(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120733
(43)【公開日】2022-08-18
(54)【発明の名称】データ収集システム、データ収集方法、及び移動体
(51)【国際特許分類】
H04W 4/029 20180101AFI20220810BHJP
G08C 17/00 20060101ALI20220810BHJP
G08C 19/00 20060101ALI20220810BHJP
G05D 1/02 20200101ALI20220810BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20220810BHJP
H04W 84/00 20090101ALI20220810BHJP
【FI】
H04W4/029
G08C17/00 Z
G08C19/00 301B
G08C19/00 G
G05D1/02 Z
H04W4/38
H04W84/00 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021017836
(22)【出願日】2021-02-05
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】399131116
【氏名又は名称】トライポッド・デザイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】特許業務法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 聰
(72)【発明者】
【氏名】川関 雅文
【テーマコード(参考)】
2F073
5H301
5K067
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AA02
2F073AA03
2F073AA32
2F073AB01
2F073BB01
2F073BB02
2F073BC02
2F073BC04
2F073CC03
2F073CC15
2F073CD11
2F073DD01
2F073DD06
2F073DE12
2F073EE11
2F073EF08
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG02
2F073GG04
2F073GG08
2F073GG09
5H301AA01
5H301AA04
5H301AA05
5H301AA06
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG10
5K067AA22
5K067BB27
5K067DD17
5K067DD20
5K067EE02
5K067EE12
5K067EE16
5K067HH22
(57)【要約】
【課題】
収集ノードを移動させることでデータを収集することができる、データ収集システムを提供することを目的とする。
【解決手段】
センサノードと、センサノードが取得したセンシングデータを受信する収集ノードと、収集ノードを有する移動体とを備えるデータ収集システムであって、データ収集システムが、センサノードの位置に関する位置情報を記憶する位置情報記憶手段を備え、移動体が、センサノードの位置から第一の所定の範囲内まで収集ノードを移動させる収集ノード移動手段を備え、センサノードが、取得したセンシングデータを収集ノードに送信する第一センシングデータ送信手段を備え、収集ノードが、センサノードからセンシングデータを受信するセンシングデータ受信手段を備える、データ収集システム。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサノードと、センサノードが取得したセンシングデータを受信する収集ノードと、収集ノードを有する移動体とを備えるデータ収集システムであって、
データ収集システムが、
センサノードの位置に関する位置情報を記憶する位置情報記憶手段
を備え、
移動体が、
センサノードの位置から第一の所定の範囲内まで収集ノードを移動させる収集ノード移動手段
を備え、
センサノードが、
取得したセンシングデータを収集ノードに送信する第一センシングデータ送信手段
を備え、
収集ノードが、
センサノードからセンシングデータを受信するセンシングデータ受信手段
を備える、
データ収集システム。
【請求項2】
収集ノードが、
センサノードに信号を送信する信号送信手段
を備え、
第一センシングデータ送信手段が、信号送信手段により信号を送信された場合に、該収集ノードにセンシングデータを送信する、
請求項1に記載のデータ収集システム。
【請求項3】
データ収集システムが、
無線装置
を備え、
センサノードが、
センシングデータを送信可能であるという通知を無線装置に送信するセンシングデータ送信可能通知送信手段と、
該センサノードを識別する識別情報を無線装置に送信する第一識別情報送信手段と
を備え、
無線装置が、
センシングデータ送信可能通知送信手段によりセンシングデータを送信可能であるという通知が送信されたセンサノードの識別情報を移動体に送信する第二識別情報送信手段
を備える、
請求項1又は2に記載のデータ収集システム。
【請求項4】
移動体が、
センサノードを設置するセンサノード設置手段
を備え、
位置情報記憶手段が、センサノード設置手段により設置された際のセンサノードの位置情報を記憶する、
請求項1~3のいずれかに記載のデータ収集システム。
【請求項5】
センサノードが、
該センサノードの位置情報を特定する位置情報特定手段
を備え、
データ収集システムが、
位置情報記憶手段により記憶されたセンサノードの位置情報を、位置情報特定手段により特定されたセンサノードの位置情報に更新する位置情報更新手段
を備える、
請求項1~4のいずれかに記載のデータ収集システム。
【請求項6】
データ収集システムが、
位置情報記憶手段により記憶されたセンサノードの位置情報に基づいて、移動体の移動経路を特定する移動経路特定手段
を備え、
収集ノード移動手段が、移動経路特定手段により特定された移動経路に従って、収集ノードを移動させる、
請求項1~5のいずれかに記載のデータ収集システム。
【請求項7】
センサノードが、集電システムと接続されており、
集電システムが、
第一導電部及び第二導電部と、
機能部と
を備え、
第一導電部及び機能部は接続されており、
第二導電部及び機能部は接続されており、
第一導電部及び第二導電部は、互いに非接触であり、
第一導電部及び第二導電部を媒体に接触させることで集電する、
請求項1~6のいずれかに記載のデータ収集システム。
【請求項8】
データ収集システムが、
所定の時間内にセンシングデータを送信したセンサノードを識別する送信識別手段
を備え、
収集ノード移動手段が、送信識別手段により所定の時間内にデータを送信したと識別されたセンサノード以外のセンサノードの位置から第一の所定の範囲内まで収集ノードを移動させる、
請求項1~7のいずれかに記載のデータ収集システム。
【請求項9】
センサノードが、
複数のセンサ
を備え、
データ収集システムが、
センサノードが備える複数のセンサから取得できるセンシングデータのうち、送信対象となるセンシングデータを特定する送信対象センシングデータ特定手段
を備え、
第一センシングデータ送信手段が、送信対象センシングデータ特定手段により特定されたセンシングデータを送信する、
請求項1~8のいずれかに記載のデータ収集システム。
【請求項10】
第一センシングデータ送信手段が、複数の通信方法によりセンシングデータを送信することが可能であり、
データ収集システムが、
第一センシングデータ送信手段の通信方法を変更する通信方法変更手段
を備え、
第一センシングデータ送信手段が、通信方法変更手段により変更された通信方法によりデータを送信する、
請求項1~9のいずれかに記載のデータ収集システム。
【請求項11】
収集ノードが、
センサノードに電力を供給する電力供給手段
を備える、
請求項1~10のいずれかに記載のデータ収集システム。
【請求項12】
データ収集システムが、
センサノードの位置から第二の所定の範囲内に設置された無線装置
を備え、
無線装置が、
移動体に通知を送信する通知送信手段
を備え、
移動体が、
センサノードの位置を、通知送信手段により送信された通知に対応する無線装置の位置を基に特定する位置特定手段
を備える、
請求項1~11のいずれかに記載のデータ収集システム。
【請求項13】
データ収集システムが、
センサノードの状態を判定する判定ノード
を備え、
判定ノードが、
センサノードから送信されたセンシングデータを基に、センサノードの状態を判定する第一状態判定手段
を備える、
請求項1~12のいずれかに記載のデータ収集システム。
【請求項14】
データ収集システムが、
他のコンピュータ装置
を備え、
収集ノードが、
センシングデータを他のコンピュータ装置へ送信する第二センシングデータ送信手段
を備える、
請求項1~13のいずれかに記載のデータ収集システム。
【請求項15】
データ収集システムが、
無線装置
を備え、
センサノード及び無線装置は接続されており、
無線装置が、
センサノードがセンシングデータを送信可能であることを判定するセンシングデータ送信可能判定手段と、
センシングデータ送信可能判定手段によりセンシングデータを送信可能であると判定されたセンサノードの識別情報を移動体に送信する第三識別情報送信手段と
を備える、
請求項1~14のいずれかに記載のデータ収集システム。
【請求項16】
データ収集システムが、
センサノードの状態を判定する判定ノード
を備え、
センサノード及び判定ノードは接続されており、
判定ノードが、
センサノードの状態を判定する第二状態判定手段
を備える、
請求項1~15のいずれかに記載のデータ収集システム。
【請求項17】
センサノードと、センサノードが取得したセンシングデータを受信する収集ノードと、収集ノードを有する移動体とを備えるデータ収集システムを用いたデータ収集方法であって、
データ収集システムが、
センサノードの位置に関する位置情報を記憶する位置情報記憶ステップ
を有し、
移動体が、
センサノードの位置から第一の所定の範囲内まで収集ノードを移動させる収集ノード移動ステップ
を有し、
センサノードが、
取得したセンシングデータを収集ノードに送信するセンシングデータ送信ステップ
を有し、
収集ノードが、
センサノードからセンシングデータを受信するセンシングデータ受信ステップ
を有する、
データ収集方法。
【請求項18】
センサノードが取得したセンシングデータを受信する収集ノードを有する移動体であって、
センサノードの位置に関する位置情報を記憶する位置情報記憶手段、
センサノードの位置から第一の所定の範囲内まで収集ノードを移動させる収集ノード移動手段
を備え、
収集ノードが、
センサノードからセンシングデータを受信するセンシングデータ受信手段
を備える、
移動体。
【請求項19】
センサノードと、センサノードが取得したセンシングデータを受信する収集ノードを備えるデータ収集システムを用いたデータ収集方法であって、
データ収集システムが、
センサノードの位置に関する位置情報を記憶する位置情報記憶ステップ
を有し、
センサノードの位置から第一の所定の範囲内まで収集ノードを移動させる収集ノード移動ステップ
を有し、
センサノードが、
取得したセンシングデータを収集ノードに送信するセンシングデータ送信ステップ
を有し、
収集ノードが、
センサノードからセンシングデータを受信するセンシングデータ受信ステップ
を有する、
データ収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収集ノードを移動させることでデータを収集することができる、データ収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
データを取得したい場所にセンサノードを設置し、データを取得することが行われている。そして、センサノードが取得したデータは、固定された、収集ノードを有する基地局に送信される。
【0003】
しかしながら、センサノードを設置できる場所は基地局から所定の範囲内に限られ、センサノードがデータを送信できる距離に依存するものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の少なくとも1つの目的は、収集ノードを移動させることでデータを収集することができる、データ収集システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、上記目的は、[1]~[19]により解決することができる。
[1]センサノードと、センサノードが取得したセンシングデータを受信する収集ノードと、収集ノードを有する移動体とを備えるデータ収集システムであって、データ収集システムが、センサノードの位置に関する位置情報を記憶する位置情報記憶手段を備え、移動体が、センサノードの位置から第一の所定の範囲内まで収集ノードを移動させる収集ノード移動手段を備え、センサノードが、取得したセンシングデータを収集ノードに送信する第一センシングデータ送信手段を備え、収集ノードが、センサノードからセンシングデータを受信するセンシングデータ受信手段を備える、データ収集システム;
[2]収集ノードが、センサノードに信号を送信する信号送信手段を備え、第一センシングデータ送信手段が、信号送信手段により信号を送信された場合に、該収集ノードにセンシングデータを送信する、[1]に記載のデータ収集システム;
[3]データ収集システムが、無線装置を備え、センサノードが、センシングデータを送信可能であるという通知を無線装置に送信するセンシングデータ送信可能通知送信手段と、該センサノードを識別する識別情報を無線装置に送信する第一識別情報送信手段とを備え、無線装置が、センシングデータ送信可能通知送信手段によりセンシングデータを送信可能であるという通知が送信されたセンサノードの識別情報を移動体に送信する第二識別情報送信手段を備える、[1]又は[2]に記載のデータ収集システム;
