(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120450
(43)【公開日】2022-08-18
(54)【発明の名称】エレベータ養生装置
(51)【国際特許分類】
B66B 13/30 20060101AFI20220810BHJP
【FI】
B66B13/30 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021017354
(22)【出願日】2021-02-05
(71)【出願人】
【識別番号】000201478
【氏名又は名称】前田建設工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510298403
【氏名又は名称】有限会社サット・システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲田 雄大
(72)【発明者】
【氏名】藤田 行孝
(72)【発明者】
【氏名】溝渕 宣誠
(72)【発明者】
【氏名】猪野 真吾
【テーマコード(参考)】
3F307
【Fターム(参考)】
3F307BA00
3F307CD32
(57)【要約】
【課題】エレベータの養生作業の自動化を目的とする。
【解決手段】エレベータ養生装置は、エレベータの出入り口の床部分を覆う養生位置P1とドア10A,10Bの開閉を妨げない退避位置P2との間で移動可能な養生板16と、養生板16を退避位置P2と養生位置P1の間で移動させるアクチュエータ20と、エレベータのドア10A,10Bの開閉を検知する開閉センサ26と、エレベータの出入り口付近を通過する物体の存在及び不存在を検知する少なくとも1つの物体センサと、制御部34と、を有する。制御部34は、エレベータのドア10A,10Bの開閉に応じて、アクチュエータ20を制御し、養生板16の位置を移動させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの出入り口の床部分を覆う養生位置と前記ドアの開閉を妨げない退避位置との間で移動可能な養生板と、
前記養生板を前記退避位置と前記養生位置の間で移動させるアクチュエータと、
前記エレベータのドアの開閉を検知する開閉センサと、
前記エレベータの出入り口付近を通過する物体の存在及び不存在を検知する少なくとも1つの物体センサと、
制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記エレベータのドアの開閉に応じて、前記アクチュエータを制御し、前記養生板の位置を移動させることを特徴とするエレベータ養生装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたエレベータ養生装置において、
前記少なくとも1つの物体センサは、第1物体センサ及び第2物体センサを含み、
前記第1物体センサは、前記エレベータのかご内で前記物体の存在及び不存在を検知し、
前記第2物体センサは、前記養生位置にある前記養生板上の前記物体の存在及び不存在を検知することを特徴とするエレベータ養生装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたエレベータ養生装置において、
前記制御部は、
前記養生板が前記養生位置に移動した後、前記第1物体センサのみによる前記物体の検知を行った場合に、前記物体の出庫であると判断し、
前記養生板が前記養生位置に移動した後、前記第2物体センサのみによる前記物体の検知を行った場合に、前記物体の入庫であると判断することを特徴とするエレベータ養生装置。
【請求項4】
請求項3に記載されたエレベータ養生装置において、
前記制御部は、前記第1物体センサ及び前記第2物体センサの両方による前記物体の存在検知の後に、前記第1物体センサのみの前記物体の存在検知状態となり、その後、前記第1物体センサ及び前記第2物体センサの両方による前記物体の不存在状態を検知した場合に、前記物体の前記入庫の完了を検出するようになっていることを特徴とするエレベータ養生装置。
【請求項5】
請求項3に記載されたエレベータ養生装置において、
前記制御部は、前記第1物体センサ及び前記第2物体センサの両方による前記物体の存在検知の後に、前記第2物体センサのみの前記物体の存在検知状態となり、その後、記第1物体センサ及び前記第2物体センサの両方による前記物体の不存在状態を検知した場合に、前記物体の前記出庫の完了を検出するようになっていることを特徴とするエレベータ養生装置。
【請求項6】
請求項1に記載されたエレベータ養生装置において、
前記物体は、建設現場における資機材を搬送する荷車であることを特徴とするエレベータ養生装置。
