(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120541
(43)【公開日】2022-08-18
(54)【発明の名称】カートリッジの取り付け構造及びカートリッジ
(51)【国際特許分類】
C02F 1/28 20060101AFI20220810BHJP
C02F 1/44 20060101ALI20220810BHJP
C02F 1/42 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
C02F1/28 R
C02F1/44 A
C02F1/42 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021017495
(22)【出願日】2021-02-05
(71)【出願人】
【識別番号】000004400
【氏名又は名称】オルガノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】本田 薫
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 匡
(72)【発明者】
【氏名】須澤 明宏
【テーマコード(参考)】
4D006
4D025
4D624
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006JA53Z
4D006JA67Z
4D006KA72
4D006KB04
4D006KB11
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4D006KE03P
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4D006PA01
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4D025AA03
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4D624AA02
4D624BA02
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4D624CB15
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4D624CB36
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4D624CC50
4D624DA03
4D624DA05
4D624DB05
4D624DB10
4D624DB19
(57)【要約】
【課題】取り付け及び取り外しの作業性が良好であり、かつ、マニホールドとカートリッジとの接続部における液漏れを防止して独立した位置調整作業を不要としたカートリッジの取り付け構造を提供する。
【解決手段】取り付け構造は、一端が回動軸65に取り付けられて収納空間70を開閉するカバー62と、回動軸65に取り付けられてカートリッジ12を支持する支持部材71と、カートリッジ12の側面に沿ってカートリッジ12を挟み込むことができるようにカバー62に取り付けられた1対の持ち上げ部材72L,72Rと、を備える。持ち上げ部材72L,72Rの向かう合う内面に、カートリッジ12の側面に形成されている突起16を受け入れる溝73を形成する。溝73は、回動軸65の周りでのカバー62の回転に伴って溝73に沿って突起16が摺動するときにカートリッジ12の底面が支持部材71から離れるように、湾曲している。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体処理装置に用いられる筒形形状のカートリッジを取り外し可能に前記液体処理装置に取り付ける取り付け構造であって、
前記取り付け構造は、
前記カートリッジを収容する収納空間と、
前記収納空間の開口の下端に沿って設けられた回動軸と、
一端が前記回動軸に回転自在に取り付けられて前記収納空間を開閉するカバーと、
前記回動軸に回転自在に取り付けられ、前記カートリッジの底面を保持する底面支持部と前記カートリッジの側面を支持する側面支持部とを備え、前記カバーの前記収納空間の側に配置された支持部材と、
前記カートリッジの前記側面に沿って前記カートリッジを挟み込むことができるように相互に平行に前記カバーに取り付けられた1対の持ち上げ部材と、
を備え、
前記1対の持ち上げ部材の相互に向き合う内面に、前記収納空間の奥を向いた側の端部が開放端部となって前記カートリッジの側面に形成されている突起を受け入れる溝が形成され、
前記回動軸の周りでの前記カバーの回転に伴って前記溝に沿って前記突起が摺動するときに前記カートリッジの底面が前記底面支持部から離れるように、前記溝が湾曲している、取り付け構造。
【請求項2】
前記支持部材の回転に伴って前記支持部材に載置された前記カートリッジが前記収納空間内の所定の位置に達したのち、前記支持部材の回転が規制される、請求項1に記載の取り付け構造。
【請求項3】
前記所定の位置は、前記収納空間内で前記カートリッジが直立する位置であり、前記直立する位置において前記カートリッジが前記収納空間の奥壁に当接することにより前記支持部材の回転が規制される、請求項2に記載の取り付け構造。
【請求項4】