[4]移動体が、センサノードを設置するセンサノード設置手段を備え、位置情報記憶手段が、センサノード設置手段により設置された際のセンサノードの位置情報を記憶する、[1]~[3]のいずれかに記載のデータ収集システム;
[5]センサノードが、該センサノードの位置情報を特定する位置情報特定手段を備え、データ収集システムが、位置情報記憶手段により記憶されたセンサノードの位置情報を、位置情報特定手段により特定されたセンサノードの位置情報に更新する位置情報更新手段を備える、[1]~[4]のいずれかに記載のデータ収集システム;
[6]データ収集システムが、位置情報記憶手段により記憶されたセンサノードの位置情報に基づいて、移動体の移動経路を特定する移動経路特定手段を備え、収集ノード移動手段が、移動経路特定手段により特定された移動経路に従って、収集ノードを移動させる、[1]~[5]のいずれかに記載のデータ収集システム;
[7]センサノードが、集電システムと接続されており、集電システムが、第一導電部及び第二導電部と、機能部とを備え、第一導電部及び機能部は接続されており、第二導電部及び機能部は接続されており、第一導電部及び第二導電部は、互いに非接触であり、第一導電部及び第二導電部を媒体に接触させることで集電する、[1]~[6]のいずれかに記載のデータ収集システム;
[8]データ収集システムが、所定の時間内にセンシングデータを送信したセンサノードを識別する送信識別手段を備え、収集ノード移動手段が、送信識別手段により所定の時間内にデータを送信したと識別されたセンサノード以外のセンサノードの位置から第一の所定の範囲内まで収集ノードを移動させる、[1]~[7]のいずれかに記載のデータ収集システム;
[9]センサノードが、複数のセンサを備え、データ収集システムが、センサノードが備える複数のセンサから取得できるセンシングデータのうち、送信対象となるセンシングデータを特定する送信対象センシングデータ特定手段を備え、第一センシングデータ送信手段が、送信対象センシングデータ特定手段により特定されたセンシングデータを送信する、[1]~[8]のいずれかに記載のデータ収集システム;
[10]第一センシングデータ送信手段が、複数の通信方法によりセンシングデータを送信することが可能であり、データ収集システムが、第一センシングデータ送信手段の通信方法を変更する通信方法変更手段を備え、第一センシングデータ送信手段が、通信方法変更手段により変更された通信方法によりデータを送信する、[1]~[9]のいずれかに記載のデータ収集システム;
[11]収集ノードが、センサノードに電力を供給する電力供給手段を備える、[1]~[10]のいずれかに記載のデータ収集システム;
[12]データ収集システムが、センサノードの位置から第二の所定の範囲内に設置された無線装置を備え、無線装置が、移動体に通知を送信する通知送信手段を備え、移動体が、センサノードの位置を、通知送信手段により送信された通知に対応する無線装置の位置を基に特定する位置特定手段を備える、[1]~[11]のいずれかに記載のデータ収集システム;
[13]データ収集システムが、センサノードの状態を判定する判定ノードを備え、判定ノードが、センサノードから送信されたセンシングデータを基に、センサノードの状態を判定する第一状態判定手段を備える、[1]~[12]のいずれかに記載のデータ収集システム;
[14]データ収集システムが、他のコンピュータ装置を備え、収集ノードが、センシングデータを他のコンピュータ装置へ送信する第二センシングデータ送信手段
を備える、[1]~[13]のいずれかに記載のデータ収集システム;
[15]データ収集システムが、無線装置を備え、センサノード及び無線装置は接続されており、無線装置が、センサノードがセンシングデータを送信可能であることを判定するセンシングデータ送信可能判定手段と、センシングデータ送信可能判定手段によりセンシングデータを送信可能であると判定されたセンサノードの識別情報を移動体に送信する第三識別情報送信手段とを備える、[1]~[14]のいずれかに記載のデータ収集システム;
[16]データ収集システムが、センサノードの状態を判定する判定ノードを備え、センサノード及び判定ノードは接続されており、判定ノードが、センサノードの状態を判定する第二状態判定手段を備える、[1]~[15]のいずれかに記載のデータ収集システム;
[17]センサノードと、センサノードが取得したセンシングデータを受信する収集ノードと、収集ノードを有する移動体とを備えるデータ収集システムを用いたデータ収集方法であって、データ収集システムが、センサノードの位置に関する位置情報を記憶する位置情報記憶ステップを有し、移動体が、センサノードの位置から第一の所定の範囲内まで収集ノードを移動させる収集ノード移動ステップを有し、センサノードが、取得したセンシングデータを収集ノードに送信するセンシングデータ送信ステップを有し、収集ノードが、センサノードからセンシングデータを受信するセンシングデータ受信ステップを有する、データ収集方法;
[18]センサノードが取得したセンシングデータを受信する収集ノードを有する移動体であって、センサノードの位置に関する位置情報を記憶する位置情報記憶手段、センサノードの位置から第一の所定の範囲内まで収集ノードを移動させる収集ノード移動手段を備え、収集ノードが、センサノードからセンシングデータを受信するセンシングデータ受信手段を備える、移動体;
[19]センサノードと、センサノードが取得したセンシングデータを受信する収集ノードを備えるデータ収集システムを用いたデータ収集方法であって、データ収集システムが、センサノードの位置に関する位置情報を記憶する位置情報記憶ステップを有し、センサノードの位置から第一の所定の範囲内まで収集ノードを移動させる収集ノード移動ステップを有し、センサノードが、取得したセンシングデータを収集ノードに送信するセンシングデータ送信ステップを有し、収集ノードが、センサノードからセンシングデータを受信するセンシングデータ受信ステップを有する、データ収集方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、収集ノードを移動させることでデータを収集することができる、データ収集システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施の形態にかかる、データ収集システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態にかかる、集電システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態にかかる、電力変換部の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態にかかる、センサノードを表す図である。
【
図5】本発明の実施の形態にかかる、センサノード内のトランジスタのON-OFFを切り替えた場合における、時間と電流Iの関係を示す図である。
【
図6】本発明の実施の形態にかかる、センサノードの例を示す図である。
【
図7】本発明の実施の形態にかかる、データ収集システムにおける位置情報記憶処理のフローチャートを表す図である。
【
図8】本発明の実施の形態にかかる、データ収集システムにおける位置情報更新処理のフローチャートを表す図である。
【
図9】本発明の実施の形態にかかる、データ収集システムにおけるセンシングデータ受信処理のフローチャートを表す図である。
【
図10】本発明の実施の形態にかかる、データ収集システムにおけるセンサノード位置特定処理のフローチャートを表す図である。
【
図11】本発明の実施の形態にかかる、データ収集システムにおける送信可能センサノード識別処理のフローチャートを表す図である。
【
図12】本発明の実施の形態にかかる、データ収集システムにおける電力供給処理のフローチャートを表す図である。
【
図13】本発明の実施の形態にかかる、データ収集システムにおける判定処理のフローチャートを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下、効果に関する記載は、本発明の実施の形態の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。また、本発明の趣旨に反しない限り、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
【0009】
[データ収集システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態にかかるデータ収集システムの構成を示すブロック図である。図示するように、データ収集システムは、センサノード10(センサノード10a、10b、・・・10z)と、センサノード10が取得したセンシングデータを受信する収集ノード11と、収集ノード11を有する移動体12と、無線装置13(無線装置13a、13b、・・・13z)とから構成されている。
【0010】
センサノード10と収集ノード11、及びセンサノード10と移動体12は通信接続が可能である。また、無線装置13と収集ノード11、及び無線装置13と移動体12は通信接続が可能である。そして、センサノード10は、それぞれのセンサノード10に対応する無線装置13と通信接続が可能であることとしてもよい。その場合、一つのセンサノード10と一つの無線装置13が対応することとしてもよく、複数のセンサノード10と一つの無線装置13が対応することとしてもよく、一つのセンサノード10と複数の無線装置13が対応することとしてもよい。また、収集ノード11と移動体12は通信接続が可能であることとしてもよい。
【0011】
図示しないが、センサノード10、収集ノード11、移動体12、及び無線装置13は、さらに、他のコンピュータ装置と通信接続が可能であることとしてもよい。コンピュータ装置は、通信部、記憶部、及び制御部を有するコンピュータ装置であれば特に限定されないが、例えば、サーバ装置、端末装置などが挙げられる。コンピュータ装置が端末装置の場合は、本発明のデータ収集システムに対応した、専用のアプリケーションがインストールされていることが好ましい。
【0012】
また、図示しないが、データ収集システムは、さらに、センサノードの状態を判定する判定ノードを備えていることとしてもよい。そして、判定ノードは、センサノード10、収集ノード11、移動体12、無線装置13、及び他のコンピュータ装置のそれぞれと通信接続が可能であることとしてもよい。
【0013】
上記通信接続は常時行われていなくてもよく、必要に応じて、接続が可能であればよい。
【0014】
センサノード10は、センサ、及び通信部を備えていれば、特に限定されない。
【0015】
センサノード10が備えるセンサは、特に限定されず、所定の情報を感知、又は計測するものであればよい。以下、センサノード10が備えるセンサが感知、又は計測した情報を、センシングデータという。また、センサノード10が備えるセンサが情報を感知若しくは計測すること、又は、センサノード10が備えるセンサが感知若しくは計測した情報を、センサノード10が記憶することを、センサノード10がセンシングデータを取得する、という。センサノード10が備えるセンサが感知若しくは計測した情報を、センサノード10が記憶する場合には、センサノード10は記憶部を備えることとしてもよい。
【0016】
センサは、加速度、外気温、気圧、照度、紫外線照射量などの、外部環境に関するセンシングデータを取得するものであることとしてもよい。あるいは、センサノード10を、人間や、他の動物などに装着させる場合には、センサは、心拍数、心電位、血圧、体温などの、装着しているものの内部環境に関するセンシングデータを取得するものであることとしてもよい。
【0017】
センサノード10は、1以上のセンサを備えていればよい。また、センサノード10が備えるセンサが複数である場合には、異なる種類のセンシングデータを取得するセンサを備えることとしてもよい。あるいは、センサノード10が備えるセンサが複数である場合には、同じ種類のセンシングデータを取得するものであって、センシングデータを取得できる範囲が異なるセンサを備えることとしてもよい。
【0018】
データ収集システムは、センサノード10が備える複数のセンサから取得できるセンシングデータのうち、送信対象となるセンシングデータを特定することとしてもよい。また、送信対象となるセンシングデータの特定は、無線装置13、移動体12、収集ノード11、センサノード10、他のコンピュータ装置のいずれにおいて行われることとしてもよい。そして、特定されたセンシングデータが、センサノード10から収集ノード11へ送信されることとしてもよい。あるいは、特定されたセンシングデータが、センサノード10から判定ノードへ送信されることとしてもよい。
【0019】
例えば、センサノード10が取得した温度についてのセンシングデータが、所定の期間以上、所定の値以上であった場合には、温度と併せて湿度についてのセンシングデータも送信対象として特定されることとしてもよい。
【0020】
このように、センサノードが、複数のセンサを備え、データ収集システムが、センサノードが備える複数のセンサから取得できるセンシングデータのうち、送信対象となるセンシングデータを特定する送信対象センシングデータ特定手段を備え、第一センシングデータ送信手段が、送信対象センシングデータ特定手段により特定されたセンシングデータを送信することで、収集するセンシングデータを特定することが可能となる。
【0021】
通信部は、収集ノード11、移動体12、無線装置13、他のコンピュータ装置などと通信接続が可能であればよく、特に限定されない。通信部は、1以上の通信方法により通信接続が可能であることとしてもよい。通信方法は、通信を行うことが可能であれば特に限定されない。通信方法は、空間を伝搬させることで行われる通信であることとしてもよい。例えば、通信方法は、LPWA、Wi-Fi、Bluetooth、BLE、RFID、NFC、IrDAなどであることとしてもよい。電力消費を少なくする観点からは、通信方法は、LPWA、BLE、RFID、NFC、IrDAなどが好ましい。
【0022】