【請求項7】
請求項1に記載されたエレベータ養生装置において、
前記養生板は、前記養生位置において、前記エレベータのかご内の床から前記エレベータの外部にある建屋の床に渡って配置されることを特徴とするエレベータ養生装置。
【請求項8】
請求項7に記載されたエレベータ養生装置において、
前記養生板は、前記アクチュエータからと取り外し可能であり、プラスチック段ボールシート、プラスチックベニヤ板、ベニヤ板のいずれかによって形成されることを特徴とするエレベータ養生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータ養生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の建設現場では、資材や工具類の搬入・搬出による本設エレベータの破損や汚れを防止するために、エレベータの出入り口部分の床の養生を行っている(特許文献1)。この養生には、例えば、エレベータのドアの敷居には、養生板を設置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、資機材を本設エレベータに載せる際は、ドアが開いたときに養生板を設置し、資機材を載せた台車を移動させた後、ドアを閉めるときに養生板を撤去するという作業を手作業で行っていた。
【0005】
一方、建設現場では、資機材の運搬を行う際に、搬送ロボットが徐々に用いられてきている。複数階を有する建築物の建設現場の場合、設置された本設エレベータを用いて資機材を上の階へ搬送する際も、搬送ロボットで運搬することが求められているが、本設エレベータは、建築物の完成後も、そのまま運用され続けるエレベータであるため、建設中に傷をつけることは避けなければならない。このため、搬送ロボットが本設エレベータを用いる場合であっても、本設エレベータに養生板を取り付ける作業が必要とされている。このため、近年、搬送ロボットの普及に伴い、本設エレベータに対する養生作業の自動化が求められている。
【0006】
本発明は、エレベータの養生作業の自動化を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係るエレベータ養生装置は、エレベータの出入り口の床部分を覆う養生位置と前記ドアの開閉を妨げない退避位置との間で移動可能な養生板と、前記養生板を前記退避位置と前記養生位置の間で移動させるアクチュエータと、前記エレベータのドアの開閉を検知する開閉センサと、前記エレベータの出入り口付近を通過する物体の存在及び不存在を検知する少なくとも1つの物体センサと、制御部と、を有し、前記制御部は、前記エレベータのドアの開閉に応じて、前記アクチュエータを制御し、前記養生板の位置を移動させることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、エレベータの養生作業の自動化が可能である。
【0009】
(2)(1)に記載されたエレベータ養生装置において、前記少なくとも1つの物体センサは、第1物体センサ及び第2物体センサを含み、前記第1物体センサは、前記エレベータのかご内で前記物体の存在及び不存在を検知し、前記第2物体センサは、前記養生位置にある前記養生板上の前記物体の存在及び不存在を検知することを特徴としてもよい。
【0010】
(3)(2)に記載されたエレベータ養生装置において、前記制御部は、前記養生板が前記養生位置に移動した後、前記第1物体センサのみによる前記物体の検知を行った場合に、前記物体の出庫であると判断し、前記養生板が前記養生位置に移動した後、前記第2物体センサのみによる前記物体の検知を行った場合に、前記物体の入庫であると判断することを特徴としてもよい。
【0011】
(4)(3)に記載されたエレベータ養生装置において、前記制御部は、前記第1物体センサ及び前記第2物体センサの両方による前記物体の存在検知の後に、前記第1物体センサのみの前記物体の存在検知状態となり、その後、前記第1物体センサ及び前記第2物体センサの両方による前記物体の不存在状態を検知した場合に、前記物体の前記入庫の完了を検出するようになっていることを特徴としてもよい。
【0012】
(5)(3)に記載されたエレベータ養生装置において、前記制御部は、前記第1物体センサ及び前記第2物体センサの両方による前記物体の存在検知の後に、前記第2物体センサのみの前記物体の存在検知状態となり、その後、記第1物体センサ及び前記第2物体センサの両方による前記物体の不存在状態を検知した場合に、前記物体の前記出庫の完了を検出するようになっていることを特徴としてもよい。
【0013】