前記回動軸を挟んで前記カバーの前記一端から先端に向かう方向と前記側面支持部が延びる方向とがなす角度が所定の値を超えないように、前記支持部材に前記カバーに当接する当接部が設けられている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の取り付け構造。
【請求項5】
前記カバーと前記支持部材とを接続するばね部材を有し、
前記ばね部材は、前記突起が前記溝に進入していないように前記角度を保持する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の取り付け構造。
【請求項6】
前記カバーの前記先端に、前記収納空間を閉じる位置に前記カバーを固定する解除可能なラッチ機構が設けられている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の取り付け構造。
【請求項7】
前記側面支持部に、前記カートリッジの前記側面に形成されている位置決め部に嵌合する嵌合部が設けられている、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の取り付け構造。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の取り付け構造によって前記液体処理装置に取り付けられる筒形形状のカートリッジであって、
頂面に設けられて前記液体処理装置のマニホールドに接続可能な接続部と、
側面に設けられた1対の前記突起と、
を備え、前記接続部を介して前記マニホールドと前記カートリッジの内部との間で液体が流通可能であるカートリッジ。
【請求項9】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の取り付け構造によって前記液体処理装置に取り付けられる筒形形状のカートリッジであって、
頂面に設けられて前記液体処理装置のマニホールドに接続可能な接続部と、
側面に設けられた1対の前記突起及び前記位置決め部と、
を備え、前記接続部を介して前記マニホールドと前記カートリッジの内部との間で液体が流通可能であるカートリッジ。
【請求項10】
前記カートリッジは円筒形状であり、前記側面において前記カートリッジの直径の両端にあたる位置にそれぞれ前記突起が設けられている、請求項8または9に記載のカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、純水製造装置などの液体処理装置に用いられて消耗品類を収納するカートリッジをその液体処理装置に着脱可能に取り付けるための取り付け構造と、そのような取り付け構造に適合したカートリッジとに関する。
【背景技術】
【0002】
水道水などの被処理水から純水を生成する純水製造装置は、例えば、活性炭を備える活性炭処理装置、逆浸透膜を備える逆浸透膜装置、イオン交換樹脂などのイオン交換体を備えるイオン交換装置、紫外線酸化装置などから構成される。純水製造のためには活性炭や逆浸透膜、イオン交換樹脂などが使用されることになるが、これらはいずれも消耗品であり、定期的にあるいは必要に応じて交換する必要がある。消耗品類の交換に要する労力を削減することが求められており、これらの消耗品類の交換の際に、純水製造装置の内部にゴミや汚染物質などを持ち込まないようにする必要もある。そこで、純水製造装置において消耗品をカートリッジ(フィルターカートリッジあるいはフィルターアセンブリーなどともいう)に格納することによって、純水製造装置内部の汚染を防ぎつつ、カートリッジごと純水製造装置の本体に取り外し可能に取り付けることが行われている。カートリッジには被処理水の入口と出口とが設けられている。純水製造装置の本体に設けられているマニホールドあるいはキャップにカートリッジを例えば上向きに取り付けることにより、純水製造装置の本体内の配管がそれぞれカートリッジにおける被処理水の入口と出口に接続し、カートリッジを介して被処理水を通水することが可能になる。活性炭を収容したカートリッジは、例えば、活性炭カートリッジと呼ばれ、イオン交換樹脂を格納したカートリッジは、例えば、イオン交換樹脂カートリッジと呼ばれる。
【0003】
特許文献1には、枢軸の周りを回転可能とすることにより手前方向に引き倒すことが可能な例えば断面がL字形状の架台を備え、引き倒した状態の架台に筒状のカートリッジを載置して固定し、その後、架台を直立した状態とすることによって、カートリッジを液体処理装置の本体に接続する取り付け構造が開示されている。この構造は、カートリッジを架台に載置した際に締着片によりカートリッジを架台に固定する必要があり、必ずしも作業能率が向上しているとは言えない。また、接続状態のカートリッジを液体処理装置の本体に押し付ける構造とはなっていないので、カートリッジと液体処理装置の本体との接続部において液漏れの発生の恐れがある。液漏れを防ぐためには位置調整の作業を別途行う必要があり、作業性が低下する。
【0004】
特許文献2には、蝶番を介してマニホールドに対して開閉するようにカップ状の外箱部材をマニホールドに取り付け、外箱部材を開けた状態でその内部にカートリッジを格納し、その後、外箱部材を閉じてその状態で外箱部材を固定することによりマニホールドにカートリッジが接続されるようにした構成が開示されている。同様の構成は特許文献3にも開示されている。特許文献2,3に記載されたカートリッジの取り付け構造では、カートリッジの取り付け、取り外しの際には、外箱部材は、マニホールドに対してぶら下がった状態で開状態となる。そしてカートリッジを取り付ける作業では、カートリッジを手で持って、開状態の外箱部材に対してカートリッジを挿入する。大型のカートリッジであれば質量が数kgともなり、マニホールドにカートリッジをぶつけないように慎重に作業をする必要もあるので、この作業の作業性はよくない。