データ収集システムは、センサノード10が収集ノード11にセンシングデータを送信する際に用いる通信方法を変更することが可能であることとしてもよい。また、通信方法の変更は、無線装置13、移動体12、収集ノード11、センサノード10、他のコンピュータ装置のいずれが行うこととしてもよい。
【0023】
例えば、センサノード10は、昼間は近距離通信であるNFCによりセンシングデータを送信し、夜間は遠距離通信であるLPWAによりセンシングデータを送信することとしてもよい。あるいは、センサノード10と収集ノード11との距離に応じて、通信方法が変更されることとしてもよい。
【0024】
また、本発明のデータ収集システムは、センサノード10が収集ノード11にセンシングデータを送信する際に限らず、様々な場面の通信接続において、通信方法を変更することが可能であることとしてもよい。例えば、データ収集システムは、収集ノード11が他のコンピュータ装置にセンシングデータを送信する際に用いる通信方法を変更することが可能であることとしてもよい。
【0025】
このように、第一センシングデータ送信手段が、複数の通信方法によりセンシングデータを送信することが可能であり、データ収集システムが、第一センシングデータ送信手段の通信方法を変更する通信方法変更手段を備え、第一センシングデータ送信手段が、通信方法変更手段により変更された通信方法によりデータを送信することで、状況に応じた通信方法で、センシングデータの送受信を行うことができる。
【0026】
また、センサノード10は、後述する、集電システムと接続されることとしてもよい。そして、センシングデータの取得、及びセンシングデータの送信は、集電システムにより得られた電力によって行われることとしてもよい。あるいは、センシングデータの取得、及びセンシングデータの送信は、電池、ソーラー発電、微生物発電などの、集電システム以外のものから得られた電力によって行われることとしてもよく、集電システムにより得られた電力と、電池、ソーラー発電、微生物発電などの、集電システム以外のものから得られた電力の双方によって行われることとしてもよい。
【0027】
さらに、センサノード10は、電気を蓄電する蓄電部、昇圧回路や降圧回路のように出力する電圧を変換する出力電圧変換部等、回路を制御するマイコン等の制御部、情報を表示するための表示部等、位置を特定するためのGNSS、白熱電球や発光ダイオードなどの光源、熱を発する発熱体、音を発する発音体、信号を発する発信体、記憶部などを備えることとしてもよい。GNSSには、GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、Gaganなどの、位置を特定するための技術が含まれることとする。
【0028】
また、センサノード10には、識別番号が付されていることとしてもよい。そして、センサノード10の記憶部に、該センサノード10の識別番号が記憶されていることとしてもよい。以下、センサノード10には、識別番号が付されており、センサノード10の記憶部には、該センサノード10の識別番号が記憶されていることとする。また、センサノード10の識別番号を含む、センサノード10を識別するための情報を、センサノード10の識別情報という。
【0029】
収集ノード11は、通信部、及び記憶部を備えていれば、特に限定されない。収集ノード11は、送信ノード10から送信されたセンシングデータを受信し、記憶部に記憶する。また、収集ノード11は、受信したセンシングデータを、他のコンピュータ装置に送信することとしてもよい。また、収集ノード11は、センサノード10などの、他の装置に電力を供給する、電力供給部を備えていることとしてもよい。
【0030】
収集ノード11の通信部は、センサノード10の通信部の記載を必要な範囲で採用できる。
【0031】
収集ノード11は、移動体12の内部に備えられていてもよく、移動体12の外部に備えられていてもよい。また、収集ノード11は、装置としての形状を有していることとしてもよく、装置としての形状を有さず、機能的に備えられていることとしてもよい。
【0032】
移動体12は、特に限定されず、収集ノード11を移動させることが可能であればよい。移動体12は、公知のものを利用でき、人が搭乗することが可能なものでもよく、人が搭乗することが不可能なものでもよい。また、移動体12の形状は、地上を走行可能な車両タイプのものでもよく、上空を飛行可能な飛行体タイプのものでもよく、水上を移動可能な船舶タイプのものでもよく、水中を潜航可能な潜水艇タイプのものでもよい。あるいは、移動体12は、人型のロボット、犬型のロボットなどでもよい。
【0033】
移動体12は、通信部、制御部、及び記憶部を備えることとしてもよい。また、移動体12は、センサ、カメラ、変換部などを備えることとしてもよい。さらに、移動体12は、センサノード10などの、他の装置に電力を供給する、電力供給部を備えていることとしてもよい。
【0034】
移動体12の通信部は、センサノード10の通信部の記載を必要な範囲で採用できる。
【0035】
また、移動体12が飛行体タイプのものである場合には、制御部が飛行の制御を行うこととしてもよい。そして、移動体12の制御部は、CPUやRAMやROMから構成され、移動体12の備えるセンサから得られた情報、及び/又は経路情報などをもとに移動体12の飛行の制御を行うこととしてもよい。
【0036】
移動体12の備えるセンサは、ジャイロセンサ、加速度センサ、気圧センサ、超音波センサ、磁気方位センサ、GNSS、赤外線センサ、可視光センサなどの各種センサを含み得る。ジャイロセンサによって移動体12の傾き、すなわち姿勢を、加速度センサによって移動体12の速度を、気圧センサ、及び超音波センサによって移動体12の高度を、磁気方位センサによって移動体12の向いている方向を、GNSSによって移動体12の緯度、及び経度を、赤外線センサ、可視光センサ、又は超音波センサによって移動体12の周囲の障害物を主に検知することとしてもよい。
【0037】
移動体12の備えるカメラは、移動体12の周囲の撮影を行うこととしてもよい。カメラによって撮影された映像データは、変換部によってデータ形式が変換され、通信部により他のコンピュータ装置に送信され得る。
【0038】
飛行体タイプの移動体12の形状は、回転翼機タイプのものでもよく、固定翼機タイプのものでもよい。さらに、移動体12は、経路情報などをもとに自律的に飛行が制御されるものでもよく、操縦者が無線等により操縦することで飛行が制御されるものでもよい。
【0039】
無線装置13は、特に限定されず、通信接続が可能であればよい。無線装置13は、通信部を備えていることとしてもよい。例えば、無線装置13には、ビーコンなどを用いることができる。
【0040】
無線装置13の通信部は、センサノード10の通信部の記載を必要な範囲で採用できる。
【0041】
また、データ収集システムは、収集ノード11及び移動体12を複数備えていることとしてもよい。そして、それぞれの収集ノード11及び移動体12は、相互に通信接続が可能であることとしてもよい。
【0042】
[集電システム]
本発明のセンサノード10は、集電システムと接続されることとしてもよい。
図2は、本発明の実施の形態にかかる、集電システムの構成を示すブロック図である。図示するように、集電システムは、第一導電部1と、第二導電部2と、機能部3とから構成される。第一導電部1及び機能部3、並びに、機能部3及び第二導電部2は、それぞれ電気的に接続されている。「電気的に接続」とは、例えば、導線等により通電可能に接続されることをいう。
【0043】
集電システムの第一導電部1及び第二導電部2は、互いに非接触である。「非接触」とは、例えば、第一導電部1と第二導電部2とが直接接触していない状態をいう。
【0044】
集電システムは、第一導電部1及び第二導電部2の一部又は全部を、媒体に接触させることで集電する。つまり、集電システムは、第一導電部1及び第二導電部2の一部又は全部を、媒体に接触させることで電力を生じる。
【0045】
第一導電部1と第二導電部2の間の距離は、10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましく、3mm以下であることがさらに好ましく、1mm以下であることがとりわけ好ましく、0.5mm以下であることが特に好ましく、0.1mm以下であることが特別に好ましく、0.05mm以下であることが最も好ましい。
【0046】
第一導電部1と第二導電部2の間の距離は、一定であっても、部分的に異なっていてもよい。第一導電部1と第二導電部2の間の距離が部分的に異なる場合には、第一導電部1と第二導電部2の間の距離の中で、最も近い部分の距離が、上記範囲内であることが好ましい。また、第一導電部1と第二導電部2の間の距離が部分的に異なる場合には、第一導電部1と第二導電部2の間の距離の平均値が、上記範囲内であることが好ましい。第一導電部1と第二導電部2の間の距離が上記範囲内にあることで、第一導電部1と第二導電部2が効率的に媒体に接触することが可能となり、集電しやすくなる。
【0047】
第一導電部1及び第二導電部2は、いずれも導電性を有することが好ましい。ここで、第一導電部1及び第二導電部2の素材として、例えば、金属、導電性ポリマー、カーボン、導電性繊維、導電性ゴム等が挙げられる。
【0048】
第一導電部1及び第二導電部2の形状は、特に限定されない。第一導電部1及び第二導電部2の形状は、直方体状、円柱状(棒状)、角錐状、円錐状、板状、シート状、フィルム状、紐状又は粉末状であってもよく、形状を問わない。
【0049】
また、第一導電部1及び第二導電部2には、導電性を有しない素材を、導電性を有する素材で被覆したものや、導電性を有しない素材の中に、導電性を有する素材を配合したものなどを用いてもよい。例えば、プラスティックフィルムを金属で被覆したものや、クリーム状のペーストに金属粉末を配合したものを用いてもよい。また、第一導電部1及び第二導電部2は、可撓性を有していてもよい。
【0050】
第一導電部1及び第二導電部2に用いられる金属としては、例えば、銀、銅、金、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、白金、スズ、チタン、ステンレス、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、又は、その他上述の金属夫々の酸化物などから適宜選択して用いることができる。また、所定の金属に、所定の金属とは異なる他の金属や、他の導電性を有する材料が被膜されていてもよい。
【0051】
第一導電部1と第二導電部2の素材は、異なる種類のものを用いてもよく、同じ種類のものを用いてもよい。例えば、第一導電部1に、シート状のステンレスを用い、第二導電部2にシート状の亜鉛を用いることができる。この場合、第一導電部1及び第二導電部2は、機能部3または昇圧回路・降圧回路と導線により接続される。
【0052】
交流インピーダンス法を用いて、第一導電部1及び第二導電部2の少なくとも一方に対して分極抵抗を測定した場合に、測定値が100Ω以上であることが好ましい。
【0053】
ここで、電流の起点となる導電部を第一導電部1として定義し、終点となる導電部を第二導電部2として定義する。いずれの導電部が第一導電部1として機能するかは、導電部の材質、又は、導電部を取り巻く環境(例えば、温度、湿度、気圧、pHなど)により決定される。第一導電部1又は第二導電部2と媒体の界面で、化学反応が行われ、導電部に自由電子が発生する。
【0054】
例えば、第一導電部1と第二導電部2において異なる金属を用いた場合には、標準電極電位が低い金属を用いた方が第一導電部1に、標準電極電位が高い金属を用いた方が第二導電部2になる。この場合、第二導電部2から機能部3へ向かって電子が移動し、機能部3から第一導電部1へ向かって電子が移動する。すなわち、第一導電部1側から機能部3を介して第二導電部2側へ電流が生じる。例えば、第二導電部2では、導電部を構成する金属が媒体中に陽イオンとして溶出して、自由電子が発生し、第一導電部1では、媒体の水中の陽イオンが電子と反応し、電気的に中和される。
【0055】
標準電極電位の高低は、物質同士の標準電極電位の相対的な値(相対値)を比較して定められるものであって、標準電極電位の絶対値を用いて比較するものではない。例えば、標準電極電位が-5Vの物質Aと+2Vの物質Bとを比較した場合に、物質Aの標準電極電位は低く、物質Bの標準電極電位は高い。
【0056】
一方、導電部に同一の金属を用いた場合でも、例えば、温度、湿度、気圧、pHなど、導電部の周辺環境の条件により、いずれかの導電部が第一導電部1として、他方の導電部が第二導電部2として機能し、電流が生じる。よって、2つの導電部の周囲温度、湿度、気圧、pHなどの条件が変われば、第一導電部として機能していたものが第二導電部として機能し、第二導電部として機能していたものが第一導電部として機能することもあり得る。
【0057】
第一導電部1及び第二導電部2から生じる起電力は、0.9V以下であることが好ましく、0.35V以下であることがより好ましく、0.25V以下であることがさらに好ましい。また、第一導電部1及び第二導電部2から生じる起電力は、5mV以上であることが好ましい。
【0058】
また、図示しないが、集電システムは、複数の第一導電部1及び複数の第二導電部2を備えることとしてもよい。例えば、複数の第一導電部1a、1b・・・1n(nは、2以上の整数)を並列に、電気的に接続するようにしてもよい。また、複数の第二導電部2a、2b、・・・2m(mは、2以上の整数)を並列に、電気的に接続するようにしてもよい。なお、複数の第一導電部1a、1b・・・1nを直列に、電気的に接続するようにしてもよい。さらに、複数の第二導電部2a、2b、・・・2mを直列に、電気的に接続するようにしてもよい。
【0059】
機能部3は、例えば、通電することで所定の機能を実行するものをいう。機能部3は、電力を消費して所定の機能を発揮する電力消費部、導電部にて発生した電気を蓄電する蓄電部、昇圧回路や降圧回路のように出力する電圧を変換する出力電圧変換部等、回路を制御するマイコン等の制御部、他の装置と無線による通信が可能な通信部、情報を表示するための表示部等を含むことができる。