(6)(1)に記載されたエレベータ養生装置において、前記物体は、建設現場における資機材を搬送する荷車であることを特徴としてもよい。
【0014】
(7)(1)に記載されたエレベータ養生装置において、前記養生板は、前記養生位置において、前記エレベータのかご内の床から前記エレベータの外部にある建屋の床に渡って配置されることを特徴としてもよい。
【0015】
(8)(7)に記載されたエレベータ養生装置において、前記養生板は、前記アクチュエータからと取り外し可能であり、プラスチック段ボールシート、プラスチックベニヤ板、ベニヤ板のいずれかによって形成されることを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】エレベータに設置されたエレベータ養生装置を示す図である。
【
図4】ロッドが伸びた状態のエレベータ養生装置の側面図である。
【
図5】ロッドが縮んだ状態のエレベータ養生装置の側面図である。
【
図7】荷車がエレベータに入庫するときのステップを示すフローチャートである。
【
図8】荷車がエレベータに入庫するときのステップを示すフローチャートである。
【
図9】荷車がエレベータから出庫するときのステップを示すフローチャートである。
【
図10】荷車がエレベータから出庫するときのステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態を具体的かつ詳細に説明する。全図において同一の符号を付した部材は同一又は同等の機能を有するものであり、その繰り返しの説明を省略する。なお、図形の大きさは倍率に必ずしも一致するものではない。
【0018】
図1及び
図2は、建築物の完成後もそのまま運用される本設エレベータの内部を示す図である。エレベータには、かご側のドア10Aと建屋側のドア10Bがあり、エレベータが各階に到着すると、この2枚のドア10A,10Bが連動して開閉する。ドア10A,ドア10Bは、エレベータかごの出入り口の床となる敷居12A、建屋側の出入り口の床となる敷居12Bのそれぞれのガイド溝に沿って移動するようになっている。エレベータのその他の詳細は周知であるため説明を省略する。
【0019】
図2は、本発明のエレベータ養生装置が設置された状態を示す図である。エレベータ養生装置は、養生板16(プラスチック段ボールシート、プラスチックベニヤ板、ベニヤ板など)を有する。養生板16は、エレベータの敷居12A、12Bを覆う養生位置P1(実線で示す養生板16が下りた状態)とドア10A,10Bの開閉を妨げない退避位置P2(二点鎖線で示す養生板16が上がった状態)との間で移動可能になっている。養生位置P1に配置された養生板16の上を荷車18が通過することができる。養生板16があることで、荷車18の車輪が敷居12A、12Bを汚したり傷付けたりしないようになっている。荷車18は、資機材を載せて運搬するための台車であり、遠隔操作されるようになっていてもよいし、自動運転の搬送ロボットであってもよい。また、人が押して運搬するものであっても良い。
【0020】
図3は、エレベータ養生装置を上方から見た平面図である。エレベータ養生装置は、アクチュエータ20を有する。
図3に示すアクチュエータ20は、エレベータのかご内に設置される。また、アクチュエータ20は、電動シリンダであり、ロッド22が軸に沿って伸縮(直線移動)することで、その先に設置された養生板16を上げ下げするようになっている。
図3では、ロッド22が伸びた状態になっており、養生板16が下りて設置されている状態になっている。
【0021】
図4は、ロッド22が伸びた状態のエレベータ養生装置の側面図である。
図5は、ロッド22が縮んだ状態のエレベータ養生装置の側面図である。ロッド22の直線運動は、クランク24によって、回転運動に変換される。クランク24に養生板16が固定されている。ロッド22が伸びると、養生板16は養生位置P1にくる(
図4)。ロッド22が縮むと、養生板16は退避位置P2にくる(
図5)。養生板16は、養生位置P1と退避位置P2との間で揺動するようになっている。アクチュエータ20は、養生板16を退避位置P2から養生位置P1に移動させる第1駆動力F1と、養生板16を養生位置P1から退避位置P2に移動させる第2駆動力F2と、のそれぞれを出力可能になっている。
【0022】
図6は、エレベータ養生装置のブロック図である。エレベータ養生装置は、開閉センサ26を有する。開閉センサ26は、ドア10A,10Bの全開扉及び閉扉のそれぞれを検知するようになっている。
図3に示す開閉センサ26は、距離設定型光電センサである。
【0023】
エレベータ養生装置は、物体センサ28を有する。物体センサ28は、荷車18がエレベータに出入りするときの通過位置で荷車18の存在及び不存在のそれぞれを検知するようになっている。物体センサ28は、第1物体センサ30及び第2物体センサ32を含む。第1物体センサ30は、