【0005】
特許文献4には、カートリッジの先端の円筒部を円形マニホールドの円形空間に嵌合させてカーリッジを取り付ける取り付け構造であって、カートリッジの円筒部の外周面に、その円周方向に延びる線状の突起である固定部材を設け、円形マニホールドの円形空間の内壁には固定部材を受け入れ可能な溝状のスライド通路を形成するとともに、固定部材が当接して摺動することによりスライド通路に固定部材を導くことができるように円形空間の内壁に段差を形成することが開示されている。しかしながら特許文献4に記載されたカートリッジの取り付け構造では、マニホールドの円形空間に対してカートリッジの先端を位置付けし、カートリッジを持ち上げながらカートリッジをひねる動作が必要となり、カートリッジの質量が大きいときに作業がやりにくくなる恐れが生ずることがある。
【0006】
カートリッジの質量が大きいときに作業性が悪くなるという特許文献4に記載された技術の課題を解決するものとして特許文献5は、カートリッジに設けられた突起に係合する溝を備えた持ち上げ用の部材(リフター)をマニホールドに設けることを開示している。この取り付け構造では、マニホールドの直下の位置にカートリッジを配置した後、ハンドルを動かしてリフターの溝にカートリッジの突起を係合させ、さらにハンドルによってリフターを動かし溝に沿って突起を摺動させることにより、リフターによってカートリッジが持ち上げられ、マニホールド側の接続部にカートリッジが当接する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公昭57-25695号公報
【特許文献2】特開昭48-76150号公報
【特許文献3】特開2011-224481号公報
【特許文献4】特表2010-504849号公報
【特許文献5】特表2012-501832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献5の取り付け構造では、カートリッジの取り付け時にマニホールドに向けてカートリッジを手で持ち上げる必要はないが、最初にマニホールドの直下の位置にカートリッジを位置付けるときに、カートリッジの向きも含めて正確に位置決めする必要がある。また、ハンドルとリフターとを梃子としてカートリッジを持ち上げることになるが、ハンドルの長さにも限界があり、カートリッジの質量が大きいときには操作にそれなりの力を要する。
【0009】
本発明の目的は、カートリッジの取り付け及び取り外しの作業性が良好であり、かつ、マニホールドとカートリッジとの接続部における液漏れを防止して独立した位置調整作業を不要としたカートリッジの取り付け構造と、その取り付け構造に適合したカートリッジとを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のカートリッジの取り付け構造は、液体処理装置に用いられる筒形形状のカートリッジを取り外し可能に液体処理装置に取り付ける取り付け構造であって、取り付け構造は、カートリッジを収容する収納空間と、収納空間の開口の下端に沿って設けられた回動軸と、一端が回動軸に回転自在に取り付けられて収納空間を開閉するカバーと、回動軸に回転自在に取り付けられ、カートリッジの底面を保持する底面支持部とカートリッジの側面を支持する側面支持部とを備え、カバーの収納空間の側に配置された支持部材と、カートリッジの側面に沿ってカートリッジを挟み込むことができるように相互に平行にカバーに取り付けられた1対の持ち上げ部材と、を備え、1対の持ち上げ部材の相互に向き合う内面に、収納空間の奥を向いた側の端部が開放端部となってカートリッジの側面に形成されている突起を受け入れる溝が形成され、回動軸の周りでのカバーの回転に伴って溝に沿って突起が摺動するときにカートリッジの底面が底面支持部から離れるように、溝が湾曲している。
【0011】
本発明のカートリッジは、本発明の取り付け構造によって液体処理装置に取り付けられる筒形形状のカートリッジであって、頂面に設けられて液体処理装置のマニホールドに接続可能な接続部と、側面に設けられた1対の突起と、を備え、接続部を介してマニホールドとカートリッジの内部との間で液体が流通可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カートリッジの取り付け及び取り外しの作業性が良好であり、かつ、マニホールドとカートリッジとの接続部における液漏れを防止して独立した位置調整作業を不要としたカートリッジの取り付け構造と、その取り付け構造に適合したカートリッジとを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】(a),(b)は、それぞれ、純水製造装置の外観を示す斜視図及び側面図である。
【
図3】第1のカートリッジを説明する図であって、(a)は側面図、(b)は斜視図である。
【
図4】第2のカートリッジを説明する図であって、(a)は側面図、(b)は斜視図、(c)は
図4(b)とは異なる方向から見た斜視図である。
【
図5】(a),(b)は、それぞれ、フロントドアを外した状態の純水製造装置の外観を示す斜視図と要部の正面図である。
