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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120479
(43)【公開日】2022-08-18
(54)【発明の名称】歯周ポケット深度測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 19/04 20060101AFI20220810BHJP
【FI】
A61C19/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021017393
(22)【出願日】2021-02-05
(71)【出願人】
【識別番号】506377732
【氏名又は名称】株式会社パタカラ
(74)【代理人】
【識別番号】100182028
【弁理士】
【氏名又は名称】多原 伸宜
(74)【代理人】
【識別番号】100145023
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 学
(74)【代理人】
【識別番号】100105887
【弁理士】
【氏名又は名称】来山 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】細川 壮平
(72)【発明者】
【氏名】秋広 良昭
(72)【発明者】
【氏名】秋廣 高志
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052NN02
4C052NN13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】測定したい歯周ポケットの深さを目盛りを目視することにより容易に測定する歯周ポケット深度測定装置を提供する。
【解決手段】歯周ポケットの深度を測定する歯周ポケット深度測定装置1は、棒状の本体部10と、歯周ポケットに挿入される板状の先端部21を備え、本体部10の長手方向の一端に設けられるプローブ20と、先端部21に装着される目盛り部40と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯周ポケットの深度を測定する歯周ポケット深度測定装置であって、
棒状の本体部と、
歯周ポケットに挿入される板状の先端部を備え、前記本体部の長手方向の一端に設けられるプローブと、
前記先端部に装着される目盛り部と、
を有することを特徴とする歯周ポケット深度測定装置。
【請求項2】
前記目盛り部は、
前記先端部と異なる色彩を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の歯周ポケット深度測定装置。
【請求項3】
前記目盛り部は、
スナップフィットにより前記先端部に装着される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の歯周ポケット深度測定装置。
【請求項4】
前記本体部、前記プローブ及び前記目盛り部は、
ポリエチレン又はABS樹脂によって形成されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の歯周ポケット深度測定装置。
【請求項5】
前記先端部は、
先端より前記本体部に向かって徐々に幅狭となるように凹設されると共に両側縁が湾曲している凹溝部を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の歯周ポケット深度測定装置。
【請求項6】
前記先端部は、
前記凹溝部の前記本体部側の端部において先端に向けて凸となるように幅方向に延設されると共に外方に突出する突出部を備える、
ことを特徴とする請求項5記載の歯周ポケット深度測定装置。
【請求項7】
前記先端部は、
前記突出部と前記凹溝部との境界に先端に向けて傾斜する傾斜部を備える、
ことを特徴とする請求項6記載の歯周ポケット深度測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯周ポケットの深度を測定する歯周ポケット深度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、国民の多くが自覚症状のないままに歯周病や糖尿病に罹患しているとの報告がある。特に歯周病は、歯茎が腫れて出血する、口臭、又は歯がグラグラする等の自覚症状があってから治療を始めるのでは遅すぎる病気であり、放置すれば確実に歯が抜ける恐い病気である。歯周病に罹患しているか否かは、歯周ポケットの深さの測定又は歯牙の動揺度検査を行うことにより把握することが可能である。
【0003】
従来、歯周ポケットの深さは、所謂歯の寿命の問題と考えられてきた。しかしながら、現在の医学において、歯周病は認知症を始めとする脳疾患、脳血管疾患、心疾患、糖尿病又は腎疾患等の特定の器官のみならず全身の骨粗鬆症や老化とも関係しているとの疫学的報告が有る。このため、歯周ポケットの正確な深さを測定できない場合には、全身疾患との関連を確認できないのではないかとの報告もなされている。
【0004】
従来、歯周ポケットに挿入されるプローブを有する歯周ポケット深度測定装置を用いて、歯周ポケットの深さを測定することが行われている。このような歯周ポケット深度測定装置では、歯周ポケットにプローブを挿入し、プローブに設けられた目盛りを目視して歯周ポケットの深さを測定する。一般に、歯牙の歯冠と歯根との境目である歯頚部から歯周ポケットの底部までの深さが3mmより深い場合には、病的な状況であると判断される。
【0005】
このような状況において、特許文献1は、深針部の先に荷重が加えられた際に梁状の弾性部が変形して、LEDの光が光導入部に導かれて受光面に入り、光反射部で全反射されて深針部の明るさが最大になる時を規定加重とする歯周ポケット深針プローブを開示している。特許文献1の歯周ポケット深針プローブによれば、光によって見やすい目盛りで歯周ポケットの深さを測定することができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1の歯周ポケット深針プローブにおいては、弾性部の変形によってLEDの光を光放出面から光導入部に導くため、複雑な構成となって容易に製造することができないという課題を有する。
【0007】
