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  • 特開-フェイス密着式シールド 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120889
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】フェイス密着式シールド
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220812BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021017918
(22)【出願日】2021-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】721001177
【氏名又は名称】白石 美也子
(72)【発明者】
【氏名】白石 美也子
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA06
2E185BA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、コロナ禍時代の新しい生活様式のワンツールとして、安価で簡単に作れる飲食に特化したフェイス密着式シールドを提供する。
【解決手段】装着者の顔を覆うフェイス密着式シールドであって、弾性を有する透明樹脂板からなる上部シールド(2)と下部シールド(3)の二つのシールドで構成され、前記上部シールド(2)の左右両端の位置と、前記下部シールド(3)の左右両端上縁寄りの左右対称の位置に、それぞれ連結部(5)を設け、前記連結部(5)の左側同士と右側同士をそれぞれ紐状弾性体(4)で連結し、それぞれの前記紐状弾性体(4)をそれぞれの耳に掛けることで、前記上部シールド(2)は装着者の前額部で固定され、前記下部シールド(3)は、前記紐状弾性体(4)の伸縮性を利用して位置と形状を変化させながら使うことができることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の顔を覆うフェイス密着式シールドであって、
弾性を有する透明樹脂板からなる上部シールド(2)と下部シールド(3)の二つのシールドで構成され、
前記上部シールド(2)の左右両端の位置と、
前記下部シールド(3)の左右両端上縁寄りの左右対称の位置に、
それぞれ連結部(5)を設け、
前記連結部(5)の左側同士と右側同士をそれぞれ紐状弾性体(4)で連結し、
それぞれの前記紐状弾性体(4)をそれぞれの耳に掛けることで、
前記上部シールド(2)は装着者の前額部で固定され、
前記下部シールド(3)は、前記紐状弾性体(4)の伸縮性を利用して位置と形状を変化させながら使うことができることを特徴とするフェイス密着式シールド。
【請求項2】
前記上部シールド(2)と下部シールド(3)は、透明樹脂製のクリアファイルを切断して作成されることを特徴とする請求項1に記載のフェイス密着式シールド。
【請求項3】
前記上部シールド(2)と下部シールド(3)の横方向の寸法は同一であり、
縦方向の寸法は、略1:3の比率であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフェイス密着式シールド。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会食の段階(食・飲・談)に合わせて、シールドの位置と形状をフレキシブルに変えながら使うことができる簡易で実用的なフェイス密着式シールドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コロナ感染症の終息が見込めず、政府が飲食時の「マスク会食」を推奨してはいるものの「マスクの置き場に困る」、「つけ外しが面倒くさい」等の理由でなかなか広まらない現状の中、大半の食事会では飲食の直前まではマスクを着用し、食事が始まるとマスクを外したまま会話を交えながらの飲食が進み(クラスター発生の要因)、食後もしばらくの間マスクなしで談笑する(警戒心の強い人はこの段階で再度マスクを装着)というスタイルが定着している。
このような実情を踏まえ、これ以上感染拡大を広げないために、社会全体のマナーとして、飲食時の会話や咳等に起因する飛沫感染のリスクを軽減しながら、友人・親戚・知人との食事や仕事上の会食を安心して行うための工夫が各人に求められている。
【0003】