【
図6】カートリッジの取り付けのためにカバーを開いた状態を示す要部の斜視図である。
【
図7】回動軸の周りでのカバーと支持部材との関係を示す斜視図である。
【
図9】(a),(b)はカバーを開いた状態を示す断面図である。
【
図10】カバーが半開きとなった状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、液体処理装置に用いられて消耗品類を収納するカートリッジをその液体処理装置に着脱可能に取り付けるための取り付け構造と、そのような取り付け構造に適合したカートリッジとに関するものである。そこで以下の実施形態では、液体処理装置が純水製造装置であるとして、純水製造装置で使用されるカートリッジに対する取り付け構造を説明する。もちろん、本発明が適用可能な液体処理装置は純水製造装置に限定されるものではない。
【0015】
図1(a),(b)は、本発明の実施の一形態のカートリッジの取り付け構造が適用される純水製造装置の外観を示し、
図2は、この純水製造装置の構成を示している。この純水製造装置10は、例えば実験室においてビーカーやフラスコなどへの純水の採水に用いられるものであり、卓上型の機器として構成されている。純水製造装置10には、消耗品類を収納するカートリッジ11,12が取り外し可能に取り付けられる。カートリッジ11,12が装着されてカートリッジ11,12に通水するために、純水製造装置10にはマニホールド21,22が設けられている。ここで示す例では、第1のカートリッジ11は、逆浸透(RO)膜と活性炭とを収納したカートリッジであり、第2のカートリッジ12は、イオン交換樹脂を格納したカートリッジである。
【0016】
水道水などの原水が純水製造装置10に供給されており、供給された原水10は、電磁弁31とマニホールド21とを介して第1のカートリッジ11に供給される。第1のカートリッジ11において、原水は、逆浸透膜による逆浸透処理と活性炭による処理を受け、第1のカートリッジ11からの処理水は、マニホールド21を介してタンク32に送られる。逆浸透処理においては逆浸透膜を透過しない水、すなわち濃縮水が発生するが、濃縮水は、マニホールド21から配管41を介して排水として排出される。したがって、第1のカートリッジ11には、水の出入りのための開口として、原水の入口、処理水の出口及び濃縮水(排水)の出口との合わせて3つの開口が必要であり、第1のカートリッジ11に対応するマニホールド21は、これら3つの開口にそれぞれ対応して純水製造装置10の本体側の3本の配管が接続するように構成されている。
【0017】
タンク32には、タンク内の水を給送するポンプ33が接続し、ポンプ33の出口には、流量センサ(FI)34及び紫外線酸化装置(UV)35がこの順で接続し、紫外線酸化装置35の出口水は、マニホールド22を介して第2のカートリッジ12に通水される。第2のカートリッジ12の出口水、すなわち、第2のカートリッジ12内のイオン交換樹脂を通過した水は、マニホールド22を介して出口配管36に供給される。出口配管36には電磁弁37が設けられるとともに、出口配管36の先端には純水を吐出するノズル46が設けられている。ノズル46は、出口配管36に連通する流路部材であるノズル取付部38に対し、取り外し可能に取付けられる。ノズル46として、末端フィルタを備えたものを用いることもできる。説明のため、
図2以外の図面は、純水製造装置10からノズル46が取り外されている状態で描かれている。さらにこの純水製造装置10では、出口配管36において電磁弁37よりも上流側の位置から循環配管39が分岐しており、循環配管39の先端側はタンク32に接続している。循環配管39は、ノズル46から純水を吐出していない期間において第2のカートリッジ12の出口水をタンク32に戻すために設けられており、循環配管39には電磁弁40が設けられている。
【0018】
純水製造装置10には、純水製造装置10の全体の制御を行なう制御部51と、制御部51に電気的に接続する操作パネル52も設けられている。操作パネル52は、利用者からの純水製造装置10に対するコマンドを受け付けて制御部51に入力し、さらに、制御部51によって制御されて利用者に対して情報を提示する。具体的には制御部52は、流量センサ34での測定値を受け取り、操作パネル52への入力に基づいて電磁弁31,37,40、ポンプ33及び紫外線酸化装置35を制御する。
【0019】
図1(a),(b)に示すように純水製造装置10は、角部が丸められた略四角柱状の形状を有し、その正面側の上部がせり出し部45として手前側にせり出している。操作パネル52は、純水製造装置10の上面であって利用者が操作しやすい位置、具体的には
図1(a)における手前側に設けられている。ノズル取付部38は、純水製造装置10のせり出し部45の下面に下向きに設けられ、下側からノズル46を取り付けられるようになっている。純水清掃装置10の正面であってせり出し部45よりも下側の部分は、開閉可能なあるいは取り外し可能なフロントドア60として構成されている。
【0020】
