLK(0)~BLK(n)(nは1以上の整数)を含んでいる。ブロックBLKは、データを不揮発に記憶することが可能な複数のモリセルの集合であり、例えばデータの消去単位として使用される。また、メモリセルアレイMCAには、複数のビット線及び複数のワード線が設けられる。各メモリセルは、例えば1本のビット線と1本のワード線とに関連付けられている。メモリセルアレイMCAの詳細な構成については後述する。
【0077】
コマンドレジスタ1011は、半導体記憶装置100がメモリコントローラ1002から受信したコマンドCMDを保持する。コマンドCMDは、例えばシーケンサ1013に読み出し動作、書き込み動作、消去動作等を実行させる命令を含んでいる。
【0078】
アドレスレジスタ1012は、半導体記憶装置100がメモリコントローラ1002から受信したアドレス情報ADDを保持する。アドレス情報ADDは、例えばブロックアドレスBAdd、ページアドレスPAdd、及びカラムアドレスCAddを含んでいる。例えば、ブロックアドレスBA、ページアドレスPAdd、及びカラムアドレスCAddは、それぞれブロックBLK、ワード線、及びビット線の選択に使用される。
【0079】
シーケンサ1013は、半導体記憶装置100全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ1013は、コマンドレジスタ1011に保持されたコマンドCMDに基づいて、ドライバモジュール1014、ロウデコーダモジュール1015、及びセンスアンプモジュール1016等を制御して、読み出し動作、書き込み動作、消去動作等を実行する。
【0080】
ドライバモジュール1014は、読み出し動作、書き込み動作、消去動作等で使用される電圧を生成する。そして、ドライバモジュール1014は、例えばアドレスレジスタ1012に保持されたページアドレスPAddに基づいて、選択されたワード線に対応する信号線に生成した電圧を印加する。
【0081】
ロウデコーダモジュール1015は、複数のロウデコーダRDを備える。ロウデコーダRDは、アドレスレジスタ1012に保持されたブロックアドレスBAddに基づいて、対応するメモリセルアレイMCA内の1つのブロックBLKを選択する。そして、ロウデコーダRDは、例えば選択されたワード線に対応する信号線に印加された電圧を、選択されたブロックBLK内の選択されたワード線に転送する。
【0082】
センスアンプモジュール1016は、書き込み動作において、メモリコントローラ200から受信した書き込みデータDATに応じて、各ビット線に所望の電圧を印加する。また、センスアンプモジュール1016は、読み出し動作において、ビット線の電圧に基づいてメモリセルに記憶されたデータを判定し、判定結果を読み出しデータDATとしてメモリコントローラ200に転送する。
【0083】
以上で説明した半導体記憶装置100及びメモリコントローラ2は、それらの組み合わせにより1つの半導体装置を構成しても良い。このような半導体装置としては、例えばSDTMカードのようなメモリカードや、SSD(solid state drive)等が挙げられる。
【0084】
図22は、メモリセルアレイMCAの回路構成の一例を示す回路図である。メモリセルアレイMCAに含まれた複数のブロックBLKのうち1つのブロックBLKが抽出されている。図22に示すように、ブロックBLKは、複数のストリングユニットSU(0)~SU(k)(kは1以上の整数)を含んでいる。
【0085】
各ストリングユニットSUは、ビット線BL(0)~BL(m)(mは1以上の整数)にそれぞれ関連付けられた複数のNANDストリングNSを含んでいる。各NANDストリングNSは、例えばメモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)、並びに選択トランジスタST(1)及びST(2)を含んでいる。メモリセルトランジスタMTは、制御ゲート及び電荷蓄積層を含み、データを不揮発に保持する。選択トランジスタST(1)及びST(2)のそれぞれは、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。
【0086】
各NANDストリングNSにおいて、メモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)は、直列接続される。選択トランジスタST(1)のドレインは、関連付けられたビット線BLに接続され、選択トランジスタST(1)のソースは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)の一端に接続される。選択トランジスタST(2)のドレインは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)の他端に接続される。選択トランジスタST(2)のソースは、ソース線SLに接続される。
【0087】
同一のブロックBLKにおいて、メモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)の制御ゲートは、それぞれワード線WL(0)~WL(7)に共通接続される。ストリングユニットSU(0)~SU(k)内のそれぞれの選択トランジスタST(1)のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGD(0)~SGD(k)に共通接続される。選択トランジスタST(2)のゲートは、選択ゲート線SGSに共通接続される。
【0088】
以上で説明したメモリセルアレイ10の回路構成において、ビット線BLは、各ストリングユニットSUで同一のカラムアドレスが割り当てられたNANDストリングNSによって共有される。ソース線SLは、例えば複数のブロックBLK間で共有される。
【0089】
1つのストリングユニットSU内で共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTの集合は、例えばセルユニットCUと称される。例えば、それぞれが1ビットデータを記憶するメモリセルトランジスタMTを含むセルユニットCUの記憶容量が、「1ページデータ」として定義される。セルユニットCUは、メモリセルトランジスタMTが記憶するデータのビット数に応じて、2ページデータ以上の記憶容量を有し得る。
【0090】
尚、本実施形態に係る半導体記憶装置100が備えるメモリセルアレイMCAは、以上で説明した回路構成に限定されない。例えば、各NANDストリングNSが含むメモリセルトランジスタMT並びに選択トランジスタST(1)及びST(2)の個数は、それぞれ任意の個数に設計され得る。各ブロックBLKが含むストリングユニットSUの個数は、任意の個数に設計され得る。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0092】
100a 半導体装置、1 基体部、2 積層体、3 板状部、CL 柱状部、CLHR絶縁体柱、10 基板、MCA メモリセルアレイ、21 導電層、22 絶縁層、BRA ブリッジ領域、100a_1、100a_2 メモリセル領域、CC コンタクトプラグ、ST スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22