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特開2022-120931調理補助装置、調理システム及び調理補助方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120931
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】調理補助装置、調理システム及び調理補助方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/14 20060101AFI20220812BHJP
   G06Q 50/12 20120101ALI20220812BHJP
【FI】
A47J27/14
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021017992
(22)【出願日】2021-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】591186176
【氏名又は名称】株式会社 ゼンショーホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】木村 大志
(72)【発明者】
【氏名】宮野 和俊
(72)【発明者】
【氏名】大貫 正文
(72)【発明者】
【氏名】畑 弘人
(72)【発明者】
【氏名】真栄喜 悟
(72)【発明者】
【氏名】我部 つかね
(72)【発明者】
【氏名】賽田 渉
【テーマコード(参考)】
4B054
5L049
【Fターム(参考)】
4B054AA30
4B054CC01
4B054CH00
4B054CH19
5L049CC24
(57)【要約】
【課題】飲食店において手作りの料理を提供しつつ料理調理の効率化を図ることができる調理補助装置、調理システム及び調理補助方法を提供する。
【解決手段】調理補助装置2は、顧客の注文を受け付ける注文受付部21と、注を、注文の順番を示す注文順番情報と対応付けて管理する注文管理部22と、注文が所定の順に配列された注文選択入力画面を表示させるキッチンディスプレイ23と、表示された注文選択入力画面からレシピ読上対象となる注文を従業員により選択入力するキッチンディスプレイ23と、選択入力された注文に基づいて、当該注文に対応するレシピを出力するレシピ出力部24と、出力されたレシピを読み上げるスピーカ25と、を備える。そして、レシピは、スピーカ25によって読み上げられる間にキッチンディスプレイ23によって表示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の注文を受け付ける注文受付部と、
前記注文受付部によって受け付けられた注文を、注文の順番を示す注文順番情報と対応付けて管理する注文管理部と、
前記注文管理部によって管理された注文が所定の順に配列された注文選択入力画面を表示させる表示部と、
前記表示部によって表示された注文選択入力画面からレシピ読上対象となる注文をユーザにより選択入力する選択入力部と、
前記選択入力部によって選択入力された注文に基づいて、当該注文に対応するレシピを出力するレシピ出力部と、
前記レシピ出力部によって出力された前記レシピを読み上げるレシピ読上部と、を備え、
前記レシピは、前記レシピ読上部によって読み上げられる間に前記表示部によって表示される、
調理補助装置。
【請求項2】
前記レシピ出力部によって出力された前記レシピに基づいて当該レシピに対応する調味料を調理器具に供給する調味料供給部をさらに備える、
請求項1に記載の調理補助装置。
【請求項3】
前記調味料供給部は、
複数種類の前記調味料がそれぞれ貯蔵される複数の貯蔵タンクと、
所定箇所に前記調理器具がセットされたか否かことを検出する調理器具検出センサと、
前記所定箇所に前記調理器具がセットされた場合に駆動されることで、前記調味料を前記調味料が貯蔵される前記貯蔵タンクから前記調理器具に供給するアクチュエータと、をさらに有する、
請求項2に記載の調理補助装置。
【請求項4】
前記レシピ読上部は、前記調味料が前記調味料供給部から前記調理器具に供給されることに合わせて、前記レシピの読み上げを開始する、
請求項2又は3に記載の調理補助装置。
【請求項5】
前記レシピ読上部は、前記調味料が前記調味料供給部から前記調理器具に供給された時点において、前記レシピの読み上げを開始する、
請求項4に記載の調理補助装置。
【請求項6】
前記調味料が前記調味料供給部から前記調理器具に供給された時点において、前記レシピ読上部は前記レシピの読み上げを開始するとともに、前記表示部は前記レシピの表示を開始する、
請求項4又は5に記載の調理補助装置。
【請求項7】
前記表示部は、前記注文がユーザによる前記選択入力部への入力によって選択された時点において、前記注文選択入力画面を、前記調味料供給部のステータスを示すステータス画面に切り替える、
請求項2から6のいずれか1項に記載の調理補助装置。
【請求項8】
請求項2から7のいずれか1項に記載の調理補助装置と、
前記調理器具を加熱して前記調理器具内の前記調味料を調理する加熱調理部と、
前記調理補助装置の表示部によって表示された前記レシピ、又は前記調理補助装置の前記レシピ読上部によって読み上げられた前記レシピの音声に従って、前記加熱調理部の加熱強さをユーザにより選択入力する加熱調理選択入力部と、を備える、
調理システム。
【請求項9】
顧客の注文を受け付ける注文受付部と、
前記注文受付部によって受け付けられた注文を、注文の順番を示す注文順番情報と対応付けて管理する注文管理部と、
前記注文管理部によって管理された注文のうち順に配列された特定注文に基づいて、当該特定注文に対応するレシピを順に出力するレシピ出力部と、
前記レシピ出力部によって順に出力された前記レシピを表示させる表示部と、
前記レシピ出力部によって順に出力された前記レシピを読み上げるレシピ読上部と、を備え、
各レシピは、前記レシピ読上部によって読み上げられる間に前記表示部によって表示される、
調理補助装置。
【請求項10】
顧客の注文を受け付ける注文受付ステップと、
受け付けられた注文を、注文の順番を示す注文順番情報と対応付けて管理する注文管理ステップと、
管理された注文が所定の順に配列された注文選択入力画面を表示させる表示ステップと、
表示された注文選択入力画面からレシピ読上対象となる注文をユーザにより選択入力する選択入力ステップと、
選択入力された注文に基づいて、当該注文に対応するレシピを出力するレシピ読出ステップと、
出力された前記レシピを読み上げる読上ステップと、を含み、
前記レシピは、読み上げられる間に表示される、
調理補助方法。
【請求項11】
顧客の注文を受け付ける注文受付ステップと、
