(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120743
(43)【公開日】2022-08-18
(54)【発明の名称】椅子式マッサージ機
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20220810BHJP
A61H 15/00 20060101ALI20220810BHJP
A47C 1/032 20060101ALI20220810BHJP
A47C 7/02 20060101ALI20220810BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20220810BHJP
A47C 7/50 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
A61H7/00 323G
A61H15/00 350C
A61H15/00 350Z
A47C1/032
A47C7/02 Z
A47C7/62 Z
A47C7/50 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043832
(22)【出願日】2021-03-17
(31)【優先権主張番号】P 2021017200
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000136491
【氏名又は名称】株式会社フジ医療器
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古谷 毅
【テーマコード(参考)】
3B084
3B099
4C100
【Fターム(参考)】
3B084JA03
3B084JC13
3B099BA09
3B099CB01
3B099CB06
4C100AD11
4C100AF03
4C100AF12
4C100BA01
4C100CA06
4C100CA09
4C100DA05
4C100DA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】被施療者が、意図的に重心を前に移動させなくても、被施療者が、立ち上がり易い椅子式マッサージ機を提供する。
【解決手段】被施療者の臀部及び大腿部を支持する座部200と、被施療者の肩、腰、及び背中を支持する背凭れ部300と、背凭れ部を駆動するアクチュエータと、制御部と、を備え、制御部は、背凭れ部上部が背凭れ部下部よりも前側に位置するようにアクチュエータを制御する第1制御モードを有する構成とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者の臀部及び大腿部を支持する座部と、
前記被施療者の肩、腰、及び背中を支持する背凭れ部と、
前記背凭れ部を駆動するアクチュエータと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記背凭れ部上部が前記背凭れ部下部よりも前側に位置するように前記アクチュエータを制御する第1制御モードを有する、椅子式マッサージ機。
【請求項2】
前記制御部は、前記背凭れ部上部が前記背凭れ部下部よりも後ろ側に位置するように前記アクチュエータを制御する第2制御モードを有し、
前記第2制御モードから前記第1制御モードに移行する直前又は直後に、前記座部が前方に移動する、請求項1に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項3】
前記第2制御モードから前記第1制御モードに移行する直前又は直後に、前記座部の後端部が前記座部の前端部より上方に移動する、請求項1又は請求項2に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項4】
前記背凭れ部に内蔵されるマッサージユニットをさらに備え、
前記マッサージユニットは施療子を備え、
前記制御部が前記第1制御モードを実行しているときに、前記マッサージユニットは、前記施療子を突出させる、請求項1~3のいずれか一項に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項5】
被施療者の臀部及び大腿部を支持する座部と、
前記座部の下方に位置する基台フレームと、リクライニング部材と、
前記被施療者の肩、腰、及び背中を支持する背凭れ部と、
前記リクライニング部材を駆動する第1アクチュエータと、
前記背凭れ部を駆動する第2アクチュエータと、
制御部と、を備え、 前記リクライニング部材は、左右方向に沿って延びる第1回転軸回りに回動可能に前記基台フレームに取り付けられ、
前記背凭れ部の長手方向中間部は、左右方向に沿って延びる、前記第1回転軸と異なる第2回転軸回りに回動可能に前記リクライニング部材に取り付けられ、
前記背凭れ部は前記第2回転軸よりも上側の背凭れ部上部と下側の背凭れ部下部を有し、
前記制御部は、前記背凭れ部上部が前記背凭れ部下部よりも前側に位置するように前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータを制御する第1制御モードを有する、椅子式マッサージ機。
【請求項6】
前記リクライニング部材は、前記背凭れ部上部と前記背凭れ部下部のうち前記背凭れ部下部側に設けられ、
前記第1回転軸は前記第2回転軸よりも下側に配置されている、請求項5に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項7】
前記第1制御モードにおいて、左右方向から見たとき、前記座部の後側部と、前記第1回転軸と前記第2回転軸をつなぐラインと、前記背凭れ部上部とで形成される空間は、前記被施療者の前記腰を収容可能である、請求項5又は6に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項8】
前記第1制御モードにおいて、前記背凭れ部上部と前記座部のなす角度θは、30度以上90度未満である、請求項5~7のいずれか一項に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項9】
