(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120691
(43)【公開日】2022-08-18
(54)【発明の名称】スピーカ用ボイスコイル構造及びスピーカ装置
(51)【国際特許分類】
H04R 9/04 20060101AFI20220810BHJP
【FI】
H04R9/04 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021017752
(22)【出願日】2021-02-05
(71)【出願人】
【識別番号】000112565
【氏名又は名称】フォスター電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 龍
【テーマコード(参考)】
5D012
【Fターム(参考)】
5D012BC01
5D012BC03
5D012FA06
5D012GA01
(57)【要約】
【課題】過電流時にボイスコイル本体への電流の供給を遮断するための構成を簡素化できるスピーカ用ボイスコイル構造及びスピーカ装置を得る。
【解決手段】金属箔で構成された第二接続端子40は、ボイスコイル本体26の引き出し線26Cが半田付けによって接続された第一構成部42と、第一構成部42から離れて配置されて給電用配線50Bが半田付けによって接続された第二構成部44と、を備えている。第一構成部42と第二構成部44とは、ボイスコイルボビン24の周方向に並ぶように配置され、接続部46によって一体に接続されている。接続部46は、ボイスコイル本体26及び給電用配線50Bよりも、電流方向と直交する方向の電流通路断面積が小さく設定されることで、ボイスコイル本体26及び給電用配線50Bよりも電気抵抗が高く設定されており、ヒューズ機能を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイスコイル本体が巻回された筒状のボイスコイルボビンと、
前記ボイスコイルボビンの外周面において前記ボイスコイル本体の巻回部分とは重ならない部位に貼り付けられた金属箔と、
を有し、
前記金属箔は、
前記ボイスコイル本体の引き出し線が接続された第一構成部と、
前記第一構成部から離れて配置されて前記ボイスコイル本体に給電するための給電用配線が接続された第二構成部と、
前記第一構成部と前記第二構成部とを一体に接続すると共に、前記ボイスコイル本体及び前記給電用配線よりも、電流方向と直交する方向の電流通路断面積が小さく設定されることで、前記ボイスコイル本体及び前記給電用配線よりも電気抵抗が高く設定された接続部と、
を備えるスピーカ用ボイスコイル構造。
【請求項2】
前記第一構成部と前記第二構成部とは、前記ボイスコイルボビンの周方向に並ぶように配置されている、請求項1記載のスピーカ用ボイスコイル構造。
【請求項3】
前記金属箔は、前記第一構成部と前記第二構成部との間の領域が前記金属箔の厚み方向に見て前記第一構成部と前記第二構成部とが並ぶ方向と直交する方向の一方側から切り欠かれた形状に形成されており、前記接続部は、前記第一構成部と前記第二構成部との間において前記一方側とは反対側の端部に形成されている、請求項1又は請求項2に記載のスピーカ用ボイスコイル構造。
【請求項4】
前記金属箔における前記接続部を含む部分は、難燃性材料からなるテープで被覆されている、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のスピーカ用ボイスコイル構造。
【請求項5】
前記金属箔は、シート状の基材を介して前記ボイスコイルボビンの外周面に貼り付けられている、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のスピーカ用ボイスコイル構造。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のスピーカ用ボイスコイル構造を有し、
前記ボイスコイル本体が前記ボイスコイルボビンと共に挿入される磁気空隙を有する磁気回路と、
前記ボイスコイルボビンに接合された振動板と、
を有するスピーカ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカ用ボイスコイル構造及びスピーカ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカ装置のボイスコイル(ボイスコイル本体)に過電流が入力されるのを防ぐための構造が種々知られている(例えば特許文献1~特許文献4参照)。例えば下記特許文献1には、コイルを回巻したボイスコイルボビンの上端部に2つの端子が設けられ、この端子に過電流保護素子が接続された構造が開示されている。このような構造では、過電流保護素子に過電流が流れたとき、過電流保護素子がジュール熱により溶断されることで、ボイスコイル部への電流の供給を遮断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-298392号公報
【特許文献2】特開2013-207775号公報
【特許文献3】特開2005-109780号公報
