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特開2022-121064封緘確認ラベル、及び該ラベルを貼った紙パック容器
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  • 特開-封緘確認ラベル、及び該ラベルを貼った紙パック容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121064
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】封緘確認ラベル、及び該ラベルを貼った紙パック容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 55/06 20060101AFI20220812BHJP
   B65D 41/04 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
B65D55/06 ZAB
B65D41/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021018206
(22)【出願日】2021-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】北松 宗親
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA34
3E084AA37
3E084AB02
3E084AB10
3E084BA02
3E084BA05
3E084BA07
3E084BA08
3E084BA09
3E084DA10
3E084DB12
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084KA12
3E084KA14
3E084LA17
3E084LA30
(57)【要約】
【課題】シュリンクフィルムなどのプラスチックフィルムを使用しないで封緘しても、未開封を充分担保できると共に、封緘を切って開封した証拠が、確認可能な目印などによって残せる封緘確認ラベルを得る。
【解決手段】最内面がシーラント層からなり、キャップ(3)で閉鎖される注出口(24)を注出面(21)に有する紙パック容器(2)に貼る封緘確認ラベル(1)において、上記閉鎖するキャップと、該注出面とに、連ねて貼るラベルであって、該ラベルの、容器の注出面とキャップとの境界近傍に脆弱線(13)を有し、該脆弱線によって、容易に破断可能としたことを特徴とする封緘確認ラベル。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最内面がシーラント層からなり、キャップで閉鎖される注出口を注出面に有する紙パック容器に貼る封緘確認ラベルにおいて、
上記閉鎖するキャップと、該注出面とに、
連ねて貼るラベルであって、
該ラベルの、容器の注出面とキャップとの境界近傍に脆弱線を有し、該脆弱線によって、容易に破断可能としたことを特徴とする封緘確認ラベル。
【請求項2】
容器の注出面とキャップとの境界近傍に設ける脆弱線を、複数平行に設け、キャップや容器に貼る位置が多少ずれても、確実に破断可能としたことを特徴とする請求項1に記載の封緘確認ラベル。
【請求項3】
請求項1~2に記載の封緘確認ラベルを、容器の注出口を有する注出面と注出口を覆うキャップとに連ねて貼ったことを特徴とする紙パック容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封緘する役目を担っていたシュリンクフィルムを無くしながらも、同様の機能を持たせ、かつ、環境に良い紙容器に関する。
【背景技術】
【0002】
紙を基材として、最内層にシーラント層を有する筒状の紙容器は、容量も大きな容器にすることが可能であり、日本酒、醤油、味りん、ワインなどの液体を充填して販売する容器として、重宝されている。このような容器は、安全の為、未開封であることで担保する為に、シュリンクフィルムで全体を覆った形態で販売されている。
しかしながら、プラスチックフィルムが環境破壊を引き越していることもあって、未開封であることを担保しながら、容器全体を覆うシュリンクフィルムを無くして、その代替え方法が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1では頂面板にはホールの突筒部の外側に密篏する外筒部を設け、この頂面板の外周部は外筒部よりも更に外方に延長すると共にその外周部の外周面には切れ目線を介してカバーを連設し、このカバーは缶の上面に接するまで延長すると共にその一部には手掛用のひげを連設してなるコアホール等のキャップを提案している。
【0004】
