(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120869
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】移動体システム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20220812BHJP
【FI】
G05D1/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021017892
(22)【出願日】2021-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】梶 雄登
(72)【発明者】
【氏名】竹内 愛
(72)【発明者】
【氏名】小林 雅之
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB05
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD01
5H301DD06
5H301DD07
5H301DD15
5H301GG06
5H301GG07
5H301GG08
5H301HH01
5H301JJ01
(57)【要約】
【課題】移動体の移動を円滑に行うことができる移動体システムを提供する。
【解決手段】途中に押し開け可能なスイングドアDが設けられた移動経路に沿って移動可能な移動体10と、移動体10又はスイングドアDの少なくとも一方に関する所定の情報(移動体10のモータ回転数及びスイングドアDの開き量)を取得可能な二次元LIDAR13及び/又は制御部40と、移動体10がスイングドアDを押し開けているときの前記所定の情報に基づいて、移動体10の走行を制御する移動体制御を実行する制御部40と、を具備する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
途中に押し開け可能な開閉扉が設けられた移動経路に沿って移動可能な移動体と、
前記移動体又は前記開閉扉の少なくとも一方に関する所定の情報を取得可能な取得部と、
前記移動体が前記開閉扉を押し開けているときの前記所定の情報に基づいて、前記移動体の走行を制御する移動体制御を実行する制御部と、
を具備する、
移動体システム。
【請求項2】
前記取得部は、
前記所定の情報として前記開閉扉の開き量を取得可能であり、
前記制御部は、
前記移動体制御において、
前記移動体が前記開閉扉を押し開けているときに、前記開閉扉の実際の開き量が予測される開き量よりも小さいと判断した場合には前記移動体の走行を停止させ、前記開閉扉の実際の開き量が予測される開き量よりも小さくないと判断した場合には前記移動体の走行を維持する、
請求項1に記載の移動体システム。
【請求項3】
前記取得部は、
前記所定の情報として前記移動体のモータ回転数を取得可能であり、
前記制御部は、
前記移動体制御において、
前記移動体が前記開閉扉を押し開けているときの前記モータ回転数が、前記開閉扉を押し開ける前の前記モータ回転数よりも低下していると判断した場合、前記移動体の走行を停止させ、
前記移動体が前記開閉扉を押し開けているときの前記モータ回転数が、前記開閉扉を押し開ける前の前記モータ回転数よりも低下していないと判断した場合、前記移動体の走行を維持する、
請求項1又は請求項2に記載の移動体システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記移動体がこれから前記開閉扉を通過すると判断した場合、前記移動体を減速させる減速制御を実行する、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の移動体システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記移動体が前記開閉扉を通過したと判断した場合、前記移動体の走行速度を前記減速制御される前の走行速度に戻す、
請求項4に記載の移動体システム。
【請求項6】
前記移動体は、
障害物との接触を検知する接触センサを具備し、
前記制御部は、
前記移動体の運転モードを、
前記移動体がこれから前記開閉扉を通過すると判断した場合、前記接触センサが障害物との接触を検知すると前記移動体の走行を停止させる第一のモードから、前記接触センサが障害物との接触を検知しても前記移動体の走行を停止させない第二のモードに移行させる、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の移動体システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動可能な移動体を有する移動体システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動可能な移動体を有する移動体システムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、障害物との接触を検知するセンサを具備し、前記センサが障害物との接触を検知すると、障害物との衝突を回避するために移動体(走行アセンブリ)を減速させたり停止させたりする移動体システム(自走式作業ロボット)が開示されている。
【0004】