図3に示すように、ドア10A付近のエレベータのかご内で、荷車18の存在及び不存在のそれぞれを検知するようになっている。
図3に示す第1物体センサ30は、回帰反射型光電センサである。第2物体センサ32は、
図3に示すように、センシングする方向がエレベータのかご内ではなく外側に向かって設定されており、下りた状態の養生板16上の荷車18の存在及び不存在のそれぞれを検知するようになっている。
図3に示す第2物体センサ32は、拡散反射型光電センサである。
【0024】
エレベータ養生装置は、制御部34を有する。制御部34は、各センサからの信号を基に、アクチュエータ20を制御する。また、制御部34は、エレベータ制御回路14に有線又は無線で接続されており、養生板16が養生位置P1にあるときには、ドア10A,10Bが閉じないように、制御部34が制御するようになっていてもよい。
【0025】
アクチュエータ20は、制御部34によって制御される。制御部34は、開閉センサ26が全開扉を検知したときに、第1駆動力F1を出力するようにアクチュエータ20を制御する。制御部34は、物体センサ28による、荷車18の存在検知及びその後の不存在検知が連続したときに、荷車18の入庫又は出庫の完了を検出する。制御部34は、荷車18の入庫又は出庫の完了を検出したときに、第2駆動力F2を出力するようにアクチュエータ20を制御する。制御の詳細を以下説明する。
【0026】
[荷車の入庫]
図7及び
図8は、荷車18がエレベータのかご内に入庫するときのステップを示すフローチャートである。なお、
図7及び
図8は、結合子A及びA´で接続して1つフローチャートを示す。
【0027】
最初に、開閉センサ26によってドア10A,ドア10Bの全開扉及び閉扉のそれぞれを検知し、全開扉の検知があるかどうかを判断する(ステップ100)。全開扉とは、完全にドア10A,ドア10Bが開いている状態である。ドア10A,ドア10Bの開閉途中は、閉扉とみなされる。全開扉の検知があるかどうかを判断し、NOであれば、再度、全開扉の検知に戻る。YESであれば、第1駆動力F1を出力するよう、制御部34がアクチュエータ20を制御する(ステップ102)。これにより、養生板16が退避位置P2から養生位置P1に移動する。
【0028】
制御部34は、センシング情報を取得する(ステップ104)。制御部34は、第1物体センサ30と第2物体センサ32の検知状態を比較し、第2物体センサ32のみによる荷車18の検知(第2存在検知)があるかどうかを判断する(ステップ106)。第2存在検知は、第2物体センサ32だけによる荷車18の検知であって、第1物体センサ30及び第2物体センサ32の両方による荷車18の検知は除かれる。判断結果がNOであれば、ステップ104に戻ってセンシング情報を再び取得した後に、第2存在検知があるかどうかの判断(ステップ106)を再び行う。YESであれば、荷車18が養生板16上にあり、入庫状態であると判断し、次のセンシング情報を取得する(ステップ108)。
【0029】
続いて、第1物体センサ30及び第2物体センサ32の両方による荷車18の検知(両存在検知)があるかどうかを制御部34は判断する(ステップ110)。NOであれば、ステップ106に戻って第2存在検知があるかどうかの判断を再び行う。YESであれば、荷車18が養生板16からかご内に入りつつある状態であると判断し、次のセンシング情報を制御部34は取得する(ステップ112)。
【0030】
続いて、制御部34は、第2物体センサ32ではなく第1物体センサ30による荷車18の検知(第1存在検知)があるかどうかを判断する(ステップ114)。第1存在検知は、第1物体センサ30だけによる荷車18の検知であって、第1物体センサ30及び第2物体センサ32の両方による荷車18の検知は除かれる。判断結果がNOであれば、ステップ110に戻って両存在検知があるかどうかの判断を再び行う。YESであれば、荷車18がかご内に入った状態でかつまだ入り口付近にいると判断し、次のセンシング情報を取得する(ステップ116)。
【0031】
続いて、第1物体センサ30及び第2物体センサ32の両方による、荷車18が存在しないことの検知(両不存在検知)があるかどうかを判断する(ステップ118)。NOであれば、ステップ114に戻って第1存在検知があるかどうかの判断を再び行う。YESであれば、荷車18がかご内に完全に入った状態であると判断する。
【0032】
以上のステップで、荷車18の入庫の完了が検出されるので、第2駆動力F2を出力するよう、制御部34がアクチュエータ20を制御する(ステップ120)。これにより、養生板16が養生位置P1から退避位置P2に移動する。その後、エレベータのドア10A,10Bを閉じることができる。