これに対して、目盛りを目視し易い形状又は色彩等にすることにより、簡易な構成の歯周ポケット深度測定装置によって、目盛りを目視することより歯周ポケットの深度を容易に測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2016-129595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の歯周ポケット深度測定装置においては、目視し易い目盛りをプローブに形成するためには、プローブを製造する工程が複雑になって容易に製造することができないという課題を有する。例えば、目盛りを目視し易い色彩にする場合には、プローブにおける目盛りと目盛り以外の部分とを異なる色彩にする作業が面倒である。
【0010】
本発明の目的は、測定したい歯周ポケットの深さを目盛りを目視することにより容易に測定することができる歯周ポケット深度測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る歯周ポケット深度測定装置は、歯周ポケットの深度を測定する歯周ポケット深度測定装置であって、棒状の本体部と、歯周ポケットに挿入される板状の先端部を備え、前記本体部の長手方向の一端に設けられるプローブと、前記先端部に装着される目盛り部と、を有する。
【0012】
深度を測定したい歯周ポケットにプローブを挿入すると共に、プローブの目盛り部以外と異なる形状又は色彩等の目盛り部を目視することにより、歯周ポケットの深度を測定する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、測定したい歯周ポケットの深さを目盛りを目視することにより容易に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置の側面図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置の平面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置のプローブを可動した状態の平面図である。
図4図2のA-A断面図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置の組立前の側面図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置のプローブの目盛り部装着後の側面図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置のプローブの一部の拡大斜視図である。
図8図6のB-B断面図である。
図9】本発明の第1の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置のプローブの目盛り部装着前の側面図である。
図10】本発明の第1の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置の目盛り部の側面図である。
図11】本発明の第1の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置の目盛り部の正面図である。
図12】本発明の第1の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置の非可動状態の使用方法を示す図である。
図13】本発明の第1の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置の可動状態の使用方法を示す図である。
図14】本発明の第1の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置を歯周ポケットに挿入した状態の断面模式図である。
図15】本発明の第2の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置の組立前の斜視図である。
図16】本発明の第2の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置の組立前の本体部の一部及びプローブの一部の斜視図である。
図17】本発明の第3の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置のプローブの目盛り部装着後の側面図である。
図18】本発明の第3の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置のプローブの目盛り部装着前の側面図である。
図19図18のC-C断面図である。
図20】本発明の第3の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置の目盛り部の側面図である。
図21】本発明の第3の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置の目盛り部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置につき、詳細に説明する。図中、x軸、y軸及びz軸は、3軸直交座標系を成し、y軸の正方向を前方向、y軸の負方向を後ろ方向、x軸方向を左右方向、z軸の正方向を上方向、及びz軸の負方向を下方向として説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
<歯周ポケット深度測定装置の構成>
本発明の第1の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置1につき、図1から図11を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0017】
歯周ポケット深度測定装置1は、本体部10と、プローブ20と、連結部30と、目盛り部40と、を有している。
【0018】
本体部10は、棒状であり、歯周ポケット深度測定装置1の使用者の手によって把持されると共に、長手方向に直交する平面で切断した断面形状が六角形等の多角形となっている。なお、本体部10は、断面形状を多角形にする場合に限らず、断面形状を円形にしてもよい。
【0019】
具体的には、本体部10は、歯牙挿入部11と、接続部16と、括れ部18と、を備えている。
【0020】
歯牙挿入部11は、本体部10の後端に設けられていると共に、歯牙を挿入可能であり、長壁部12と、長壁部12に対向すると共に長壁部12よりも後方への突出長さが短い短壁部13と、長壁部12と短壁部13との間に設けられる溝部14と、を備えている。
【0021】
接続部16は、本体部10の前端に設けられていると共に、プローブ20と接続可能であり、図1に示す側面視で二股形状になっている。接続部16には、上下方向に貫通する貫通孔である係合凹部17が形成されている(図4参照)。
【0022】
括れ部18は、歯牙挿入部11と接続部16との間に形成されている。
【0023】