【特許文献4】実開昭57-158288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された構造では、限られたスペースに端子と過電流保護素子とを配置しなければならないため、構成を簡素化する点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、過電流時にボイスコイル本体への電流の供給を遮断するための構成を簡素化できるスピーカ用ボイスコイル構造及びスピーカ装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載する本発明のスピーカ用ボイスコイル構造は、ボイスコイル本体が巻回された筒状のボイスコイルボビンと、前記ボイスコイルボビンの外周面において前記ボイスコイル本体の巻回部分とは重ならない部位に貼り付けられた金属箔と、を有し、前記金属箔は、前記ボイスコイル本体の引き出し線が接続された第一構成部と、前記第一構成部から離れて配置されて前記ボイスコイル本体に給電するための給電用配線が接続された第二構成部と、前記第一構成部と前記第二構成部とを一体に接続すると共に、前記ボイスコイル本体及び前記給電用配線よりも、電流方向と直交する方向の電流通路断面積が小さく設定されることで、前記ボイスコイル本体及び前記給電用配線よりも電気抵抗が高く設定された接続部と、を備える。
【0007】
上記構成によれば、筒状のボイスコイルボビンにはボイスコイル本体が巻回されている。また、ボイスコイルボビンの外周面においてボイスコイル本体の巻回部分とは重ならない部位には金属箔が貼り付けられている。金属箔は、第一構成部と第二構成部とを備えており、第一構成部には、ボイスコイル本体の引き出し線が接続され、第二構成部には、ボイスコイル本体に給電するための給電用配線が接続されている。また、第二構成部は第一構成部から離れて配置されており、第一構成部と第二構成部とは、金属箔の一部を構成する接続部によって一体に接続されている。ここで、接続部は、ボイスコイル本体及び給電用配線よりも、電流方向と直交する方向の電流通路断面積が小さく設定されることで、ボイスコイル本体及び給電用配線よりも電気抵抗が高く設定されている。これにより、過電流時には、金属箔の接続部をジュール熱によって溶断させることが可能となる。そして、接続部が溶断されることで、ボイスコイル本体への電流の供給を遮断することができる。
【0008】
請求項2に記載する本発明のスピーカ用ボイスコイル構造は、請求項1記載の構成において、前記第一構成部と前記第二構成部とは、前記ボイスコイルボビンの周方向に並ぶように配置されている。
【0009】
上記構成によれば、例えば第一構成部と第二構成部とがボイスコイルボビンの筒軸方向に並ぶような構造に比べて、前記筒軸方向に沿う方向の金属箔の長さを抑えることができる。このため、ボイスコイルボビンの筒軸方向の長さを抑えることが可能となる。
【0010】
請求項3に記載する本発明のスピーカ用ボイスコイル構造は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記金属箔は、前記第一構成部と前記第二構成部との間の領域が前記金属箔の厚み方向に見て前記第一構成部と前記第二構成部とが並ぶ方向と直交する方向の一方側から切り欠かれた形状に形成されており、前記接続部は、前記第一構成部と前記第二構成部との間において前記一方側とは反対側の端部に形成されている。
【0011】
上記構成によれば、例えば金属箔において第一構成部と第二構成部との間の領域が前記一方側及びその反対側の二方向から切り欠かれた構造と比べると、切り欠かれる箇所が少ないため、成形性がよい。
【0012】
請求項4に記載する本発明のスピーカ用ボイスコイル構造は、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の構成において、前記金属箔における前記接続部を含む部分は、難燃性材料からなるテープで被覆されている。
【0013】
上記構成によれば、金属箔の接続部が溶断される場合に発生し得る火花が、難燃性材料からなるテープによって抑えられる。
【0014】
請求項5に記載する本発明のスピーカ用ボイスコイル構造は、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の構成において、前記金属箔は、シート状の基材を介して前記ボイスコイルボビンの外周面に貼り付けられている。
【0015】
上記構成によれば、例えば、金属箔の成形時に金属箔の素材を前記シート状の基材の素材上に貼り付けた状態で金属箔の素材と前記シート状の基材の素材とをまとめてプレス打ち抜き加工し、そのプレス打ち抜き加工で得られた成形体をボイスコイルボビンの外周面に貼り付けるという方法を採り得る。ここで、前記シート状の基材を金属箔に重ねることで、基材と合わせた全体の曲げ剛性を高めることができるので、金属箔の取扱性が向上し、ボイスコイルボビンの外周面への金属箔の貼り付けが容易になる。
【0016】
請求項6に記載する本発明のスピーカ装置は、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のスピーカ用ボイスコイル構造を有し、前記ボイスコイル本体が前記ボイスコイルボビンと共に挿入される磁気空隙を有する磁気回路と、前記ボイスコイルボビンに接合された振動板と、を有する。