このような移動体システムは、ホテル等の施設内で、厨房とその他の場所(廊下、ホール、宴会場等)とを往来するように用いられる場合がある。厨房と宴会場等との境界にスイングドア(進行方向に対して前後両方向に回動開閉するドア)が設置されている場合、移動体は、このスイングドアを通過する必要がある。
【0005】
移動体がスイングドアを通過できるようにするには、スイングドアの開閉を自動化するか、ホテルの従業員が自らスイングドアを開ける必要がある。しかし、このような方法はコストや従業員の負担の面で問題があり、これらの状況に鑑みると、移動体が自らスイングドアを押し開けて円滑に走行することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、移動体の移動を円滑に行うことができる移動体システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、途中に押し開け可能な開閉扉が設けられた移動経路に沿って移動可能な移動体と、前記移動体又は前記開閉扉の少なくとも一方に関する所定の情報を取得可能な取得部と、前記移動体が前記開閉扉を押し開けているときの前記所定の情報に基づいて、前記移動体の走行を制御する移動体制御を実行する制御部と、を具備するものである。
【0010】
請求項2においては、前記取得部は、前記所定の情報として前記開閉扉の開き量を取得可能であり、前記制御部は、前記移動体制御において、前記移動体が前記開閉扉を押し開けているときに、前記開閉扉の実際の開き量が予測される開き量よりも小さいと判断した場合には前記移動体の走行を停止させ、前記開閉扉の実際の開き量が予測される開き量よりも小さくないと判断した場合には前記移動体の走行を維持するものである。
【0011】
請求項3においては、前記取得部は、前記所定の情報として前記移動体のモータ回転数を取得可能であり、前記制御部は、前記移動体制御において、前記移動体が前記開閉扉を押し開けているときの前記モータ回転数が、前記開閉扉を押し開ける前の前記モータ回転数よりも低下していると判断した場合、前記移動体の走行を停止させ、前記移動体が前記開閉扉を押し開けているときの前記モータ回転数が、前記開閉扉を押し開ける前の前記モータ回転数よりも低下していないと判断した場合、前記移動体の走行を維持するものである。
【0012】
請求項4においては、前記制御部は、前記移動体がこれから前記開閉扉を通過すると判断した場合、前記移動体を減速させる減速制御を実行するものである。
【0013】
請求項5においては、前記制御部は、前記移動体が前記開閉扉を通過したと判断した場合、前記移動体の走行速度を前記減速制御される前の走行速度に戻すものである。
【0014】
請求項6においては、前記移動体は、障害物との接触を検知する接触センサを具備し、前記制御部は、前記移動体の運転モードを、前記移動体がこれから前記開閉扉を通過すると判断した場合、前記接触センサが障害物との接触を検知すると前記移動体の走行を停止させる第一のモードから、前記接触センサが障害物との接触を検知しても前記移動体の走行を停止させない第二のモードに移行させるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
請求項1においては、移動体の移動を円滑に行うことができる。
【0017】
請求項2においては、移動体の移動をより円滑に行うことができる。
【0018】
請求項3においては、移動体の移動をより円滑に行うことができる。
【0019】
請求項4においては、移動体の移動をより円滑に行うことができる。
【0020】
請求項5においては、移動体の移動をより円滑に行うことができる。
【0021】
請求項6においては、移動体の移動をより円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係る移動体システムの構成を示したブロック図。
【
図2】ライントレースモードで走行している移動体がスイングドアを通過する前の状態を示した側面図。
【
図3】ライントレースモードで走行している移動体がスイングドアを押し開けている状態を示した側面図。
【
図4】ライントレースモードで走行している移動体がスイングドアを通過した後の状態を示した側面図。
【
図5】移動体の走行/停止の切換え及び走行速度の制御方法を示したフローチャート。
【
図7】(a)ライントレースモードで走行している移動体がスイングドアを通過する前の状態を示した平面図。(b)ライントレースモードで走行している移動体がスイングドアを押し開けている状態を示した平面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明においては、図中に記した矢印に従って、上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義する。
【0024】
以下では、
図1から
図4を参照して、本発明の一実施形態に係る移動体システム1の概略について説明する。
【0025】
図1に示す移動体システム1は、移動可能な移動体(後述する移動体10)を備えるものである。移動体システム1は、例えばホテル等の施設に設けられる。移動体システム1は、移動体10、第一特徴点20、第二特徴点30及び制御部40を具備する。
【0026】
