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特開2022-120839レゼクトスコープ用の電極器具およびレゼクトスコープ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120839
(43)【公開日】2022-08-18
(54)【発明の名称】レゼクトスコープ用の電極器具およびレゼクトスコープ
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20220810BHJP
   A61B 17/94 20060101ALI20220810BHJP
   A61B 1/307 20060101ALI20220810BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20220810BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B17/94
A61B1/307
A61B1/00 622
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022016557
(22)【出願日】2022-02-04
(31)【優先権主張番号】10 2021 102 736.5
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】510320416
【氏名又は名称】オリンパス・ウィンター・アンド・イベ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ブロックマン
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・クノプフ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・オフト
【テーマコード(参考)】
4C160
4C161
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK16
4C160KK39
4C160MM54
4C161AA15
4C161CC09
4C161HH57
(57)【要約】      (修正有)
【課題】レゼクトスコープなどの高周波器具であって、体組織を処置するため、特にこの組織を切除または操作するために使用され、洗浄液が電極器具によって妨害され、発生する乱流によって手術者の視界が制限されることがない電極器具を提供する。
【解決手段】それぞれ1つの電気接点であって、アクティブ接点28およびリターン接点29を有する2つの電極シース管26、27が、電極23から電極器具22の近位端領域24へ通じていることによって達成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レゼクトスコープ(10)用の電極器具(22)であって、遠位端(14)に電極(23)を有し、近位端(24)で電気接点を介して前記レゼクトスコープ(10)のトランスポータ(17)に着脱可能に結合されるものにおいて、
2つの電極シース管(26、27)が前記電極(23)から前記近位端(24)へ通じており、前記電気接点として、一方がアクティブ接点(28)、他方がリターン接点(29)を有することを特徴とする、電極器具。
【請求項2】
前記電気アクティブ接点(28)が電極シース管(26)内に電気的に絶縁して配置され、前記電気リターン接点(29)が電極シース管(27)のシースによって形成されているか、または少なくとも1つの電極シース管の前記シースと導電的に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の電極器具。
【請求項3】
前記アクティブ接点(28)は、電気的接触のために、前記近位端(24)において前記電極シース管(26)から突出していることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の電極器具。
【請求項4】
前記電極シース管(26、27)の少なくとも遠位区分と近位区分(32、33)が互いに平行に延びており、好ましくは前記電極シース管(26、27)がその全長にわたって互いに平行に延びていることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電極器具。
【請求項5】
前記電極シース管(26)の近位区分および遠位区分(32、33)の長手軸が共通の第1の平面上に位置し、前記電極シース管(27)の近位区分および遠位区分(32、33)の長手軸が共通の第2の平面上に位置し、前記第1の平面および前記第2の平面が互いに平行に配置され、前記電極シース管(26、27)の間隔がそれらの全長にわたって同じであることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の電極器具。
