IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ Stork Visit株式会社の特許一覧

特開2022-120842エコー画像観察記録プログラム、エコー画像観察記録装置、及びエコー画像観察記録ネットワークシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120842
(43)【公開日】2022-08-18
(54)【発明の名称】エコー画像観察記録プログラム、エコー画像観察記録装置、及びエコー画像観察記録ネットワークシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20220810BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016777
(22)【出願日】2022-02-05
(31)【優先権主張番号】P 2021017869
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519001590
【氏名又は名称】Stork Visit株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129986
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓生
(72)【発明者】
【氏名】桐野 智江
(72)【発明者】
【氏名】長井 裕
(72)【発明者】
【氏名】中野 遼太郎
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD08
4C601DD09
4C601EE11
4C601GD04
4C601JC05
4C601JC06
4C601KK31
4C601KK35
4C601KK45
4C601KK47
4C601LL14
4C601LL21
4C601LL26
(57)【要約】
【課題】
超音波プローブ走査の不慣れな個人使用者に対しても、簡便な装置操作環境と、容易な超音波走査を可能とする。
【解決手段】
通信接続された超音波プローブの超音波画像をリアルタイム表示し、胎児観察画像として撮像する撮像処理部(12)において、超音波プローブで取得された超音波画像をリアルタイム表示する超音波画像部(210)と、超音波画像の画像調整操作及び撮像操作の操作ボタンを表示する操作表示部(211)とを上下又は左右に区画配置して表示する。このうち操作表示部のボタン操作によって胎児観察画像を撮像すると共に、撮像された胎児観察画像を、撮像時の妊娠経過日数又は日付情報からなる識別符号と紐付けして、特定の保存領域に保存する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波プローブが取得した超音波画像に基づいてエコー画像の観察記録を行うアプリケーションプログラムであって、
通信接続された超音波プローブの超音波画像をリアルタイム表示し、エコー画像として撮像する撮像処理部と、
撮像されたエコー画像、並びに、各エコー画像の撮像処理の際又はその後に当該エコー画像に関連して作成された付属データを、エコー画像に紐づけて前記特定の保存領域に保存するメモリ処理部と、
保存されたエコー画像又はその付属情報を、登録された特定の使用者の妊娠情報に基づくタイムライン上に、操作ボタンと共に一連表示する一連表示処理部と、
一連表示処理部によるタイムラン上に表示した操作ボタンのボタン操作に基づいて、メモリ部に保存されたエコー画像またはその付属情報を読み出して表示する読み出し処理部と、を具備してなり、
前記撮像処理部が、
超音波プローブで取得された超音波画像をリアルタイム表示する超音波画像部と、
超音波画像の画像調整操作及び撮像操作の操作ボタンを表示する操作表示部と、を上下又は左右に区画配置して表示し、
この操作表示部のボタン操作によって、撮像処理部がエコー画像を撮像すると共に、前記メモリ処理部が、撮像されたエコー画像を、撮像時の妊娠経過日数又は日付情報からなる識別符号と紐付けして、特定の保存領域に保存することを特徴とする、エコー画像観察記録プログラム。
【請求項2】
前記エコー画像が妊婦の胎児の画像であって、
前記一連表示処理部が、予め登録された特定の使用者の妊婦情報に基づいて、妊娠経過日数単位又は妊娠経過週数単位にカテゴリ化された複数のアイコンを選択可能に連ねて表示し、これら複数のアイコンはそれぞれ選択可能な操作ボタンを有するものであり、
また、前記メモリ処理部が、撮像された胎児観察画像を、使用者の妊娠経過日単位又は妊娠経過週単位に分類してアイコンごとに分類符号を紐付けするものであり、
前記連ねて表示した複数のアイコンのうち一のアイコンの操作ボタンのボタン操作によって、
前記読み出し処理部が、前記一のアイコンに紐付けされた胎児観察画像を読み出し、一のアイコンに紐づけされた胎児観察画像又は/及び付属データを表示することを特徴とする、請求項1に記載のエコー画像観察記録プログラム。
【請求項3】
前記メモリ処理部は、各妊娠経過日数単位又は妊娠経過週数単位または経過日付に対応した関連医療生活情報又は日付に対応した入力情報を、使用者の携帯情報端末内又はネットワーク上の共有記憶領域に保存可能であり、
一連表示処理部によるタイムラン上に表示した操作ボタンのボタン操作に基づいて、読み出し処理部が、保存された胎児観察画像の撮像された日付、又は表示当日の日付に対応した医療生活情報又は入力情報を読み出して表示することを特徴とする、請求項1~2のいずれかに記載のエコー画像観察記録プログラム。
【請求項4】
経過日数又は妊娠週数、超音波プローブによって撮像された胎児記録画像、又は、携帯情報端末に搭載されたカメラによって撮像された画像に基づき、使用者の下腹部として示す図柄上に、手のひらアイコンを、胎児の体の向きに応じた、探触子の特定位置、特定向きで表示する「サポート表示処理部」を具備することを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載のエコー画像観察記録プログラム。
【請求項5】
前記読み出し処理部が、撮像された胎児観察画像、並びに、各胎児観察画像の複数の付属データを読み出し、選択された妊娠経過日数又は日付情報の識別符号と共に、予め設定された表示画面内の特定位置にレイアウトして表示することを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の胎児観察記録プログラム。
【請求項6】
起動時の表示又は起動時の表示から連動表示されるメニュー表示において、特定の位置に緊急ボタンを常時表示してなり、緊急ボタンの押し下げによって、予め関係登録された特定の他の携帯情報端末への連絡通信を行うことを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の胎児観察記録プログラム。
【請求項7】
前記いずれかに記載の胎児観察記録プログラムを動作可能に備え、少なくともタッチパネル入力可能な表示画面を有した携帯情報端末と、
この携帯情報端末にリアルタイム画像を伝送可能に有線/無線接続された超音波プローブと、から構成され、
携帯情報端末の表示画面は、片手指で操作可能なタッチパネル式の操作画面を兼ねることを特徴とする、胎児観察記録装置。
【請求項8】
保存された特定の使用者IDの胎児観察記録情報の通信機能を備えた請求項7に記載の胎児観察記録装置と、前記使用者IDの名前を端末内に予め記録した連絡先情報と照合可能な、一または複数の関係者情報処理端末とを、ネットワークによって相互に情報通信可能に構成してなり、
胎児観察記録装置の携帯情報端末は、単独動作可能な使用者IDの認証端末として動作し、
関係者情報処理端末は、前記いずれかに記載の胎児観察記録プログラムを動作可能に備え、この関係者情報処理端末の胎児観察記録プログラムは、使用者IDに従属した副IDの認証端末として動作し、
使用者IDによる胎児観察画像及び付属データと、副IDによる付属データとからなる胎児観察記録情報を、使用者ID及び全ての副IDそれぞれの胎児観察記録プログラムによって共同編集可能に共有することを特徴とする、胎児観察記録ネットワークシステム。
【請求項9】
関係者情報処理端末の胎児観察記録プログラムは、使用者IDに対する関係属性(同居家族、非同居家族・親族、指導員、担当医、コミュニティーグループのいずれか)を特定した特定の副IDとして動作するものであり、
関係者情報処理端末の前記読み出し処理部が、特定の副IDに対応して予め記憶され又は入力された特定の副ID付属データ群から、選択された妊娠経過日数又は日付に対応する特定の副ID付属データを読み出し、
前記特定の副ID付属データを、選択された妊娠経過日数又は日付情報と共に、一連表示処理部又は読み出し処理部による表示画面内の特定位置に表示するものであり、
特定の副ID付属データは、使用者IDへの医療生活アドバイス情報とは異なる医療生活アドバイス情報からなることを特徴とする、請求項8に記載の胎児観察記録ネットワークシステム。
【請求項10】
特定の副IDの認証端末である関係者情報処理端末と従属対象の使用者IDの認証端末である携帯情報端末とは、表示予定日又は妊娠経過日数に応じた所定の入力情報からなる付属データを、他の携帯情報端末/関係者情報端末へ相互に予約送信可能であり、
予約送信先の関係者情報処理端末/携帯情報端末は、予めカレンダー機能又はスケジュール管理機能と時計機能を有するものであり、
使用者IDの認証端末である携帯情報端末の胎児画像観察プログラムは、当該携帯情報端末のカレンダー機能又はスケジュール管理機能と時計機能とに基づいて、当該予約送信当日に、付属データ又はスケジュール管理機能に記録されたスケジュール情報を表示する/スケジュール管理機能の表示画面上に反映されることを特徴とする、胎児観察記録ネットワークシステム。
【請求項11】
特定の使用者IDの認証端末である携帯情報端末は、副IDの認証端末である関係者情報端末との電話発信機能又はチャット通信機能を有すると共に請求項6に記載の胎児観察記録プログラムを動作可能に備え、起動時の表示又は起動時の表示から連動表示されるメニュー表示において、特定の位置に表示された緊急ボタンの押し下げによって、予め設定された特定の副IDの認証端末である関係者情報端末への電話発信、或いは、予め設定された特定の副IDの認証端末である関係者情報端末とのチャット通信機能を起動することを特徴とする、胎児観察記録ネットワークシステム。
【請求項12】
保存された特定の使用者IDの胎児観察記録情報の通信機能を備えた請求項7に記載の胎児観察記録装置を、複数の使用者IDによる各胎児観察記録装置として複数個備えた胎児観察記録ネットワークシステムであって、
それぞれの使用者IDの携帯情報端末は、各使用者IDの胎児観察記録情報の少なくとも一部を、情報通信可能なネットワーク上の記録領域で共有すると共に、前記記録領域上で、他の一または複数の使用者IDの使用者とコミュニティー通信可能なグループを形成可能であることを特徴とする、胎児観察記録ネットワークシステム。
【請求項13】
保存された特定の使用者IDの胎児観察記録情報の通信機能を備えた請求項7に記載の胎児観察記録装置と、
前記特定の使用者IDの胎児観察記録情報を編集記録データとしてデータ編集する編集情報処理端末と、をネットワーク通信可能に備えた胎児観察記録ネットワークシステムであって、