【0017】
上記構成によれば、給電用配線及び金属箔を用いてボイスコイル本体へ給電することで、ボイスコイルボビンが振動し、これと一体に振動板が振動することで音が発生する。また、過電流時には、金属箔の接続部をジュール熱によって溶断させることが可能となる。そして、接続部が溶断されることで、ボイスコイル本体への電流の供給を遮断することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、過電流時にボイスコイル本体への電流の供給を遮断するための構成を簡素化できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るスピーカ用ボイスコイル構造を有するスピーカ装置を一部破断して示す斜視図である。
【
図2】
図1のスピーカ用ボイスコイル構造を示す斜視図である。
【
図3】
図1のスピーカ装置における給電用配線の配置状態等を示す斜視図であり、
図1とは異なる切断位置(装置中心軸周りに90°ずらした位置)で切断しかつ
図1とは異なる方向から見た状態で示す。
【
図4】ボイスコイルボビンに第二接続端子が貼り付けられている部分を拡大して示す斜視図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係るスピーカ用ボイスコイル構造を示す斜視図である。
【
図6】本発明の第3の実施形態に係るスピーカ用ボイスコイル構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るスピーカ用ボイスコイル構造を有するスピーカ装置について
図1~
図4を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRはスピーカ装置10(
図1参照)が向く方向である前方向を示している。以下、単に前後の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、スピーカ装置10を基準にして見た場合の前後方向の前後を示すものとする。
【0021】
図1には、第1の実施形態に係るスピーカ用ボイスコイル構造を有するスピーカ装置10が一部破断した状態の斜視図で示されている。最初に、スピーカ装置10の概略構成について説明する。
【0022】
図1に示されるように、スピーカ装置10は、振動板22を有する。振動板22は、正面視で環状に形成され、前面が中央部側に向けて徐々に凹んだコーン形状を有する。振動板22は、一例としてコーン紙(パルプ繊維等を含む材料から成るコーン)で構成されている。なお、振動板22の材料には、例えば、パルプ繊維等の抄紙材料、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネイト(PC)等の樹脂材料を適用できる他、例えばアルミニウム合金等の金属材料を適用することもできる。振動板22の前面中央部側にはセンターキャップ21が配置されている。センターキャップ21は、一例としてドーム形状に形成され、その中央部が前方側に膨出するように配置されている。センターキャップ21の外周部は、全周に亘ってフランジ状に形成され、振動板22の前面に接合されている。振動板22の外周部22Bには、ゴム等の弾性材料で形成されたエッジ23が全周に亘って接合されている。エッジ23は、正面視で環状に形成され、全周に亘ってフレーム12の第一棚状部12Aに接合されている。
【0023】
フレーム12は、前述した第一棚状部12Aと、振動板22の中央部側の部位の後方側(矢印FR方向とは反対側)に配置される環状の底壁部12Dと、を備えると共に、第一棚状部12Aの内周部と底壁部12Dの外周部とを繋ぐ繋ぎ部12Xを備えている。
【0024】
繋ぎ部12Xにおいて第一棚状部12Aの内周部と底壁部12Dの外周部との中間部には、正面視で環状の第二棚状部12Bが形成されている。第二棚状部12Bは、振動板22の外周部側の部位の後方側(矢印FR方向とは反対側)に配置されている。また、繋ぎ部12Xにおいて第二棚状部12Bの外周部と第一棚状部12Aの内周部との間の部位には、周方向に並ぶ複数の貫通孔12Hが貫通形成されている。一方、繋ぎ部12Xにおいて第二棚状部12Bの内周部と底壁部12Dの外周部との間の部位は、後方側(矢印FR方向とは反対側)へ向かうほど縮径されると共に階段状に形成された環状外周壁部12Cとなっている。環状外周壁部12Cには、第二棚状部12Bの内周部と底壁部12Dの外周部との中間部に正面視で環状の第三棚状部12C1が形成されている。
【0025】
振動板22の中央部には円孔22Hが貫通形成され、円孔22Hの縁部はボイスコイルボビン24の外周面24Aの前部に一例として後述するテープ58の前端部を介して接合されている。ボイスコイルボビン24は、フィルムを円筒状にしたものとされる。図中では、ボイスコイルボビン24の断面は便宜上太線で示している。なお、ボイスコイルボビン24の材料には、例えば、ポリイミド(PI)等の樹脂材料、クラフト紙等の紙材料を適用できる他、例えばアルミニウム合金等の金属材料を適用することもできる。ボイスコイルボビン24の後部外周側には、線状の導体である電線(一例として銅線)で構成されたボイスコイル本体26が巻回されている。なお、ボイスコイル本体26の断面は簡略化して図示している。
