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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120774
(43)【公開日】2022-08-18
(54)【発明の名称】多足ロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 5/00 20060101AFI20220810BHJP
【FI】
B25J5/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160634
(22)【出願日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】202110159550.8
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521428332
【氏名又は名称】重慶工程職業技術学院
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】徐 皓
(72)【発明者】
【氏名】周 宇航
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707HS12
3C707HS27
3C707HT17
3C707HT23
3C707MT04
3C707MT05
3C707WA13
3C707WA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】山地に適用し、ガタツキが発生しにくく、使用寿命を効果的に長くする多足ロボットを提供する。
【解決手段】走行機構と、伝動機構と、ステアリング機構と、ダンパ機構と、安定化機構と、支持機構とを含む。走行機構は、少なくとも一対の脚部構造を含み、脚部構造は、メインシリンダ一と、メインシリンダ二と、接続ロッドと、膝運動ボールと、脛運動シリンダと、脛支持部材一と、脛支持部材二と、足板とを含む。伝動機構は、サーボモータと、スプライン軸と、十字型ユニバーサルジョイント一と、接続軸一と、十字型ユニバーサルジョイント二と、接続軸二と、十字型ユニバーサルジョイント三と、接続軸三と、接続ホイールとを含む。ステアリング機構は、モータと、ウォームギヤ構造と、牽引構造とを含む。ダンパ機構は、ダンパベースと、メインダンパと、サブダンパと、ステアリングアクティブベースと、ステアリング牽引ケースとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機構(100)、伝動機構(200)、ステアリング機構(300)、ダンパ機構(400)、安定化機構(500)及び支持機構(600)を含み、
前記走行機構(100)は、少なくとも一対の脚部構造を含み、前記脚部構造は、メインシリンダ一(101)と、メインシリンダ二(102)と、接続ロッド(103)と、膝運動ボール(104)と、脛運動シリンダ(105)と、脛支持部材一(106)と、脛支持部材二(107)と、足板(108)とを含み、前記メインシリンダ一(101)の下端は、膝運動ボール(104)の外壁に接続され、前記メインシリンダ二(102)の下端は、膝運動ボール(104)と球面対偶をなして嵌合され、前記接続ロッド(103)の下端は、脛支持部材二(107)の中部に接続され、前記脛運動シリンダ(105)の上端は、膝運動ボール(104)の外壁に接続され、下端は、脛支持部材一(106)の上端に回動して接続され、前記脛支持部材一(106)の下端は、足板(108)の最上部に接続され、前記脛支持部材二(107)の上端は、膝運動ボール(104)と球面対偶をなして嵌合され、下端は、脛支持部材一(106)の中部に回動して接続され、
各脚部機構は、一つの伝動機構(200)に対応し、前記伝動機構(200)は、順次に設けられるサーボモータ(201)と、スプライン軸(204)と、十字型ユニバーサルジョイント一(205)と、接続軸一(206)と、十字型ユニバーサルジョイント二(207)と、接続軸二(208)と、十字型ユニバーサルジョイント三(209)と、接続軸三(210)と、接続ホイール(211)とを含み、前記サーボモータ(201)の出力軸は、ジョイント(203)によってスプライン軸(204)の一方端に接続され、スプライン軸(204)の他方端は、十字型ユニバーサルジョイント一(205)によって接続軸一(206)の一方端に接続され、接続軸一(206)の他方端は、十字型ユニバーサルジョイント二(207)によって接続軸二(208)の一方端に接続され、接続軸二(208)の他方端は、十字型ユニバーサルジョイント三(209)によって接続軸三(210)の一方端に接続され、接続軸三(210)の中部に、軸受一(212)が嵌設され、前記接続ホイール(211)は、接続軸三(210)の他方端に取り付けられ、前記メインシリンダ二(102)の上端は、軸受一(212)の外側に嵌設され、前記接続ロッド(103)の上端は、接続ホイール(211)に接続され、