前記被施療者の下腿を収容する収容溝を有するオットマンと、
前記オットマンを駆動する第3アクチュエータと、をさらに備え、
前記オットマンは、左右方向に沿って延びる第3回転軸回りに回動可能に前記基台フレームに取り付けられ、
前記第1制御モードは、前記背凭れ部上部が前記背凭れ部下部よりも前側に位置し且つ前記収容溝の長手方向が鉛直方向に沿うように前記第1アクチュエータ、前記第2アクチュエータ、及び前記第3アクチュエータを制御する第2制御モードを含む、請求項5~8のいずれか一項に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項10】
前記第1制御モードは、前記背凭れ部上部が背凭れ部下部よりも前側に位置し且つ前記第3回転軸を支点に前記オットマンを回動させて前記収容溝の長手方向が鉛直方向よりも前側に向けて傾くように前記第1アクチュエータ、前記第2アクチュエータ、及び前記第3アクチュエータを制御する第3制御モードを含む、請求項9に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項11】
前記背凭れ部に内蔵されるマッサージユニットをさらに備え、
前記制御部が前記第1制御モードを実行しているときに、前記マッサージユニットは、前記背凭れ部上部に位置する、請求項5~10のいずれか一項に記載の椅子式マッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子式マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、座部の後部に設けたエアーセルを膨張させて座部の座面を前傾させることにより、被施療者の立ち上がりを補助することができる椅子式マッサージ機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-135807号公報(段落0035)
【特許文献2】特開2020-96671号公報(段落0050)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で開示されている椅子式マッサージ機では、被施療者が背凭れ部に体重を預けたままの状態では単に被施療者の臀部が持ち上がるだけであり、被施療者は立ち上がり易くならない。つまり、特許文献1で開示されている椅子式マッサージ機では、被施療者が意図的に重心を前に移動させなければ、被施療者は立ち上がり易くならなかった。
【0005】
また、背もたれ部のリクライニング機能を有する椅子式マッサージ機の中には、被施療者の背中を反らせるストレッチ動作を行うことができるものがある(例えば特許文献2参照)。
【0006】
背中のストレッチは、背中を反らせる方向のストレッチだけではなく、前屈する方向のストレッチもある。しかしながら、従来の椅子式マッサージ機は、被施療者の背中に対して前屈する方向のストレッチを行うことができなかった。
【0007】
また、椅子式マッサージ機において、被施療者の背中に対して前屈する方向のストレッチを行うことを実現しようとする場合、被施療者が着座している状態であるため、被施療者の腰部が窮屈にならないように留意する必要がある。
【0008】
本発明は、上記の状況に鑑み、被施療者が意図的に重心を前に移動させなくても被施療者が立ち上がり易い椅子式マッサージ機を提供することを第1の目的とする。
【0009】
本発明は、上記の状況に鑑み、被施療者の腰部が窮屈にならずに、被施療者の背中に対して前屈する方向のストレッチを行うことができる椅子式マッサージ機を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書中に開示されている一局面の椅子式マッサージ機は、被施療者の臀部及び大腿部を支持する座部と、前記被施療者の肩、腰、及び背中を支持する背凭れ部と、前記背凭れ部を駆動するアクチュエータと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記背凭れ部上部が前記背凭れ部下部よりも前側に位置するように前記アクチュエータを制御する第1制御モードを有する構成である。
【0011】
本明細書中に開示されている他の局面の椅子式マッサージ機は、被施療者の臀部及び大腿部を支持する座部と、前記座部の下方に位置する基台フレームと、リクライニング部材と、前記被施療者の肩、腰、及び背中を支持する背凭れ部と、前記リクライニング部材を駆動する第1アクチュエータと、前記背凭れ部を駆動する第2アクチュエータと、制御部と、を備え、前記リクライニング部材は、左右方向に沿って延びる第1回転軸回りに回動可能に前記基台フレームに取り付けられ、前記背凭れ部の長手方向中間部は、左右方向に沿って延びる、前記第1回転軸と異なる第2回転軸回りに回動可能に前記リクライニング部材に取り付けられ、前記背凭れ部は前記第2回転軸よりも上側の背凭れ部上部と下側の背凭れ部下部を有し、前記制御部は、前記背凭れ部上部が前記背凭れ部下部よりも前側に位置するように前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータを制御する第1制御モードを有する構成である。
【発明の効果】
【0012】
本明細書中に開示されている一局面の椅子式マッサージ機によれば、被施療者が意図的に重心を前に移動させなくても被施療者が立ち上がり易くなる。
【0013】
本明細書中に開示されている他の局面の椅子式マッサージ機によれば、被施療者の腰部が窮屈にならずに、被施療者の背中に対して前屈する方向のストレッチを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係る椅子式マッサージ機の概略斜視図
【
図2】第2制御モードが実行されているときにおける第1実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す斜視図
【
図3】第2制御モードが実行されているときにおける第1実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す側面図
【
