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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121087
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/00 20200101AFI20220812BHJP
【FI】
D06F33/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021018249
(22)【出願日】2021-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】余合 宏允
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA02
3B167AA04
3B167AB23
3B167AB24
3B167AE02
3B167AE04
3B167AE05
3B167BA59
3B167HA16
3B167HA22
3B167HA32
3B167JA80
3B167JC02
3B167KA90
3B167KB01
3B167KB16
3B167LA07
3B167LA08
3B167LA23
3B167LC25
3B167LC30
3B167LG04
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性が向上した洗濯機を提供する。
【解決手段】洗濯機は、洗濯物を出し入れ可能な開口を有する筐体と、開口を開閉する扉と、筐体に設けられてユーザによる入力操作を受ける操作部と、ユーザの生体情報を取得する取得部と、生体情報を予め記憶する記憶部と、ユーザによる操作部への入力操作に基づいて運転を制御する制御装置と、を備える。制御装置は、記憶部に記憶された生体情報と、取得部が取得した生体情報とを照合して、ユーザの認証を行う認証処理を実行可能である。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物を出し入れ可能な開口を有する筐体と、
前記開口を開閉する扉と、
前記筐体に設けられてユーザによる入力操作を受ける操作部と、
前記ユーザの生体情報を取得する取得部と、
前記生体情報を予め記憶する記憶部と、
前記ユーザによる前記操作部への入力操作に基づいて、運転を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記記憶部に記憶された前記生体情報と、前記取得部が取得した前記生体情報とを照合して、ユーザの認証を行う認証処理を実行可能である、
洗濯機。
【請求項2】
前記記憶部は、予め記憶された前記生体情報に紐付けされた前記洗濯機の運転の内容に関する情報である設定情報を記憶可能であり、
前記制御装置は、前記認証処理の結果、前記取得部が取得した前記生体情報と予め記憶された前記生体情報とが一致した場合、前記生体情報に紐付けされた前記設定情報に従って前記洗濯機の運転を制御する、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記制御装置に電力を供給可能な電源装置と、
ユーザによる前記電力の供給開始の操作を受け付ける電源入りスイッチを備え、
前記認証処理は、前記ユーザによる前記電源入りスイッチの操作によって開始される、
請求項1又は2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記制御装置に電力を供給可能な電源装置と、
ユーザによる前記電力の供給開始の操作を受け付ける電源入りスイッチを備え、
前記取得部は、前記電源入りスイッチと一体に設けられている、
請求項1から3のいずれか一項に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記記憶部は、各ユーザに対して複数の前記生体情報を記憶可能であり、複数組の前記各生体情報に紐付いた設定情報を記憶可能である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の洗濯機。
【請求項6】
施錠時には前記扉の開放を規制し、解錠時には前記扉の開放を許すロック装置を備え、
前記制御装置は、
前記洗濯機の運転中は前記ロック装置を施錠して施錠状態にする施錠処理を行い、
前記洗濯機の一時停止中又は運転終了後は、前記認証処理の結果に基づいて、前記ロック装置を施錠して前記施錠状態にする施錠処理又は前記ロック装置を解錠して解錠状態にする解錠処理を実行する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記制御装置は、運転の開始に伴って前記施錠処理を開始する、
請求項6に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記記憶部は、前記ロック装置を施錠状態とするように前記操作部に入力操作したユーザの生体情報を記憶し、
前記制御装置は、
前記ロック装置の前記施錠状態において、前記取得部にユーザの生体情報を新たに取得させ、
前記制御装置は、前記認証処理において、前記施錠状態とするように前記操作部に入力操作したユーザの生体情報と、前記新たに取得された生体情報とを照合し、
前記認証処理の結果、前記施錠状態とするように前記操作部に入力操作したユーザの生体情報と、前記新たに取得された生体情報とが一致した場合、前記解錠処理を実行し、
前記認証処理の結果、前記施錠状態とするように前記操作部に入力操作したユーザの生体情報と、前記新たに取得された生体情報とが一致しない場合、前記解錠処理を実行しない、
請求項6又は7に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記ユーザは、前記記憶部に記憶された前記生体情報を有するユーザ群から前記扉を開放できる権限保持者を設定可能であり、
前記制御装置は、
前記ロック装置の前記施錠状態において、前記取得部にユーザの生体情報を新たに取得させ、
前記認証処理において、前記記憶部に記憶された前記権限保持者の生体情報と、前記取得部が取得した前記生体情報とを照合し、
前記認証処理の結果、前記取得部が取得した前記生体情報と前記権限保持者の生体情報とが一致した場合、前記解錠処理を実行し、
前記認証処理の結果、前記取得部が取得した前記生体情報と前記権限保持者の生体情報とが一致しなかった場合、前記施錠処理を実行する、
請求項6又は7に記載の洗濯機。
【請求項10】
前記記憶部は、前記生体情報に紐付けて前記ロック装置を前記施錠状態とするか否かを記憶する、
請求項6から9のいずれか一項に記載の洗濯機。
【請求項11】
前記扉は、少なくとも一部または全部の光透過率が可変である窓部を有し、
前記窓部は、光透過率を上昇させた遮蔽解除状態ではユーザが前記筐体の外部から前記筐体の内部を視認することを可能にし、光透過率を低下させた遮蔽状態では前記ユーザが前記筐体の外部から前記筐体の内部を視認することを不可能にし、
前記制御装置は、前記ユーザの前記操作部への入力操作に基づいて、前記窓部の光透過率を上昇させて前記遮蔽解除状態にする遮蔽解除処理又は前記窓部の光透過率を低下させて前記遮蔽状態にする遮蔽処理を実行する、
請求項1から10のいずれか一項に記載の洗濯機。
【請求項12】
前記制御装置は、運転の開始に伴って前記遮蔽処理を開始する、
請求項11に記載の洗濯機。
【請求項13】
前記記憶部は、前記窓部を前記遮蔽状態とするように前記操作部に入力操作したユーザの生体情報を記憶し、
前記制御装置は、
前記窓部の遮蔽状態において前記取得部にユーザの生体情報を取得させ、
前記認証処理において前記操作部に入力操作したユーザの生体情報と、前記新たに取得された生体情報とを照合し、
前記認証処理の結果、前記操作部に入力操作したユーザの生体情報と、前記新たに取得された生体情報とが一致した場合、前記遮蔽解除処理を実行し、
前記認証処理の結果、前記操作部に入力操作したユーザの生体情報と、前記新たに取得された生体情報とが一致しない場合、前記遮蔽解除処理を実行しない、
請求項11又は12に記載の洗濯機。
【請求項14】
前記ユーザは、前記記憶部に記憶された前記生体情報を有するユーザ群から前記窓部の光透過率を変更可能な権限保持者を設定可能であり、
前記制御装置は、
前記窓部の遮蔽状態において前記取得部にユーザの生体情報を取得させ、