【請求項6】
前記電極シース管(26、27)の前記近位区分(32)、特に前記アクティブ接点(28)および前記リターン接点(29)が、少なくとも24mm、好ましくは少なくとも40mmの長さにわたって真っ直ぐに形成され、および/または、前記電極シース管(26、27)の前記遠位区分(33)が、少なくとも100mm、好ましくは少なくとも200mmの長さにわたって真っ直ぐに形成されていることを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電極器具。
【請求項7】
前記電極シース管(26、27)の遠位区分(33)の遠位長手軸が、前記電極シース管(26、27)の近位区分(32)の近位長手軸に対してそれぞれ少なくとも1つのオフセット(30)を有することを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の電極器具。
【請求項8】
前記オフセット(30)が2.5mm~3.5mm、特に2.7mm~3.1mm、好ましくは2.9mmであることを特徴とする、請求項7に記載の電極器具。
【請求項9】
前記オフセット(30)が最大30mm、好ましくは最大15mmの長さでS字形に形成されていることを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の電極器具。
【請求項10】
前記近位区分(32)における前記電極シース管(26、27)の前記間隔が、5.4mm~5.8mm、好ましくは5.6mm、および/または前記遠位区分(33)における前記電極シース管(26、27)の前記間隔が、5.4mm~5.8mm、好ましくは5.6mmであることを特徴とする、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の電極器具。
【請求項11】
前記電極シース管(26、27)の直径が1mm~1.4mm、好ましくは1.2mmであり、前記電極シース管(26、27)の断面が、少なくとも部分的に、好ましくは前記電極シース管(26、27)の全長にわたって円形または円形状に形成されていることを特徴とする、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の電極器具。
【請求項12】
前記近位区分において前記電極(23)のすべての構成要素、特に前記リターン接点(29)の構成要素が、前記シース管(26、27)から延長された包括円筒面内にあり、かつ前記円筒面から径方向に突出しないことを特徴とする、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の電極器具。
【請求項13】
前記電極シース管(26、27)が、前記遠位区分(33)における少なくとも1つのガイド要素(25)、特に2つのガイド要素(25)を介して、好ましくは前記遠位区分(33)における第1のガイド要素(25)と前記近位区分(32)における第2のガイド要素(25)とによって接続されていることを特徴とする、請求項1~請求項12のいずれか1項に記載の電極器具。
【請求項14】
請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の電極器具(22)を備えるレゼクトスコープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載のレゼクトスコープ用の電極器具に関する。さらに、本発明は、請求項14に記載のレゼクトスコープに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書中に記載されるレゼクトスコープなどの高周波機具は、医療において、体組織の処置、特にこの組織の切除またはマニピュレーションするために使用される。その場合、典型的な用途は、泌尿器科での用途である。その一例として、前立腺切除術が挙げられる。使用される高周波ツールは、高周波発生器に接続される電極またはHF電極であり得、発生器は、手術者によりスイッチで作動および作動停止させることができる。高周波電流により、電極にプラズマが形成される。導入された熱エネルギー、およびプラズマと組織との相互作用にもとづいて、これらのHF電極は組織を処置するのに特に適している。
【0003】