移動体10は、所定の移動経路に沿って移動可能なものである。本実施形態においては、移動体10は、無人搬送ロボットであるものとする。移動体10(無人搬送ロボット)は、物(被搬送物)を載荷した状態で移送経路を移動することで、物の搬送を行うことができる。
【0027】
移動体10は、主として筐体部11、車輪12、二次元LIDAR13及びバンパーセンサ14を具備する。
【0028】
図2等に示す筐体部11は、移動体10の主たる構造体を構成するものである。筐体部11は、適宜の形状に形成される。筐体部11は、料理等の被搬送物を載置可能に構成される。
【0029】
図2等に示す車輪12は、移動体10が走行するためのものである。車輪12は、筐体部11の前部と後部に設けられる。筐体部11の前部の車輪12(前輪)と筐体部11の後部の車輪12(後輪)とは、それぞれ左右一対設けられる。車輪12は、図示せぬモータにより回転可能に形成される。
【0030】
図1及び
図2等に示す二次元LIDAR13は、被検知物(所定の範囲内の対象物)を検知(検出)するものである。二次元LIDAR13は、移動体10の適宜の箇所に設けられる。二次元LIDAR13は、水平方向にレーザーを照射可能に形成される。二次元LIDAR13は、照射したレーザーに対する散乱光を測定することで、当該二次元LIDAR13と同じ高さであって路面Aに対して平行な二次元平面の情報を取得することができる。後述する制御部40は、二次元LIDAR13が取得した情報に基づいて、遠距離にある対象の存在及び形状、並びに当該対象までの距離等を分析することができる。
【0031】
図1及び
図2等に示すバンパーセンサ14は、障害物との接触を検知するものである。バンパーセンサ14は、筐体部11の前面に設けられる。バンパーセンサ14は、障害物との接触を検知すると、その検知結果を後述する制御部40に送信する。
【0032】
このように形成された移動体10は、走行速度を設定することができるように構成されており、設定された走行速度に応じてモータ出力が決定される。なお、以下では、移動体10において設定された走行速度を「設定速度」といい、移動体10の実際の走行速度を単に「走行速度」ということもある。
【0033】
また、移動体10は、バンパーセンサ14が障害物との接触を検知すると走行を停止するバンパーセンサ接続モードで運転することができる。また、移動体10は、バンパーセンサ14が障害物との接触を検知しても走行を停止させないバンパーセンサ切断モードで運転することができる。移動体10は、後述する制御部40の制御により、バンパーセンサ接続モードとバンパーセンサ切断モードとを切り替え可能に構成される。
【0034】
また、移動体10は、路面Aに引かれた(設置された)ラインB(
図2参照)に沿って走行するライントレースモードで運転することができる。また、移動体10は、人や別の移動体に追従して走行する自動追従モードで運転することができる。移動体10は、当該移動体10に設けられたスイッチ等により、ライントレースモードと自動追従モードとを適宜切り替え可能に構成される。
【0035】
本実施形態においては、ラインBは、ホテルの厨房と宴会場とを結ぶように引かれている。これにより、ライントレースモードに設定された移動体10は、厨房と宴会場との間を往来して、料理を厨房から宴会場に運んだり、食事後の食器を宴会場から厨房に運んだりすることができる。
【0036】
図2は、ライントレースモードに設定された移動体10がラインBに沿って走行している状態を示している。また、
図2は、厨房から宴会場に向かっている移動体10を示している。厨房と宴会場との間には、スイングドアDが設けられる。スイングドアDは、左右のドアパネルが前後両方向に回動開閉する扉である。
【0037】
移動体10は、厨房側からスイングドアDを押し開けて(
図3参照)、宴会場、又は厨房と宴会場とを結ぶ廊下に移動することができる(
図4参照)。また、図示はしていないが、移動体10は、宴会場(廊下)側からスイングドアDを押し開けて、厨房に移動することができる。なお、以下では、厨房から宴会場(廊下)に向かう方向を移動体10の進行方向として説明を行う。
【0038】
図2に示す第一特徴点20は、移動体10の動作の制御に用いられるものである。第一特徴点20は、ラインBを検知可能な前記検知部(不図示)によって区別し得るように特徴のある形状に形成される。第一特徴点20は、スイングドアDよりも移動体10の進行方向手前側(後側)に設けられる。第一特徴点20は、厨房のラインB上に配置される。
【0039】
図4に示す第二特徴点30は、移動体10の動作の制御に用いられるものである。第二特徴点30は、ラインBを検知可能な前記検知部(不図示)によって区別し得るように特徴のある形状に形成される。第二特徴点30は、第一特徴点20とは異なる形状に形成される。第二特徴点30は、スイングドアDよりも移動体10の進行方向奥側(前側)に設けられる。第二特徴点30は、宴会場(廊下)のラインB上に配置される。
【0040】
図1に示す制御部40は、移動体10の動作を制御するものである。制御部40には、二次元LIDAR13による第一特徴点20及び第二特徴点30の検知結果及び移動体10やスイングドアDに関する所定の情報等に応じて実行する制御内容を予め定めたプログラムが組み込まれている。制御部40は、前記プログラムに基づいて、移動体10の動作(走行/停止、走行速度等)や移動体10の運転モード(ライントレースモード/自動追従モード、バンパーセンサ接続モード/バンパーセンサ切断モード)を制御する。また、制御部40は、モータ回転数に基づいて移動体10の走行速度を取得(検出)することができる。
