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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120898
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】ゴミ収集判定システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20220812BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20220812BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20220812BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20220812BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021017939
(22)【出願日】2021-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】坂井 孝光
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA07
5H181BB04
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181MA41
5H181MB01
(57)【要約】
【課題】実際の収集作業に即した収集判定が行われる可能性を高める。
【解決手段】ゴミ収集車の位置である車両位置を取得する車両位置取得部と、前記ゴミ収集車によるゴミの収集位置を取得する収集位置取得部と、前記収集位置のゴミが収集済みであるか否かを判定するための収集判定範囲を取得する収集判定範囲取得部と、前記車両位置および前記収集位置が前記収集判定範囲に含まれる場合に、当該収集判定範囲内の前記収集位置においてゴミが収集されたと判定する収集判定部と、前記ゴミ収集車の停車期間に応じて、前記車両位置が含まれる前記収集判定範囲の大きさを拡大する収集判定範囲制御部と、を備える構成とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴミ収集車の位置である車両位置を取得する車両位置取得部と、
前記ゴミ収集車によるゴミの収集位置を取得する収集位置取得部と、
前記収集位置のゴミが収集済みであるか否かを判定するための収集判定範囲を取得する収集判定範囲取得部と、
前記車両位置および前記収集位置が前記収集判定範囲に含まれる場合に、当該収集判定範囲内の前記収集位置においてゴミが収集されたと判定する収集判定部と、
前記ゴミ収集車の停車期間に応じて、前記車両位置が含まれる前記収集判定範囲の大きさを拡大する収集判定範囲制御部と、
を備える、ゴミ収集判定システム。
【請求項2】
前記収集判定範囲の大きさの拡大は、
前記ゴミ収集車の進行方向に対して垂直な方向に向けて実施される、
請求項1に記載のゴミ収集判定システム。
【請求項3】
前記車両位置が、中央分離帯が存在する道路、片側2車線以上の道路、の少なくとも一方に存在する場合、
前記車両位置が存在する車線に対する反対車線側への前記収集判定範囲の大きさの拡大は実施されない、
請求項2に記載のゴミ収集判定システム。
【請求項4】
前記収集判定範囲の大きさの拡大は、
前記車両位置が存在する道路に接続する道路に沿うように実施される、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のゴミ収集判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ収集判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴミ収集車によってゴミがされたか否か判定するシステムが知られている。特許文献1には、ゴミ収集車の位置を把握し、ゴミ収集地点でゴミ収集車が停止している場合にゴミの回収中であると判定する技術が開示されている。また、ゴミ収集車がそのゴミ収集地点から離れれば、ゴミの回収が終わったと判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-341802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゴミ収集車においては、1回の停車の際に複数の収集位置から作業員がゴミを収集することがある。従来の技術においては、このような場合に収集位置からゴミが収集されたか否か正確に判定することができなかった。
【0005】
本発明は、前記課題に鑑みなされたもので、実際の収集作業に即した収集判定が行われる可能性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明のゴミ収集判定システムは、ゴミ収集車の位置である車両位置を取得する車両位置取得部と、ゴミ収集車によるゴミの収集位置を取得する収集位置取得部と、収集位置のゴミが収集済みであるか否かを判定するための収集判定範囲を取得する収集判定範囲取得部と、車両位置および収集位置が収集判定範囲に含まれる場合に、当該収集判定範囲内の収集位置においてゴミが収集されたと判定する収集判定部と、ゴミ収集車の停車期間に応じて、車両位置が含まれる収集判定範囲の大きさを拡大する収集判定範囲制御部と、を備える。