【0033】
[荷車の出庫]
図9及び
図10は、荷車18がエレベータから出庫するときのステップを示すフローチャートである。なお、
図9及び
図10は、結合子B及びB´で接続して1つフローチャートを示す。
【0034】
最初に、開閉センサ26によってドア10A,10Bの全開扉及び閉扉のそれぞれを検知し、全開扉の検知があるかどうかを判断する(ステップ200)。全開扉とは、完全にドア10A,10Bが開いている状態である。ドア10A,10Bの開閉途中は、閉扉とみなされる。全開扉の検知があるかどうかを判断し、NOであれば、再度、全開扉の検知に戻る。YESであれば、第1駆動力F1を出力するよう、制御部34がアクチュエータ20を制御する(ステップ202)。これにより、養生板16が退避位置P2から養生位置P1に移動する。
【0035】
制御部34は、センシング情報を取得する(ステップ204)。制御部34は、第1物体センサ30と第2物体センサ32の検知状態を比較し、第1物体センサ30のみによる荷車18の検知(第1存在検知)があるかどうかを判断する(ステップ206)。第1存在検知は、第1物体センサ30だけによる荷車18の検知であって、第1物体センサ30及び第2物体センサ32の両方による荷車18の検知は除かれる。判断結果がNOであれば、ステップ204に戻ってセンシング情報を再び取得した後に、第1存在検知があるかどうかの判断(ステップ206)を再び行う。YESであれば、荷車18が、かごの入り口付近に来ている状態であると判断し、次のセンシング情報を取得する(ステップ208)。
【0036】
続いて、第1物体センサ30及び第2物体センサ32の両方による荷車18の検知(両存在検知)があるかどうかを制御部34は判断する(ステップ210)。NOであれば、ステップ206に戻って第1存在検知があるかどうかの判断を再び行う。YESであれば、第1存在検知及び両存在検知が連続したことになり、荷車18が、かごの内部から養生板16上へ移動している途中と判断し、次のセンシング情報を制御部34は取得する(ステップ212)。
【0037】
続いて、制御部34は、第1物体センサ30ではなく第2物体センサ32による荷車18の検知(第2存在検知)があるかどうかを判断する(ステップ214)。第2存在検知は、第2物体センサ32だけによる荷車18の検知であって、第1物体センサ30及び第2物体センサ32の両方による荷車18の検知は除かれる。判断結果がNOであれば、ステップ210に戻って両存在検知があるかどうかの判断を再び行う。YESであれば、荷車18が、かごの内部から出て養生板16上に移動した状態と判断し、次のセンシング情報を取得する(ステップ216)。
【0038】
続いて、第1物体センサ30及び第2物体センサ32の両方による、荷車18が存在しないことの検知(両不存在検知)があるかどうかを判断する(ステップ218)。NOであれば、ステップ214に戻って第2存在検知があるかどうかの判断を再び行う。YESであれば、荷車18が養生板16の位置からさらに外側に移動し、出庫したものと判断する。
【0039】
以上のステップで、荷車18の出庫の完了が検出されるので、第2駆動力F2を出力するよう、制御部34がアクチュエータ20を制御する(ステップ220)。これにより、養生板16が養生位置P1から退避位置P2に移動する。その後、エレベータのドア10A,10Bを閉じることができる。
【0040】
上述した本発明の養生装置は、アクチュエータ20をエレベータのかご内の所定の位置に配置するのみで良く、簡単な作業工程でエレベータ出入り口の自動養生装置を提供することが可能となる。また、資機材の搬入工程が終われば、撤去や他の場所への移動も簡単に行うことが可能となる。
【0041】
また、養生板16は、アクチュエータ20に接続するだけで良く、材料も、プラスチック段ボールシート、プラスチックベニヤ板、ベニヤ板などを利用することが出来、身近な材料で且つ低コストで実現可能である。また、エレベータのかごのサイズは様々であるが、養生板16は、前述の材料を用いてエレベータのサイズに合わせて容易に加工することが可能となる。
【0042】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0043】
10A,10B ドア、12A,12B 敷居、16 養生板、18 荷車、20 アクチュエータ、22 ロッド、24 クランク、26 開閉センサ、28 物体センサ、30 第1物体センサ、32 第2物体センサ、34 制御部、F1 第1駆動力、F2 第2駆動力、P1 養生位置、P2 退避位置。