次に、この純水製造装置10による純水の製造について説明する。水道水などの原水は電磁弁31を経てまず第1のカートリッジ11に供給され、逆浸透膜における処理と活性炭による処理を受け、これにより、原水中の不純物の相当部分が除去される。第1のカートリッジ11からの出口水は、ダンク32に一時的に貯えられ、続いて、紫外線酸化装置35に被処理水として供給される。ここでは、被処理水に紫外線が照射されることにより、被処理水中のTOC(全有機炭素:Total Organic Carbon)成分が分解除去される。そして被処理水は第2のカートリッジ12に供給されてイオン交換処理を受ける。被処理水中のイオン成分がこのイオン交換処理によって除去されるので、第2のカートリッジ12からは出口水として純水が得られる。この純水は、供給配管36及び電磁弁37を介してノズル46から吐出される。ノズル46から純水を吐出していないタイミングでもポンプ33は駆動しており、第2のカートリッジ12の出口水である純水は、循環配管40を介してタンク32に戻される。つまり、純水を吐出していないときは、タンク32から紫外線酸化装置35、イオン交換装置として機能する第2のカートリッジ12を経てタンク32へと純水が循環し、純水の水質の劣化を防いでいる。
【0021】
ノズル46からの純水の吐出は、操作パネル52に対して利用者が採水コマンドの入力を行うことによって実行される。採水コマンドの入力があると、制御部51は、電磁弁37を開け、電磁弁40を閉じる制御を行なう。純水の吐出を停止するときは、制御部51は、電磁弁37を閉め、電磁弁40を開ける制御を行なう。いずれのときも制御部51は、ポンプ33を駆動状態のままとする。
【0022】
本実施形態の純水製造装置10では、ノズル46からの純水の吐出のモードとして、定量採水モードと連続採水モード(手動採水モード)とがあり、これらは操作パネル52に対する入力によって選択することができる。定量採水モードは、予め操作パネル51を介して設定された体積の純水をノズル46から吐出するモードである。定量採水モードでは、制御部51は、採水コマンドの入力があると、流量センサ34で計測される流量の累積値が設定された体積に達するまでノズル46から純水を吐出する制御を行ない、流量の累積値が設定された体積に達したら純水の吐出を停止する制御を行なう。一方、連続吐出モードでは、制御部51は、操作パネル52の例えばボタンが押下されそののちボタンが離されたら純水の吐出を開始するように制御を行ない、ボタンがもう1回押下されて離されたらその時点で純水の吐出を停止する制御を行なう。連続採水モードでは、制御部51は、操作パネル52の例えばボタンが押下されている期間だけ純水を吐出し、ボタンの押下が終了したらその時点で純水の吐出を停止するように制御を行なってもよい。なお、連続採水モードにおいても流量センサ34は純水の吐出量を計測し、定量採水モードと連続採水モードでの純水の合計使用量をIoT(Internet of Thing)用の通信機器を介してサーバーに送信することにより、クラウド上で純水の使用量を管理することもできる。
【0023】
次に、本実施形態の純水製造装置10に用いられるカートリッジ11,12について説明する。第1のカートリッジ11は、消耗品である逆浸透膜及び活性炭を収納して逆浸透膜装置及び活性炭装置として構成されたものであり、第2のカートリッジ12は、消耗品であるイオン交換樹脂を収納してイオン交換装置として構成されたものである。いずれのカートリッジ11,12も、定期的に、あるいは処理水量が一定の値に達したときに、交換されるべきものである。第1のカートリッジ11を交換するときは、電磁弁31を閉じて第1のカートリッジ11への原水の供給が遮断されるようにする必要がある。第2のカートリッジ12を交換するときは、ポンプ33を停止して、第2のカートリッジ12への通水を停止する必要がある。タンク32は例えばエアベントフィルタを介して大気に連通しているのが一般的であり、マニホールド22から第2のカートリッジ12を取り外したときに水頭差により循環配管39の水がマニホールド22側に逆流し、マニホールド22から水が垂れるおそれがある。そこで第2のカートリッジ12を交換するときは、ポンプ33を停止するだけでなく、電磁弁40を閉じて循環配管39内の水が逆流しないようにすることが好ましい。
【0024】
図3(a),(b)は、それぞれ、第1のカートリッジ11の側面図と斜視図であり、
図4(a),(b)は、それぞれ、第2のカートリッジ12の側面図と斜視図である。
図4(c)も第2のカートリッジ12の斜視図であるが、
図4(b)での視点とは反対側から見た図である。これらの図に示すように、第1のカートリッジ11も第2のカートリッジ12も筒形の形状に形成されるものであって、図示した例では円筒形状に形成されている。以下の説明において、各カートリッジ11,12における頂面及び底面とは、それぞれ、筒形の形状としての頂面及び底面を指し、各カートリッジ11,12における側面とは筒形の形状としての側面を意味する。カートリッジ11,12の長さ方向とは、底面の中心と頂面の中心を結ぶ方向を指す。各カートリッジ11,12の頂面には、純水製造装置10の本体側のマニホールド21,22と接続される接続部15が設けられている。各接続部15は、カートリッジ11,12の長さ方向に延びてカートリッジ11,12の内部に連通する管形状の部材であり、外周面において円周方向に形成された溝にOリング15Aが装着されている。接続部15をマニホールド21,22に向けて押圧するとマニホールド21,22の内部に押し込まれ、Oリング15Aが潰されつつマニホールド21,22の内壁に密着する。その結果、接続部15とマニホールド21,22との間で液漏れを起こすことなく、純水製造装置10の本体側とカートリッジ21,22との間で液体の流通が可能になる。第1のカートリッジ11には3個の接続部15が設けられ、第2のカートリッジ12には2個の接続部15が設けられている。