【0060】
電力消費部としては、例えば、白熱電球や発光ダイオードなどの光源、熱を発する発熱体、音を発する発音体、信号を発する発信体、又は、所定の情報を感知するセンサ等を採用することができる。蓄電部は、昇圧回路又は降圧回路に含まれていてもよい。マイコン等の制御部は、回路を制御して、蓄電部に蓄電した電気を所定の条件で放出させることができる。放出された電気は、電力消費部にて消費される。また、マイコン等の制御部においても、わずかではあるが電力が消費されるため、制御部を起動させるのに必要な電力を確保しつつ、蓄電した電気を放出するように制御することができる。
【0061】
機能部3は、電力消費部、蓄電部、出力電圧変換部、通信部、表示部及び制御部のいずれか1つを備えていればよく、電力消費部、蓄電部、出力電圧変換部、通信部、表示部及び制御部のいずれか2つ以上を組み合わせて構成したものを機能部3としてもよい。また、機能部3は、電力消費部、蓄電部、出力電圧変換部、通信部、表示部及び制御部のいずれか2つ以上を一体に構成したものであってもよく、電力消費部、蓄電部、出力電圧変換部、通信部、表示部及び制御部のいずれかを、電気的に接続しつつ、それぞれ別々に構成したものであってもよい。
【0062】
機能部3における入力インピーダンスは、1kΩ以上であることが好ましく、10kΩ以上であることがより好ましい。また、機能部3の入力インピーダンスは、非線形な電流-電圧特性(I-V特性)を有することが好ましい。非線形な電流-電圧特性とは、例えば、機能部3に電流を流した際の電圧変化において、電流値が大きくなるに従って電圧値が高くなるが、電流値が大きくなるに従って、電流値を大きくするために必要となる電圧値の上がり幅が大きくなり、電圧が電流に比例しないような場合をいう。言い換えると、機能部3に加えた電圧値が高くなるに従って電流値が大きくなるが、電圧値が高くなるに従って、電圧値を高くすることで電流値が大きくなる度合が小さくなり、電流値が電圧値に比例しないような場合をいう。機能部3における入力インピーダンスが非線形な電流-電圧特性を有することで、第一導電部1と第二導電部2との間で生じた起電力が維持しやすくなる。
【0063】
機能部3は、出力インピーダンスを変換する機能を有することが好ましい。これにより、機能部3の入力信号に与える影響を制御することができる。
【0064】
また、機能部3は、蓄電部を有し、第一導電部及び/又は第二導電部から供給される電荷を蓄積する。制御部は、電荷を蓄積するのに要した時間よりも短い時間で、蓄積した電荷を放出するように制御する。
【0065】
機能部3の動作電圧の下限値は、0.9V以下で動作することが好ましい。0.35V以下で動作することがより好ましく、20mV以下で動作することがさらに好ましい。
【0066】
媒体は、気体、液体、及び固体のうちいずれの形態であってもよい。媒体は、ゾル又はゲル状のものであってもよい。媒体は、第一導電部1又は第二導電部2との界面で、化学反応を起こし得るものであれば、特に限定されない。媒体としては、導電性を有しないものを用いることが好ましい。
【0067】
媒体として用いられる気体としては、集電システムが集電する際に気体であれば特に限定されないが、例えば、酸素、二酸化炭素、窒素、水素、メタン等が挙げられる。媒体として気体を用いる場合は、単一の種類の気体のみを用いてもよいが、これらの気体の複数種類を混合したものを用いてもよい。媒体は、水分を含んでいることが好ましい。
【0068】
媒体として用いられる液体は、特に限定されない。例えば、水、極性の高い有機溶剤、極性の低い有機溶剤、或いは、非極性の有機溶剤を用いることができる。また、媒体として用いられる液体は、水と極性の高い有機溶剤との混合物や、異なる2種以上の有機溶剤の混合物や、エマルションなども用いることができる。水は純水だけでなく、電解質を含むもの、すなわち電解液を用いることもできる。
【0069】
また、媒体として用いられる液体には、汗などが含まれる。汗の主な成分は水である。汗は、液体であっても、蒸発して気体となっていてもよい。また、汗には、電解質、乳酸塩、尿素、皮脂、微量元素などが含まれていてもよい。さらに、汗には、泥、土、砂などの異物が混ざっていてもよい。
【0070】
媒体に含まれる電解質のうち、陽イオンの濃度は、1mol/L以下であってもよく、0.6mol/L以下であってもよく、0.1mol/L以下であってもよく、0.01mol/L以下であってもよく、さらには、0.001mol/L以下であってもよい。
【0071】
極性の高い有機溶剤としては、例えば、メタノールやエタノールなどの低級アルコール、蟻酸や酢酸などの低級カルボン酸、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドなどを用いることができる。また、極性の低い有機溶剤としては、ヘキサノールやオクタノールなどの高級アルコール、ヘキサン酸やオクタン酸などの高級カルボン酸などを用いることができる。非極性の有機溶剤としては、例えば、ヘキサン、オクタン、ノナンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物があげられる。媒体として液体を用いる場合は、単一の種類の液体のみを用いてもよいが、これらの液体の複数種類を混合したものを用いてもよい。
【0072】
媒体として用いられる固体は、特に限定されない。例えば、砂や土などの、粉体状又は粒状の固体を用いることができる。あるいは、例えば、漆喰などの、吸水性の高い固体を用いることができる。
【0073】
媒体として用いられる固体は、水分を含むことが好ましい。媒体として用いられる固体の含水率は、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。また、媒体として用いられる固体の含水率は、200質量%以下であることが好ましい。ここで、含水率とは、水分の重量を水分及び固形分の重量の和で除したものをいう。
【0074】
媒体の第一導電部1と第二導電部2間の抵抗値は、1kΩ以上であることが好ましく、10kΩ以上であることがより好ましい。
【0075】
図3は、本発明の実施の形態にかかる、電力変換部の構成を示すブロック図である。
図3(A)は、本発明の実施の形態にかかる、昇圧回路の回路図である。昇圧回路又は降圧回路は、機能部3の一例であり、蓄電部を備えている。
【0076】
図示するように、インダクタL、ダイオードD、トランジスタTr、及びコンデンサCが電気的に接続されている。例えば、入力端子A1は、第一導電部1と接続され、入力端子A2は、第二導電部2と接続されている。出力端子B1及び出力端子B2は、電力消費部や制御部等と接続されている。なお、制御部は、昇圧回路と、第一導電部1及び第二導電部2との間で、昇圧回路と並列になるように接続されていてもよい。
【0077】
トランジスタTrがONである場合に、入力電圧VINが印加されると、インダクタLに電気エネルギーが蓄電される。入力電圧VINは、接続点P1と接続点P2の電位差である。トランジスタTrがOFFである場合に、入力電圧VINに由来する電気エネルギーに、インダクタLに蓄電されたエネルギーが加算され、ダイオードDを介して出力される。その結果、入力電圧VINよりも接続点P3と接続点P4の電位差である出力電圧VOUTの方が高い電圧となる。昇圧回路は、入力電圧VINが所定の電圧よりも低い電圧であることを前提にするもので、所定の電圧よりも高い電圧では昇圧制御が実行されないようなものであってもよい。昇圧回路の入力電圧VINは、5mV以上であることが好ましい。なお、トランジスタTrのON/OFFは、制御部により制御される。
【0078】
図3(B)は、本発明の実施の形態にかかる、降圧回路の回路図である。図示するように、トランジスタTr、インダクタL、ダイオードD、及びコンデンサCが電気的に接続される。例えば、入力端子A1は、第一導電部1と接続され、入力端子A2は、第二導電部2と接続されている。出力端子B1及び出力端子B2は、電力消費部や制御部等と接続されている。なお、制御部は、降圧回路と、第一導電部1及び第二導電部2との間で、降圧回路と並列になるように接続されていてもよい。
【0079】
トランジスタTrがONの場合には、インダクタLに電気エネルギーが蓄電される。入力電圧VINは、接続点P11と接続点P12の電位差であり、出力電圧VOUTは、接続点P13と接続点P14の電位差である。この場合、入力電圧VINは、出力電圧VOUTとほぼ等しくなる。トランジスタTrがOFFとなると、インダクタLの左端にある接続点P15の電位が接続点P14の電位よりも低くなるため、出力電圧VOUTの方が低い電圧となる。降圧回路は、入力電圧VINが所定の電圧よりも高い電圧であることを前提にするもので、所定の電圧よりも低い電圧では降圧制御が実行されないようなものであってもよい。なお、トランジスタTrのON/OFFは、制御部により制御される。
【0080】
[センサノードの内部インピーダンスの測定方法]
次に、本発明のセンサノードの内部インピーダンスの測定方法について説明をする。
図4は、本発明の実施の形態にかかる、センサノードを表す図である。
図4では、第一導電部1及び第二導電部2が、媒体4に接触している。第一導電部1及び第二導電部2の電位差をV
1
INと定義し、接続点P
1と接続点P
2の電位差をV
2
INと定義することができる。接続点P
5と接続点P
6の電位差をV
1
OUTと定義し、接続点P
3と接続点P
4の電位差をV
2
OUTと定義することができる。本発明のセンサノード10が通電すると、第一導電部1と第二導電部2との間で、起電力V
1
INにより電流Iが接続点P
1と接続点P
5の方向に流れる。
【0081】
図4に図示するように、第一導電部1は接続点P
1にて、第二導電部2は接続点P
2にて昇圧回路と接続されている。昇圧回路は、インダクタL、ダイオードD、トランジスタTr、及びコンデンサCが電気的に接続されている。
【0082】
図5は、本発明の実施の形態にかかる、センサノード10内のトランジスタのON-OFFを切り替えた場合における、時間と電流Iの関係を示す図である。ここで、V
1
OUTとV
2
INの関係は、インダクタLに流れる電流IとインダクタンスL1を用いて、式(1):V
1
OUT-V
2
IN=-L1×dI/dtで表すことができる。トランジスタTrがONの場合は、V
1
OUT=0なので、式(2):V
2
IN=L1×dI/dtを導き出すことができる。この場合、dI/dtは正の値であり、時間と共に電流Iは増加する。一方で、トランジスタTrがOFFの場合は、V
1
OUT>V
2
INとなるから、式(1):V
1
OUT-V
2
IN=-L1×dI/dtから、dI/dtは負の値となることが分かる。この場合、時間と共に電流Iは減少する。トランジスタTrのONとOFFは定期的に繰り返される。
【0083】
ここで、第一導電部1、第二導電部2及び媒体4を1種の電池として捉えると、起電力V1
INにより電流Iが流れると考えることができる。この場合に、媒体4により起因する内部インピーダンスをZと定義すると、入力電圧と内部インピーダンスとの関係は、式(3):V1
IN=Z×I+V2
INで表すことができる。
【0084】
また、トランジスタTrがOFFとなっている間(以下、TOFF期間という)、電流IによってコンデンサCに電荷Qがチャージされる。TOFF期間中に、接続点P3において上昇した電圧をΔVとし、コンデンサCのコンデンサ容量をC1とすると、式(4):Q=∫Idt=C1×ΔVが成立する。
【0085】
式(2)と式(3)から、V
1
IN=L1×dI/dt+Z×Iが導きだされる。この方程式を解くと、Aを積分定数として、式(5):I(t)=V
1
IN/Z+A×e
(-Z/L1×t)が導き出される。トランジスタTrがOFFからONに切り替わった時間をt=0とした場合、
図4から明らかなように、t=0の時、電流Iはゼロである。そこで、t=0、I=0を式(5)に代入すると、A=-V
1
IN/Zの関係が成立することが分かる。このA=-V
1
IN/Zを式(5)に代入すると、式(6):I(t)=V
1
IN/Z×(1-e
(-Z/L1×t))を導きだすことができる。トランジスタTrがONとなっている間(以下、T
on期間という)の電流Iは、式(6)より算出できる。トランジスタTrがONになっている時間を十分にとると、電流Iの最大値はV
1
IN/Zとなる。
【0086】
T
on期間が終了し、T
off期間が開始した時(つまり、トランジスタTrがOFFからONに切り替わってから時間T1が経過した時)における電流Iは、式(6)にt=T1を代入することにより算出することができる。これは、
図5からもわかるように、電流Iには、連続性があるためである。(1-e
(-Z/L1×T1))=K(定数)と置き換えると、t=T1における電流Iは、I(T1)=V
1
IN/Z×(1-e
(-Z/L1×T1))=K×V
1
IN/Zで表すことができる。なお、Kは0≦K<1の関係を満たし、Z/L1×T1の値が十分に大きくなると、Kは1に近似することができる。
【0087】
次に、式(1)と式(3)により、式(7):L1×dI/dt+Z×I=V1
IN-V1
OUTを導きだすことができる。さらに、式(4)より、V2
OUTは、∫Idt/C1+Vstartで表すことができる。ここで、Vstartは、Toff期間の開始時(t=T1)のコンデンサCの電圧であり、定数である。ダイオードDの閾値電圧をVfとすれば、式(8):V1
OUT=V2
OUT+Vf=∫Idt/C1+Vstart+Vf=∫Idt/C1+V´outを導きだすことができる。なお、ここでV´out=Vstart+Vfは定数である。
【0088】
さらに、式(7)及び式(8)から、式(9):∫Idt/C1+Z×I+L1×dI/dt=V1
IN-V´outを導きだすことができる。式(9)の微分方程式を解くことで、Toff期間の電流Iを時間t、コンデンサ容量C1、内部インピーダンスZ、インダクタンスL1、V1
IN、V´out、Kの関数で表すことができる。Toff期間の開始時間をt=0とした場合に、その時の電流Iの初期値I(0)はI(0)=K×V1