受け付けられた注文を、注文の順番を示す注文順番情報と対応付けて管理する注文管理ステップと、
管理された注文のうち順に配列された特定注文に基づいて、当該特定注文に対応するレシピを順に出力するレシピ読出ステップと、
順に出力された前記レシピを表示させる表示ステップと、
順に出力された前記レシピを読み上げる読上ステップと、を備え、
各レシピは、読み上げられる間に表示される、
調理補助方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理補助装置、調理システム及び調理補助方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パスタを調理するための第1容器と、パスタと和えるソースを用意するための第2容器と、第1容器から第2容器に調理済みのパスタを移動させる移動手段と、を備え、調理済みのパスタを第2容器内でソースと混ぜ合わせる調理機械が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5626695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の調理機械を用いて、飲食店において各調理工程がすべて自動的に行われるため、手作りしか出せない料理の味を再現することは困難である。
【0005】
そこで、本発明は、このような事情に鑑み、飲食店において手作りの料理を提供しつつ料理調理の効率化を図ることができる調理補助装置、調理システム及び調理補助方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、顧客の注文を受け付ける注文受付部と、前記注文受付部によって受け付けられた注文を、注文の順番を示す注文順番情報と対応付けて管理する注文管理部と、前記注文管理部によって管理された注文が所定の順に配列された注文選択入力画面を表示させる表示部と、前記表示部によって表示された注文選択入力画面からレシピ読上対象となる注文をユーザにより選択入力する選択入力部と、前記選択入力部によって選択入力された注文に基づいて、当該注文に対応するレシピを出力するレシピ出力部と、前記レシピ出力部によって出力された前記レシピを読み上げるレシピ読上部と、を備え、前記レシピは、前記レシピ読上部によって読み上げられる間に前記表示部によって表示される調理補助装置が提供される。
【0007】
本発明の他の態様によれば、顧客の注文を受け付ける注文受付部と、前記注文受付部によって受け付けられた注文を、注文の順番を示す注文順番情報と対応付けて管理する注文管理部と、前記注文管理部によって管理された注文のうちの特定注文に基づいて、当該特定注文に対応するレシピを順に出力するレシピ出力部と、前記レシピ出力部によって順に出力された前記レシピを表示させる表示部と、前記レシピ出力部によって順に出力された前記レシピを読み上げるレシピ読上部と、を備え、各レシピは、前記レシピ読上部によって読み上げられる間に前記表示部によって表示される調理補助装置が提供される。
【0008】
本発明のその他の態様によれば、顧客の注文を受け付ける注文受付ステップと、受け付けられた注文を、注文の順番を示す注文順番情報と対応付けて管理する注文管理ステップと、管理された注文が所定の順に配列された注文選択入力画面を表示させる表示ステップと、表示された注文選択入力画面からレシピ読上対象となる注文をユーザにより選択入力する選択入力ステップと、選択入力された注文に基づいて、当該注文に対応するレシピを出力するレシピ読出ステップと、出力された前記レシピを読み上げる読上ステップと、を含み、前記レシピは、読み上げられる間に表示される調理補助方法が提供される。
【0009】
本発明のその他の態様によれば、顧客の注文を受け付ける注文受付ステップと、受け付けられた注文、注文の順番を示す注文順番情報と対応付けて管理する注文管理ステップと、管理された注文のうち順に配列された特定注文に基づいて、当該特定注文に対応するレシピを順に出力するレシピ読出ステップと、順に出力された前記レシピを表示させる表示ステップと、順に出力された前記レシピを読み上げる読上ステップと、を備え、各レシピは、読み上げられる間に表示される調理補助方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
これらの態様によれば、飲食店において手作りの料理を提供しつつ料理調理の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る調理システムを示すブロック図である。
図2】キッチンディスプレイに表示された注文選択入力画面の表示例を示す図である。
図3】ソースディスペンサの構成を示すブロック図である。
図4】キッチンディスプレイに表示されたステータス画面の表示例を示す図である。
図5】ポップアップがステータス画面に表示された表示例を示す図である。
図6】調理補助方法の各ステップを示すフローチャートである。
図7A】キッチンディスプレイに表示されたレシピ画面の表示例その1を示す図である。
図7B】キッチンディスプレイに表示されたレシピ画面の表示例その2を示す図である。
図8】第2実施形態に係る調理補助方法の各ステップを示すフローチャートである。
図9】注文配列画面がステータス画面と共に表示された表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、図1から図8Bを参照しながら本発明を実施するための形態(以下、第1実施形態/本実施形態と称する。)について説明する。なお、本明細書においては、全体を通じて、同一の要素には同一の符号を付する。
【0013】
(調理システムの構成)
まず、図1を参照しながら本実施形態に係る調理システム1の構成について説明する。
【0014】
図1は、第1実施形態に係る調理システム1の構成を示すブロック図である。
【0015】
本実施形態に係る調理システム1は、飲食店において用いられるものである。本実施形態では、調理システム1は、パスタを調理しているが、これに限定されるものではなく、例えばリゾットを調理してもよい。また、図1に示すように、調理システム1は、調理補助装置2及び調理装置3を備える。
【0016】
調理補助装置2は、顧客の注文を受け付け、注文に対応するレシピ(以下、単にレシピという)を表示しながら読み上げることによって、注文に対応する料理(以下、単に料理という)を調理するユーザとしての飲食店の従業員(以下、単に従業員という)にレシピの各工程を適時に伝達する。なお、調理補助装置2の構成については詳細に後述する。
【0017】
従業員は、調理補助装置2から伝達されたレシピの各工程に従って、調理装置3を用いて料理を調理する。なお、調理装置3の構成については詳細に後述する。