プローブ20は、板状であり、本体部10の長手方向の一端である前端に設けられていると共に、歯周ポケットに挿入される。具体的には、プローブ20は、先端部21と、取付部22と、山形部23と、を備えている。
【0024】
先端部21は、歯周ポケットに挿入され、平坦面211と、孔部212と、凹溝部213と、側面214と、先端面215と、傾斜面216と、突出部217と、傾斜部218と、空隙部219と、を備えている。
【0025】
平坦面211は、平坦な平面であり、先端部21の左右両側面に形成されている。平坦面211は、図7に示すように、本体部10側から先端に向かって、先端部21を徐々に肉薄にすることにより緩やかに傾斜している。
【0026】
孔部212は、図9に示すように、先端部21の左右両側面の平坦面211の各々に一対設けられていると共に、先端部21の板厚方向に貫通する貫通孔である。孔部212には、後述の目盛り部40が装着される。
【0027】
凹溝部213は、先端部21の先端から本体部10側に向けて内方に凹設されていると共に、本体部10に向かって徐々に幅狭になっている。凹溝部213は、両側縁部213aが湾曲している。
【0028】
側面214は、先端部21の左右両側面に形成されている平坦面211同士を接続している。
【0029】
先端面215は、平坦面211と、側面214と、を接続している。
【0030】
傾斜面216は、側面214と先端面215との接続部を面取りすることにより形成されている。
【0031】
突出部217は、図7に示すように、先端部21の左右両側面に形成されている各々の平坦面211に設けられている。突出部217は、凹溝部213の本体部10側の端部において先端に向けて凸となって側面視で先端縁がU字状になるように幅方向に延設されていると共に、外方に突出している。
【0032】
傾斜部218は、突出部217と凹溝部213との境界に設けられており、先端に向けて傾斜している。
【0033】
空隙部219は、図8に示すように、先端部21の内部に設けられて孔部212に連通しており、後述の目盛り部40を先端部21に装着可能とするために設けられている。
【0034】
上記の構成を有する先端部21は、凹溝部213を内方に凹設する一方で、突出部217を外方に突出させることにより、凹凸形状となっている。
【0035】
取付部22は、プローブ20の後端に設けられており、本体部10の接続部16に回転自在に取り付けられる。取付部22は、薄肉部222と、係合凸部223と、を備えている。
【0036】
薄肉部222は、取付部22の後端に設けられており、上下方向において取付部22の他の部分よりも薄肉である。
【0037】
係合凸部223は、薄肉部222の上面から上方に突出しており、本体部10の接続部16の係合凹部17に対して回転可能に圧入されて係合する。係合凸部223は、本体部10に対するプローブ20の取付方向(図4において右方向)側に設けられると共に取付方向に向けて傾斜する傾斜部224と、取付方向側と反対方向(図4において左方向)側に設けられると共に係合凹部17に係合して取付部22の反対方向への移動を規制する壁部225と、を備えている。
【0038】
山形部23は、先端部21と取付部22との間に設けられていると共に、上方に凸となっている。
【0039】
連結部30は、本体部10とプローブ20とを互いに移動自在に連結すると共に、本体部10の接続部16及びプローブ20の接続部22と一体に形成されている。
【0040】
目盛り部40は、先端部21と異なる色彩になっており、先端部21の色彩とのコントラストが大きい色彩であることが好ましい。具体的には、目盛り部40は、図10に示すように、複数の直線部41と、背骨部42と、装着部43と、を備えている。
【0041】
複数の直線部41は、所定の間隔を有して配列している。複数の直線部41は、目盛り部40が先端部21に装着された際に、平坦面211の先端側から本体部10側に向けて所定の間隔で配列されると共に、平坦面211の幅方向に延設されて外方に突出する。
【0042】
背骨部42は、複数の直線部41を接続している。
【0043】
装着部43は、背骨部42の長手方向の両端に一対設けられており、スナップフィットにより先端部21に装着される。具体的には、装着部43は、図11に示すように、頭部431と、脚部432と、抜け止め部433と、を備えている。
【0044】
頭部431は、図10に示す側面視で円形となっている。頭部431は、装着部43が孔部212に装着された際に、孔部212を閉塞して空隙部219を外部より密閉する。
【0045】
脚部432は、一対設けられており、頭部431より図11において下方に延設されていると共に、互いに近接する方向に弾性変形可能になっている。
【0046】
抜け止め部433は、脚部432の延設方向の先端に設けられており、外部側方に突出している。
【0047】
上記の構成を有する歯周ポケット深度測定装置1は、合成樹脂によって形成されている。歯周ポケット深度測定装置1を形成している合成樹脂は、例えばABS樹脂、スチレン系・エラストマー、ポリエステル・エラストマー、シリコンゴム、ポリエチレン又は塩化ビニルであり、特にABS樹脂又はポリエチレンが好ましい。
【0048】
<歯周ポケット深度測定装置の組立方法>
本発明の第1の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置1の組立方法につき、以下に詳細に説明する。
【0049】
まず、本体部10、プローブ20及び接続部30を、ポリエチレン等の合成樹脂を溶融させると共に溶融させたポリエチレン等の合成樹脂を金型のキャビティ内に充填して射出成型することによって形成する。
【0050】
また、目盛り部40を、ポリエチレンを溶融させると共に溶融させたポリエチレン等の合成樹脂を金型のキャビティ内に充填して射出成型することによって、本体部10、プローブ20及び接続部30とは別体として形成する。この際に、目盛り部40を本体部10、プローブ20及び接続部30とは異なる色彩となるように、溶融させたポリエチレン等の合成樹脂に、目盛り部40を本体部10、プローブ20及び接続部30とは異なる色彩となる着色剤を予め混ぜる。
【0051】
なお、本体部10、プローブ20及び接続部30と、目盛り部40と、の各々は、上記の射出成型によって形成される場合に限らず、3Dプリンターによって形成されてもよい。
【0052】
本体部10とプローブ20とが分離した状態において、本体部10とプローブ20とは、連結部30によって連結されている。本体部10に対してプローブ20を取り付ける前の状態において、本体部10とプローブ20とは連結部30によって連結されているため、本体部10及びプローブ20の何れか一方を紛失してしまうことを防ぐことができる。
【0053】