前記認証処理において、前記記憶部に記憶された前記権限保持者の生体情報と、前記取得部が取得した前記生体情報とを照合し、
前記認証処理の結果、前記取得部が取得した前記生体情報と前記権限保持者の生体情報とが一致した場合、前記遮蔽解除処理を実行し、
前記認証処理の結果、前記取得部が取得した前記生体情報と前記権限保持者の生体情報とが一致しなかった場合、前記遮蔽解除処理を実行しない、
請求項11又は12に記載の洗濯機。
【請求項15】
前記記憶部は、前記生体情報に紐付けて前記窓部を前記遮蔽状態とするか否かを記憶する、
請求項11から14のいずれか一項に記載の洗濯機。
【請求項16】
前記制御装置に電力を供給可能な電源装置と、
前記扉を自動的に開放する開放装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記運転終了後に前記電源装置の電力の供給を停止させる電力停止処理を実行し、
前記電力停止処理後、ユーザによって前記操作部が操作されると、前記認証処理を実行し、
前記認証処理の結果、前記取得部が取得した前記生体情報と前記権限保持者の生体情報とが一致した場合、前記開放装置を作動させて前記扉を開放状態にする開放処理を実行する、
請求項9又は14に記載の洗濯機。
【請求項17】
前記制御装置に電力を供給可能な電源装置を備え、
前記制御装置は、運転終了後所定期間が経過するまで、前記電源装置を通電した状態に維持する、
請求項1から15のいずれか一項に記載の洗濯機。
【請求項18】
前記取得部は、ユーザの手指からの光の反射を前記生体情報として取得する、
請求項1から17のいずれか一項に記載の洗濯機。
【請求項19】
前記取得部は、ユーザの指紋を前記生体情報として取得する、
請求項1から18のいずれか一項に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年洗濯機の機能が高度化しており、ユーザは、例えば水量、濯ぎ工程の回数、乾燥工程の有無などについて、洗濯運転コースの詳細を設定できるようになった。また、洗濯機の出荷時に登録されたデフォルトの洗濯運転コースの設定に加えて、ユーザの好みの設定を予め登録する機能が搭載された洗濯機もある。この場合、ユーザは予め登録した設定を呼び出すことで、都度設定し直すことなく好みの内容で洗濯運転を実行させることができる。
【0003】
共働き家族の増加等、生活様式の変化等によって、家庭内で複数人が家事を行うこともある。この場合、ユーザそれぞれ好みの洗濯運転の設定が異なることもある。また、例えば洗濯物の材質や洗剤等の種類に応じて、同一のユーザであっても洗濯運転コースの詳細を変更する必要があることもある。しかし、従来の洗濯機では、予め登録できる洗濯運転コースの数が限られている。そのため、登録できなかった設定については、やはり個々の洗濯運転毎に設定し直さなければならず、ユーザにとって煩わしい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-252351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザの利便性が向上した洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の洗濯機は、洗濯物を出し入れ可能な開口を有する筐体と、前記開口を開閉する扉と、前記筐体に設けられてユーザによる入力操作を受ける操作部と、前記ユーザの生体情報を取得する取得部と、前記生体情報を予め記憶する記憶部と、前記ユーザによる前記操作部への入力操作に基づいて運転を制御する制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記記憶部に記憶された前記生体情報と、前記取得部が取得した前記生体情報とを照合して、ユーザの認証を行う認証処理を実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態による洗濯機の外観構成を示す斜視図
図2】第1実施形態による洗濯機の一例について扉を開いた状態の正面図
図3】第1実施形態の洗濯機の一例の電気的構成を示すブロック図
図4】第1実施形態の洗濯機の一例の扉に設けられた遮蔽装置を概略的に示す縦断面図
図5】第1実施形態の洗濯機の設定情報の一例を示すチャート
図6】第1実施形態の洗濯機の一例について、ユーザが運転コースを設定する際の表示部及び操作キーの一例を示す図
図7】第1実施形態の洗濯機について、予め記憶された設定情報が呼び出された際の表示部及び操作キーの一例を示す図
図8】第1実施形態の洗濯機の一例の運転開始時の制御装置による処理を示すフローチャート(その1)
図9】第1実施形態の洗濯機の一例の運転開始時の制御装置による処理を示すフローチャート(その2)
図10】第1実施形態の洗濯機の一例の運転終了時の制御装置による処理を示すフローチャート
図11】第1実施形態の洗濯機の一例の運転終了後の制御装置による処理を示すフローチャート
図12】第2実施形態の洗濯機の設定情報の一例を示すチャート
図13】第3実施形態の洗濯機の一例の電気的構成を示すブロック図
図14】第3実施形態の洗濯機の一例の運転終了後の制御装置による処理を示すフローチャート(図11相当図)
図15】第4実施形態の洗濯機の一例の運転終了時の制御装置による処理を示すフローチャート(図10相当図)
図16】その他の実施形態の洗濯機について、予め記憶された設定情報が呼び出された際の表示部及び操作キーの一例を示す図
図17】その他の実施形態の洗濯機の一例の運転開始時の制御装置による処理を示すフローチャート(図8相当図)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、複数の実施形態による洗濯機について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態で実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。各実施形態は、図1に示す横軸または斜め軸型のドラム式洗濯機、及び図示しない縦軸型の洗濯機のいずれにも適用することができる。
【0009】
(第1実施形態)
第1実施形態について図1図11を参照して説明する。洗濯機10は、図1図4に示すように、筐体11、水槽12、回転槽13、扉14、制御装置15、回転槽モータ16、給水機構17、ロック装置18、電源装置19、操作部20、認証装置30、及び遮蔽装置40を備えている。なお図1において、洗濯機10の設置面側、つまり鉛直下側を洗濯機10の下側とし、設置面の反対側、つまり鉛直上側を洗濯機10の上側とする。洗濯機10は、回転槽13の回転軸が水平へ向かう横軸型または後方へ向かって下降傾斜した斜め軸型のドラム式洗濯機である。
【0010】
筐体11は、洗濯機10の外殻を構成するものであり、例えば鋼板等によってほぼ矩形の箱状に形成されている。筐体11は、前面部111と、開口112を有する。前面部111は、筐体11の前側の面を構成する。開口112は、前面部111のほぼ中央部に設けられ、円形状に形成されて筐体11及び回転槽13の内部と外部とを連通している。
【0011】
洗濯機10は、例えばヒートポンプ式やヒーター式の乾燥機能を有していても良いし、備えていなくてもよい。水槽12は、筐体11内に配置されて、図示しないサスペンションによって弾性的に支持されている。回転槽13は、水槽12内に回転可能に配置されている。この場合、水槽12及び回転槽13は、洗濯物を収容する洗濯槽として機能する。
【0012】
扉14は、筐体11この場合前面部111に回動可能に設けられ、開口112を開閉する。扉14は、図示しないヒンジ部によって筐体11に固定されている。ヒンジ部は、開口112の一部に設けられ、扉14を回動可能に筐体11に固定する。例えば、ヒンジ部は、開口112の左右いずれかの端部に設けられ、扉14を水平方向に回動可能に固定する。本実施形態では、ヒンジ部は開口112の左端部に設けられている。扉14は、窓部141を有する。窓部141は、透明な部材を含んで構成されており、本実施形態では円形に形成されている。窓部141は、ユーザが筐体11の外部から筐体11の内部この場合回転槽13の内部を視認することを可能にする。
【0013】