IN/Zである。Toff期間が終了した時(つまり、トランジスタTrがONからOFFに切り替わってから時間T2が経過し、電流Iがゼロとなった時)、I(T2)=0である。コンデンサ容量C1、インダクタンスL1、V´outは定数であり、I(0)、T2を測定すれば、V1
INとZの値をそれぞれ算出することができる。
【0089】
Zについては、上で述べた方法と異なり、簡易的に求めることも可能である。T
off期間中、V
1
OUTは、V
2
INに比べて10倍ほど大きい電圧であるため、dI/dtも大きな値となる。この場合、式(4)における∫Idtは、
図5において三角形Sの面積に相当する。従って、式(4)より式(9):∫Idt=K×V
1
IN/Z×T2/2=C1×ΔVが導きさせる。ここで、T
on時間を十分に長くとればK≒1と近似できるから、式(9)にK=1を代入すると、式(10):V
1
IN/Z×T2/2=C1×ΔVが導き出される。C1は定数であり、T
off期間を十分に長くとった時点(電流Iが最小値となった時点)でのΔV、T
off期間を十分に長くとった時点(電流Iが最小値となった時点)でのV
1
IN、T2(V
1
OUTがV
2
INと等しくなったときの時間)から、Zを算出することができる。なお、T
off期間を十分に長くとった時点(電流Iが消費された時点)では、V
1
IN=V
2
INであるため、V
2
INを測定することで、V
1
INを特定することができる。
【0090】
なお、内部インピーダンスZの算出は、制御部により実行される。
【0091】
測定された、センサノード10の内部インピーダンスZ、及びセンサノード10内の所定の電圧は、センサノード10から収集ノード11へ送信されることとしてもよい。あるいは、測定された、センサノード10の内部インピーダンスZ、及びセンサノード10内の所定の電圧は、センサノード10から、移動体12、無線装置13、他のコンピュータ装置などへ送信されることとしてもよい。
【0092】
また、測定された、センサノード10の内部インピーダンスZ、及びセンサノード10内の所定の電圧は、センサノード10が取得したセンシングデータとともに送信されることとしてもよく、センサノード10が取得したセンシングデータの送信とは関連せずに送信されることとしてもよい。
【0093】
[センサノード]
図6は、本発明の実施の形態にかかる、センサノードの例を示す図である。図示するように、センサノード10は、第一導電部1及び第二導電部2を備えている。また、図示しないが、センサノード10は、機能部3を備えており、第一導電部1及び機能部3は接続されており、第二導電部2及び機能部3は接続されている。第一導電部1及び第二導電部2は、互いに非接触である。また、前述のように、センサノード10の備える集電システムは、第一導電部1及び第二導電部2を媒体4に接触させることで集電する。
【0094】
図6(A)に示すセンサノード10は、円筒形の本体部を有している。
図6(A)に示すセンサノード10は、本体部の側面に、左右対象に、シート状の第一導電部1及び第二導電部2を備えている。そして、本体部の一端は、突起状の形状をしている。
【0095】
図6(B)に示すセンサノード10は、ウキのような、一端が細い、縦長の形状の本体部を有している。以下、縦長の形状の本体部のうち、細くなっている端の部分を上部とし、上部と反対の部分を下部とする。
図6(B)に示すセンサノード10は、本体部の下部の側面にあたる部分に、左右対象に、シート状の第一導電部1及び第二導電部2を備えている。
【0096】
第一導電部1及び第二導電部2を、本体部に備える方法は特に限定されず、第一導電部1及び第二導電部2が、本体部に固定されればよい。例えば、第一導電部1及び第二導電部2は、本体部に接着剤などで接着されることとしてもよく、第一導電部1及び第二導電部2は、本体部に固定具を用いて固定されることとしてもよい。
【0097】
本体部の素材は、特に限定されない。本体部の素材には、ステンレス、アルミニウムなどの金属や、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどの合成樹脂などを用いることができる。本体部の素材が、金属などの導電性を有するものである場合には、第一導電部1及び第二導電部2が互いに非接触となるよう、本体部と第一導電部1及び第二導電部2の間に絶縁体の素材を設けることとしてもよい。また、本体部の素材は、耐候性のあるものであることが好ましい。
【0098】
機能部3はセンサノード10の内部に備えられていることとしてもよい。そして、図示しないが、センサノード10の本体部には孔が設けられており、該孔を通して、第一導電部1及び第二導電部2と機能部3が、導線などで接続されることとしてもよい。
【0099】
図6(A)に示すセンサノード10は、本体部の一端が突起状の形状をしているため、土などに挿して地面に設置することが容易である。センサノード10を地面に設置した場合、砂、土、泥などが媒体4となる。
【0100】
図6(B)に示すセンサノード10は、ウキのような、一端が細い、縦長の形状であるため、海、河川、池、湖などの水上又は水中に設置することが容易である。センサノード10を水上又は水中に設置した場合、水、海水などが媒体4となる。
【0101】
また、センサノード10は、
図6に示した例に限定されず、任意の形状を採用することができる。例えば、センサノード10は、円盤状の形状をしており、水面に浮かべることが容易であることとしてもよい。
【0102】
あるいは、例えば、センサノード10は、人間や、他の動物などの身体にセンサノード10を固定することができる、固定部を有する形状であることとしてもよい。固定部の形状は、ブレスレットのようにリング状のものでも、テープ状のものであってもよい。センサノード10を、人間や、他の動物などに装着させる場合には、センサノード10を装着した人間や、他の動物などの、汗などが媒体4となる。
【0103】
また、センサノード10は、防水機能や防塵機能を備えていることが好ましい。
【0104】
このように、センサノードが、集電システムと接続されており、集電システムが、第一導電部及び第二導電部と、機能部とを備え、第一導電部及び機能部は接続されており、第二導電部及び機能部は接続されており、第一導電部及び第二導電部は、互いに非接触であり、第一導電部及び第二導電部を媒体に接触させることで集電することで、自立した電源で稼働するセンサノードを備えるデータ収集システムを提供することができる。
【0105】
以下、本発明の実施の形態にかかるデータ収集システムを、位置情報記憶処理、位置情報更新処理、センシングデータ受信処理、センサノード位置特定処理、送信可能センサノード識別処理、電力供給処理、判定処理の順に説明していく。各処理の順番、及び、各処理内の各ステップの順番は、適宜変更が可能である。また、データ収集システムにおける処理やステップは、行われないものがあってもよく、適宜選択されることとしてもよい。さらに、データ収集システムにおける各ステップは、以下に記載されている装置以外の装置において行われることとしてもよい。例えば、移動体12において行われるステップが、収集ノード11、他のコンピュータ装置などにおいて行われることとしてもよい。
【0106】
[位置情報記憶処理]
図7は、本発明の実施の形態にかかる、データ収集システムにおける位置情報記憶処理のフローチャートを表す図である。
【0107】
まず、移動体12は、センサノード10を設置する位置まで、センサノード10を移動させる(ステップS101)。そして、移動体12は、センサノード10を設置する位置に、センサノード10を設置する(ステップS102)。移動体12において、センサノード10が設置された際の、センサノード10の位置に関する情報(以下、位置情報という)が記憶され(ステップS103)、位置情報記憶処理は終了する。
【0108】
ステップS101において、センサノード10を設置する位置は、予め定められていてもよく、予め定められていなくともよい。例えば、移動体12は、予め定められた位置までセンサノード10を移動させることとしてもよく、移動体12は、予め定められていないが、所定の条件を満たす位置までセンサノード10を移動させることとしてもよい。具体的には、例えば、移動体12は、所定の個数のセンサノード10を、所定の範囲内に均等な間隔で設置するような条件を満たす位置まで、センサノード10を移動させることとしてもよい。
【0109】
ステップS101において、移動体12がセンサノード10を移動させる方法は、特に限定されず、センサノード10を移動させることが可能であればよい。例えば、ドローンなどの、飛行タイプの移動体12が、センサノード10を、アームなどで把持して飛行することとしてもよい。
【0110】
ステップS102におけるセンサノード10の設置方法は、特に限定されず、センサノード10を設置することができればよい。例えば、ドローンなどの、飛行タイプの移動体12が、センサノード10を上空から投下し、海、河川、池、湖などの、水上又は水中に設置することとしてもよい。その場合、センサノード10は、
図6(B)に示すような形状であることが好ましい。
【0111】
あるいは、例えば、ドローンなどの、飛行タイプの移動体12が、地表付近を飛行しながら、センサノード10を、砂、土、泥などに挿して地面に設置することとしてもよい。その場合、センサノード10は、
図6(A)に示すような形状であることが好ましい。
【0112】
センサノード10が集電システムと接続されている場合には、第一導電部1及び第二導電部2が媒体4に接触するように、センサノード10を設置することが好ましい。
【0113】
ステップS103におけるセンサノード10の位置情報は、特に限定されず、センサノード10の位置を特定できる情報であればよい。例えば、位置情報は、緯度、経度、及び高度の情報であることとしてもよい。センサノード10を設置した際の位置情報を特定するため、移動体12は、GNSSを備えていることが好ましい。
【0114】
また、ステップS103において、センサノード10の位置情報とともに、センサノード10の識別情報が、移動体12に記憶されることとしてもよい。センサノード10の識別情報には、センサノード10の識別番号が含まれる。そして、センサノード10の位置情報と、該センサノード10の識別情報とが、関連付けて記憶されることとしてもよい。
【0115】
このように、移動体が、センサノードを設置するセンサノード設置手段を備え、位置情報記憶手段が、センサノード設置手段により設置された際のセンサノードの位置情報を記憶することで、センサノードの設置とセンサノードの位置情報の記憶が容易となる。
【0116】
[位置情報更新処理]
センサノード10が、海や河川などの水上又は水中に設置された場合や、センサノード10を、人間や他の動物などに装着させた場合には、センサノード10の位置は、ステップS103において記憶された位置から、変化することが考えられる。センサノード10の位置が変化する場合には、位置情報更新処理によって、センサノード10の位置情報を更新することとしてもよい。その場合、センサノード10は、該センサノード10の位置情報を特定するため、GNSSなどを備えていることが好ましい。
【0117】
図8は、本発明の実施の形態にかかる、データ収集システムにおける位置情報更新処理のフローチャートを表す図である。
【0118】
まず、センサノード10にいて、該センサノード10の位置情報が特定される(ステップS201)。そして、特定された位置情報が、移動体12へ送信される(ステップS202)。送信された位置情報は、移動体12において受信される(ステップS203)。移動体12において、該センサノード10の位置情報が更新され(ステップS204)、位置情報更新処理は終了する。
【0119】
ステップS201においては、センサノード10の位置情報が特定されれば、特定方法は限定されない。例えば、センサノード10の位置情報は、センサノード10の備えるGNSSにより特定されることとしてもよい。
【0120】
また、ステップS201におけるセンサノード10の位置情報は、特に限定されず、センサノード10の位置を特定できる情報であればよい。例えば、位置情報は、緯度、経度、及び高度の情報であることとしてもよい。
【0121】
ステップS202において、センサノード10の位置情報とともに、センサノード10の識別情報が送信されることとしてもよい。そして、送信されたセンサノード10の識別情報と関連付けて記憶されている位置情報が、ステップS204において更新されることとしてもよい。
【0122】
位置情報更新処理が行われる頻度は適宜設計が可能である。所定の頻度で定期的に行われることとしてもよく、不定期に行われることとしてもよい。例えば、後述する、センシングデータ受信処理のステップS302の前に位置情報更新処理が行われることとしてもよい。ステップS302の前に位置情報更新処理が行われることで、センサノード10の正確な位置を基に移動経路を特定することが可能となる。また、例えば、後述する、センサノード位置特定処理のステップS403においてセンサノード10の位置が特定された際に、位置情報更新処理が行われることとしてもよい。
【0123】
センサノードが、該センサノードの位置情報を特定する位置情報特定手段を備え、データ収集システムが、位置情報記憶手段により記憶されたセンサノードの位置情報を、位置情報特定手段により特定されたセンサノードの位置情報に更新する位置情報更新手段を備えることで、センサノードの位置が変化する場合にも、センサノードの位置情報を記憶することが可能となる。
【0124】
[センシングデータ受信処理]
図9は、本発明の実施の形態にかかる、データ収集システムにおけるセンシングデータ受信処理のフローチャートを表す図である。
【0125】
まず、移動体12において、所定の時間内にセンシングデータを送信したセンサノードが識別される(ステップS301)。そして、移動体12の移動経路が特定される(ステップS302)。移動体12は、特定された移動経路に従い、移動経路上にあるセンサノード10の位置から第一の所定の範囲内まで、収集ノード11を移動させる(ステップS303)。移動体12において、第一の所定の範囲内にあるセンサノード10が、センシングデータを送信可能であるか否かが判定される(ステップS304)。