【0026】
ボイスコイルボビン24の外周面24Aには、振動板22の円孔22Hよりも後方側の部位にダンパ28の内周部28Aが一例として後述するテープ58の一部(より具体的には前後方向中間部)を介して接合されている。ダンパ28は、正面視で環状に形成されると共に波紋状のコルゲーション部が形成された可撓性の薄板部材である。ダンパ28の外周側の部位28Bは、フレーム12の第二棚状部12Bに接合されている。このように、ボイスコイルボビン24は、ダンパ28等を介してフレーム12に接続されており、このダンパ28等により、フレーム12に対してボイスコイルボビン24の筒軸方向に沿って振動可能な状態で支持されている。また、振動板22は、エッジ23を介してフレーム12に接続されており、このエッジ23により、フレーム12に対してボイスコイルボビン24の筒軸方向に沿って振動可能な状態で支持されている。すなわち、ボイスコイルボビン24は、テープ58、振動板22及びエッジ23を介してフレーム12に接続されると共に、テープ58及びダンパ28を介してフレーム12に接続されており、ボイスコイルボビン24の筒軸方向に沿って振動可能な状態で支持されている。そして、前述した振動板22は、ボイスコイルボビン24と一体に振動するようになっている。
【0027】
スピーカ装置10の後部には、外磁型の磁気回路30が設けられている。磁気回路30は、プレート32、マグネット34及びヨーク36によって構成されている。プレート32は、強磁性体であって環状に形成されており、ボイスコイル本体26の外周側に配置されてフレーム12の底壁部12Dの後面に固定されている。マグネット34は、環状に形成され、ボイスコイル本体26の外周側に配置されてプレート32の後面に固定されている。マグネット34の内周面は、プレート32の内周面よりもスピーカ装置10の中心軸CLから離れた位置に設定されている。また、マグネット34の後面には、ヨーク36のフランジ部36Dが固定されている。ヨーク36のフランジ部36Dの内周端は、マグネット34の内周面よりもスピーカ装置10の中心軸CLから離れた位置に設定されている。
【0028】
ヨーク36は、強磁性体で形成され、ヨーク36の後端部を構成する円板状のベース部36Aと、ベース部36Aの中心部から前方側に突出された円柱状のポール部32Bと、ベース部36Aの外周部から前方側へ向けて徐々に拡径するように立ち上がる周壁部36Cと、周壁部36Cの上端部から鍔状に張り出したフランジ部36Dと、を備えている。
【0029】
ポール部32Bの一部は、ボイスコイルボビン24の後部における内周側の空間に配置されている。ポール部32Bは、プレート32の前面と同等の前後方向位置まで突出している。言い換えれば、ボイスコイル本体26は、ボイスコイルボビン24と共に、プレート32の内周面とヨーク36のポール部32Bとの間の磁気空隙30Aに挿入された状態で配置されている。
【0030】
図2には、ボイスコイル本体26が巻回されたボイスコイルボビン24を含んで構成されたスピーカ用ボイスコイル構造が斜視図で示されている。この
図2に示されるように、ボイスコイルボビン24の外周面24Aには、ボイスコイル本体26の巻回部分26Aとは重ならない部位に第一接続端子38及び金属箔としての第二接続端子40が貼り付けられている。第一接続端子38及び第二接続端子40は、ボイスコイルボビン24の周方向に並ぶように配置されている。第一接続端子38及び第二接続端子40は、導電性材料(具体的には金属材料)で構成された箔であり、例えば銅箔とされる。第一接続端子38及び第二接続端子40の厚みは、一例として、0.015mm~0.025mmの範囲内に設定することができる。第一接続端子38には、ボイスコイル本体26の一方の引き出し線26Bが接続されると共に、ボイスコイル本体26に給電するための一方の給電用配線50Aが接続されている。また、第二接続端子40には、ボイスコイル本体26の他方の引き出し線26Cが接続されると共に、ボイスコイル本体26に給電するための他方の給電用配線50Bが接続されている。
【0031】
給電用配線50A、50Bは、信号伝達機能を有する。
図3には、スピーカ装置10における給電用配線50A、50Bの配置状態等が示されている。なお、
図3は、スピーカ装置10を
図1とは異なる切断位置(スピーカ装置10の中心軸CL周りに90°ずらした位置)で切断しかつ
図1とは異なる方向から見た状態で示している。
図2に示される一方の給電用配線50Aは、第一接続端子38に接続されるリード線52Aと、リード線52Aにおける第一接続端子38側とは反対側の端部に接続された錦糸線54A(
図1及び
図3参照)と、を備えている。また、他方の給電用配線50Bは、第二接続端子40に接続されるリード線52Bと、リード線52Bにおける第二接続端子40側とは反対側の端部に接続された錦糸線54B(
図1及び
図3参照)と、を備えている。