このコアホール等のキャップは、連設したカバーを剥がして取り除けると共に、カバーを取り除いて開封する。開封した後に、そのカバーを外した頂面板を注出口先端に被せて再封可能である。
しかしながら、このカバー連接したカバーは、単に押し込むなどして再封できるが、カバーの一部が容器側に残るなどの切れた外観の違いができないので、カバーがなくなっただけでは、封緘を切った確認が明確に認識されにくいといった問題があった。
【0005】
このような問題に対し、例えば、図2に示すように、注出口23に篏合したキャップ3と、該注出口23が取り付けられた注出面21と、に連なって封緘確認ラベル1を貼る方法が考えられる。
しかし、この図2の方法では、封緘確認ラベル1を剥がせば、容易に再封可能であると共に、使用時の封緘担保を確保することができない。
しかも、開封する時に、封緘確認ラベル1を剥がすと、紙パック容器2に記載した印刷も併せて剥がれるなどの問題や、キャップ3に貼られたラベルを剥がして捨てるなどの手間が掛かってしまうなどの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭58-188850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
シュリンクフィルムなどのプラスチックフィルムを使用しないで封緘しても、未開封を充分担保できると共に、封緘を切って開封した証拠が、確認可能な目印などによって残せる封緘確認ラベルを得ることが、本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、最内面がシーラント層からなり、キャップで閉鎖される注出口を注出面に有する紙パック容器に貼る封緘確認ラベルにおいて、
上記閉鎖するキャップと、該注出面とに、
連ねて貼るラベルであって、
該ラベルの、容器の注出面とキャップとの境界近傍に脆弱線を有し、該脆弱線によって、容易に破断可能としたことを特徴とする封緘確認ラベルである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の封緘確認ラベルは、開封すると、キャップと該注出面とに連ねて貼るラベルが、キャップと注出面との境界に設けた脆弱線で破断して、注出面にラベルが残り、封緘を解いた確認ができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の封緘確認ラベルを、紙パック容器の注出口に螺合したキャップと、該注出口が設けられた注出面と、に連ねて貼った実施形態例を示す外観斜視図である。
図2】従来の封緘用ラベルを貼った紙パック容器の実施形態例を示す実施形態例を示す外観図である。
図3】本発明の封緘確認ラベルを貼った紙パック容器から、キャップを外した状態を示す実施形態例を示す外観図である。
図4】本発明の封緘確認ラベルを貼ったキャップの側面図と、封緘確認ラベルの図である。
図5】本発明の封緘確認ラベルを、紙パック容器の注出口に螺合したキャップと、該注出口が設けられた注出面と、に連ねて貼った第二実施形態例を示す外観斜視図である。
図6】本発明の第二実施形態例で、封緘確認ラベルを貼ったキャップの側面図と、封緘確認ラベルの図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の封緘確認ラベル1について、図を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の封緘確認ラベル1を、紙パック容器2の注出口23に螺合したキャップ3と、該注出口23が設けられた紙パック容器2の注出面21と、に連ねて貼った実施形態例を示す外観斜視図である。
本発明に使用される紙パック容器2は、少なくとも基材の紙と最内面にシーラント層からなり、筒状の側壁を有し、その上方に形成された一面を注出面21としている。
該注出面21には、貫通する開口孔を設け、該開口孔に注出口23を融着して、注出可能とし、かつ、注出面21の注出口23にはキャップ3が篏合し、該キャップ3で開閉可能としている。
ここで、本発明の封緘確認ラベル1は、閉鎖するキャップ3と該注出面21とのに連ねて貼られている。封緘確認ラベル1は、キャップ3の天面と左右の側面を覆うだけではなく、キャップ3の裾から、キャップ3で閉鎖している注出口23を取り付けている紙パック容器2の注出面21にも、連なって貼られている。
【0012】
図3は、本発明の封緘確認ラベル1を貼った紙パック容器2から、キャップ3を外した状態を示す実施形態例を示す外観図である。
本発明の封緘確認ラベル1は、図1に示したように、キャップ3の天面と左右の側面を覆うだけではなく、キャップ3の裾から、キャップ3で閉鎖している注出口23を取り付けている紙パック容器2の注出面21にも、連なって貼られている。
ここで、貼りつけられたラベルと共に、キャップ3の螺合を回動させて解く。この時、封緘確認ラベル1は、容器の注出面21とキャップ3との境界で脆弱線13が破断する。