先行技術としては、下記特許文献1に開示されるフェイスシールドがある。これは、マスクや眼鏡によってしっかりと固定することができ、頻繁に新品に取り換えても安価なフェイスシールドの提供を目的とするものであるが、主に医療関係者のコロナ感染防止のための使用を主眼としているためフルフェイス型となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3227534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先行技術のフルフェイス型のフェイスシールドは、本来食事を目的として作られていないため、本体と顔の間の隙間が狭く、食事用として使用するには適さないという構造面の問題がある。
【0006】
食事用に口回りが上下又は左右に開く可動式のフェイスシールドもインタ
ーネット等で紹介されているが、良質な素材で構造も複雑なため販売価格が高額となり、購入者にとって経済的な負担が大きいという課題がある。
【0007】
現在流通しているフェイスシールドの大半は、PETフィルムやポリカーボネート等のハードな素材で作られているため硬く、着脱時に顔の皮膚にストレスを感じるという問題がある。
【0008】
形体に関しても、縦横ともに概ね20cm~30cmの大型サイズのものが多く、持ち運びの際に大きな携行バックを必要とするという難点がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本課題を解決するために装着者の顔を覆うフェイス密着式シールドであって、 弾性を有する透明樹脂板からなる上部シールド(2)と下部シールド(3)の二つのシールドで構成され、前記上部シールド(2)の左右両端の位置と、前記下部シールド(3)の左右両端上縁寄りの左右対称の位置に、それぞれ連結部(5)を設け、前記連結部(5)の左側同士と右側同士をそれぞれ紐状弾性体(4)で連結し、それぞれの前記紐状弾性体(4)をそれぞれの耳に掛けることで、前記上部シールド(2)は装着者の前額部で固定され、前記下部シールド(3)は、前記紐状弾性体(4)の伸縮性を利用して位置と形状を変化させながら使うことができることを特徴とするフェイス密着式シールドを発明した。
【0010】
シールドの素材に弾性を有する透明樹脂板としてクリアファイルという安価な素材を使用することで製品価格を安く設定できるため使い捨てが可能である上、洗剤やアルコールでシールドの消毒や洗浄を行い複数回使用することで、更に購入に係る出費を抑えることが出来る。
【0011】
本製品は、弾性を有する透明樹脂板の素材としてポリプロピレン(クリアファイルの素材)を使用することでソフトな肌触りを実現しており、長時間装着していても肌への負担やストレスを感じにくい。
【0012】
本製品は、薄くて軽い素材で作られているため、スッキリとかさばらずに収納ができ、カバンに入れて携行するのに便利である。
【発明の効果】
【0013】
本製品は安価な素材で簡単に作ることができ、軽くてソフトな仕上がりのため直接顔に当ててもストレスとならず、持ち運びにも便利である。
【0014】
飲食時の使用に特化して発明した商品であり、食事前に上部シールドを額に当て両サイドの紐状弾性体を耳にかければ、伸縮性により、食事の際(図6図7)は、下部シールドを下に引っ張って喉元から顎に水平方向に沿わす(顎の下にシールドの受け皿ができる)、もしくは図8のように、下部シールドを上に引っ張りあげて頭頂部近くで固定するといった方法により口回りを開放する、飲物やデザートの際(図9)は、下部シールドを片手で前に引っ張り顔とシールドの間に飲食を可能とする程度の隙間を作る、会話の際(図10)は、下部シールドを鼻の上まで持ち上げて顔の下半分を覆いマスクの代用とする等、用途に応じて下部シールドの位置と形状をフレキシブルに変えることで、面倒なシールド本体の着脱を何度も行うことなく、会食を終えるまでの間飲食と会話の両立が可能となる。
【0015】
withコロナの時代「新しい生活様式」として普及すれば、家族や仲間との会食を楽しみにしている人達がより安心して会食ができ、営業自粛要請による休業や時短営業で苦しんでいる飲食業界の客足の悪化改善に寄与することができる。また販売価格も低廉に抑えることができるので、飲食グループ全員が購入して一斉使用することで相乗効果が高まる。
【0016】
シールドが上下に分割されているので、眼鏡をかけたままでもスムーズに装着できるという利点がある。その際、顔の下半分が下部シールドで覆われるため鼻からの息は下方向に流れ眼鏡が曇らない。