図1に示されるように、リード線52A、52Bの一部及び錦糸線54A、54Bの一部は、振動板22に沿うように配置される。錦糸線54A、54Bは、柔軟性を有しており、振動板22の振幅に追従可能とされている。
図3に示されるように、錦糸線54A、54Bの先端部は、フレーム12に取付部材14を介して固定された外部接続端子55A、55Bに接続されており、この外部接続端子55A、55Bを介して外部電源に接続されている。
【0032】
次に、
図2に示される第二接続端子40について詳細に説明する。
【0033】
第二接続端子40は、ボイスコイル本体26の引き出し線26Cが接続された第一構成部42と、第一構成部42から離れて配置されて給電用配線50Bが接続された第二構成部44と、を備えている。引き出し線26Cは半田付けにより第一構成部42に接続される。また、給電用配線50Bは半田付けにより第二構成部44に接続される。第一構成部42は、ボイスコイル本体26の引き出し線26Cが第一構成部42に半田付けされる場合の作業性を損なわないサイズに設定され、第二構成部44は、給電用配線50Bが第二構成部44に半田付けされる場合の作業性を損なわないサイズに設定されている。
【0034】
第一構成部42と第二構成部44とは、ボイスコイルボビン24の周方向に並ぶように配置され、接続部46によって一体に接続されている。言い換えれば、第一構成部42、第二構成部44及び接続部46は、一体に形成されている。第二接続端子40の形状は、一例としてプレス打ち抜き加工により形成されている。なお、第二接続端子40は、例えばフレキシブル基板等における配線パターンを形成する技術を用いて形成されてもよい。
【0035】
第二接続端子40の一部を構成する接続部46は、一例として細帯状に形成されている。この接続部46は、ボイスコイル本体26及び給電用配線50Bよりも、電流方向と直交する方向の電流通路断面積が小さく設定されることで、ボイスコイル本体26及び給電用配線50Bよりも電気抵抗が高く設定されており、ヒューズ機能を有する。
【0036】
第二接続端子40は、第一構成部42と第二構成部44との間の領域が第二接続端子40の厚み方向に見て第一構成部42と第二構成部44とが並ぶ方向と直交する方向の一方側から切り欠かれた形状に形成されており、接続部46は、第一構成部42と第二構成部44との間において前記一方側とは反対側の端部に形成されている。言い換えれば、接続部46は、第二接続端子40において前記一方側とは反対側の片側に配置されている。この接続部46は、一例として、第二接続端子40においてボイスコイル本体26の巻回部分26A側とは反対側の端部に設けられている。また、接続部46の幅(図中では第一構成部42と第二構成部44とが並ぶ方向と直交する方向の寸法)は、一例として、0.3mm程度に設定することができる。
【0037】
図4には、ボイスコイルボビン24に第二接続端子40が貼り付けられている部分が拡大された状態の斜視図が示されている。なお、
図4では、図を見易くするために、第二接続端子40の厚みを誇張して示している。この
図4に示されるように、第二接続端子40は、シート状の基材56を介してボイスコイルボビン24の外周面24Aに貼り付けられている。基材56には、例えば、スパンレース不織布(例えばアラミド繊維からなる不織布)を適用でき、第二接続端子40よりも曲げ剛性が高いものであるとよい。なお、スパンレース不織布は、機械的強度、難燃性及び耐熱性に優れている。
【0038】
また、
図2に示されるように、第二接続端子40における接続部46を含む部分(一例として第二接続端子40の全域)は、第一接続端子38と共にテープ58で被覆されている。なお、
図2では、第一接続端子38及び第二接続端子40を分かり易く示すために、テープ58については外形のみを二点鎖線で示すと共に、テープ58を透視した状態で第一接続端子38及び第二接続端子40を図示している。テープ58は、難燃性材料(一例としてスパンレース不織布)からなる。
【0039】
(作用・効果)
次に、第1の実施形態の作用及び効果について説明する。
【0040】
上述したように、ボイスコイルボビン24の外周面24Aには第一接続端子38及び第二接続端子40が貼り付けられており、給電用配線50A、50Bは、第一接続端子38及び第二接続端子40を介してボイスコイル本体26に電気的に接続されている。そして、給電用配線50A、50B、第一接続端子38及び第二接続端子40を用いてボイスコイル本体26へ給電されることで、ボイスコイルボビン24が振動し、これと一体に振動板22(
図1参照)が振動することで音が発生する。
【0041】
ここで、第二接続端子40は、ボイスコイル本体26の引き出し線26Cが接続された第一構成部42と、給電用配線50Bが接続された第二構成部44と、第一構成部42と第二構成部44とを一体に接続する接続部46と、を備えている。そして、第二接続端子40の接続部46は、ボイスコイル本体26及び給電用配線50Bよりも、電流方向と直交する方向の電流通路断面積が小さく設定されることで、ボイスコイル本体26及び給電用配線50Bよりも電気抵抗が高く設定されている。これにより、過電流時には、第二接続端子40の接続部46をジュール熱によって溶断させることが可能となる。そして、接続部46が溶断されることで、ボイスコイル本体26への電流の供給を遮断することができ、さらなる過熱を防止できる。