【0126】
第一の所定の範囲内にあるセンサノード10が、センシングデータを送信可能であると判定された場合(ステップS304にてYes)、収集ノード11からセンサノード10へ、信号が送信される(ステップS305)。そして、送信された信号が、センサノード10において受信される(ステップS306)。次に、センサノード10から収集ノード11へ、センシングデータが送信される(ステップS307)。そして、収集ノード11において、センシングデータが受信される(ステップS308)。移動体12が移動経路を辿り切っていない場合、移動体12は、移動経路上にある、次のセンサノード10の位置から第一の所定の範囲内まで、収集ノード11を移動させる(ステップS303)。
【0127】
一方、第一の所定の範囲内にあるセンサノード10が、センシングデータを送信可能であると判定されなかった場合には(ステップS304にてNo)、ステップS305~ステップS308は行われない。そして、移動体12が移動経路を辿り切っていない場合、移動体12は、移動経路上にある、次のセンサノード10の位置から第一の所定の範囲内まで、収集ノード11を移動させる(ステップS303)。
【0128】
ステップS303~ステップS308は、移動体12が移動経路を辿り切るまで繰り返される。あるいは、ステップS303~ステップS308は、移動経路上に、次のセンサノード10が存在しなくなるまで繰り返される。移動体12が移動経路を辿り切った場合、センシングデータ受信処理は終了する。
【0129】
ステップS301において、所定の時間は、特に限定されず、適宜設計可能である。例えば、数日でも、一日でも、半日でも、数時間でも、数分でも、数秒でもよい。
【0130】
また、ステップS301においては、所定の時間内にセンシングデータを送信したセンサノード10が識別されればよく、識別の方法は特に限定されない。例えば、センシングデータ受信処理が複数回行われる場合であって、所定の時間内に行われた、前回以前のセンシングデータ受信処理のステップS304において、センシングデータを送信可能であると判定されたセンサノード10は、センシングデータを送信したと識別することとしてもよい。その場合、移動体12において、センサノード10の識別情報と関連付けて、センシングデータを送信可能であると判定されたこと、及びセンシングデータを送信可能であると判定された時刻が記憶されることが好ましい。
【0131】
あるいは、例えば、センシングデータ受信処理が複数回行われる場合であって、所定の時間内に行われた、前回以前のセンシングデータ受信処理のステップS307において、センシングデータを送信したセンサノード10は、センシングデータを送信したと識別することとしてもよい。その場合、センサノード10又は収集ノード11から、移動体12へ、センサノード10がセンシングデータを送信したことが通知されることが好ましい。また、移動体12において、センサノード10の識別情報と関連付けて、センシングデータを送信したこと、及びセンシングデータを送信した時刻が記憶されることが好ましい。
【0132】
ステップS302においては、ステップS301において、所定の時間内にセンシングデータを送信したと識別されたセンサノード10以外のセンサノード10が、移動経路上に含まれるように移動経路が特定されることとしてもよい。
【0133】
その場合、所定の時間内にセンシングデータを送信したと識別されたセンサノード10以外のセンサノード10のみが移動経路上に含まれるように移動経路が特定されることとしてもよく、所定の時間内にセンシングデータを送信したと識別されたセンサノード10と、所定の時間内にセンシングデータを送信したと識別されたセンサノード10以外のセンサノード10の双方が移動経路上に含まれるように移動経路が特定されることとしてもよい。
【0134】
また、所定の時間内にセンシングデータを送信したと識別されたセンサノード10以外のセンサノード10の全てが移動経路上に含まれるように移動経路が特定されることとしてもよく、所定の時間内にセンシングデータを送信したと識別されたセンサノード10以外のセンサノード10の一部が移動経路上に含まれるように移動経路が特定されることとしてもよい。
【0135】
ステップS302においては、前述のステップS103、及びステップS204において移動体12に記憶されたセンサノード10の位置情報を基に、所定のセンサノード10が移動経路上に含まれるように移動経路を特定することとしてもよい。
【0136】
ステップS302において、移動経路を特定する方法は、特に限定されず、公知の方法が用いられる。移動経路には、移動体12が移動する経路の緯度、経度及び高度の情報が含まれることとしてもよい。移動経路は、移動体12の移動距離が最短となるように特定されることが好ましい。
【0137】
ステップS303においては、ステップS103、及びステップS204において移動体12に記憶されたセンサノード10の位置情報を基に、移動体12が収集ノード11をセンサノード10の第一の所定の範囲内まで移動させることとしてもよい。あるいは、後述するセンサノード位置特定処理により特定されたセンサノード10の位置を基に、移動体12が収集ノード11をセンサノード10の第一の所定の範囲内まで移動させることとしてもよい。また、ステップS103、及びステップS204において移動体12に記憶されたセンサノード10の位置情報、並びに、後述するセンサノード位置特定処理により特定されたセンサノード10の位置を基に、移動体12が収集ノード11をセンサノード10の第一の所定の範囲内まで移動させることとしてもよい。
【0138】
ステップS303において、移動体12が収集ノード11を移動させる方法は、特に限定されず、収集ノード11を移動させることが可能であればよい。例えば、ドローンなどの、飛行タイプの移動体12が、装置としての形状を有する収集ノード11を、アームなどで把持して飛行することとしてもよい。
【0139】
センサノード10の位置から第一の所定の範囲内とは、特に限定されず、センサノード10と収集ノード11の間の通信が可能な範囲内であればよい。
【0140】
例えば、センサノード10と収集ノード11の間の通信が、RFID、NFC、IrDAなどの近距離通信である場合には、第一の所定の範囲内とは、センサノード10の位置から半径10cm以内でも、センサノード10の位置から半径50cm以内でも、センサノード10の位置から半径100cm以内でもよい。
【0141】
センサノード10と収集ノード11の間の通信が、Wi-Fi、Bluetooth、BLEなどの中距離通信である場合には、第一の所定の範囲内とは、センサノード10の位置から半径10m以内でも、センサノード10の位置から半径50m以内でも、センサノード10の位置から半径100m以内でも、センサノード10の位置から半径300m以内でもよい。
【0142】
センサノード10と収集ノード11の間の通信がLPWAなどの長距離通信である場合には、第一の所定の範囲内とは、センサノード10の位置から半径1km以内でも、センサノード10の位置から半径10km以内でも、センサノード10の位置から半径50km以内でもよい。
【0143】
ステップS302において、所定の時間内にセンシングデータを送信したと識別されたセンサノード10以外のセンサノード10が移動経路上に含まれるように移動経路が特定された場合には、移動体12は、ステップS303において、所定の時間内にセンシングデータを送信したと識別されたセンサノード10以外のセンサノード10の位置から第一の所定の範囲内まで、収集ノード11を移動させる。
【0144】
ステップS304においては、ステップS303において第一の所定の範囲内まで移動したセンサノード10の識別情報が、後述する、送信可能センサノード識別処理のステップS507において受信された送信可能センサノード識別情報に含まれる場合に、該センサノード10はセンシングデータを送信可能であると判定されることとしてもよい。
【0145】
また、ステップS304において、ステップS303において第一の所定の範囲内まで移動したセンサノード10の識別情報が、後述する、送信可能センサノード識別処理のステップS507において受信された送信可能センサノード識別情報に含まれない場合には、該センサノード10はセンシングデータを送信可能であると判定されないこととしてもよい。
【0146】
ステップS304において、センサノード10がセンシングデータを送信可能であると判定された場合には、移動体12から収集ノード11へ、該センサノード10がセンシングデータを送信可能であることが通知されることとしてもよい。
【0147】
ステップS305において収集ノード11から送信される信号は、特に限定されず、信号として機能するものであればよい。例えば、所定の周波数の電波、赤外線などであってもよい。
【0148】
ステップS306において収集ノード11から所定の信号を受信した場合には、センサノード10において、所定の機能が発揮されることが好ましい。
【0149】
例えば、収集ノード11から所定の周波数の電波を受信した場合には、センサノード10から、該収集ノード11にセンシングデータを送信することとしてもよい。
【0150】
あるいは、例えば、収集ノード11から赤外線を受信した場合には、省電力状態であったセンサノード10が通常の消費電力状態となるよう起動することとしてもよい。そして、起動したセンサノード10は、該収集ノード11にセンシングデータを送信することとしてもよい。
【0151】
センサノード10が収集ノード11から所定の信号を受信する際に用いる通信方法は、該センサノード10から該収集ノード11にセンシングデータを送信する際に用いる通信方法よりも、消費する電力が小さいものであることとしてもよい。つまり、センサノード10は、消費する電力が小さいプロトコルでの待ち受けをすることとしてもよい。
【0152】
収集ノード11から信号を受信した場合に、センサノード10において発揮される機能は、予め定められていることが好ましい。また、センサノード10において発揮される機能は、収集ノード11から受信する信号の種類ごとに、異なるものであるように定められていることとしてもよい。
【0153】
ステップS307においてセンサノード10が送信するセンシングデータは、特に限定されず、センサノード10が取得したセンシングデータであればよい。また、前述のように、センサノード10の内部インピーダンスZ、及びセンサノード10内の所定の電圧が、センサノード10が取得したセンシングデータとともに送信されることとしてもよい。
【0154】
センサノード10が、複数のセンサを備えている場合には、複数のセンサから取得できるセンシングデータのうち、全てのセンシングデータが送信されることとしてもよく、一部のセンシングデータが送信されることとしてもよい。
【0155】
また、前述のように、センサノード10が備える複数のセンサから取得できるセンシングデータのうち、送信対象となるセンシングデータが特定されることとしてもよい。例えば、センシングデータ受信処理が複数回行われる場合には、前回以前のセンシングデータ受信処理のステップS308において受信したセンシングデータを基に、収集ノード11において、送信対象となるセンシングデータが特定されることとしてもよい。
【0156】
収集ノード11において特定された送信対象となるセンシングデータは、センサノード10に通知され、センサノード10から、特定された送信対象となるセンシングデータが送信されることとしてもよい。
【0157】
ステップS308において、受信されたセンシングデータは、収集ノード11において記憶されることとしてもよく、移動体12又は他のコンピュータ装置へ送信され、移動体12又は他のコンピュータ装置において記憶されることとしてもよい。センシングデータが記憶される際には、該センシングデータを取得したセンサノード10の識別情報と関連付けて記憶されることが好ましい。また、該センシングデータを取得した時刻、該センシングデータを送信した時刻に関する情報なども、該センシングデータを取得したセンサノード10の識別情報と関連付けて記憶されることが好ましい。
【0158】
上記のようなセンシングデータ受信処理によって、所定の時間内にセンシングデータを送信していないセンサノード10のセンシングデータを、効率よく収集することが可能となる。また、センシングデータ受信処理を複数回行うことで、所定の時間内にセンシングデータを送信していないセンサノード10のセンシングデータを、より効率よく収集することが可能となる。
【0159】
以上、移動体12が移動経路を辿り切った場合に、センシングデータ受信処理は終了する態様について記載したが、収集ノード11が移動経路上にある全てのセンサノード10からセンシングデータを受信した場合に、センシングデータ受信処理が終了する態様としてもよい。
【0160】
その場合、ステップS304において、センサノード10がセンシングデータを送信可能であると判定されるまで、センサノード10の第一の所定の範囲内にて待機することとしてもよい。あるいは、後述する電力供給処理により、センサノード10に電力を供給することで、センサノード10がセンシングデータを送信可能な状態とすることとしてもよい。
【0161】
また、上記では、移動体12が、センサノード10の位置から第一の所定の範囲内まで収集ノード11を移動させる態様について記載したが、移動体12以外のものが、センサノード10の位置から第一の所定の範囲内まで収集ノード11を移動させる態様としてもよい。例えば、人間や動物がセンサノード10の位置から第一の所定の範囲内まで収集ノード11を移動させることとしてもよい。
【0162】
