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  • 特開-微細気泡発生装置 図1
  • 特開-微細気泡発生装置 図2
  • 特開-微細気泡発生装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120746
(43)【公開日】2022-08-18
(54)【発明の名称】微細気泡発生装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 23/23 20220101AFI20220810BHJP
   B01F 21/00 20220101ALI20220810BHJP
   B01F 25/21 20220101ALI20220810BHJP
   C02F 1/78 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
B01F3/04 A
B01F1/00 A
B01F5/02 A
C02F1/78
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021056188
(22)【出願日】2021-02-05
(71)【出願人】
【識別番号】517197990
【氏名又は名称】株式会社カリタス&ベリタス
(72)【発明者】
【氏名】青柳 正隆
【テーマコード(参考)】
4D050
4G035
【Fターム(参考)】
4D050AA01
4D050BB02
4D050BD03
4D050BD04
4G035AA01
4G035AB06
4G035AC15
4G035AC26
4G035AE13
(57)【要約】
【課題】小型軽量且つ高密度に生成できる微細気泡発生装置とその方法の提供。
【解決手段】従来の微細気泡発生装置は、空気(気体の総称)と水(液体の総称)を同時に混合しながら気液混合空間に圧送するが、本発明では空気(気体の総称)と水(液体の総称)を同時ではなく、一定間隔で繰り返す時間差を設けて、それぞれ個別に気液混合空間へ注入する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気液混合空間へ空気(気体の総称)と水(液体の総称)を個別に注入する微細気泡発生装置であって、
前記空気(気体の総称)と前記水(液体の総称)を注入するダイヤフラムポンプ(1)と、
連動して開閉を繰り返す電磁弁A(2)と電磁弁B(3)と、
前記気液混合空間である気液混合槽(4)と、
微細気泡発生ノズル(6)と、
オゾン発生ユニット(9)と、
を備えていることを特徴とする微細気泡発生装置。
【請求項2】
前記微細気泡発生ノズル(6)は、オリフィス構造部(7)とメッシュ構造部(8)で成ることを特徴とする請求項1記載の微細気泡発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細気泡発生装置とその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の微細気泡発生装置は、終始、空気(気体の総称)と水(液体の総称)を同時に吸引しながら加圧混合し、微細気泡を発生させる。(特許文献1参照)
【0003】
従来の微細気泡発生装置は、構造が複雑で大掛かりな装置が多い。(特許文献2参照)
【0004】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-168610号公報
【特許文献2】特開2019-181460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、小型軽量且つ高密度に生成できる微細気泡発生装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決する為、以下の手段を特徴としている。
【0008】
第一手段として、電磁弁A(2)と電磁弁B(3)を交互に開閉させ、気液混合槽(4)へ空気(気体の総称)と水(液体の総称)を個別に注入する。
【0009】
第二手段として、従来、その能力の制限から、大量で高密度の微細気泡発生装置には使用されずにいたダイヤフラムポンプ(1)を用いる。
【0010】
第三手段として、微細気泡を発生させる微細気泡発生ノズル(6)を用いる。
【0011】
【発明の効果】
【0012】
請求項1にある通り、電磁弁A(2)と電磁弁B(3)を交互に開閉させ、空気(気体の総称)と水(液体の総称)を個別に注入する方法は、気液混合槽(4)へ空気(気体の総称)を先に注入した後、水(液体の総称)を圧送する工程と微細気泡発生ノズル(6)を組み合わせる簡便な方法で高密度の微細気泡が大量に発生し、簡便故に小型軽量で故障も少ない。
【0013】
又従来の微細気泡発生装置は、起動毎又は初期の設定段階で空気(気体の総称)の吸入量を確認し微調整が必要となるが、本発明の装置では、吸入量の確認も微調整も元から無関係で、電源スイッチを入れるだけの全自動である。
【0014】
請求項1のダイヤフラムポンプ(1)は、従来、大量の微細気泡発生には不向きであるが、本発明では、複雑で大掛かりな気液混合機構が不要なこと又注入した空気(気体の総称)も無駄なく使い切る構造の為、圧力損失が非常に小さく、水(液体の総称)の吸込量と吐出量に大きな差は生じないことから、小型ポンプであっても十分な量の微細気泡が発生する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による微細気泡発生装置の簡単なシステム図である。
図2】本発明の一実施形態による微細気泡発生ノズル(6)の簡単な内部構造である。