【0025】
各カートリッジ11,12の側面であって頂面に近い位置には、カートリッジ11,12を挟んで向かい合うように1対の突起16が設けられている。1対の突起16は、後述するようにカートリッジ11,12を持ち上げる動作を行うときに作用点となる部分であるから、カートリッジ11,12が円筒形状のものであるときは、1つの直径の両端となる位置にそれぞれ設けられることが好ましい。さらに、各カートリッジ11,12の側面であって頂面に近い位置には、後述するように支持部材71に対してカートリッジ11,12を載置するときの位置決めに用いられる第1の位置決め部17と、カートリッジ11,12を純水製造装置10に装着するときに純水製造装置10の本体側に設けられた位置決め溝77(
図9(a)参照)に係合する、上下方向に延びるリッジとして形成された第2の位置決め部18とが突出するように設けられている。カートリッジ11,12が円筒形状であるときは、両端に1対の突起16が配置される直径に対して直交する直径の2つの端部の一方に第1の位置決め部17を、他方に第2の位置決め部18を設けることが好ましい。
【0026】
次に、本実施形態におけるカートリッジ11,12の取り付け及び取り外しのための構成を説明する。純水製造装置10に対してカートリッジ11,12を取り付けたり取り外したりするときは、フロントドア60を開けるか取り外して純水製造装置10の内部にアクセスする。そこで説明を分かりやすくするため、以下では説明する各図は、フロントドア60が取り外されているものとして描かれている。
図5(a),(b)は、それぞれ、フロントドア60が取り外された状態の純水製造装置10の外観を示す斜視図と要部の正面図であり、
図6は、第2のカートリッジ12の取り付けのためにカバー62が開けられた状態の純水製造装置10を示す要部の斜視図である。
図6では、マニホールド22A,22Bに接続する配管や、表示部52などは示されていない、。
【0027】
カートリッジ11,12は、いずれも、マニホールド21,22に接続した状態において頂面が鉛直方向上側となり底面が鉛直方向下側となるように、直立した状態で純水製造装置10に取り付けられる。そのように取付けられるカートリッジ11,12を収納するために、純水製造装置10にはカートリッジ11,12の収納空間70が設けられる。そして収納空間70を覆うように、開閉可能なカバー61,62が設けられている。収納空間70の開口の下端に沿って水平に1本の回動軸65が設けられ、カバー61,62を回動軸65が貫通することによって、カバー61,62は回動軸65の周りを回転可能となり、収納空間70を閉じたり開けたりすることができる。カバー61,62ごとに回動軸65を設けてよい。
図5(a),(b)に示した例では、カバー61,62ごとに回動軸65が設けられている。カバー61,62における回動軸65の貫通位置は、そのカバー61,62の一端すなわち下端側である。図示左側のカバー61は、第1のカートリッジ11の取り付け及び取り外しの際に開けられるカバーであり、図示右側のカバー62は、第2のカートリッジ11の取り付け及び取り外しの際に開けられるカバーである。
図6では、カバー61は閉じられており、カバー62が、第2のカートリッジ12の取り付けのために開けられている。カバー61,62の上端には、カバー61,62を閉鎖位置に固定するために純水製造装置10側のフック76(
図9(a)参照)と係合可能な爪68が設けられている。爪68は、不図示のばねによって、フック76と係合するときの位置に付勢されている。さらにカバー61,62には、フック76との係合状態を解除するときに爪68を引き込むためのハンドル66と、ハンドル66の操作時に指などが挿し込まれる凹部67とが設けられている。爪68、ハンドル66及び不図示のばねは、収納空間70を閉じる位置にカバー61,62を固定する解除可能なラッチ機構を構成する。閉鎖状態のカバー61,62を開けるときは、ハンドル66を手前に引く。そうすることにより爪68がフック76から外れ、さらにハンドル66を手前に引けば、
図6において右側のカバー62がそうであるように、回動軸65の周りをカバー61,62が回転してカバー61,62が引き倒されるようにして開く。
【0028】
カバー61,62の内部には、カートリッジ11,12の取り付け及び取り外し時にそのカートリッジ11,12が載置され、あるいは支持される支持部材71が設けられている。カバー61,62を閉じたとき、支持部材71は収納空間70の内部に配置してカバー61,62よりも覆われる。
図6では、第2のカートリッジ12のための支持部材71が示されている。
図2では第2のカートリッジ12の2つの接続部15に対して1つのマニホールド22が対応するように描かれているが、
図6では、より具体的に、第2のカートリッジ12の2つの接続部15にそれぞれ対応する2つのマニホールド22A,22Bが描かれている。本発明に基づくカートリッジの取り付け構造の目標は、第2のカートリッジ12に関しては、第2のカートリッジ12を斜めに寝かせた状態で支持部材71に載置したのち、カートリッジ12を手で直接持ち上げることなく、接続部15をマニホールド22A,22Bに正確に位置付けてマニホールド22A,22Bに接続することである。もちろん、接続部15とマニホールド22A,22Bとの間で液漏れなどが生じないようにする必要がある。このような目標を達成するために、カバー62には、カートリッジ12の1対の突起16にそれぞれ対応して持ち上げ部材72L,72Rが設けられている。持ち上げ部材72L,72Rの詳細については後述する。