【0007】
1回の停車の際に複数の収集位置から作業員がゴミを収集する場合、1回の停車の際に1箇所の収集位置から作業員がゴミを収集する場合と比較して停車期間が長くなる。そこで、ゴミ収集判定システムにおいて、ゴミ収集判定システム停車期間に応じて収集範囲の大きさを拡大する構成とした。この構成によれば、収集判定範囲内に車両位置および収集位置が含まれる場合に、当該収集位置においてゴミが収集されたと判定することにより、実際の収集作業に即した収集判定が行われる可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ゴミ収集判定システムの構成を示す図である。
図2】収集地点と収集判定範囲と道路とゴミ収集車の関係を例示する図である。
図3】収集判定範囲の拡大を説明する図である。
図4】収集判定範囲の拡大を説明する図である。
図5】ゴミ収集判定処理を示すフローチャートである。
図6】収集地点と収集判定範囲と道路とゴミ収集車の関係を例示する図である。
図7】収集判定範囲の拡大を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
下記の順序に従って実施の形態について説明する。
(1)ゴミ収集判定システムの構成:
(2)ゴミ収集判定処理:
(3)他の実施形態:
【0010】
(1)ゴミ収集判定システムの構成:
図1は、ゴミ収集判定システム20の構成を示すブロック図である。本実施形態において、ゴミ収集判定システム20は、車両位置送信システム10と協働する。車両位置送信システム10は、ゴミ収集車に搭載されるシステムであり、ゴミ収集車によって生成した車両位置をゴミ収集判定システム20に送信する。
【0011】
本実施形態において、車両位置は、ゴミ収集車の現在位置であり、一定期間毎の車両位置が車両位置送信システム10で収集され、ゴミ収集判定システム20に送信される。本実施形態において、ゴミ収集車は複数台存在することが想定されている。各ゴミ収集車のそれぞれには、車両位置送信システム10が備えられるが、図1においては、その中の一つを示している。
【0012】
車両位置は、各ゴミ収集車から送信され、ゴミ収集判定システム20は、複数のゴミ収集車から送信される車両位置に基づいて各ゴミ収集車でのゴミの収集履歴を特定する。ゴミ収集判定システム20は、複数のゴミ収集車の管理を行う管理者等に利用される。
【0013】
車両位置送信システム10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部11と通信部13とGNSS受信部14とを備えている。通信部13は、外部の装置と無線通信を行うための装置である。制御部11によるゴミ収集判定システム20との情報の送受信は、通信部13を介して行われる。
【0014】
GNSS受信部14は、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信する装置である。GNSS受信部14は、航法衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して、車両の位置を算出するための信号を出力する。制御部11は、この信号を取得して車両位置を取得する。
【0015】
なお、本実施形態において、車両位置は、ゴミの収集が行われたか否かの判定に使用される。すなわち、車両位置がゴミの収集位置に対して既定の基準を満たすほど近づけば、当該ゴミ収集車でゴミが収集したと見なされる。このため、ゴミ収集車の車両位置は、ゴミの収集位置との距離によって、ゴミが収集されたか否か判定できるように定義されることが好ましい。本実施形態において、ゴミの収集車は、収集車の後部に開口部を有しており、当該開口部にゴミを投入することでゴミを収集する。従って、ゴミを収集する際の作業領域は収集車の後部付近である。このため、車両位置は後部の位置であることが好ましい。本実施形態においては、GNSS受信部14が出力した信号が当該GNSS受信部14の位置を示しており、GNSS受信部14は車両の前部に存在するため、制御部11は、GNSS受信部14の位置を車両進行方向の後方に既定距離だけオフセットすることによって後部の位置を取得し、車両位置と見なす。
【0016】
制御部11は、ROMや図示しない記録媒体に記憶された種々のプログラムを実行することができる。本実施形態の制御部11は、このプログラムの1つとして、車両位置送信プログラム110を実行することができる。車両位置送信プログラム110が実行されると、制御部11は、車両位置送信部111として機能する。制御部11は、車両位置送信部111の機能により、一定期間毎に車両位置を取得し、通信部13を介して車両位置をゴミ収集判定システム20に送信する。
【0017】