なお、縦型洗濯機である別の実施形態では、開口は例えば筐体の上部に設けられていても良い。その場合、扉は例えば筐体の上部に回動可能に設けられていても良い。また、ヒンジ部は例えば開口の奥側の端部に設けられて扉を鉛直方向に回動可能に固定しても良い。
【0014】
制御装置15は、図3に示すように、例えばCPU151や、ROM、RAM、及び書き換え可能なフラッシュメモリなどの記憶部152を要するマイクロコンピュータを主体に構成されており、洗濯機10全体の制御を行う。本実施形態の場合、制御装置15は、回転槽モータ16、給水機構17、ロック装置18、電源装置19、操作部20、認証装置30、及び遮蔽装置40の駆動を制御する。
【0015】
回転槽モータ16は、水槽12の外側に設けられており、回転槽13に接続されている。また、回転槽モータ16は、制御装置15に電気的に接続されており、制御装置15からの制御信号に基づき駆動して回転槽13を回転させる。
【0016】
給水機構17は、図1に示すように、例えば筐体11内の水槽12の上方左奥部に設けられている。給水機構17は、例えば水道などの給水源からの水を受けて水槽12内への給水を行う。給水機構17は、接続口171、詳細は図示しない給水経路、及び給水弁172を有している。接続口171は、筐体11の上面部において、左奥部に露出するように設けられている。接続口171は、例えばホースを介して水道の蛇口等の外部の水源に接続される。接続口171は、給水経路は、接続口171から水槽12及び回転槽13までを接続する経路である。給水弁172は、電磁的に開閉動作が可能な液体用の開閉弁である。給水弁172は、接続口171と給水経路との間に設けられている。そして、給水弁172は、制御装置15に電気的に接続されており、制御装置15からの制御信号に基づき給水経路を開閉する。
【0017】
なお、外部の水源は、水道の蛇口に替えて、又は水道の蛇口に加えて例えば風呂水つまり浴槽に溜められた水であっても良い。その場合、水道用の接続口171に替えて、又は水道用の接続口171に加えて、風呂水を通すホース用の接続口を設けても良い。
【0018】
ロック装置18は、扉14を筐体11に回動不可能にロックする機能を有する。ロック装置18は、例えば電磁式であって、制御装置15に電気的に接続されており、制御装置15からの制御信号に基づき扉14をロックする。
【0019】
この場合、扉14は、係合部142と、ハンドル部143とを有する。係合部142は、例えば扉14のヒンジ部とは反対側に設けられている。ハンドル部143は例えばヒンジ部とは反対側であって、係合部142の近傍に設けられている。ハンドル部143は、係合部142と関連付けられており、ユーザがハンドル部143を操作することで、係合部142を動かすことができる。また、筐体11は、図示しない被係合部を有する。係合部142と被係合部とは、扉14が開口112を閉じる閉状態において、互いに係合する。ロック装置18は、被係合部の移動を規制する施錠状態では、係合部142と被係合部との係合状態を維持する。つまり、施錠状態では、ユーザは扉14を開くことができない。ロック装置18が被係合部の移動を規制しない解錠状態では、係合部142と被係合部とは、例えばユーザがハンドル部143を操作することによって係合状態が解消される。つまり、解錠状態では、ユーザは扉14を開くことができる。制御装置15は、洗濯機10の運転中はロック装置18を施錠状態にする。
【0020】
電源装置19は、筐体11内部に設けられている。電源装置19は、制御装置15、回転槽モータ16、給水機構17、ロック装置18等に図示しない配線を通して接続されており、制御装置15、回転槽モータ16、給水弁172、ロック装置18、操作部20、認証装置30等に電力を供給可能に構成されている。電源装置19は、制御装置15からの制御信号に基づき、回転槽モータ16、給水弁172、ロック装置18、操作部20、認証装置30、及び遮蔽装置40等に電力を供給する。
【0021】
操作部20は、筐体11に設けられている。操作部20は、例えば図1に示すように筐体11の上面部の前側部分に設けられており、制御装置15に電気的に接続されている。操作部20には、電源スイッチ21、表示部22、各種操作キー23等が設けられている。
【0022】
電源スイッチ21は、操作部20の端部この場合左端部に設けられている。電源スイッチ21は、ユーザの電源装置19による電力の供給の開始又は終了についての操作を受ける。電源スイッチ21は、電源入りスイッチ211及び電源切りスイッチ212を含んで構成される。電源入りスイッチ211は、ユーザによる電源装置19から制御装置15への電力供給開始の操作を受け付ける。電源切りスイッチ212は、ユーザによる電源装置19から制御装置15への電力供給開始の操作を受け付ける。ユーザによって電源入りスイッチ211が操作されると、電源装置19は、制御装置15に電力の供給を開始する。ユーザによって電源切りスイッチ212が操作されると、電源装置19は、制御装置15への電力の供給を停止する。
【0023】
表示部22は、操作部20の中央部に設けられている。表示部22は、例えば液晶パネルを含んで構成され、洗濯機10に関する種々の情報を表示することができる。なお、表示部22は、液晶パネルに限らず、他の実施形態では、例えば有機ELパネルを含んで構成されていても良い。
【0024】
操作キー23は、洗濯機10の運転に関するユーザによる各種の操作を受け付ける。ここで、洗濯機10の運転には、洗い工程、脱水工程、濯ぎ工程、乾燥工程のうち少なくともいずれか1つまたは複数が含まれる。操作キー23は、表示部22に表示された画面に含まれるタッチキーで構成されている。つまり、表示部22は、タッチパネルを含んで構成されている。ユーザは、表示部22に表示された操作キー23に手指等で触れることにより、洗濯機10の運転に関する各種の入力操作を行うことができる。
【0025】
表示部22を構成するタッチパネルとしては、例えばユーザの手指が触れた際に発生する静電容量の変化を感知する静電容量方式のタッチパネルを適用することができる。なお、表示部22を構成するタッチパネルは、静電容量方式のタッチパネルに限らず、他の実施形態では、例えば抵抗膜方式のタッチパネルなど、各種の方式のタッチパネルを適用することができる。また、操作キー23は、静電タッチ式に限られず、他の実施形態では、ボタン式であっても良い。
【0026】
認証装置30は、ユーザを特定して、所定の権限を有するユーザであるか否かを判定する機能を有する。認証装置30は、取得部31を含んで構成されている。取得部31は、ユーザを特定する情報を取得する機能を有する。記憶部152は、取得部31が取得したユーザを特定する情報を記憶する。取得部31は、複数のユーザを特定する情報を記憶可能である。取得部31は制御装置15に電気的に接続されており、制御装置15からの制御信号に従って作動する。
【0027】
この場合、ユーザを特定する情報は、ユーザの生体情報である。生体情報は、ユーザの身体の一部やそれに準ずる要素に関する情報であり、例えば、指紋、静脈の形状、声紋、虹彩、耳介の形状、顔の形状等が挙げられるがそれらに限定されない。本実施形態では、取得部31は、生体情報としてユーザの手指の指紋を取得する。また、取得部31は、静電容量方式のセンサを含んで構成されている。センサは複数の電極を含んで構成されており、ユーザの手指が取得部31に触れると、指紋の凹凸に応じて各電極の電荷が変化する。この電荷をマッピングすることで、取得部31は、ユーザの指紋を取得する。制御装置15は、取得部31が取得した指紋をユーザの生体情報として記憶部152に記憶させる。なお、取得部31のセンサとしては、静電容量方式に限らず、他の実施形態では例えば光学式、電解強度測定方式、感圧式、感熱式、超音波式等が適用されても良い。
【0028】
更に、取得部31は、同一のユーザから複数の生体情報を取得し、記憶部152に記憶することができる。例えば、本実施形態の場合、ユーザの手指が10本あるとすると、1人のユーザにつき、最大10個の生体情報を取得し、記憶部152に記憶することができる。
【0029】
本実施形態では、取得部31は、電源スイッチ21この場合電源入りスイッチ211と一体に設けられている。つまり、取得部31は、ユーザが電源入りスイッチ211を操作する際に、ユーザの生体情報として指紋を取得することができる。
【0030】