【0041】
次に、
図5及び
図6を参照して、制御部40による移動体10の走行/停止の切換え及び走行速度の制御について説明する。なお、
図5及び
図6は、移動体10がライントレースモード/自動追従モードのうちライントレースモードに設定されている場合の制御を示している。また、移動体10は、
図5及び
図6に示す制御の開始時点において、バンパーセンサ接続モード/バンパーセンサ切断モードのうちバンパーセンサ接続モードに設定されている。また、
図5及び
図6に示す制御は、移動体10が起動している間、常時実行されている。また、制御部40は、移動体10の走行速度を常時又は定期的に記録している。
【0042】
図5に示すステップS21において、制御部40は、二次元LIDAR13による第一特徴点20の検知があった(二次元LIDAR13によって第一特徴点20が読み取られた)か否かを判定する。この処理において、制御部40は、二次元LIDAR13からの情報に基づいて当該判定を行う。制御部40は、第一特徴点20の検知があることで、移動体10の近くにスイングドアDがある(移動体10がスイングドアDに近接している)ことを認識することができる。
【0043】
制御部40は、第一特徴点20の検知があったと判定した場合(ステップS21で「YES」)、ステップS22に移行する。一方、制御部40は、第一特徴点20の検知がなかったと判定した場合(ステップS21で「NO」)、再びステップS21の処理を行う(ステップS21で「YES」となるまで処理を進めない)。
【0044】
ステップS22において、制御部40は、スイングドアDが開いているか否かを判定する。この処理において、制御部40は、二次元LIDAR13によって取得された、移動体10の前方の二次元平面の情報に基づいて当該判定を行う。より詳細には、制御部40は、二次元LIDAR13によって取得されたスイングドアDに関する情報に基づいてスイングドアDの左右の扉の間の隙間を算出し、当該隙間で移動体10がスイングドアDに接触することなく通過できると判断した場合、スイングドアDが開いていると判定する。一方、制御部40は、当該隙間では移動体10がスイングドアDに接触することなく通過できない判断した場合、スイングドアDが開いていないと判定する。
【0045】
制御部40は、スイングドアDが開いていると判定した場合(ステップS22で「YES」)、ステップS23に移行する。一方、制御部40は、スイングドアDが開いていないと判定した場合(ステップS22で「NO」)、ステップS24に移行する。
【0046】
ステップS23において、制御部40は、移動体10をスイングドアDに向けてそのまま直進させる。そうすることで、移動体10は、開いているスイングドアDをそのまま通過することができる。
【0047】
制御部40は、ステップS23の処理を行った後、
図5及び
図6に示す制御を終了させる。
【0048】
一方、ステップS24において、制御部40は、移動体10をバンパーセンサ切断モードに設定する。これにより、移動体10は、バンパーセンサ14によってスイングドアDとの接触が検知されたとしても、停止することなくそのまま走行することが可能となる。
【0049】
制御部40は、ステップS24の処理を行った後、ステップS25に移行する。
【0050】
ステップS25において、制御部40は、検知前速度が設定速度の50%よりも速い(検知前速度>設定速度×0.5)か否かを判定する。ここで、「検知前速度」とは、二次元LIDAR13によって第一特徴点20が検知される直前の移動体10の走行速度を示すものである。
【0051】
制御部40は、検知前速度が設定速度の50%よりも速いと判定した場合(ステップS25で「YES」)、ステップS26に移行する。一方、制御部40は、検知前速度が設定速度の50%よりも速くないと判定した場合(ステップS25で「NO」)、ステップS27に移行する。
【0052】
なお、ステップS25で「YES」の場合としては、移動体10が載荷した被搬送物の重さによって走行速度が低下している場合等が考えられる。
【0053】
ステップS26において、制御部40は、移動体10の設定速度を元の値の50%とし、移動体10を減速させる。
【0054】
制御部40は、ステップS26の処理を行った後、ステップS28に移行する。
【0055】
一方、ステップS27において、制御部40は、移動体10の設定速度を変更しない。すなわち、制御部40は、移動体10を検知前速度で走行させる。
【0056】
制御部40は、ステップS27の処理を行った後、ステップS28に移行する。
【0057】
ステップS28において、制御部40は、移動体10のモータ回転数を記録する。
【0058】
制御部40は、ステップS28の処理を行った後、ステップS29に移行する。
【0059】
図6に示すステップS29において、制御部40は、スイングドアDに移動体10が接触したか否かを判定する。この処理において、制御部40は、バンパーセンサ14からの情報に基づいて当該判定を行う。
【0060】