図3】本発明の一実施形態による気液混合槽(4)の簡単な内部構造である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1図2に沿って実施形態を詳細に説明する。ただし以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化する為の一つの例示であって、本発明は、以下のものに特定されない。特に構成部品の寸法,材質,形状又はその相対的配置等は、特に特異的に限定する記載がない限りは、単なる一つの説明例に過ぎず、構成する各部材や各要素は、単数の部材や要素が複数の部材や要素で構成されてもよいし、逆に複数の部材や要素を単数の部材や要素に集約して作ることも可能である。
【0017】
空気(気体の総称)と水(液体の総称)は、ダイアフラムポンプ(1)を通じ、自動マイコン制御で交互に気液混合槽(4)へ注入される。
【0018】
運転時、電磁弁A(2)と電磁弁B(3)は、常に連動して開閉を繰り返し、空気(気体の総称)の通過経路となる電磁弁B(3)の上流側には、水(液体の総称)の逆流を防ぐ逆止弁(5)が取り付けられている。
【0019】
先ず水(液体の総称)が通過する電磁弁A(2)を閉め、空気(気体の総称)が通過する電磁弁B(3)を開くことで、大量の空気(気体の総称)が気液混合槽(4)内へ先に充填される。因みに、従来の発生装置では、流体の負圧を利用し、流量によって空気(気体の総称)の吸込量が定まる為、仮に吸込量を増やしたい場合、どうしても大流量の大型ポンプが必要となる。
【0020】
空気(気体の総称)充填の工程が十数秒続いた後、今度は空気(気体の総称)が通過する電磁弁B(3)を閉め、水(液体の総称)が通過する電磁弁A(2)を開けることで、図3の通り、気液混合槽(4)内では水(液体の総称)の噴流が噴射ノズルを通じて、垂直方向に勢いよく噴射される。尚、開閉時間のタイマー設定は、随時変更が可能である。
【0021】
気液混合槽(4)内では、空気(気体の総称)の層に向かって水(液体の総称)が激しく噴射されると同時に、最上部に溜まる大量の空気(気体の総称)は、液面の上昇によって徐々に加圧される為、気液溶解が効率よく進む。
【0022】
それ故、気液混合槽(4)の構造は、図3の通り、空気(気体の総称)が溜まる密閉構造とし、気液溶解液を気液混合槽(4)の最下部から排出させることが望ましい。そうすることで、微細気泡発生ノズル(6)からは空気(気体の総称)の気泡が全く出ない微細気泡が発生する。
【0023】
微細気泡の発生に欠かせない微細気泡発生ノズル(6)は、図2の通り、気液溶解液を噴流する円形金属板のオリフィス構造部(7)と目の細かい網目状のメッシュ構造部(8)で構成され、オリフィス構造部(7)中心軸の開口穴は、凡そ直径2mmから3mmで、前後はリング状のゴムパッキンで押止されている。尚、メッシュ構造部(8)は、一つではなく、二つ以上重ねることも可能である。
【0024】
メッシュ構造部(8)がオリフィス構造部(7)の放つ噴流の衝撃を一旦遮ることで、気液溶解液を瞬時に圧縮し、そこに次から次へと押し寄せる噴流の衝撃が加わることで、メッシュ構造部(8)からは、勢いよく微細気泡が放出される。尚、微細気泡発生ノズル(6)を取り外した場合、微細気泡は発生しない。
【0025】
微細気泡の発生にとって、微細気泡発生ノズル(6)の働きは重要で、微細気泡発生ノズル(6)を介して、初めて泡沫状に白濁する微細気泡が発生するが、それ以外にも装置全体を通じ、直径約9mmの細い耐圧チューブを導管として用いることで、圧力損失が生じづらい構造とすることが望ましい。
【0026】
気液混合槽(4)内の空気(気体の総称)がある程度、使い果たされた後、装置は一旦自動で停止するが、再び、二つの電磁弁A(2)と電磁弁B(3)が連動して空気(気体の総称)を注入し始める。空気(気体の総称)注入終了後は、再度、水(液体の総称)注入の工程が自動で繰り返されることとなる。尚、空気(気体の総称)注入時、オゾン発生ユニット(9)からオゾンを送り、オゾン含有の微細気泡に切り替えることも可能で、又オゾン以外でも構わない。
【0027】
オゾン発生ユニット(9)は、大別すると放電方式、電気分解方式、そして紫外線ランプ方式などがあり、水中での電気分解方式を採用した場合、オゾン発生ユニット(9)は、電磁弁A(2)の上流又は下流側に配設することが望ましい。尚、本発明の装置では、放電方式を採用している。
【0028】
上記の様に本発明の微細気泡発生装置は、電磁弁A(2)と電磁弁B(3)が開閉を繰り返し、空気(気体の総称)と水(液体の総称)を完全別々に注入する、従来に無い手法を用いることで、小型でも大量且つ高密度の微細気泡発生が特徴である。
【0029】
尚、今回製作した微細気泡発生装置には、最大流量毎分5リットル、直流電圧24Vのダイアフラムポンプ(1)が使われたが、同じ容積型往復動ポンプに属するピストンポンプの利用も可能である。
【0030】
本発明は、上記で述べた実施形態の他、本発明の趣旨の範囲内で、その構成要素の個数、配置、組み合わせ又は素材を適宜に変更し、従来の技術手段を追加するなど、種々な設計変更が可能である。本発明に於いて、これより派生する多種多様な実施形態が存在する可能性がある為、特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない限り、種々の改変をなし得ることは勿論である。上記の実施形態やその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0031】
「実施形態の効果1」
本発明の実施形態による微細気泡発生装置は、オゾンを送るモード切替も可能で、殺菌力の強いオゾンの微細気泡が利用でき、芳香剤のように、悪臭を一時的に閉じ込めるのではなく、悪臭分子を酸化分解するので、臭いが戻ることはなく又二次公害に繋がる有害な物質を出す心配も一切ない。強力な除菌・脱臭力を持ちながら、環境に限りなく優しいオゾンの微細気泡は、ペット・家電・医療・介護・酪農・食品など、あらゆる業種での活用が期待される。
【符号の説明】
【0032】
1…ダイヤフラムポンプ 7…オリフィス構造部
2…電磁弁A 8…メッシュ構造部
3…電磁弁B 9…オゾン発生ユニット
4…気液混合槽
5…逆止弁
6…微細気泡発生ノズル
図1
図2
図3