この場合、ユーザが電源入りスイッチ211を所定期間T1以上操作すると、つまりユーザが電源入りスイッチ211に所定期間T1以上触れるいわゆる長押し操作をすると、制御装置15は、取得部31にユーザの生体情報を取得させる。制御装置15は、予め記憶部152に記憶された生体情報と、取得部31が取得した生体情報とを照合して、ユーザの認証処理を実行可能である。つまり、ユーザによる電源入りスイッチ211の所定期間T1以上の操作が、制御装置15の認証処理のトリガーとなる。ユーザによる電源入りスイッチ211へ接触状態の持続期間Tが、所定期間T1未満であった場合、制御装置15は、認証処理を行わない。所定期間T1は、例えば0.5秒から3秒の範囲内で設定することができる。本実施形態では、所定期間T1は、1秒に設定されている。
【0031】
遮蔽装置40は、窓部141の一部または全体に設けられている。本実施形態では、遮蔽装置40は、窓部141の全体に設けられている。遮蔽装置40は、窓部141の光透過率を変更する機能を有する。遮蔽装置40は、電圧をかけることで光透過率が可変なエレクトロクロミック材料を含んで構成されている。
【0032】
本実施形態では図4に示すように、遮蔽装置40は、外側部材41と、内側部材42と、一対の電極43と、エレクトロクロミック部材44と、を有する。図4において前方とは、扉14が閉じた状態において洗濯機10の外部に向かう方向に一致する。また、図4において後方とは、扉14が閉じた状態において洗濯機10の内部に向かう方向に一致する。
【0033】
外側部材41は、窓部141の洗濯機10に関する外側つまりユーザ側の面を構成する内側部材42は、窓部141の洗濯機10に関する内側つまり回転槽13側の面を構成する。外側部材41と内側部材42とは、例えばガラスやプラスチック樹脂などの透明な部材で構成されている。本実施形態では、外側部材41はプラスチック樹脂で構成され、内側部材42は耐熱性の強化ガラスで構成されている。電極43は、板状に形成された電極である。一対の電極43は、外側部材41と内側部材42との間に設けられている。エレクトロクロミック部材44は、一対の電極43の間に設けられている。本実施形態では、エレクトロクロミック部材44は、エレクトロクロミック特性を有するポリマーゲルであり、一対の電極43の間に封入されている。
【0034】
遮蔽装置40は、制御装置15に電気的に接続されている。制御装置15は、遮蔽装置40の板電極に掛ける電圧を変化させることで、窓部141の光透過率を変更する。窓部141は、遮蔽装置40が駆動された結果光透過率が低く外部から回転槽13の内部が視認不可能な遮蔽状態と、遮蔽装置40が駆動されず外部から回転槽13の内部が視認可能な遮蔽解除状態とを取り得る。遮蔽装置40は、一度電圧を掛けて遮蔽状態となると、通電が停止されても、遮蔽状態を維持する。一度遮蔽状態となった遮蔽装置40に逆向きの電圧を掛けることで、遮蔽解除状態とすることができる。つまり、制御装置15は、遮蔽状態を解除する場合、遮蔽状態としたときの電圧と逆向きの電圧を遮蔽装置40に掛ける。
【0035】
上述のように、制御装置15は、洗濯機10の運転中はロック装置18を施錠状態にする。特別な設定がない場合、制御装置15は、洗濯機10の運転終了後や一時停止中は、ロック装置18を解錠状態とする。これにより、ユーザは、運転終了後にハンドル部143を操作して扉14を開け洗濯物を取り出すことができる。また、ユーザは、一時停止中にハンドル部143を操作して扉14を開け洗濯物を追加したり取り出したりすることができる。
【0036】
一方、制御装置15は、洗濯機10の運転終了後や一時停止中もロック装置18を施錠状態とすることもできる。この場合、ユーザは、操作部20の操作キー23を操作して、制御装置15に洗濯機10の運転終了後や一時停止中もロック装置18を施錠させ施錠状態にする施錠設定をすることができる。また、ユーザは、操作部20の操作キー23を操作して、洗濯機10の運転中、一時停止中、運転終了後のいずれであっても制御装置15に遮蔽装置40を駆動させ遮蔽状態とする遮蔽設定をすることができる。
【0037】
ユーザによる操作部20の操作キー23への操作によって施錠設定又は遮蔽設定が選択された場合、制御装置15は、ロック装置18の施錠又は遮蔽装置40の駆動に関して操作部20を操作したユーザを特定し、記憶部152に記憶させることができる。この場合、制御装置15は、操作したユーザの生体情報を設定内容と紐づけて記憶部152に記憶させる。
【0038】
操作したユーザの生体情報が取得されていない場合、例えば、当該操作時の直前に電源入りスイッチ211が長押し操作されず、認証処理を経ていない場合、或いは認証処理に失敗した場合、制御装置15は、施錠設定又は遮蔽設定をしない。この場合、制御装置15は、取得部31に手指で触れて生体情報を提供するように促すメッセージを表示部22に表示しても良い。そして、取得部31がユーザの生体情報を取得した場合、制御装置15は、施錠設定又は遮蔽設定をすることができる。
【0039】
ロック装置18の施錠設定がなされた場合について説明する。ユーザの操作に従って制御装置15がロック装置18の施錠を実行した場合、洗濯機10の運転中又は運転終了後、制御装置15は、ロック装置18の施錠状態を維持する。洗濯機10の運転中又は運転終了後、ユーザがロック装置18を解錠するためには、ユーザは認証装置30によって認証される必要がある。この場合、制御装置15は、取得部31によってロック装置18を解錠しようとするユーザの生体情報を取得する。制御装置15は、取得した生体情報と、記憶部152に記憶されたロック装置18の施錠について操作部20を操作したユーザの生体情報とを照合して、両者が一致した場合、ロック装置18を解錠する。
【0040】
遮蔽設定がなされた場合つまりユーザの操作に従って制御装置15が遮蔽装置40の駆動が行われた場合、又は施錠設定及び遮蔽設定がなされた場合つまりロック装置18の施錠及び遮蔽装置40の駆動が行われた場合も同様である。
【0041】
ユーザによる操作部20の操作について説明する。ユーザは、操作部20を操作して、洗濯機10の運転を開始させたり、洗濯機10に関する各種の設定を行ったりすることができる。図6に示すように、操作キー23は、例えば、スタートキー231、コース選択キー232、設定キー233、登録キー234、認証開始キー235等を含む。また、操作キー23は、詳細は図示しない一時停止キーを含んでも良い。スタートキー231は、ユーザが制御装置15に運転を開始させる際に操作するキーである。コース選択キー232は、ユーザが運転コースを選択する際に操作するキーである。運転コースには、例えば洗濯コース、洗濯乾燥コース、乾燥コースが含まれる。また、各運転コースには、それぞれ短時間で運転が終了するお急ぎコース、電力消費が抑制された省エネコースなどのサブコースが含まれていても良い。
【0042】
設定キー233は、ユーザが洗濯運転コースの詳細設定等を行う際に操作するキーである。詳細設定には、例えば水量、各工程の期間、洗濯処理剤の投入モード、予約運転の有無、ロック装置18による施錠の有無、遮蔽装置40による遮蔽の有無等が含まれ得る。更に、洗濯機10が風呂水用の給水弁を備える場合、詳細設定には、風呂水の利用の有無の設定が含まれていても良い。
【0043】
各工程には、例えば洗い工程、脱水工程、濯ぎ工程、乾燥工程が含まれ得る。洗濯処理剤は、例えば洗剤及び柔軟剤を含み得る。投入モードは、ユーザが手動で洗濯処理剤を投入する手動投入モードと、詳細は図示しない自動投入装置によって自動で洗濯処理剤を投入する自動投入モードを含み得る。自動投入装置は、複数回分の運転で使用する量の洗濯処理剤を貯留可能なタンクを含んで構成されている。自動投入装置は、制御装置15に電気的に接続されており、制御装置15からの制御信号に従って駆動される。自動投入モードが選択されると、制御装置15は、自動投入装置を駆動して、所定の量の洗濯処理剤を水槽12に投入する。
【0044】
登録キー234は、運転コース及び詳細設定を記憶部152に記憶させる際にユーザが操作する操作キーである。運転コース及びその詳細設定を、設定情報と称する。つまり、設定情報とは、洗濯機10の運転の内容に関する情報である。制御装置15は、例えば図5に示すように、設定情報を、取得部31が取得した生体情報に紐づけて記憶部152に記憶させることができる。記憶部152は、所定の最大個数Xの生体情報と、所定の最大個数Xの設定情報とを記憶可能である。最大個数Xは、例えば5個から50個の範囲内で設定可能である。本実施形態では、最大個数Xは例えば20個に設定されている。