制御部40は、スイングドアDに移動体10が接触したと判定した場合(ステップS29で「YES」)、ステップS30に移行する。一方、制御部40は、スイングドアDに移動体10が接触していないと判定した場合(ステップS29で「NO」)、再びステップS29の処理を行う(ステップS29で「YES」となるまで処理を進めない)。
【0061】
ステップS30において、制御部40は、モータ回転数が低下しているか否かを判定する。この処理において、制御部40は、移動体10がスイングドアDに接触する直前のモータ回転数から現在のモータ回転数を減算した値が所定の閾値以上である場合、モータ回転数が低下していると判断する。一方、制御部40は、移動体10がスイングドアDに接触する直前のモータ回転数から現在のモータ回転数を減算した値が所定の閾値未満である場合、モータ回転数が低下していないと判断する。
【0062】
制御部40は、モータ回転数が低下していると判定した場合(ステップS30で「YES」)、ステップS31に移行する。一方、制御部40は、モータ回転数が低下していないと判定した場合(ステップS30で「NO」)、ステップS32に移行する。
【0063】
ステップS31において、制御部40は、移動体10の走行を停止させる。
【0064】
なお、モータ回転数が低下している場合(ステップS30で「YES」)とは、スイングドアDの向こう側にスイングドアDの開放を妨げる障害物(物や人)があり、当該障害物により車輪12が路面Aにグリップした状態で回転数が減少している場合等が考えられる。
【0065】
制御部40は、ステップS31の処理を行った後、
図5及び
図6に示す制御を終了させる。
【0066】
一方、ステップS32において、制御部40は、スイングドアDの開き量が正しいか否かを判定する。この処理において、制御部40は、スイングドアDの実際の開き量と、スイングドアDの予測開き量とを比較することにより、当該判定を行う。制御部40は、スイングドアDの実際の開き量を、二次元LIDAR13によって取得された二次元平面の情報(スイングドアDに関する情報)によって算出する。また、制御部40は、スイングドアDの予測開き量を、以下に示す方法によって算出する。
【0067】
以下、スイングドアDの予測開き量の算出方法について例を挙げて説明する。ここで、スイングドアDの予測開き量とは、移動体10によってスイングドアDが押し開けられたときの予測(期待)される開き量であって、スイングドアDの向こう側に当該スイングドアDが開くのを妨げる障害物がないと仮定した場合の開き量を示すものである。ここでは、スイングドアDの左右のドアパネルが互いに同じだけ開くものと仮定している。
【0068】
図7(a)は、移動体10がラインBに沿って前方に走行し、閉まっているスイングドアDに近接している状態を示している。ラインBは、スイングドアDの中央に(スイングドアDの左右のドアパネルがラインBに対して左右対称となるように)引かれている。
【0069】
そして、
図7(b)に示すように、移動体10は、スイングドアDに当接した状態でそのまま前方に走行することで、スイングドアDを押し開けることとなる。ここで、スイングドアDを押し開けている際の移動体10の走行速度が、スイングドアDを押し開ける前の移動体10の走行速度から変化しないとすると、移動体10の走行距離aは、(スイングドアDを押し開ける前の走行速度×走行時間)で算出される。ここで、走行距離aは、移動体10がスイングドアDに当接してからの移動体10の走行距離(前後方向の距離)を示している。また、走行時間は、移動体10がスイングドアDに当接してからの時間を示している。移動体10のスイングドアDとの当接はバンパーセンサ14によって検出することができる(ステップS29参照)。
【0070】
こうして走行距離aが求められると、スイングドアDの開き角度αは、(cosα=L1/a)の式から求められる。ここで、L1は、移動体10がスイングドアDを押し開けているときの、ドアパネルの回動軸(右端)から移動体10との当接部までの幅を示している。こうしてスイングドアDの開き角度αが求められると、L3は、(L3=L2×sinα)の式から求められる。ここで、L2は、ドアパネルの回動軸(右端)から左端までの幅を示している。また、L3は、移動体10がスイングドアDを押し開けているときの、スイングドアDの回動軸(右端)から左端までの間の左右方向の距離を示している。こうしてL3が求められると、スイングドアDの予測開き量(左右のドアパネルの左右方向の隙間)Xは、(L2-L3)×2の式から求められる。
【0071】
このようにして、制御部40は、移動体10によってスイングドアDがスムーズに押し開けられたときの開き量である予測開き量Xを算出することができる。
【0072】
そして、制御部40は、スイングドアDの実際の開き量が予測開き量Xと概ね同じである(スイングドアDの実際の開き量とスイングドアDの予測開き量との差(絶対値)が所定値以下である)場合、スイングドアDの開き量が正しいと判定する。一方、制御部40は、スイングドアDの実際の開き量が予測開き量Xよりも小さい(スイングドアDの実際の開き量からスイングドアDの予測開き量を減算した値が所定値以上である)場合、スイングドアDの開き量が正しくないと判定する。
【0073】
制御部40は、スイングドアDの開き量が正しいと判定した場合(ステップS32で「YES」)、ステップS33に移行する。一方、制御部40は、スイングドアDの開き量が正しくないと判定した場合(ステップS32で「NO」)、ステップS36に移行する。