【0018】
(調理補助装置)
次に、図1から図5を参照しながら調理補助装置2の構成について詳細に説明する。
【0019】
図2は、キッチンディスプレイ23に表示された注文選択入力画面231の表示例を示す図である。図3は、調理補助装置2を構成するソースディスペンサ26の構成を示すブロック図である。図4は、キッチンディスプレイ23に表示されたステータス画面232の表示例を示す図である。図5は、ポップアップPがステータス画面232に表示された表示例を示す図である。
【0020】
図1に示すように、調理補助装置2は、注文受付部21、注文管理部22、表示部及び選択入力部としてのキッチンディスプレイ23、レシピ出力部24、レシピ読上部としてのスピーカ25、調味料供給部としてのソースディスペンサ26を備える。
【0021】
注文受付部21は、顧客の注文を受け付けるためのものである。注文受付部21は、受け付けた注文に対応する注文出力データを生成し、生成した注文出力データを注文管理部22に出力する。
【0022】
具体的には、注文受付部21は、顧客が注文を操作入力可能である複数の注文用タッチパネル式のディスプレイ211から構成される。複数の注文用タッチパネル式のディスプレイ211は、それぞれ複数の客席に対応して設けられる。本実施形態では、注文受付部21は、複数の注文用タッチパネル式のディスプレイ211から構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、従業員が注文を操作入力可能である単一又は複数のオーダーハンディ(図示しない)から構成されてもよい。
【0023】
注文管理部22は、注文受付部21(具体的には、複数の注文用タッチパネル式のディスプレイ211)と通信可能に設けられる。注文管理部22は、注文受付部21によって受け付けられた注文を、注文の順番を示す注文順番情報と対応付けて管理するためのものである。また、本実施形態では、注文管理部22は、コンピュータとしてのCPUにより構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、複数のマイクロコンピュータにより構成されてもよい。
【0024】
図1に示すように、注文管理部22は、インタフェース221、記憶手段としての記憶モジュール222及び注文管理手段としての注文管理モジュール223を有する。なお、インタフェース221、記憶モジュール222及び注文管理モジュール223は、互いに電気的に接続される。
【0025】
記憶モジュール222は、注文受付部21からインタフェース221を介して入力された注文出力データに含まれる注文情報(具体的には、注文及び注文の順番を示す注文順番情報を含む。)及び客席情報(具体的には、客席番号を示す情報である。)を一時的に記憶するためのメモリである。また、記憶モジュール222は、注文管理モジュール223において実行される処理プログラム及びアルゴリズムプログラムを記憶している。本実施形態では、記憶モジュール222は、注文管理部22に内蔵されているが、これに限定されるものではなく、例えば、注文管理部22とは別体に設けられてもよい。
【0026】
注文管理モジュール223は、注文受付部21からインタフェース221を介して入力された注文出力データに基づいて、注文と、注文順番情報と、客席番号とが対応付けられた注文管理データを生成する。そして、注文管理モジュール223は、生成した注文管理データをインタフェース221を介してキッチンディスプレイ23に出力する。
【0027】
キッチンディスプレイ23は、注文管理モジュール223から出力された注文管理データに基づいて、所定の順に配列された注文及びこれらと対応付けられた客席番号を示す注文選択入力画面231を表示する(図2参照)。
【0028】
また、キッチンディスプレイ23は、選択入力部を構成するタッチパネル式のものである。レシピ読上対象となる注文は、従業員によるキッチンディスプレイ23へのタッチによって、キッチンディスプレイ23に表示された注文のうちの特定注文S(図2参照)から選択入力される。また、レシピ読上対象となる注文が選択入力されると、キッチンディスプレイ23は、選択入力信号を生成し、生成した選択入力信号をレシピ出力部24に出力する。
【0029】
なお、キッチンディスプレイ23の注文選択入力画面231に表示された注文は、レシピの表示及び読上が必要である特定注文Sと、レシピの表示及び読上が不要である非特定注文F(図2参照)と、を含む。特定注文Sが選択可能となるのに対し、非特定注文Fが選択不能となる。本実施形態では、特定注文Sとは、パスタ類の注文である。
【0030】
本実施形態では、選択入力部は、タッチパネル式のキッチンディスプレイ23から構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、選択入力可能である選択入力キー又は選択入力ボタンから構成されてもよい。
【0031】
レシピ読上対象となる注文は、従業員により選択入力されることで、キッチンディスプレイ23は、注文選択入力画面231を、ソースディスペンサ26のステータスを示すステータス画面232(図4参照)に切り替える。
【0032】
レシピ出力部24は、キッチンディスプレイ23から出力された選択入力信号(すなわち、選択入力部によって選択入力された選択注文)に基づいて、当該選択入力信号(すなわち、当該注文)に対応するレシピ(レシピデータ)を生成する。そして、レシピ出力部24は、生成したレシピをキッチンディスプレイ23、スピーカ25及びソースディスペンサ26に出力するためのものである。また、本実施形態では、レシピ出力部24は、コンピュータとしてのCPUにより構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、複数のマイクロコンピュータにより構成されてもよい。
【0033】
図1に示すように、レシピ出力部24は、インタフェース241、記憶手段としての記憶モジュール242及びレシピ出力手段としてのレシピ出力モジュール243を有する。なお、インタフェース241、記憶モジュール242及びレシピ出力モジュール243は、互いに電気的に接続される。
【0034】
記憶モジュール242は、キッチンディスプレイ23からインタフェース241を介して入力された選択入力信号に含まれる注文を一時的に記憶するためのメモリである。また、記憶モジュール242は、複数の注文とこれらにそれぞれ対応する複数のレシピとを含むテーブル、レシピ出力モジュール243において実行される処理プログラム及びアルゴリズムプログラムを記憶している。本実施形態では、記憶モジュール242は、レシピ出力部24に内蔵されているが、これに限定されるものではなく、例えば、レシピ出力部24とは別体に設けられてもよいし、記憶モジュール222と一体に設けられてもよい。