編集情報処理端末は、データ編集した編集記録データを前記特定の使用者IDの胎児観察記録情報の付属データとして、ネットワーク上の記録領域に記録することを特徴とする、胎児観察記録ネットワークシステム。
【請求項14】
保存された特定の使用者IDの胎児観察記録情報の通信機能を備えた請求項7に記載の胎児観察記録装置と、
前記特定の使用者IDの胎児観察記録情報を医療参考情報としてデータ収集可能な個人健康情報処理端末と、をネットワーク通信可能に備えた胎児観察記録ネットワークシステムであって、
個人健康情報処理端末は、データ収集した胎児観察記録情報に基づく医療生活情報を、前記特定の使用者IDの胎児観察記録情報の付属データとして、ネットワーク上の記録領域に記録することを特徴とする、胎児観察記録ネットワークシステム。
【請求項15】
超音波プローブが取得した超音波画像に基づいて、胎児観察記録、骨盤底筋機能評価、乳房緊満観察、又は乳がんチェックの少なくともいずれかの観察記録を行うアプリケーションプログラムであって、
通信接続された超音波プローブの超音波画像をリアルタイム表示し、観察記録画像として撮像する撮像処理部と、
撮像された観察記録画像、並びに、各観察記録画像の撮像処理の際又はその後に当該観察記録画像に関連して作成された付属データを、観察記録画像に紐づけて前記特定の保存領域に保存するメモリ処理部と、
保存された観察記録画像又はその付属情報を、登録された特定の使用者の妊娠情報に基づくタイムライン上に、操作ボタンと共に一連表示する一連表示処理部と、
一連表示処理部によるタイムラン上に表示した操作ボタンのボタン操作に基づいて、メモリ部に保存された観察記録画像またはその付属データを読み出して表示する読み出し処理部と、を具備してなり、
前記撮像処理部が、
超音波プローブで取得された超音波画像をリアルタイム表示する超音波画像部と、
超音波画像の画像調整操作及び撮像操作の操作ボタンを表示する操作表示部と、を上下又は左右に区画配置して表示し、
この操作表示部のボタン操作によって、撮像処理部が観察記録画像を撮像すると共に、前記メモリ処理部が、撮像された観察記録画像を、撮像時の日付情報を付加した識別符号と紐付けして、特定の保存領域に保存することを特徴とする、超音波画像観察記録プログラム。
【請求項16】
乳腺及びリンパ節を同一画像内で認識する超音波画像観察記録システムであって、
予め登録された大きさ、コントラスト、形状に関する閾値の照合データと、
照合データに基づいて画像分析により腫瘍の形状、輝度、及び腫瘍内に含まれる石灰化の病変を推定する硬度推定手段と、
評価結果を組み合わせ画像の形で出力する出力手段と、を備え、
乳腺及びリンパ節の石灰化を含む病変の評価結果を、当該エコー画像を含む画像の形で出力する、請求項15に記載の超音波画像観察記録システム。
【請求項17】
地域情報、専門情報を含む専門医データと、
データ照合手段と、専門医の紹介ボタンを含む画像の形で出力する出力手段を備える、請求項15に記載の超音波画像観察記録プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭などの非医療機関で個人使用者が自らの体内エコー画像を取得してエコー画像の観察記録を行うためのエコー画像観察記録プログラムに関する。また、前記エコー画像観察記録プログラムのアプリケーションを実行可能に備えたエコー画像観察記録装置、及び、前記エコー画像観察記録装置を含むエコー画像観察記録ネットワークシステムに関する。また、個人使用者が自らの体内エコー画像を取得してエコー観察記録を行うエコー画像観察記録ネットワークシステムに関する。前記エコー画像には妊娠中の胎児のエコー画像、サンゴの骨盤底筋のエコー画像、授乳期ないし非授乳期の乳腺・リンパ節のエコー画像が含まれる。中でも特に、本発明は、家庭などの非医療機関で個人使用者が自らの体内エコー画像を取得して胎児観察記録を行うための胎児観察記録プログラムに関する。また、前記胎児観察記録プログラムのアプリケーションを実行可能に備えた胎児観察記録装置、及び、前記胎児観察記録装置を含む胎児観察記録ネットワークシステムに関する。また、個人使用者が自らの体内エコー画像を取得してエコー観察記録を行うエコー画像観察記録ネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の超音波診断装置とその走査ナビゲートシステムであって、胎児の超音波画像の取得に関するものが開示される。
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の超音波診断装置の多くは、医療側の立場で使用され、医療従事者が熟練操作によって超音波画像を取得するためのものであった。このため、超音波プローブ走査の不慣れな個人使用者(妊婦等の非医療従事者)に対しても、簡便な装置操作環境と、容易な超音波走査を可能とするものではなかった。また、本発明は、エコー画像観察記録ネットワークシステムに関して、超音波プローブ走査の不慣れな個人使用者(非医療従事者)に対しても、簡便な装置操作環境と、容易な超音波走査を可能とするものではなかった。
【0005】
そこで本発明は、胎児観察記録プログラム、胎児観察記録装置、及び胎児観察記録ネットワークシステムに関して、超音波プローブ走査の不慣れな個人使用者(妊婦等の非医療従事者)に対しても、簡便な装置操作環境と、容易な超音波走査を可能とするものを提供することを課題とする。
【0006】
また、本発明は、エコー画像観察記録ネットワークシステムに関して、超音波プローブ走査の不慣れな個人使用者(非医療従事者)に対しても、簡便な装置操作環境と、容易な超音波走査を可能とするものを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、以下[1]~[15]の各手段を講じている。なお、各構成名ないし概念名の後に続けて記載する括弧内の数字列又は数字とアルファベットからなる文字列は、実施例として示す各図において構成ないし概念を把握するために便宜上付した符号であり、構成ないし概念の内容を限定するものではない。
【0008】
[1]本発明の胎児観察記録プログラムは、撮像操作表示を表示画面内で複数区画に分けて表示し、撮像画像を確認しながら容易に操作できることを特徴とする。
【0009】
すなわち本発明の胎児観察記録プログラムは、超音波プローブが取得した超音波画像に基づいて胎児観察記録を行うアプリケーションプログラムであって、
通信接続された超音波プローブによってリアルタイム表示された超音波画像に基づく胎児観察画像(動画または静止画)を撮像する撮像処理部(12)と、
撮像された胎児観察画像、並びに、各胎児観察画像の撮像処理の際又はその後に当該胎児観察画像に関連して(例えば画像ボタンから/同作成日で)作成された付属データ(テキスト/画像(動画または静止画)/音声データ)を、胎児観察画像に紐づけて前記特定の保存領域に保存するメモリ処理部(13)と、
保存された胎児観察画像又はその付属情報を、登録された特定の使用者の妊娠情報(出産予定日、誕生日、検診日、・・・)に基づくタイムライン上に、操作ボタンと共に一連表示する一連表示処理部(14)と、
一連表示処理部によるタイムラン上に表示した操作ボタンのボタン操作に基づいて、メモリ部に保存された胎児観察画像またはその付属情報を読み出して表示する読み出し処理部(15)と、を少なくとも具備してなり、
前記撮像処理部(12)が、
超音波プローブで取得された超音波画像をリアルタイム表示する超音波画像部(210)と、
超音波画像の画像(画角、拡縮、解像度、コントラスト)調整操作及び撮像操作の操作ボタンを表示する操作表示部(211)と、を上下又は左右に区画配置して表示(撮像操作表示)し、
このうち操作表示部内の操作によって、撮像処理部が超音波画像に基づく胎児観察画像を撮像すると共に、前記メモリ処理部が、撮像された前記胎児観察画像を、撮像時の妊娠経過日数又は日付情報からなる識別符号と紐付け(タグ付け)して、特定の保存領域に保存することを特徴とする。
【0010】
上記の構成であれば、撮像操作の際に、超音波画像部(210)と操作表示部(211)とを、画面ないし操作の表示領域内で上下又は左右に区画して半部ずつ配置表示することで、一の半部で超音波画像部(210)を確認しつつ他の半部で操作表示部(211)することとなる。これにより、片手操作をする場合、或いは音声認識による操作入力指示を行う場合のいずれにおいても容易に操作入力することができる。このため、妊婦本人によるプローブ走査を、誤操作させずに、容易に撮像操作することが可能となった。
【0011】
例えば実施例として示す図6(102a)(102b)、ないし図7(102a´)(102b´)各図の表示画面の上下2区分表示が本解決手段の「上下又は左右に区画配置して表示」に対応する。また、例えば実施例として示す図8(102d)、図9(103b)(103c)各図の表示画面の入力が、本解決手段の「付属データを、胎児観察画像に紐づけて前記特定の保存領域に保存するメモリ処理部(13)」に対応する。また、例えば実施例として示す図10(104b)の右上部、図12(105a)の上部の四角形枠内の目盛構造の表示が、本解決手段の「メモリ処理部が、撮像された前記胎児観察画像を、撮像時の妊娠経過日数又は日付情報からなる識別符号と紐付け(タグ付け)」に対応する。
【0012】
なお符号(102a)(102a´)は撮像処理部による撮像操作表示であり、符号(102b)(102b´)は撮像処理部と操作補助処理部による撮像操作表示である。
【0013】
なお、上記「上下又は左右に区画配置して表示」とは、2つの表示部それぞれの少なくとも一部分が、上下方向又は左右方向のいずれかの方向に配置されて表示画面内に表示されることを意味しており、2つの表示部が互いに重なって表示される部分を含んだ重複表示形態、2つの表示部が離間して表示される分離表示形態のいずれも含まれる。一方、2つの表示部が完全に重なって透過表示される完全重複表示や、切り替え操作によっていずれかの表示部が完全に消える切り替え表示の形態は含まれない。
【0014】
[2]前記胎児観察記録プログラムにおいてはさらに、妊娠経過日数又は妊娠経過週数に応じてカテゴリされた各カテゴリのアイコン表示と、アイコンごとのエコー画像又は付属データの連続表示を行うことを特徴とする。
【0015】
すなわち、前記一連表示処理部(14)が、予め登録された特定の使用者の妊婦情報に基づいて、妊娠経過日数単位又は妊娠経過週数単位にカテゴリ化された複数のアイコンを選択可能に連ねて表示し、これら複数のアイコンはそれぞれ選択可能な操作ボタンを有するものであり、
また、前記メモリ処理部が、撮像された胎児観察画像を、使用者の妊娠経過日単位又は妊娠経過週単位に分類してアイコンごとに分類符号を紐付け(タグ付け)するものであり、
前記連ねて表示した複数のアイコンのうち一のアイコンの操作ボタンのボタン操作によって、
前記読み出し処理部が、前記一のアイコンに紐付けされた胎児観察画像を読み出し、一のアイコンに紐づけされた胎児観察画像又は/及び付属データ(のうち、予め設定された特定種類のもの)を(選択して)表示することを特徴とする。
【0016】
上記の構成であれば、妊娠週のカテゴリ単位でアイコン化して分類することで、撮像画像を容易に管理でき、また妊娠経過日数単位又は妊娠経過週数単位のカテゴリごとの経過閲覧を直感的に操作することができる。
【0017】