このように、データ収集システムが、センサノードの位置に関する位置情報を記憶する位置情報記憶手段を備え、移動体が、センサノードの位置から第一の所定の範囲内まで収集ノードを移動させる収集ノード移動手段を備え、センサノードが、取得したセンシングデータを収集ノードに送信する第一センシングデータ送信手段を備え、収集ノードが、センサノードからセンシングデータを受信するセンシングデータ受信手段を備えることで、収集ノードを移動させることでデータを収集することができるデータ収集システムを提供することができる。これにより、センサノードの設置できる場所が、基地局から所定の範囲内に限られないデータ収集システムを実現することができる。
【0163】
このように、収集ノードが、センサノードに信号を送信する信号送信手段を備え、第一センシングデータ送信手段が、信号送信手段により信号を送信された場合に、該収集ノードにセンシングデータを送信することで、センシングデータの送信先が容易に特定でき、センサノードの電力消費を抑えることができる。つまり、収集ノードからセンサノードに信号が送信された場合に、センシングデータが収集ノードに送信されるため、不必要にセンシングデータが送信されることもなくなり、電力消費を抑えることができる。
【0164】
このように、データ収集システムが、位置情報記憶手段により記憶されたセンサノードの位置情報に基づいて、移動体の移動経路を特定する移動経路特定手段を備え、収集ノード移動手段が、移動経路特定手段により特定された移動経路に従って、収集ノードを移動させることで、効率よく収集ノードを移動させることができる。
【0165】
このように、データ収集システムが、所定の時間内にセンシングデータを送信したセンサノードを識別する送信識別手段を備え、収集ノード移動手段が、送信識別手段により所定の時間内にデータを送信したと識別されたセンサノード以外のセンサノードの位置から第一の所定の範囲内まで収集ノードを移動させることで、所定の時間内にセンシングデータを重複して取得することがなくなる。
【0166】
[センサノード位置特定処理]
GNSSにより特定された位置情報には、誤差が含まれる可能性がある。ステップS103、及びステップS204において移動体12に記憶されたセンサノード10の位置情報が十分に正確でない場合には、ステップS303において、移動体12が収集ノード11をセンサノード10の第一の所定の範囲内まで移動させる際に、以下のようなセンサノード位置特定処理により、センサノード10の位置を特定することとしてもよい。
【0167】
センサノード位置特定処理が行われる場合には、一つのセンサノード10と一つの無線装置13が対応することが好ましい。そして、無線装置13は、対応するセンサノード10の位置から第二の所定の範囲内に設置されることが好ましい。
【0168】
第二の所定の範囲内は、特に限定されず、適宜設計可能である。
【0169】
センサノード10の位置をより正確に特定するという観点からは、第二の所定の範囲内は、センサノード10の位置から半径100cm以内であることが好ましく、センサノード10の位置から半径50cm以内であることがより好ましく、センサノード10の位置から半径10cm以内であることがさらに好ましい。
【0170】
図10は、本発明の実施の形態にかかる、データ収集システムにおけるセンサノード位置特定処理のフローチャートを表す図である。
【0171】
まず、無線装置13から、移動体12へ通知が送信される(ステップS401)。送信された通知は、移動体12において受信される(ステップS402)。そして、移動体12において、送信された通知に対応する無線装置13の位置を基に、センサノード10の位置が特定され(ステップS403)、センサノード位置特定処理は終了する。
【0172】
移動体12は、ステップS402において受信した通知によって、無線装置13の位置を、GNSSよりも正確に特定することが可能であることとしてもよい。この場合、無線装置13は、ビーコンであることが好ましい。
【0173】
ステップS403においては、センサノード10の位置が特定されれば、特定方法は限定されない。
【0174】
例えば、移動体12において、無線装置13が設置された位置と、対応するセンサノード10の位置との関係が記憶されており、特定された無線装置13の位置を基に、センサノード10の位置が特定されることとしてもよい。具体的には、例えば、移動体12において、無線装置13が、対応するセンサノード10の位置から半径10cm以内に設置されたことが記憶されており、センサノード10の位置は、無線装置13の位置から半径10cm以内であると特定されることとしてもよい。
【0175】
ステップS403において特定されたセンサノード10の位置は、移動体12の記憶部に記憶されることとしてもよく、記憶されないこととしてもよい。また、ステップS403においてセンサノード10の位置が特定された際に、前述の位置情報更新処理が行われることとしてもよい。
【0176】
そして、ステップS403において特定されたセンサノード10の位置を基に、移動体12が収集ノード11をセンサノード10の第一の所定の範囲内まで移動させることとしてもよい。あるいは、ステップS103、及びステップS204において移動体12に記憶されたセンサノード10の位置情報、並びに、後述するセンサノード位置特定処理により特定されたセンサノード10の位置を基に、移動体12が収集ノード11をセンサノード10の第一の所定の範囲内まで移動させることとしてもよい。
【0177】
このように、データ収集システムが、センサノードの位置から第二の所定の範囲内に設置された無線装置を備え、無線装置が、移動体に通知を送信する通知送信手段を備え、移動体が、センサノードの位置を、通知送信手段により送信された通知に対応する無線装置の位置を基に特定する位置特定手段を備えることで、無線装置を利用してセンサノードの位置を特定することができる。
【0178】
[送信可能センサノード識別処理]
センシングデータの取得、及びセンシングデータの送信が、集電システム、ソーラー発電、微生物発電などから得られた電力によって行われる場合、センシングデータの取得、及びセンシングデータの送信に必要な電力が安定して得られない可能性がある。電力の不足などにより、センシングデータを取得していないセンサノード10、及び/又は、センシングデータを取得しているがセンシングデータの送信が可能でないセンサノード10は、以下のような送信可能センサノード識別処理により識別されることとしてもよい。
【0179】
送信可能センサノード識別処理が行われる場合には、一つのセンサノード10と一つの無線装置13が対応することが好ましい。
【0180】
無線装置13が設置される位置は特に限定されず、センサノード10と無線装置13の間の通信が可能な範囲内であればよい。
【0181】
例えば、センサノード10と無線装置13の間の通信が、RFID、NFC、IrDAなどの近距離通信である場合には、無線装置13が設置される位置は、センサノード10の位置から半径10cm以内でも、センサノード10の位置から半径50cm以内でも、センサノード10の位置から半径100cm以内でもよい。
【0182】
センサノード10と無線装置13の間の通信が、Wi-Fi、Bluetooth、BLEなどの中距離通信である場合には、無線装置13が設置される位置は、センサノード10の位置から半径10m以内でも、センサノード10の位置から半径50m以内でも、センサノード10の位置から半径100m以内でも、センサノード10から半径300m以内でもよい。
【0183】
センサノード10と無線装置13の間の通信がLPWAなどの長距離通信である場合には、無線装置13が設置される位置は、センサノード10の位置から半径1km以内でも、センサノード10の位置から半径10km以内でも、センサノード10の位置から半径50km以内でもよい。
【0184】
また、無線装置13は、センサノード10と導線などで接続されていることとしてもよく、センサノード10と一体的に構成されていることとしてもよい。
【0185】
図11は、本発明の実施の形態にかかる、データ収集システムにおける送信可能センサノード識別処理のフローチャートを表す図である。
【0186】
まず、センサノード10において、該センサノード10がセンシングデータを送信することが可能であるか否かが判定される(ステップS501)。
【0187】
センシングデータを送信することが可能であると判定された場合(ステップS501にてYes)、センシングデータを送信可能であるという通知(以下、センシングデータ送信可能通知という)が、センサノード10から無線装置13へ送信される(ステップS502)。また、該センサノード10を識別する識別情報が、センサノード10から無線装置13へ送信される(ステップS503)。送信されたセンシングデータ送信可能通知は、無線装置13において受信される(ステップS504)。また、送信された識別情報は、無線装置13において受信される(ステップS505)。センシングデータ送信可能通知を送信したセンサノード10の識別情報(以下、送信可能センサノード識別情報という)は、無線装置13から移動体12へ送信される(ステップS506)。送信された送信可能センサノード識別情報は、移動体12において受信され(ステップS507)、送信可能センサノード識別処理は終了する。
【0188】
一方、センシングデータを送信することが可能であると判定されなかった場合(ステップS501にてNo)、ステップS502~ステップS507は行われず、送信可能センサノード識別処理は終了する。
【0189】
ステップS501において、センサノード10がセンシングデータを送信することが可能であるか否かを判定する方法は、特に限定されず、センサノード10がセンシングデータを送信することが可能であるか否かを判定することができればよい。
【0190】
例えば、センサノード10がセンシングデータを取得している場合に、センシングデータを送信することが可能であると判定されることとしてもよい。センサノード10が複数のセンシングデータを取得することが可能である場合には、1以上のセンシングデータを取得している場合に、センシングデータを送信することが可能であると判定されることとしてもよく、送信対象として特定されているセンシングデータを取得している場合に、センシングデータを送信することが可能であると判定されることとしてもよい。
【0191】
あるいは、例えば、センサノード10がセンシングデータを取得しており、かつ、取得したセンシングデータを送信するために必要な電力を有している場合に、センシングデータを送信することが可能であると判定されることとしてもよい。取得したセンシングデータを送信するために必要な電力を有している場合とは、例えば、センサノード10の内部の電圧が所定の値以上である場合のことであってもよい。
【0192】
ステップS502におけるセンシングデータ送信可能通知の送信、及びステップS503における識別情報の送信は、上記のようにそれぞれ独立して行われることとしてもよく、同時に行われることとしてもよい。
【0193】
また、上記のようにステップS501~ステップS505に依らず、無線装置13において、センサノード10がセンシングデータを送信することが可能であるか否かを判定することとしてもよい。この場合、センサノード10と無線装置13は、電気的に接続されていることが好ましい。そして、センサノード10がセンシングデータを送信することが可能であると判定された場合に、ステップS506と同様に、該センサノード10の識別情報が移動体12へ送信されることとしてもよい。
【0194】
無線装置13においてセンサノード10がセンシングデータを送信することが可能であるか否かを判定する方法は、ステップS501の記載を必要な範囲で採用できる。
【0195】
ステップS506における送信可能センサノード識別情報の送信先は、移動体12でないこととしてもよい。例えば、ステップS506における送信可能センサノード識別情報の送信先は、収集ノード11であることとしてもよい。また、収集ノード11に受信された送信可能センサノード識別情報は、さらに、移動体12へ送信されることとしてもよい。
【0196】
ステップS507において受信された送信可能センサノード識別情報は、移動体12において記憶されることが好ましい。そして、移動体12において記憶された送信可能センサノード識別情報は、前述のセンシングデータ受信処理のステップS304において、用いられることとしてもよい。つまり、前述のセンシングデータ受信処理のステップS303において第一の所定の範囲内まで移動したセンサノード10の識別情報が、移動体12において記憶された送信可能センサノード識別情報に含まれる場合に、該センサノード10はセンシングデータを送信可能であると判定されることとしてもよい。
【0197】
このように、データ収集システムが、無線装置を備え、センサノードが、センシングデータを送信可能であるという通知を無線装置に送信するセンシングデータ送信可能通知送信手段と、該センサノードを識別する識別情報を無線装置に送信する第一識別情報送信手段とを備え、無線装置が、センシングデータ送信可能通知送信手段によりセンシングデータを送信可能であるという通知が送信されたセンサノードの識別情報を移動体に送信する第二識別情報送信手段を備えることで、センシングデータを送信可能なセンサノードを容易に識別することができる。
【0198】
このように、データ収集システムが、無線装置を備え、センサノード及び無線装置は接続されており、無線装置が、センサノードがセンシングデータを送信可能であることを判定するセンシングデータ送信可能判定手段と、センシングデータ送信可能判定手段によりセンシングデータを送信可能であると判定されたセンサノードの識別情報を移動体に送信する第三識別情報送信手段とを備えることで、センサノードの電力を消費せずに、センシングデータを送信可能なセンサノードを識別することができる。
【0199】
[電力供給処理]
前述のように、センシングデータの取得、及びセンシングデータの送信が、集電システム、ソーラー発電、微生物発電などから得られた電力によって行われる場合、センシングデータの取得、及びセンシングデータの送信に必要な電力が安定して得られない可能性がある。電力の不足により、センサノード10がセンシングデータの取得、及び/又はセンシングデータの送信を行うことができない場合には、以下のような電力供給処理により、センサノード10に電力が供給されることとしてもよい。