【0035】
レシピ出力モジュール243は、キッチンディスプレイ23からインタフェース241を介して入力された選択入力信号に基づいて、当該選択入力信号に含まれる注文に対応するレシピを記憶モジュール242に記憶されたテーブルから検索して生成する。そして、レシピ出力モジュール243は、生成したレシピをインタフェース241を介してキッチンディスプレイ23、スピーカ25及びソースディスペンサ26に出力する。
【0036】
スピーカ25は、レシピ出力モジュール243から出力されたレシピを読み上げるためのものである。
【0037】
ソースディスペンサ26は、レシピ出力モジュール243から出力されたレシピに基づいて、調理器具としての調理鍋に当該レシピに対応する調味料としてのパスタソースを供給するためのものである。これにより、ソースディスペンサ26は、レシピに対応するパスタソースを調理鍋に自動に供給することができる。
【0038】
図3に示すように、ソースディスペンサ26は、複数の貯蔵タンク261と、調理器具検出センサとしての光電センサ262と、コントローラ263と、アクチュエータ264と、を有する。
【0039】
複数の貯蔵タンク261には、複数種類のレシピにそれぞれ対応する複数種類のパスタソースがそれぞれ貯蔵される。
【0040】
光電センサ262は、調理鍋が所定箇所(具体的には、パスタソースの供給箇所)にセットされたか否かを検出するためのセンサである。本実施形態では、調理器具検出センサは、光電センサ262から構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、荷重センサから構成されてもよい。
【0041】
具体的には、光電センサ262は、調理鍋が所定箇所にセットされたことを検出した場合に、その旨を知らせる検出信号を生成し、生成した検出信号をコントローラ263に出力する。一方、光電センサ262は、調理鍋が所定箇所にセットされたことを検出していない場合に、その旨を知らせる非検出信号を生成し、生成した非検出信号をキッチンディスプレイ23に出力する。
【0042】
コントローラ263は、光電センサ262から出力された検出信号と、レシピ出力モジュール243から出力されたレシピとに基づいて、アクチュエータ264を駆動するための駆動指令を生成し、生成した駆動指令をアクチュエータ264に出力する。コントローラ263は、インタフェース2631と、記憶手段としての記憶モジュール2632と、駆動指令生成手段としての駆動指令生成モジュール2633と、を有する。
【0043】
記憶モジュール2632は、レシピ出力モジュール243からインタフェース2631を介して入力されたレシピを一時的に記憶するためのメモリである。また、記憶モジュール2632は、駆動指令生成モジュール2633において実行される処理プログラム及びアルゴリズムプログラムを記憶している。本実施形態では、記憶モジュール2632は、コントローラ263に内蔵されているが、これに限定されるものではなく、例えば、コントローラ263とは別体に設けられてもよいし、記憶モジュール222及び記憶モジュール242と一体に設けられてもよい。
【0044】
駆動指令生成モジュール2633は、レシピ出力モジュール243からインタフェース2631を介して入力されたレシピと、光電センサ262からインタフェース2631を介して入力された検出信号とに基づいて、当該レシピに対応する必要な分量のパスタソースを貯蔵タンク261から供給するための駆動指令を生成する。そして、駆動指令生成モジュール2633は、生成した駆動指令をインタフェース2631を介してキッチンディスプレイ23、スピーカ25及びアクチュエータ264に出力する。
【0045】
アクチュエータ264は、駆動指令生成モジュール2633から出力された駆動指令に基づいて駆動されることで、当該駆動指令に対応する貯蔵タンク261から必要な分量のパスタソースを、所定箇所にセットされた調理鍋に供給する。
【0046】
一方、キッチンディスプレイ23は、光電センサ262から出力された非検出信号に基づいて、調理鍋を所定箇所にセットすることを促すポップアップPを、ステータス画面232に表示させる(図5参照)。
【0047】
そして、調理鍋が所定箇所にセットされると、キッチンディスプレイ23のステータス画面232に表示されたポップアップPは、自動で消える。
【0048】
また、キッチンディスプレイ23は、駆動指令生成モジュール2633から出力された駆動指令と、レシピ出力モジュール243から出力されたレシピとに基づいて、ステータス画面232を、レシピを示すレシピ画面233に切り替える。また、スピーカ25は、駆動指令とレシピとに基づいて、レシピの読み上げを開始する。
【0049】
(調理装置)
次に、図1を参照しながら調理装置3の構成について説明する。
【0050】
調理装置3は、注文に対応する料理を調理するための装置である。図1に示すように、調理装置3は、茹で部31と、加熱調理部としてのIHヒータ32と、加熱調理選択入力部33と、を備える。
【0051】
茹で部31は、食材としてのパスタを茹でるためのものである。IHヒータ32は、調理鍋を加熱して調理鍋内のパスタソースを調理するためのものである。加熱調理選択入力部33は、IHヒータ32の加熱強さを従業員により選択入力する。
【0052】
本実施形態では、IHヒータ32は、加熱強さが加熱調理選択入力部33への選択入力によって調整されている。しかしながら、IHヒータ32は、これに限定されるものではなく、例えば、レシピ出力部24のレシピ出力モジュール243から出力されたレシピと、ソースディスペンサ26の駆動指令生成モジュール2633から出力された駆動指令とに基づいて、加熱強さが適時かつ適切に自動調整されてもよい。これにより、IHヒータ32の加熱強さの調整を行う手間を省くことができる。
【0053】
(調理補助方法)
次に、図6から図7Bを参照しながら調理補助装置2による調理補助方法について詳細に説明する。
【0054】
図6は、調理補助方法の各ステップを示すフローチャートである。図7Aは、キッチンディスプレイ23に表示されたレシピ画面233の表示例その1を示す図である。図7Bは、キッチンディスプレイ23に表示されたレシピ画面233の表示例その2を示す図である。
【0055】
図6に示すように、まず、ステップS101において、注文受付部21は、顧客の注文を顧客又は従業員の操作入力により受け付け、受け付けた注文に対応する注文出力データを生成する。そして、注文受付部21は、生成した注文出力データを注文管理部22に出力し、ステップS102に進む。
【0056】