例えば実施例として示す図4の各図における符号110A、110B、図10(104a)の各図における符号21E、或いは図11(104d)(104e)の各右上部における符号21ESのそれぞれが、本解決手段の「アイコン」に対応する。そして、図4(101a)の表示画面中央におけるアイコンの上下連続表示、及び図11(104d)の表示画面右上部におけるアイコンの2列4行表示が、本解決手段の「一連表示処理部」の処理内容に対応する。また、連続表示各アイコンのタップ操作から連動して表示される図4(101b)(101bT)及び図11(104e)が、本解決手段の「読み出し処理部」の処理内容に対応する。
【0018】
ただし、本解決手段の「連ねて表示」とは、複数アイコンのうち少なくとも一部のアイコン又はアイコン群を、表示画面内で特定方向に並べて又は重ねて連続又は連動表示することを意味し、特定方向に整列したアイコンのスクロール操作によって順に表示するスクロール表示、一覧表示したアイコン群内の選択操作によって拡大又はピックアップして表示する一覧拡縮表示、重ねて表示したアイコンのメクリ操作によって次枚/前枚のアイコンを表示するメクリ表示、本の開き頁風に左右に表示したアイコンのうち片側のメクリ操作によって次頁/前頁を表示する開き頁表示、のいずれをも含む。
【0019】
なお、各アイコン表示は、一又は複数の妊娠経過日又は妊娠経過週に対応して、胎児観察画像又は付属データを、該当する日付(日時)データと共に1種類以上含むものであればよい。胎児観察画像のみ、付属データのみを含むものでもよい。
【0020】
各アイコン表示が少なくとも1つ以上の胎児観察画像を含む場合には、各アイコン表示と胎児観察画像との紐付け関係の態様は、一の妊娠経過日数に対応して一枚の胎児観察画像を含むもの、一の妊娠経過日数に対応して複数の胎児観察画像を含むもの、一の妊娠経過週数に対応して当該妊娠経過週数に含まれる複数の胎児観察画像を含むもの、のいずれの態様でもよい。
【0021】
各アイコン表示が複数の胎児観察画像と紐付けされる場合、一のアイコンの操作ボタンのボタン操作によって、
前記読み出し処理部が、前記一のアイコンに紐付けされた全ての胎児観察画像及び/又は付属データを読み出し、当該読みだした胎児観察画像及び/又は付属データのうち、設定された特定種類のものを、妊娠経過日数又は日付情報と共に選択可能に連続表示する(スクロール表示/一覧表示/絵日記風表示する)ものとしてもよい。
【0022】
[3]前記いずれかに記載の胎児観察記録プログラムにおいてはさらに、妊娠経過日数ごとの情報表示を行う。すなわち、
メモリ処理部は、各妊娠経過日数単位又は妊娠経過週数単位に対応した関連医療生活情報又は日付に対応した入力情報(記念日、区切りの日)を、使用者の携帯情報端末内又はネットワーク上の共有記憶領域に予め保存可能であり、
一連表示処理部によるタイムラン上に表示した操作ボタンのボタン操作に基づいて、読み出し処理部(15)が、保存された胎児観察画像の撮像された日付に対応した医療生活情報又は入力情報を、予め保存した医療生活情報群から読み出して表示することを特徴とする。
例えば後述の実施例の図4(101b)における関連医療生活情報表示(116)(116A)の表示画面、或いは、図4(101bT)における、関係者情報端末(T1)への関連医療生活情報表示(116)(116T)ないしカウントダウン表示(116CD)の表示画面が、本形態の読み出し表示に対応する。特に図4(101bT)の関連医療生活情報表示(116)(116T)は、関係者情報端末(T1)の関係者IDの属性を「同居家族又は夫」と予め設定したことで、当該ID属性である「同居家族又は夫」に向けた医療情報や生活情報を表示するものであり、この情報は、メインの使用者ID、或いは他の関係者IDの属性の情報処理端末へ表示する内容とは異なる。図1図15に示す本システムにおいては、データベース(DB)にて予め関係者属性の種別を「同居家族又は夫」「非同居家族又は親族」など分類し、各属性種別に対応した関連医療生活情報を、各妊娠経過日数単位又は妊娠経過週数単位で予め入力しておき、本プログラムにてデータを読み出して該当の情報処理端末に表示するものとしている。
また、後述の図9(103c)にて入力された「入力情報」(26T)(26R)が、上記構成における「入力情報」に対応する。図9(103c)は、関係者情報端末(T1又はT2)にて入力された画面を示しており、当該画面にて入力された送信予定日(26D)、送信者名(26N)、テキスト又は音声の入力情報(26T)(26R)が、決定ボタン(26E)の押し下げによって関係者IDの携帯情報端末から使用者IDの携帯情報端末へ予約送信され、図11(104d)に示すように、送信予定日当日に、使用者IDの情報端末(T1)に予約送信通知(260)のボタンを点滅表示させ、予約送信通知(260)のボタンの押し下げによって、図11(104e)に示すような、関係者情報端末(T1/T2)から予約送信された入力情報(26T)(26R)、送信予定日(26D)、送信者名(26N)からなる入力情報が表示される。
【0023】
[4]前記いずれかに記載の胎児観察記録プログラムにおいてはさらに、
経過日数又は妊娠週数、超音波プローブによって撮像された胎児記録画像、又は、携帯情報端末に搭載されたカメラによって撮像された画像に基づき、使用者の下腹部として示す図柄上に、手のひらアイコンを、胎児の体の向きに応じた、探触子の特定位置、特定向きで表示する「サポート表示処理部」を具備することを特徴とする。
例えば後述の実施例の図6の撮像処理部(210)の左下に差し込み表示された画像(図6左の部分拡大図の画像)が、サポート表示処理部(210)に対応する。図6のサポート表示処理部(210)の例は、使用者の下腹部として示す図柄(261)上に、前回の撮像画像に基づく画像解析によって抽出した、胎児のシルエット映像(263)及び妊婦のお腹のへその図柄(261b)を描写し、さらに、サポート表示処理として、撮像時点のリアルタイムの超音波探触子の位置・向きを示す手のひらアイコン(202P)と、超音波探触子の位置を胎児の頭部(263H)の位置に近づけるための誘導矢印(262V)のアイコンとを表示している。このサポート表示処理は、直近に撮像された下腹部の可視画像/胎児観察画像と、リアルタイムで撮像されている超音波撮像画像とを、腹部のへそ(261b)の位置を基準として重ね合わせることで、探触子を動かすべき最適走査方向としてアニメーション表示する処理である。この表示処理によって、妊婦自らによる超音波走査をサポートすることができる。
【0024】
[5]前記いずれかに記載の胎児観察記録プログラムにおいてはさらに、
前記読み出し処理部が、撮像された胎児観察画像、並びに、各胎児観察画像の複数の付属データを読み出し、選択された妊娠経過日数又は日付情報と共に、予め設定された表示画面内の特定位置にレイアウトして表示することを特徴とする。
【0025】
例えば図11(104C)、図12(105a)(105b)の表示画面が本構成に対応する。これは、撮像された胎児観察画像(21E)、並びに、各胎児観察画像の付属データ(入力されたテキスト情報(21T)(26T)/画像データ(27)(動画または静止画)/音声データ(21S))を読み出し、選択された妊娠経過日数(21M)又は日付情報(21D)のいずれかの識別符号と共に、予め設定された画角の一画面内にレイアウト表示する。具体的には、胎児観察画像(21E)、識別符号入力設定されたテキスト、撮像と共に入力したテキスト情報(21T)の他、個人端末で入力できる他のデータ(動画、写真、音声、描画、任意画像の貼り付けなど)を取得データと紐付け(関連づけ)したデータセット(21D)を作成し(図10又は図12)、このデータセット(21D)をデータベース(DB)上に日付順に集めたデータセットグループ(21DG)として記録しておき、表示設定によって、取得したデータセットのうち設定された特定の情報だけ、設定された特定のレイアウトで表示する「妊娠ダイアリー」として表示または記録するものである。図10左図のようにアイコン21Eによって縮小して列表示するか、或いは図10右図や図11(104c)のようにタイムライン上に表示することで、妊娠記録日記としての使い勝手に優れると共に、プログラム起動の契機になる。
【0026】
[6]前記いずれかに記載の胎児観察記録プログラムにおいては、起動時の表示又は起動時の表示から連動表示されるメニュー表示において、特定の位置に緊急ボタンを常時表示してなり、緊急ボタンの押し下げによって、予め関係登録された特定の他の携帯情報端末への連絡通信を行うことを特徴とする。
例えば後述の実施例の図3図4、及び図5の各表示画面が本形態に対応する。図3図4、及び図5の各図では、表示画面右下に緊急ボタン(100E)のアイコンを常時表示してなり、この緊急ボタンの押し下げによって、図3(100b)や図5(101d)に示すような緊急のチャット機能や、図3(100c)に示すような緊急の通話機能が起動する。チャット機能は図5(101c)に示すような一斉連絡リスト(225L)の設定で予め一斉連絡先として登録しておいた連絡先へ、グル―プチャットによる文字通信回線を開く機能である。また通話機能は図5(101c)に示すような一斉連絡リスト(225L)の設定で予め緊急通話先(115C)として登録しておいた連絡先の情報処理端末(TH/T1/T2)への電話通信回線を開く(電話をかける)機能である。各機能いずれも、本プログラムの起動上で機能連携して実行できるものとしている。
【0027】
[7]本発明の胎児観察記録装置は、
前記いずれかに記載の胎児観察記録プログラムを動作可能に備え、少なくともタッチパネル入力可能な表示画面を有した携帯情報端末と、
この携帯情報端末にリアルタイム画像を伝送可能に有線/無線接続された超音波プローブと、から構成され、
携帯情報端末の表示画面は、片手指で操作可能なタッチパネル式の操作画面を兼ねることを特徴とする。
【0028】
また、上記胎児観察記録装置において、携帯情報端末はリアルタイムの撮像画像を取得可能なカメラ(1C)を有してなり、胎児観察記録プログラムの起動上で、前記カメラによる当該情報端末周囲の可視画像の撮像を静止画又は動画で取得・保存可能なものとしてもよい。例えば、後述する実施例の図8(102c)及び(102d)は、超音波画像の取得対象部である自らの腹部、及び、超音波走査者自らの顔の撮像映像(セルフポートレート)の静止画又は動画を表示画面に取得し、撮影ボタン(21E)で画像を保存できるようにしている。
【0029】
[8]
また、本発明の胎児観察記録ネットワークシステムは、前記いずれかの胎児観察記録プログラムを動作可能に備えた、複数の情報処理端末(携帯情報端末又は情報処理端末)が、無線の通信ネットワーク回線を介して相互に情報通信可能なシステムからなる。但し、複数の情報処理端末のうちいずれか一つは、胎児観察画像を取得する超音波プローブを備えた、妊婦である特定の使用者の情報端末であり、プログラムの使用者権限としてメインの使用者IDが付与されている。それ以外の処理端末は、前記使用者IDによって認証されるか或いは予め前記使用者IDの特定の使用者の名前情報を連絡先情報として記録した情報処理端末からなる。
さらにいえば、本発明の胎児観察記録ネットワークシステムは、保存された特定の使用者IDの胎児観察記録情報の通信機能を備えた前記[7]に記載の胎児観察記録装置と、前記使用者IDの名前を端末内に予め記録した連絡先情報(電話帳機能の電話帳データ)と照合可能な、一または複数の関係者情報処理端末とを、通信ネットワークによって相互に情報通信可能に構成してなり、