前記ステアリング機構(300)は、モータ(301)と、ウォームギヤ構造と、牽引構造とを含み、前記ウォームギヤ構造は、モータ(301)の出力軸上に取り付けられるウォームホイール(302)と、ウォームホイール(302)に伝動して嵌合されるウォーム(303)とを含み、各ステアリング機構は、一対の脚部構造に対応し、前記牽引構造の数は二つであり、それぞれは一対の脚部構造のうちの二つの脚部構造に一対一で対応し、前記牽引構造の一方端は、ウォーム(303)の端部に接続され、他方端は、ダンパ機構(400)又は伝動機構(200)に接続され、
前記ダンパ機構(400)は、ダンパベースと、メインダンパ(401)と、サブダンパと、ステアリングアクティブベース(404)と、ステアリング牽引ケース(405)とを含み、前記ダンパベースは、バックプレート(406)と、上から下に向けてバックプレート(406)の外側壁上に順次に設けられる上ダンパ板(407)及び下ダンパ板(408)と、バックプレート(406)の上方に順次に設けられるメインダンパ上固定ベース(409)及びサブダンパ上固定ベース(410)とを含み、前記メインダンパ(401)の上端は、メインダンパ上固定ベース(409)上に取り付けられ、下端は、上ダンパ板(407)上に取り付けられ、前記サブダンパの上端は、サブダンパ上固定ベース(410)上に取り付けられ、下端は、下ダンパ板(408)上に取り付けられ、前記上ダンパ板(407)の一方端は、バックプレート(406)上に接続され、他方端は、ステアリングアクティブベース(404)と球面対偶をなして嵌合され、前記下ダンパ板(408)の一方端は、バックプレート(406)上に接続され、他方端は、ステアリングアクティブベース(404)と球面対偶をなして嵌合され、前記ステアリング牽引ケース(405)は、ステアリングアクティブベース(404)に接続される、ことを特徴とする多足ロボット。
【請求項2】
前記安定化機構(500)は、ジャイロ安定化装置を採用し、前記ジャイロ安定化装置の上方にシートが取り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の多足ロボット。
【請求項3】
前記支持機構(600)は、複数の支持ロッドによって囲まれるフレーム構造であり、前記メインシリンダ一(101)の上端は、支持機構(600)上に取り付けられ、且つ軸受二(114)によって支持機構(600)における一つの支持ロッドに回動して接続され、前記軸受二(114)は、支持ロッドに嵌設される、ことを特徴とする請求項1に記載の多足ロボット。
【請求項4】
前記膝運動ボール(104)は、球体(109)と、球体(109)の内部にそれぞれ開設される運動溝一(110)及び運動溝二(111)とを含み、前記メインシリンダ二(102)の下端に、運動ボール一(112)が設けられ、前記運動ボール一(112)は、運動溝一(110)内に嵌め込まれて取り付けられ、且つ運動溝一(110)と球面対偶をなして嵌合され、前記脛支持部材二(107)の上端に、運動ボール二(113)が設けられ、前記運動ボール二(113)は、運動溝二(111)内に嵌め込まれて取り付けられ、且つ運動溝二(111)と球面対偶をなして嵌合される、ことを特徴とする請求項1に記載の多足ロボット。
【請求項5】
前記サーボモータ(201)の出力軸上に、遊星減速機(202)が取り付けられ、前記接続軸一(206)は傾斜して設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の多足ロボット。
【請求項6】
前記牽引構造は、牽引ブロック一(304)と、牽引ブロック二(305)と、折り畳みブロック(306)とを含み、前記折り畳みブロック(306)は、ヒンジ構造を採用し、回動して接続されるヒンジ構造部一とヒンジ構造部二とを含み、前記牽引ブロック一(304)の下端は、ウォーム(303)の端部に接続され、上端は、牽引ブロック二(305)の一方端に接続され、牽引ブロック二(305)の他方端は、ヒンジ構造部一に接続され、ヒンジ構造部二は、ステアリングアクティブベース(404)に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の多足ロボット。
【請求項7】
前記メインダンパ(401)とサブダンパのいずれも、ばね又は減衰器を採用し、前記メインダンパの数は一つであり、サブダンパの数は二つであり、それぞれはサブダンパ一(402)とサブダンパ二(403)であり、二つのサブダンパは、メインダンパ(401)の下方の両側に対称して設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の多足ロボット。
【請求項8】
前記バックプレート(406)の内側壁上にモータ取り付けベース(307)が取り付けられ、前記モータ(301)は、モータ取り付けベース(307)上に取り付けられ、前記メインダンパ上固定ベース(409)は、モータ取り付けベース(307)の最上部に取り付けられ、前記サブダンパ上固定ベース(410)は、モータ取り付けベース(307)の側壁上に取り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の多足ロボット。