図4】第2制御モードが実行されているときにおける第1実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す透過側面図
【
図5】第1制御モードが実行されているときにおける第1実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す斜視図
【
図6】第1制御モードが実行されているときにおける第1実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す側面図
【
図7】第1制御モードが実行されているときにおける第1実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す透過側面図
【
図8】座部が前方に移動していないときにおける第1実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す側面図
【
図9】座部が前方に移動しているときにおける第1実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す側面図
【
図10】座部の後端部が座部の前端部より上方に移動していないときにおける第1実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す側面図
【
図11】座部の後端部が座部の前端部より上方に移動しているときにおける第1実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す側面図
【
図12】座部の後端部が座部の前端部より上方に移動しているときにおける第1実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す側面図
【
図13】第2実施形態に係る椅子式マッサージ機の概略斜視図
【
図14】第1制御モードが実行されていないときにおける第2実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す斜視図
【
図15】第1制御モードが実行されていないときにおける第2実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す側面図
【
図16】第1制御モードが実行されていないときにおける第2実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す透過側面図
【
図17】第1制御モードが実行されているときにおける第2実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す斜視図
【
図18】第1制御モードが実行されているときにおける第2実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す側面図
【
図19】第1制御モードが実行されているときにおける第2実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す透過側面図
【
図20】第1制御モードが実行されているときにおける第2実施形態に係る椅子式マッサージ機の要部を模式的に示す斜視図
【
図21】第2御モードが実行されているときにおける第2実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す側面図
【
図22】第3御モードが実行されているときにおける第2実施形態に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
<第1実施形態>
図1は第1実施形態に係る椅子式マッサージ機101(以下、椅子式マッサージ機101という)の前方斜視図である。以下の第1実施形態の説明において、椅子式マッサージ機101に着座して背中及び腰を鉛直方向に沿わせた被施療者から見て前側(正面側)を「前側」といい、椅子式マッサージ機101に着座して背中及び腰を鉛直方向に沿わせた被施療者から見て後側(背面側)を「後側」という。また、椅子式マッサージ機101に着座して背中及び腰を鉛直方向に沿わせた被施療者から見て足側を「下側」又は「下方」といい、鉛直方向に関し「下側」、「下方」と逆側をそれぞれ「上側」、「上方」という。また、椅子式マッサージ機101に着座した被施療者から見て右側を「右側」といい、椅子式マッサージ機101に着座した被施療者から見て左側を「左側」という。
【0017】
椅子式マッサージ機101は、座部200、背凭れ部300、基台部400、腕施療部500、操作部600、コード線700、スタンド800、及びオットマン900を備える。
【0018】
座部200は、被施療者の臀部及び大腿部を支持する。基台フレームF1(
図2参照)は、座部200の下方に位置する。
【0019】
背凭れ部300は、被施療者の肩、腰、及び背中を支持する。背凭れ部300は、リクライニング可能である。背凭れ部300は、基台フレーム(
図1において不図示)に回動可能に取り付けられる。背凭れ部300は、被施療者の肩及び腰に接する面300Aに沿って延びるガイドレール300B及び300Cを内蔵している。背面用マッサージユニットMU1は、ガイドレール300B及び300Cによって案内されて背凭れ部300内で昇降する。つまり、椅子式マッサージ機101は、背凭れ部300に内蔵される背面用マッサージユニットMU1を備える。背面用マッサージユニットMU1は、背面用施療子と、背面用施療子に揉み動作を行わせる揉み駆動機構と、背面用施療子にたたき動作を行わせるたたき駆動機構と(いずれも不図示)、を備える。また、背面用マッサージユニットMU1は、背面用マッサージユニットMU1を昇降させる昇降モータ(不図示)をさらに備える。
【0020】
基台部400は、座部200の左右両側且つ座部200の下方に立設して設けられる。
【0021】
腕施療部500は、座部200の左右両側且つ座部200の上方に立設して設けられる。腕施療部500は、膨縮可能なエアバッグを内蔵する。当該エアバッグの膨縮によって被施療者の腕はマッサージされる。なお、膨縮可能なエアバッグは、腕施療部500以外に、背凭れ部300、基台部400、及びオットマン900にも設けられる。各エアバッグは、被施療者の各部をマッサージする。