胎児観察記録装置の携帯情報端末は、単独動作可能な使用者IDの認証端末として動作し、
関係者情報処理端末は、前記いずれかに記載の胎児観察記録プログラムを動作可能に備え、この関係者情報処理端末の胎児観察記録プログラムは、使用者IDに従属した副IDの認証端末として動作し、
使用者IDによる胎児観察画像及び付属データと、副IDによる付属データとからなる胎児観察記録情報を、使用者ID及び全ての副IDそれぞれの胎児観察記録プログラムによって共同編集可能に共有することを特徴とする。
【0030】
[9]
関係者情報処理端末の胎児観察記録プログラムは、使用者IDに対する関係属性(同居家族、非同居家族・親族、指導員、担当医、コミュニティーグループのいずれか)を特定した特定の副IDとして動作するものであり、
関係者情報処理端末の前記読み出し処理部が、特定の副IDに対応して予め記憶され又は入力された特定の副ID付属データ(使用者IDへの医療生活アドバイス情報とは異なる医療生活アドバイス情報、予定日情報)群から、選択された妊娠経過日数又は日付に対応する特定の副ID付属データを読み出し、
前記特定の副ID付属データ(生活アドバイス情報、予定日情報)を、選択された妊娠経過日数又は日付情報と共に、一連表示処理部又は読み出し処理部による表示画面内の特定位置に表示するものであり、
特定の副ID付属データは、使用者IDへの医療生活アドバイス情報とは異なる医療生活アドバイス情報からなることを特徴とする。
【0031】
[10]
特定の副IDの認証端末である関係者情報処理端末と従属対象の使用者IDの認証端末である携帯情報端末とは、表示予定日又は妊娠経過日数に応じた所定の入力情報からなる付属データを、他の携帯情報端末/関係者情報端末へ相互に予約送信可能であり、
関係者情報処理端末/携帯情報端末は、予めカレンダー機能又はスケジュール管理機能と時計機能を有するものであり、
使用者IDの認証端末である携帯情報端末の胎児画像観察プログラムは、当該携帯情報端末のカレンダー機能又はスケジュール管理機能と時計機能とに基づいて、当該予約送信当日に、付属データ又はスケジュール管理機能に記録されたスケジュール情報を表示する/スケジュール管理機能上に反映されることを特徴とする。
【0032】
[11]
前記いずれかの胎児観察記録ネットワークシステムは、特定の使用者IDの認証端末である携帯情報端末は、副IDの認証端末である関係者情報端末との電話発信機能又はチャット通信機能を有すると共に前記[6]に記載の胎児観察記録プログラムを動作可能に備え、起動時の表示又は起動時の表示から連動表示されるメニュー表示において、特定の位置に表示された緊急ボタンの押し下げによって、予め設定された特定の副IDの認証端末である関係者情報端末への電話発信、或いは、予め設定された特定の副IDの認証端末である関係者情報端末とのチャット(グループチャット)通信機能を起動することを特徴とする。
なお、前記いずれかの胎児観察記録ネットワークシステムは、ボタンの押し下げによって、予め関係登録された特定の他の携帯情報端末への一斉連絡通信を行うと共に、チャット画面を起動するものでもよい。
[11]
特定の使用者IDの認証端末である携帯情報端末は、副IDの認証端末である関係者情報端末との電話発信機能又はチャット通信機能を有すると共に請求項6に記載の胎児観察記録プログラムを動作可能に備え、起動時の表示又は起動時の表示から連動表示されるメニュー表示において、特定の位置に表示された緊急ボタンの押し下げによって、予め設定された特定の副IDの認証端末である関係者情報端末への電話発信、或いは、予め設定された特定の副IDの認証端末である関係者情報端末とのチャット(グループチャット)通信機能を起動することを特徴とする、胎児観察記録ネットワークシステム。
【0033】
[12]
前記いずれかの胎児観察記録ネットワークシステムは、
保存された特定の使用者IDの胎児観察記録情報の通信機能を備えた前記[7]に記載の胎児観察記録装置を、複数の使用者IDによる各胎児観察記録装置として複数個備えた胎児観察記録ネットワークシステムであって、
それぞれの使用者IDの携帯情報端末は、各使用者IDの胎児観察記録情報を、情報通信可能なネットワーク上の記録領域で共有すると共に、前記記録領域上で、他の一または複数の使用者IDの使用者とコミュニティー通信可能なグループを形成可能であることを特徴とする。
[12]
保存された特定の使用者IDの胎児観察記録情報の通信機能を備えた請求項7に記載の胎児観察記録装置を、複数の使用者IDによる各胎児観察記録装置として複数個備えた胎児観察記録ネットワークシステムであって、
それぞれの使用者IDの携帯情報端末は、各使用者IDの胎児観察記録情報の少なくとも一部を、情報通信可能なネットワーク上の記録領域で共有すると共に、前記記録領域上で、他の一または複数の使用者IDの使用者とコミュニティー通信可能なグループを形成可能であることを特徴とする、胎児観察記録ネットワークシステム。
【0034】
[13]
前記いずれかの胎児観察記録ネットワークシステムは、
保存された特定の使用者IDの胎児観察記録情報の通信機能を備えた前記[7]に記載の胎児観察記録装置と、
前記特定の使用者IDの胎児観察記録情報を編集記録データ(フォトブック、カレンダーなどの製品記録データ)としてデータ編集する編集情報処理端末と、をネットワーク通信可能に備えた胎児観察記録ネットワークシステムであって、
編集情報処理端末は、データ編集した編集記録データを前記特定の使用者IDの胎児観察記録情報の付属データとして、ネットワーク上の記録領域に記録することを特徴とする。
[13]
保存された特定の使用者IDの胎児観察記録情報の通信機能を備えた請求項7に記載の胎児観察記録装置と、
前記特定の使用者IDの胎児観察記録情報を編集記録データ(電子媒体データ、フォトブック、カレンダーなどの製品記録データ(設計図))としてデータ編集する編集情報処理端末(編集機関、データ管理団体、企画会社等が有する)と、をネットワーク通信可能に備えた胎児観察記録ネットワークシステムであって、
編集情報処理端末は、データ編集した編集記録データを前記特定の使用者IDの胎児観察記録情報の付属データとして、ネットワーク上の記録領域に記録することを特徴とする、胎児観察記録ネットワークシステム。
【0035】
[14]
前記いずれかの胎児観察記録ネットワークシステムは、保存された特定の使用者IDの胎児観察記録情報の通信機能を備えた前記[7]に記載の胎児観察記録装置と、
前記特定の使用者IDの胎児観察記録情報を医療参考情報としてデータ収集可能な医療情報処理端末と、をネットワーク通信可能に備えた胎児観察記録ネットワークシステムであって、
医療情報処理端末は、データ収集した胎児観察記録情報に基づく医療生活情報を、前記特定の使用者IDの胎児観察記録情報の付属データとして、ネットワーク上の記録領域に記録することを特徴とする。
[14]
保存された特定の使用者IDの胎児観察記録情報の通信機能を備えた請求項7に記載の胎児観察記録装置と、
前記特定の使用者IDの胎児観察記録情報を医療参考情報としてデータ収集可能な個人健康情報(Personal Health Record)処理端末(医療情報処理端末、健康保険組合、保険会社、その他の健康情報管理団体(民間企業を含む)が有する。)と、をネットワーク通信可能に備えた胎児観察記録ネットワークシステムであって、
個人健康情報処理端末は、データ収集した胎児観察記録情報に基づく医療生活情報(康保険組合、保険会社、その他の健康情報管理団体(民間企業を含む))を、前記特定の使用者IDの胎児観察記録情報の付属データとして、ネットワーク上の記録領域に記録することを特徴とする、胎児観察記録ネットワークシステム。
【0036】
[15]
本発明の超音波画像観察記録プログラムは、超音波プローブが取得した超音波画像に基づいて、胎児観察記録、骨盤底筋機能評価、乳房緊満観察、又は乳がん観察記録の少なくともいずれかの観察記録を行うアプリケーションプログラムであって、
通信接続された超音波プローブの超音波画像をリアルタイム表示し、観察記録画像(動画または静止画)として撮像する撮像処理部(12)と、
撮像された胎児観察画像、並びに、各胎児観察画像の撮像処理の際又はその後に当該胎児観察画像に関連して作成された付属データを、胎児観察画像に紐づけて前記特定の保存領域に保存するメモリ処理部(13)と、
保存された胎児観察画像又はその付属情報を、登録された特定の使用者の妊娠情報に基づくタイムライン上に、操作ボタンと共に一連表示する一連表示処理部(14)と、
一連表示処理部によるタイムラン上に表示した操作ボタンのボタン操作に基づいて、メモリ部に保存された胎児観察画像またはその付属情報を読み出して表示する読み出し処理部(15)と、を具備してなり、
前記撮像処理部(12)が、
超音波プローブで取得された超音波画像をリアルタイム表示する超音波画像部(210)と、
超音波画像の画像調整操作及び撮像操作の操作ボタンを表示する操作表示部(211)と、を上下又は左右に区画配置して表示し、
この操作表示部のボタン操作によって、撮像処理部が観察記録画像を撮像すると共に、前記メモリ処理部が、撮像された観察記録画像を、撮像時の日付情報を付加した識別符号と紐付けして、特定の保存領域に保存することを特徴とする。
[16]
超音波プローブが取得した超音波画像に基づいて、胎児観察記録、骨盤底筋機能評価、乳房緊満観察、又は乳がんチェックの少なくともいずれかの観察記録を行うアプリケーションプログラムであって、
通信接続された超音波プローブの超音波画像をリアルタイム表示し、観察記録画像(動画または静止画)として撮像する撮像処理部(12)と、
撮像された観察記録画像、並びに、各観察記録画像の撮像処理の際又はその後に当該観察記録画像に関連して作成された付属データを、観察記録画像に紐づけて前記特定の保存領域に保存するメモリ処理部(13)と、
保存された観察記録画像又はその付属情報を、登録された特定の使用者の妊娠情報に基づくタイムライン上に、操作ボタンと共に一連表示する一連表示処理部(14)と、
一連表示処理部によるタイムラン上に表示した操作ボタンのボタン操作に基づいて、メモリ部に保存された観察記録画像またはその付属データを読み出して表示する読み出し処理部(15)と、を具備してなり、
前記撮像処理部(12)が、
超音波プローブで取得された超音波画像をリアルタイム表示する超音波画像部(210)と、
超音波画像の画像調整操作及び撮像操作の操作ボタンを表示する操作表示部(211)と、を上下又は左右に区画配置して表示し、
この操作表示部のボタン操作によって、撮像処理部が観察記録画像を撮像すると共に、前記メモリ処理部が、撮像された観察記録画像を、撮像時の日付情報を付加した識別符号と紐付けして、特定の保存領域に保存することを特徴とする、超音波画像観察記録プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の実施例1の胎児観察記録ネット―ワークシステムのシステム構成図。
図2】実施例1の胎児観察記録プログラムによる表示画面の連動例を示す全体メニュー構成図。
図3】実施例1の胎児観察記録プログラムによる起動操作メニューの表示画面例。
図4】実施例1の胎児観察記録プログラムによる第一操作メニューの表示(アイコン連続表示)画面例。
図5】実施例1の胎児観察記録プログラムによる第一操作メニューの表示(スライド表示)画面例。