組織をマニピュレーションするために、電極は切断ループまたはボタン電極として、しかしさらに針、ローラ、テープなどとして形成することができ、これらは高周波電圧がオンにされた場合に、非常に容易に、かつ切除されるべき体組織による抵抗をほとんど受けることなしに動かすことができる。体組織を切断する他に、組織を別様にマニピュレーションすることもできる。そのために、様々な高周波ツールまたは様々な電極が処置のために用いられることが企図されている。
【0004】
電極は、電極器具を介してレゼクトスコープのトランスポータまたは作動要素と解除可能に係止されている。体組織の処置中、電極を有する電極器具がレゼクトスコープの長手方向に沿って動かされる。レゼクトスコープが能動的レゼクトスコープであるのか、受動的レゼクトスコープであるのかに応じて、トランスポータまたはキャリッジが圧縮ばねまたは引張ばねによってグリップユニットを有する本体に接続される。
【0005】
既知の電極器具は、分岐した基本形状を有する。その場合、2つのフォークパイプが遠位端に電極のそれぞれ1つの端を有している。これらのフォークパイプは、近位端の方向に互いに近づき、共通の電極シース管に合流する。電極器具のこの実施形態では、電極のアクティブ電流経路またはアクティブ接点が、電極シース管の内部を通って導かれるのに対して、電流経路の帰還またはリターン接点はシース管の外側シースを介して導かれる。電極器具の分岐は、通常、レゼクトスコープの遠位端領域において行われる。
【0006】
電極機器の他に、例えば光学系などの他の構成要素がトランスポータによって導かれることが考えられる。この光学系は、手術中にカメラによって、または直接接眼レンズを通して体内の処置空間を見ることを手術者に可能にするロッドレンズシステムまたは導光器として形成され得る。特に電極を使用する場合、手術者が切断過程を無制限に見ることができるということがなにより重要である。したがって、光学系の遠位端は、手術者の視野が直接電極に向けられ、電極の動きが光学系の動きと結合されるように位置合わせされる。
【0007】
組織が切断された場合、発生する気泡と出血とが手術者の視界を曇らせる可能性がある。これに対処するために、レゼクトスコープの遠位端の前の領域が洗浄液で洗い流される。液体は、レゼクトスコープのシャフトを通して送られ、遠位端で流出する。その場合、クリアな視界のために、流出する洗浄液が可能な限り層状の挙動を示すことが重要である。特に、出口端、すなわちレゼクトスコープの遠位端で洗浄液の流れが妨害されない場合に、最適化された流れが達成可能である。
【0008】
しかしながら、電極器具の分岐によってこの種の妨害が行われる可能性がある。シャフトを通って流れる液体が分岐に当たり渦を生じる。洗浄液の渦流が乱流をもたらし、この乱流が手術者の視界にとって特に不利である。電極器具に沿って分岐の位置を変えた場合、電極器具が必要な機械的安定性を有さなくなる。全体として、電極を通電接点またはトランスポータと接続するために、分岐した基本形状が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の問題が解決される電極器具、およびレゼクトスコープを提供するという課題にもとづいている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題の解決策は、請求項1の特徴によって示される。それによれば、それぞれ1つの電気接点、すなわちアクティブ接点およびリターン接点を有する2つの電極シース管が電極から電極器具の近位端領域へ通じていることが企図されている。これらの2つの一貫した電極シース管によって、電極シース管の分岐を省略することができる。それによって、電極シース管に沿って電極器具の近位端から遠位端へ流れる洗浄液の渦流が回避される。
【0011】
好ましくは、アクティブ接点または対応する導電体が、電極シース管内に電気的に絶縁して配置され、リターン接点または対応する導電体が、電極シース管の外側シースによって形成されているか、または少なくとも1つの電極シース管のシースと導電的に接続されていることがさらに企図され得る。2つの接点をこのように分けることによって、電極器具の通電を特に簡単、効率的、かつ安全にすることができる。この通電によってトランスポータ内の電気的接触も容易になる。
【0012】
さらに、電極器具の近位端において電極の電気的接触のためのアクティブ接点が2つの電極シース管のうちの1つから突出すること、または電極シース管の外側でアクティブ接点の少なくとも1つの接触面に自由にアクセスできることが考えられる。アクティブ接点を形成する導電体を、好ましくは、対応する別の電極シース管に挿通することもでき、そこではこの導体は、電極シース管内で、電極シース管の近位端の少なくとも数センチメートル手前で終わる。
【0013】
