(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120758
(43)【公開日】2022-08-18
(54)【発明の名称】マスク耳掛けバンド及びマスク耳掛けバンドの製造方法
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220810BHJP
D04B 7/16 20060101ALI20220810BHJP
D04B 7/26 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
A41D13/11 H
D04B7/16
D04B7/26 101
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072647
(22)【出願日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】110104404
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】519422016
【氏名又は名称】中國衛生材料生産中心股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】張徳成
【テーマコード(参考)】
4L054
【Fターム(参考)】
4L054AA01
4L054BA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】特殊な外形を有するとともに、2種以上の材料の物質特性を持つことができるマスク耳掛けバンド及びマスク耳掛けバンドの製造方法を提供する。
【解決手段】マスク耳掛けバンドは本体1を含み、本体は第1糸11、第2糸12及び弾性糸13を含み、第1糸と第2糸の色が異なり、第1糸、第2糸及び弾性糸を丸編機で加工して本体に編成する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク耳掛けバンドであって、
本体を含み、
前記本体は第1糸、第2糸及び弾性糸を含み、
前記第1糸と前記第2糸の色が異なり、
前記第1糸及び前記第2糸を撚ってなる撚りユニットと前記弾性糸とを丸編機で編成してなる、
マスク耳掛けバンド。
【請求項2】
前記本体の両端はマスク本体に接続される、請求項1に記載のマスク耳掛けバンド。
【請求項3】
前記第1糸、前記第2糸及び前記弾性糸が、非規則的な編み配列をなしている、請求項1に記載のマスク耳掛けバンド。
【請求項4】
マスク耳掛けバンドの製造方法であって、
第1糸と、第1糸と色が異なる第2糸と、弾性糸と、を準備するステップと、
1つのシリンダ及び複数のかぎ針が設けられ、前記シリンダが軸方向の周りに回動し、前記複数のかぎ針が前記軸方向に沿って前記シリンダに対して順次摺動する丸編機を準備するステップと、
前記第1糸、前記第2糸及び前記弾性糸を前記丸編機に導入し、前記シリンダが回動する時、前記複数のかぎ針が前記軸方向に沿って順次摺動して前記第1糸、前記第2糸及び前記弾性糸を前記シリンダに引っ掛けて編成するステップと、を含む、
マスク耳掛けバンドの製造方法。
【請求項5】
前記複数のかぎ針の数が少なくとも7本である、請求項4に記載のマスク耳掛けバンドの製造方法。
【請求項6】
前記シリンダの外周壁には複数の摺動溝が径方向に凹設され、前記複数のかぎ針はそれぞれ前記複数の摺動溝に摺動可能に設置される、請求項4に記載のマスク耳掛けバンドの製造方法。
【請求項7】
撚り機構を準備するステップを有し、前記撚り機構は、まず、前記第1糸及び前記第2糸を撚り合わせて撚りユニットとし、次に、前記撚りユニットと前記弾性糸を前記丸編機に導入して編成する、請求項4に記載のマスク耳掛けバンドの製造方法。
【請求項8】
前記丸編機は、非規則的な編み配列をもって前記第1糸、前記第2糸及び前記弾性糸を編成する、請求項4に記載のマスク耳掛けバンドの製造方法。
【請求項9】
前記シリンダの外周壁には複数の摺動溝が径方向に凹設され、前記複数のかぎ針はそれぞれ前記複数の摺動溝に摺動可能に設置され、撚り機構を準備するステップを有し、前記撚り機構は、まず、前記第1糸及び前記第2糸を撚り合わせて撚りユニットとし、次に、前記撚りユニットと前記弾性糸を前記丸編機に導入して編成し、前記丸編機は、非規則的な編み配列をもって前記第1糸、前記第2糸及び前記弾性糸を編成する、請求項5に記載のマスク耳掛けバンドの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマスク耳掛けバンド及びマスク耳掛けバンドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルス感染症やインフルエンザなどのエピデミックが世界中に蔓延し続けるに伴い、各国においてマスク着用の習慣が多くなり、相対的にマスクに対する需要量も増加し、大量の資源と人員がマスクの生産や研究開発に投入されている。