図6】実施例1の胎児観察記録プログラムによる第二操作メニューの表示(超音波の撮像処理表示)画面例。
図7】実施例2の胎児観察記録プログラムによる第二操作メニューの表示(超音波の撮像処理表示)画面例。
図8】実施例1の胎児観察記録プログラムによる第二操作メニューの表示(カメラの撮像処理表示)画面例。
図9】実施例1の胎児観察記録プログラムによる第三操作メニューの表示(メモリ処理表示)画面例。
図10】実施例1の胎児観察記録プログラムによる第四操作メニューの表示(一連表示)画面例。
図11】実施例1の胎児観察記録プログラムによる第四操作メニューの表示(一連表示)画面例。
図12】実施例1の胎児観察記録プログラムによる第五操作メニューの表示(読み出し処理表示)画面例。
図13】実施例1の胎児観察記録プログラムによる第六操作メニューの表示(操作補助処理表示)画面例。
図14】本発明の実施例1の胎児観察記録装置の斜視外観図。
図15】本発明の実施例1の胎児観察記録ネット―ワークシステムのデータ構造概念図
図16】複数の胎児観察記録装置による胎児観察記録ネット―ワークシステムのデータ構造概念図。
図17】本発明の実施例1の超音波画像記録プログラムのデータ構造概念図。
図18】本発明の乳腺観察記録(体表臓器腫瘍確認)アプリにおけるスキャン指示表示の構成例。
図19】乳腺観察記録(体表臓器腫瘍確認)アプリにおける近似抽出要素(a)(b)(c)の予登録例
図20】乳腺観察記録(体表臓器腫瘍確認)アプリにおけるスキャン結果表示例(a)及び別の表示例(b)。
図21】乳腺観察記録(体表臓器腫瘍確認)アプリにおける表示例(a)及びスキャニングマップ例(b)。
図22】本発明の骨盤底観察記録(運動確認)アプリにおける表示画面の構成例。
図23】骨盤底観察記録(運動確認)アプリにおける初回設定画面の連動表示例。
図24】骨盤底観察記録(運動確認)アプリにおける二回目以降の選択画面の連動表示例。
図25】骨盤底観察記録(運動確認)アプリにおけるトレーニング指示画面の連動表示例。
図26】骨盤底観察記録(運動確認)アプリにおける安静時腹壁膀胱底間距離算出の動作フロー。
図27】骨盤底観察記録(運動確認)アプリにおけるトレーニング時腹壁膀胱底間距離算出の動作フロー及び各フロー時の表示チャート。
図28】骨盤底観察記録(運動確認)アプリにおけるトレーニング後の骨盤底筋力の表示例。
図29】骨盤底観察記録(運動確認)アプリにおけるトレーニング記録の一表示例(a)及び他の表示例(b)。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、発明を実施するための形態例について、実施例1~3として示す各図とともに説明する。
【0039】
図1は、本発明の実施例1の胎児観察記録ネット―ワークシステムのシステム構成図である。図1右下の鎖線区画内が、本発明の実施例1の胎児観察記録装置の使用状態図である。
【0040】
本発明の胎児観察記録装置は、図1右下の区画内又は図14(実施例1)に示すように、表示兼入力操作可能なタッチパネル画面11及びカメラ1Cを有する携帯情報端末1と、これに有線又は無線接続された超音波プローブ2と、から構成される。
【0041】
本装置を使用する使用者は、図1右下に示すように、一方の片手で携帯情報端末1を持ち、他方の片手で超音波プローブ2を持ち、自らの下腹部上で超音波プローブ2を操作しながら、前記一方の片手で持った携帯情報端末1にて胎児観察記録プログラムの実行による表示画面を操作して使用する。また必要に応じて、携帯情報端末1に搭載されたカメラ1Cを使用して胎児観察記録プログラムの実行による表示画面を操作して使用する(図示せず)。
【0042】
本発明の胎児観察記録ネットワークシステムは、図1図18に示すように、携帯情報端末1及び超音波プローブ2を具備する一つの胎児観察記録装置と、携帯情報端末1から通信網を介してデータ送受信可能に設定された、他の一つ以上の関係者携帯情報端末(第一関係者端末T1、第二関係者端末T2,医療関係者端末THの少なくともいずれか)と、から構成される。
【0043】
図2は、実施例1の胎児観察記録プログラムの表示画面の連動を示す全体メニュー構成図(命令セットアーキテクチャ)の一例である。実施例1の胎児観察記録プログラムの実行時には、図2の括弧付符号の直上に示す表示画面を、胎児観察記録プログラムの表示兼操作を行う一画面内に全体または部分表示する。このうち一部の表示画面は画面内の各表示部を操作(選択操作、スクロール操作、拡大縮小操作など)可能な操作表示部からなる。
【0044】
例えば、括弧付符号(101a)、(101b)、(104b)に示す表示画面はスライド押圧操作(いわゆるフリック操作)によってスクロール操作可能であり、括弧付符号(102a)、(102b)、(102c)、(102d)の各画面の上半部に示す撮像の画像部はスライド挟み操作(いわゆるピンチ操作)によって拡大縮小操作可能である。また、括弧付符号(102a)、(102b)、(102c)、(102d)、(103a)、(103b)、(103c)、(106a)、(106b)の各画面の下半部に示す各操作ボタンないし各表示アイコンは、押し下げ操作(いわゆるタップ操作)によってボタンないしアイコンの種類に対応した各種の操作が可能である。
【0045】
なお、各表示画面上部の方形枠内の数字は、実施例1の胎児観察記録プログラムの命令セットのカテゴリを示す。実施例1の胎児観察記録プログラムは少なくとも、起動処理部(10)、カテゴリ処理部(11)、処理撮像処理部(12) 、メモリ処理部(13) 、一連表示処理部(14)、読み出し処理部(15)、操作補助処理部(16)、の各命令セットから構成される。これら各命令セットの実行によって、起動処理部(10)による初期操作メニュー、カテゴリ処理部(11)による第一操作メニュー、処理撮像処理部(12)による第二操作メニュー、メモリ処理部(13)による第三操作メニュー、一連表示処理部(14)による第四操作メニュー、読み出し処理部(15)による第五操作メニュー、といった各操作メニューが展開される。また、第一操作メニュー又は第四操作メニューの展開中における操作補助処理部(16)の命令セットの実行によって、第六操作メニューが第一操作メニュー又は第四操作メニュー上で重複展開される。
【0046】
(起動処理部(10)による初期操作メニュー)
図3は、実施例1の胎児観察記録プログラムによる起動操作メニューの表示画面とその展開例である。起動操作メニューは起動段階の操作表示のメニューであり、起動処理部(10)の命令セットによって表示処理が行われる。起動操作メニューによる初期表示(100a)は、図3左図に示すような、アプリ名の中央表示とその右下の緊急ボタン100Eの表示とからなる。この初期表示から緊急ボタン100Eを押し下げ入力することで、図3右部に示すようなチャット部がスライドして表れた、スライド表示(100b)となる。このスライド表示では、画面片側(図3の画面左端)からチャット部106、チャット入力部106Tがスライドして表示されている。またスライド表示の表示領域外であって、初期表示(100a)と同じ位置(右下部)に緊急ボタン100Eが表示される。この緊急ボタン100Eは、第一操作メニューの表示において常時、図3の各画面に共通の特定位置に表示される。
【0047】
(カテゴリ処理部(11)による第一操作メニュー)
図4及び図5は、実施例1の胎児観察記録プログラムによる第一操作メニューの表示画面例である。第一操作メニューは、前記起動段階の操作表示から連動して表れる第一段階の操作表示のメニューであり、カテゴリ処理部(11)の命令セットによって表示処理が行われる。具体的には、前記起動操作メニューによる初期表示(図3(100a))内の中央表示の押し下げ入力に連動して第一操作メニューに切替えられ、各画面の操作に連動して、図4図5に示す各表示画面のように表示される、
第一操作メニューによる初期表示画面は、図4左図に示すような第一操作メニューにおけるカテゴリアイコン連続表示(101a)からなる。このカテゴリアイコン連続表示(101a)は、妊娠経過日数単位又は妊娠経過週数単位にカテゴリ化された複数のアイコンを、上下方向に連ねてスクロール操作可能に表示した、カテゴリアイコンの上下連続表示と、その下部の基本メニューボタン群(ホームボタン1100、撮像ボタン112、編集ボタン114)とからなる。このカテゴリアイコン連続表示(101a)から一つのアイコンボタン110A/110B、又はその上部の日付表示111Aを押し下げ入力することで、図4右図に示すような付属データ表示(101b)となる。付属データ表示では、付属データとして記録された関連医療/生活情報116、及び入力情報が前記日付表示111Aと並べて表示されると共に、図4の初期表示(101a)と同じ位置(右下部)に緊急ボタン100Eが表示される。この付属データは、経過日数と紐付けして予め記録された関連医療/生活情報116、並びに、使用者の入力によって日付と紐付けして記録された入力情報からなる。
【0048】
各付属データは、各紐付けデータ(経過日数又は日付)に基づき、押し下げ入力された日付表示111Aに基づいて演算された経過日数又は当該日付に対応して表示される。なお実施例では文字表示だけであるが、付属データとして記録された音声/動画を再生する音声/動画再生ボタン表示を含むもの、或いは音声認識ボタンを含むものでもよい。
【0049】
また、図5が第一操作メニューにおけるスライド表示の画面例である。図5の右図は、図4左図の左上のメニューボタン115を押し下げ入力することで画面片側(図4の画面左端)からスライド表示部がスライドして表示された状態を示す。このスライド表示部は、出産予定表示113、アプリ利用表示115、一斉連絡リスト表示115Lを含む。図5の右図は、緊急ボタン101Eを押し下げ(いわゆるタップ)入力することで画面片側(図4の画面左端)からチャット画面106、チャット文字入力画面106Tがスライドして表示されたスライド表示を示す。
【0050】
さらに、図5の第一操作メニューにおける各スライド表示には、スライド表示領域外であって、図4の初期表示(101a)と同じ位置(右下部)に緊急ボタン100Eが表示される。この緊急ボタン100Eは、第一操作メニュー、第一操作メニューの表示において常時同じ特定の位置に表示される。
【0051】
(処理撮像処理部(12) による第二操作メニュー)
図6図7図8は、本発明の胎児観察記録プログラムによる第二操作メニューの表示(撮像処理表示)画面例である。
【0052】
このうち図6及び図8は、実施例1の胎児観察記録プログラムによる第二操作メニューの表示(撮像処理表示)画面例である。第二操作メニューは、第一操作メニューによる初期表示画面(図4(101a))内の撮像ボタン112の押し下げ入力に連動して切替え表示される第二段階の操作表示のメニューであり、撮像処理部(12)の命令セットによって表示処理が行われる。また図6の右図、図7の右図にて追加表示される操作補助部260は、操作補助処理部(16)の命令セットによって表示処理が行われる。
【0053】
第二操作メニューによる初期表示画面は、図6左図に示すような、超音波画像部(210)と、操作表示部(211)とを上下2区画に配置した撮像処理表示(102a)からなる。つまり撮像処理表示(102a)は、表示画面を上下2区画に分けて、超音波画像部(210)と、操作表示部(211)とを、上半部、下半部にそれぞれ配置してなる。
【0054】