そして、強く粘着した容器の注出面21に貼られたラベル固定部12は、そのまま注出面21に残る。
しかし、キャップ3の天面や側面に粘着したラベルキャップ部11は、キャップ3に粘着したまま、キャップ3と一体的に残る。
この為、一旦開封すると、ラベル固定部12が注出口23脇のラベル固定部12があるので、容易に開封したことを確認可能な識別標識となる。
【0013】
図4-1は、本発明の封緘確認ラベル1を紙パック容器の注出口23近傍に貼った状態の側面図である。
注出口23には、キャップが螺合しており、該キャップ3の天板と側面に封緘確認ラベル1が貼られている。
更に、該封緘確認ラベル1の左右が、キャップ3の下端から、紙パック容器2の注出面21に延び、かつ、その注出面21に強く貼り付けられている。
そして、その注出面21とキャップ3との境界近傍に脆弱線13が複数設けられている。
【0014】
図4-2は、本発明の封緘確認ラベル1の形状を示す図である。
本発明の封緘確認ラベル1は、少なくとも基材層と強粘着層とから形成されている。
基材層としては、紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルムや、それらを複層に貼り合わせた積層シートなどが考えられる。
強粘着層は、紙パック容器2の表面に強固に粘着可能な粘着剤層で形成されている。
紙パック容器2の表面には、通常、紙のほか、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンなどが使用されているので、それらに強固な粘着性を持つ粘着剤が使用される。もちろん、キャップに使用されているポリプロピレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ハイインパクトスチレン、などにも強固な粘着性を持つ粘着剤が使用される。
強固な粘着性があると、キャップ3を回動させた時、紙パック容器2の注出面21に固定されるラベル固定部12にしっかり固定されるので、注出面21とキャップ3との境界近傍になる脆弱線13で容易に破断し、ラベル固定部12のみ、注出面21に残すことができる。
【0015】
注出面21とキャップ3との境界近傍に設けた脆弱線13は、平行して複数本設けると、封緘確認ラベル1を貼り付ける位置が多少ずれても、切れやすくなるので、複数設ける事が好ましい。
脆弱線13は、ビク刃によるミシン目加工であっても、半抜きのプレス加工であってもかまわないし、レーザー光を走査して容易に破断できる脆弱線13であってもかまわない。
【0016】
図5は、本発明の封緘確認ラベル1を、紙パック容器の注出口24に螺合したキャップ3と、該注出口24が設けられた注出面21と、に連ねて貼った第二実施形態例を示す外観斜視図である。
封緘確認ラベル1は、図のように、キャップ3をまたいで、左右の注出面21に貼らなくても、片方だけであっても、かまわない。
【0017】
図6は、図5に示す本発明の第二実施形態例を詳細に示す図で、封緘確認ラベル1を貼ったキャップ3の側面図と、封緘確認ラベル1単体の図である。
図6-1に示すように、第二実施形態例の封緘確認ラベル1は、キャップラベル部11がキャップ2の天板と側面、固定ラベル部12が紙パック容器2の注出面21にと、それらが連なって貼り合わされ、封印している。
図6-2に示す第二実施形態例の封緘確認ラベル1は、脆弱線13は一か所に複数が並行して設けられている。このように単純な形状であるので、非常に安価で、機械で自動的に貼ることも可能としている。
【0018】
本発明の封緘確認ラベルは、以上のようなもので、単に紙パック容器の注出面とキャップとに連ねて貼って使用する。
注出口に螺合しているキャップを回動して開封すると、紙パック容器の注出面とキャップ
とに連ねて貼ったラベルが、キャップと注出面との境界に設けた脆弱線で破断して、キャップを外した後に、注出面にラベルだけは残り、封緘を解いたことが確実に確認することができる。
この封緘確認ラベルは、外形を抜く時に、合わせて、粘着ラベルの左右に脆弱線を設けるだけなので、生産性も高く、安価に供給できると共に、シュリンクフィルムを使用しないので、環境にもやさしいなど、本発明の封緘確認ラベルは、メリットは大きい。
【符号の説明】
【0019】
1・・・・・・・・・封緘確認ラベル
11・・・・・・・・キャップラベル部
12・・・・・・・・固定ラベル部
13・・・・・・・・脆弱線
2・・・・・・・・・紙パック容器
21・・・・・・・・注出面(紙パック容器の注出面)
22・・・・・・・・側面(紙パック容器の側面)
23・・・・・・・・開口孔(紙パック容器の開口孔)
24・・・・・・・・注出口(紙パック容器の注出口)
3・・・・・・・・・キャップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6