IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社メディビートの特許一覧

特開2022-121057角膜形状測定装置及び角膜形状測定用器具
<>
  • 特開-角膜形状測定装置及び角膜形状測定用器具 図1
  • 特開-角膜形状測定装置及び角膜形状測定用器具 図2
  • 特開-角膜形状測定装置及び角膜形状測定用器具 図3
  • 特開-角膜形状測定装置及び角膜形状測定用器具 図4
  • 特開-角膜形状測定装置及び角膜形状測定用器具 図5
  • 特開-角膜形状測定装置及び角膜形状測定用器具 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121057
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】角膜形状測定装置及び角膜形状測定用器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/107 20060101AFI20220812BHJP
【FI】
A61B3/107
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021018198
(22)【出願日】2021-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】719003086
【氏名又は名称】株式会社メディビート
(74)【代理人】
【識別番号】100118393
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 康裕
(72)【発明者】
【氏名】大沼 一彦
(72)【発明者】
【氏名】宇野 憲治
(72)【発明者】
【氏名】木村 勝典
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA03
4C316AA24
4C316FA01
4C316FA06
4C316FC04
4C316FY02
4C316FY05
(57)【要約】
【課題】本発明は、被験者自身が手軽で正確に角膜形状の測定することができる角膜形状測定装置及び角膜形状測定用器具を提供することを目的とする。
【解決手段】筐体1に、被検眼Eによって覗かれる検眼用開口部11と、検眼用開口部11の中心軸上に配置される測定用パターン32と、検眼用開口部11と測定用パターン32の中心軸上に配置される撮影部S1と、を備え、被検眼Eの角膜E1に測定用パターン32を照射し、角膜E1からの反射パターンを撮影部S1で撮影する角膜形状測定装置であって、被検眼Eと測定用パターン32との間において、位置合わせ部4が設けられている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に、
被検眼によって覗かれる検眼用開口部と、
前記検眼用開口部の中心軸上に配置される測定用パターンと、
前記検眼用開口部と前記測定用パターンの中心軸上に配置される撮影部と、を備え、
前記被検眼の角膜に前記測定用パターンを照射し、前記角膜からの反射パターンを前記撮影部で撮影する角膜形状測定装置であって、
前記被検眼と前記測定用パターンとの間において、位置合わせ部が設けられていることを特徴とする角膜形状測定装置。
【請求項2】
筐体に、
被検眼によって覗かれる検眼用開口部と、
前記検眼用開口部の中心軸上に配置される測定用パターンと、
前記検眼用開口部と前記測定用パターンの中心軸上に設けられた撮影用開口部と、を備え、
前記被検眼の角膜に前記測定用パターンを照射し、前記角膜からの反射パターンを、前記撮影用開口部を介して撮影することにより角膜形状の測定を行うことができる角膜形状測定用器具であって、
前記被検眼と前記測定用パターンとの間において、位置合わせ部が設けられていることを特徴とする角膜形状測定用器具。
【請求項3】
前記位置合わせ部は、前記測定用パターンに一体形成されていることを特徴とする請求項2に記載の角膜形状測定用器具。
【請求項4】
更に前記測定用パターンを照らす照明部を備えることを特徴とする請求項2に記載の角膜形状測定用器具。
【請求項5】
筐体に持ち手が取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の角膜形状測定用器具。
【請求項6】
被検眼に投影された測定用パターンの像を平行な光線にするコリメータ部を備えることを特徴とする請求項2に記載の角膜形状測定用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角膜形状測定装置及び角膜形状測定用器具に関し、詳しくは、被検眼の角膜に測定用パターンを照射し、角膜からの反射パターンを撮影することにより角膜形状の測定を行うことができる角膜形状測定装置及び角膜形状測定用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
角膜が変形する病気に円錐角膜がある。これは角膜の中央部分が薄くなり、房水の圧力によりこの薄い部分が突出して円錐形のようになるものである。角膜の屈折力は眼の中では最も屈折力が高いので、僅かな形状変化は網膜像の質に大きな影響をもたらす。