【0045】
例えば、生体情報1には、運転コースとして洗濯コース、サブコースとして省エネコース、水量は40L、投入モードは自動投入、ロック装置18による施錠は設定有り、遮蔽装置40による遮蔽は設定有り、との設定情報が紐づけられて記憶部152に記憶されている。生体情報2には、運転コースとして洗濯コース、水量は50L、投入モードは手動投入、ロック装置18による施錠は設定有り、遮蔽装置40による遮蔽は設定有り、との設定情報が紐づけられて記憶部152に記憶されている。生体情報3には、運転コースとして洗濯乾燥コース、サブコースとしてお急ぎコース、水量は30L、投入モードは自動投入、ロック装置18による施錠は設定無し、遮蔽装置40による遮蔽は設定無し、との設定情報が紐づけられて記憶部152に記憶されている。生体情報Xには、運転コースとして乾燥コース、サブコースとして省エネコース、ロック装置18による施錠は設定無し、遮蔽装置40による遮蔽は設定有りとの設定情報が紐づけられて記憶部152に記憶されている。
【0046】
また、制御装置15は、取得部31が取得した生体情報と記憶部152に予め記憶した生体情報とを照合させ、両者が一致した場合は生体情報に紐づいた設定情報を呼び出すことができる。制御装置15は、例えば図7に示すように、呼び出された設定情報の少なくとも一部を、表示部22に表示することができる。また、ユーザが設定キー233を操作すると、制御装置15は、表示部22に呼び出された設定情報の詳細を表示したり、ユーザの操作に従って設定情報の一部を変更したりすることができる。この場合、例えば設定情報で指定された運転コースのアイコンを相対的に大きく表示し、指定されていない運転コースのアイコンを相対的に小さく表示することができる。この場合、運転コースのアイコンは、操作キー23となっている。そして、ユーザによって指定された運転コースのアイコンである操作キー23が操作されると、制御装置15は、表示部22に設定情報の詳細を表示してもよい。また、ユーザによって指定されていない運転コースのアイコンである操作キー23は設定キー233であっても良い。ユーザによっていずれかの設定キー233が操作されると、制御装置15は、当該アイコンの示す運転コースを設定しても良い。図7では、運転コースとして洗濯コースが、サブコースとして省エネコースが設定されている場合の表示部22の表示が例示されている。
【0047】
認証開始キー235は、ユーザが生体認証を開始させる際に操作する操作キーである。ユーザによる認証開始キー235の操作があると、制御装置15は、取得部31にユーザの生体情報を取得させる。この際、ユーザに対して取得部31に手指で触れて生体情報を提供するように促すメッセージを表示部22に表示しても良い。ユーザは取得部31である電源入りスイッチ211に手指で触れて、取得部31による生体情報この場合指紋の取得を可能にする。
【0048】
次に、ユーザが洗濯機10を利用する際の制御装置15による運転開始時の制御について、図8図9を参照して説明する。図8に示すフローチャートのスタート時には、ユーザによる操作部20への操作によって、予め一又は複数の生体情報と、一又は複数の生体情報に紐づけた設定情報とが記憶部152に記憶されているものとする。
【0049】
ユーザによって電源入りスイッチ211が操作されると(図8のスタート)、制御装置15は、電源入りスイッチ211がユーザに触れられた接触状態の持続期間Tが所定期間T1経過したか否かを判定する(ステップS11)。接触状態の持続期間Tが所定期間T1未満であった場合(ステップS11でNo)、制御装置15は、処理を図9のステップS31に進める。接触状態の持続期間Tが所定期間T1以上であった場合(ステップS11でYes)、制御装置15は、処理をステップS12に進める。
【0050】
ステップS12において、制御装置15は、取得部31にユーザの生体情報を取得させる。そしてステップS13において、制御装置15は、認証処理を実行する。制御装置15は、取得部31に取得させたユーザの生体情報と予め記憶部152に記憶した生体情報とを照合する。取得部31が取得した生体情報と、予め記憶部152に記憶した生体情報のうちいずれとも一致しなかった場合(ステップS14でNo)、制御装置15は、処理を図9のステップS31に進める。なお、この場合、制御装置15は、表示部22に、生体情報が一致しない旨のメッセージを表示させても良い。取得部31が取得した生体情報と、予め記憶部152に記憶した生体情報のうち1つとが一致した場合(ステップS14でYes)、制御装置15は、処理をステップS15に進める。
【0051】
ステップS15において、制御装置15は、生体情報に紐付けて記憶部152に記憶されている設定情報を呼び出す。そして、ステップS16において、制御装置15は、呼び出した設定情報を例えば図6に示すように、表示部22に表示する。ステップS17において、制御装置15は、ユーザによるスタートキー231の操作の有無を判定する。ユーザによるスタートキー231の操作がなければ(ステップS17でNo)、制御装置15は、ステップS16の処理を繰り返す。ユーザによってスタートキー231が操作されると(ステップS17でYes)、制御装置15は、処理をステップS18に進める。
【0052】
ステップS18において、制御装置15は、ロック装置18の施錠が設定されているか否かを判定する。施錠が設定されている場合(ステップS18でYes)、制御装置15は、ロック装置18を施錠して施錠状態にする施錠処理を実行する(ステップS19)。施錠処理は、ロック装置18を施錠して施錠状態にする処理である。制御装置15は、その後、処理をステップS20に進める。施錠が設定されていない場合(ステップS18でNo)、制御装置15は、処理をステップS20に進める。
【0053】
ステップS20において、制御装置15は、遮蔽装置40の遮蔽が設定されているか否かを判定する。遮蔽が設定されている場合(ステップS20でYes)、制御装置15は、遮蔽装置40による遮蔽を実行して遮蔽状態にする遮蔽処理を実行する(ステップS21)。遮蔽処理は、窓部141の光透過率を低下させて遮蔽状態にする処理である。制御装置15は、その後、処理をステップS22に進める。遮蔽が設定されていない場合(ステップS20でNo)、制御装置15は、処理をステップS22に進める。
【0054】
ステップS22で、制御装置15は、設定情報に従って運転処理を実行する。そして、制御装置15は、洗濯機10の一連の処理を終了する(エンド)。
【0055】
続いて図9に示すフローチャートについて説明する。接触状態の持続期間Tが所定期間T1未満であった場合(図8のステップS11でNo)、つまり、生体情報が取得されなかった場合、制御装置15は、設定画面を表示部22に表示する(ステップS31)。また、取得部31が取得した生体情報と、予め記憶部152に記憶した生体情報のうちいずれとも一致しなかった場合(図8のステップS14でNo)、制御装置15は、設定画面を表示部22に表示する(ステップS31)。設定画面は、例えば図6に示すように、スタートキー231、コース選択キー232、設定キー233、認証開始キー235等を含む。これにより、ユーザは、操作キー23を操作して、運転コース等を個別に設定することができる。この場合、制御装置15は、例えば工場出荷時に設定されたデフォルトの設定情報又は、制御装置15が直近に実行した洗濯機10の運転の設定情報を表示部22に表示しても良い。
【0056】
ステップS32において、制御装置15は、ユーザによる認証開始キー235の操作があったか否かを判定する。認証開始キー235の操作があった場合(ステップS32でYes)、制御装置15は、図8のステップS12に処理を進める。認証開始キー235の操作がない場合(ステップS32でNo)、制御装置15は、図8のステップS17に処理を進める。処理が図8に示すフローチャートに戻った後は、制御装置15は、上述のように処理を進める。
【0057】
次に、洗濯機10の運転終了後の制御装置15による制御について、図10を参照して説明する。図10に示すフローチャートのスタート時には、洗濯機10の運転が終了しているものとする。また、ロック装置18はこの時点でまだ施錠状態である。洗濯機10の運転が終了すると(図10のスタート)、制御装置15は、施錠設定があるか否かを判定する(ステップS41)。施錠設定がない場合(ステップS41でNo)、制御装置15は、処理をステップS42に進める。ステップS42において、制御装置15は、解錠処理を実行する。解錠処理は、ロック装置18を解錠して解錠状態にする処理である。これにより、ユーザは、扉14を開けることができるようになる。その後、制御装置15は、処理をステップS43に進める。