【0074】
なお、スイングドアDの開き量が正しくない場合(ステップS32で「NO」)とは、スイングドアDの向こう側にスイングドアDが開くのを妨げる障害物(物や人)があり、かつ、車輪12と路面Aとの摩擦係数が比較的小さい(例えば、路面Aに油や洗剤などが存在している)ことにより、車輪12が空転している場合等が考えられる。
【0075】
ステップS36において、制御部40は、移動体10の走行を停止させる。
【0076】
制御部40は、ステップS36の処理を行った後、
図5及び
図6に示す制御を終了させる。
【0077】
一方、ステップS33において、制御部40は、バンパーセンサ切断モードを続行する。
【0078】
制御部40は、ステップS33の処理を行った後、ステップS34に移行する。
【0079】
ステップS34において、制御部40は、二次元LIDAR13による第二特徴点30の検知があった(二次元LIDAR13によって第二特徴点30が読み取られた)か否かを判定する。この処理において、制御部40は、二次元LIDAR13からの情報に基づいて当該判定を行う。
【0080】
制御部40は、第二特徴点30の検知があったと判定した場合(ステップS34で「YES」)、ステップS35に移行する。一方、制御部40は、第二特徴点30の検知がなかったと判定した場合(ステップS34で「NO」)、ステップS29に処理を戻す。これにより、制御部40は、移動体10がスイングドアDを押し開け始めてから第二特徴点30が検知されるまでの間、常に移動体10の回転数やスイングドアDの開き量に基づいて移動体10の走行/停止の判断及び制御を実行する。
【0081】
ステップS35において、制御部40は、移動体10を通常走行に戻す。この処理において、制御部40は、移動体10の運転モードを、バンパーセンサ切断モードからバンパーセンサ接続モードに切換える。また、制御部40は、ステップS26で移動体10を減速させている場合、移動体10の設定速度を元に戻す。
【0082】
制御部40は、ステップS35の処理を行った後、
図5及び
図6に示す制御を終了させる。
【0083】
以上のように本実施形態に係る移動体システム1においては、移動体10自体がスイングドアDを押し開けるので、移動体10がスイングドアDを通過するときに、従業員がスイングドアDを開ける必要がない。よって、従業員の負担を軽減させることができる。また、スイングドアDの開閉の自動化を行う必要もないため、コストの低減を図ることができる。
【0084】
また、移動体システム1においては、移動体10がスイングドアDと接触する前にバンパーセンサ切断モードとするので(
図5に示すステップS24)、移動体10がスイングドアDと接触しても走行を停止しないようにすることができる。このため、移動体10がスイングドアDを押し開けることが可能となる。これにより、従業員は、スイングドアDを開ける作業や、移動体10が停止してしまった場合に走行を再開させる作業を行う必要がない。よって、従業員の負担を軽減させることができる。
【0085】
また、移動体システム1においては、移動体10がスイングドアDに接触する前に走行速度を十分に落とすので(
図5に示すステップS25からS27)、移動体10がスイングドアDに激しく衝突するのを防止することができる。これにより、スイングドアDの損壊を防止することができる。また、移動体10がバランスを崩して円滑な走行が妨げられるのを防止することができる。
【0086】
また、スイングドアDの向こう側に当該スイングドアDが開くのを妨げる障害物がある場合、移動体10の走行も妨げられ、移動体10の実際の走行速度が設定速度よりも低下してしまう場合がある。この場合、車輪12と路面Aとの摩擦係数(車輪12の滑り易さ)によっては、車輪12が回転し難い状態になったり、車輪12が空転したりする場合がある。
【0087】
本実施形態においては、移動体10のモータ回転数によって移動体10の走行/停止の切換えを判断することで、車輪12が回転し難い状態になった場合に移動体10の走行を停止させることができる(
図6に示すステップS30及びS31)。また、移動体10のモータ回転数(車輪12の回転数)が低下していない場合であっても、スイングドアDの開き量によって移動体10の走行/停止の切換えを判断することで、車輪12が空転した場合に移動体10の走行を停止させることができる(
図6に示すステップS32及びS36)。したがって、移動体10の無理な走行(スイングドアDが開かないのに移動体10が走行を続行しようとすること)や、障害物(スイングドアDの向こう側にある物)の損壊を防ぐことができる。一方、移動体10がスイングドアDを押し開けている際、移動体10のモータ回転数やスイングドアDの開き量が正常であると考えられる場合には(
図6に示すステップS30で「NO」、かつ、ステップS32で「YES」)、移動体10はスイングドアDをそのまま押し開け続ける。このようにして、移動体10の走行を円滑に行うことができる。
【0088】
また、移動体システム1においては、移動体10がスイングドアDを通過した後には、移動体10をバンパーセンサ切断モードからバンパーセンサ接続モードに戻すので、移動体10の円滑な走行を維持することができる。また、移動体10の走行速度を元の速度に戻すので、移動体10の移動時間の短縮を図ることができる。