次に、ステップS102において、注文管理部22の注文管理モジュール223は、注文受付部21から出力された注文出力データに基づいて、注文と、注文順番情報と、客席番号とが対応付けられた注文管理データを生成する。そして、注文管理モジュール223は、生成した注文管理データをインタフェース221を介してキッチンディスプレイ23に出力し、ステップS103に進む。
【0057】
次に、ステップS103において、キッチンディスプレイ23は、注文管理モジュール223から出力された注文管理データに基づいて、所定の順に配列された注文及びこれらと対応付けられた客席番号を示す注文選択入力画面231を表示し、ステップS104に進む。なお、注文選択入力画面231は、選択可能である特定注文S及び選択不能である非特定注文Fと、を含む(図2参照)。
【0058】
このように、従業員は、キッチンディスプレイ23に表示された注文選択入力画面231を確認しながら、レシピ対象となる注文を選択入力するため、レシピ対象となる注文をきちんと認識した上でその調理に取り掛かることになるので、調理ミスの発生を効果的に抑制することができる。
【0059】
また、同一のテーブルに座る団体顧客の複数の注文の間に他の顧客の注文が割り込まれた場合に、従業員は、団体顧客の複数の注文の間に他の顧客の注文が割り込まれないようにレシピ対象となる注文を選択入力することができるため、団体顧客への特定注文Sに対応する料理提供を連続的に行うことができる。
【0060】
次に、ステップS104において、レシピ読み上げ対象となる注文(特定注文S)は、従業員によるキッチンディスプレイ23へのタッチによって選択入力されることで、キッチンディスプレイ23は、注文選択入力画面231をステータス画面232(図4参照)に切り替える。これにより、タイミングをずらして注文選択入力画面231とステータス画面232とを同一のキッチンディスプレイ23に表示させることができるため、ディスプレイの集約化を図ることができる。この結果、調理システム1を構成する調理補助装置2の簡素化を図ることができる。
【0061】
この場合、キッチンディスプレイ23は、選択入力された注文に対応する選択入力信号を生成し、生成した選択入力信号を注文管理部22及びレシピ出力部24に出力する。そして、注文管理部22は、キッチンディスプレイ23から出力された選択入力信号に基づいて、当該選択入力信号に対応する注文情報等を注文管理データから削除し、ステップS105に進む。
【0062】
次に、ステップS105において、レシピ出力部24のレシピ出力モジュール243は、キッチンディスプレイ23から出力された選択入力信号に基づいて、当該選択入力信号に含まれる当該注文に対応するレシピ(具体的には、パスタ類のレシピ)を、記憶モジュール242に記憶されたテーブルから検索して生成する。そして、レシピ出力モジュール243は、生成したレシピ(レシピデータ)をインタフェース241を介してキッチンディスプレイ23、スピーカ25及びソースディスペンサ26に出力し、ステップS106に進む。なお、レシピデータは、レシピの内容を示すレシピ内容情報と、レシピの表示及び読み上げの時間を示す時間情報と、を含む。
【0063】
また、ステップS105の実行に併せて、従業員は、パスタを茹で部31に投入して所定の時間茹でさせる。すなわち、ステップS104が実行された後、従業員は、パスタを茹で部31に投入して所定の時間茹でさせる。
【0064】
次に、ステップS106において、ソースディスペンサ26の光電センサ262は、レシピ出力モジュール243から出力されたレシピに基づいて、調理鍋が所定箇所にセットされたか否かを検出する。すなわち、光電センサ262は、レシピ出力モジュール243から出力されたレシピデータを受信しない場合、調理鍋が所定箇所にセットされたか否かを検出しない。これにより、光電センサ262の省エネを図ることができる。
【0065】
光電センサ262は、調理鍋が所定箇所にセットされたことを検出した場合(Yesの場合)に、その旨を知らせる検出信号を生成し、生成した検出信号をコントローラ263に出力し、ステップS107に進む。一方、光電センサ262は、調理鍋が所定箇所にセットされたことを検出していない場合(Noの場合)に、その旨を知らせる非検出信号を生成し、生成した非検出信号をキッチンディスプレイ23に出力し、ステップS108に進む。
【0066】
次に、ステップS106でのYesの場合にステップS107において、コントローラ263の駆動指令生成モジュール2633は、レシピ出力モジュール243からインタフェース2631を介して入力されたレシピと、光電センサ262からインタフェース2631を介して入力された検出信号とに基づいて、当該レシピに対応する必要な分量のパスタソースを貯蔵タンク261から供給するための駆動指令を生成する。そして、駆動指令生成モジュール2633は、生成した駆動指令をインタフェース2631を介してキッチンディスプレイ23、スピーカ25及びアクチュエータ264に出力し、ステップS109に進む。
【0067】
一方、ステップS106でのNoの場合にステップS108において、キッチンディスプレイ23は、光電センサ262から出力された非検出信号に基づいて、調理鍋を所定箇所にセットすることを促すポップアップPを、ステータス画面232に表示させ(図5参照)、ステップS106に戻る。この場合、ソースディスペンサ26がパスタソースを自動に供給することはない。このため、調理鍋のセットを忘れた場合に、パスタソースが貯蔵タンク261から供給されることを回避することができる。
【0068】
これにより、従業員は、調理鍋が所定箇所にセットされていないことを気づくことができる。そして、調理鍋が所定箇所にセットされると、ポップアップPは、キッチンディスプレイ23のステータス画面232から自動で消える。このため、従業員は、ポップアップPを消すための操作入力を行うことないため、作業性が向上する。
【0069】
次に、ステップS109において、アクチュエータ264は、駆動指令生成モジュール2633から出力された駆動指令に基づいて、レシピに対応する必要な分量のパスタソースを、当該パスタソースが貯蔵される貯蔵タンク261から自動に供給する。これにより、アクチュエータ264は、調理鍋が所定箇所にセットされた場合のみに、レシピに対応する必要な分量のパスタソースを貯蔵タンク261から自動に供給することができる。この結果、調理鍋が所定箇所にセットされていない場合(すなわち、調理鍋のセットを忘れた場合)にパスタソースが貯蔵タンク261から供給されるようなことを回避することができる。
【0070】
同時に、ステップS109において、キッチンディスプレイ23は、駆動指令生成モジュール2633から出力された駆動指令と、レシピ出力モジュール243から出力されたレシピとに基づいて、レシピの表示を開始する。具体的には、キッチンディスプレイ23は、駆動指令とレシピとに基づいて、ステータス画面232を、レシピを示すレシピ画面233に自動で切り替える(図7A及び図7B参照)。