【0058】
施錠設定がある場合(ステップS41でYes)、制御装置15は、処理をステップS43に進める。つまり、施錠設定があった場合は、制御装置15は、運転終了後もロック装置18の施錠状態をそのまま維持する。ステップS43において、制御装置15は、電力停止処理を実行する。電力停止処理とは、電源装置19の電源を切る処理である。そして、制御装置15は、洗濯機10の一連の処理を終了する(エンド)。この時、洗濯機10の運転開始前に遮蔽設定があった場合は、運転終了後も遮蔽状態がそのまま維持される。
【0059】
次に、図11も参照して、洗濯機10の運転終了後電源が切られ、再度電源が入れられた場合の制御装置15による処理を説明する。洗濯機10の運転終了後、ユーザは例えば洗濯物を取り出すために扉14を開ける必要がある。この際、ロック装置18が施錠状態である場合には、解錠しないと扉14は開けることができない。また、窓部141が遮蔽装置40による遮蔽状態である場合には、遮蔽解除状態とする必要がある。
【0060】
運転開始時に、施錠処理及び遮蔽処理が行われており、図11に示すフローチャートのスタート時には、ロック装置18は施錠状態であり、遮蔽装置40は遮蔽状態であるものとする。ユーザによって電源入りスイッチ211が操作されると(図11のスタート)、制御装置15は、電源入りスイッチ211がユーザに触れられた接触状態の持続期間Tが所定期間T1経過したか否かを判定する(ステップS51)。接触状態の持続期間Tが所定期間T1以上であった場合(ステップS51でYes)、制御装置15は、処理をステップS52に進める。
【0061】
ステップS52において、制御装置15は、取得部31にユーザの生体情報を取得させる。そして、ステップS53において、制御装置15は、認証処理を実行する。制御装置15は、取得部31に取得させたユーザの生体情報と、予め記憶部152に記憶した生体情報この場合、解錠設定及び遮蔽設定の操作に紐付いた生体情報とを照合する。取得部31が取得した生体情報と、解錠設定及び遮蔽設定の操作に紐付いた生体情報とが一致しなかった場合(ステップS54でNo)、制御装置15は、処理をステップS56に進める。なお、この場合、制御装置15は、表示部22に、生体情報が一致しない旨のメッセージを表示させても良い。取得部31が取得した生体情報と、解錠設定及び遮蔽設定の操作に紐付いた生体情報とが一致した場合(ステップS54でYes)、制御装置15は、処理をステップS55に進める。
【0062】
ステップS55において、制御装置15は、解錠処理を実行する。これにより、ユーザは、扉14を開放して、洗濯機10つまりこの場合回転槽13から洗濯物を取り出すことが可能となる。
【0063】
続いて、ステップS56において、制御装置15は、遮蔽解除処理を実行する。遮蔽解除処理は、窓部141の光透過率を上昇させて遮蔽解除状態にする。この場合、光透過率を上昇させることには、遮蔽装置40が駆動される前つまり工場出荷時の窓部141の透過率に戻すことと、少なくとも窓部141を通して回転槽13の内部が視認できる程度にまで窓部141の光透過率を上昇させることとの両方を含む概念である。本実施形態では、遮蔽解除状態とする場合、制御装置15は、窓部141の光透過率を、遮蔽装置40が駆動される前つまり工場出荷時の光透過率に戻す。これにより、ユーザは、窓部141を通して、筐体11の外部から回転槽13の内部が視認可能となる。そして、制御装置15は、洗濯機10の一連の処理を終了する(エンド)。
【0064】
なお、別の実施形態では、電源入りスイッチ211が操作された後にユーザによる操作部20の操作によって遮蔽解除が指示された場合、ステップS56で遮蔽解除処理を行う構成としても良い。また更に別の実施形態では、電源入りスイッチ211が操作された後にユーザによる操作部20の操作によって解錠が指示された場合、ステップS55で解錠処理を行う構成としても良い。
【0065】
接触状態の持続期間Tが所定期間T1未満であった場合(ステップS51でNo)、制御装置15は、処理をステップS57に進める。ステップS57において、制御装置15は、報知処理を実行する。報知処理は、ユーザに、認証処理が行われなかった旨又は認証処理に失敗した旨を報知する処理である。報知処理として、制御装置15は、例えば、表示部22へ文字又は図柄を表示することによる報知や、音声や表示灯の発光による報知を行うことができる。本実施形態では、制御装置15は、報知処理として、表示部22に文字又は図柄を表示して、ユーザに報知する。
【0066】
続いてステップS58において、制御装置15は、ユーザによる認証開始キー235の操作があるか否かを判定する。認証開始キー235の操作があった場合(ステップS58でYes)、制御装置15は、処理をステップS532進める。また、この際、ユーザに対して取得部31に手指を触れるように促す旨の表示を表示部22に行っても良い。認証開始キー235の操作がなかった場合(ステップS58でNo)、制御装置15は、洗濯機10の一連の処理を終了する(エンド)。
【0067】
以上説明した本実施形態によれば、洗濯機10は、筐体11と、扉14と、操作部20と、取得部31と、記憶部152と、制御装置15と、を備える。筐体11は、洗濯物を出し入れ可能な開口112を有する。扉14は、開口112を開閉する。操作部20は、筐体11に設けられてユーザによる入力操作を受ける。取得部31は、ユーザの生体情報を取得する。記憶部152は、ユーザの生体情報を予め記憶する。制御装置15は、ユーザによる操作部20への入力操作に基づいて、洗濯機10の運転を制御する。制御装置15は、記憶部152に記憶された生体情報と、取得部31が取得した生体情報とを照合して、ユーザの認証を行う認証処理を実行可能である。
【0068】
これによれば、洗濯機10は、認証処理の結果によって、例えばユーザによる入力操作の受付の可否を選択したり、運転を適宜制御したりすることができる。そのため、例えば複数のユーザの個々に応じた運転を実行することができる。また、照合が成功しなかった場合には入力操作を受け付けないことによって意図しない処理が洗濯物に施されてしまうことを抑制することもできる。したがって、ユーザの利便性が向上する。
【0069】
ここで、近年洗濯機の機能が高度化しており、例えば洗濯物の材質や洗剤等の種類に応じて運転内容の設定が細かく分岐している。ユーザの好みの設定を予め登録する機能が搭載された洗濯機もあるが、登録できる設定の数は限られている。また、共働き家族の増加等、生活様式の変化等によって、家庭内で複数人が家事を行うこともあり、それぞれ好みの洗濯運転の設定が異なることもある。そのため、多くの場合、好みの設定で運転を実行させるためにユーザは電源を入れてからキーを少なからぬ回数操作しなければならず煩わしい。
【0070】
これに対し、記憶部152は、予め記憶された生体情報に紐付けされた洗濯機10の運転の内容に関する情報である設定情報を記憶可能である。制御装置15は、認証処理の結果、取得部31が取得した生体情報と予め記憶された生体情報とが一致した場合、生体情報に紐付けされた設定情報に従って洗濯機10の運転を制御する。
【0071】
これによれば、制御装置15は、生体情報に紐づけた設定情報を呼び出して実行可能である。そのため、個々のユーザは、一度設定情報を登録しておけば、運転毎に複数のキーを何度も操作する必要がない。したがって、ユーザの利便性が向上する。
【0072】
洗濯機10は、更に、電源装置19と、電源入りスイッチ211と、を備える。電源装置19は、制御装置15に電力を供給可能に構成されている。電源入りスイッチ211は、ユーザによる電力の供給開始の操作を受け付け可能に構成されている。認証処理は、ユーザによる電源入りスイッチ211の操作によって開始される。
【0073】
これによれば、ユーザは、認証処理を開始させるために、電源をオンにするための操作を行うだけでよい。つまり、生体情報の取得を開始させるための別個の操作が不要である。そのため、生体認証の機能を加えても、生体情報の取得のためにユーザの操作が煩雑になることが抑制される。したがって、一層ユーザの利便性が向上する。