当該車両位置を送信するため、制御部11は、車両位置送信部111の機能により、一定期間毎に、GNSS受信部14の出力信号に基づいてゴミ収集車の現在地を取得する。さらに、制御部11は、車両位置送信部111の機能により、図示しない計時回路に基づいて現在時刻を取得し、ゴミ収集車の現在地に対して現在時刻を対応づけ、車両位置としてRAMまたは図示しない記録媒体に記録する。
【0018】
そして、制御部11は、車両位置送信部111の機能により、既定の期間内に収集した車両位置に、ゴミ収集車の車両IDを対応付け、通信部13を介してゴミ収集判定システム20に送信する。以上の処理が、各ゴミ収集車において実施されることにより、ゴミ収集判定システム20においては、各ゴミ収集車の走行履歴である車両位置情報を蓄積する。
【0019】
次に、ゴミ収集判定システム20について説明する。ゴミ収集判定システム20は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部21と記録媒体22と通信部23とユーザI/F部24とを備えている。制御部21は、記録媒体22やROMに記憶された種々のプログラムを実行することができる。本実施形態の制御部21は、このプログラムの1つとして、ゴミ収集判定プログラム210を実行することができる。
【0020】
通信部23は、外部の装置と無線通信を行うための装置である。制御部21は、通信部23を介して車両位置送信システム10と通信し、各種の情報を授受する。ユーザI/F部24は、利用者の指示を入力し、また、ユーザに各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネル式のディスプレイやスイッチ等やスピーカー等を備えている。すなわち、ユーザI/F部24は、画像や音声を出力する出力部およびユーザによる指示の入力部を備えている。
【0021】
記録媒体22は、各種の情報を蓄積可能であり、本実施形態においては、予め収集位置情報222,地図情報223が記録されている。また、ゴミ収集判定システム20の運用過程で車両位置情報221,収集履歴情報224が取得され、記録媒体22に記録される。
【0022】
収集位置情報222は、ゴミの収集位置を示す情報であり、道路上または道路の周辺に予め設定されたゴミの収集位置の座標が収集位置情報222として記録媒体22に記録されている。本実施形態において収集位置情報222は、地図情報223が示す地図と同一の座標系でゴミの収集位置を定義している。図2は、ゴミの収集位置を例示した図である。図2に示す例においては、道路の周辺(車道の周辺の歩道等)に予め設定された収集位置P1~P6が例示されている。
【0023】
地図情報223は、道路区間の端点に対応するノードの位置を示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ、ノード同士を接続するリンクを示すリンクデータ等を含んでいる。ここで、ノードは、交差点に対応し、リンクは、交差点から交差点までの道路区間に対応する。
【0024】
本実施形態において,リンクデータには、リンクデータが示す道路区間を示す情報が対応づけられている。具体的には、道路区間に中央分離帯が存在する場合、当該中央分離帯の存在を示す情報が対応づけられている。また、リンクデータには、車線に関する情報が対応づけられている。すなわち、車線の数および進行方向が対応づけられている。従って、双方向通行の場合には、道路の両側に存在する複数の車線のそれぞれに、逆向きの方向が対応づけられている。
【0025】
車両位置情報221は、車両位置送信システム10から送信されたゴミ収集車の車両位置を示す情報である。当該車両位置は、上述のように、一定期間毎の各時刻におけるゴミ収集車の車両位置であり、各ゴミ収集車の車両IDが対応づけられている。収集履歴情報224は、各ゴミ収集車によってゴミが収集された収集位置を示す情報である。すなわち、各ゴミ収集車でゴミが収集されたと判定された収集位置は、収集済であることを示す情報が対応づけられ、収集履歴情報224として記録媒体22に記録される。収集履歴情報224において、収集位置は座標で特定されることが想定されているが、他の態様、例えば、収集位置のIDで特定される態様等であっても良い。
【0026】
制御部21が、ゴミ収集判定プログラム210を実行すると、制御部21は、車両位置取得部211,収集位置取得部212,収集判定範囲取得部213,収集判定部214,収集判定範囲制御部215,収集履歴出力部216として機能する。
【0027】
車両位置取得部211は、ゴミ収集車の位置である車両位置を取得する機能である。すなわち、制御部21は、車両位置取得部211の機能により、車両位置送信システム10から送信される車両位置を、通信部23を介して取得し、記録媒体22に車両位置情報221として記録する。この結果、ゴミ収集車の車両IDに対応づけられた、各ゴミ収集車の車両位置の履歴が記録された状態になる。
【0028】
収集位置取得部212は、ゴミ収集車によるゴミの収集位置を取得する機能である。すなわち、制御部21は、収集位置取得部212の機能により、記録媒体22に記録された収集位置情報222を取得する。具体的には、本実施形態において制御部21は、ゴミ収集車毎にゴミを収集した収集位置を特定し、ゴミ収集車毎の収集の履歴を生成する。このために、制御部21は、収集位置情報222を参照し、ゴミ収集車の周辺(例えば、既定距離)以内に存在する収集位置の座標を取得する。