【0022】
操作部600は、被施療者が施療パターンの選択や施療の強弱調節などを行うための入力装置である。操作部600はコード線700を介して座部200の下方に設けられる制御部CNT1に接続される。制御部CNT1は、操作部600から出力される信号に基づいて椅子式マッサージ機101の各部を制御する。
【0023】
スタンド800は、座部200の左側に設けられる腕施療部500に固定されている。操作部600はスタンド800に対して装脱着可能である。
【0024】
オットマン900は、被施療者の下腿を収容する。オットマン900は、基台フレーム(
図1において不図示)に回動可能に取り付けられる。オットマン900は、基台フレーム(
図1において不図示)の前方に位置する。
【0025】
椅子式マッサージ機101は詳細を後述するように、第1制御モード及び第2制御モードを実行することができる。
【0026】
図2は、第2制御モードが実行されているときにおける椅子式マッサージ機101のフレーム等を模式的に示す斜視図である。
図3は、第2制御モードが実行されているときにおける椅子式マッサージ機101のフレーム等を模式的に示す側面図である。
図4は、第2制御モードが実行されているときにおける椅子式マッサージ機101のフレーム等を模式的に示す透過側面図である。
【0027】
図5は、第1制御モードが実行されているときにおける椅子式マッサージ機101のフレーム等を模式的に示す斜視図である。
図6は、第1制御モードが実行されているときにおける椅子式マッサージ機101のフレーム等を模式的に示す側面図である。
図7は、第1制御モードが実行されているときにおける椅子式マッサージ機101のフレーム等を模式的に示す透過側面図である。
【0028】
図2~
図7において、オットマン900等の図示は省略されている。
【0029】
椅子式マッサージ機101は、基台フレームF1と、背凭れ部300を駆動するアクチュエータ1と、制御部CNT1(
図2~
図12において不図示)と、を備える。
【0030】
制御部CNT1は、背凭れ部300上部が背凭れ部300下部よりも前側に位置するようにアクチュエータ1を制御する第1制御モードを有する。なお、背凭れ部300上部は、背凭れ部300のうち被施療者の肩及び背中に接する部分であり、背凭れ部300下部は、背凭れ部300のうち被施療者の腰に接する部分である。また、制御部CNT1は、背凭れ部300上部が背凭れ部300下部よりも後ろ側に位置するようにアクチュエータ1を制御する第2制御モードを有する。
【0031】
背凭れ部300は、左右方向に沿って延びる第1回転軸AX1回りに回動可能に基台フレームF1に取り付けられる。背凭れ部300の下端部にアクチュエータ1が取り付けられる。より詳細には、背凭れ部300の下端部にアクチュエータ1のロッド1Aの先端部が左右方向に沿って延びる回転軸回りに回動可能に取り付けられる。アクチュエータ1は、ロッド1Aの突出量を調整することができる。ロッド1Aの突出量が小さいほど、背凭れ部300が後方に倒れる。ロッド1Aの突出量は、アクチュエータ1の駆動量と言い換えることができる。第1制御モード及び第2制御モードにおいて、アクチュエータ1の駆動量によって背凭れ部300上部と背凭れ部300下部との位置関係が定まる。つまり、第1制御モード及び第2制御モードにおいて、左右方向から見たとき、背凭れ部300上部と鉛直方向がなす角度及び背凭れ部300下部と鉛直方向がなす角度がそれぞれアクチュエータ1の駆動量によって定まる。
【0032】
制御部CNT1が第1制御モードを実行すると、背凭れ部300上部が背凭れ部300下部よりも前側に位置するので、被施療者の重心が自然に前方に移動する。これにより、被施療者が意図的に重心を前に移動させなくても、被施療者は立ち上がり易くなる。
【0033】
制御部CNT1が第1制御モードを実行しているとき、制御部CNT1が背面用マッサージユニットMU1の背面用施療子を突出させて被施療者の重心をより一層前方に移動させてもよい。これにより、被施療者はより立ち上がり易くなる。なお、背面用マッサージユニットMU1の背面用施療子が被施療者の肩及び腰に接する面300Aから後側に最も離れている状態が背面用マッサージユニットMU1の背面用施療子が突出していない状態である。つまり、背面用マッサージユニットMU1の背面用施療子が被施療者の肩及び腰に接する面300Aから最も離れている状態でなければ、背面用マッサージユニットMU1の背面用施療子が突出している状態である。
【0034】
第2制御モードから第1制御モードへの移行に関しては、例えば、プログラムされた一連の施療コースが終了すると自動的に第2制御モードから第1制御モードに移行してもよく、操作部600に対して所定の操作が行われると第2制御モードから第1制御モードに移行してもよい。また、第2制御モードから第1制御モードに移行してから所定の時間が経過すると、第1制御モードから第2制御モードに復帰することが望ましい。これにより、被施療者が次に椅子式マッサージ機101に着座する際に、自然な姿勢で着座することができる。また、被施療者が椅子式マッサージ機101から立ち上がったか否かを検知できるセンサを椅子式マッサージ機101に設け、被施療者が椅子式マッサージ機101から立ち上がったことが当該センサによって検知されると、第1制御モードから第2制御モードに復帰するようにしてもよい。上記センサとしては、例えば座部200の座面に設けられる接触センサ等を挙げることができる。
【0035】
また、第2制御モードから第1制御モードに移行する直前又は直後に、座部200が前方に移動するようにしてもよい。これにより、被施療者は、より一層立ち上がり易くなる。例えば、
図8に示すように、座部200の下部に固定される前後スライド用フレームF2を基台フレームF1の上に設け、前後スライド用フレームF2を駆動するアクチュエータACT1を基台フレームF1に設けるとよい。アクチュエータACT1は、例えば、前後方向に沿って延びるボールねじ軸ACT1Aと、ボールねじ軸ACT1Aを回転させるモータACT1Bと、ボールねじ軸ACT1Aの回転によって前後方向に移動する台座ACT1Cと、を備える。台座ACT1Cは、前後スライド用フレームF2に固定される。アクチュエータACT1のボールねじ軸ACT1Aを回転させて台座ACT1Cに固定されている前後スライド用フレームF2を