撮像処理表示(102a)のうち上半部に区画された超音波画像部(210)は、超音波プローブで取得された超音波画像をリアルタイム表示する。撮像処理表示(102a)のうち下半部に区画された操作表示部(211)は、超音波画像の画像(画角、拡縮、解像度、コントラスト)調整操作及び撮像操作の操作ボタンを表示する。
【0055】
実施例1の操作表示部(211)においては、補助操作部260のうち上部領域に、横長の画像停止ボタン211を比較的小さく表示し、補助操作部260のうち中央領域にコントラスト調整スライダーを横長表示し、そして補助操作部260のうち下部領域に、カメラ切替えボタン211SW、撮影ボタン211E、動画切替えボタン211SWを横方向に並列表示している。
【0056】
また、第二操作メニューによる撮像処理表示においては、図6中図に示すような、操作補助部260を追加表示した補助付き撮像処理表示(102b)とすることができる。実施例1では、図5左図の第二操作メニューにおける初期表示の撮像処理表示(102a)から右上のガイドボタン114を押し下げ入力することで、図7右図に部分拡大して示すような操作補助部260が、超音波画像部210左下に追加表示される。この操作補助部260は、妊婦の下腹部を示す母体イラスト261内に、胎児画像263と手のひら画像262Pが実際の胎児の位置、実際の超音波プローブの位置に対応してレイアウト表示され、また、手のひら画像262P近傍の矢印画像262Vが、プローブの移動指示方向に対応した位置及び角度でレイアウト表示される。補助操作部260は、取得した超音波画像に基づいて、好ましいプローブの走査方向や走査速度を使用者にガイドするものである。
【0057】
図7は、実施例1とは異なる実施例2の撮像処理表示(102a´、102b´)の画面例である。実施例2の撮像処理表示は操作表示部211のレイアウトが実施例1と異なる。実施例2では補助操作部260のうち左側領域に、切替えボタン211SW,画像停止ボタン211P、撮影ボタン211Eをまとめて表示し、補助操作部260のうち右側領域にコントラスト調整スライダーと画角調整スライダーを並べて表示している。
【0058】
また、実施例2の第二操作メニューによる撮像処理表示においても、実施例1と同様、図7中図に示すような、操作補助部260を追加表示した補助付き撮像処理表示(102b´)とすることができる。
【0059】
図8の各図は、実施例1の胎児観察記録プログラムによる第二操作メニューの表示(撮像処理表示)画面例であって、携帯情報端末に搭載されたカメラ(カメラレンズ及び制御アプリケーション)による撮像処理表示(103a、103b)からなる。図8左図の撮像処理表示(103a)は使用者の下腹部を撮影する際の表示画面例であり、図8右図の撮像処理表示(103b)はスナップ画像(使用者自らの顔画像など)を撮影する際の表示画面例である。
【0060】
図8のいずれの撮像処理表示においても、表示画面を上下2区画に分けて、カメラ画像部(260/270)と、操作表示部(211)とを、区画した上半部、下半部にそれぞれ配置してなる。撮像処理表示(102a)のうち上半部に区画されたカメラ画像部(260,270)は、携帯情報端末に搭載されたカメラの取得画像をリアルタイム表示する。撮像処理表示(102a)のうち下半部に区画された操作表示部(211)は、撮像モードの静止画/動画切り替えボタン211SW、並びに撮像操作ボタン211Eを表示する。
【0061】
図8各図のカメラ画像部(260/270)の左下は、直近の撮影日の同種撮影画像を表示する撮影補助部264/265である。図8各図の撮像処理表示においては、表示設定によって、図8各図に示すような、操作補助部(264/265)を追加表示した補助付き撮像処理表示とすることができる。
【0062】
(メモリ処理部(13)による第三操作メニュー)
図9は、実施例1の胎児観察記録プログラムによる第三操作メニューの表示(編集表示)画面例である。第三操作メニューは、前記第一段階又は後述する第四段階の操作表示から連動して表れる第三段階の操作表示のメニューであり、メモリ処理部(13)の命令セットによって表示処理が行われる。具体的には、前記第一操作メニューによる初期表示(図4(101a))内の下部の編集ボタン114の押し下げに連動して、或いはアイコン表示の入力後の撮像された胎児観察画像の選択に連動して、メモリ処理による編集を行う第三操作メニューに切替えられ、各画面の操作に連動して、図9(103a)(103b)(103c)に示すような、付属データの各編集表示が表れる。
【0063】
図9(103a)(103b)は、撮像された胎児観察画像のデータに紐付けされる付属データを編集する画面である。具体的には、図9左図は胎児画像編集表示(103a)であり、図9中図は主端末における付属テキスト編集表示(103b)である。
【0064】
図9右図は、ネットワークシステムにおいてデータ送受可能な他の関係者携帯情報端末(図1の第一関係者端末T1、第二関係者端末T2,医療関係者端末THの少なくともいずれか)における付属データ編集表示(103c)である。図9(103c)は、表示予定日として入力特定した表示日付データ26Dに紐付けされる付属データを編集するための操作入力表示である。
【0065】
(データセットDSとデータセット群DG)
編集されたテキストデータ、画像データ、音声データ、イラストデータ、写真データは、撮像された胎児記録画像21E又はこれに付属する日付データ21Dに紐付けされ、これら紐付けされたデータ群は、図12左上に概念示されるようなデータセットDSとして保存される。
【0066】
複数のデータセットDSは、日付順に並べられると共に経過日数ないし妊娠週に応じてカテゴリ化され、図10中図上部に示すようなデータセット群21DGとしてグループ化され、図4に示す各アイコンに対応して、グループ単位で紐付け読み出し出し可能に格納される。例えば図11の右図の右端に示す縦横のアイコン群は、このデータセット群DSをアイコン化して縦横列表示したものである。
【0067】
図9右図で入力された表示データは、表示日付データが付属されたデータセット21DSとして保存され、表示日付データ当日になったときに、胎児観察画像装置を含む主端末(使用者IDの携帯情報端末)にデータ送信される。そして、図11に示す表示ボタン260を押し下げることで、図11(104e)に示すようなメッセージ表示として表れる。
【0068】
(一連表示処理部(14)による第四操作メニュー)
図10図11は、実施例1の胎児観察記録プログラムによる第四操作メニューの表示(一連表示)画面例である。第四操作メニューは、第三操作メニューで撮像した胎児観察画像又はその付属データを一連表示するメニューであり、一連表示処理部(14)の命令セットによって表示処理が行われる。
【0069】
なお、一連表示とは、表示方式を問わず複数画面を一連に表示することを意味する。例えば、多数の代表アイコンを並べて一画面内に縦横列表示する縦横列表示のほか、縦又は横のスクロール方向に並べて表示するスクロール表示、直線又は曲線のタイムライン上に並べて表示するタイムライン表示、重ね合わされたアイコンを一枚ずつ捲って表示するブック表示のいずれも、一連表示に含まれる。
【0070】
図10左図は、複数の胎児観察画像の代表アイコンを並べて表示した一連表示例を示す。
【0071】
図10右図は、縦線状のタイムラインに沿って各タイムラインに対応した複数の胎児観察画像の代表アイコンを線近傍に表示した一連表示例を示す。
【0072】
図11左図は、複数の胎児観察画像を経過週表示、テキスト表示と共に、上下スクロール方向に沿って並べて表示した一連表示例を示す。
【0073】
図11中図及び右図のそれぞれの右端寄りに示す小型アイコン群は、複数の胎児観察画像の代表アイコンを日付順に並べ、横2列、縦4行の縦横列で小型表示した一連表示例を示す。
【0074】
(読み出し処理部(15)による第五操作メニュー)
図12は、実施例1の胎児観察記録プログラムによる第五操作メニューの表示(読み出し表示)画面例である。第五操作メニューは、第二操作メニューで撮像した胎児観察画像又はその付属データ、ないし、第三操作メニューで編集された付属データを読み出して、紐付けされた複数種類のデータを一画面内に表示するメニューであり、読み出し処理部(15)の命令セットによって表示処理が行われる。
【0075】
(操作補助処理部(16)による第六操作メニュー)
図13は、実施例1の胎児観察記録プログラムによる第六操作メニューの表示(操作補助表示)画面例である。
【0076】
第六操作メニューは、経過日数又は妊娠週、ないし、携帯情報端末に搭載された時計機能に基づく、表示日当日の妊娠経過日数又は日付情報に連動して、経過日数又は妊娠週ないし当該日付に応じた、医療関連情報や生活関連情報、或いは第三操作メニューにおいて入力された付属データを表示するメニューである。
【0077】
図13の表示は、前記図10図11の各胎児記録画像のアイコンを選択して押し下げることで、第六操作メニュー表示に連動して切り替わった表示例である。
【0078】
また、図4左図及び右図内の符号116のテキスト部、或いは、図6及び図7の符号260の補助操作部も、第六操作メニューの表示(操作補助表示)例である。
図6及び図7の符号260の補助操作部は、直近に保存された前回測定位置を示すものである。前回測定位置は、エコー観察した最後に、腹部にエコー装置を特定の場所(胎児の手指・心臓・顔・初期胎児の全身などがそれぞれ見えたところ)にあてたまま妊婦が自撮りすると、その腹部の写真から自動で腹部模式図に観察できたプローブ位置が表示されるガイド図が作成される。次回の超音波プローブ使用時は、患部のうち前回と同じ位置に超音波プローブの受発光部をあてるように促すものである。
【0079】
あらかじめ設定しておくか又は胎児記録画像を含む表示において、操作補助表示ボタンを選択設定することで、追加情報を提供するか或いは操作補助を行う補助画面が追加表示される。
【0080】
(胎児観察記録装置)
図14は、実施例1の胎児観察記録装置である。実施例1の超音波プローブ2の先側の超音波受発光部は湾曲凸面からなるが、その先に、受発光部をフラットにするカプラ23が付属設置される。凸型のセンサ(振動子)部分にカプラを装着して妊婦のお腹に対して当てやすく超音波走査をしやすくした。
【0081】
(胎児観察記録ネットワークシステム)
図15は、胎児観察記録ネットワークシステムのデータ構成を示す概念図である。図16は、複数の胎児観察記録装置による胎児観察記録ネットワークシステムのデータ構成を示す概念図である。符号PIは各使用者IDによって公開許可された公開許可情報を示す。MIは医療関連参考情報として活用可能な医療関連情報であって各使用者IDによって承認されたものを示す。
【0082】
(超音波画像記録プログラムによるアプリケーション)
図17は、胎児観察記録プログラムを含むと共に他の用途用に展開した、超音波画像記録プログラムによるアプリケーションの概念図である。
本発明の超音波画像観察記録プログラムは、超音波プローブが取得した超音波画像に基づいて、胎児観察記録、骨盤底筋機能評価、乳房緊満観察、又は乳がん観察記録の少なくともいずれかの観察記録を行うアプリケーションプログラムであって、以下の特徴を有する。
【0083】
すなわち、通信接続された超音波プローブの超音波画像をリアルタイム表示し、観察記録画像(動画または静止画)として撮像する撮像処理部(12)と、