本体部10とプローブ20とが分離した状態において、プローブ20の平坦面211に設けられている孔部212に、目盛り部40の装着部43を挿入する。この際に、装着部43の抜け止め部433が孔部212の内壁によって内方に押圧されることにより、一対の脚部432が互いに近接する方向に弾性変形し、抜け止め部433が孔部212を挿通した際に、脚部432が自身の弾性復帰力によって元の状態に戻ることにより、抜け止め部433が先端部21に係合する。これにより、目盛り部40は、頭部431と抜け止め部433とで平坦面211を挟持することにより、プローブ20に装着された状態になる。
【0054】
次に、プローブ20の取付部22を、本体部10の接続部16の二股の間に挿入する。
【0055】
取付部22を接続部16の二股の間に挿入する過程において、薄肉部222は、係合凸部223が接続部16により下方に押圧されることにより下方に弾性変形しながら接続部16の二股の間に挿入される。この際に、係合凸部223の傾斜部224が接続部16に摺接するため、取付部22を接続部16の二股の間に容易に挿入することができる。また、取付部22の薄肉部222を上下方向において取付部22の薄肉部222以外の部分よりも薄肉にすることにより、係合凸部223が接続部16に押圧された際に薄肉部222を容易に弾性変形させることができるため、取付部22を接続部16の二股の間に容易に挿入することができる。
【0056】
そして、係合凸部223が係合凹部17の位置に到達した際に係合凹部17に圧入されて係合し、これに伴って薄肉部222が弾性復帰力によって元の状態に戻ることにより、図4に示す状態となり、歯周ポケット深度測定装置1が完成する。
【0057】
図4に示す状態では、係合凸部223の壁部225が係合凹部17に係合することにより、取付部22の前方への移動を規制するため、本体部10からプローブ20が脱落することを防ぐことができる。
【0058】
また、係合凸部223は、係合凹部17に係合した状態において、先端部21の板状の平面である平坦面211と平行な図4に示す回転軸P1を中心に、接続部16に対して回転可能になっている。これにより、プローブ20は、係合凸部223を中心に、左右側方(図2及び図3において紙面に対して平行な方向)に回転自在になっている。
【0059】
このように、本体部10とプローブ20とを係合凹部17と係合凸部223との凹凸係合によって接続することにより、本体部10とプローブ20とを容易に組み立てることができる。
【0060】
上記の組立方法においては、接続部16の上方の係合凹部17に係合凸部223を係合したが、これに限らず、接続部16の下方の係合凹部17に係合凸部223を係合してもよい。また、プローブ20を本体部10に取り付ける前に目盛り部40をプローブ20に装着したが、これに限らず、プローブ20を本体部10に取り付けた後に目盛り部40をプローブ20に装着してもよい。
【0061】
<歯周ポケット深度測定装置の動作>
本発明の第1の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置1の動作につき、図12から図14を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0062】
まず、プローブ20の取付部22を、口腔の深度を測定したい歯周ポケットの位置に応じて、本体部10の接続部16に対して左右側方に回転させる。
【0063】
例えば、図12に示すように、本体部10とプローブ20とを図2に示す状態(本体部10とプローブ20とのなす角度を0度)にして、プローブ20の先端部21を歯牙R2の外周側の歯周ポケットに挿入する。そして、先端部21が歯周ポケットの最深部に到達した際に、先端部21の目盛り部40を目視することによって、歯牙R2の外周側の歯周ポケットの深度を測定する。
【0064】
また、図13に示すように、本体部10に対してプローブ20を所定角度θだけ回転させた状態にして、プローブ20の先端部21を歯牙R3又は歯牙R4の内周側の歯周ポケットに挿入する。そして、先端部21が歯周ポケットの最深部に到達した際に、先端部21の目盛り部40を目視することによって、歯牙R3又は歯牙R4の内周側の歯周ポケットの深度を測定する。
【0065】
この際に、目盛り部40と、先端部21の目盛り部40以外の部分と、を異なる色彩にしていることにより、目盛り部40の直線部41を容易に目視することができ、歯周ポケットの深度を容易に測定することができる。
【0066】
このように、歯周ポケット深度測定装置1は、全ての歯牙の歯周ポケットの口腔における位置に応じて、本体部10に対してプローブ20を回転軸P1を中心として回転させて歯周ポケットの深度を測定することができる。
【0067】
これにより、歯周ポケット深度測定装置1は、全ての歯牙の歯周ポケットの深度を歯牙、歯肉又は口唇等に邪魔されることなく測定することができる。
【0068】
また、先端部21を本体部10側から先端に向かって緩やかに傾斜させることにより、歯牙を囲む大部分が筋繊維によって構成されている歯肉の組織に対して、プローブ20を無抵抗の状態で挿入することができ、プローブ20を歯周ポケットに容易に挿入することができる。
【0069】
また、歯周ポケットにおける歯牙の歯根面と対向する歯肉の上皮組織には、歯肉靭帯が存在することにより、及び、図14に示すように歯石Qが有る場合に、歯石Qに歯肉の上皮組織が密着することにより、凹凸が有る。また、歯肉の上皮組織には、小さな凹凸及び大きな凹凸等の多様な凹凸が有る。このような歯周ポケットに挿入される先端部21は、歯石Q及び歯肉の上皮組織の凹凸により挿入方向を若干曲げられる。
【0070】
このような場合に、先端部21は、図14に示すように、平坦面211の凹溝部213に歯石Qをガイドして入り込ませる。また、凹溝部213の両側縁部213aを湾曲させることにより、両側縁部213aが歯石Qに食い込むことを防ぐことができると共に歯石Qをスムースに凹溝部213にガイドすることで先端部21を曲げることができる。
【0071】
また、先端部21は、平坦面211が歯石Qによって押圧されることにより歯肉R1の表面の歯周靭帯と当接するS1方向に押圧されるが、平坦面211の突出部217が歯周靭帯を介して歯肉R1を押圧することにより歯牙R2と当接するS2方向に押し戻される。この際に、突出部217を平坦面211の幅方向に延設して形成することにより、歯肉R1からの上皮組織の多様な凹凸に応じて異なる反力を突出部217に結集して、先端部21の向きをS2方向に柔軟に変えることによって安定して押圧することができる。従って、先端部21を歯肉R1の表面の歯周靭帯及び歯石Qに阻まれることなく歯周ポケットの最深部まで挿入することができ、歯周ポケットの深度を正確に測定することができる。
【0072】