【0029】
収集判定範囲取得部213は、収集位置のゴミが収集済みであるか否かを判定するための収集判定範囲を取得する機能である。本実施形態において、収集判定範囲の形状及び大きさは可変であるが、変化前の基準の形状及び大きさは予め決められている。基準の形状及び大きさは限定されないが、本実施形態においては、円である。また、本実施形態において、収集判定範囲は、ゴミの収集位置を中心とした円である。
【0030】
図2においては、収集位置P1~P6のそれぞれに、基準の形状および大きさである円形の収集範囲が。収集位置P1~P6を中心とした実線の円によって示されている。制御部21は、収集判定範囲取得部213の機能により、このような基準の形状及び大きさの収集判定範囲を取得することができればよい。収集判定範囲は、各種の手法で特定されて良いが、本実施形態において制御部21は、基準の形状及び大きさである円の半径を取得することによって、基準の収集判定範囲を取得する。
【0031】
収集判定部214は、車両位置および収集位置が収集判定範囲に含まれる場合に、当該収集判定範囲内の収集位置においてゴミが収集されたと判定する機能である。すなわち、制御部21は、収集判定部214の機能により、車両位置が収集判定範囲に含まれるか否か判定し、車両位置が収集判定範囲に含まれる場合には、当該収集判定範囲に含まれる収集位置でゴミの収集が行われたとみなす。例えば、図2に示す例において、ゴミの収集車Cの車両位置Pcは、収集位置P3の収集判定範囲R3に含まれている。この状況であれば、制御部21は、収集位置P3のゴミが収集されたと判定する。
【0032】
本実施形態において、収集判定範囲は、各収集位置に対応づけられている。従って、一つの収集判定範囲に一つの収集位置が含まれる。このため、収集判定範囲内に車両位置が存在することに基づいて、当該収集判定範囲が対応づけられた収集位置からゴミが収集されたと判定することができる。
【0033】
しかし、ゴミの収集車における実際の作業においては、ゴミの収集車が停車または減速している過程で作業員が複数の収集位置からゴミを集めることも多い。例えば、図2に示す例において、収集位置P3のゴミを収集した作業者は、収集位置P4のゴミも収集してくる可能性がある。収集判定範囲内に含まれる収集位置が1個である場合、複数カ所の収集位置のゴミが収集されたか否か判定することができない。
【0034】
そこで、本実施形態においては、複数の収集位置でのゴミの収集が行われる場合、1カ所の収集位置の収集のたびにゴミ収集車が移動する場合と比較して、ゴミ収集車が停車または実質的に停車している長さが長くなることに着目している。すなわち、本実施形態においては、停車期間の長さに基づいて複数カ所での収集の有無を判定できるように構成されている。具体的には、ゴミ収集車の停車期間が長くなるほど、収集判定範囲の大きさが拡大される。
【0035】
収集判定範囲制御部215は、ゴミ収集車の停車期間に応じて、車両位置が含まれる収集判定範囲の大きさを拡大する機能である。すなわち、制御部21は、車両位置情報221を参照し、判定対象のゴミ収集車の車両位置の履歴を取得する。また、制御部21は、車両位置と車両位置に対応づけられた時刻とに基づいて、ゴミ収集車の車速を特定する。そして、制御部21は、ゴミ収集車の車速が既定値以下である場合に車両が停車しているとみなし、ゴミ収集車が停車している期間が長いほど、収集判定範囲の大きさを拡大させる。収集判定範囲を拡大させる態様は、種々の態様であって良く、例えば、時間に比例して大きさを示すパラメータ(円の半径や楕円の長軸等)が大きくなる構成等を採用可能である。
【0036】
本実施形態において、収集判定範囲の大きさの拡大は、ゴミ収集車の進行方向に対して垂直な方向に向けて実施される。すなわち、制御部21は、車両位置情報221を参照し、ゴミ収集車が停車している期間の前後における車両位置に基づいて車両の進行方向を特定する。なお、車両の進行方向は、車両位置が存在する道路が延びる方向等に基づいて特定されても良い。
【0037】
そして、制御部21は、ゴミ収集車の進行方向に垂直な方向を拡大方向とし、拡大方向に向けて収集判定範囲を拡大させる。拡大後の収集判定範囲の形状は限定されないが、例えば、楕円である場合、拡大方向に向けて長軸が延びるように楕円の大きさを変化させる構成等が挙げられる。図3は、収集位置P3の周辺でゴミ収集車Cが停車しており、その間に作業車が収集位置P3,P4のゴミを収集したことが想定されている。図3においては、当該ゴミ収集車Cの停車により、収集判定範囲R3がゴミ収集車の進行方向に垂直な方向に拡大した場合の例を示している。
【0038】
また、本実施形態においては、ゴミ収集車の周辺における道路の状況に応じて収集判定範囲の大きさが拡大するように構成されている。すなわち、制御部21は、車両位置情報221および地図情報223を参照し、ゴミ収集車が停車している期間においてゴミ収集車の車両位置が存在する道路を特定する。さらに、制御部21は、当該車両位置の周辺(例えば、既定距離以内の範囲)において、ゴミ収集車の車両位置が存在する道路に接続する道路が存在するか否か判定する。