【請求項9】
前記ステアリングアクティブベース(404)は、ステアリングアクティブベース体(411)と、ステアリングアクティブベース体(411)に順次に開設される運動溝三(412)及び運動溝四(413)とを含み、前記上ダンパ板(407)の端部に運動ボール三(414)が設けられ、前記運動ボール三(414)は、運動溝三(412)内に嵌め込まれて取り付けられ、且つ運動溝三(412)と球面対偶をなして嵌合され、前記下ダンパ板(408)の端部に運動ボール四(415)が設けられ、前記運動ボール四(415)は、運動溝四(413)内に嵌め込まれて取り付けられ、且つ運動溝四(413)と球面対偶をなして嵌合される、ことを特徴とする請求項1に記載の多足ロボット。
【請求項10】
前記モータ取り付けベース(307)の上方に位置規制板(308)が設けられ、前記位置規制板(308)の端部は、メインダンパ上固定ベース(409)上に接続される、ことを特徴とする請求項8に記載の多足ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット技術分野に関し、具体的には、多足ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、様々な分野においてロボットの応用もますます広がっている。中国の西南地域では、山体が複雑で、土石流などの自然災害が頻発する。自然災害又は他の事故が発生し救援が必要である時、行動が柔軟で、機能が多様なロボットは、重要な役割を果たすことができる。従来の多足ロボットの殆どは、平地路面に適用し、起伏の多い山道を走行する時、ガタツキが発生しやすく、さらに転倒が発生し、多足ロボットの安定性に影響を与え、その構造部材は複数回の振動を受けた後、破損しやすく、多足ロボットの使用寿命を短くしてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたもので、山地に適用し、起伏の多い山道を走行する時、比較的に高い安定性を有し、ガタツキが発生しにくく、使用寿命を効果的に長くする多足ロボットを提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を実現するために、本発明は、以下の技術案を採用する。
【0005】
多足ロボットであって、走行機構と、伝動機構と、ステアリング機構と、ダンパ機構と、安定化機構と、支持機構とを含む。
【0006】
前記走行機構は、少なくとも一対の脚部構造を含み、前記脚部構造は、メインシリンダ一と、メインシリンダ二と、接続ロッドと、膝運動ボールと、脛運動シリンダと、脛支持部材一と、脛支持部材二と、足板とを含み、前記メインシリンダ一の下端は、膝運動ボールの外壁に接続され、前記メインシリンダ二の下端は、膝運動ボールと球面対偶をなして嵌合され、前記接続ロッドの下端は、脛支持部材二の中部に接続され、前記脛運動シリンダの上端は、膝運動ボールの外壁に接続され、下端は、脛支持部材一の上端に回動して接続され、前記脛支持部材一の下端は、足板の最上部に接続され、前記脛支持部材二の上端は、膝運動ボールと球面対偶をなして嵌合され、下端は、脛支持部材一の中部に回動して接続される。
【0007】
各脚部構造は、一つの伝動機構に対応する。前記伝動機構は、順次に設けられるサーボモータと、スプライン軸と、十字型ユニバーサルジョイント一と、接続軸一と、十字型ユニバーサルジョイント二と、接続軸二と、十字型ユニバーサルジョイント三と、接続軸三と、接続ホイールとを含み、前記サーボモータの出力軸は、ジョイントによってスプライン軸の一方端に接続され、スプライン軸の他方端は、十字型ユニバーサルジョイント一によって接続軸一の一方端に接続され、接続軸一の他方端は、十字型ユニバーサルジョイント二によって接続軸二の一方端に接続され、接続軸二の他方端は、十字型ユニバーサルジョイント三によって接続軸三の一方端に接続され、接続軸三の中部に、軸受一が嵌設され、前記接続ホイールは、接続軸三の他方端に取り付けられ、前記メインシリンダ二の上端は、軸受一の外側に嵌設され、前記接続ロッドの上端は、接続ホイールに接続される。
【0008】
前記ステアリング機構は、モータと、ウォームギヤ構造と、牽引構造とを含み、前記ウォームギヤ構造は、モータ出力軸上に取り付けられるウォームホイールと、ウォームホイールに伝動して嵌合されるウォームとを含み、各ステアリング機構は、一対の脚部構造に対応し、前記牽引構造の数は二つであり、それぞれは一対の脚部構造のうちの二つの脚部構造に一対一で対応し、前記牽引構造の一方端は、ウォームの端部に接続され、他方端は、ダンパ機構又は伝動機構に接続される。
【0009】