【0042】
すなわち、本実施形態では、第二接続端子40において接続部46を設けることで第二接続端子40の一部にヒューズ機能を持たせているので、構成部品点数を増やさずに第二接続端子40において延焼防止対策を立てられる。このように、本実施形態によれば、過電流時にボイスコイル本体26への電流の供給を遮断するための構成を簡素化できる。また、本実施形態では、例えば延焼防止対策として過電流保護素子を追加するような対比構造と比べて構成部品点数を抑えることができるので、前記対比構造と比べて組立作業性を向上することができると共にコストを低減することが可能となる。また、本実施形態では、過電流時に、第二接続端子40の接続部46を確実に溶断させることができ、溶断箇所をコントロールできる。このように、振動板22(
図1参照)上を這う給電用配線50A、50Bの溶断を回避できるので、延焼を確実に防止できる。さらに、ボイスコイルボビン24に貼り付けられた第二接続端子40にヒューズ機能を持たせているので、溶断予定箇所である接続部46を難燃性材料からなるテープ58で覆うことが容易である。したがって、延焼リスクを限りなく低減できる。
【0043】
また、本実施形態では、第一構成部42と第二構成部44とは、ボイスコイルボビン24の周方向に並ぶように配置されている。このような構成によれば、例えば第一構成部(42)と第二構成部(44)とがボイスコイルボビン(24)の筒軸方向に並ぶような構造に比べて、前記筒軸方向に沿う方向の第二接続端子40の長さを抑えることができる。このため、第一構成部42及び第二構成部44のサイズを、半田付けの作業性を考慮した所望のサイズに設定しても、ボイスコイルボビン24の筒軸方向の長さを抑えることが可能となり、ひいてはスピーカ装置10(
図1参照)においてボイスコイルボビン24の筒軸方向に沿う方向の全長を抑えることが可能となる。
【0044】
この点に関して補足説明すると、例えば第二接続端子(40)における第一構成部(42)と第二構成部(44)とがボイスコイルボビン(24)の筒軸方向に並ぶような変形例では、スピーカ装置(10)を製造する場合に、以下の複数の対応が考えられるが、それぞれ以下のデメリットがある。なお、以下の説明については適宜
図1を参照されたい。
【0045】
まず、第1の対応として、スピーカ装置(10)の前後方向の寸法を維持するために上記変形例の第二接続端子(40)の前後方向の長さが長くなった分だけ振動板(22)のコーン形状の深さを浅くする対応が考えられる。しかしながら、このような対応では、振動板(22)の形状剛性を低下させることになり、不要な共振を引き起こしやすくなるため、安定した周波数特性を得ることが難しくなる。これに対して、本実施形態の場合には、振動板22のコーン形状の深さが維持されるので、振動板22の周波数特性も維持される。
【0046】
また、上記変形例を適用する場合の第2の対応として、上記変形例の第二接続端子(40)の前後方向の長さが長くなった分だけ振動板(22)全体を前後方向の前側にずらして配置することで振動板(22)のコーン形状の深さを維持する対応が考えられる。しかしながら、このような対応では、上記変形例の第二接続端子(40)の前後方向の長さが長くなった分だけスピーカ装置(10)の前後方向の寸法が大きくなってしまう。これに対して、本実施形態の場合には、第二接続端子40の前後方向の長さが抑えられるので、振動板22のコーン形状の深さを維持しつつスピーカ装置10の前後方向の寸法が抑えられる。また、上記第2の対応による場合、振動板(22)とボイスコイルボビン(24)との接続位置に対して、振動を発生させるボイスコイル本体(26)が、本実施形態の場合よりも離れて配置されることになる。これにより、振動板(22)をボイスコイル本体(26)と一体に振動させることが難しくなり、周波数特性に不要な共振を引き起こしやすくなる。
【0047】
また、上記変形例を適用する場合の第3の対応として、スピーカ装置(10)の前後方向の寸法を維持するために上記変形例の第二接続端子(40)の前後方向の長さが長くなった分だけダンパ(28)の取付位置(言い換えれば第二棚状部(12B)の位置)を前後方向の後方側にずらして設定する対応が考えられる。しかしながら、このような対応では、ダンパ(28)が大きく振幅する場合にダンパ(28)がフレーム(12)の第三棚状部(12C1)の内面等と干渉(当接)してダンパ(28)の振幅量を確保できず、意図した音圧を出すための振幅量を確保できない可能性がある。これに対して、本実施形態の場合には、ダンパ28の取付位置が維持されるので、ダンパ28が大きく振幅してもダンパ28とフレーム12の第三棚状部12C1の内面等との干渉が抑えられる。言い換えれば、本実施形態の構成によればスピーカ装置10の薄型化に寄与することができる。
【0048】
また、