さらに、本発明によれば、電極シース管の少なくとも遠位区分と近位区分が互いに平行に延び、好ましくは、電極シース管は、その全長にわたって互いに平行に延びることが企図されている。したがって、電極シース管は、レゼクトスコープ、またはシャフトおよび光学系に対しても平行に配向されている。電極シース管、特にすべての構成要素をこのように平行に配向されることによって、洗浄液の最適化された流れのパターンが生じる。したがって、電極シース管のこの平行性は、処置の場所の特にクリアな視界をもたらす。
【0014】
本発明によれば、電極シース管のうちの1つの近位区分および遠位区分の長手軸が共通の第1の平面上に位置し、もう1つの電極シース管の近位区分および遠位区分の長手軸が共通の第2の平面上に位置することも考えられる。その場合、第1の平面と第2の平面が互いに平行に方向合わせされ、それにより電極シース管の全長にわたって互いに同じ間隔を有する。したがって、近位区分が遠位区分に対してずらされず、そのことが洗浄液流の流れをもたらすことになる。むしろ、これらの区分のこの平行性によって、電極器具の全長にわたって電極シース管の上記の各区分の直線的な案内が達成される。このジオメトリによって、少なくともほぼ妨害のない流れのための最適な条件を提供することができる。
【0015】
本発明の別の好ましい例示的な実施形態は、電極シース管の近位区分、特にアクティブ接点およびリターン接点が、少なくとも24mm、好ましくは少なくとも40mmの長さにわたって真っ直ぐに形成されていることを企図する。端区分のこの直線的な形態によって、電極器具とトランスポータとの間の接触が特に有利または簡単になる。この寸法設定により、この電極器具を特に簡単にトランスポータと結合するか、または切り離すことができる。既存のシステムに対する別の利点は、長く真っ直ぐな区分によって、フレキシブルな領域を省略できることである。これにより、弾性変形のために使われる力が少なくて済むので、操作力が低減される。これに加えて、シールに横力が作用しない。さらに、キャリッジにおける電極と接触できるより大きい軸方向領域が可能にされる
【0016】
特に好ましくは、電極シース管の遠位区分が少なくとも100mm、好ましくは少なくとも200mmの長さにわたって直線的に形成されていることが企図され得る。遠位区分のこの直線的な形態は、シャフト内の洗浄液の層流を最適にもたらす。電極シース管を少なくとも遠位端区分の全長にわたってこのように直線的および平行に案内することによって、洗浄液の流動挙動がほとんど妨害されず、それにより光学系の前の渦流を阻止することができる。
【0017】
好ましくは、本発明は、電極シース管の遠位区分の遠位長手軸が、電極シース管の近位区分の近位長手軸に対してそれぞれ少なくとも1つのオフセットを有することをさらに企図する。レゼクトスコープの長手軸に沿う長手軸のこのオフセットは、例えば最大30mm、好ましくは15mmの長さでS字形に形成することができる。近位区分と遠位区分のこのオフセットによって、電極が特に有利に支持または位置決めされ、それと同時に、電極器具の近位端における電気接点が、トランスポータと結合するために有利な位置に運ばれる。その場合、オフセットは、遠位端における電流プロファイルへの影響を最小限に抑えるために、どちらかといえば電極器具の近位端の方向に配置される傾向がある。
【0018】
本発明の特に有利な一実施形態は、オフセットが2.5mm~3.5mm、好ましくは2.7mm~3.1mm、特に2.9mmであることを企図する。この種のオフセットが、電気的接触、機械的安定性のために、さらに洗浄液の層流のためにも特に有利であることがわかった。
【0019】
特に、本発明は、近位領域における電極シース管の間隔が5.4mm~5.8mm、好ましくは5.6mm、および/または遠位領域における電極シース管の間隔が5.4mm~5.8mm、好ましくは5.6mmであることを企図し得る。電極シース管のこの離間によって、一方ではレゼクトスコープのシャフトの空間が特に効率的に利用され、他方で、シャフトの内部において洗浄液、および、例えば光学系などの他の構成要素に十分な空間が残る。さらに、遠位区分における離間の利点は、内側シャフトと外側シャフトとの間に電極シース管を位置決めすることが可能なことである。近位区分における離間は、オフセットに加えて、キャリッジに接触のためのスペースを提供するために、光学系との距離を拡大できるという利点を有する。遠位区分と近位区分との等間隔も、電極シース管を一空間方向に旋回させさえすればよいので、電極器具の製造が簡素化されるという利点を有する。
【0020】