【0071】
また、同時に、ステップS109において、スピーカ25は、駆動指令生成モジュール2633から出力された駆動指令と、レシピ出力モジュール243から出力されたレシピとに基づいて、レシピの読み上げを開始し、ステップS110に進む。
【0072】
すなわち、スピーカ25は、パスタソースがソースディスペンサ26から調理鍋に供給されたことに合わせて、レシピの読み上げを開始する。具体的には、スピーカ25は、パスタソースがソースディスペンサ26から調理鍋に供給された時点において、レシピの読み上げを開始する。これにより、パスタ調理の開始タイミングに合わせて、レシピの読み上げを開始するので、従業員は、レシピの読み上げに従って、各調理の工程を適時かつ適切に行うことができる。
【0073】
より具体的には、パスタソースがソースディスペンサ26から調理鍋に供給された時点において、スピーカ25はレシピの読み上げを開始するとともに、キッチンディスプレイ23はレシピの表示を開始する。これにより、パスタ調理の開始タイミングに合わせて、レシピの読み上げ及び表示を同時に開始するので、従業員は、レシピの読み上げに従って、各調理の工程を適時かつ適切に行うことができる。また、従業員は、レシピの読み上げを聞き漏らしたとしても、キッチンディスプレイ23に表示されたレシピを視認することによって、各調理の工程を適時かつ適切に行うことができる。さらに、従業員は、料理調理時においてキッチンディスプレイ23に表示されたレシピを視認しなくても、レシピの読み上げを聞き取ることによって、各調理の工程を適時かつ適切に行うことができる。
【0074】
次に、ステップS110において、キッチンディスプレイ23はレシピ出力モジュール243から出力されたレシピデータ(具体的には、時間情報)に基づいて、レシピの表示(すなわち、レシピ画面233の表示)を終了するとともに、スピーカ25はレシピ出力モジュール243から出力されたレシピデータに基づいて、レシピの読み上げを終了する。すなわち、レシピの表示及び読み上げは、同時に終了させられる。
【0075】
そして、キッチンディスプレイ23又はスピーカ25は、レシピの表示又は読み上げを終了する旨を知らせる通知信号を生成し、生成した通知信号を注文受付部21に出力し、ステップS111に進む。
【0076】
このように、レシピは、スピーカ25によって読み上げられる間にキッチンディスプレイ23によって表示される。これにより、従業員に対し、レシピ出力部24から出力されたレシピをキッチンディスプレイ23及びスピーカ25の両方によってインプットすることができるため、少なくともキッチンディスプレイ23及びスピーカ25のうちのいずれか一方からのレシピのインプットができれば、従業員はインプットされたレシピを調理することで、調理ミス率を低減し、各調理の工程を適時かつ適切に行うことができる。この結果、飲食店において手作りの料理を提供しつつ料理調理の効率化を図ることができる。
【0077】
そして、キッチンディスプレイ23は、レシピの表示を終了すると、レシピ画面233を注文選択入力画面231に自動で切り替える。これにより、従業員は、画面を切り替えるための操作入力を行う必要がないため、作業性が向上する。
【0078】
そして、ステップS109とステップS110との間の期間、すなわち、レシピの表示及び読み上げが開始される時点からレシピの表示及び読み上げが終了される時点までの期間(レシピ表示期間又はレシピ読み上げ期間)において、キッチンディスプレイ23は、図7A及び図7Bに示すようなレシピ画面233(動画)を表示している。
【0079】
レシピ画面233は、スピーカ25によってリアルタイムに読み上げられているレシピの各調理の工程を、読み上げられた料理調理の工程及びまだ読み上げられていない料理調理の工程と区別して視認されるように動的に表示する。
【0080】
具体的には、レシピにおける各調理の工程は、スピーカ25によってリアルタイムに読み上げられている際に、他の調理の工程よりも大きくなるようにレシピ画面233に拡大表示される(図7A及び図7B参照)。
【0081】
これにより、従業員は、スピーカ25によってリアルタイムに読み上げられている各調理の工程を拡大表示によってより容易に認識することができるので、料理調理の効率化をより図ることができる。
【0082】
本実施形態では、スピーカ25によってリアルタイムに読み上げられている各調理の工程は、レシピ画面233に拡大表示されているが、これに限定されるものではなく、例えば、他の調理の工程と異なる色でレシピ画面233に表示されてもよい。
【0083】
そして、ステップS109とステップS110との間の期間において、従業員は、キッチンディスプレイ23によって表示されるとともにスピーカ25によって読み上げられたレシピにおける各調理の工程に従って、パスタソースが供給された調理鍋をIHヒータ32及び加熱調理選択入力部33によって適切な強さ及び時間で加熱したり、適時に例えば肉製品、魚介類又は野菜等の具材を調理鍋に投入して加熱調理したりする。その後、従業員は、レシピに従って加熱調理されたパスタソースと具材との混合物をあらかじめ茹で上げられたパスタに載せることで、顧客に提供するパスタ料理を完成させる。
【0084】
本実施形態では、レシピの表示及び読み上げは、同時に終了させられているが、これに限定されるものではなく、例えば、同時に終了させられなくてもよい。この場合、レシピ画面233から注文選択入力画面231への切り替えは、従業員の操作入力によって行われる。これにより、レシピの読み上げ後にも、従業員はキッチンディスプレイ23に表示されたレシピを視認することができる。
【0085】
次に、ステップS111において、注文受付部21は、キッチンディスプレイ23又はスピーカ25から出力された通知信号に基づいて、新規の顧客の注文を受け付けたか否かを判定する。注文受付部21は、新規の顧客の注文を受け付けた場合(Yesの場合)に、ステップS101に戻る。一方、注文受付部21は、新規の顧客の注文を受け付けていない場合(Noの場合)に、その旨を知らせる判定信号を注文管理部22に出力し、ステップS102に戻る。
【0086】
(作用効果)
以下、本実施形態による作用効果について説明する。
【0087】
