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  • 特開-自動販売機の決済システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121073
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】自動販売機の決済システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20220812BHJP
   G07F 7/08 20060101ALI20220812BHJP
   G06Q 20/18 20120101ALI20220812BHJP
【FI】
G06Q20/06
G07F7/08 Q
G06Q20/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021018227
(22)【出願日】2021-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】300026926
【氏名又は名称】株式会社 ハル・インダストリ
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】松 浦 令 一
【テーマコード(参考)】
3E044
5L055
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044AA07
5L055AA12
5L055AA38
(57)【要約】
【課題】 電子マネーを使用する自動販売機における決済を簡潔に行うことができる自動販売機決済システムを提供する。
【解決手段】 利用者がシャワー機10を使用すると、管理サーバ100には利用データDAが蓄積され、集計プログラムPAにより集計される。集計した利用データDAは、仕分けプログラムPBによってメンテナンス費DB1,設置費DB2,決済手数料DB3に仕分けされる。仕分けデータDBの金額は、管理サーバ100から決済システム200に通知され、通知された仕分け金額に基づき、メンテナンス会社300及び設置者400に対してそれぞれ仕分け金額が送金され、メンテナンス会社300及び設置者400の銀行口座に入金する。決済手数料DB3は、決済システム200の売り上げとなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子マネーによる決済端末を備えた自動販売機の決済システムであって、
システムを管理する管理サーバと、
前記自動販売機における電子マネー利用に基づく決済を行う決済システムと、
前記自動販売機の利用によって利益を得る受益者と、
を含んでおり、
前記管理サーバは、
前記自動販売機の利用状況を示す利用データを集計する集計手段と、
集計された利用データに基づいて受益者に売り上げを仕分ける仕分けデータを得る仕分け手段と、
を備えており、
前記決済システムは、前記仕分けデータに基づいて、前記受益者に仕分け金額を送金して決済することを特徴とする自動販売機の決済システム。
【請求項2】
電子マネーによる決済端末を備えた自動販売機の決済システムであって、
システムを管理する管理サーバと、
前記自動販売機における電子マネー利用に基づく決済を行う決済システムと、
前記自動販売機の利用によって利益を得る受益者と、
前記受益者に含まれており、前記自動販売機をメンテナンスを行うメンテナンス者と、
を含んでおり、
前記管理サーバは、
前記自動販売機の利用状況を示す利用データを集計する集計手段を備えており、
前記メンテナンス者は、
前記集計手段によって集計された利用データに基づいて受益者に売り上げを仕分ける仕分けデータを得る仕分け手段を備えており、
前記決済システムは、前記仕分けデータに基づいて、前記受益者に仕分け金額を送金して決済することを特徴とする自動販売機の決済システム。
【請求項3】
前記自動販売機は、利用者に対して、消臭シャワーもしくは除菌シャワーを噴霧するシャワー機であることを特徴とする請求項1又は2記載の自動販売機の決済システム。
【請求項4】
前記シャワー機の噴霧液を、前記メンテナンス者が供給することを特徴とする請求項3記載の自動販売機の決済システム。
【請求項5】
前記受益者に、前記自動販売機の設置者が含まれることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の自動販売機の決済システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機における決済システムに関し、特に電子マネーを利用した自動販売機の決済システムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子マネーを利用する自動販売機としては、例えば下記特許文献1記載の「電子マネーICカード適用型自動販売機」がある。これは、電子マネー情報を自装置側で管理して総売り上げ高を簡易に把握することを目的としており、自動販売機10には、商品の現金代価となる電子マネー情報に関する読み出し/書き替えが可能な電子マネーICカード11に対して電子マネー情報の情報処理を行うと共に、その情報処理の結果に基づいて商品に関する販売,並びに売り上げ高の管理を行うPOS端末1が備えられている。POS端末1及び既存の演算処理制御装置2の間で電子マネー情報の情報処理の結果及び金額情報を授受し、演算処理制御装置2が電子マネー情報の情報処理の結果を参照して演算処理を行うことで金額情報を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-116375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電子マネーを使用する自動販売機の場合、自動販売機には、利用者を示す情報である利用者IDと利用金額のデータが蓄積されるのみで、自動販売機の設置者や、商品を販売した販売会社に対する費用の支払いをどのように行うのかといった仕組みが必要となる。