図2に示されるように、本実施形態では、第二接続端子40は、第一構成部42と第二構成部44との間の領域が第二接続端子40の厚み方向に見て第一構成部42と第二構成部44とが並ぶ方向と直交する方向の一方側から切り欠かれた形状に形成されており、接続部46は、第一構成部42と第二構成部44との間において前記一方側とは反対側の端部に形成されている。このような構成によれば、例えば第二接続端子(40)において第一構成部(42)と第二構成部(44)との間の領域が前記一方側及びその反対側の二方向から切り欠かれた構造と比べると、切り欠かれる箇所が少ないため、成形性がよい。
【0049】
また、前述したように、溶断予定箇所の接続部46を第二接続端子40に形成したので、ボイスコイルボビン24上の接続部46を容易に難燃性材料からなるテープ58で被覆できる。本実施形態では、第二接続端子40における接続部46を含む部分(一例として第二接続端子40の全域)は、テープ58で被覆されている。このような構成によれば、第二接続端子40の接続部46が溶断される場合に発生し得る火花が、テープ58によって抑えられるので、発火のリスクが低減され、振動板22(
図1参照)への着火を防止又は効果的に抑制することができる。
【0050】
また、本実施形態では、
図4に示されるように、第二接続端子40は、シート状の基材56を介してボイスコイルボビン24の外周面24Aに貼り付けられている。このような構成によれば、例えば、第二接続端子40の成形時に第二接続端子40の素材をシート状の基材56の素材上に貼り付けた状態で第二接続端子40の素材と基材56の素材とをまとめてプレス打ち抜き加工し、そのプレス打ち抜き加工で得られた成形体をボイスコイルボビン24の外周面24Aに貼り付けるという方法を採り得る。ここで、基材56に第二接続端子40よりも曲げ剛性が高い素材を用いることで、ボイスコイルボビン24の外周面24Aへの第二接続端子40の貼り付けが容易になる。
【0051】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るスピーカ用ボイスコイル構造について、
図5を用いて説明する。
図5には、第2の実施形態に係るスピーカ用ボイスコイル構造が斜視図で示されている。この
図5に示されるように、第2の実施形態に係るスピーカ用ボイスコイル構造は、第1の実施形態の第二接続端子40(
図2参照)に代えて、金属箔としての第二接続端子60を備える点で、第1の実施形態に係るスピーカ用ボイスコイル構造とは異なる。他の構成は、第1の実施形態と実質的に同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
【0052】
第二接続端子60は、一例として、第1の実施形態における第二接続端子40と同様の材質及び同様の厚みで構成されている。第二接続端子60は、ボイスコイル本体26の引き出し線26Cが半田付けによって接続された第一構成部62と、第一構成部62から離れて配置されて給電用配線50Bが半田付けによって接続された第二構成部64と、を備えている。第一構成部62と第二構成部64とは、ボイスコイルボビン24の周方向に並ぶように配置され、接続部66によって一体に接続されている。接続部66は、第二接続端子60の厚み方向に見て矩形状に形成され、ボイスコイル本体26及び給電用配線50Bよりも、電流方向と直交する方向の電流通路断面積が小さく設定される。これにより、接続部66は、ボイスコイル本体26及び給電用配線50Bよりも電気抵抗が高く設定されており、ヒューズ機能を有する。
【0053】
第二接続端子60は、第一構成部62と第二構成部64とが並ぶ方向の中間領域が第二接続端子60の厚み方向に見て第一構成部62と第二構成部64とが並ぶ方向と直交する方向の両方側から山型台形状に切り欠かれた形状に形成されている。言い換えれば、接続部66は、第二接続端子60の厚み方向に見て第一構成部62と第二構成部64との間において第一構成部62と第二構成部64とが並ぶ方向と直交する方向の中央部に形成されている。また、第一構成部62及び第二構成部64は、接続部66側の部位が互いに接近するに従って徐々に先細りしていく形状に形成されており、各形状を鈍角の角形状に形成することで、成形性を向上させている。
【0054】
以上説明した第2の実施形態に係るスピーカ用ボイスコイル構造は、例えば、第1の実施形態に係るスピーカ装置10(
図1参照)において第1の実施形態に係るスピーカ用ボイスコイル構造(
図2参照)に代えて、適用することができる。この第2の実施形態によっても、過電流時には、第二接続端子60の接続部66をジュール熱によって溶断させることが可能となり、接続部66が溶断されることで、ボイスコイル本体26への電流の供給を遮断することができる。そして、本実施形態においても、過電流時にボイスコイル本体26への電流の供給を遮断するための構成を簡素化できる。
【0055】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係るスピーカ用ボイスコイル構造について、
図6を用いながら
図3を流用して説明する。
図6には、第3の実施形態に係るスピーカ用ボイスコイル構造が斜視図で示されている。なお、第3の実施形態においては第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して適宜説明を省略する。