本実施形態に係る調理補助装置2は、顧客の注文を受け付ける注文受付部21と、注文受付部21によって受け付けられた注文を、注文の順番を示す注文順番情報と対応付けて管理する注文管理部22と、注文管理部22によって管理された注文が所定の順に配列された注文選択入力画面231を表示させるタッチパネル式のキッチンディスプレイ23と、キッチンディスプレイ23によって表示された注文選択入力画面231からレシピ読上対象となる注文を従業員により選択入力するタッチパネル式のキッチンディスプレイ23と、キッチンディスプレイ23によって選択入力された注文に基づいて、当該注文に対応するレシピを出力するレシピ出力部24と、レシピ出力部24によって出力されたレシピを読み上げるスピーカ25と、を備え、レシピは、スピーカ25によって読み上げられる間にキッチンディスプレイ23によって表示される。
【0088】
一方、本実施形態に係る調理補助方法は、顧客の注文を受け付ける注文受付ステップと、受け付けられた注文を、注文の順番を示す注文順番情報と対応付けて管理する注文管理ステップと、管理された注文が所定の順に配列された注文選択入力画面を表示させる表示ステップと、表示された注文選択入力画面からレシピ読上対象となる注文を従業員により選択入力する選択入力ステップと、選択入力された注文に基づいて、当該注文に対応するレシピを出力するレシピ読出ステップと、出力されたレシピを読み上げる読上ステップと、を含み、レシピは、読み上げられる間に表示される。
【0089】
これらの構成によれば、従業員に対し、出力されたレシピを表示及び読み上げの両方によってインプットすることができるため、少なくとも表示及び読み上げのうちのいずれか一方からのレシピのインプットができれば、従業員はインプットされたレシピを調理することで、調理のミス率を低減し、各調理の工程を適時かつ適切に行うことができる。この結果、飲食店において手作りの料理を提供しつつ料理調理の効率化を図ることができる。
【0090】
また、本実施形態では、調理補助装置2は、レシピ出力部24によって出力されたレシピに基づいて当該レシピに対応するパスタソースを調理鍋に供給するソースディスペンサ26をさらに備える。
【0091】
この構成によれば、ソースディスペンサ26は、レシピに対応するパスタソースを調理鍋に自動に供給することができる。
【0092】
また、本実施形態では、ソースディスペンサ26は、複数種類のパスタソースがそれぞれ貯蔵される複数の貯蔵タンク261と、所定箇所に調理鍋がセットされたか否かことを検出する光電センサ262と、所定箇所に調理鍋がセットされた場合に駆動されることで、パスタソースをパスタソースが貯蔵される貯蔵タンク261から調理鍋に供給するアクチュエータ264と、をさらに有する。
【0093】
この構成によれば、アクチュエータ264は、調理鍋が所定箇所にセットされた場合のみに、レシピに対応する必要な分量のパスタソースを貯蔵タンク261から自動に供給することができる。この結果、調理鍋が所定箇所にセットされていない場合(すなわち、調理鍋のセットを忘れた場合)にパスタソースが貯蔵タンク261から供給されるようなことを回避することができる。
【0094】
また、本実施形態では、スピーカ25は、パスタソースがソースディスペンサ26から調理鍋に供給されることに合わせて、レシピの読み上げを開始する。
【0095】
また、本実施形態では、スピーカ25は、パスタソースがソースディスペンサ26から調理鍋に供給された時点において、レシピの読み上げを開始する。
【0096】
これらの構成によれば、パスタ調理の開始タイミングに合わせて、レシピの読み上げを開始するので、従業員は、レシピの読み上げに従って、各調理の工程を適時かつ適切に行うことができる。
【0097】
また、本実施形態では、パスタソースがソースディスペンサ26から調理鍋に供給された時点において、スピーカ25はレシピの読み上げを開始するとともに、キッチンディスプレイ23はレシピの表示を開始する。
【0098】
この構成によれば、パスタ調理の開始タイミングに合わせて、レシピの読み上げ及び表示を同時に開始するので、従業員は、レシピの読み上げに従って、各調理の工程を適時かつ適切に行うことができる。また、従業員は、レシピの読み上げを聞き漏らしたとしても、キッチンディスプレイ23に表示されたレシピを視認することによって、各調理の工程を適時かつ適切に行うことができる。さらに、従業員は、料理調理時においてキッチンディスプレイ23に表示されたレシピを視認しなくても、レシピの読み上げを聞き取ることによって、各調理の工程を適時かつ適切に行うことができる。
【0099】
また、本実施形態では、キッチンディスプレイ23は、注文が従業員によるキッチンディスプレイ23へのタッチによって選択された時点において、注文選択入力画面231を、ソースディスペンサ26のステータスを示すステータス画面232に切り替える。
【0100】
この構成によれば、タイミングをずらして注文選択入力画面231とステータス画面232とを同一のキッチンディスプレイ23に表示させることができるため、ディスプレイの集約化を図ることができる。この結果、調理システム1を構成する調理補助装置2の簡素化を図ることができる。
【0101】
本実施形態に係る調理システム1は、本実施形態に記載の調理補助装置2と、調理鍋を加熱して調理鍋内のパスタソースを調理するIHヒータ32と、調理補助装置2のキッチンディスプレイ23によって表示されたレシピ、又は調理補助装置2のスピーカ25によって読み上げられたレシピの音声に従って、IHヒータ32の加熱強さを従業員により選択入力する加熱調理選択入力部33と、を備える。
【0102】
この構成によれば、従業員は、インプットしたレシピにおける各調理の工程に従って、パスタソースが供給された調理鍋をIHヒータ32及び加熱調理選択入力部33によって適切な強さ及び時間で加熱したり、適時に例えば肉製品、魚介類又は野菜等の具材を調理鍋に投入して加熱調理したりすることができる。
【0103】
(第2実施形態)
以下、図8から図9を参照しながら第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態では、上述した第1実施形態と同様の点については説明を省略し、主に上述した第1実施形態と相違する点について説明する。
【0104】
(第2実施形態の調理補助装置)
以下、第2実施形態に係る調理補助装置2について説明する。
【0105】
上述した第1実施形態では、調理補助装置2は、注文受付部21と、注文管理部22と、表示部及び選択入力部としてのキッチンディスプレイ23と、レシピ出力部24と、レシピ読上部としてのスピーカ25と、ソースディスペンサ26と、を備えて構成されている。これに対し、第2実施形態では、調理補助装置2は、例えば、注文受付部21と、注文管理部22と、表示部のみとしてのキッチンディスプレイ23と、レシピ出力部24と、レシピ読上部としてのスピーカ25と、ソースディスペンサ26と、を備えて構成される。すなわち、第2実施形態では、調理補助装置2は、選択入力部に相当する構成を備えていない。
【0106】
(第2実施形態の調理補助方法)