図8に示す位置から
図9に示す位置に移動させることで、座部200を前方に移動させることができる。
【0036】
また、第2制御モードから第1制御モードに移行する直前又は直後に、座部200の後端部が座部200の前端部より上方に移動するようにしてもよい。これにより、被施療者は、より一層立ち上がり易くなる。例えば、
図10に示すように、前後スライド用フレームF2を基台フレームF1の上に設け、座部200の下部に固定される傾斜用フレームF3を前後スライド用フレームF2の上に設け、前後スライド用フレームF2を駆動するアクチュエータACT1と傾斜用フレームF3を駆動するアクチュエータACT2とを設けるとよい。アクチュエータACT2のロッドACT2Aを伸ばして傾斜用フレームF3を
図10に示す位置から
図11に示す位置に移動させることで、座部200の後端部を座部200の前端部より上方に移動させることができる。さらに、前後スライド用フレームF2の移動によって座部200を前方に移動させることもできる。なお、アクチュエータACT2の下端部は基台フレームF1に対して前後方向に回動可能に取り付けられ、アクチュエータACT2のロッドACT2A先端部は傾斜用フレームF3に対して前後方向に回動可能に取り付けられる。また、座部200を前方に移動させることはできなくなるが、例えば前後スライド用フレームF2を取り除き、傾斜用フレームF3を回動可能に基台フレームF1に取り付けてもよい。
【0037】
なお、
図12に示すように、アクチュエータACT2の代わりにエアバッグAB1を設けてもよい。エアバッグAB1は、前後スライド用フレームF2の後端部の上に固定される。エアバッグAB1が膨張することによって、
図12に示すように座部200の後端部を座部200の前端部より上方に移動させることができる。
【0038】
上記第1実施形態において、椅子式マッサージ機101は背面用マッサージユニットMU1を備える構成であるが、本発明の一局面はマッサージユニットを備えない構成の椅子式マッサージ機にも適用可能である。マッサージユニットを備えない構成の椅子式マッサージ機としては、例えばエアバッグの膨縮のみでマッサージを行う椅子式マッサージ機等を挙げることができる。
【0039】
本発明の一局面は、座部と背凭れ部とのなす角度が固定されたまま背凭れ部をリクライニングすることができる椅子式マッサージ機にも適用可能である。
【0040】
<第2実施形態>
図13は第2実施形態に係る椅子式マッサージ機102(以下、椅子式マッサージ機102という)の前方斜視図である。以下の第2実施形態の説明において、椅子式マッサージ機102に着座して背中及び腰を鉛直方向に沿わせた被施療者から見て前側(正面側)を「前側」といい、椅子式マッサージ機102に着座して背中及び腰を鉛直方向に沿わせた被施療者から見て後側(背面側)を「後側」という。また、椅子式マッサージ機102に着座して背中及び腰を鉛直方向に沿わせた被施療者から見て足側を「下側」又は「下方」といい、鉛直方向に関し「下側」、「下方」と逆側をそれぞれ「上側」、「上方」という。また、椅子式マッサージ機102に着座した被施療者から見て右側を「右側」といい、椅子式マッサージ機102に着座した被施療者から見て左側を「左側」という。
【0041】
椅子式マッサージ機102は、座部200、背凭れ部300、基台部400、腕施療部500、操作部600、コード線700、スタンド800、及びオットマン900を備える。
【0042】
座部200は、被施療者の臀部及び大腿部を支持する。基台フレーム(
図13において不図示)は、座部200の下方に位置する。
【0043】
背凭れ部300は、被施療者の肩、腰、及び背中を支持する。背凭れ部300は、リクライニング可能である。より詳細には、リクライニング部材(
図13において不図示)は、左右方向に沿って延びる第1回転軸回りに回動可能に基台フレーム(
図13において不図示)に取り付けられ、背凭れ部300の長手方向中間部は、左右方向に沿って延びる、第1回転軸と異なる第2回転軸回りに回動可能にリクライニング部材(
図13において不図示)に取り付けられる。背凭れ部300は、第2回転軸よりも上側の背凭れ部上部と下側の背凭れ部下部を有する。背凭れ部300は、被施療者の肩及び腰に接する面300Aに沿って延びるガイドレール300B及び300Cを内蔵している。背面用マッサージユニットMU1は、ガイドレール300B及び300Cによって案内されて背凭れ部300内で昇降する。つまり、椅子式マッサージ機102は、背凭れ部300に内蔵される背面用マッサージユニットMU1を備える。背面用マッサージユニットは、背面用施療子と、背面用施療子に揉み動作を行わせる揉み駆動機構と、背面用施療子にたたき動作を行わせるたたき駆動機構と、を備える。また、背面用マッサージユニットは、背面用マッサージユニットを昇降させる昇降モータをさらに備える。
【0044】
なお、「長手方向中間部」の「長手方向」とは、背凭れ部300の短手方向と長手方向のうち二者択一的に長手方向について規定するということを表しており、「長手方向中間部」はその長手方向の上端部と長手方向の下端部を除く概念である。よって、例えば
図15、
図16の紙面上で背凭れ部300が折れ曲がっていてもその屈曲部の上側のみについて長手方向中間部を規定したり、屈曲部の下側のみについて長手方向中間部を規定することを意図していない。
【0045】
基台部400は、座部200の左右両側且つ座部200の下方に立設して設けられる。
【0046】
腕施療部500は、座部200の左右両側且つ座部200の上方に立設して設けられる。腕施療部500は、膨縮可能なエアバッグを内蔵する。当該エアバッグの膨縮によって被施療者の腕はマッサージされる。なお、膨縮可能なエアバッグは、腕施療部500以外に、背凭れ部300、基台部400、及びオットマン900にも設けられる。各エアバッグは、被施療者の各部をマッサージする。
【0047】