【0003】
この円錐角膜を診察するために、また、コンタクトレンズを処方するために角膜の形状を測定する装置として、特許文献1~3が知られている。特許文献1~3はいずれもプラチドリングと呼ばれる同心円状に配列された複数のリング状の光源を角膜に投射し、投射された像を調べて角膜の表面の形状を測定するものである。角膜の形状を測定する方法には、他に断面を計測するスリットスキャン式や干渉式があるが、一般的にはプラチドリングによる方法がとられている。
【0004】
このような角膜形状の測定は、当然ながら病院で行われるものであるため、病院に行かなければ角膜の形状を把握することはできない。しかしながら、例えば、自宅で患者自身が手軽に角膜の形状を測定することができれば、異常が起きる前や、初期の段階で異常に気付くこともできる。
【0005】
また、近視を矯正するためのオルソケラトロジーレンズがある。これは、酸素透過性が良いハードのコンタクトレンズを夜中に装着して、角膜の中央部を平坦化させる治療である。この効果について、例えば1時間おきに調べることができればよいが、病院では現実的にこのような頻度で調べることが困難である。したがって、例えば、家庭や眼鏡店等で、手軽に角膜形状を測定できる装置があれば非常に好ましいことである。
【0006】
そこで、市販されている角膜形状測定装置としては非特許文献1、2のようなものがある。しかし、これらはいずれも、オートレフケラトメータ(「レフ」は目の全体の屈折値(度数)の計測であり、「ケラト」は角膜形状の測定である。)であり、他の測定機能もついているために高額であり、家庭や眼鏡店等で簡単に購入できるものではない。
【0007】
家庭や眼鏡店等で手軽に利用できるためには、やはりできるだけ安価な装置が必要であるため、非特許文献1、2のように他の機能は必ずしも必要ではなく、角膜形状の測定が行えればよい。
【0008】
そこで、安価な装置で角膜を撮影する装置としては、特許文献4のように、眼を撮影できる接写レンズを備えた携帯電話の角膜形状測定装置や、特許文献5のように、プラチドリングが投射された眼を着脱可能な携帯電話で撮影する角膜形状測定用器具も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003-102686号公報
【特許文献2】特開2006-158749号公報
【特許文献3】特開2011-167359号公報
【特許文献4】実用新案登録第3085476号公報
【特許文献5】特開2004-81387号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】株式会社トーメーコーポレーション|オートレフケラトメータRC-01、[令和2年11月24日検索]、インターネット〈http://www.ritz-med.co.jp/info/wp-content/uploads/2017/09/3RC-01.pdf〉
【非特許文献2】NIDEK CO., LTD|オートレフケラトメータARK-1、[令和2年11月24日検索]、インターネット〈https://www.nidek.co.jp/products/ophthalmology/exami_list/exami_measuringdevice/ark-1.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、角膜形状を精度よく測定するには、測定用パターンと、被検眼との正確な位置合わせが重要である。
【0012】
特許文献1~3や、非特許文献1、2の装置は、被検眼の被験者とは別に装置を操作する操作者がいるため、その操作者により角膜形状測定装置に対する被検眼の位置合わせが行われることになる。しかし、これらの装置のように、操作者が必要となる装置では手軽に角膜形状の測定を行うことができない。
【0013】
また、特許文献4、5は、安価で手軽に角膜を撮影する装置ではあるが、特許文献4においては位置合わせについての記載はなく、特許文献5においてはアライメントのことが段落[0033]に記載されてはいるが、前眼部照明用光源部6cを用いると記載されているだけで、具体的なことについては記載されていない。
そこで、本発明は、被験者自身が手軽で正確に角膜形状の測定することができる角膜形状測定装置及び角膜形状測定用器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明の一つの態様に係る角膜形状測定装置は、筐体に、被検眼によって覗かれる検眼用開口部と、前記検眼用開口部の中心軸上に配置される測定用パターンと、前記検眼用開口部と前記測定用パターンの中心軸上に配置される撮影部と、を備え、前記被検眼の角膜に前記測定用パターンを照射し、前記角膜からの反射パターンを前記撮影部で撮影する角膜形状測定装置であって、前記被検眼と前記測定用パターンとの間において、位置合わせ部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