マスク耳掛けバンドは、少なくとも1つの糸と弾性糸を用いて編成するものであるので、耳に掛けるために一定の構造強度及び弾性復元力を有する。しかし、従来のマスク耳掛けバンドの色は糸の色に依存し、または耳掛けバンドの編成が完了した後に染色されるため、外形的に非常に単調であり、特定の生産者の商品を市販されている他のブランドのマスクと区別できず、この点が、改善しなければならない欠点である。
【0003】
上記の課題を解決するために、新規で進歩性を有するマスク耳掛けバンド及びマスク耳掛けバンドの製造方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、特殊な外形を有するとともに、2種以上の材料の物質特性を持つことができるマスク耳掛けバンド及びマスク耳掛けバンドの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は、本体を含み、該本体は第1糸、第2糸及び弾性糸を含み、該第1糸と該第2糸の色が異なり、該第1糸、該第2糸及び該弾性糸は丸編機で加工して該本体に編成するマスク耳掛けバンドを提供する。
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、第1糸と、第1糸との色が異なる第2糸と、弾性糸とを準備するステップと、1つのシリンダ及び複数のかぎ針が設けられ、該シリンダが軸方向の周りに回動し、これらのかぎ針が該軸方向に沿って該シリンダに対して順次摺動する丸編機を準備するステップと、該第1糸、該第2糸及び該弾性糸を該丸編機に導入し、該シリンダが回動する時、これらのかぎ針は該軸方向に沿って順次摺動して該第1糸、該第2糸及び該弾性糸を該シリンダに引っ掛けて編成するステップとを含む、マスク耳掛けバンドの製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の好ましい実施例の製造方法の模式図である。
【
図2】本発明の好ましい実施例の製造方法の模式図である。
【
図3】本発明の好ましい実施例の構造の拡大図である。
【
図4】本発明の好ましい実施例の組み立ての模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施例にて本発明の可能な実施形態を説明するが、これは本発明の特許範囲を制限するものではない。
【0009】
図1~
図4は本発明の好ましい実施例が示されている。本発明のマスク耳掛けバンド本体1を含み、該本体1は第1糸11、第2糸12及び弾性糸13を含む。該第1糸11と該第2糸12との色は異なり、該第1糸11、該第2糸12及び該弾性糸13は丸編機2で加工して該本体1に編成する。
【0010】
該丸編機2で編成した後、該本体1は、該第1糸11及び該第2糸12が備える異なる色を有するようになり、それにより顕著な認識度を高め、他の生産者により製造されたマスクと区別するために用いられる。本発明の該第1糸11と該第2糸12は、該本体1が複合材料の構造特性を有するために、異なる材質であってもよい。
本実施例では、該第1糸11、該第2糸12及び該弾性糸13は、該本体1の外観が比較的特異な不規則模様となるように、非規則的な編み配列をなしており、別の実施例では、規則的な編み配列であってもよい。
【0011】
まず、該第1糸11及び該第2糸12を撚りユニット14に撚り合わせた後、該撚りユニット14と該弾性糸13とを丸編機2で加工して編成してなる。よって、比較的容易に編成することができる。
【0012】
該本体1の両端はマスク本体9に接続され、このようにして該マスク本体9は、該本体1を介して人の口や鼻に覆うことができる。
【0013】
本発明は、第1糸11と、第1糸11との色が異なる第2糸12と、弾性糸13とを準備するステップと、1つのシリンダ21及び複数のかぎ針22が設けられ、該シリンダ21が軸方向の周りに回動し、これらのかぎ針22が該軸方向に沿って該シリンダ21に対して順次摺動する丸編機2を準備するステップと、該第1糸11、該第2糸12及び該弾性糸13を該丸編機2に導入し、該シリンダ21が回動する時、これらのかぎ針22が該軸方向に沿って順次摺動して該第1糸11、該第2糸12及び該弾性糸13を該シリンダ21に引っ掛けて編成するステップとを含む、マスク耳掛けバンドの製造方法をさらに提供する。