前記ダンパ機構と脚部構造とは、一対一で対応して設けられる。前記ダンパ機構は、ダンパベースと、メインダンパと、サブダンパと、ステアリングアクティブベースと、ステアリング牽引ケースとを含み、前記ダンパベースは、バックプレートと、上から下に向けてバックプレートの外側壁上に順次に設けられる上ダンパ板及び下ダンパ板と、バックプレートの上方に順次に設けられるメインダンパ上固定ベース及びサブダンパ上固定ベースとを含み、前記メインダンパの上端は、メインダンパ上固定ベース上に取り付けられ、下端は、上ダンパ板上に取り付けられ、前記サブダンパの上端は、サブダンパ上固定ベース上に取り付けられ、下端は、下ダンパ板上に取り付けられ、前記上ダンパ板の一方端は、バックプレート上に接続され、他方端は、ステアリングアクティブベースと球面対偶をなして嵌合され、前記下ダンパ板の一方端は、バックプレート上に接続され、他方端は、ステアリングアクティブベースと球面対偶をなして嵌合され、前記ステアリング牽引ケースは、ステアリングアクティブベースに接続される。
【0010】
さらに、前記安定化機構は、ジャイロ安定化装置を採用する。前記ジャイロ安定化装置の上方にシートが取り付けられる。
【0011】
さらに、前記支持機構は、複数の支持ロッドによって囲まれるフレーム構造である。
【0012】
さらに、前記膝運動ボールは、球体と、球体の内部にそれぞれ開設される運動溝一及び運動溝二とを含み、前記メインシリンダ二の下端に、運動ボール一が設けられ、前記運動ボール一は、運動溝一内に嵌め込まれて取り付けられ、且つ運動溝一と球面対偶をなして嵌合され、前記脛支持部材二の上端に、運動ボール二が設けられ、前記運動ボール二は、運動溝二内に嵌め込まれて取り付けられ、且つ運動溝二と球面対偶をなして嵌合される。
【0013】
さらに、前記サーボモータの出力軸上に、遊星減速機が取り付けられ、前記接続軸一は傾斜して設けられる。
【0014】
さらに、前記牽引構造は、牽引ブロック一と、牽引ブロック二と、折り畳みブロックとを含み、前記折り畳みブロックは、ヒンジ構造を採用し、回動して接続されるヒンジ構造部一とヒンジ構造部二とを含み、前記牽引ブロック一の下端は、ウォームの端部に接続され、上端は、牽引ブロック二の一方端に接続され、牽引ブロック二の他方端は、ヒンジ構造部一に接続され、ヒンジ構造部二は、ステアリングアクティブベースに接続される。
【0015】
さらに、前記メインシリンダ一の上端は、支持機構上に取り付けられ、且つ軸受二によって支持機構における一つの支持ロッドに回動して接続され、前記軸受二は、支持ロッドに嵌設される。
【0016】
さらに、前記メインダンパとサブダンパのいずれも、ばね又は減衰器を採用し、前記メインダンパの数は一つであり、サブダンパの数は二つであり、二つのサブダンパは、メインダンパの下方の両側に対称して設けられる。
【0017】
さらに、前記バックプレートの内側壁上にモータ取り付けベースが取り付けられ、前記サーボモータとモータのいずれもモータ取り付けベース上に取り付けられ、前記メインダンパ上固定ベースは、モータ取り付けベースの最上部に取り付けられ、前記サブダンパ上固定ベースは、モータ取り付けベースの側壁上に取り付けられる。
【0018】
さらに、前記ステアリングアクティブベースは、ステアリングアクティブベース体と、ステアリングアクティブベース体に順次に開設される運動溝三及び運動溝四とを含み、前記上ダンパ板の端部に運動ボール三が設けられ、前記運動ボール三は、運動溝三内に嵌め込まれて取り付けられ、且つ運動溝三と球面対偶をなして嵌合され、前記下ダンパ板の端部に運動ボール四が設けられ、前記運動ボール四は、運動溝四内に嵌め込まれて取り付けられ、且つ運動溝四と球面対偶をなして嵌合される。
【0019】
さらに、前記モータ取り付けベースの上方に位置規制板が設けられ、前記位置規制板の端部は、メインダンパ上固定ベース上に接続される。
【0020】
以上の技術案から分かるように、本発明に記載の多足ロボットは、山地に適用し、起伏の多い山道を走行する時、比較的に高い安定性を有し、ガタツキが発生しにくく、使用寿命を効果的に長くする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の構造概略図である。
図2】走行機構、伝動機構、ステアリング機構及びダンパ機構の装着構造概略図一である。
図3】走行機構、伝動機構、ステアリング機構及びダンパ機構の装着構造概略図二である。
図4】走行機構、伝動機構、ステアリング機構及びダンパ機構の装着構造概略図三である。
図5】走行機構、伝動機構、ステアリング機構及びダンパ機構の装着構造概略図四である。
図6】走行機構、伝動機構及びステアリング機構の装着構造概略図である。
図7】メインシリンダ一、メインシリンダ二、膝運動ボール、脛運動シリンダ及び脛支持部材二の装着構造概略図であり、そのうち、膝運動ボール部位は断面視である。
図8】伝動機構の構造概略図である。
図9】ステアリング機構の構造概略図である。
図10】ダンパ機構の構造概略図である。
図11】ダンパ機構の分解構造概略図であり、そのうち、ステアリングアクティブベース部位は断面視である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