これにより、被験者自身で測定用パターンに対する被検眼の位置合わせを行うことができるので、被験者自身が手軽で正確に角膜形状の測定することができる。また、被験者自身で位置合わせができるので、他者の補助も不要となるので装置の構成を簡素化することができ、安価な角膜形状測定装置を提供することができ、家庭や眼鏡店等でも手軽に角膜形状の測定を行うことができる。
【0016】
また、本発明の一つの態様に係る角膜形状測定用器具は、筐体に、被検眼によって覗かれる検眼用開口部と、前記検眼用開口部の中心軸上に配置される測定用パターンと、前記検眼用開口部と前記測定用パターンの中心軸上に設けられた撮影用開口部と、を備え、前記被検眼の角膜に前記測定用パターンを照射し、前記角膜からの反射パターンを、前記撮影用開口部を介して撮影することにより角膜形状の測定を行うことができる角膜形状測定用器具であって、前記被検眼と前記測定用パターンとの間において、位置合わせ部が設けられていることを特徴とする。
【0017】
これにより、被験者自身で測定用パターンに対する被検眼の位置合わせを行うことができるので、被験者自身が手軽で正確に角膜形状の測定することができる。また、被験者自身で位置合わせができるので、他者の補助も不要となるので器具の構成を簡素化することができ、安価な角膜形状測定用器具を提供することができ、家庭や眼鏡店等でも手軽に角膜形状の測定を行うことができる。
【0018】
更には、角膜形状測定用器具は、測定用開口部を介して別体の撮影装置で撮影を行うことができるので、器具の構成を簡素化することができ、より安価な角膜形状測定用器具を提供することができる。なお、撮影装置としては、カメラの他に、スマートファン等の撮影部を備えた携帯端末を用いることができる。そして、広く普及しているスマートフォンを用いることで、手軽に角膜形状の測定が行えるだけでなく、日々の測定データをアプリケーションソフトウェアにより簡単に管理することができるようになる。
なお、角間形状測定用器具は、このような別体の撮影装置を固定しておく固定部を備えておくことが好ましい。
【0019】
また、本発明の角膜形状測定用器具においては、前記位置合わせ部は、前記測定用パターンに一体形成されていることが好ましい。
位置合わせ部を測定用パターンと一体に形成しておくことで、それぞれ別体の場合に比べ簡単な構成となるので、角膜形状測定用器具をより一層小型・安価にすることもできる。なお、このような構成は、角膜形状測定装置においても採用することができる。
【0020】
また、本発明の角膜形状測定用器具においては、更に前記測定用パターンを照らす照明部を備えることが好ましい。
これにより、測定用パターンの像を被検眼の角膜に鮮明に投影することができる。また、照明部によって被検眼ではなく、測定用パターンを照らすので、目にも優しい。なお、このような構成は、角膜形状測定装置においても採用することができる。
【0021】
また、角膜形状測定用器具は、撮影用開口部周辺に反射部を設けておくことが好ましい。このような構成であれば、照明部の光を効率よく利用することができる。
【0022】
また、本発明の角膜形状測定用器具においては、筐体に持ち手が取り付けられていることが好ましい。これにより、角膜形状測定用器具に対する被検眼の位置の保持が安定する。なお、このような構成は、角膜形状測定装置においても採用することができる。
【0023】
また、本発明の角膜形状測定用器具においては、被検眼に投影された測定用パターンの像を平行な光線にするコリメータ部を備えることが好ましい。これにより、別体の撮影装置と被検眼の距離が多少変わっていても、同じ大きさの像を得ることができるので、日々の測定の精度が高まる。なお、このような構成は、角膜形状測定装置においても採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】Aは本発明の第1実施形態の角膜形状測定用器具の主要な構成を示す断面図であり、Bは測定用パターン部及び位置合わせ部並びに照明用LEDの配置を示す図であり、Cは被検眼の位置がずれた状態の位置合わせ部を示す図である。
図2】Aは本発明の第2実施形態の角膜形状測定用器具の主要な構成を示す断面図であり、Bは測定用パターン部及び位置合わせ部を示す図である。
図3】Aは本発明の第2実施形態の被検眼の位置が正しい状態の位置合わせ部の見え方を示す図であり、Bは被検眼の位置がずれた状態の位置合わせ部の見え方を示す図である。
図4】Aは第2実施形態の変形例の主要な構成を示す断面図であり、Bは位置合わせ部を示す図である。
図5】Aは本発明の第1付加構成の主要な構成を示す図であり、Bは第2付加構成の主要な構成を示す図であり、CはBの撮影の例を示す図である。
図6】本発明の第3付加構成の主要な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施形態及び図面を参照にして本発明を実施するための形態を説明するが、以下に示す実施形態は、本発明をここに記載したものに限定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。なお、この明細書における説明のために用いられた各図面においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて表示しており、必ずしも実際の寸法に比例して表示されているものではない。