【0039】
ゴミ収集車の車両位置が存在する道路に接続する道路が存在する場合、制御部21は、当該接続する道路沿いに存在する収集位置に対応づけられた収集判定範囲を、当該接続する道路に沿った方向に設定する。そして、制御部21は、当該方向に向けて収集判定範囲を拡大させる。拡大後の収集判定範囲の形状は限定されないが、例えば、楕円である場合、拡大方向に向けて長軸が延びるように楕円の大きさを変化させる構成等が挙げられる。図4は、収集位置P5の周辺でゴミ収集車Cが停車しており、当該ゴミ収集車Cが存在する道路に接続する道路沿いに存在する収集位置P5から作業員がゴミを収集したことが想定されている。図4に示す例においては、収集位置P5の収集判定範囲R5が道路Rdに沿った方向に拡大される。
【0040】
制御部21は、収集判定部214の機能により、拡大後の収集判定範囲に車両位置が含まれる場合に、拡大後の収集判定範囲に含まれる収集位置のゴミが収集されたと判定する。従って、拡大の結果、複数の収集位置が収集判定範囲に含まれれば、当該複数の収集位置におけるゴミが収集されたと判定される。この結果、一回のゴミ収集車の停車期間において、複数の収集位置におけるゴミが収集される作業が行われたとしても、当該実際の作業に即した収集判定が行われる可能性を高めることができる。なお、ゴミが収集されたと判定された収集位置に対しては、収集されたことを示す情報(例えば、フラグ等)が対応づけられ、収集履歴情報224として記録媒体22に記録される。
【0041】
例えば、図3に示す例においては、収集位置P3に対応づけられた収集判定範囲R3が拡大することにより、収集位置P4も収集判定範囲R3に含まれている。従って、この場合、制御部21は、車両位置が存在する収集判定範囲R3に含まれる収集位置P3,P4のゴミが収集されたと判定する。以上の構成によれば、ゴミ収集車が停車した状態で作業員が道路の両側に存在する収集位置P3,P4のゴミを収集したことを判定することができる。この結果、ゴミが収集されているのに収集されていると判定されない収集位置が存在する可能性を低減することができる。
【0042】
さらに、図4に示す例においては、収集位置P5に対応づけられた収集判定範囲R5が拡大することにより、収集位置P5と車両位置Pcとが収集判定範囲R5に含まれている。従って、この場合、制御部21は、車両位置が存在する収集判定範囲R5に含まれる収集位置P5のゴミが収集されたと判定する。以上の構成によれば、ゴミ収集車が接近していない収集位置P5のゴミを作業員が収集したことを判定することができる。この結果、ゴミが収集されているのに収集されていると判定されない収集位置が存在する可能性を低減することができる。
【0043】
収集履歴出力部216は、収集履歴を出力部に出力させる機能である。すなわち、制御部21は、ユーザI/F部24の入力部に対する利用者の入力に応じて、収集位置におけるゴミの収集が行われたか否かをユーザI/F部24の出力部に表示させる。この際、利用者は、表示させる対象を指定することができる。例えば、既定の範囲内に存在する収集位置のそれぞれについてゴミが収集されたか否かを出力する指定や、特定のゴミの収集車に割り当てられた収集位置のそれぞれについてゴミが収集されたか否かを出力する指定等が可能である。
【0044】
制御部21は、ユーザI/F部24を制御し、これらの指定に基づいて出力対象の収集位置においてゴミが収集されたか否かを示す情報を、出力部に出力させる。なお、出力態様は限定されず、収集位置と収集の有無を示す一覧であっても良いし、収集位置と収集の有無を示すアイコンを含む地図等であっても良く、種々の構成を採用可能である。以上の構成によれば、ゴミ収集判定システム20の利用者は、各収集位置においてゴミが収集されたか否かを認識することができる。
【0045】
(2)ゴミ収集判定処理:
図5は、ゴミ収集判定処理の例を示すフローチャートである。制御部21は、車両位置取得部211の機能により、車両位置送信システム10から車両位置が送信されるたびに、通信部23を介して車両位置を受信し、車両位置情報221として記録していく。図5に示すゴミ収集判定処理は、このような車両位置情報221の収集が行われている状態において、ゴミ収集車のそれぞれについて実施される。
【0046】
また、ゴミ収集判定処理は、ゴミの収集車が収集を行っている際にリアルタイムに実施されてもよいし、既定のトリガ(例えば、ゴミ収集車での収集完了後等)に応じて実行されてもよい。ここでは、ゴミ収集車の走行中にリアルタイムにゴミが収集されたか否か判定する態様を説明する。また、複数のゴミ収集車のそれぞれについてゴミ収集判定処理が実行されるが、ここではあるゴミ収集車が処理対象である場合に着目してゴミ収集判定処理を説明する。
【0047】
ゴミ収集判定処理が開始されると、制御部21は、収集位置取得部212、収集判定範囲取得部213、収集判定部214の機能により、車両位置が収集判定範囲に含まれるか否か判定する(ステップS100)。具体的には、制御部21は、収集判定部214の機能により、処理対象のゴミ収集車の車両位置送信システム10から送信され、過去のループ処理においてステップS100の処理で参照されていない車両位置を、車両位置情報221から取得する。