【0005】
本発明は、かかる点に着目したもので、電子マネーを使用する自動販売機における決済を簡潔に行うことができる自動販売機決済システムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電子マネーによる決済端末を備えた自動販売機の決済システムであって、システムを管理する管理サーバと、前記自動販売機における電子マネー利用に基づく決済を行う決済システムと、前記自動販売機の利用によって利益を得る受益者と、を含んでおり、前記管理サーバは、前記自動販売機の利用状況を示す利用データを集計する集計手段と、集計された利用データに基づいて受益者に売り上げを仕分ける仕分けデータを得る仕分け手段と、を備えており、前記決済システムは、前記仕分けデータに基づいて、前記受益者に仕分け金額を送金して決済することを特徴とする。
【0007】
他の発明は、電子マネーによる決済端末を備えた自動販売機の決済システムであって、システムを管理する管理サーバと、前記自動販売機における電子マネー利用に基づく決済を行う決済システムと、前記自動販売機の利用によって利益を得る受益者と、前記受益者に含まれており、前記自動販売機をメンテナンスを行うメンテナンス者と、を含んでおり、前記管理サーバは、前記自動販売機の利用状況を示す利用データを集計する集計手段を備えており、前記メンテナンス者は、前記集計手段によって集計された利用データに基づいて受益者に売り上げを仕分ける仕分けデータを得る仕分け手段を備えており、前記決済システムは、前記仕分けデータに基づいて、前記受益者に仕分け金額を送金して決済することを特徴とする。
【0008】
主要な形態の一つによれば、前記自動販売機は、利用者に対して、消臭シャワーもしくは除菌シャワーを噴霧するシャワー機であることを特徴とする。他の形態によれば、前記シャワー機の噴霧液を、前記メンテナンス者が供給することを特徴とする。更には、前記受益者に、前記自動販売機の設置者が含まれることを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自動販売機の売り上げの集計及び仕分けが、管理サーバないしメンテナンス者によって行われるので、電子マネーを使用する自動販売機における決済を簡潔に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例1におけるシステム構成を示すブロック図である。
図2】前記実施例1におけるシャワー機利用時の動作を示すシーケンス図である。
図3】前記実施例1における仕分けと決済の動作を示すシーケンス図である。
図4】本発明の実施例2におけるシステム構成を示すブロック図である。
図5】前記実施例2における仕分けと決済の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例0012】
最初に、図1図3を参照しながら、本発明の実施例1について説明する。図1には、本発明の一実施例の全体構成が示されている。本実施例においては、自動販売機の一例として、消臭・除菌ミストシャワーを噴霧するシャワー機に本発明を適用した場合を説明する。シャワー機10には、複数のミストシャワーの吹出し口12と、電子マネーの決済端末14(カード情報読み取り機)が設けられている。利用者が例えば決済カードを決済端末14にかざすと、カード情報が読み取られるとともに、消臭・除菌ミストシャワーが吹き出し口12から利用者の体に対して噴霧されるようになっている。
【0013】
シャワー機10は、一方において管理サーバ100にインターネットなどのネットワークを通じて接続されており、決済端末14で読み取られた利用データDAが管理サーバ100に提供されるようになっている。利用データDAには、シャワー機10の利用日時DA1,利用者DA2,料金データDA3が含まれている。なお、1回の利用料金が決まっているときは、料金データDA3の代わりに利用回数データとしてもよい。また、シャワー機10が複数台あり、それらの設置者400が異なるときは、シャワー機10の設置者のデータも、利用データDAに含めるようにする。利用データDAの集計は、集計プログラムPAによって行われるようになっている。
【0014】
シャワー機10の利用データDAは、決済システム200にも送信されるようになっている。決済システム200は、利用データDAに基づいて、利用者の銀行口座から利用料金を引き落として現金化する決済サービスを提供するシステムで、例えば、ヤマトフィナンシャル株式会社が提供する「クロネコWEBコレクト(登録商標)」がある。決済システム200は、利用者から徴収した利用料金を、シャワー機10のメンテナンス会社300や、シャワー機10の設置者400に配分する作業を行う。
【0015】
一方、前記管理サーバ100には、仕分けプログラムPBが用意されており、上述した利用データDAに基づいて、売上げの仕分けが行われ、仕分けデータDBとなる。本実施例では、
a,本システムを全体として管理するメンテナンス会社300に支払われるメンテナンス費DB1,
b,シャワー機10を設置している設置者400に支払われる設置費DB2,
d,決済システム200に支払われる決済手数料DB3,
に仕分けされる。メンテナンス費DB1には、シャワー機10や管理サーバ100のメンテナンス費が含まれる。シャワー機10のメンテナンス費には、シャワー機10で噴霧される液剤の代金が含まれる。
【0016】
次に、図2を参照しながら、シャワー機10の動作を説明する。利用者がシャワー機10の前に立って、決済用のカードを決済端末14にかざす。すると、電子マネーで利用料金の支払いが行われ(ステップS10)、シャワー機10では、消臭・除菌ミストシャワーが吹き出し口12から利用者の体に対して噴霧される(ステップS12)。利用者は、このシャワーを浴びることで、全身の消臭・除菌を行う(ステップS14)。一定時間が経過すると、シャワーの噴霧は終了する(ステップS16)。