【0026】
[第1実施形態]
図1A図1Bを用いて本発明の第1実施形態の角膜形状測定用器具100の要部の構成を説明する。図1Aは角膜形状測定用器具100の主要な構成を示す断面図であり、図1Bは測定用パターン部3及び位置合わせ部4並びに照明用のLED51の配置を示す図である。角膜形状測定用器具100は筐体1と、拡大用レンズ2と、測定用パターン部3と、位置合わせ部4と、照明部5と、反射部6と、カメラ取付部7と、からなる。
【0027】
なお、本実施形態の角膜形状測定用器具100は、後述するように別体の撮影装置であるスマートフォンSを用いて角膜形状を撮影するものである。したがって、角膜形状測定用器具100単体では角膜形状の撮影を行うことできず、使用の際には撮影装置と共に用いる必要がある。
【0028】
筐体1は、角膜形状測定用器具100の外形を構成するものであり、例えば、射出成型の合成樹脂で形成され、図1Aに示すように、ドライヤーに近似した円筒形である。そして、円筒形の一端側に被検眼Eによって覗きこまれる円形の検眼用開口部11が形成され、他端側に被検眼Eを撮影するための撮影用開口部12が形成されている。この時、検眼用開口部11と撮影用開口部12の中心軸が同じとなっている。また、この撮影用開口部12には像の大きさを所望の大きさにする拡大用レンズ2が配設されている。
【0029】
また、筐体1には円筒の側壁には持ち手13が形成されている。したがって、角膜形状測定用器具100は、持ち手13により被検者が把握し易い形状となっている。
【0030】
測定用パターン部3は、図1Aに示すように漏斗の上部のような形状であり、撮影用孔311が形成された透明な円錐形状のパターン板31と、このパターン板31に図1Bに示すような複数の同心円の測定用パターン32が描かれているものである。なお、この測定用パターン32は所謂プラチドリングと呼ばれている。
【0031】
また、パターン板31の撮影用孔311は撮影用開口部12側に小さな径で形成されており、パターン板31の検眼用開口部11側には大きな径のフランジ312が形成されている。そして、測定用パターン32のリングは撮影用開口部12から検眼用開口部11に向かって次第に大きくなっている。この測定用パターン32が描かれているパターン板31は、検眼用開口部11の中心軸上に配置される。また、本実施形態においては、検眼用開口部11と測定用パターン部3(のフランジ312側)とは大体25mm程度離れた構成となっている。
【0032】
なお、本実施形態の測定用パターン32は、複数の同心円からなるものであるが、この模様に限定されるわけではなく、他の模様の測定用パターンでも構わない。また、測定用パターン部3は、パターン板31に測定用パターン32が描かれている構成となっているが、必ずしもパターン板31に測定用パターン32を描いた構成に限定されるわけでなく、測定用パターン32の模様によってはパターン板31を用いないで測定用パターン32のみで測定用パターン部3を構成することもできる。
【0033】
位置合わせ部4は、被験者の被検眼Eの位置と、測定用パターン部3の測定用パターン32との位置を合わせるためのものである。パターン板31には、測定用パターン32に重ねて、縦横の十字パターン41の線が描かれており、本実施形態においては、この位置合わせ部4は、パターン板31とこの十字パターン41で構成されている。なお、十字パターン41は、パターン板31に描かれているため、外側になる程検眼用開口部11に近づくことになる。すなわち、被検眼E1との距離が十字パターン41の外側と内側で異なる。このために被検眼E1の位置がずれると十字パターン41の上下、左右の線が折れ曲がって見えることになる。また、この位置合わせ部4に関する具体的な話を後にも記す。
【0034】
照明部5は、測定用パターン32による像を被検眼Eに投影させるための光源である。この照明部5は、パターン板31のフランジ312に合ったリングの形状となっており、図1Aに示すようにパターン板31の検眼用開口部11側に配設されている。そして、照明部5は、図1Bに示すように、複数のLED51が均等に12個配設されており、このLED51からは照明用の光が撮影用開口部12側の面(図1Aの右方)に向けて放射される構成となっている。つまり、本実施形態においては、LED51からの光は、直接検眼用開口部11方向に放射しない構成となっている。これにより、高輝度のLED51によって測定用パターン32が見え難くなることを防止する。また、被検眼Eへ直接LED51の光が入射してしまうことを防ぐことができる。
【0035】
反射部6は、照明部5からの光を効率よく利用したり、光の均一化を行ったりするためのものである。反射部6は、背面反射部61と側面反射部62からなる。この背面反射部61と側面反射部62は、光を反射するシート状のものであり、裏面に接着層が形成されている。そして、背面反射部61は撮影用開口部12側の面に貼り付けられ、側面反射部62は円筒の側面の撮影用開口部12側に貼り付けられている。なお、反射部6は接着剤付きのシートに限定するものではなく、例えば、塗装や真空蒸着等で筐体1の内部に形成してもよい。