操作部600は、被施療者が施療パターンの選択や施療の強弱調節などを行うための入力装置である。操作部600はコード線700を介して座部200の下方に設けられる制御部CNT1に接続される。制御部CNT1は、操作部600から出力される信号に基づいて椅子式マッサージ機102の各部を制御する。制御部CNT1は、座部200の下側に位置している。つまり、椅子式マッサージ機102は、制御部CNT1を備える。
【0048】
スタンド800は、座部200の左側に設けられる腕施療部500に固定されている。操作部600はスタンド800に対して装脱着可能である。
【0049】
オットマン900は、被施療者の下腿を収容する収容溝900Aを有する。オットマン900は、基台フレーム(
図13において不図示)に回動可能に取り付けられる。より詳細には、オットマン900は、左右方向に沿って延びる第3回転軸回りに回動可能に、基台フレーム(
図13において不図示)に取り付けられる。オットマン900は、基台フレーム(
図13において不図示)の前方に位置する。
【0050】
椅子式マッサージ機102は詳細を後述するように、第1制御モード、第2制御モード及び第3制御モードを実行することができる。
【0051】
図14は、第1制御モードが実行されていないときにおける椅子式マッサージ機102のフレーム等を模式的に示す斜視図である。
図15は、第1制御モードが実行されていないときにおける椅子式マッサージ機102のフレーム等を模式的に示す側面図である。
図16は、第1制御モードが実行されていないときにおける椅子式マッサージ機102のフレーム等を模式的に示す透過側面図である。
図16では、リクライニング部材R1の形状を分かり易くするために、リクライニング部材R1を太い実線で記載している。
【0052】
図17は、第1制御モードが実行されているときにおける椅子式マッサージ機102のフレーム等を模式的に示す斜視図である。
図18は、第1制御モードが実行されているときにおける椅子式マッサージ機102のフレーム等を模式的に示す側面図である。
図19は、第1制御モードが実行されているときにおける椅子式マッサージ機102のフレーム等を模式的に示す透過側面図である。
図19では、リクライニング部材R1の形状を分かり易くするために、リクライニング部材R1を太い実線で記載している。
【0053】
図14~
図20において、オットマン900等の図示は省略されている。
【0054】
椅子式マッサージ機102は、基台フレームF1と、オットマンフレームF4と、リクライニング部材R1と、リクライニング部材R1を駆動する第1アクチュエータ2と、背凭れ部300を駆動する第2アクチュエータ3と、制御部CNT1(
図14~
図22において不図示)と、を備える。
【0055】
制御部CNT1は、背凭れ部上部が背凭れ部下部よりも前側に位置するように第1アクチュエータ2及び第2アクチュエータ3を制御する第1制御モードを有する。
【0056】
リクライニング部材R1は、左右方向に沿って延びる第1回転軸AX1回りに回動可能に基台フレームF1に取り付けられる。リクライニング部材R1は、側面視で略弧状であり、その弧の中間部が第1回転軸AX1回りに回動可能に基台フレームF1に取り付けられる。本実施形態では、椅子式マッサージ機102は、2つのリクライニング部材R1を備える。リクライニング部材R1の下端部と第1アクチュエータ2とが連結部材L1を介して連結される。より詳細には、リクライニング部材R1の下端部に連結部材L1が固定され、連結部材L1に、第1アクチュエータ2のロッド2Aの先端が、左右方向に沿って延びる回転軸回りに回動可能に取り付けられる。
図20に示すように、連結部材L1は左右方向に延びる部材であり、本実施形態では棒状をしている。なお、
図20は、第1制御モードが実行されているときにおける椅子式マッサージ機102の要部を模式的に示す斜視図であり、
図20において、座部200、背面用マッサージユニットMC1、制御部CNT1、オットマン900等の図示は省略されている。連結部材L1の左端部は、椅子式マッサージ機102の左側に設けられる一方のリクライニング部材R1の下端部に固定される。連結部材L1の右端部は、椅子式マッサージ機102の右側に設けられる他方のリクライニング部材R1の下端部に固定される。連結部材L1の左右方向中央部に第1アクチュエータ2のロッド2Aの先端部が左右方向に沿って延びる回転軸回りに回動可能に取り付けられる。第1アクチュエータ2は、ロッド2Aの突出量を調整することができる。ロッド2Aの突出量が小さいほど、リクライニング部材R1が後方に倒れる。
【0057】
背凭れ部300の長手方向中間部300Dは、左右方向に沿って延びる第2回転軸AX2回りに回動可能にリクライニング部材R1に取り付けられる。より詳細には、背凭れ部300の長手方向中間部300Dは、左右方向に沿って延びる第2回転軸AX2回りに回動可能にリクライニング部材R1の上端部に取り付けられる。本実施形態では、背凭れ部300は、2つの長手方向中間部300Dを備える。椅子式マッサージ機102の左側に設けられる一方の長手方向中間部300Dは、左右方向に沿って延びる第2回転軸AX2回りに回動可能に、椅子式マッサージ機102の左側に設けられる一方のリクライニング部材R1の上端部に取り付けられる。椅子式マッサージ機102の右側に設けられる他方の長手方向中間部300Dは、左右方向に沿って延びる第2回転軸AX2回りに回動可能に、椅子式マッサージ機102の右側に設けられる他方のリクライニング部材R1の上端部に取り付けられる。背凭れ部300の下端部に第2アクチュエータ3が取り付けられる。より詳細には、背凭れ部300の下端部に、第2アクチュエータ3のロッド3Aの先端部が、左右方向に沿って延びる回転軸回りに回動可能に取り付けられる。第2アクチュエータ3は、ロッド3Aを前後方向にスライドさせることができる。ロッド3Aが後方向にスライドするほど、背凭れ部300の上端が前方に位置する。
【0058】