図1に示すように、本発明に係る多足ロボットは、走行機構100と、伝動機構200と、ステアリング機構300と、ダンパ機構400と、安定化機構500と、支持機構600とを含む。前記安定化機構500は、従来技術におけるジャイロ安定化装置を採用し、ジャイロ安定化装置の上方にシートを取り付けてもよく、災害が発生する時に傷病者を搬送するために用いられる。前記ジャイロ安定化装置の型番はFREEFLY MOVI M5である。前記ジャイロ安定化装置の上方にシートが取り付けられ、傷病者がその上に着座するために用いられる。前記安定化機構500は、多足ロボットの走行の安定性を確保し、ガタツキを回避するために用いられる。前記支持機構600は、複数の支持ロッド601によって囲まれるフレーム構造である。図1から分かるように、伝動機構200、脚部構造及びダンパ機構400の数は等しく、三者は、一対一で対応して設けられる。一つのステアリング機構は、左右対称に設けられる二つの脚部構造に対応する。安定化機構500と支持機構600の数は、いずれも一つである。
【0024】
図2乃至図6に示すように、前記走行機構100は、少なくとも一対の脚部構造を含む。前記脚部構造は、メインシリンダ一101と、メインシリンダ二102と、接続ロッド103と、膝運動ボール104と、脛運動シリンダ105と、脛支持部材一106と、脛支持部材二107と、足板108とを含む。前記メインシリンダ一101の下端は、膝運動ボール104の外壁上に取り付けられる取り付けホルダ一に接続される。前記メインシリンダ二102の下端は、膝運動ボール104と球面対偶をなして嵌合される。前記接続ロッド103の下端は、脛支持部材二107の中部に接続される。前記脛運動シリンダ105の上端は、回転軸によって膝運動ボール104の外壁上に取り付けられる取り付けホルダ二に回動して接続され、下端は、回転軸によって脛支持部材一106の上端に回動して接続される。このように、回転する時に牽引補助の力が発生し、付勢力が大きすぎることによって引き裂かれることがなく、構造の安定性が確保される。取り付けホルダ一と取り付けホルダ二を設けることにより、メインシリンダ一、脛運動シリンダ及び膝運動ボールを接続し、メインシリンダ一、脛運動シリンダを直接に膝運動ボール内に挿入するものではない。これは、膝運動ボールによって耐えられる応力を減少し、膝運動ボールの使用寿命を長くするとともに、部品の交換を便利にするためである。前記脛支持部材一106の下端は、足板108の最上部に固定して接続されるか又は回動して接続される。前記脛支持部材二107の上端は、膝運動ボール104と球面対偶をなして嵌合され、下端は、軸受三115によって脛支持部材一106の中部に回動して接続される。
図7に示すように、前記膝運動ボール104は、球体109と、球体の内部にそれぞれ開設される運動溝一110と、運動溝二111とを含み、前記メインシリンダ二102の下端に運動ボール一112が設けられ、前記運動ボール一112は、運動溝一110内に嵌め込まれて取り付けられ、且つ運動溝一110と球面対偶をなして嵌合され、前記脛支持部材二107の上端に運動ボール二113が設けられ、前記運動ボール二113は、運動溝二111内に嵌め込まれて取り付けられ、且つ運動溝二111と球面対偶をなして嵌合される。前記メインシリンダ一101の上端は、支持機構600上に取り付けられ、且つ軸受二114によって支持機構600における一つの支持ロッドに回動して接続され、前記軸受二114は、支持ロッド601に嵌設される。運動溝一110は、運動ボール一112と球面対偶をなして接続され、運動溝二111は、運動ボール二113と球面対偶をなして接続され、一方では、メインシリンダ二102及び脛支持部材二107の運動範囲を制限することができ、他方では、走行機構の運動をより柔軟自在にさせることができる。
【0025】
本発明に記載の多足ロボットは、起伏の多い山道に適用し、主に様々な災害が発生する時に傷病者を搬送するために用いられる。搬送する過程における傷病者の安全性と安定性を確保するために、本発明は、多足ロボットの脚部構造に対して革新的な設計を行った。
【0026】
先ず、従来技術におけるメカニカルドッグは、沢山の油圧装置と電気制御装置を採用しており、メカニカルドッグの運動過程の制御性を向上させたにもかかわらず、山道地域の各種の干渉が比較的に多いため、振動、風力又は磁界などの外部の干渉を受けた時、油圧装置と電気制御装置は暴走しやすく、メカニカルドッグの通常動作に影響を与える。災害が発生した時に、このタイプのメカニカルドッグを採用して人を救援する場合、起伏の多い山道に足止めされ、傷病者が二回目閉じ込められてしまうリスクが存在する。本発明における脚部構造は、電気制御構造を沢山の機械構造に変換し、このように、振動、風力又は磁界などの外部の干渉を受けた時、機械構造を本体とする脚部構造の運動は、影響を受けることがなく、運動過程がより安定であり、起伏の多い山道環境で傷病者を搬送することに適する。本発明に記載の多足ロボットは、六つの脚部構造を含み、このように、地面との接触面積がより大きくなり、運動の安定性がより高くなり、起伏の多い山道を走行する時に、転倒が発生しにくく、上方に位置する傷病者を保護する役割を果たし、傷病者がロボットと共に転倒して二次被害を受けることが回避される。
【0027】