【0036】
カメラ取付部7は、携帯端末であるスマートフォンSの撮影部S1を撮影用開口部12に保持するものである。なお、上記したように、本実施形態の角膜形状測定用器具100は、使用の際には撮影装置と共に用いる必要がある。そして、この撮影装置としては、広く普及している携帯端末であるスマートフォンSのカメラ(撮影部)が適している。このカメラ取付部7は、スマートフォンSを保持すると共に、その撮影部S1を撮影用開口部12に保持するものである。
【0037】
カメラ取付部7は、スマートフォンSを挟む摩擦力が大きい弾性体の第1挟持体71と第2挟持体72、そして、第1挟持体71と第2挟持体72に挟持力を付勢するための押圧板73、ボス74、圧縮コイルバネ75、ネジ76と座金77からなる。図1Aに示すように、ボス74が筐体1の検眼用開口部11側の外面に立設され、そのボス74に押圧板73の一端、圧縮コイルバネ75が順次挿入され、座金77がセルフタッピンネジであるネジ76で螺着される。これにより、押圧板73が圧縮コイルバネ75によって撮影用開口部12の方向に付勢される。そして、押圧板73の他端がスマートフォンSを挟む第1挟持体71と第2挟持体72を押圧することで、スマートフォンSが角膜形状測定用器具100の撮影用開口部12に保持される。なお、スマートフォンSには種々の形状があり、また、撮影部S1の位置が異なるが、第1挟持体71、第2挟持体72や押圧板73の形状を変更することで対応することができる。また、スマートフォンSの保持方法は上述の方法に限定するものではない。
【0038】
このような構成により、本実施形態の角膜形状測定用器具100は、被検眼Eによって覗かれる検眼用開口部11の中心軸上に測定用パターン32が配置され、また、検眼用開口部11と測定用パターン32の中心軸上に撮影用開口部12が位置し、照明部5からの照明光が反射部6によって反射し、透明なパターン板31を通過して測定用パターン32を間接的に照射する。そして、被検眼Eに照明光が直接入射しない間接照射で均一な照度で照明された測定用パターン32の像が被検眼Eの角膜E1に投影され、角膜E1に投影された測定用パターン32の像がスマートフォンSの撮影部S1で撮影される。
【0039】
そして本実施形態の角膜形状測定用器具100のパターン板31には十字パターン41が描かれている。この十字パターン41は、位置合わせ部4を構成するものであり、被検眼Eが計測軸に合っていれば、つまり、被検眼Eの角膜E1の中心が検眼用開口部11の中心軸上にあれば、図1Aに示すように、被検者は十字パターン41の上下、左右の線が真直ぐに(垂直、水平に)に見える。一方、被検眼Eが計測軸からずれていれば、図1Cに示すように、十字パターン41の上下、左右の線が折れ曲がって被験者には見えてしまう。なお、図1Cは被検眼Eが左にずれた場合に被検者が見える十字パターン41を示す図であり、上下の縦線が折れて見えている。
【0040】
このように、本実施形態の角膜形状測定用器具100は、被検眼Eと測定用パターン32との位置合わせを、測定用パターン32が描かれているパターン板31に十字パターン41を一緒に描いておき、被検眼Eの位置を被検者自身が確認して計測軸に合わせることができる構成となっている。したがって、本実施形態の角膜形状測定用器具100は、被験者自身が手軽で正確に角膜形状の測定することができる。
【0041】
また、本実施形態であれば被検者は測定用パターン部3と位置合わせ部4を同時に見ることができる。同時に見ることができないと、位置合わせと角膜形状測定が別工程となってしまい、位置合わせ後に角膜形状測定を始めるまでに、被検眼Eの位置がずれる恐れがある。しかしながら、本実施形態であれば位置合わせと角膜形状測定を同時に行うことができる。
【0042】
また、本実施形態の角膜形状測定用器具100は、角膜の形状(ケラト)測定専用の器具となっており、非特許文献1、2のように他の機能(レフやトノ)の測定は備えている装置に比べ、非常に安価に提供することができる。
【0043】
また、本実施形態の角膜形状測定用器具100は、角膜E1からの反射パターンを撮影するために、別体のスマートフォンSを用いる構成となっている。したがって、角膜形状測定用器具100としては撮影部S1が不要となることから、より安価で小型なものを提供することができる。
【0044】
そして、本実施形態の角膜形状測定用器具100は、このように、被験者自身で位置合わせができ、安価であることから、家庭等での日常的な角膜形状の測定を実現することができる。これにより、例えば、角膜形状に係る病気の早期発見や病気の経過を家庭でも観察することができる。
【0045】
また、例えば、拡大用レンズ2として可変焦点レンズを用いる等により、測定用パターン32の像の大きさを調整する調整機能を備え撮影部S1の種類に対応できるような構成としてもよい。また、拡大用レンズ2は必ず必要というわけではなく、筐体1の大きさや、この大きさによる被検眼EとスマートフォンSの撮影部S1との距離や、スマートフォンSの撮影部S1の能力等により、不要とする構成を採用することもできる。
【0046】