本発明の別の主要な特徴は、電極シース管の直径が1mm~1.4mm、好ましくは1.2mmであり、電極シース管の断面が少なくとも部分的に、好ましくは電極シース管の全長にわたって円形または円状に形成されているということであり得る。シース管のこの寸法設定は、器具の全長にわたって十分な機械的安定性を提供するため、特に有利である。さらに、この寸法設定は、切断電極に対応する電気エネルギーを供給するのに十分である。さらに、この寸法設定により、電極シース管を内側シャフトと外側シャフトとの間に、厳密には特に流れの断面積と、レゼクトスコープの機械的構成要素の製造性を最適に比較検討して位置決めすることが可能である。さらに、この種の寸法設定による電極器具は、手術者が特に良好に取り扱うことができ、特にトランスポータと結合する、または切り離すことができる。密封が最大直径で行われることが特に有利であることがわかる。その場合、トランスポータにおけるシールに比較的大きい要素を通す必要がない。特に、洗浄液の流動挙動に影響を及ぼさないために、円形状の断面形状とはごくわずかに異なるように電極シース管の圧着を行うことができる。
【0021】
さらに、電極、特にリターン接点のすべての構成要素が近位領域において、シース管の延長された包括円筒面内にあり、この円筒面から径方向に突出しないことが考えられる。
【0022】
さらに、電極シース管が、少なくとも1つのガイド要素またはガイドプレート、特に遠位区分における2つのガイド要素を介して、好ましくは遠位区分における第1のガイド要素および近位区分における第2のガイド要素によって接続されていることは本発明の有利な一発展形態であり得る。この種のウェブ状のガイド要素は、2つの電極シース管を接続し、それにより2つの電極シース管の相対位置が、機械的な力が作用した場合でも、少なくともほぼ一定のままである。さらに、少なくとも1つのガイド要素の断面が湾曲しているか、または円切片をなし、それによりガイド要素が、外側シャフトの内壁、光学系の外壁、または内側シャフト若しくは光学系の内壁/外壁に適合することが企図され得る。電極器具のガイド要素は、電極器具がシャフト/光学系の軸方向にのみ移動可能であるようにこれを固定する。
【0023】
ガイド要素は、洗浄液の流れが可能な限り妨害されないように形成されている。このために、ガイド要素がインフローからアウトフローに置き換えられる。少なくとも1つのガイド要素の端は、電極シース管の外側シースと固定的に接続されている。その場合、ガイド要素の端をシース管と固定的に接続する、すなわち接着、溶接、圧着、はんだ付け、係止等をすることができる。好ましくは、ガイド要素は金属製である。しかしガイド要素をプラスチックまたは複合材料から製造することもできる。
【0024】
冒頭で述べた課題の別の解決策は、請求項14の特徴により示される。それによれば、レゼクトスコープが請求項1~請求項13に記載の電極器具を有することが企図されている。この種のレゼクトスコープによって、処置の領域にHFプラズマを確実に供給可能であるとともに、この領域を洗浄液の可能な限り層状の流れによって良好に覗き見ることができる。
【0025】
以下に、電極器具のための好ましい実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】レゼクトスコープの模式図である。
図2】電極器具の模式的斜視図である。
図3図2による電極器具の上面図である。
図4図2による電極器具の側面図である。
図5図2による電極器具の遠位端の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1において、レゼクトスコープ10の可能な一実施例が示されている。このレゼクトスコープ10では、ここには破線でのみ示されている外側シャフト11が、内側シャフト12に押し嵌められている。内側シャフト12は、レゼクトスコープ10の遠位端14から近位端15へ延びる光学系13を収容または案内するために用いられる。遠位端14の前方で手術される領域を、光学系13を通して観察するために、ユーザは近位端15において接眼レンズ16を利用できる。
【0028】
レゼクトスコープ10の主要な構成要素は、トランスポータ17または作動要素である。このトランスポータ17は、とりわけ第1のグリップ手段18を有し、ばね要素19を介して第2のグリップ手段20および光学プレート21と接続されている。
【0029】
さらに、電極器具22は、内側シャフト12に沿ってレゼクトスコープ10の遠位端14からトランスポータ17まで延びる。電極器具22は、遠位端14に電極23を有する。この電極23は、組織をマニピュレーションするために用いられる図示されないHF発生器により電気エネルギーを供給することができる。
【0030】
電極器具22は、近位端24でトランスポータ17に係止されている。これによって、電極器具22を容易にトランスポータ17から切り離すことができるか、またはトランスポータ17に結合することができ、その一方で、トランスポータ17と共にレゼクトスコープ10の長手軸に沿って遠位方向または近位方向に動かすことができる。