【0089】
以上の如く、本実施形態に係る移動体システム1は、途中に押し開け可能なスイングドアD(開閉扉)が設けられた移動経路に沿って移動可能な移動体10と、前記移動体10又は前記スイングドアDの少なくとも一方に関する所定の情報を取得可能な二次元LIDAR13及び/又は制御部40(取得部)と、前記移動体10が前記スイングドアDを押し開けているときの前記所定の情報に基づいて、前記移動体10の走行を制御する移動体制御を実行する制御部40と、を具備するものである。
【0090】
このように構成されることにより、移動体10の移動を円滑に行うことができる。
具体的には、移動体10がスイングドアDを押し開けるため、人がスイングドアを開けなくても移動体10を走行させることができる。また、スイングドアDの開閉の自動化を行う必要もない。また、移動体10又はスイングドアDの少なくとも一方に関する所定の情報(例えば、移動体10のモータ回転数やスイングドアDの開き量)に基づいて移動体10の走行を制御することで、移動体10の走行を適切なものとすることが可能となる。
【0091】
また、前記二次元LIDAR13は、前記所定の情報として前記スイングドアDの開き量を取得可能であり、前記制御部40は、前記移動体制御において、前記スイングドアDの実際の開き量が予測される開き量よりも小さいと判断した場合には(
図6に示すステップS32で「NO」)前記移動体10の走行を停止させ(
図6に示すステップS36)、前記移動体10が前記スイングドアDを押し開けているときに、前記スイングドアDの実際の開き量が予測される開き量よりも小さくないと判断した場合には(
図6に示すステップS32で「YES」)前記移動体10の走行を維持する(
図6に示すステップS33)ものである。
【0092】
このように構成されることにより、移動体10の移動を円滑に行うことができる。
具体的には、スイングドアDの向こう側に当該スイングドアDが開くのを妨げる障害物がある場合には移動体10の走行を停止させるため、移動体10の無理な走行(スイングドアDが開かないのに移動体10が走行を続行すること)を防ぐことができる。また、前記障害物(スイングドアDの向こう側にある物)の損壊を防ぐことができる。
【0093】
また、前記制御部40は、前記所定の情報として前記移動体10のモータ回転数を取得可能であり、前記制御部40は、前記移動体制御において、前記移動体10が前記スイングドアDを押し開けているときの前記車輪12の回転数が、前記スイングドアDを押し開ける前の前記車輪12の回転数よりも低下していると判断した場合(
図6に示すステップS30で「YES」)、前記移動体10の走行を停止させ(
図6に示すステップS31)、前記移動体10が前記スイングドアDを押し開けているときの前記車輪12の回転数が、前記スイングドアDを押し開ける前の前記車輪12の回転数よりも低下していないと判断した場合(
図6に示すステップS30で「NO」)、前記移動体10の走行を維持するものである。
【0094】
このように構成されることにより、移動体10の移動をより円滑に行うことができる。
具体的には、移動体10の車輪12の回転数が低下している場合(例えば、スイングドアDの向こう側に当該スイングドアDが開くのを妨げる障害物があることで、車輪12が回転し難い状態になった場合)、移動体10の走行を停止させることができる。これにより、移動体10の無理な走行や前記障害物の損壊を防ぐことができる。
【0095】
また、前記制御部40は、二次元LIDAR13によって第一特徴点20が検知された場合(前記移動体10がこれから前記スイングドアDを通過すると判断した場合(
図5に示すステップS21で「YES」))、前記移動体10を減速させる減速制御(
図5に示すステップS26)を実行するものである。
【0096】
このように構成されることにより、移動体10の移動をより円滑に行うことができる。
具体的には、移動体10がスイングドアDに激しく衝突するのを防ぐことができる。
【0097】
また、前記制御部40は、二次元LIDAR13によって第二特徴点30が検知された場合(前記移動体が前記スイングドアDを通過したと判断した場合(
図6に示すステップS34で「YES」))、前記移動体10の走行速度を前記減速制御される前の走行速度に戻す(
図6に示すステップS35)ものである。
【0098】
このように構成されることにより、移動体10の移動をより円滑に行うことができる。
具体的には、移動体10がスイングドアDを通過した後に減速されたままとなるのを防ぐことができるので、移動体10の移動時間の短縮を図ることができる。
【0099】
また、前記移動体10は、障害物との接触を検知するバンパーセンサ14(接触センサ)を具備し、前記制御部40は、前記移動体10の運転モードを、二次元LIDAR13によって第一特徴点20が検知された場合(前記移動体がこれから前記スイングドアDを通過すると判断した場合(
図5に示すステップS21で「YES」))、前記バンパーセンサ14が障害物との接触を検知すると前記移動体10の走行を停止させるバンパーセンサ接続モード(第一のモード)から、前記バンパーセンサ14が障害物との接触を検知しても前記移動体10の走行を停止させないバンパーセンサ切断モード(第二のモード)に移行させる(