制御部CNT1が第1制御モードを実行すると、背凭れ部上部が背凭れ部下部よりも前側に位置するので、椅子式マッサージ機102は被施療者の背中に対して前屈する方向のストレッチを行うことができる。また、背凭れ部300の長手方向中間部300Dが第2回転軸AX2回りに回動可能にリクライニング部材R1に取り付けられるので、第1制御モードが実行されているときに背凭れ部300の下部は被施療者の腰部から離れる。これにより、椅子式マッサージ機102は、被施療者の腰部が窮屈にならずに、被施療者の背中に対して前屈する方向のストレッチを行うことができる。
【0059】
また、本実施形態では、リクライニング部材R1は、背凭れ部上部と背凭れ部下部のうち背凭れ部下部側に設けられ、第1回転軸AX1は第2回転軸AX2よりも下側に配置されている。このような構成によると、小さいトルクで背凭れ部上部を背凭れ部下部よりも前側に位置させることができる。すなわち、このような構成によると、効率的に背凭れ部上部を背凭れ部下部よりも前側に位置させることができる。
【0060】
また、本実施形態では、第1制御モードにおいて、左右方向から見たとき、座部200の後側部と、第1回転軸AX1と第2回転軸AX2をつなぐラインと、背凭れ部上部とで形成される空間は、被施療者の腰を収容可能になっている。このような構成によると、被施療者の背中に対して前屈する方向のストレッチを行う際に、被施療者の腰を圧迫することがなく、快適な施療を行うことができる。
【0061】
第1制御モードにおいて、背凭れ部上部と座部200のなす角度θは、30度以上90度未満であることが好ましい。背凭れ部上部と座部200のなす角度θが30度未満であれば、被施療者の背中に対して前屈する方向のストレッチが過剰になるおそれがあるためである。第1制御モードにおいて、背凭れ部上部と座部200のなす角度θは、45度以上70度以下であることがより一層好ましい。背凭れ部上部と座部200のなす角度θが45度未満であれば、高齢者などの身体が硬い被施療者の背中に対して前屈する方向のストレッチが過剰になるおそれがあるためである。また、背凭れ部上部と座部200のなす角度θが70度より大きければ、被施療者の背中に対して前屈する方向のストレッチの効果が小さいためである。
【0062】
制御部CNT1が第1制御モードを実行すると、背凭れ部上部が被施療者の背中を前方斜め下方向に押すことで、椅子式マッサージ機102は被施療者の背中に対して前屈する方向のストレッチを行う。
【0063】
制御部CNT1が第1制御モードを実行しているとき、制御部CNT1が背面用マッサージユニットMU1の背面用施療子を被施療者側に突出させて被施療者の背中を前方斜め下方向に押すことをアシストしてもよい。
【0064】
また、制御部CNT1が第1制御モードを実行しているときに、背面用マッサージユニットMU1が背凭れ部上部に位置することが望ましい。制御部CNT1が第1制御モードを実行しているときは、背面用マッサージユニットMU1が背凭れ部下部に位置していると、背面用マッサージユニットMU1が被施療者に作用せず背面用マッサージユニットMU1が無駄になるからである。
【0065】
図21は、第2制御モードが実行されているときにおける椅子式マッサージ機102のフレーム等を模式的に示す側面図である。
図22は、第3制御モードが実行されているときにおける椅子式マッサージ機102のフレーム等を模式的に示す側面図である。
【0066】
図21及び
図22において、リクライニング部材R1及び背凭れ部300等の図示は省略されている。
【0067】
椅子式マッサージ機102は、オットマン900を駆動する第3アクチュエータ4を備える。
【0068】
オットマン900は、左右方向に沿って延びる第3回転軸AX3回りに回動可能に基台フレームF1に取り付けられる。より詳細には、オットマン900に内蔵されるオットマンフレームF4は、第3回転軸AX3回りに回動可能に基台フレームF1の前側上端部に取り付けられる。第3アクチュエータ4のロッド4Aの先端は、左右方向に沿って延びる回転軸回りに回動可能にオットマンフレームF4に取り付けられる。第3アクチュエータ4は、ロッド4Aの突出量を調整することができる。ロッド4Aの突出量が大きいほど、オットマン900の収容溝900Aの長手方向が鉛直方向よりも前方に位置する。
【0069】
第1制御モードは、背凭れ部上部が背凭れ部下部よりも前側に位置し且つオットマン900の収容溝900Aの長手方向DR1が鉛直方向に沿うように第1アクチュエータ2、第2アクチュエータ3、及び第3アクチュエータ4を制御する第2制御モードを含む。第2制御モードにより、椅子式マッサージ機102は被施療者の背中に対して前屈する方向のストレッチを行うときに被施療者の下腿を楽な姿勢にすることができる。
【0070】
また、第1制御モードは、背凭れ部上部が背凭れ部下部よりも前側に位置し且つ第3回転軸AX3を支点にオットマン900を回動させてオットマン900の収容溝900Aの長手方向DR1が鉛直方向よりも前側に向けて傾くように第1アクチュエータ2、第2アクチュエータ3、及び第3アクチュエータ4を制御する第3制御モードを含む。第3制御モードにより、椅子式マッサージ機102は被施療者の背中に対して前屈する方向のストレッチを行うときに当該ストレッチを強めることができる。
【0071】
上記第2実施形態において、例えば、基台フレームF1に対する座部200の座面の角度を調整できる角度調整機構を椅子式マッサージ機102に設けて、第1制御モードのときに、第1制御モード以外のときと比較して、基台フレームF1に対する座部200の座面の角度を変更してもよい。
【0072】
上記第2実施形態において、椅子式マッサージ機102は背面用マッサージユニットMU1を備える構成であるが、本発明の他の局面はマッサージユニットを備えない構成の椅子式マッサージ機にも適用可能である。マッサージユニットを備えない構成の椅子式マッサージ機としては、例えばエアバッグの膨縮のみでマッサージを行う椅子式マッサージ機等を挙げることができる。
【0073】
上記第2実施形態において、リクライニング部材R1は2個であったが、リクライニング部材R1は1個であってもよく、3個以上であってもよい。リクライニング部材R1が1個である場合、例えばリクライニング部材R1を左右方向中央に配置すればよい。リクライニング部材R1が3個以上である場合、例えばそれぞれのリクライニング部材R1を左右方向に間隔を空けて配置すればよい。リクライニング部材R1が1個である場合には、構造が簡単であるため低コスト化を図ることができる。一方、リクライニング部材R1が複数である場合には、個々のリクライニング部材R1に応力を分散させることができるため、リクライニング部材R1の小型化を図ることができる。