【0074】
なお、本実施形態では、ユーザが電源入りスイッチ211を長押しすると、電源入りスイッチ211と一体に形成された取得部31によってユーザの生体情報である指紋が取得されるが、これに限らない。別の実施形態では、例えば生体情報として手のひら等の静脈や、声紋、虹彩、顔の形状等、耳介の形状等を用いる場合、取得部として電源入りスイッチ211とは別体に構成されたマイクやカメラを備えていても良い。そして、ユーザが電源入りスイッチ211を長押しすると、マイクやカメラによって、手の平等の静脈や、声紋、虹彩、顔の形状等、耳介の形状等が取得される構成であっても良い。また、生体情報の取得又は認証のいずれか一方又は両方をユーザの所有するスマートフォンやタブレット等の外部機器を介して行っても良い。
【0075】
例えば生体情報が声紋の場合、ユーザは、電源入りスイッチ211を長押ししてから、例えば任意の単語または文章を発声しても良い。この場合、声紋は1ユーザにつき1情報であるため、1ユーザが複数の生体情報を有する指紋のようには、1ユーザに関する複数の設定情報を各生体情報に振り分けられない。一方、ユーザは、電源入りスイッチ211を長押ししてから、例えば「コース1」等と運転コースを指定する言葉を発生しても良い。これによって、認証処理と運転コースの選択とが同時に行われても良い。
【0076】
一方、取得部を電源入りスイッチと別体に構成した場合、ユーザは、電源入りスイッチ211を操作しながら発声しなければならなかったり、電源入りスイッチを操作する際に生体情報が確実に取得できるように手のひらや顔、耳介等がカメラである取得部の撮影範囲に含まれているかを気にしたりする必要がある。更に、電源入りスイッチとは別体として洗濯機に取得部を設けるとすると、部品点数が増えて部品管理や製造作業が煩雑になりがちである。
【0077】
これに対して、洗濯機10は、更に、電源装置19と、電源入りスイッチ211と、を備える。電源装置19は、制御装置15に電力を供給可能に構成されている。電源入りスイッチ211は、ユーザによる電力の供給開始の操作を受け付け可能に構成されている。取得部31は、電源入りスイッチ211と一体に設けられている。
【0078】
これによれば、上述の効果に加えて、ユーザは、電源をオンにする際に、電源入りスイッチ211を操作する手指だけに注意して操作を行えばよい。そのため、例えば急いでいるときなどにも生体情報の取得に失敗する可能性を低減することができる。したがってユーザの利便性が向上する。また、部品点数を抑えることができるため、部品管理や製造作業を必要以上に煩雑化することがない。
【0079】
なお、本実施形態では、生体情報として指紋を利用しているが、これに限られず、別の実施形態では、例えば取得部が生体情報として指静脈の形状を取得する構成であっても良い。また、更に別の実施形態では、例えば生体情報として手のひらなどの静脈の形状、虹彩、顔の形状等、耳介の形状等を利用する場合、カメラである取得部が電源入りスイッチとして機能しても良い。この場合、制御装置は、電源装置の電力供給量を、制御装置と取得部とに必要最低限の電力を供給するいわゆる待機状態と、洗濯機が運転可能な電力の供給状態つまりいわゆる電源オン状態とで変化させても良い。待機状態で取得部がユーザを検知すると、待機状態から電源オン状態に切り替わると共に、制御装置による認証処理が開始される構成であっても良い。
【0080】
ここで、同一ユーザであっても、洗濯物の種類や汚れの状況等に応じて、複数組の設定内容を使い分けることがある。この場合、同一ユーザに対しては1組の設定しか記憶できないと、記憶していない設定については、操作部を何度も操作しなければならず煩わしい。
【0081】
更に、記憶部152は、各ユーザに対して複数の生体情報を記憶可能であり、複数組の各生体情報に紐付いた設定情報を記憶可能である。
【0082】
これによれば、同一ユーザであっても複数組の設定情報を使い分けることができるので、ユーザの利便性が向上する。つまり、制御装置15は、同一ユーザであっても、各生体情報に紐づけられた設定情報を呼び出して運転を実行したり、設定情報の内容を表示部22に表示させたりすることができる。したがって、一ユーザが複数組の設定情報を使い分けたいとしても、ユーザが操作キー23を何度も操作しなくても望みの設定情報が呼び出され、運転を実行させることができる。したがって、ユーザの利便性が更に向上する。
【0083】
なお、本実施形態よりもユーザの操作キーの操作回数は増えるが、別の実施形態では、記憶部は、各生体情報に紐づけられた2つ以上の設定情報を記憶することができる構成としても良い。その場合、認証処理が成功すると、制御装置15は、各生体情報に紐づけられて記憶された設定情報の一覧を表示部22に表示させることができる。そして、ユーザは操作キー23を操作することで表示された複数組の設定情報の中から任意の設定情報を選んで運転を実行させることができる。
【0084】
従来、洗濯機の運転中は扉が開放しないようにロックが掛かり、運転終了後や一時停止中は扉のロックが外れる構成となっている洗濯機が知られている。この場合、例えば洗濯機10の運転中に幼児が誤って操作部20を操作してしまい、一時停止状態となり、扉14が開いてしまって運転が止まってしまうなど、思わぬ事態が発生する虞がある。
【0085】
これに対し、洗濯機10は、施錠時には扉14の開放を規制し、解錠時には扉14の開放を許すロック装置18を備える。制御装置15は、洗濯機10の運転中はロック装置18を施錠して施錠状態にする施錠処理を行い、洗濯機10の一時停止中又は運転終了後は、認証処理の結果に基づいて、ロック装置18を施錠して施錠状態にする施錠処理又はロック装置18を解錠して解錠状態にする解錠処理を実行する。なお、本明細書において、施錠処理には、解錠状態であったロック装置18を施錠することと、施錠状態であったロック装置18を施錠状態に維持することとの両方が含まれる。また、解錠処理には、施錠状態であったロック装置18を解錠することと、解錠状態であったロック装置18を解錠状態に維持することとの両方が含まれる。
【0086】
これにより、ユーザの生体認証の結果に基づいて制御装置15はロック装置18の施錠解錠状態を制御することができる。そのため、ユーザの意に反して扉14が開いてしまう事態の発生を抑制することができる。
【0087】
更に、制御装置15は、運転の開始に伴って施錠処理を開始する。
【0088】
これによれば、ユーザは、施錠処理の開始のために別個の入力操作を行わなくても良い。そのため、ユーザの利便性が更に向上する。
【0089】
記憶部152は、ロック装置18を施錠状態とするように操作部20に入力操作したユーザの生体情報を記憶する。制御装置15は、ロック装置18の施錠状態において、取得部31にユーザの生体情報を新たに取得させる。つまり、取得部31は、洗濯機10の運転中又は運転終了後にユーザが扉14を開放しようとする場合、ユーザの生体情報を取得する。制御装置15は、認証処理において、施錠状態とするように操作部20に入力操作したユーザの生体情報と、新たに取得された生体情報とを照合する。制御装置15は、認証処理の結果、施錠状態とするように操作部20に入力操作したユーザの生体情報と、新たに取得された生体情報とが一致した場合、解錠処理を実行する。制御装置15は、認証処理の結果、施錠状態とするように操作部20に入力操作したユーザの生体情報と、新たに取得された生体情報とが一致しない場合、解錠処理を実行しない。この場合、施錠状態とするように操作部20に入力操作したユーザには、個別に施錠設定を入力操作したユーザと、生体情報に紐づけられた施錠設定を含めた設定情報を呼び出して実行させたユーザとの両方が含まれる。
【0090】
これによれば、施錠処理のための入力操作を行ったユーザ自身と認証されなければ扉14は解錠されない。そのため、ユーザの意図に反してロック装置18が解錠されて、幼児が不用意に洗濯機10の扉14を開けてしまったり、他人に洗濯物が見られてしまったりといったリスクを抑制することができる。
【0091】
更に、記憶部152は、生体情報に紐付けてロック装置18を施錠状態とするか否かを記憶することができる。
【0092】
ロック装置18を施錠するか否かについて、各ユーザの選択は運転の度に変化しないと考えられる。本実施形態では、ロック装置18を施錠するか否かについて、ユーザは一度登録すれば運転の度に操作を行う必要がない。そのため、ユーザの利便性が向上する。