【0017】
透明性を持つ素材なので、マスクのように口元が隠れてしまうことがなく相手の表情を見ながら会話ができる。
【0018】
高齢者や子供でも簡単に脱着ができる上、食事の際は図6図7のような使い方をすれば、下部シールドが顎の下で受け皿の役割を果たしてくれるので、食べこぼしやソース類の飛散による衣類の汚れ防止の役割も果たす。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の弾性を有する透明樹脂板で作ったフェイス密着式シールドの正面図(裏面)
図2】本発明の弾性を有する透明樹脂板で作ったフェイス密着式シールドの平面図
図3図2におけるA部の拡大図
図4】本発明の弾性を有する透明樹脂板で作ったフェイス密着式シールドの側面図
図5図4におけるB部の拡大図
図6】本発明において、食事の際に下部シールドを喉元から顎に水平方向に沿わして使用する場合の二枚のシールドの位置と状態を正面から見た図である。
図7図6における下部シールドを側面から見た図である。
図8】本発明において、食事の際に下部シールドを上に引っ張りあげて頭頂部近くで固定して使用する場合の二枚のシールドの位置と状態を側面から見た図である。
図9】本発明において、飲み物やデザートの際に下部シールドを片手で前に引っ張り出し、顔とシールドの間に隙間を作りながら飲食する場合の二枚のシールドの位置と状態を側面から見た図である。
図10】本発明において、会話の際に下部シールドで顔の下半分を覆った場合の二枚のシールドの位置と状態を正面から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に示すように、弾性を有する透明樹脂板を、例えば横幅は上部シールド及び下部シールドは共に220mm、縦幅は上部シールド35mm、下部シールド105mm(1:3)にカットして、上部シールド(2)と下部シールド(3)の二枚のシールドを作り、それぞれのシールドの左右の両サイドを二本の紐状弾性体パーツを使って縦に連結させた形状とし、使用の際には両耳に掛けた紐状弾性体の伸縮性を利用して簡単に顔に脱着することができる。なお、上部シールドと下部シールドの横幅は常に同一であるが、縦幅は上部シールド(2)と下部シールド(3)の寸法比として略1:3になればよい寸法である。
【0021】
紐状弾性体パーツは、紐状弾性体として例えば平ゴムを使用し、紐状弾性体固定用シートは例えば不織布を平ゴムに合わせたサイズでカットしたものを用いる。
紐状弾性体の材料は平ゴムに限定するものではなく、弾性力があるものであればよい。また、紐状弾性体固定用シートは不織布に限定するものではなく、紐状弾性体を固定できる性能をもつものであればよい。
【0022】
食事の際は図6図7に示すように、耳に掛けた紐状弾性体の伸縮性を利用して、下部シールドを下に下げ、喉元から顎に沿って水平方向に沿わせて口回りを開放する(顎の下にシールドの受け皿ができる)、もしくは図8のように、下部シールドを上に引っ張りあげて頭頂部近くで固定する、飲物やデザートの際は図9に示すように、下部シールドを片手で前に引っ張り出し、顔とシールドの間に飲食のための空間を作る、会話の際は図10に示すように、下部シールドを顔の下半分に湾曲するように装着し口回りを覆う等、会食を終えるまでの間シールド本体を一度も脱着することなく、進行状態や用途に合わせてフレキシブルに下部シールドの位置や形状を変えることができる。
【0023】
上部シールド(2)と下部シールド(3)の寸法は、上記寸法に限定されるものではなく、例えば大(男性用)・中(女性用)・小(子供用)のように、用途に合わせて寸法を変えながら作ることができる。
【0024】
シールドパーツ(2、3)の素材については、弾性を有する透明樹脂板でなくても、用途に合わせて、色や柄の付いた弾性を有する樹脂板製品であってもよい。また、シールドパーツ(2、3)の一部にシールやマスキングテープ等のパーツを貼って製品のアイテムを増やすことができる。更に自分だけのオリジナル製品を作りたい人に向けて、自由にカスタマイズできるデコレーション用の材料をセット販売する等、使用者のニーズに合わせることで女性や子供向けの新しいビジネスモデルを展開できる。
【符号の説明】
【0025】
1 フェイス密着式シールド
2 上部シールド
3 下部シールド
4 紐状弾性体
5 紐状弾性体固定用シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10