【0048】
また、制御部21は、収集位置取得部212の機能により、収集位置情報222を参照し、取得された車両位置の周辺(例えば、既定距離)以内に存在する収集位置の座標を取得する。さらに、制御部21は、収集判定範囲取得部213の機能により、各収集位置の座標から予め決められた半径の範囲を収集判定範囲として取得する。そして、制御部21は、車両位置と収集判定範囲を比較し、車両位置が収集判定範囲に含まれるか否か判定する。例えば、図2に示す状態において、車両位置Pcと収集判定範囲R3とが比較された場合、車両位置が収集判定範囲に含まれると判定される。
【0049】
ステップS100において、車両位置が収集判定範囲に含まれると判定された場合、制御部21は、収集判定部214の機能により、収集判定範囲内の収集位置のゴミが収集されたと判定する(ステップS105)。例えば、図2に示す例であれば、収集位置P3のゴミが収集されたと判定される。一方、ステップS100において、車両位置が収集判定範囲に含まれると判定されない場合、制御部21は、ステップS105をスキップする。
【0050】
ステップS105が実行された場合、または、スキップされた場合、制御部21は、車速が既定値以下であるか否かを判定する(ステップS110)。すなわち、制御部21は、車両位置情報221を参照し、最新の車両位置以前の所定時間内の車両位置と車両位置に対応づけられた時刻とに基づいて、ゴミ収集車の車速を取得する。そして、制御部21は、当該車速が既定値以下であるか否かを判定する(ステップS110)。
【0051】
ステップS110で、車速が既定値以下であると判定された場合、ステップS110~S140のループ処理を実行する。ステップS110で、車速が既定値以下であると判定されない場合、ステップS110~S140のループ処理から抜ける。この場合、制御部21は、収集判定範囲の大きさを基準の大きさに戻す(ステップS150)。すなわち、制御部21は、ステップS110~S140のループ処理によって、収集判定範囲の大きさが基準の大きさから拡大されていた場合には、基準の大きさに戻す。なお、ステップS110~S140のループ処理に入る前に、ステップS110において車速が既定値以下であると判定され、収集判定範囲が拡大されていないならば、ステップS150はスキップされてよい。
【0052】
ステップS110で、車速が既定値以下であると判定された場合、すなわち、ゴミ収集車が停車しているとみなすことができる場合、制御部21は、収集判定範囲制御部215の機能により、ゴミ収集車の進行方向に垂直な方向に収集判定範囲を拡大する(ステップS115)。具体的には、制御部21は、車両位置情報221を参照し、ゴミ収集車の進行方向を特定する。さらに、制御部21は、ステップS110~S140のループ処理が最後に開始された後に取得された車両位置情報221に基づいて、ゴミ収集車の車速が既定値以下である状態が継続している期間を特定し、停車期間として取得する。そして、制御部21は、当該停車期間の長さに応じて、ゴミ収集車の進行方向に垂直な方向に収集判定範囲を拡大する。なお、本実施形態において、拡大される収集判定範囲は、車両位置の最寄りの収集位置に対応づけられた収集判定範囲であるが、他の構成、例えば、車両位置から既定範囲に存在する収集位置に対応づけられた収集判定範囲が拡大されても良い。
【0053】
次に、制御部21は、収集判定範囲制御部215の機能により、ゴミ収集車の周辺に接続道路が存在するか否か判定する(ステップS120)。すなわち、制御部21は、車両位置情報221および地図情報223を参照し、ステップS110~S140のループ処理が最後に開始された後に取得された車両位置情報221に基づいて、ゴミ収集車の車両位置を特定する。さらに、制御部21は、当該車両位置の周辺において、ゴミ収集車の車両位置が存在する道路に接続する道路が存在するか否か判定する。
【0054】
ステップS120において、ゴミ収集車の周辺に接続道路が存在すると判定された場合、制御部21は、当該接続道路沿いに存在する収集位置に対応づけられた収集判定範囲を、当該接続する道路に沿った方向に拡大する(ステップS125)。なお、接続道路沿いに収集位置が存在しない場合、収集判定範囲の拡大は実行されない。ステップS120において、ゴミ収集車の周辺に接続道路が存在すると判定されない場合、ステップS125はスキップされる。
【0055】
ステップS125が実行された場合、または、ステップS125がスキップされた場合、制御部21は、車両位置が拡大後の収集判定範囲に含まれるか否か判定する(ステップS130)。すなわち、制御部21は、ステップS110~S140のループ処理が最後に開始された後に取得された車両位置情報221が示す車両位置と、ステップS115等で拡大された収集判定範囲とを比較し、車両位置が収集判定範囲に含まれるか否か判定する。
【0056】