次に、本発明の脚部構造は、人間の脚部構造を模倣し、股、膝、脛及び足板の四つの部位に分けて、メインシリンダ一とメインシリンダ二は、股を構成し、膝運動ボールは、膝として、脛運動シリンダ、脛支持部材一及び脛支持部材二は、脛とする。両側に配置されるメインシリンダ一とメインシリンダ二を採用して股を構成し、メインシリンダ一とメインシリンダ二の運動を制御することにより、脛部位に異なる方向及び大きさの付勢力を受けさせることができ、脛部位の運動形式をより多様化にさせ、起伏の多い山道に傷病者を搬送する需要を満たす。膝運動ボールを膝として設け、且つ膝運動ボールとメインシリンダ一及び脛運動シリンダとの間の接続方式を球面対偶をなして接続させることにより、ロボットの脚部構造の運動をより柔軟にさせることができるとともに、運動溝の位置制限作用によって、ロボットの脚部構造を一定のストローク範囲内のみで運動させることができ、起伏の多い山道を走行する安定性を確保し、転倒が回避される。そして、本発明に記載の多足ロボットは、起伏の多い山道を走行し振動を受けた時、膝運動ボールの設置、及びそれと股、脛部位との接続方式は、一部の振動を緩和することができ、上方に着座する傷病者の安全が確保される。
【0028】
さらに、従来技術におけるメカニカルドッグなどのロボットの殆どは、軸受を採用して膝関節とし、且つチェーン伝動構造を採用する。ソフト伝動を採用するチェーン固定は、両側の歯車を固着し、両側から中央に対して張力を加え、軸受に作用し、そして、残りの構造のいずれも軸受に支持されることである。このような設計では、軸受が過剰付勢力を受け、損傷しやすいようにする。本発明は、膝運動ボールを採用して脚部構造の膝関節とし、球面対偶をなして接続される方式によって付勢力を分散し、膝関節が比較的に集中する付勢力を受けることを回避し、そして本発明における脚部構造は、チェーン伝動を採用せず、接続ロッドを採用して伝動し、接続ロッドによって接続される箇所を下の脛支持部材二に配置し、このように、両側から中央に張力を加えても、接続ロッドによってその一部の張力を受けることができ、膝運動ボールに対する応力集中を減少し、膝運動ボールの寿命を長くする。なお、メインシリンダ一、メインシリンダ二、脛運動シリンダ、接続ロッド及び伝動機構の多重作用で、脚部構造の運動をより柔軟にさせることができ、本発明に記載のロボットは、起伏の多い山道を走行する時、運動全体がより調和し、より柔軟且つ便利になり、窪地に嵌まり込んで抜け出せなくなることはない。
【0029】
各脚部構造は、一つの伝動機構200に対応する。図8に示すように、前記伝動機構200は、順次に設けられるサーボモータ201と、スプライン軸204と、十字型ユニバーサルジョイント一205と、接続軸一206と、十字型ユニバーサルジョイント二207と、接続軸二208と、十字型ユニバーサルジョイント三209と、接続軸三210と、接続ホイール211とを含む。前記サーボモータ201の出力軸上に、遊星減速機202が取り付けられる。前記サーボモータ201の出力軸は、ジョイント203によってスプライン軸204の一方端に接続され、スプライン軸204の他方端は、十字型ユニバーサルジョイント一205によって接続軸一206の一方端に接続され、接続軸一206の他方端は、十字型ユニバーサルジョイント二207によって接続軸二208の一方端に接続され、接続軸二208の他方端は、十字型ユニバーサルジョイント三209によって接続軸三210の一方端に接続され、接続軸三210の中部に軸受一212が嵌設される。前記接続軸一206は傾斜して設けられる。十字型ユニバーサルジョイント三209は、ステアリングする時、脚部が回動するが、本体が回動せず、上方に着座する傷病者をより快適にさせるためである。前記接続ホイール211は、接続軸三210の他方端に取り付けられ、前記メインシリンダ二102の上端は、軸受一212の外側に嵌設され、前記接続ロッド103の上端は、接続ホイール211に枢着して接続される。サーボモータ201は、モータ取り付けベース307上に取り付けられる。前記ステアリング牽引ケース405は、メインシリンダ二102の上端の外側に覆設される。
【0030】
サーボモータ201は動作して、スプライン軸204が回動するように駆動し、スプライン軸204は、接続軸一206が回動するように駆動し、接続軸一206は、接続軸二208が回動するように駆動し、接続軸二209は、接続軸三210が回動するように駆動し、接続軸三210は、軸受一212と接続ホイール211が回動するように駆動する。十字型ユニバーサルジョイントを採用して各軸を接続することにより、走行機構が起伏の多い山道を走行する時、伝動機構における各部材が振動衝撃を受けることを回避することができ、伝動機構における各部材の動作の安定性を確保し、伝動機構における各部材の使用寿命を長くする。メインシリンダ一101とメインシリンダ二102のシリンダロッドが伸縮運動を行う時、膝運動ボールに対する両者の共同付勢力は、脛支持部材の中心軸にあり、脚の上げ・下げ動作を実現する。接続ロッド103は、接続ホイール211に枢着して接続されるため、接続ホイール211は、回動する時、接続ロッドが運動するように駆動し、さらに、脛支持部材二107に付勢力を与え、接続ロッドの下端に接続される脛支持部材二107を運動させる。