また、この際に、凹溝部213と突出部217との境界に傾斜部218を設けることにより、傾斜部218を設けない場合に比べて、歯肉R1の表面の歯周靭帯等に引っ掛かることを防ぐことができ、先端部21をよりスムースに歯周ポケットの最深部まで挿入することができる。
【0073】
このように、歯石Qを乗り越える際に歯石Qに押されることにより外方(S1方向)に向かう先端部21を、歯肉R1の靭帯における歯牙R2の表面に向かって閉まる方向に作用している力を応用して、歯牙R2の表面の方向(S2方向)に戻すために、しならせることができ、歯石Q及び歯肉R1の上皮組織の凹凸や弾性力の強弱により屈曲している歯周ポケット内の最深部まで挿入することができる。また、歯周ポケットの曲がりくねった複雑な形態に対応して先端部21の歯周ポケットに対する挿入方向を変えられるようにすることにより、歯周ポケットの正確な深さを測定できない状況を防ぐことができる。
【0074】
また、先端部21を構成する撓りの有る材質として合成樹脂を採用することにより、歯根に付着する歯石とその悪影響を受けた歯肉上皮組織内の歯肉靱帯とを利用して、測定したい歯周ポケットの深さを目盛りを目視することにより容易に測定することができる。
【0075】
また、突出部217を平坦面211の幅方向に延設して設けることにより、突出部217における歯肉R1との接触面積を大きくすることができるため、先端部21を歯肉R1によってより大きな力で押圧することができ、先端部21を歯牙R2の方向に戻り易くすることができる。
【0076】
更に、先端部21は、歯周ポケットに挿入された場合に傾斜面216が歯肉等に当接するため、角部が歯肉等に当接する場合に比べて、痛みを感じることを抑制することができる。
【0077】
因みに、プローブに突出部217を設けない場合には、プローブはある程度の剛性を有しているため、進行方向をS1方向に曲げられたプローブを歯肉R1の反力のみでS2方向に戻すことはできない。従って、プローブに突出部217を設けない場合には、プローブの先端が歯肉R1に食い込む等によって歯周ポケットの最深部まで挿入されず、歯周ポケットの正確な深度を測定することが困難となる。
【0078】
歯周ポケットの深度を測定した後に、プローブ20は歯周ポケットから抜き取られる。
【0079】
上記の動作において、係合凸部223が係合凹部17に圧入されて係合しているため、接続部16に対して取付部22を、歯周ポケット深度測定装置1の使用者の手によって左右側方に回転させることができる一方で、先端部21が歯周ポケットに挿入された際等に意図しない外力を受けた場合であっても、取付部22が左右側方に回転してしまうことを防ぐことができる。
【0080】
また、歯周ポケットに対して歯周ポケット深度測定装置1を挿入する前又は挿入した後に、本体部10の歯牙挿入部11の溝部14に歯牙を挿入して、長壁部12と短壁部13とによって歯冠咬頭を溝部14に嵌合させることで安定的に負荷を掛けて歯牙の動揺度検査を行うことができる。このように、本体部11に歯牙挿入部11を設けることにより、歯周ポケット深度測定装置1によって歯周ポケットの深度の測定と歯牙の動揺度検査との両方を行うことができる。
【0081】
なお、図14を用いて説明した上記の動作は、歯石Qが歯牙R2側に付着している場合の動作であるが、歯石Qが歯肉R1側に密接している場合においても、先端部21の平坦面211の凹溝部213に歯石Qがガイドされて入り込むことにより、プローブ20は歯石QによってS2方向に押圧されると共に突出部217によってS1方向に押し戻される。これにより、先端部21を歯石Qに阻まれることなく歯周ポケットの最深部まで挿入することができ、歯周ポケットの深度を正確に測定することができる。
【0082】
このように、本実施形態によれば、目盛り部40をプローブ20の先端部21に装着することにより、測定したい歯周ポケットの深さを目盛り部40を目視することにより容易に測定することができる。
【0083】
また、本実施形態によれば、本体部10、プローブ20、接続部30及び目盛り部40を印刷による着色の困難なポリエチレンによって形成した場合には、本体部10、プローブ20及び接続部30の色彩と、目盛り部40の色彩と、を容易に異ならせることができる。
【0084】
また、本実施形態によれば、プローブ20の取付部22は、本体部10に対して先端部21の板状の平面と平行な回転軸を中心に回転可能に取り付けられることにより、全ての歯周ポケットの深度を正確に測定することができる。
【0085】
また、本実施形態によれば、本体部10とプローブ20とを互いに移動自在に連結する本体部10及びプローブ20と一体の連結部30を有することにより、1つの金型で本体部10及びプローブ20を製造することができる。
【0086】
なお、本実施形態において、本体部10の係合凹部17とプローブ20の係合凸部223とを係合させたが、これに限らず、本体部に係合凸部を設けると共にプローブに本体部の係合凸部と係合する係合凹部を設けてもよい。
【0087】
また、本実施形態において、取付部22が回転軸P1を中心にして所定角度以上回転した際に接続部16に圧接するようにしてもよい。これにより、先端部21を歯周ポケットに挿入した場合等において先端部21に外力が加わった場合であっても、取付部22を所定角度以上回転した状態で維持することができる。
【0088】
なお、本実施形態において、先端部21と目盛り部40とを異なる色彩にしたが、これと共に又はこれに代えて、目盛り部を目視し易い形状にしてもよい。この場合には、目盛り部を本体部10、プローブ20及び接続部30とは別体として形成することにより、歯周ポケット深度測定装置を容易に製造することができる。
【0089】
また、本実施形態において、本体部10に対してプローブ20を回転可能に取り付けたが、これに限らず、本体部に対してプローブを回転不可能な状態で取り付けてもよいし、本体部とプローブとを一体にしてもよい。
【0090】
(第2の実施形態)
<歯周ポケット深度測定装置の構成>
本発明の第2の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置2につき、図15及び図16を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0091】
なお、図15において図1から図11までと同一構成である部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0092】
本実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置2は、連結部30と、目盛り部40と、本体部50と、プローブ60と、を有している。
【0093】