ステップS130において、車両位置が拡大後の収集判定範囲に含まれると判定された場合、制御部21は、収集判定範囲内の収集位置のゴミが収集されたと判定する(ステップS140)。当該処理はステップS105の処理と同等であるが、ステップS140の処理が実行される場合、収集判定範囲が拡大されているため、直前の収集判定範囲に含まれていなかった収集位置が、拡大後の収集判定範囲に含まれる場合がある。この結果、ゴミが収集されたと判定される収集位置がふける可能性が生じる。
【0057】
この後、制御部21は、ステップS110に戻って処理を続ける。一方、ステップS130において、車両位置が拡大後の収集判定範囲に含まれると判定されない場合、制御部21は、ステップS140をスキップし、ステップS110に戻る。従って、車速が既定値以下である場合は、ステップS110~S140のループ処理が繰り返されるが、車速が既定値より大きくなった場合、制御部21は、ステップS110~S140のループ処理を抜け、ステップS150を経てステップS100以降の処理を繰り返す。
【0058】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、ゴミ収集判定システム20は、複数の装置によって実現されるシステムであってもよい。ゴミ収集判定システム20を構成する車両位置取得部211、収集位置取得部212、収集判定範囲取得部213、収集判定部214、収集判定範囲制御部215、収集履歴出力部216の少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在してもよい。また、図1に示す各システムは、より少ない数の装置で構成されていても良い。
【0059】
むろん、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。例えば、ステップS110およびS115はステップS125の後に実行されてもよい。また、ステップS100において車両位置に収集判定範囲が含まれると判定された場合、さらに、車速が閾値以下である場合にステップS105においてゴミが収集されたと判定される構成等であっても良い。
【0060】
車両位置取得部は、ゴミ収集車の位置である車両位置を取得することができればよい。従って、上述の実施形態のようにGNSS受信部によって計測された車両位置を取得する構成以外にも種々の構成を採用可能である。例えば、GNSS受信部と車速センサ、ジャイロセンサとが併用されても良いし、地図情報に基づいてマップマッチング処理が行われてもよい。また、携帯電話網や無線通信網を利用した位置特定技術が利用されても良い。
【0061】
収集位置取得部は、ゴミ収集車によるゴミの収集位置を取得することができればよい。収集位置は、上述の実施形態のような座標以外にも各種の態様で定義されてよい。例えば、道路の端点からの距離や道路周辺の施設からの距離および方向等によって規定されても良い。収集位置は、上述の実施形態のように、予め定義されていても良いし、ゴミ収集判定システムの運用過程において追加や削除が行われてもよい。追加や削除をすべき収集位置は、種々の手法で特定されて良い。例えば、収集車の走行履歴等によって特定される構成等を採用可能である。
【0062】
収集判定範囲取得部は、収集位置のゴミが収集済みであるか否かを判定するための収集判定範囲を取得することができればよい。すなわち、ゴミの収集は、ゴミ収集車がゴミの収集位置に接近し、ゴミ収集車に搭乗する作業車がゴミ収集車を降りてゴミ収集位置からゴミ収集車までゴミを運ぶなどして実行される。従って、ゴミの収集は、ゴミ収集車と収集位置が、収集可能な範囲まで近づいた状態で実施される可能性が高い。このため、収集判定範囲は、ゴミが収集されたと推定できる程度に、車両位置と収集位置とが、接近したことを判定するための範囲として定義されれば良い。
【0063】
収集判定範囲は、収集位置のゴミが収集済みであるか否かを判定するために利用できれば良く、上述の実施形態のように、ゴミの収集位置を基準とした既定形状の範囲である構成に限定されない。例えば、収集判定範囲は、ゴミ収集車の車両位置を基準とした既定形状の範囲であっても良い。図6は、収集判定範囲Rcが車両位置Pcに対応づけられている例を示している。図6においては、図2と同一の収集位置および道路が例示されている。
【0064】
この例は、例えば、図1に示す構成と同様の構成で実現可能であるが、制御部21は、収集判定範囲取得部213の機能により、車両位置Pcを中心とした既定の形状の範囲(例えば、既定大きさの円形の範囲)を基準の収集判定範囲Rcとして取得する。この場合のゴミ収集判定処理も図5に示す処理と同様であるが、ステップS105,S140においては、車両位置Pcに対応づけられた収集判定範囲内に収集位置が存在するか否か判定される。また、ステップS115,S125における収集判定範囲の拡大は、車両位置Pcを中心に実行される。
【0065】
さらに、収集判定範囲の形状は、上述の実施形態のような円や楕円形状に限定されない。例えば、収集判定範囲は多角形であっても良い。また、収集判定範囲は、収集位置の脇を通る道路上で定義されても良い。さらに、収集判定範囲が形状で定義されない構成であっても良い。例えば、基準位置(収集位置や車両の特定の位置等)からの距離によって収集判定範囲が定義されても良い。
【0066】