【0056】
図6に示されるように、第3の実施形態では、第二接続端子40の第二構成部44には、
図2に示される第1の実施形態の給電用配線50Bの一部であるリード線52Bに代えて、
図6に示される給電用配線としての錦糸線70Bの一端部が半田付けによって接続されている。錦糸線70Bの他端部は外部接続端子55B(
図3参照)に接続されている。なお、図示しない第一接続端子(第1の実施形態の第一接続端子38と同様の構成部)も、
図2に示される第1の実施形態の給電用配線50Aの一部であるリード線52Aに代えて、
図6に示される錦糸線70A(給電用配線)の一端部が半田付けによって接続されている。錦糸線70Aの他端部は外部接続端子55A(
図3参照)に接続されている。
【0057】
また、第3の実施形態におけるボイスコイルボビン24の外周面24A側には、一例として、第1実施形態のテープ58(
図2等参照)に代えて、難燃性材料からなるテープ59が設けられている。テープ59は、第1の実施形態のテープ58と同様の材質及び同様の厚みで構成されている。テープ59には、第一構成部42と重なる部分の略中央部に第一窓部59Aが貫通形成され、第二構成部44と重なる部分の略中央部に第二窓部59Bが貫通形成されている。そして、第一構成部42において第一窓部59Aに対応する部位にボイスコイル本体26の引き出し線26Cが半田付けされ、第二構成部44において第二窓部59Bに対応する部位に錦糸線70Bが半田付けされている。言い換えれば、この第3の実施形態では、第二接続端子40がテープ59で被覆される部分は、第二接続端子40における接続部46を含む一部分となっている。なお、テープ59における図示しない第一接続端子(第1の実施形態の第一接続端子38と同様の構成部)との重なり部分は、テープ59における第二接続端子40との重なり部分と実質的に同様の構成になっている。また、第二接続端子40及び図示しない前記第一接続端子は、上述の状態の更にその上から難燃性材料からなるテープ(図示省略)によって被覆される。
【0058】
このような第3の実施形態の構成によっても、前述した第1の実施形態と実質的に同様の作用及び効果が得られる。
【0059】
[実施形態の補足説明]
なお、上記の各実施形態のように
図2、
図5及び
図6に示される第二接続端子40、60における第一構成部42、62と第二構成部44、64とはボイスコイルボビン24の周方向に並ぶように配置されていることが好ましいが、金属箔における第一構成部と第二構成部との配置関係は上記実施形態の例に限定されるものではない。
【0060】
また、上記実施形態では、第二接続端子40、60における接続部46、66を含む部分は、難燃性材料からなるテープ58、59で被覆されており、そのような構成が好ましいが、上記実施形態の変形例として、金属箔が難燃性材料からなるテープによっては被覆されていないという構成も採り得る。
【0061】
また、上記第1、第3の実施形態では、
図2及び
図6に示されるように、第二接続端子40の接続部46が第二接続端子40においてボイスコイル本体26の巻回部分26A側とは反対側の端部に設けられているが、上記実施形態の変形例として、金属箔の接続部は、当該金属箔においてボイスコイル本体の巻回部分側の端部に設けられてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、
図4に示されるように、第二接続端子40は、シート状の基材56を介してボイスコイルボビン24の外周面24Aに貼り付けられているが、上記実施形態の変形例として、金属箔は、ボイスコイルボビンの外周面に直接貼り付けられてもよい。
【0063】
さらに、上記実施形態の変形例として、
図2及び
図5に示される第一接続端子38に代えて第二接続端子40、60と同様の構成の接続端子を配置すると共に第二接続端子40、60に代えて第一接続端子38と同様の構成の接続端子を配置してもよい。また、他の変形例として、第二接続端子40、60はそのままにして、第一接続端子38に代えて第二接続端子40と同様の構成の接続端子を配置する構成も採り得る。但し、第一構成部(42、62)、第二構成部(44、64)及び接続部(46、66)を備える金属箔としての接続端子は、高温となる箇所を特定する観点等から一つである方が好ましい。
【0064】
なお、上記実施形態及び上述の複数の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。
【0065】
以上、本発明の一例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0066】
10 スピーカ装置
22 振動板
24 ボイスコイルボビン
24A ボイスコイルボビンの外周面
26 ボイスコイル本体
26A ボイスコイル本体の巻回部分
26C ボイスコイル本体の引き出し線
30 磁気回路
30A 磁気空隙
40 第二接続端子(金属箔)
42 第一構成部
44 第二構成部
46 接続部
50B 給電用配線
56 基材
58 テープ
59 テープ
60 第二接続端子(金属箔)
62 第一構成部
64 第二構成部
66 接続部
70B 錦糸線(給電用配線)