本体部50は、棒状であり、歯周ポケット深度測定装置2の使用者の手によって把持されると共に、長手方向に直交する平面で切断した断面形状が六角形等の多角形となっている。なお、本体部50は、断面形状を多角形にする場合に限らず、断面形状を円形にしてもよい。
【0094】
具体的には、本体部50は、歯牙挿入部11と、接続部51と、を備えている。
【0095】
接続部51は、本体部50の前端に設けられていると共に、プローブ60を接続可能であり、側面視で二股形状になっている。接続部51は、圧接壁52と、係合凸部53と、を備えている。
【0096】
圧接壁52は、接続部51に対するプローブ60の挿入方向S3と直交する平面である。
【0097】
係合凸部53は、接続部51の二股形状の内側に互いに対向して設けられている。
【0098】
プローブ60は、板状であり、本体部10の長手方向の一端である前端に設けられていると共に、歯周ポケットに挿入される。具体的には、プローブ60は、先端部61と、取付部62と、を備えている。
【0099】
先端部61は、板状であると共に歯周ポケットに挿入され、平坦面611を備えている。
【0100】
平坦面611は、平坦な平面であり、先端部61の左右両側面に形成されている。平坦面611は、本体部50側から先端に向かって、先端部61を徐々に肉薄にすることにより緩やかに傾斜している。平坦面611には、目盛り部40が装着されている。なお、平坦面611に対する目盛り部40の装着機構は、本実施形態では図示を省略しているが、上記の第1の実施形態における平坦面211に対する目盛り部40の装着機構と同一である。なお、先端部61における平坦面611以外の構成は先端部21の構成と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0101】
取付部62は、本体部50の接続部51に接続し、係合凹部621と、圧接部622と、を備えている。
【0102】
係合凹部621は、上下方向に貫通する貫通孔であり、接続部51の係合凸部53に係合する。
【0103】
圧接部622は、取付部62の側面に設けられており、取付部62が本体部50の接続部51に取り付けられた場合において取付部62が本体部50に対して回転軸P2を中心に回転した際に、本体部50の圧接壁52に圧接可能な位置に設けられている。
【0104】
上記の構成を有する歯周ポケット深度測定装置2は、合成樹脂によって形成されている。歯周ポケット深度測定装置2を形成している合成樹脂は、例えばABS樹脂、スチレン系・エラストマー、ポリエステル・エラストマー、シリコンゴム、ポリエチレン又は塩化ビニルであり、特にABS樹脂又はポリエチレンが好ましい。
【0105】
<歯周ポケット深度測定装置の組立方法>
本発明の第2の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置2の組立方法につき、以下に詳細に説明する。
【0106】
まず、本体部50、プローブ60及び接続部30を、ポリエチレン等の合成樹脂を溶融させると共に溶融させたポリエチレン等の合成樹脂を金型のキャビティ内に充填して射出成型することによって形成する。この際に、本体部50とプローブ60とが分離した状態において、図15に示すように、本体部50とプローブ60とは、連結部30によって連結されている。
【0107】
また、目盛り部40を、ポリエチレンを溶融させると共に溶融させたポリエチレン等の合成樹脂を金型のキャビティ内に充填して射出成型することによって、本体部50、プローブ60及び接続部30とは別体として形成する。この際に、目盛り部40を本体部50、プローブ60及び接続部30とは異なる色彩となるように、溶融させたポリエチレン等の合成樹脂に、目盛り部40を本体部50、プローブ60及び接続部30とは異なる色彩となる着色剤を予め混ぜる。
【0108】
なお、本体部50、プローブ60及び接続部30と、目盛り部40と、の各々は、上記の射出成型によって形成される場合に限らず、3Dプリンターによって形成されてもよい。
【0109】
本体部50とプローブ60とが分離した状態において、図15に示すように、本体部50とプローブ60とは、連結部30によって連結されている。本体部50に対してプローブ60を取り付ける前の状態において、本体部50とプローブ60とは連結部30によって連結されているため、本体部50及びプローブ60の何れか一方を紛失してしまうことを防ぐことができる。
【0110】
本体部50とプローブ60とが分離した状態において、プローブ60の平坦面611に目盛り部40を装着する。
【0111】
次に、プローブ60の取付部62を、本体部50の接続部51の二股の間に挿入する。
【0112】
取付部62により係合凸部53が外方に押圧されることに伴って、接続部51の二股部分が互いに離間する方向に弾性変形することにより、取付部62は接続部51の二股の間に挿入される。
【0113】
そして、取付部62の係合凹部621が係合凸部53の位置に到達した際に係合凸部53に圧入されて係合し、これに伴って接続部51の二股部分が弾性復帰力によって元の状態に戻ることにより歯周ポケット深度測定装置2が完成する。
【0114】
プローブ60は、係合凸部53を係合凹部621に係合した状態において、先端部61の板状の平面である平坦面611と平行な回転軸P2を中心に、本体部50に対して回転可能になっている。これにより、プローブ60は、係合凸部53を中心に、左右側方に移動自在になっている。
【0115】
このように、本体部50とプローブ60とを係合凸部53と係合凹部621との凹凸係合によって本体部50とプローブ60とを接続することにより、本体部50とプローブ60とを容易に組み立てることができる。
【0116】
<歯周ポケット深度測定装置の動作>
本発明の第2の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置2の動作につき、以下に詳細に説明する。
【0117】
まず、プローブ60の取付部62を、口腔の深度を測定したい歯周ポケットの位置に応じて、本体部50の接続部51に対して左右側方に回転させる。
【0118】
この際に、接続部51に対するプローブ60の挿入方向S3に対して、取付部62を回転軸P2を中心として所定角度以上回転させた際に、取付部62の圧接部622が本体部50の圧接壁52に圧接する。これにより、接続部51に対して取付部62を所定角度以上回転させた状態において先端部61を歯周ポケットに挿入した際等に、先端部61が歯牙等より外力を受けた場合に、取付部62が接続部51に対して回転してしまうことを防ぐことができる。
【0119】