【0017】
一方、電子マネーによる支払いが行われると、利用者や利用料金のデータが決済システム200に送信される。決済システム200では、該当する利用者の口座から料金が引き落とされるとともに(ステップS20)、決済データとして蓄積される(ステップS22)。また、利用日時,利用者,利用料金の各データは、利用データDAとして管理サーバ100に蓄積される(ステップS30)。以上の図2の動作が、シャワー機10によるシャワーの噴霧動作が行われる毎に繰り返され、管理サーバ100には利用データDAが蓄積され、決済システム200には決済データが蓄積される。
【0018】
次に、図3を参照しながら、システムの全体動作を説明する。上述した図2の動作によって、管理サーバ100には利用データDAが蓄積される。蓄積した利用データDAは、適当な蓄積量や蓄積時間に応じて集計プログラムPAにより集計される(ステップS50)。例えば、毎月の月末に集計するといった具合である。集計した利用データDAは、仕分けプログラムPBによって仕分けされ(ステップS52)、仕分けデータDBが得られる。本実施例では、メンテナンス費DB1,設置費DB2,決済手数料DB3に仕分けされる。このとき、複数のシャワー機10の設置者400が異なっているときは、設置者400毎に設置費DB2を仕分けする。
【0019】
これらの仕分けデータDBの金額は、管理サーバ100から決済システム200に通知される(ステップS54)。決済システム200は、通知された仕分け金額に基づき、メンテナンス会社300及び設置者400に対して、それぞれ仕分け金額の送金を行う(ステップS56)。送金された金額は、メンテナンス会社300及び設置者400の銀行口座に入金する(ステップS58,S60)。なお、決済手数料DB3は、決済システム200において、利用者から引き落とした金額の決済データから、前記メンテナンス会社300及び設置者400に送金した金額を差し引いた残金であり、決済システム200の売り上げとなる。
【0020】
以上のように、本実施例によれば、管理サーバ100を設置して、利用データDAの集計や、その仕分けを行って仕分けデータDBを決済システム200に送信して、メンテナンス会社300や設置者400に対する送金処理を行うこととしたので、電子マネーを使用するシャワー機100における決済を簡潔に行うことができる。
【実施例0021】
次に、図4及び図5を参照して、本発明の実施例2について説明する。なお、上述した実施例に対応する構成要素については、同一の符号を用いることとする。本実施例では、図4に示すように、管理サーバ101は利用データDAの集計を行うのみで、メンテナンス会社301が仕分けを行うシステム構成となっている。すなわち、仕分けプログラムPB,仕分けデータDBは、メンテナンス会社301にある。
【0022】
本実施例におけるシャワー機10の利用手順は、上述した図2と同様である。一方、利用後の決済手順は、図5のようになり、管理サーバ101で集計された利用データDAは、メンテナンス会社301に送信され、メンテナンス会社301で仕分けが行われて、仕分けデータDBが得られる。仕分けデータDBは、決済システム200に送信され、更にメンテナンス会社300及び設置者400に仕分けされた金額が送金されて決済が完了する。
【0023】
上述した実施例1では、メンテナンス会社300は、決済システム200から仕分け後の金額を支払われるのみであるが、本実施例では、管理サーバ101から利用データDAがメンテナンス会社301に送信される。このため、メンテナンス会社301は、シャワー機10の利用状況を知ることができる。例えば、日々の利用回数の変動を知ることができ、噴霧液の補充の目安とすることができるといった利点がある。
【0024】
<他の実施例> なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例では、消臭・除菌ミストシャワーを利用者に対して噴霧するシャワー機に対して本発明を適用した場合を示したが、電子マネーに対応する各種の自動販売機に対して適用可能である。
(2)前記実施例では、管理サーバとメンテナンス会社を区別したが、管理サーバをメンテナンス会社が管理するようにしてもよい。また、自動販売機の売上げによって利益を受ける受益者として、決済システムと、メンテナンス会社と、設置者とが存在する場合を示したが、受益者は実情に応じて増減してよい。
(3)前記実施例では、売り上げ金額を、メンテナンス費,設置費,決済手数料に仕分けしたが、これも一例であり、
a,メンテナンス会社が自動販売機を設置しているときは、設置費をメンテナンス費に含める。
b,メンテナンス会社と噴霧液を補充する会社が異なるときは、噴霧液費を別途仕分けする。
c,自動販売機で消費する電気代や水道代を別途仕分けする。
など、実情に応じて仕分け項目を増減してよい。
(4)前記実施例では、シャワー機が一台の場合を図示したが、もちろん複数台のシャワー機の決済に適用してよい。また、シャワー機以外の自動販売機に適用してもよいし、異なる種類の自動販売機の決済に適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明によれば、自動販売機の売り上げの集計及び仕分けを、管理サーバないしメンテナンス会社によって行うこととしたので、電子マネーを使用する自動販売機における決済を簡潔に行うことができ、各種の電子マネーによる決済機能を備えた自動販売機に好適である。
【符号の説明】
【0026】
10:シャワー機
12:吹出し口
14:決済端末
100,101:管理サーバ
DA:利用データ
DA1:利用日時
DA2:利用者
DA3:料金データ
PA:集計プログラム
PB:仕分けプログラム
DB:仕分けデータ
DB1:メンテナンス費
DB2:設置費
DB3:決済手数料
200:決済システム
300,301:メンテナンス会社
400:設置者
図1
図2
図3
図4
図5