脛支持部材二の上端は、膝運動ボールと球面対偶をなして接続されるため、接続ロッドの駆動で、脛支持部材二107は、一定の角度範囲内で回動し、脛の上げ・下げ動作に補助役割を果たす。脛運動シリンダ105、脛支持部材一106と足板108は、シーソー構造を形成し、脛運動シリンダ105のシリンダロッドが延びると、脛支持部材一106[G1]の上端が下に向けて運動するよう駆動し、脛支持部材一106[G2]の底部に設けられる足板108が上がり、脛運動シリンダ105のシリンダロッドが収縮すると、脛支持部材一106[G3]の上端が上に向けて運動するように駆動し、脛支持部材一106[G4]の底部に設けられる足板108が下がる。本発明に記載の多足ロボットの主な用途は、起伏の多い山道で傷病者を救援することであるため、本発明は、伝動機構によって接続ロッドが運動するように駆動することを設計し、このように、ロボットは、泥だらけの地域で足板が陥っても、伝動機構によって接続ロッドが複数のシリンダの運動と協働するように駆動することができ、簡単に離れることができ、ロボット全体の運動をより協調にさせる。
【0031】
図9に示すように、前記ステアリング機構300は、モータ301と、ウォームギヤ構造と、牽引構造とを含み、前記ウォームギヤ構造は、モータ301の出力軸上に取り付けられるウォームホイール302と、ウォームホイール302に伝動して嵌合されるウォーム303とを含み、前記牽引構造の数の数は二つであり、それぞれは一対の脚部構造のうちの二つの脚部構造に一対一で対応し、前記牽引構造の一方端は、ウォーム303の端部に接続され、他方端は、ダンパ機構又は伝動機構に接続される。前記牽引構造は、牽引ブロック一304と、牽引ブロック二305と、折り畳みブロック306とを含み、前記折り畳みブロック306は、ヒンジ構造を採用し、回動して接続されるヒンジ構造部一とヒンジ構造部二とを含み、前記牽引ブロック一304の下端は、軸受四309によってウォーム303の端部に接続され、上端は、牽引ブロック二305の一方端に接続され、牽引ブロック二305の他方端は、ヒンジ構造部一に接続され、ヒンジ構造部二は、ステアリングアクティブベース405に接続される。
【0032】
モータ301は動作して、ウォームホイールが回動するように駆動し、ウォームホイールに?み合って接続されるウォームは、その軸方向に沿って左右移動し、ウォームの両端に設けられる牽引構造は、ウォームとともに左右移動し、さらに、牽引構造に接続されるステアリングアクティブベース404が一緒に運動するように駆動する。ステアリングアクティブベースとダンパベースとの間は、球面対偶をなして接続されるため、ステアリングアクティブベースがウォームギヤ機構とともに運動する時、走行機構のステアリングを実現することができる。本発明は、ウォームギヤ構造を採用してステアリング牽引を行い、多足ロボットのステアリングの精度と正確度を向上させることができ、このように、起伏の多い山道を走行する時、より安全である。そして走行機構は、起伏の多い山道を走行する時、ガタツキが発生しやすく、折り畳みブロックをヒンジ構造として設計することにより、走行機構にガタツキが発生しても、走行機構によって受けられた振動力が上に向けて伝達される過程において、二つのヒンジ構造部が相対的に移動し、振動力が他の剛性的に接続される部材に伝達され他の部材を損傷することを回避する。
【0033】
図10図11に示すように、前記ダンパ機構400は、ダンパベースと、メインダンパ401と、サブダンパと、ステアリングアクティブベース404と、ステアリング牽引ケース405とを含む。前記メインダンパとサブダンパのいずれもばね又は減衰器を採用する。前記メインダンパ401の数は一つであり、サブダンパの数は二つであり、それぞれはサブダンパ一402とサブダンパ二403であり、二つのサブダンパは、メインダンパ401の下方の両側に対称して設けられる。
【0034】
前記ダンパベースは、バックプレート406と、上から下に向けてバックプレート406の外側壁上に順次に設けられる上ダンパ板407及び下ダンパ板408と、バックプレート406の上方に順次に設けられるメインダンパ上固定ベース409及びサブダンパ上固定ベース410とを含み、前記メインダンパ401の上端は、メインダンパ上固定ベース409上に取り付けられ、下端は、上ダンパ板407上に取り付けられ、前記サブダンパの上端は、サブダンパ上固定ベース410上に取り付けられ、下端は、下ダンパ板408上に取り付けられ、前記上ダンパ板407の一方端は、バックプレート406上に接続され、他方端は、ステアリングアクティブベース404と球面対偶をなして嵌合され、前記下ダンパ板408の一方端は、バックプレート406に接続され、他方端は、ステアリングアクティブベース404と球面対偶をなして嵌合され、前記ステアリング牽引ケース405は、ステアリングアクティブベース404に接続される。前記バックプレート406の内側壁上にモータ取り付けベース307が取り付けられ、前記モータ301は、モータ取り付けベース307上に取り付けられ、前記メインダンパ上固定ベース409は、モータ取り付けベース307の最上部に取り付けられる。