撮像された胎児観察画像、並びに、各胎児観察画像の撮像処理の際又はその後に当該胎児観察画像に関連して作成された付属データを、胎児観察画像に紐づけて前記特定の保存領域に保存するメモリ処理部(13)と、
保存された胎児観察画像又はその付属情報を、登録された特定の使用者の妊娠情報に基づくタイムライン上に、操作ボタンと共に一連表示する一連表示処理部(14)と、
一連表示処理部によるタイムラン上に表示した操作ボタンのボタン操作に基づいて、メモリ部に保存された胎児観察画像またはその付属情報を読み出して表示する読み出し処理部(15)と、を具備してなり、
前記撮像処理部(12)が、
超音波プローブで取得された超音波画像をリアルタイム表示する超音波画像部(210)と、
超音波画像の画像調整操作及び撮像操作の操作ボタンを表示する操作表示部(211)と、を上下又は左右に区画配置して表示し、
この操作表示部のボタン操作によって、撮像処理部が観察記録画像を撮像すると共に、前記メモリ処理部が、撮像された観察記録画像を、撮像時の日付情報を付加した識別符号と紐付けして、特定の保存領域に保存することを特徴とする。そして、図17に示した各用途の少なくとも一つ以上に用いることで、超音波画像の日付ごとの観察記録を行うことができる。
【0084】
(本実施例の主な特徴と作用効果)
エコー画像描出時とデータ編集時の画面操作のしやすさ
従来の超音波画像システムは、検査者が全てを操作する前提であり、被検者が操作するには使い勝手が悪いという問題があった。
【0085】
本発明は、被検者自身が操作する使用環境であることを鑑み、画像取得時妊婦は、片側の手でエコープローブを保持し、残る反対側の片手で行う操作でも容易なアプリケーション表示としていることを特徴とする。また、画像取得終了後に記録画像を編集したりデータを閲覧したりするときは、詳細な操作を両手でできるアプリケーションであることを特徴とする。
【0086】
動画・写真・音声との連動
従来の記録媒体では、単に画像記録とそれに関するコメントを付加する程度の機能しか有していないという問題があった。
【0087】
本発明では、記録テキスト入力の他、個人端末で入力できる他のデータ(動画、写真、音声、描画、任意画像の貼り付けなど)を取得データと紐付ける(関連づける)ことで合わせて、「妊娠ダイアリー」として記録できることを特徴とする。これには胎児の画面取得と同時に得られる「妊婦自身のエコー中の様子」の動画・写真・音声も含む。
【0088】
また、夫・家族IDの他端末からも同様のデータを紐付けることでダイアリーを共有できることにより、妊婦の孤独感を低減し家族の連携を充実させることができることを特徴とする。
【0089】
・日記の表示形式
出産予定日により算出された週数と日数が併記された各日は、独自データと妊娠日数毎のアドバイスと共にフォルダー化される。
表示形式は、スマホ・タブレット向けの上下スワイプ方式の表示か、見開き書籍タイプの表示か選択できる。また、独自データの添付方法も、フォルダーへの格納方式か絵日記様の表示形式化を選択できる。
【0090】
電子データとして保存できると同時に、編集機能によりデータの出力が可能であり、希望者には紙媒体の製本・カレンダー化・フォトフレームなどの作成サービスも行う。
【0091】
・描出サポート・ナビゲーション
前回に画像を取得した位置の写真を取り込んでおくことで、次回走査時のプローブ位置の目安をガイドする機能を有する。また、画像取得時にも同様に、前回の画像をガイドとして確認しながら走査することできることを特徴とする。
【0092】
専用プローブの形態・目印等との連動により、端末画面上の正中・上下・左右との同定や操作指示が容易となる。装置の形状が手の平全体を沿わせれるため、現行のペン型のプローブでは点や線の表示や指示であったものが、面である手のひらのイメージで位置の表示や指示を行うことができる。
【0093】
描出画像を元に装置制御の指示が画面上に表示され、指示に沿って最適な胎児の描出画像を得られる。
【0094】
描出画像を元に画像の自動調整が行われ、最適な胎児の描出画像を得られる。
【0095】
会員向けチャットボットや動画配信により、文章・音声・動画による機器操作や描出方法の説明が閲覧できたりQ&Aができる。
【0096】
[変形例又は展開例]
(開発可能な追加できる機能)
(機能1)夫・家族IDには別のサブアプリ(エコー画像描出機能はなし)
・夫や家族に特化した妊娠情報の提供
従来の日々の妊娠情報アプリは妊婦を対象とし作成されたもので、それを夫や家族も閲覧することはできるが、夫・家族の立場から知っておくべき情報を得ることができないという問題があった。
【0097】
図15)本発明では、妊婦とは別に、夫・家族それぞれに特化した妊娠日数毎の妊娠情報・アドバイスを妊婦IDと連結した夫・家族IDに送信もしくは閲覧可能とし、出産後の家族形成も見据え効果的に周囲の妊婦支援をひきだす。
【0098】
加えて、ID属性やダイアリー編集頻度や妊娠情報の閲覧頻度などのデータを解析し、妊婦ID・夫ID・家族IDそれぞれに共同編集への参加や妊娠情報の閲覧を促す個別のアドバイスに変更し、家族それぞれが協力して妊娠に関われるように促す。
【0099】
・自己描出エコー画像を使用したダイアリーの共同編集
従来の妊娠ダイアリー作成アプリでは、夫IDとの共同編集できるが、胎児のエコー画像を張り付けることができないか、できても医療機関において妊婦健診時に撮影された数週間に一度となるため合計10数回程度である。このため、特に夫・家族には胎児の実感がわきにくく日々の記録の更新を行ったり継続する動機付けが低くなるという問題があった。
本発明では、自己描出エコー画像により毎日胎児を見ることが動機となり、サーバー上でID連結されたダイアリーの共同編集により、約10か月にわたる妊娠全期間中継続して妊娠に興味を持ち関わるよう夫や家族の行動変容を促すことができる。
【0100】
(機能2)SNSとの連動
従来の妊婦情報アプリケーションでは会員限定の使用者ID間又は特定属性の副ID間のコミュニティーグループ(妊婦間/夫間のコミュニティー)で情報交換することが可能であるが、自己描出のエコー画像を共有し交流することはできない。
【0101】
本発明では、希望者には個人情報保護を留意の上、会員限定SNSで自己描出エコー画像を用いた情報交換の場を提供できる。
【0102】
(機能3)授乳期の乳腺チェックとその後の乳がん自己チェックへの展開
従来の乳房の自己チェックエコー装置は、乳房全体を覆う巨大な装置を片則の乳房上に固定し撮影したエコー画像を転送して専門家の読影により乳がん検診の代わりとなるが、女性が気になるところに自分で小さなエコー装置をあて描出場所を移動させながらエコー画像をその場で確認することができなかった。加えて腋窩リンパ節は描出範囲外であり予後に大きくかかわるリンパ節転移を検出することはできない。
【0103】
これに対し本発明では、出産後の授乳期に自己操作で乳腺の状態を確認できるアプリの追加により、妊娠期から引き続き同じエコープローブを乳房に使用し、小型エコー装置を自分で動かして乳汁うっ滞や乳腺炎を生じやすい乳腺の場所を瞬時に確認し的を絞った乳腺ケアができるようになる。
この期間に乳房チェックの自己エコー操作に慣れることができ、その後生涯にわたり自己操作エコーによる乳がんチェックが別アプリのインストールでできるようになり、腋窩リンパ節転移も確認できる。
【0104】
(機能4)[骨盤底筋力機能チェックアプリ]
女性の骨盤庭筋力の低下は出産や加齢を原因とし、尿漏れや骨盤臓器脱をきたし女性の日常生活・社会生活に影響を与えQOLに直結する。また、生活スタイルの変化により、未経妊の若年女性の間でも骨盤底筋力が低下していることがわかっている。この予防・治療のため骨盤低筋を強化する運動は以前より開発され、古くからケーゲル体操などがあり最近では運動サポートアプリも開発されているが、実際に骨盤底筋力機能を確認し有効な運動ができているかをチェックする手段はこれまでなく、女性が意識的に運動を継続することが難しかった。加えて医療従事者にとっても、指導した運動が効果的にできているのかを経時的に確認する方法がなかった。
女性が自己操作の超音波装置により、骨盤底筋の収縮能を自分で確認でき、有効な運動方法を選択しその効果を確認しながら行うことができる。逆に、指導を行っても有効に骨盤底筋運動が行えない女性には、医療従事者が他の治療方法(ペッサリー療法、手術療法、薬物療法など)を選択する判断ができる。
【0105】
(画像提供システム)
胎児画像をカテゴリごとに編集してアルバム化/カレンダー化するフォトブック/電子記録/紙媒体/カレンダー制作者へ画像提供するシステムとしてもよい。このとき、一の胎児の一定時期に亘る画像群を成長記録の動画表示として連続表示する動画ファイルを自動作成するものでもよい。またアイコン画像やテキスト記入式の吹出し画像を装飾要素として追加できるものでもよい。
【0106】
また、超音波プローブは、データ管理者が使用者に対してレンタル/リースにより提供するものでもよい。
【0107】
なお、32週以降のアラーム一斉配信機能 例:ホーム画面に緊急ボタンを常駐表示する。緊急ボタンはエマージェンシーボタンの意味を有し、押し下げることで予め登録された関係情報端末に緊急アラームの一斉送信、設定したSNSの自動起動/起動ボタン表示を表示することができる(図13)。緊急表示ボタンが押し下げられたときは、(1)症状確認ガイド、例えば「出血?、痛み?、息苦しさ?、胎動は?」などの質問事項の表示を行うようにして、問診結果をアプリ上で記録して保存するか、リアルタイムのエコー撮影画像を予め登録した医療機関とデータ連携して送信し、チャットまたは電話通信回線を繋ぐと共にエコー画像共有回線を繋ぐことで状況をエコー撮像指示によって撮影者と医療機関との間で確認できるものとしてもよい。また、タイムライン上の緊急ボタン押し下げ後の前記撮像指示や撮像画面の動画、電話通信の音声記録やチャット記録を緊急記録として保存するものとしてもよい。
【0108】
また、胎児/一覧表示画像を妊婦同士の既存のコミュニティーアプリ/コミュニティーWEBアドレスに連動させる/関連付ける「連動機能」を有するものとして、胎児画像を共有できるようにしてもよい(図16)。
【0109】
(ネットワークシステム)
図16に示すように、胎児観察画像記録システムにとどまらず、エコー画像観察記録ネットワークシステムに展開できる。エコー画像観察記録ネットワークシステムは、
個人使用用の超音波プローブ、保存されたエコー画像観察記録プログラム、及びこれによる観察記録情報の通信機能を備えたエコー画像観察記録装置と、観察記録情報の使用者を予め備えた個人情報と照合可能な情報処理端末とを、ネットワークによって相互に情報通信可能に構成してなる。
【0110】
また、本発明は下記それぞれを特徴のひとつとする。
(特徴a)エコー画像描出時とデータ編集時の画面操作のしやすさ(片手操作、両手編集)
(特徴b)動画・写真・音声との連動
(特徴c)日記の表示形式
(特徴d)描出サポート・ナビゲーション(過去のプローブ位置確認、過去の胎児の位置ガイド)
(特徴e)プローブ(スタンドオフ設置、把持部形状、振動)
【0111】
また本発明では、以下の連携形態によるシステムを構築することができる。
(連携形態1)オンライン産婦人科・小児科相談との連携
従来の妊婦向け妊娠情報提供アプリや妊娠ダイアリー記録アプリでは、会員限定のパパ・ママコミュニティーで情報交換の場を提供しているが、非医療者の情報の共有であり医学的相談はできなかった。また昨今の産婦人科医療体制の崩壊により、医療機関で相談する機会も限られている。