【0200】
図12は、本発明の実施の形態にかかる、データ収集システムにおける電力供給処理のフローチャートを表す図である。
【0201】
まず、収集ノード11から、センサノード10へ電力が供給される(ステップS601)。そして、供給された電力は、センサノード10において受給される(ステップS602)。次に、センサノード10から、収集ノード11へセンシングデータが送信される(ステップS603)。そして、収集ノード11において、センシングデータが受信され(ステップS604)、電力供給処理は終了する。
【0202】
ステップS601における電力の供給元は、収集ノード11でなくともよい。例えば、移動体12であることとしてもよい。
【0203】
ステップS601において、収集ノード11からセンサノード10へ電力が供給される際には、NFCなどの近距離無線通信が用いられることとしてもよい。この場合、移動体12は、センサノード10の位置から、近距離無線通信を行うことが可能な範囲内まで、収集ノード11を移動させることが好ましい。
【0204】
ステップS603におけるセンシングデータの送信は、前述のセンシングデータ受信処理のステップS307におけるセンシングデータの送信のことを示すこととしてもよい。また、ステップS604におけるセンシングデータの受信は、前述のセンシングデータ受信処理のステップS308におけるセンシングデータの受信のことを示すこととしてもよい。
【0205】
供給された電力がセンシングデータの送信に用いられる場合には、ステップS601~ステップS602は、前述のセンシングデータ受信処理のステップS307の前に行われることとしてもよい。あるいは、供給された電力がセンシングデータの取得に用いられる場合には、ステップS601~ステップS602は、前述のセンシングデータ受信処理のステップS304において、センサノード10がセンシングデータを送信可能であると判定されなかった場合に行われることとしてもよい。
【0206】
また、後述する判定処理において、センサノード10が、センシングデータの取得、及びセンシングデータの送信に必要な電力を安定して得られる状態にないと判定された場合に、該センサノード10に対して、電力供給処理が行われることとしてもよい。
【0207】
このように、収集ノードが、センサノードに電力を供給する電力供給手段を備えることで、センサノードの電力が不足している場合にも、センシングデータの取得、及び/又はセンシングデータの送信を行うことが可能となる。また、従来、センサノードは電池を有する必要があったが、センサノードが電池を有する必要がなくなる。
【0208】
[判定処理]
本発明のデータ収集システムは、以下のような判定処理によって、センサノードの状態を判定することとしてもよい。以下、センサノードの状態を判定する装置を判定ノードという。判定ノードは、センサノード10、収集ノード11、移動体12、無線装置13、及び他のコンピュータ装置のいずれかであってもよく、センサノード10、収集ノード11、移動体12、無線装置13、及び他のコンピュータ装置以外の装置であってもよい。また、判定ノードは、センサノード10、収集ノード11、移動体12、及び/又は無線装置13と導線などで接続されていることとしてもよく、センサノード10、収集ノード11、移動体12、及び/又は無線装置13と一体的に構成されていることとしてもよい。
【0209】
図13は、本発明の実施の形態にかかる、データ収集システムにおける判定処理のフローチャートを表す図である。
【0210】
まず、センサノード10から判定ノードへ、センシングデータが送信される(ステップS701)。送信されたセンシングデータは、判定ノードにおいて受信される(ステップS702)。次に、判定ノードにおいて、受信したセンシングデータを基に、センサノード10の状態が判定され、(ステップS703)。判定処理は終了する。
【0211】
ステップS701においては、センシングデータは、センサノード10から直接、判定ノードへ送信されなくともよい。例えば、センサノード10が取得したセンシングデータは、収集ノード11、移動体12などを経由して、判定ノードへ送信されることとしてもよい。
【0212】
ステップS703において、受信したセンシングデータを基に、センサノード10の状態を判定する方法は、特に限定されず、適宜設計することができる。例えば、所定のセンシングデータが、所定の期間以上、所定の範囲外の値である場合に、センサノード10の状態が異常であると判定することとしてもよい。
【0213】
ステップS703においてセンサノード10の状態が所定の状態であると判定された場合には、判定ノードが、収集ノード11、移動体12、無線装置13、及び/又は他のコンピュータ装置に、該センサノード10の状態が所定の状態であることを通知することとしてもよい。
【0214】
例えば、センサノード10の状態が異常であると判定された場合に、判定ノードが、収集ノード11、移動体12、無線装置13、及び/又は他のコンピュータ装置に、該センサノード10の状態が異常であることを通知することとしてもよい。そして、さらに、該センサノード10を、交換、又は修理の対象とすることとしてもよい。
【0215】
あるいは、上記のようにステップS701~ステップS702に依らず、判定ノードにおいて、センサノード10の状態を判定することとしてもよい。この場合、センサノード10と判定ノードは電気的に接続されていることが好ましい。そして、判定ノードが、センサノード10において測定されたデータを基に、該センサノード10の状態を判定することとしてもよい。
【0216】
判定ノードは、センサノード10の状態を監視し、該センサノード10において測定されたデータを基に、該センサノード10が、センシングデータの取得、及びセンシングデータの送信に必要な電力を安定して得られる状態にあるかを判定することとしてもよい。具体的には、例えば、判定ノードがセンサノード10の内部の電圧を検知し、該センサノード10の内部の電圧が所定の値以上であるかを判定することとしてもよい。
【0217】
あるいは、上記のようにステップS701~ステップS703に依らず、センサノード10において、該センサノード10の状態を判定することとしてもよい。例えば、センサノード10が該センサノード10の状態を監視し、該センサノード10において測定されたデータを基に、該センサノード10の状態を判定することとしてもよい。
【0218】
そして、センサノード10が該センサノード10の状態を監視し、該センサノード10において測定されたデータを基に、該センサノード10が、センシングデータの取得、及びセンシングデータの送信に必要な電力を安定して得られる状態にあるかを判定することとしてもよい。具体的には、例えば、センサノード10が該センサノード10の内部の電圧を検知し、該センサノード10の内部の電圧が所定の値以上であるかを判定することとしてもよい。
【0219】
センサノード10が、センシングデータの取得、及びセンシングデータの送信に必要な電力を安定して得られる状態にないと判定された場合には、収集ノード11、移動体12、無線装置13、及び/又は他のコンピュータ装置に、該センサノード10の状態が電力不足であることを通知することとしてもよい。そして、該センサノード10に対して、前述の、電力供給処理が行われることとしてもよい。
【0220】
このように、データ収集システムが、センサノードの状態を判定する判定ノードを備え、判定ノードが、センサノードから送信されたセンシングデータを基に、センサノードの状態を判定する第一状態判定手段を備えることで、センサノードの状態を判定することが容易となる。
【0221】
このように、データ収集システムが、センサノードの状態を判定する判定ノードを備え、センサノード及び判定ノードは接続されており、判定ノードが、センサノードの状態を判定する第二状態判定手段を備えることで、センサノードの電力を消費せずにセンサノードの状態を判定することが可能となる。
【0222】
本発明の実施の形態において、「導電部」とは、例えば、通電可能部材であればよく、材質を問わない。「機能部」とは、例えば、電流を流すことで所定の機能を実行するものをいう。機能は、電気を光や熱等のエネルギーに変換するもの、回路を制御するものであってもよい。
【0223】
本発明の実施の形態において、「電解液」とは、例えば、イオン性物質を極性溶媒に溶解させた、電気伝導性を有する溶液をいう。「昇圧回路」とは、例えば、入力電圧を昇圧して出力する回路をいう。「降圧回路」とは、例えば、入力電圧を降圧して出力する回路をいう。「導電性ポリマー」とは、例えば、電気伝導性を持つ高分子化合物をいう。「カーボン」とは、例えば、導電性を有する炭素繊維をいう。「一体的に構成」とは、例えば、異なる物体同士を接合させることをいい、より具体的には、接着剤による接着、他の部材を使用した機械的接合、溶接、圧着等、化学的及び/又は物理的な力により接合させることが挙げられる。
【0224】
[参考例]
以下、参考例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの参考例により何ら限定されるものではない。
【0225】
(参考例1)
以下の試験は、常温、常圧で行った。
図1に示す、第一導電部1、第二導電部2、及び機能部3の構成を備える装置と、媒体を用いてシステムを構築した。第一導電部1として、ステンレス製(オーステナイト、SUS304系)の板状部材(0.5mm厚、10cm×15cm)を用い、第二導電部2として、亜鉛メッキ鋼板(鉄)製の板状部材(0.5mm厚、10cm×15cm)を用い、第一導電部1、第二導電部2及び機能部3を、それぞれ銅製の導線で接続した。機能部3は、電力消費部、出力電圧変換部及び制御部を備えている。また、その入力インピーダンスは1kΩ以上であり、非線形な電流-電圧特性を有するものを用いた。電力消費部には、2mA以上の電流が流れると点灯するLED電球を用いた。出力電圧変換部には、
図2(A)に示す昇圧回路を用い、システムを構成した。
【0226】
第一導電部1を、出力電圧変換部の昇圧回路の入力端子A1に接続し、また、昇圧回路の出力端子B1をLED電球に接続した。さらに、第二導電部2を、昇圧回路の入力端子A2に接続し、また、昇圧回路の出力端子B2を、LED電球の出力端子B1と接続されている端子とは反対側の端子で接続した。
【0227】
アクリル製容器(外径15cm×15cm×15cmの立方体、内径14.5cm)に高さ7.5cmまで、純水(古河薬品工業株式会社製、高純度精製水、温度25度:媒体)を入れ、第一導電部1及び第二導電部2を浸してシステムを構築した。第一導電部1及び第二導電部2は非接触であり、第一導電部1及び第二導電部2の距離は12cmであり、第一導電部1と第二導電部2の板状の平面が平行になるように設置した。
【0228】
構築したシステムについて、第一導電部1及び第二導電部2との間の電圧を測定した(測定1)。測定には、Agilent Technologies社製の34401Aマルチメーターを使用した。結果を表1に示す。参考例1に示したシステムでは、LED電球は270~330秒おきに点滅を繰り返した。すなわち、第一導電部1及び/又は第二導電部2から、起電していることを確認できた。
【0229】
次に、第一導電部1及び第二導電部2を浸し、アクリル製容器(外径15cm×15cm×15cmの立方体、内径14.5cm)に高さ7.5cmまで、純水(古河薬品工業株式会社製、高純度精製水、温度25度:媒体)を入れ、第一導電部1及び第二導電部2を浸した。第一導電部1及び第二導電部2は非接触であり、第一導電部1及び第二導電部2の距離は12cmであり、第一導電部1と第二導電部2の板状の平面は、平行になるように設置した。また、第一導電部1及び第二導電部2が、電気的に接続されていない状態とした。そして、34401Aマルチメーターを用いて、第一導電部1及び第二導電部2との間の電圧を測定した(測定2)。さらに、この状態において、第一導電部1と第二導電部2との間の媒体の抵抗値を測定した(測定3)。
【0230】
(参考例2)
媒体を、土(株式会社プロトリーフ製、観葉植物の土)に変更したこと以外は、参考例1と同様にして、測定1~3を実施した。結果を表1に示す。参考例2に示したシステムでは、LED電球は21~23秒おきに、略等間隔に点滅を繰り返した。すなわち、第一導電部1及び/又は第二導電部2から、起電していることを確認できた。
【0231】
(参考例3)
純水(参考例1のものと同じ)50gに塩(伯方塩業株式会社製、伯方の塩)5gを溶かした水溶液に浸したウエスを、媒体と接触する第一導電部1及び第二導電部2の面に貼り付け、媒体を砂(トーヨーマテラン株式会社製、粒度ピーク(重量比)が、約0.9mmの珪砂)に変更したこと以外は、参考例1と同様にして、測定1~3を実施した。結果を表1に示す。参考例3に示したシステムでは、LED電球は80~100秒おきに点滅を繰り返した。すなわち、第一導電部1及び/又は第二導電部2から、起電していることを確認できた。
【0232】
【0233】
(参考例4)
参考例1において、アクリル製容器に、高さ7.5cmまで純水を入れていたところ、高さ10cmまで純水を追加した。純水を追加することで、前述したシステムの内部インピーダンスの変化を確認できた。また、純水を追加することで、Toff期間が開始した時の入力電圧V2
INの変化を確認できた。なお、内部インピーダンスは、上述した算定方法により算定した。
【0234】
(参考例5)
参考例1において、アクリル製容器に、高さ7.5cmまで純水を入れていたところ、5分間をかけて、高さ10cmまで純水を追加した。前述したシステムの内部インピーダンスの単位時間当たりの変化量が変化するのを確認できた。また、純水を追加することで、入力電圧の単位時間当たりの変化量が変化するのを確認できた。なお、内部インピーダンスは、上述した算定方法により算定した。入力電圧は、Toff期間が開始した時の入力電圧V2
INである。
【符号の説明】
【0235】
1 第一導電部、2 第二導電部、3 機能部、4 媒体、10 センサノード、11 収集ノード、12 移動体、13 無線装置