【0029】
支持部材71は、
図7に示すように、カートリッジ12の底面を支える底面支持部71aと、カートリッジ12の側面を支える側面支持部71bとが形成された部材である。カートリッジ12が円筒形状のものであるとすると、側面支持部71bは、断面が半円となるように湾曲してカートリッジ12の長手方向に延びる部材であり、底面支持部71aに対して直立している。側面支持部71bが底面支持部71aに接続する位置の近傍で、回動軸65が底面支持部71aを貫通する。これにより支持部材71も回動軸65の周りを回転することができる。底面支持部71aには、支持部材71が回動軸65の周りに回転したときにカバー62と当接することとなる当接部71dが形成されている。これにより、
図7に示すように、回動軸65からみてカバー62が延びる方向aと側面支持部71bが延びる方向bとがなす角θは、一定の角度値以下に制限される。したがって、支持部材71は、カバー62の収納空間70の側に配置される。支持部材71は、カバー62に近付く方向に回転可能であるが、カバー62の下端と底面支持部71とがばね部材75により接続されており、このため、
図6に示すようにカバー62が開いているときは、ばね部材75により、角度θは一定に保たれる。側面支持部71bの上端には、カートリッジ12の第1の位置決め部17を受け入れる切込み部71c(
図9(a)参照)が、第1の位置決め部17に嵌合する嵌合部として設けられている。切込み部71cは、側面支持部71bの上端側に開いており、第1の位置決め部17が切込み部71cに嵌合した状態からカートリッジ12が側面支持部71bに沿って底面支持部71aから離れる方向に動くことを可能にしている。
【0030】
持ち上げ部材72L,72Rは、板状の部材であって、カートリッジ12の幅(円筒形状のカートリッジ12であれば直径)と同じかそれよりも若干広い間隔で、相互に平行に、かつ収納空間70の奥側に延びるように、カバー62に取り付けられている。持ち上げ部材72L,72Rの向かい合う内側の面には、
図8に示すように、カートリッジ12の突起16を受け入れる溝73が形成されている。
図8は、一方の持ち上げ部材72Lの内側の面を示しているが、他方の持ち上げ部材72Rの内側の面は、
図8とは対称に形成される。溝73は湾曲して形成されている。より具体的には、ばね部材75によって角度θが一定の値に保たれてる状態で支持部材71にカートリッジ12が載置されたとして、角度θが小さくなるにつれて、カートリッジ12の1対の突起16が持ち上げ部材72L,72Rの溝の中に入り込み、待ちあげ部材72L,72Rによってカートリッジ12の側面が挟み込まれた状態で突起16が溝73内を摺動するように、溝73は形成されている。すなわち、持ち上げ部材72L,72Rの収納空間70側の端部の位置で溝73は、突起16を受け入れることができるように開放端部73aとして形成されており、溝73の湾曲の形状は、溝73と回動軸65との距離が収納空間70の奥側の端部において小さく、手前側すなわちカバー62のハンドル66が設けられている面側に近付くにつれてこの距離が大きくなるようなものとされている。言い換えれば溝73は、回動軸65の周りでのカバー62の回転に伴って溝73に沿ってカートリッジ12の突起16が摺動するときにカートリッジ12の底面が支持部材71の底面支持部71aから離れるように、湾曲している。
【0031】
次に、本実施形態でのカートリッジ11,12の取り付け及び取り外しの動作ついて、第2のカートリッジ12の取り付けを例に挙げて説明する。
図9(a),(b)は、
図5(b)のX-X線断面で見た、カバー62が開いた状態での純水製造装置10の要部の断面図である。
図9(a)はカートリッジ12が支持部材71に載置されていない状態を示し、
図9(b)はカートリッジ12が支持部材71に載置された状態を示している。第2のカートリッジ12を取り付けようとするときにカバー62が閉じていれば、上述したようにカバー62のハンドル66を手前に引くことによって、爪68とフック76との係合状態が解除されてカバー62が手前側に引き倒され、
図9(a)に示した状態となる。この状態では、回動軸65を挟んでカバー62の延びる方向(
図7での矢印a)と支持部材71の側面支持部71bが延びる方向(
図7での矢印b)とがなす角度θは、ばね部材75の作用により一定に保たれている。
【0032】
次に、第2のカートリッジ12の第1の位置決め部17が支持部材71の切込み部71cに嵌合するように、第2のカートリッジ12を支持部材71上に載置する。このとき第1の位置決め部17が切込み部71に嵌合するように位置決めを行う必要があるが、その動作は、斜めになっている支持部材71にカートリッジ12をとりあえず載置したのちに、カートリッジ12の底面が底面支持部71aによって支持され、側面が側面支持部71bによって支持されている状態で嵌合状態となるまで支持部材71上でカートリッジ12を回転させるだけでよいので容易である。ばね部材75のばね定数を適切に設定しておくことにより、このとき、第2のカートリッジ12の質量によって支持部材71が大きく沈み込むことはない。またこのとき、カートリッジ12の1対の突起16は、持ち上げ部材72L、72Rの溝73の開放している端部に近接する位置にある。