また、本実施形態においては、図1Aに示すように、筐体1の撮影用開口部12と、測定用パターン部3における撮影用孔311とが接する構成となっているが、このような構成に限定されるわけではない。撮影用開口部12と測定用パターン部3(撮影用孔311)とを離した構成としてもよい。このような構成により生じる空間を、スマートフォンSの撮影部S1におけるファーカス合わせに利用することもできる。また、この時、反射部6は、本実施形態のように背面反射部61が筐体1内の撮影用開口部12側の面に貼り付けられた構成ではなく、背面反射部61が筐体1内の撮影用開口部12側から分離し、測定用パターン部3の撮影用孔311側に背面反射部61が形成された構成とすることもできる。そして、このような構成により照明部5の光を効率的に利用することができる。この時、当然ながら背面反射部61には撮影用開口部12に対応する孔部が形成されている。
【0047】
また、本実施形態の角膜形状測定用器具100は、カメラ取付部7を備え、そこに別体のスマートフォンSを保持する構成となっている。このような構成であれば、例えば日々撮影した角膜E1上の測定用パターン32の像をスマートフォンSに保存しておくことができる。この時、スマートフォンSに角膜形状測定用アプリケーションソフトウェアをインストールしておくことで、日々のデータ管理や、測定結果に基づくアドバイス等を簡単に行うこともできる。
【0048】
また、本実施形態の角膜形状測定用器具100は、図1Aに示すように円筒形の筐体1の側壁に持ち手13が形成された形状となっているが、このような形状に限定されるわけではない。例えば、持ち手13により被験者が手で持つ構成ではなく、角膜形状測定用器具100は、筐体1を支える台座部を備える構成により、テーブル等に設置して用いる構成としてもよい。
【0049】
[第2実施形態]
図2A図2Bを用いて第2実施形態の角膜形状測定用器具100Aを説明する。図2Aは角膜形状測定用器具100Aの主要な構成を示す断面図であり、Bは測定用パターン部3A及び位置合わせ部4Aを示す図である。なお、第2実施形態の角膜形状測定用器具100Aにおいては、第1実施形態の角膜形状測定用器具100と構成が同一の部分については同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略し、構成が異なる同一名の部分については参照符号に添え字「A」を付す。そして、第2実施形態の角膜形状測定用器具100Aは、測定用パターン部3Aと位置合わせ部4Aと照明部5Aが第1実施形態の角膜形状測定用器具100と異なっている。この点について、以下に具体的に説明する。
【0050】
図2A図2Bに示すように、本実施形態の角膜形状測定用器具100Aの測定用パターン部3Aは、パターン板31Aが円錐形状ではなくて円盤形状となっている。そして、この円盤形の中心に撮影用孔311Aが形成され、平面に測定用パターン32Aが描かれている。このように、測定用パターン32Aは、平面に描かれていたとしても、被検眼Eの角膜E1に測定用パターン32Aを投影することができる。
【0051】
本実施形態のような測定用パターン部3Aの構成であれば、円錐形状の第1実施形態に比べ、角膜形状測定用器具100Aの軽量化や小型化となる。また、円盤形状なので、測定用パターン32Aを簡単に描くことができるため、加工コストを抑えることもでき、角膜形状測定用器具100Aをより安価に提供することができる。
【0052】
また、位置合わせ部4Aは、パターン板31Aと、その上下左右端に配設された4つの指標体42と、パターン板31Aに描かれた十字パターン43、で構成されている。
【0053】
この指標体42は、パターン板31Aに対して三角柱を横に倒したような形状物となっている。したがって、指標体42は、底面となる長方形の面がパターン板31Aに固着され、図2Bに図示するように、残り2つの長方形(第1面42b、第2面42c)が表(被検眼E側)に現れる。第1面42bと第2面42cの長方形は合同であり、この二つの長方形の接合部が陵42aとなる。そして、この陵42aは、パターン板31Aに描かれた十字パターン43と図2Bで一致している。
【0054】
このような位置合わせ部4Aによる位置合わせについて図2図3と共に説明する。まず、第1面42bと第2面42cまた、指標体42の内側の三角形(第3面42d)は、色分けされている。具体的には、例えば、図2B図3に示すように、左右の指標体42の上側の長方形の第1面42bと、上下の指標42の左側の長方形の第1面42bは黒色とし、左右の指標42の下側の長方形の第2面42cと、上下の指標42の右側の長方形の第2面42cは赤色であり、4つの第3面42dは白色とする。
【0055】
そして、被検眼Eが計測軸に合っていれば、つまり、被検眼Eの角膜E1の中心が検眼用開口部11の中心軸上にあれば、図3Aに示すように、被検者は上下左右の第1面42bと第2面42cの大きさが同じに見え、上下左右の第3面42dの大きさが同じに見え、また上下左右の稜42aが十字パターン43に一致して見える。
【0056】