また、係合凸部53が係合凹部621に圧入されて係合しているため、接続部51に対して取付部62を、歯周ポケット深度測定装置2の使用者の手によって左右側方に回転させることができる一方で、先端部61が歯周ポケットに挿入された際等に意図しない外力を受けた場合であっても、取付部62が左右側方に回転してしまうことを防ぐことができる。
【0120】
なお、本実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置2の上記以外の動作は上記第1の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置1の動作と同一動作であるので、その説明を省略する。
【0121】
このように、本実施形態によれば、目盛り部40をプローブ60の先端部61に装着することにより、測定したい歯周ポケットの深さを目盛り部40を目視することにより容易に測定することができる。
【0122】
また、本実施形態によれば、本体部10、プローブ60、接続部30及び目盛り部40を印刷による着色の困難なポリエチレンによって形成した場合には、本体部10、プローブ60及び接続部30の色彩と、目盛り部40の色彩と、を容易に異ならせることができる。
【0123】
また、本実施形態によれば、プローブ60の取付部62は、本体部50に対して先端部61の板状の平面と平行な回転軸を中心に回転可能に取り付けられることにより、全ての歯周ポケットの深度を正確に測定することができる。
【0124】
また、本実施形態によれば、本体部50とプローブ60とを互いに移動自在に連結する本体部50及びプローブ60と一体の連結部30を有することにより、1つの金型で歯周ポケット深度測定装置2を製造することができる。
【0125】
なお、本実施形態において、本体部50の係合凸部53とプローブ60の係合凹部621とを係合させたが、これに限らず、本体部に係合凹部を設けると共にプローブに本体部の係合凹部と係合する係合凸部を設けてもよい。
【0126】
また、本実施形態において、先端部61に先端から本体部50側に延設されると共に本体部50に向かって幅狭になる凹溝部213を設けてもよい。
【0127】
また、本実施形態において、先端部61に突出部217を設けてもよい。
【0128】
また、本実施形態において、取付部62を挿入方向S3に対して回転軸P2を中心として所定角度以上回転させた際に、取付部62の圧接部622が本体部50の圧接壁52に圧接するようにしたが、これに限らず、圧接部622を無くして、取付部62を圧接壁52に圧接させないようにしてもよい。この場合には、歯周ポケット深度測定装置2をより簡易な構成にすることができる。
【0129】
なお、本実施形態において、先端部61と目盛り部40とを異なる色彩にしたが、これと共に又はこれに代えて、目盛り部を目視し易い形状にしてもよい。この場合には、目盛り部を本体部50、プローブ60及び接続部30とは別体として形成することにより、歯周ポケット深度測定装置を容易に製造することができる。
【0130】
また、本実施形態において、本体部50に対してプローブ60を回転可能に取り付けたが、これに限らず、本体部に対してプローブを回転不可能な状態で取り付けてもよいし、本体部とプローブとを一体にしてもよい。
【0131】
(第3の実施形態)
<歯周ポケット深度測定装置の構成>
本発明の第3の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置3につき、図17から図21を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0132】
なお、図17から図21において、図1から図11と同一構成である部分については同一符号を付して、その説明を省略する。また、図21は、図20の左側から見た図である。
【0133】
歯周ポケット深度測定装置3は、本体部10と、連結部30と、プローブ70と、目盛り部80と、を有している。なお、本実施形態では、本体部10の記載を省略する。
【0134】
プローブ70は、板状であり、本体部10の長手方向の一端である前端に設けられていると共に、歯周ポケットに挿入される。具体的には、プローブ70は、取付部22と、山形部23と、先端部71と、を備えている。
【0135】
先端部71は、歯周ポケットに挿入され、凹溝部213と、側面214と、先端面215と、傾斜面216と、突出部217と、傾斜部218と、平坦面711と、係合部712と、窓孔部713と、薄肉部714と、挿入口715と、空隙部716と、を備えている。
【0136】
平坦面711は、平坦な平面であり、先端部71の左右両側面に形成されている。平坦面711は、本体部10側から先端に向かって、先端部71を徐々に肉薄にすることにより緩やかに傾斜している。
【0137】
係合部712は、先端部71の幅方向の一端において先端部71の幅方向と直交する長手方向に沿って設けられている。係合部72には、目盛り部80の背骨部81が係合される。
【0138】
窓孔部713は、先端部71の左右両側面に各々複数形成されていると共に平坦面711を板厚方向に貫通している貫通孔である。窓孔部713は、平坦面711の先端側から本体部10側に向けて所定の間隔で配列されていると共に、平坦面711の幅方向に延設されている。
【0139】
薄肉部714は、図19に示すように、平坦面711の挿入口715の上方に設けられており、先端部71の他の部分よりも薄肉になっている。
【0140】
挿入口715は、空隙部716を係合部712に開放している。
【0141】
空隙部716は、先端部71の内部に設けられて窓孔部713に連通しており、後述の目盛り部80を先端部71に装着可能とするために設けられている。
【0142】
凹溝部213は、先端部71の先端から本体部10側に延設されると共に本体部10に向かって徐々に幅狭になっている。凹溝部213は、両側縁部213aが湾曲している。
【0143】
側面214は、先端部71の左右両側面に形成されている平坦面711同士を接続している。
【0144】
突出部217は、図17に示すように、先端部71の左右両側面に形成されている各々の平坦面711に設けられている。突出部217は、凹溝部213の本体部10側の端部において先端に向けて凸となって側面視で先端縁がU字状になるように幅方向に延設されていると共に、外方に突出している。
【0145】
上記の構成を有する先端部71は、凹溝部213を内方に凹設する一方で、突出部217を外方に突出させることにより、凹凸形状となっている。
【0146】
連結部30は、本体部10とプローブ70とを互いに移動自在に連結すると共に、本体部10の接続部16及びプローブ70の接続部22と一体に形成されている。
【0147】