【0031】
本発明によれば、図2に示される電極器具22は、2つの電極シース管26、27を有する。これらの電極シース管26、27は実質的に直線的に形成されている。電極シース管26、27は、それらの全長にわたって、すなわち遠位端14から近位端24まで互いに平行に延びる。電極シース管26、27の間隔は、5.4mm~5.8mm、好ましくは5.6mである。2つの電極シース管26、27は、遠位端において電極23によって機械的に互いに接続され、絶縁体31によって互いに電気的に絶縁されている。電極器具22にHF電圧を印加することによって、ここでは切断ループとして形成された電極23の周りにプラズマが形成される。電極器具22の電気的接触は、電極シース管26、27の2つの近位端を介して行われる。アクティブ接点28が電極シース管26の内部で近位端24から電極23まで絶縁されて延びるのに対して、電極シース管27の外側シースは、リターン接点29を形成している。すでに説明したように、これらの2つの接点28、29はトランスポータ17に差し込まれ、相応の導線を介して、ここに図示されないHF発生器と電気的に接続される。
【0032】
電極シース管26、27は、近位区分32が遠位区分33に対してそれぞれ1つのオフセット30を有するという点で直線的な形状から逸脱している。このオフセット30によって、個々の電極シース管26、27の近位区分32および遠位区分33の長手軸が相対して平行にずらされ、電極シース管26の近位区分32と遠位区分33が、電極シース管27の近位区分32と遠位区分33によって形成される第2の平面に対して平行に方向合わせされる第1の平面上に位置する。その場合、ずらされた長手軸間のオフセット30またはオフセット30は、2.5mm~3.5mm、その他に2.7mm~3.1mm、好ましくは2.9mmであり得る。このオフセット30は、階段状またはS字形に形成することができる。
【0033】
図2図4に示される電極器具22の実施例では、電極シース管26、27の直線的な遠位区分33が、少なくとも100mm、好ましくは200mmの長さを有することが企図されている。電極シース管26、27の少なくとも遠位区分33のこの形態によって、洗浄液の特に有利な層状の流れがシャフト11内に形成される。電極シース管26、27の直線的な近位区分32は、好ましくは24mm、好ましくは40mmの長さを有する。この寸法設定によって、接点28、29を、特に簡単かつ確実に取り扱うこと、またはトランスポータ17と結合することができる。
【0034】
さらなる機械的安定性のために、図2および図3に例示的に示されるように、2つの電極シース管26、27をガイド要素25を介して互いに結合することができる。これらのガイド要素25は、電極シース管26、27を互いに機械的に安定させるために用いられるが、とりわけ、内側シャフト12上で電極器具22を案内するためにも用いられる。レゼクトスコープ10の使用時に、ガイド要素25は、内側シャフト12の外側の外套面上に位置し、相応に動かした場合にシャフト軸に沿って摺動する。図5は、ガイド要素25の断面が円切片状に形成され、それによって内側シャフト12の外形に特に有利に従うことができることを示す。さらに、図5から、ガイド要素25がそれらの縁領域で電極シース管26、27に取り付けられている、またはこれらの縁領域が少なくとも部分的に電極シース管26、27の周りに延びることが見て取れる。これらのガイド要素25を金属材料から、あるいはこれに代えてプラスチックまたは複合材料から作製することができる。内側シャフト12の上方にガイド要素25が位置決めされているため、シャフト11を通って流れる洗浄液が、これらの金属板25の影響を受けない。
【0035】
シャフト11の限られた内部空間を最適に利用するために、電極シース管26、27の直径は、1.0mm~1.4mm、好ましくは1.2mmである。
【0036】
本明細書中に例示的に示されるレゼクトスコープ10の他に、本発明による電極器具22が別様に形成されたレゼクトスコープと接続されることも考えられる。
【符号の説明】
【0037】
10 レゼクトスコープ
11 外側シャフト
12 内側シャフト
13 光学系
14 レゼクトスコープの遠位端
15 レゼクトスコープの近位端
16 接眼レンズ
17 トランスポータ
18 グリップ手段
19 ばね要素
20 グリップ手段
21 光学プレート
22 電極器具
23 電極
24 電極器具の近位端
25 ガイド要素
26 電極シース管
27 電極シース管
28 アクティブ接点
29 リターン接点
30 オフセット
31 絶縁体
32 近位区分
33 遠位区分
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】