次に、図8及び図9を参照しながら第2実施形態に係る調理補助方法について詳細に説明する。
【0107】
図8は、第2実施形態に係る調理補助方法の各ステップを示すフローチャートである。図9は、注文配列画面231Aがステータス画面232Aと共に表示された表示例を示す図である。
【0108】
図8に示すように、まず、S101Aにおいて、注文受付部21は、顧客の注文を顧客又は従業員の操作入力により受け付け、受け付けた注文に対応する注文出力データを生成する。そして、注文受付部21は、生成した注文出力データを注文管理部22に出力し、ステップS102Aに進む。
【0109】
次に、ステップS102Aにおいて、注文管理部22の注文管理モジュール223は、注文受付部21から出力された注文出力データに基づいて、注文と、注文順番情報と、客席番号とが対応付けられた注文管理データを生成する。そして、注文管理モジュール223は、生成した注文管理データをインタフェース221を介してキッチンディスプレイ23及びレシピ出力部24に出力し、ステップS103Aに進む。
【0110】
次に、ステップS103Aにおいて、キッチンディスプレイ23は、注文管理モジュール223から出力された注文管理データに基づいて、所定の順に配列された注文及びこれらと対応付けられた客席番号を示す注文配列画面231Aを、ソースディスペンサ26のステータスを示すステータス画面232Aと共に表示する(図9参照)。
【0111】
同時に、レシピ出力部24のレシピ出力モジュール243は、注文管理モジュール223から出力された注文管理データに基づいて、管理された注文のうち順に配列された先頭の特定注文Sに対応するレシピを、記憶モジュール242に記憶されたテーブルから検索して生成する。これにより、レシピ読上対象となる注文があらかじめ選択入力されることなく、レシピ出力モジュール243は、当該レシピを自動生成することができるため、作業性が向上する。
【0112】
そして、レシピ出力モジュール243は、生成したレシピ(レシピデータ)をインタフェース241を介してキッチンディスプレイ23、スピーカ25及びソースディスペンサ26に出力し、ステップS104Aに進む。
【0113】
次に、ステップS104Aにおいて、ソースディスペンサ26の光電センサ262は、レシピ出力モジュール243から出力されたレシピに基づいて、調理鍋が所定箇所にセットされたか否かを検出する。
【0114】
光電センサ262は、調理鍋が所定箇所にセットされたことを検出した場合(Yesの場合)に、その旨を知らせる検出信号を生成し、生成した検出信号をコントローラ263に出力し、ステップS105Aに進む。一方、光電センサ262は、調理鍋が所定箇所にセットされたことを検出していない場合(Noの場合)に、その旨を知らせる非検出信号を生成し、生成した非検出信号をキッチンディスプレイ23に出力し、ステップS106Aに進む。
【0115】
次に、ステップS104AでのYesの場合にステップS105Aにおいて、コントローラ263の駆動指令生成モジュール2633は、レシピ出力モジュール243からインタフェース2631を介して入力されたレシピと、光電センサ262からインタフェース2631を介して入力された検出信号とに基づいて、当該レシピに対応する必要な分量のパスタソースを貯蔵タンク261から供給するための駆動指令を生成する。そして、駆動指令生成モジュール2633は、生成した駆動指令をインタフェース2631を介してキッチンディスプレイ23、スピーカ25及びアクチュエータ264に出力し、ステップS107Aに進む。
【0116】
一方、ステップS104AでのNoの場合にステップS106Aにおいて、キッチンディスプレイ23は、光電センサ262から出力された非検出信号に基づいて、調理鍋を所定箇所にセットすることを促すポップアップを、ステータス画面232Aに表示させ、ステップS104Aに戻る。
【0117】
次に、ステップS107Aにおいて、アクチュエータ264は、駆動指令生成モジュール2633から出力された駆動指令に基づいて、レシピに対応する必要な分量のパスタソースを、当該パスタソースが貯蔵される貯蔵タンク261から自動に供給する。
【0118】
同時に、ステップS107Aにおいて、キッチンディスプレイ23は、駆動指令生成モジュール2633から出力された駆動指令と、レシピ出力モジュール243から出力されたレシピとに基づいて、レシピの表示を開始する。具体的には、キッチンディスプレイ23は、駆動指令とレシピとに基づいて、注文配列画面231A及びステータス画面232Aを、レシピを示すレシピ画面に自動で切り替える。
【0119】
また、同時に、ステップS107Aにおいて、スピーカ25は、駆動指令生成モジュール2633から出力された駆動指令と、レシピ出力モジュール243から出力されたレシピとに基づいて、レシピの読み上げを開始し、ステップS108Aに進む。
【0120】
次に、ステップS108Aにおいて、キッチンディスプレイ23はレシピ出力モジュール243から出力されたレシピデータ(具体的には、時間情報)に基づいて、レシピの表示(すなわち、レシピ画面の表示)を終了するとともに、スピーカ25はレシピ出力モジュール243から出力されたレシピデータに基づいて、レシピの読み上げを終了する。このように、レシピは、スピーカ25によって読み上げられる間にキッチンディスプレイ23によって表示される。
【0121】
そして、キッチンディスプレイ23又はスピーカ25は、レシピの表示又は読み上げを終了する旨を知らせる通知信号を生成し、生成した通知信号を注文受付部21に出力し、ステップS109Aに進む。
【0122】
次に、ステップS109Aにおいて、注文受付部21は、キッチンディスプレイ23又はスピーカ25から出力された通知信号に基づいて、新規の顧客の注文を受け付けたか否かを判定する。注文受付部21は、新規の顧客の注文を受け付けた場合(Yesの場合)に、ステップS101Aに戻る。一方、注文受付部21は、新規の顧客の注文を受け付けていない場合(Noの場合)に、その旨を知らせる判定信号を注文管理部22に出力し、ステップS102Aに戻る。
【0123】
以上、本実施形態及び各変形例について説明したが、上記実施形態及び各変形例は、本発明の適用例を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0124】
1 調理システム
2 調理補助装置
3 調理装置
21 注文受付部
22 注文管理部
23 キッチンディスプレイ(表示部/選択入力部)
24 レシピ出力部
25 スピーカ(レシピ読上部)
26 ソースディスペンサ(調味料供給部)
32 IHヒータ(加熱調理部)
33 加熱調理選択入力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9