【0112】
本発明では、アプリ上のボタン操作により、妊婦が医師により運営されているオンライン相談に接続することができ、医療生活情報・医療機関へのアクセスを最適化できる。すなわち医療機関以外の質の担保された相談先を妊婦に提供し不安解消の一助とすると同時に、不要不急の相談や受診による夜間・休日の救急医療機関への負荷を軽減できる。
【0113】
(連携形態2)かかりつけ病院との連携
従来の妊婦向け妊娠情報提供アプリや妊娠ダイアリー記録アプリでは、かかりつけ医との連絡 ・予約調整機能を付加したものはあるが、妊婦に関わる臨床業務を直接補助するものではない。
【0114】
(胎児観察映像の活用)
本発明によって取得された胎児観察映像を例えば以下のように活用することが可能となる。これにより、今までに得ることのできなかった情報の一つとして医療従事者の情報の選択権が向上し、データを分析しながら臨床業務を効率化でき、或いは新たな妊婦診療体制を構築できる。
【0115】
(活用例1)診療参考情報としての活用:医療従事者でない個人が連日記録したエコー画像としてこれまでにない診療情報の一つとして扱える。
【0116】
(活用例2)遠隔診療時の代替/保管情報としての活用:平時の定期的妊婦健診の代替や補完に、緊急時の病前トリアージや専門家への相談に使用できる。遠隔地で受診回数や保健指導の回数の予測に使える。これらは、携帯用胎児心拍モニター計測器を連動させることで、さらに情報精度をあげることができる。
【0117】
(連携形態3)自治体との連携
従来のエコー画像転送サービスでは、医療機関で医療者により撮影されたエコー画像を電子親子手帳に添付するサービスは存在するが、妊婦への顧客サービスを目的としており、妊婦に関わる保健行政業務の補助を目的とするものではない。
【0118】
本案件では、自治体保健所と連結することで妊婦の電子媒体の連絡手段・情報確認手段として、妊婦は妊婦支援の保健行政サービスを円滑に利用できるようになり、データ分析も含め自治体は住民妊婦への行政サービスを効率化ができる。平時・救急時・災害時共に使用でき、電子親子手帳を導入している自治体では連結することもできるが、特に電子親子手帳のない地域では有用となる。また児の小児期の行政サービスへと移行できる。
【0119】
(社会的ハイリスク妊婦との連絡手段・医療機関との情報共有)
従来、社会的ハイリスク妊婦(精神疾患既往、産後うつスクリーニング陽性者、特定妊婦、長子虐待家庭、経済的困窮者、DV、孤立、若年妊娠など)は、公的機関との接触(妊婦健診の受診、医療機関からの電話連絡、保健師の電話・訪問など)を嫌がる傾向があり、医療機関も保健師も本人との連絡方法に困っている。そのため必要な福祉支援につながらないこともあり、妊婦・児自身もより困窮することがある。
【0120】
本発明では、アプリ会員のこれら妊婦に対し、若い世代で一般的である電子媒体での連絡チャネルを増やし、保健師や行政担当者との連絡・訪問・追跡・福祉支援を円滑にする。担当者との接触を拒む妊婦でも、日々の自己エコー記録の経過や位置情報を確認することで本人や児の安否の確認が可能となる。
【0121】
(連携形態4)救急搬送機器との連携
消防通報による救急搬送車又は救急搬送移動体への搭載装置として、本発明のプログラム又はこれによる胎児撮影画像の取得システムを備えておくことができる。本発明のプログラムをインストールした情報処理端末を救急搬送車両に備えておくことで、消防での救急搬送時に胎児撮影映画像を参考に救急活動を行うことで、救急業務の円滑化につながる。
【0122】
現状では救急要請時、救急隊が現場到着後、本人にID確認し、かかりつけ医に電話し、対応難しければ高次搬送病院をあたっていくため、受け入れ病院探しで30分ほど経過することがある。本発明では、行政との連携を通じて自治体消防とアプリ会員の妊婦の情報の共有ができていると、通報を受けての緊急時の搬送病院探しが円滑になり、母児の救命につながる。
【0123】
(連携形態5)災害時に避難した妊婦との連絡手段・医療機関との情報共有
災害時は身一つで避難し、紙媒体の親子手帳は紛失したり未携帯であったり、さらに住居とは異なる自治体に避難することもある。また被害地域を避けて県や地方をまたいで広域に病院搬送されることもある。本案件では、アプリ会員があらかじめ居住地の保健所と連結していることで、災害弱者となる妊婦の把握を迅速に行い、避難所へ巡回する医療サービス班・保健所との連携、必要時の入院・搬送病院との情報共有や連携を円滑に行えるようになる。
【0124】
本発明は、胎児観察画像を取得して観察記録する胎児観察プログラムとしてだけでなく、胎児観察画像を含む人体又はペット等の生体物のエコー画像を取得して観察記録するエコー観察画像取得プログラム又は動作可能なアプリケーションとして活用することができる(図17)。
【0125】
図28~21は、体表臓器腫瘍確認アプリ、或いは、同アプリを実行可能な入力・表示端末として活用する例である。例えば乳腺・リンパ節の異常や乳腺炎のおそれに関するセルフチェックを行うアプリとして動作する。例えば図18に示すスキャン動作の指示画面と指示音声に従ってエコー画像を所定範囲に亘って連続撮影するよう促し、図19(a)(b)(c)に示すような複数のあらかじめ登録した抽出要素に近似する要素があるかどうかを画像要素の近似性で自動判定し、近似条件を満たす部分を抽出した場合は抽出部分を含むエコー画像を、図20のような形で保存及び表示するようにする。表示結果の下部には専門医の紹介ボタンを表示して、医療機関への受信を促すようにする。
上記システムはすなわち、乳腺及びリンパ節を同一画像内で認識する超音波画像観察記録システムであって、
予め登録された大きさ、コントラスト、形状に関する閾値の照合データと、
照合データに基づいて画像分析により腫瘍の形状、輝度、及び腫瘍内に含まれる石灰化の病変を推定する硬度推定手段と、
評価結果を組み合わせ画像の形で出力する出力手段と、を備え、
乳腺及びリンパ節の石灰化を含む病変の評価結果を、当該エコー画像を含む画像の形で出力する、超音波画像観察記録システムとして活用できる。
また上記いずれかのシステムは、地域情報、専門情報を含む専門医データと、
データ照合手段と、専門医の紹介ボタンを含む画像の形で出力する出力手段を備える、超音波画像観察記録プログラムを備えたコンピュータシステムとして活用できる。
【0126】
図22~29は骨盤底の観察記録アプリとしての活用例である。エコー画像を観察しながら骨盤底筋運動のトレーニング記録を行うことができる。
【0127】
胎児観察・記録用ソフトウェアとは別に、骨盤庭筋力を確認できる下記ソフトウェア「骨盤底筋運動効果確認アプリ」を使用することで、超音波プローブを用いて自分で骨盤底筋力を確認することができるようになる。
【0128】
(従来技術とその課題)
女性の骨盤庭筋力の低下は出産や加齢を原因とし、老年期の尿漏れ・骨盤臓器脱をきたし女性の日常生活・社会生活に影響を与えQOLに直結する。また、生活スタイルの変化により、未経妊の若年女性の間でも骨盤底筋力が低下していることがわかっている。この予防・治療のため骨盤低筋を強化する運動は以前より開発され、古くからケーゲル体操などがあり最近では運動サポートアプリも開発されているが、実際に有効な運動ができているかを簡便に確認する手段はこれまでなく、女性が意識的に運動を継続することが難しかった。加えて医療従事者にとっても、指導した運動が効果的にできているのかを経時的に確認する方法がなかった。また、膣内に器具を挿入して膣内の圧で効果確認を自分で行うシステムも販売されているが、女性にとって膣内に器具を挿入することは抵抗が大きい。
【0129】
(構成)
女性が自己操作の超音波装置により、下腹部の恥骨頭側部位に超音波プローブを置き、運動前と運動中・運動後の膀胱を描出し、その大きさの変化から骨盤底筋の収縮力を自分で確認でき、有効な運動方法を選択しその効果を確認しながら行うことができる。逆に、指導を行っても有効に骨盤底筋力が行えない女性には、医療従事者が他の治療方法(ペッサリー療法、手術療法、薬物療法など)を選択する判断ができる。
【0130】
(機能)
1、自己描出エコーでの効果確認
効果のレベル判定の方法:仰臥位などの同じ姿勢のまま、何もしない状態と肛門に力を入れるなど骨盤底筋だけを収縮させる動作を指示した状態で膀胱を自己描出し、膀胱の大きさは計測断面でのマニュアル計測か自動計測で行う。数回の計測値の平均値、数回のうち3秒以上収縮を保持できた回数、数回のうち膀胱の尾側への変形がない回数、の3点を判定基準として用いてレベル別総合判定を表示する。なおこれらのレベルは、ベースラインが異なる妊娠中・有症状・無症状閉経前・無症状閉経後などにグループをわけて判定閾値を変える。
タイミング:アプリ取得後に介入前としての初期値を取得し、その後は日々骨盤底筋力運動を継続していく中で行う。特にトレーニング中に使用すると、そのトレーニングにより骨盤底筋の収縮が有効にできているかできていないかが可視化できる。さらに、骨盤底筋運動の効果が出始める数か月後に効果確認を行う。
【0131】
2、経時記録
前記の骨盤底筋力総合判定レベル、尿漏れ・骨盤臓器脱などの自覚症状がある場合にはそれら各項目の自己評価(VASや顔マークのペインスケールのようなもので)任意のテキストの貼り付けをグラフ化して表示する。
上記から、カスタマイズしたアドバイス(推奨の運動回数や運動方法など)の配信を行う。
【0132】
効果が乏しい場合は医療機関の受診を促す(図29a)。
従来ある一般的な骨盤庭筋運動(ケーゲル体操、ガスケアなど)の図を同一画面で表示したり、音声ガイダンスを行ったりすることで、運動方法も提示する。 ベースは個人使用のセルフケアアプリもしくは非医療従事者のトレナー・セラピストなどの運動指導アプリであるが、医療従事者が運動指導の一環として使用したりアプリの記録を医療情報の一つとして扱う場合には治療サポートアプリとなる。
臨床試験後は、医師が処方した場合には治療アプリとなる。
【0133】
(システムの形態)小児健診・予防接種への移行
妊娠時期よりアプリ会員が行政と連結し、出生後は小児用の別アプリを利用し小児健診・予防接種へと円滑に移行できる。社会的リスクが心配される小児の健診・予防接種ができていない家庭を容易に確認できるようになる。
【0134】
(発明のカテゴリ)
本発明のカテゴリは、下記小カテゴリ、中カテゴリ、大カテゴリに分類される。
・小カテゴリ:胎児観察記録プログラム、超音波プローブ
・中カテゴリ:同プログラムを動作可能に備えたタッチパネル式携帯端末と、超音波プローブと、から構成される、胎児観察記録装置。
・ソフトウェア(アプリ)でつながった妊婦・ 関連サービス業者(病院、自治体、企業) のネットワークシステム。
・大カテゴリ:保存された胎児観察記録情報の通信機能を備えた胎児観察記録装置と、胎児観察記録情報と予め備えた個人情報とを照合可能な情報処理端末と、を具備して構成される、胎児観察記録ネットワークシステム。
・乳腺・骨盤底筋を含めた、女性の一生に関わるセルフエコーにより健康管理システム・ネットワーク
・大カテゴリ:超音波プローブ、及びプローブによる超音波画像の観察記録システムを備えた携帯端末、から構成される超音波画像観察記録装置と、情報処理端末と、を具備して構成される、超音波画像観察記録ネットワークシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29