収集判定部は、車両位置および収集位置が収集判定範囲に含まれる場合に、当該収集判定範囲内の収集位置においてゴミが収集されたと判定することができればよい。すなわち、収集判定部は、大きさが変動し得る収集判定範囲を利用して、車両位置と収集位置とが、ゴミの収集が行われたと推定できる程度に接近したか否か判定できればよい。
【0067】
収集判定範囲制御部は、ゴミ収集車の停車期間に応じて、車両位置が含まれる収集判定範囲の大きさを拡大することができればよい。例えば、収集判定範囲制御部は、停車期間が長くなると、連続的または段階的に収集判定範囲を拡大する。収集判定範囲の拡大は、停車期間の長さが長くなることに応じて収集したと推定される収集位置の数が増加するように実施されればよい。
【0068】
停車期間は、ゴミの収集作業が行われている期間であれば良い。従って、ゴミ収集車の車速が0である場合に加え、実質的に停車していると見なすことができる期間も停車期間に含まれる。このため、上述の実施形態においては、車速が既定値以下である期間が停車期間であると見なされており、既定値は、または作業車が作業していると見なすことができる車速を規定するための値(例えば数km/h等)であれば良い。
【0069】
収集判定範囲の拡大方法は、上述の実施形態のような方法に限定されない。例えば、ゴミ収集車の進行方向にも拡大する構成等であっても良い。また、ゴミ収集車が存在する道路に沿っても拡大する構成等であっても良い。さらに、拡大速度も限定されず、固定であっても良いし、変化しても良い。例えば、時間の経過とともに拡大速度が小さくなったり、大きくなったりする構成が採用されてもよいし、周囲の環境や道路種別に応じて拡大速度が変化しても良い。さらに、拡大には上限があっても良い。
【0070】
また、収集判定範囲が拡大する際には、収集判定範囲の中心に対して回転対称ではない状態で拡大しても良い。例えば、車両位置が、中央分離帯が存在する道路、片側2車線以上の道路、の少なくとも一方に存在する場合、車両位置が存在する車線に対する反対車線側への収集判定範囲の大きさの拡大は実施されない構成であっても良い。
【0071】
この構成は、図1および図5に示す構成の一部を修正することによって実現可能である。例えば、図5に示すステップS115において、制御部21が、ゴミ収集車の車両位置と地図情報321とに基づいて、車両位置が存在する道路の車線構造を特定する。そして、車両が存在する道路が、中央分離帯が存在する道路、片側2車線以上の道路、の少なくとも一方である場合、制御部21は、収集判定範囲を拡大させる。一方、制御部21は、ゴミ収集車の車両位置が存在する車線の反対車線側には収集判定範囲を拡大しない。
【0072】
図7は、このような構成において収集判定範囲の拡大を説明する図である。図7は、ステップS115において、収集判定範囲R3が拡大している過程を示している。図7に示す例においては、ゴミ収集車の車両位置が存在する道路に中央分離帯Bが存在する。このため、ステップS115で収集判定範囲R3が拡大する際に車両位置Pcの反対側の車線に収集判定範囲R3は拡大しない。
【0073】
中央分離帯が存在する道路や、片側2車線以上の道路において、作業車が反対車線側の収集位置からゴミを収集する可能性は低い。従って、以上の構成によれば、実際の収集作業に即した収集判定が行われる可能性を高めることができる。なお、この構成においては、ステップS125において、ゴミ収集車の車両位置が存在する車線の反対車線に接続する道路は、接続道路とみなされない構成が好ましい。
【0074】
なお、収集判定範囲は、ゴミ収集車が停車、または、ほぼ停車している状態でゴミを収集する範囲であればよい。従って、ゴミ収集車が停車、または、ほぼ停車している状態からゴミ収集車が走行している状態に移行したら、収集判定範囲の拡大は終了することが好ましい。この場合、収集判定範囲の大きさは基準の大きさに戻っても良いし、走行中に収集判定範囲の大きさが縮小していくように構成されていても良い。
【0075】
さらに、以上のようなシステムはプログラムや方法としても適用可能である。また、このようなプログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置で共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0076】
10…車両位置制御システム、11…制御部、13…通信部、14…GNSS受信部、15…車速センサ、16…ジャイロセンサ、20…ゴミ収集判定システム、21…制御部、22…記録媒体、23…通信部、30…ナビゲーションシステム、31…制御部、32…記録媒体、33…通信部、34…GNSS受信部、35…車速センサ、36…ジャイロセンサ、37…ユーザI/F部、110…車両位置制御プログラム、111…車両位置送信部、210…ゴミ収集判定プログラム、211…車両位置取得部、212…案内車両情報取得部、213…送迎地点取得部、214…案内制御部、221…送迎地点情報、310…ナビゲーションプログラム、311…ゴミ収集判定部、321…地図情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7