メインダンパ上固定ベース409をモータ取り付けベース上に取り付けて、ダンパベースと一体に設計するものではない。これは、構造全体の間の接続の安定性を確保し、複数回の激しい運動の過程で崩れることを回避するためである。前記モータ取り付けベース307の上方に位置規制板308が設けられ、前記位置規制板308の端部は、メインダンパ上固定ベース409上に接続され、位置規制板308は、モータ301とサーボモータ201の取付構造の安定性を確保するために用いられる。前記サブダンパ上固定ベース410は、モータ取り付けベース307の側壁上に取り付けられる。前記ステアリングアクティブベース404は、ステアリングアクティブベース体411と、ステアリングアクティブベース体411に順次に開設される運動溝三412及び運動溝四413とを含み、前記上ダンパ板407の端部に運動ボール三414が設けられ、前記運動ボール三414は、運動溝三412内に嵌め込まれて取り付けられ、且つ運動溝三412と球面対偶をなして嵌合され、前記下ダンパ板408の端部に運動ボール四415が設けられ、前記運動ボール四415は、運動溝四413内に嵌め込まれて取り付けられ、且つ運動溝四43と球面対偶をなして嵌合される。
【0035】
走行機構は、起伏の多い山道を走行する時、激しい運動が発生した場合、足板によって受けられた振動力は、走行機構に沿って上に向けて伝達され、メインシリンダ二の上端に伝達される時、メインシリンダ二の上端に接続されるステアリング牽引ケースは、上に向けて振動し、多足ロボット全体の自体の重量の作用で、一部の振動を相殺することができる。さらに一部の振動力は、ステアリング牽引ケースに沿って中間位置に伝達され、ステアリング牽引ケースは、振動力をステアリングアクティブベースに伝達し、ステアリングアクティブベースは、先ず下側に位置する下ダンパ板を介して振動力を二つのサブダンパに伝達し、二つのサブダンパは、一部の振動を相殺することができ、ステアリングアクティブベースは、さらに、上方に位置する上ダンパ板を介して、振動力を上ダンパに伝達し、上ダンパは、一部の振動を相殺することができる。メインダンパ上固定ベースは、上に向けて凸となる弧状であり、この構造は、再湾曲設計であり、ある程度のダンパ役割を果たすことができる。本発明におけるダンパ構造は、メインダンパと二組のサブダンパを採用してダンパするだけではなく、構造全体の剛性を利用してダンパを行い、最大限に振動を相殺し、ロボットの安定性を確保する。本発明に記載の多足ロボットは、起伏の多い山道環境で傷病者を搬送するために用いられるため、使用環境の特殊性の観点から考えると、本発明におけるダンパ構造は、多層の空間配置、吊り下げダンパの方式を採用してダンパ効果を強化し、メインダンパ[G5]とサブダンパは、上から下向けて順次に配置され、そしてメインダンパとサブダンパは傾斜して設けられ、上下の空間ずれを形成し、このように、斜めの反力によって振動の発生を緩和し、重力又は反力で直接に抑えるのではなく、ダンパ効果を最大限に利用することができるとともに、上方に着座する傷病者に影響を与えることがない。
【0036】
以上に記載の実施例は、本発明の好ましい実施の形態を記述するものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の設計趣旨を逸脱しない前提で、当業者は、本発明の技術案に対して行った各種の変形と改良のいずれも、本発明の特許請求の範囲に決定される保護範囲内に属する。
【符号の説明】
【0037】
100、走行機構、101、メインシリンダ一、102、メインシリンダ二、103、接続ロッド、104、膝運動ボール、105、脛運動シリンダ、106、脛支持部材一、107、脛支持部材二、108、足板、109、球体、110、運動溝一、111、運動溝二、112、運動ボール一、113、運動ボール二、114、軸受二、115、軸受三、200、伝動機構、201、サーボモータ、202、遊星減速機、203、ジョイント、204、スプライン軸、205、十字型ユニバーサルジョイント一、206、接続軸一、207、十字型ユニバーサルジョイント二、208、接続軸二、209、十字型ユニバーサルジョイント三、210、接続軸三、211、接続ホイール、212、軸受一、300、ステアリング機構、301、モータ、302、ウォームホイール、303、ウォーム、304、牽引ブロック一、305、牽引ブロック二、306、折り畳みブロック、307、モータ取り付けベース、308、位置規制板、309、軸受四、400、ダンパ機構、401、メインダンパ、402、サブダンパ一、403、サブダンパ二、404、ステアリングアクティブベース、405、ステアリング牽引ケース、406、バックプレート、407、上ダンパ板、408、下ダンパ板、409、メインダンパ上固定ベース、410、サブダンパ上固定ベース、411、ステアリングアクティブベース体、412、運動溝三、413、運動溝四、414、運動ボール三、415、運動ボール四、500、安定化機構、600、支持機構、601、支持ロッド
図1
図2
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図11