図5に示すステップS24)ものである。
【0100】
このように構成されることにより、移動体10の移動をより円滑に行うことができる。
具体的には、移動体10がスイングドアDに接触した場合に停止してしまうのを防止することができる。このため、移動体10がバンパーセンサ14(接触センサ)を備えている場合であっても、移動体10によりスイングドアDを押し開けることができる。そして、移動体10(バンパーセンサ14)がスイングドアD以外の障害物に接触した場合には、移動体10の走行を停止させることができる。
【0101】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0102】
例えば、本実施形態においては、移動体システム1はホテルに設けられるものとしたが、スイングドアが設けられた任意の施設に設けることができる。また、移動体10が押し開ける扉は、スイングドアDに限定されるものではなく、押し開け可能な開閉扉であれば任意のものとすることができ、例えば回転ドア(360度回転可能なドア)であってもよい。
【0103】
また、本実施形態においては、移動体10がライントレースモードで運転する場合の、移動体10の走行/停止の切換え及び走行速度の制御について説明したが、自動追従モードでも同様の制御を行うことができる。
【0104】
また、本実施形態においては、二次元LIDAR13によってスイングドアDの実際の開き量を検出するものとしたが、スイングドアDの実際の開き量を検出する手段はこれに限定されず、任意の手段とすることができる。
【0105】
また、本実施形態においては、移動体10が厨房から宴会場に向かう例を示したが、宴会場から厨房に向かう場合は第二特徴点30が本発明に係る「第一の特徴点」となり、第一特徴点20が本発明に係る「第二の特徴点」となる。この場合、制御部40は、移動体10の進行方向と紐付けて、第一特徴点20に基づく制御と第二特徴点30に基づく制御とを切換えるようにしてもよい。
【0106】
また、本実施形態においては、第一特徴点20及び第二特徴点30はラインB上に配置されるものとしたが、第一特徴点20及び第二特徴点30の配置場所は、ラインBを検知可能な前記検知部(不図示)によって検知可能な位置であればよい。また、第一特徴点20及び第二特徴点30は、二次元LIDAR13によって検知可能な位置に配置されていてもよい。この場合、制御部40は、二次元LIDAR13からの情報に基づいて
図5に示すステップS21や
図6に示すステップS34の判定を行う。
【0107】
また、本実施形態においては、制御部40は、第一特徴点20の検知(ステップS21で「YES」)を契機として減速制御(ステップS26)を行うものとしたが、減速制御を行う契機はこれに限定されるものではなく、例えばGPSなどによって位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて移動体10がスイングドアDに近づいたと判断した場合に、減速制御(ステップS26)を行うものとしてもよい。
【0108】
また、本実施形態においては、
図5に示すステップS25において、制御部40は、検知前速度が「設定速度の50%」よりも速いか否かを判定するものとしたが、当該判定における閾値はこれに限定されるものではなく、設定速度より小さい任意の値とすることができる。
【0109】
また、
図5に示すステップS26において、制御部40は、移動体10の設定速度を元の値の50%に低下させるものとしたが、低下後の設定速度はこれに限定されるものではなく、任意の値とすることができる。また、移動体10のモータ回転数や被搬送物の重さを考慮して、実際の走行速度が設定速度の50%となるように設定速度を調整してもよい。
【0110】
また、本実施形態においては、移動体10の走行/停止を判断する基準として、移動体10のモータ回転数及びスイングドアDの開き量を用いたが、移動体10のモータ回転数又はスイングドアDの開き量のいずれか一方を用いるものとしてもよい。また、移動体10の走行/停止を判断する基準は、これらに限定されるものではなく、移動体10はスイングドアD(開閉扉)の少なくとも一方に関する所定の情報を用いることができる。
【0111】
また、本実施形態においては、モータ回転数が低下しているか否かの判定(
図6に示すステップS30)の材料として、スイングドアDに接触する直前の実際のモータ回転数を用いるものとしたが、スイングドアDに接触する直前の移動体10の設定速度から算出されるモータ回転数を用いてもよい。
【0112】
また、本実施形態においては、バンパーセンサ切断モードは、バンパーセンサ14が障害物との接触を検知しても制御部40側で移動体10の走行を停止させないものとしたが、バンパーセンサ14が検知そのものを行わないようにしてもよい。この場合、移動体10がスイングドアDに接触したか否かの判断(
図6に示すステップS29)は、第一特徴点20の位置を基準とした移動体10の走行距離等により判断することができる。
【0113】
また、移動体システム1の各構成要素(制御部40等)は、移動体10とは別に設けられていてもよく、或いは移動体10に設けられていてもよい(すなわち、移動体システム1が移動体10であってもよい)。
【符号の説明】
【0114】
1 移動体システム
10 移動体
13 二次元LIDAR
14 バンパーセンサ
40 制御部