【0014】
好ましくは、これらかぎ針22の数は少なくとも7本であり、本実施例では7本である。該本体1の該第1糸11、該第2糸12及び該弾性糸13の間に微細なメッシュを持たせることにより、構造強度を高めることができる。
【0015】
該シリンダ21の外周壁には複数の摺動溝23が径方向に凹設され、これらのかぎ針22はそれぞれこれらの摺動溝23に摺動可能に設けられる。これらのかぎ針22は該第1糸11、該第2糸12及び該弾性糸13を該丸編機2に順次導入して編成する。
【0016】
好ましくは、本実施例では、撚り機構3をさらに準備する。該撚り機構3は、まず、該第1糸11及び該第2糸12を撚り合わせて撚りユニット14とし、次に、該撚りユニット14と該弾性糸13を該丸編機2に導入して編成する。このようにして、該丸編機2は編成を順調に行うことができる。
【0017】
本実施例では、該丸編機2は、非規則的な編み配列をもって該第1糸11、該第2糸12及び該弾性糸13を編成する。しかし別の実施例では、規則的な編み配列をもって該第1糸11、該第2糸12及び該弾性糸13を編成してもよい。
【0018】
以上のように、本発明のマスク耳掛けバンド及びマスク耳掛けバンドの製造方法は、該丸編機で編成した後、該本体が、同時に該第1糸及び該第2糸の異なる色を有するようになり、これによって、顕著な認識度を高め、他の生産者により製造されたマスクと区別することができる。また、本発明の該第1糸と該第2糸は、異なる材質であってもよいので、該本体が複合材料の構造特性を有する。
【符号の説明】
【0019】
1 本体
11 第1糸
12 第2糸
13 弾性糸
14 撚りユニット
2 丸編機
21 シリンダ
22 かぎ針
23 摺動溝
3 撚り機構
9 マスク本体
【手続補正書】
【提出日】2022-07-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク耳掛けバンドであって、
本体を含み、
前記本体は第1糸、第2糸及び弾性糸を含み、
前記第1糸と前記第2糸の色が異なり、
前記第1糸及び前記第2糸を織編みせずに撚り合わせて形成した撚りユニットと前記弾性糸とを丸編機で編成してなる、
マスク耳掛けバンド。
【請求項2】
前記本体の両端はマスク本体に接続される、請求項1に記載のマスク耳掛けバンド。
【請求項3】
前記第1糸、前記第2糸及び前記弾性糸が、非規則的な編み配列をなしている、請求項1に記載のマスク耳掛けバンド。
【請求項4】
マスク耳掛けバンドの製造方法であって、
第1糸と、第1糸と色が異なる第2糸と、弾性糸と、を準備するステップと、
1つのシリンダ及び複数のかぎ針が設けられ、前記シリンダが軸方向の周りに回動し、前記複数のかぎ針が前記軸方向に沿って前記シリンダに対して順次摺動する丸編機を準備するステップと、
前記第1糸及び前記第2糸を織編みせずに撚り合わせて撚りユニットとし、次に、前記撚りユニットと前記弾性糸を前記丸編機に導入し、前記シリンダが回動する時、前記複数のかぎ針が前記軸方向に沿って順次摺動して前記第1糸と前記第2糸からなる前記撚りユニットと前記弾性糸を前記シリンダに引っ掛けて編成するステップと、を含む、
マスク耳掛けバンドの製造方法。
【請求項5】
前記複数のかぎ針の数が少なくとも7本である、請求項4に記載のマスク耳掛けバンドの製造方法。
【請求項6】
前記シリンダの外周壁には複数の摺動溝が径方向に凹設され、前記複数のかぎ針はそれぞれ前記複数の摺動溝に摺動可能に設置される、請求項4に記載のマスク耳掛けバンドの製造方法。
【請求項7】
撚り機構を準備するステップを有し、前記撚り機構は、まず、前記第1糸及び前記第2糸を撚り合わせて撚りユニットとし、次に、前記撚りユニットと前記弾性糸を前記丸編機に導入して編成する、請求項4に記載のマスク耳掛けバンドの製造方法。
【請求項8】
前記丸編機は、非規則的な編み配列をもって前記第1糸、前記第2糸及び前記弾性糸を編成する、請求項4に記載のマスク耳掛けバンドの製造方法。
【請求項9】
前記シリンダの外周壁には複数の摺動溝が径方向に凹設され、前記複数のかぎ針はそれぞれ前記複数の摺動溝に摺動可能に設置され、撚り機構を準備するステップを有し、前記撚り機構は、まず、前記第1糸及び前記第2糸を撚り合わせて撚りユニットとし、次に、前記撚りユニットと前記弾性糸を前記丸編機に導入して編成し、前記丸編機は、非規則的な編み配列をもって前記第1糸、前記第2糸及び前記弾性糸を編成する、請求項5に記載のマスク耳掛けバンドの製造方法。