一方、被検眼Eが計測軸からずれていれば、被検者は上下左右の第1面42bと第2面42cの大きさが同じに見えず、上下左右の第3面42dの大きさが同じに見えず、また上下左右の稜42aが十字パターン43に一致して見えない。これは、上下左右の稜42aがパターン板31Aの面から突出しているので、被検眼Eからの距離が第1面42bと第2面42cの各辺で異なるからであり、また、被検眼Eからの距離が稜42aと十字パターン43とで異なるからである。このように、第2実施形態の位置合わせ部4Aは第1実施形態の位置合わせ部4と同様に被検眼Eからの距離の違いを利用して被検眼Eの位置ずれを合わせるものである。
【0057】
図3Bは、被検眼Eが下にずれた場合に被検者が見える測定用パターン部3Aを示す図である。左右の指標体42の第1面42bよりも第2面42cの方が大きく見え、下の指標体42の第3面42dよりも上の指標体42の第3面42dの方が大きく見え、左右の指標体42の稜線42aが十字パターン43の横線よりも上方に見える。
【0058】
本実施形態の位置合わせ部41の構成により、被験者の被検眼Eの位置と、測定用パターン部3Aの測定用パターン32Aとの位置合わせを、このような方法によって行うことができる。
【0059】
照明部5Aは、図2Aに示すように、測定用パターン部3Aと撮影用開口部12の間に配設されている。そして、照明部5AのLED51が、照明部5Aのリング形状の中央に向けて照明用の光を放射するよう配置されている。このように、本実施形態の照明部5Aは、第1実施形態の照明部5と照明用の光の放射方向が異なっている。そして、本実施形態のように、リング状に配置されたLED51からの光をリング内側に向けて照射したとしても、測定用パターン32Aの像を撮影できる。また、被検眼Eへ直接LED51の光が入射してしまうことを防ぐことができる。
【0060】
このような構成により、本実施形態の角膜形状測定用器具100Aは、被検眼Eによって覗かれる検眼用開口部11の中心軸上に測定用パターン32Aが配置され、また、検眼用開口部11と測定用パターン32Aの中心軸上に撮影用開口部12が位置し、照明部5Aからの照明光が反射部6によって反射し、透明なパターン板31Aを通過して測定用パターン32Aを間接的に照射する。そして、被検眼Eに照明光が直接入射しない間接照射で均一な照度で照明された測定用パターン32Aの像がスマートフォンSの撮影部S1で撮影される。
【0061】
なお、本実施形態においても、図2Aに示すように、反射部6の背面反射部61が筐体1内の撮影用開口部12側の面に貼り付けられた構成となっているが、背面反射部61が筐体1内の撮影用開口部12側から分離し、照明部5Aに近づけて形成する構成としてもよい。このような構成により、照明部5Aの光を効率的に利用することができる。この時、当然ながら背面反射部61には撮影用開口部12に対応する孔部が形成されている。
【0062】
また、第1実施形態の測定用パターン部3、位置合わせ部4と照明部5と、第2実施形態の測定用パターン部3A、位置合わせ部4Aと照明部5Aとは、適宜組み合わせを変えて用いることもできる。
【0063】
[変形例]
第1実施形態と第2実施形態の位置合わせ部4(4A)は、測定用パターン部3(3A)のパターン板31(31A)と一体の構成となっていたが、位置合わせ部4(4A)は、パターン板31(31A)と別体であってもよい。図4A図4Bは第2実施形態の位置合わせ部4Aにおいて、パターン板31Aと別体になっている角膜形状測定用器具100Bを示す図である。
【0064】
図4Aに示すように、角膜形状測定用器具100Bの測定用パターン部3Bのパターン板31Bには指標体42と十字パターン43が無い。そして、図4A図4Bに示すように、位置合わせ部4Bは、リング形の透明な位置合わせ板44に指標42と十字パターン43が形成される。
【0065】
[第1付加構成]
上記した本実施形態の角膜形状即手用器具100(100B)は、測定用パターン32Aの像を撮影する撮影部を直接は備えていない構成となっている。つまり、撮影部を備える代わりに、別体のスマートフォンSを用いて、このスマートフォンSのカメラを利用して撮影する構成となっている。したがって、上記したように、スマートフォンSに角膜形状測定用アプリケーションソフトウェアをインストールしておくことでデータの活用を広げることができる。例えば、角膜E1に投影された測定用パターン32を解析することで、角膜E1の曲率半径などを得ることができる。
【0066】
一方で、被検眼Eの前後の位置が角膜形状測定用器具100に対して変化すると、角膜E1に投影される測定用パターン32の大きさが微妙に変化して、角膜形状の解析精度に支障をきたしてしまうおそれがある。
【0067】
本実施形態においては、撮影に別体のスマートフォンSを用いることから、被検眼EとスマートフォンSの距離情報を知ることができれば、被検眼Eの位置が仮に多少前後したとしても、この距離情報を用いてスマートフォンS側で、補正を行うことができる。そこで、被検眼EとスマートフォンSとの距離情報を取得する方法(第1付加構成)について説明する。
【0068】
図5Aに示すように、左右に所定距離離間した位置P1、P2から縦向きの第1スリット81と第2スリット82を被検眼Eの近傍に投影させる。投影された第1スリット81と第2スリット82間の距離L1をスマートフォンSの撮影部S1で撮影することにより計測し、このL1を使用して撮影部S1から被検眼Eまでの距離情報を求めることができる。