図9(b)はこのときの状態を示している。
【0033】
続いて、カバー62のハンドル66の付近を押すことによって、カバー62が回動軸65の周りを回転して収納空間70に向けて移動する。ばね部材75の作用により、カバー62の延びる方向aと支持部材71の側面支持部71bが延びる方向bとがなす角度θは一定に保たれるので、支持部材71も回動軸65の周りを回転し、支持部材71に載置されているカートリッジ12も回転する。その結果、カートリッジ12は収納空間70の中に位置するようになる。やがてカートリッジ12は、収納空間70の内部で直立し、そのとき、カートリッジ12が収納空間70の奥壁に当接し、第2の位置決め部18が、収納空間70の奥壁に形成されている位置決め溝77に入り込む。位置決め溝77は上下方向に延びるように形成されており、位置決め溝77に第2の位置決め溝18が入り込んだ状態で、収納空間70内でカートリッジ12が上下方向に動くことを可能にしている。カートリッジ12が収納空間70の奥壁に当接しているので、カートリッジ12は回動軸65の周りをそれ以上回転できず、支持部材71もそれ以上回転できない。その状態が
図10に示されている。
図10も
図5(b)のX-X線断面で見た、カバー62が半開きの状態での純水製造装置10の要部の断面図である。この状態ではカートリッジ12の接続部15と純水製造装置10において収納空間70の天井部に対応して設けられているマニホールド22A,22Bとの間には隙間が存在する。
【0034】
さらにカバー62のハンドル66の付近を押すと、支持部材71は回転しないがカバー62はばね部材75の付勢力に抗して回動軸65の周りをさらに回転する。その結果、カートリッジ12の1対の突起16が、1対の持ち上げ部材72L,72Rに形成されている溝73に対してその開放端部73aの側から入り込み、溝73に沿って摺動する。上述のように溝73が湾曲して形成されているので、突起16が摺動することによってカートリッジ12は支持部材71の底面支持部71aから離れる方向に持ち上げられる。また、カバー62が押し込まれることにより、カバー62の先端の爪68が純水製造装置10の本体側のフック76に当接して押し込まれ、爪68がフック76を通過すると爪68は元の位置に戻ってフック76に係合する。これによりカバー62は収納空間70を閉じるとともにカバー62が開かなくなくなる。また、この状態で、カートリッジ13は、
図11に示すように収納空間70内で固定される。
図11は、
図5(b)のX-X線断面で見た、カバー62が閉じた状態での純水製造装置10の要部の断面図である。
図11に示す状態において、カートリッジ12は持ち上げ部材72L,72Rにより上方に持ち上げられ、カートリッジ12の接続部15はマニホールド22A,22Bの内部に押し込まれる。このとき接続部15の外周面に設けられているOリング15Aは、潰されるようにしてマニホールド22A,22Bの内壁に密着する。その結果、純水製造装置10にカートリッジ12が取り付けられた状態となり、マニホールド22A,22Bとカートリッジ12の内部との間で、外部への液漏れを起こすことなく、液体を流通させることが可能になる。
【0035】
図11に示す状態からカートリッジ12を取り外すときは、ハンドル66を引いて爪68とフック76との係合状態を解除し、さらにハンドル66を手前に引いて、カバー62を開ける。その結果、取り付け時とは逆方向にカバー62が動くので、カートリッジ12の突起16が溝73を開放端部73aの側に摺動し、カートリッジ12は下方に移動する。
図10に示す状態までカバー62を開ければ、カートリッジ12の接続部15はマニホールド22A,22Bから離れ、カートリッジ12の底面は支持部材71の底面支持部71aに当接する状態となる。ここまでのカバー62の移動によっては、ばね部材75の作用により、支持部材71は移動しない。その後、さらにカバー62を開けると、カバー62と支持部材71の側面支持部71bとがなす角度θの大きさが一定値以下に規制されていることにより、カバー62の動きに合わせて支持部材71も回動軸75の周りを回転し、支持部材71に載置されているカートリッジ12も回転する。そして、最終的に、
図9(b)に示した状態に戻るから、カートリッジ12を支持部材71から手に持って取り上げることが可能になる。
【0036】
以上、本実施形態の純水製造装置10におけるカートリッジの取り付け構造について、第2のカートリッジ12を例に挙げて説明したが、第1のカートリッジ11も同様の取り付け構造によって純水製造装置10に取り付けられる。ここではカートリッジ11,12はいずれも円筒形状であるものとして説明したが、カートリッジ11,12の形状は円筒形状でなくてもよく、例えば多角形の筒状の形状であってもよい。カートリッジ11,12に収納される消耗品類は、活性炭や逆浸透膜、イオン交換樹脂に限られるものではなく、他の消耗品であってもよい。また本発明が適用可能な水処理装置は純水製造装置に限定されるものではなく、水に対する処理を行う任意の他の装置であってもよい。
【符号の説明】
【0037】
10 純水製造装置
11,12 カートリッジ
15 接続部
15A Oリング
16 突起
17,18 位置決め部
21,22,22A,22B マニホールド
61,62 カバー
65 回動軸
70 収納空間
71 支持部材
72L,72R 持ち上げ部材
73 溝
75 ばね部材