【0074】
<留意点>
上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【0075】
以上説明した本明細書中に開示されている一局面の椅子式マッサージ機は、被施療者の臀部及び大腿部を支持する座部と、前記被施療者の肩、腰、及び背中を支持する背凭れ部と、前記背凭れ部を駆動するアクチュエータと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記背凭れ部上部が前記背凭れ部下部よりも前側に位置するように前記アクチュエータを制御する第1制御モードを有する構成(第1の構成)である。
【0076】
上記第1の構成の椅子式マッサージ機において、前記制御部は、前記背凭れ部上部が前記背凭れ部下部よりも後ろ側に位置するように前記アクチュエータを制御する第2制御モードを有し、前記第2制御モードから前記第1制御モードに移行する直前又は直後に、前記座部が前方に移動する構成(第2の構成)であってもよい。
【0077】
上記第1又は第2の構成の椅子式マッサージ機において、前記第2制御モードから前記第1制御モードに移行する直前又は直後に、前記座部の後端部が前記座部の前端部より上方に移動する構成(第3の構成)であってもよい。
【0078】
上記第1~第3いずれかの構成の椅子式マッサージ機において、前記背凭れ部に内蔵されるマッサージユニットをさらに備え、前記マッサージユニットは施療子を備え、前記制御部が前記第1制御モードを実行しているときに、前記マッサージユニットは、前記施療子を突出させる構成(第4の構成)であってもよい。
【0079】
以上説明した本明細書中に開示されている他の局面の椅子式マッサージ機は、被施療者の臀部及び大腿部を支持する座部と、前記座部の下方に位置する基台フレームと、リクライニング部材と、前記被施療者の肩、腰、及び背中を支持する背凭れ部と、前記リクライニング部材を駆動する第1アクチュエータと、前記背凭れ部を駆動する第2アクチュエータと、制御部と、を備え、前記リクライニング部材は、左右方向に沿って延びる第1回転軸回りに回動可能に前記基台フレームに取り付けられ、前記背凭れ部の長手方向中間部は、左右方向に沿って延びる、前記第1回転軸と異なる 第2回転軸回りに回動可能に前記リクライニング部材に取り付けられ、前記背凭れ部は前記第2回転軸よりも上側の背凭れ部上部と下側の背凭れ部下部を有し、前記制御部は、前記背凭れ部上部が前記背凭れ部下部よりも前側に位置するように前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータを制御する第1制御モードを有する構成(第5の構成)である。
【0080】
上記第5の構成の椅子式マッサージ機において、前記リクライニング部材は、前記背凭れ部上部と前記背凭れ部下部のうち前記背凭れ部下部側に設けられ、前記第1回転軸は前記第2回転軸よりも下側に配置されている構成(第6の構成)であってもよい。
【0081】
上記第5又は第6の構成の椅子式マッサージ機において、前記第1制御モードにおいて、左右方向から見たとき、前記座部の後側部と、前記第1回転軸と前記第2回転軸をつなぐラインと、前記背凭れ部上部とで形成される空間は、前記被施療者の前記腰を収容可能である構成(第7の構成)であってもよい。
【0082】
上記第5~第7いずれかの構成の椅子式マッサージ機において、前記第1制御モードにおいて、前記背凭れ部上部と前記座部のなす角度θは、30度以上90度未満である構成(第8の構成)であってもよい。
【0083】
上記第5~第8いずれかの構成の椅子式マッサージ機において、前記被施療者の下腿を収容する収容溝を有するオットマンと、前記オットマンを駆動する第3アクチュエータと、をさらに備え、前記オットマンは、左右方向に沿って延びる第3回転軸回りに回動可能に前記基台フレームに取り付けられ、前記第1制御モードは、前記背凭れ部上部が前記背凭れ部下部よりも前側方に位置し且つ前記収容溝の長手方向が鉛直方向に沿うように前記第1アクチュエータ、前記第2アクチュエータ、及び前記第3アクチュエータを制御する第2制御モードを含む構成(第9の構成)であってもよい。
【0084】
上記第9の構成の椅子式マッサージ機において、前記第1制御モードは、前記背凭れ部上部が背凭れ部下部よりも前側に位置し且つ前記第3回転軸を支点に前記オットマンを回動させて前記収容溝の長手方向が鉛直方向よりも前側に向けて傾くように前記第1アクチュエータ、前記第2アクチュエータ、及び前記第3アクチュエータを制御する第3制御モードを含む構成(第10の構成)であってもよい。
【0085】
上記第5~第10いずれかの構成の椅子式マッサージ機において、前記背凭れ部に内蔵されるマッサージユニットをさらに備え、前記制御部が前記第1制御モードを実行しているときに、前記マッサージユニットは、前記背凭れ部上部に位置する構成(第11の構成)であってもよい。
【符号の説明】
【0086】
1、ACT1、ACT2 アクチュエータ
1A、2A、3A、4A、ACT2A ロッド
2 第1アクチュエータ
3 第2アクチュエータ
4 第3アクチュエータ
101 第1実施形態に係る椅子式マッサージ機
102 第2実施形態に係る椅子式マッサージ機
200 座部
300 背凭れ部
300A 被施療者の肩及び腰に接する面
300B、300C ガイドレール
300D 長手方向中間部
400 基台部
500 腕施療部
600 操作部
700 コード線
800 スタンド
900 オットマン
900A 収容溝
AB1 エアバッグ
ACT1A ボールねじ軸
ACT1B モータ
ACT1C 台座
AX1 第1回転軸
AX2 第2回転軸
AX3 第3回転軸
CNT1 制御部
F1 基台フレーム
F2 前後スライド用フレーム
F3 傾斜用フレーム
F4 オットマンフレーム
MU1 背面用マッサージユニット
L1 連結部材
R1 リクライニング部材