目盛り部80は、先端部71と異なる色彩になっており、先端部71の色彩とのコントラストが大きい色彩であることが好ましい。具体的には、目盛り部80は、図20に示すように、背骨部81と、複数の直線部82と、係合部83と、を備えている。
【0148】
背骨部81は、複数の直線部82を一体に接続している。背骨部81は、係合部72に係合される。
【0149】
複数の直線部82は、所定の間隔を有して配列している。複数の直線部82は、目盛り部80が先端部71に装着された際に、図17に示すように、平坦面711の窓孔部73より外部に突出すると共に、平坦面711の先端側から本体部10側に向けて所定の間隔で配列される。
【0150】
係合部83は、背骨部81と直線部82との間に設けられており、図21に示すように、板厚が直線部82よりも薄くなっている。
【0151】
上記の構成を有する歯周ポケット深度測定装置3は、合成樹脂によって形成されている。歯周ポケット深度測定装置3を形成している合成樹脂は、例えばABS樹脂、スチレン系・エラストマー、ポリエステル・エラストマー、シリコンゴム、ポリエチレン又は塩化ビニルであり、特にABS樹脂又はポリエチレンが好ましい。
【0152】
<歯周ポケット深度測定装置の組立方法>
本発明の第3の実施形態に係る歯周ポケット深度測定装置3の組立方法につき、以下に詳細に説明する。
【0153】
まず、本体部10、プローブ70及び接続部30を、ポリエチレン等の合成樹脂を溶融させると共に溶融させたポリエチレン等の合成樹脂を金型のキャビティ内に充填して射出成型することによって形成する。
【0154】
また、目盛り部80を、ポリエチレンを溶融させると共に溶融させたポリエチレン等の合成樹脂を金型のキャビティ内に充填して射出成型することによって、本体部10、プローブ70及び接続部30とは別体として形成する。この際に、目盛り部80を本体部10、プローブ70及び接続部30とは異なる色彩となるように、溶融させたポリエチレン等の合成樹脂に、目盛り部80を本体部10、プローブ70及び接続部30とは異なる色彩となる着色剤を予め混ぜる。
【0155】
なお、本体部10、プローブ70及び接続部30と、目盛り部80と、の各々は、上記の射出成型によって形成される場合に限らず、3Dプリンターによって形成されてもよい。
【0156】
本体部10とプローブ70とが分離した状態において、本体部10とプローブ70とは、連結部30によって連結されている。本体部10に対してプローブ70を取り付ける前の状態において、本体部10とプローブ70とは連結部30によって連結されているため、本体部10及びプローブ70の何れか一方を紛失してしまうことを防ぐことができる。
【0157】
本体部10とプローブ70とが分離した状態において、目盛り部80をスナップフィットにより先端部71に装着する。具体的には、プローブ70の先端部71に設けられている係合部712の挿入口715より、目盛り部80の直線部82を先頭に目盛り部80を先端部71の内部に挿入する。これにより、直線部82が先端部71の薄肉部714を上方に押圧して弾性変形させることにより挿入口715を押し広げると共に、直線部82が薄肉部714を通過した際に、薄肉部714の自身の弾性復帰力によって元の状態に戻る。そして、薄肉部714が係合部83と係合すると共に、直線部82が窓孔部713より外部に突出して、目盛り部80がプローブ70の先端部71に装着される。
【0158】
なお、この後の歯周ポケット深度測定装置3の組立方法は、歯周ポケット深度測定装置1の組立方法と同一方法であるので、その説明を省略する。また、歯周ポケット深度測定装置3の動作は、歯周ポケット深度測定装置1の動作と同一動作であるので、その説明を省略する。
【0159】
このように、本実施形態によれば、目盛り部80をプローブ70の先端部71に装着することにより、測定したい歯周ポケットの深さを目盛り部80を目視することにより容易に測定することができる。
【0160】
また、本実施形態によれば、本体部10、プローブ70、接続部30及び目盛り部80を印刷による着色の困難なポリエチレンによって形成した場合には、本体部10、プローブ70及び接続部30の色彩と、目盛り部80の色彩と、を容易に異ならせることができる。
【0161】
なお、本実施形態において、先端部71と目盛り部80とを異なる色彩にしたが、これと共に又はこれに代えて、目盛り部を目視し易い形状にしてもよい。この場合には、目盛り部を本体部10、プローブ70及び接続部30とは別体として形成することにより、歯周ポケット深度測定装置を容易に製造することができる。
【0162】
また、本実施形態において、本体部10に対してプローブ70を回転可能に取り付けたが、これに限らず、本体部に対してプローブを回転不可能な状態で取り付けてもよいし、本体部とプローブとを一体にしてもよい。
【0163】
本発明は、部材の種類、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
【0164】
具体的には、上記第1の実施形態から第3の実施形態において、凹部213の側縁部213aを湾曲させたが、これに限らず、凹部の側縁部を直線状にして凹部を逆V字状の溝にしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0165】
本発明に係る歯周ポケット深度測定装置は、歯周ポケットの深度を測定するのに好適である。
【符号の説明】
【0166】
1 歯周ポケット深度測定装置
2 歯周ポケット深度測定装置
3 歯周ポケット深度測定装置
10 本体部
11 歯牙挿入部
12 長壁部
13 短壁部
14 溝部
16 接続部
17 係合凹部
18 括れ部
20 プローブ
21 先端部
22 取付部
23 山形部
30 連結部
40 目盛り部
41 直線部
42 背骨部
43 装着部
50 本体部
51 接続部
52 圧接壁
53 係合凸部
60 プローブ
61 先端部
62 取付部
70 プローブ
71 先端部
80 目盛り部
81 背骨部
82 直線部
83 係合部
211 平坦面
212 孔部
213 凹溝部
213a 側縁部
214 側面
215 先端面
216 傾斜面
217 突出部
218 傾斜部
219 空隙部
222 薄肉部
223 係合凸部
224 傾斜部
225 壁部
431 頭部
432 脚部
433 抜け止め部
611 平坦面
621 係合凹部
622 圧接部
711 平坦面
712 係合部
713 窓孔部
714 薄肉部
715 挿入口
716 空隙部
P1 回転軸
P2 回転軸
Q 歯石
R1 歯肉
R2 歯牙
R3 歯牙
R4 歯牙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図20
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