【0069】
[第2付加構成]
次に図5B図5Cを用いて、第1付加構成とは異なる方法を説明する。図5Bに示すように、被検眼Eの横に反射鏡83を設置し、また、図5Cに示すような縦線の目盛84が描かれた計測板85を設置する。なお、反射鏡83や計測板85は、角膜形状測定用器具100の検眼用開口部11近傍に設けておけばよい。
【0070】
そして、反射鏡83や計測板85も一緒に撮影することで、図5Cに示すような被検眼Eの横からの像を得ることができる。この時、被検眼Eの位置により、目盛84の位置も変わってくるため、目盛84の位置によって撮影部S1から被検眼Eまでの距離を求めることができる。例えば、被検眼Eが検眼用開口部11に近づいていれば、角膜E1の先端が数値の大きな目盛84の位置になり、被検眼Eが検眼用開口部11から少し離れていれば、角膜E1の先端が数値の小さな目盛84の位置にくる。
【0071】
[第3付加構成]
第1付加構成、第2付加構成は、撮影部S1から被検眼Eまでの距離情報を取得する構成であり、この取得した距離情報を基にして、スマートフォンS側で補正を行う具体例であった。
【0072】
次に、被検眼Eの前後の位置が多少変化しても、角膜E1に投影される測定用パターン32の大きさを角膜形状用器具100側で一定にしておく方法(第3付加構成)を説明する。つまり、被検眼Eの前後の位置が角膜形状測定用器具100に対して変化しても、角膜E1に投影される測定用パターン32の大きさが変化しない構成にすれば、第1付加構成や第2付加構成のようなスマートフォンS側での補正は不要となる。
この角膜E1に投影される測定用パターン32の大きさが変化しない第3付加構成の例としてコリメータ(視準器)部9を角膜形状用器具100は備える。
【0073】
このコリメータ部9は、図6に示すように被検眼Eと撮影部S1の間に設けられ、第1レンズ91と、第1レンズ91の焦点Oに位置するピンホール92と、ピンホール92の位置がその焦点Oとなる第2レンズ93からなる。すなわち、第1レンズ91と第2レンズ93の焦点Oの位置が一致し、この位置にピンホール92が配設される。
【0074】
角膜E1に投影された測定用パターン32からの光束はピンホール92によって、平行光束だけに絞られる。そして、ピンホール92からの光束は第2レンズ93によって、平行光束に戻されて撮影部S1に入光する。このコリメータ部9により、角膜E1に投影された測定用パターン32の平行光束のみが撮影されるために、被検眼Eの前後の位置が多少変化しても、同じ大きさの測定用パターン32を撮影することができる。
【0075】
以上のように、本発明の角膜形状用器具は、筐体に被検眼Eによって覗かれる検眼用開口部と、この検眼用開口部の中心軸上に配置される測定用パターンと、検眼用開口部と測定用パターンの中心軸上に設けられた撮影用開口部と、を備えており、被検眼Eの角膜E1に測定用パターンを照射し、角膜E1からの反射パターンを、撮影用開口部を介して撮影することにより角膜形状の測定を行うことができる角膜形状測定用器具であって、被検眼Eと前記測定用パターンとの間において、位置合わせ部が設けられている。
【0076】
したがって、被験者自身で測定用パターンに対する被検眼Eの位置合わせを行うことができるので、被験者自身で正確に角膜形状の測定することができる。また、被験者自身で位置合わせができるので、他者の補助も不要となるので器具の構成を簡素化することができ、器具の価格を抑えることができるため、家庭や眼鏡店でも導入し易くなるので、手軽に角膜形状の測定を行うことができる。
【0077】
なお、角膜形状測定用器具は、別体の撮影装置を必要とするものであったが、本発明は角膜形状測定用器具に撮影部を備えた角膜形状測定装置、つまり専用装置としても実現することができる。具体的には、本発明の角膜形状測定装置は、筐体に、被検眼Eによって覗かれる検眼用開口部と、検眼用開口部の中心軸上に配置される測定用パターンと、検眼用開口部と測定用パターンの中心軸上に配置される撮影部と、を備え、被検眼Eの角膜E1に測定用パターンを照射し、角膜E1からの反射パターンを撮影部で撮影する角膜形状測定装置であって、被検眼Eと測定用パターンとの間において、位置合わせ部が設けられている構成となる。そして、このような角膜形状測定装置であって、別体の撮影装置と共に用いる角膜形状測定用器具と同様の効果を奏することができる。また、撮影装置に関する点以外の構成については、上記した角膜形状測定用器具の構成を適用することもできる。
【符号の説明】
【0078】
100、100A、100B:角膜形状測定用器具
1:筐体
11:検眼用開口部
12:撮影用開口部
13:持ち手
3、3A、3B:測定用パターン部
31、31A、31B:パターン板
32、32A:測定用パターン
4、4A、4B:位置合わせ部
5、5A:照明部
7:カメラ取付部
S:スマートフォン
S1:撮影部
E:被検眼
E1:角膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6