【0093】
ここで、洗濯機10の筐体11の内部が外部から見えないつまり窓部141が常に不透明であると、ユーザは運転状況を確認できなかったり、回転槽13の内部の状況例えば洗濯物が入っているのかいないのかが確認できなかったりして不便である。一方、窓部141が常に透明であると、来客時等に、他人に洗濯機10内部の洗濯物が見えてしまい、ユーザや来客が気まずい思いをする場合がある。
【0094】
これに対し、扉14は、少なくとも一部または全部の光透過率が可変である窓部141を有する。窓部141は、光透過率を上昇させた遮蔽解除状態ではユーザが筐体11の外部から筐体11の内部を視認することを可能にする。窓部141は、光透過率を低下させた遮蔽状態ではユーザが筐体11の外部から筐体11の内部を視認することを不可能にする。制御装置15は、ユーザの操作部20への入力操作に基づいて、窓部141の光透過率を上昇させて遮蔽解除状態にする遮蔽解除処理又は窓部141の光透過率を低下させて遮蔽状態にする遮蔽処理を実行する。
【0095】
これによれば、ユーザは、通常は窓部141を通して洗濯機10の内部の様子を確認することができる。それと共に、必要な場合例えば内部の洗濯物を他人に見られたくない場合には、操作部20を操作して窓部141の光透過率を低下させることで、ユーザのプライバシーを保護することができる。したがって、ユーザの利便性が向上する。
【0096】
更に、制御装置15は、洗濯機10の運転の開始に伴って遮蔽処理を開始する。
【0097】
これによれば、遮蔽装置40は、洗濯機10の運転の開始に伴って駆動される。したがって、ユーザは、遮蔽処理の開始のためだけに別個の入力操作を行わなくても良い。そのため、ユーザの利便性が向上する。
【0098】
更に、記憶部152は、窓部141を遮蔽状態とするように操作部20に入力操作したユーザの生体情報を記憶する。制御装置15は、窓部141の遮蔽状態において取得部31にユーザの生体情報を新たに取得させる。つまり、取得部31は、洗濯機10の運転中又は運転終了後にユーザが窓部141を遮蔽解除状態にしようとする場合、ユーザの生体情報を新たに取得する。制御装置15は、認証処理において操作部20に入力操作したユーザの生体情報と、新たに取得された生体情報とを照合する。制御装置15は、認証処理の結果、操作部20に入力操作したユーザの生体情報と、新たに取得された生体情報とが一致した場合、遮蔽解除処理を実行する。制御装置15は、認証処理の結果、操作部20に入力操作したユーザの生体情報と、新たに取得された生体情報とが一致しない場合、遮蔽解除処理を実行しない。
【0099】
これによれば、遮蔽処理のための入力操作を行ったユーザ自身であることが認証されなければ遮蔽が解除されない。そのため、ユーザの意図に反して遮蔽が解除されて、例えば他人に洗濯物が見られてしまうリスクを抑制することができる。
【0100】
更に、記憶部152は、生体情報に紐付けて窓部141を遮蔽状態とするか否かを記憶することができる。
【0101】
窓部141を遮蔽状態とするか否かについて、各ユーザの選択は運転の度に変化しないと考えられる。本実施形態では、窓部141を遮蔽状態とするか否かについて、ユーザは一度登録すれば運転の度に操作を行う必要がない。そのため、ユーザの利便性が向上する。
【0102】
更に、取得部31は、ユーザの手指からの光の反射を生体情報として取得する。
【0103】
これによれば、ユーザは、電源オンの操作を行う場合、手指を用いて行うことが一般的である。したがって、ユーザが電源オンの操作を行うと同時に生体情報が取得できる構成とすることで、生体認証のためにユーザが別個の操作等を行う必要がなくなる。そのため、ユーザの利便性が向上する。
【0104】
更に、取得部31は、ユーザの指紋を生体情報として取得する。
【0105】
指紋による生体認証は比較的安価であるため、生体認証機能を付加しても洗濯機10全体の製造コストを必要以上に増加させてしまうことを抑制できる。また、指紋の情報はデータサイズが比較的小さいため、記憶部152の記憶容量を過度に圧迫することが抑制される。
【0106】
(第2実施形態)
続いて、図12も参照して第2実施形態について説明する。本実施形態では、ユーザは、施錠設定又は遮蔽設定を実行させる場合、自分自身に加えて、自分以外のユーザに対してもロック装置18の解錠又は窓部141の遮蔽解除についての権限を設定することができる。解錠又は遮蔽解除についての権限が設定されたユーザを、権限保持者と称する。制御装置15は、解錠又は遮蔽解除についての権限保持者に対し、それぞれロック装置18の解錠又は窓部141の遮蔽解除を許可する。
【0107】
この場合、記憶部152は、例えば図12に示すように、権限保持者の生体情報を、設定情報の一部として各ユーザの生体情報に紐づけて記憶することができる。記憶部152は、例えば図12に一例を示すように、各生体情報に紐づけられた設定情報の一部として、解錠又は遮蔽の権限を有するユーザの生体情報が記憶されている。この場合、記憶部152は、権限保持者の生体情報自体を記憶しても良い。また、記憶部152は、各生体情報に対応させて各生体情報を特定する情報例えば識別記号を付して、設定情報の一部として当該特定する情報を記憶しても良い。
【0108】
図12に示す例では、生体情報1に紐づけられた設定情報において、権限保持者の生体情報として、生体情報1に加えて、生体情報2及び生体情報3が設定されている。また、生体情報2に紐づけられた設定情報において、権限保持者の生体情報として、生体情報2に加えて、生体情報1が設定されている。また、生体情報Xに紐づけられた設定情報において、権限保持者の生体情報として、生体情報Xに加えて、生体情報1、生体情報2及び生体情報3が設定されている。
【0109】
制御装置15は、洗濯機10の運転中または運転終了後に、ユーザが操作部20を操作した場合、取得部31にユーザの生体情報を取得させる。例えば、制御装置15は、洗濯機10の運転中又は運転終了後に、ユーザが電源入りスイッチ211を操作した場合、取得部31にユーザの生体情報を取得させる。この場合、制御装置15は、例えばユーザによる認証開始キー235の操作がある場合に、取得部31にユーザの生体情報を取得させても良い。
【0110】
また、制御装置15は、洗濯機10の運転中または運転終了後に、ユーザが遮蔽装置40の遮蔽を解除することについて操作部20に入力操作した場合、取得部31にユーザの生体情報を取得させても良い。
【0111】
更に、制御装置15は、洗濯機10の運転中または運転終了後に、ユーザが窓部141の光透過率を変更することについてつまり遮蔽設定又は遮蔽設定の解除について操作部20に入力操作した場合、取得部31にユーザの生体情報を取得させても良い。
【0112】
洗濯機10の運転前にロック装置18の施錠設定又は窓部141の遮蔽設定が実行されて、洗濯機10の運転終了後に、制御装置15がロック装置18の解錠又は窓部141の遮蔽解除を行う場合について検討する。本実施形態では、第1実施形態についての図11に示すフローチャートにおいて、ステップS53で認証処理が開始されると、制御装置15は、記憶部152に記憶された権限保持者の生体情報と、新たに取得された生体情報とを照合する。そして、制御装置15は、取得部31に取得させたユーザの生体情報と、予め記憶部152に記憶した権限保持者の生体情報とを照合する。取得部31が取得した生体情報と、記憶部152に記憶した権限保持者の生体情報とが一致しなかった場合(ステップS54でNo)、制御装置15は、処理をステップS56に進める。なお、この場合、制御装置15は、表示部22に、権限がない旨のメッセージを表示させても良い。取得部31が取得した生体情報と、記憶部152に記憶した権限保持者の生体情報とが一致した場合(ステップS54でYes)、制御装置15は、処理をステップS55に進める。
【0113】
なお、その他の場合の処理は、上記の第1実施形態における処理と同様である。
【0114】
本実施形態によれば、ユーザは、記憶部152に記憶された生体情報を有するユーザ群から扉14を開放できる権限保持者を設定可能である。制御装置15は、ロック装置18の施錠状態において、取得部31にユーザの生体情報を新たに取得させる。つまり、取得部31は、洗濯機10の運転中又は運転終了後にユーザが扉14を開放しようとする場合、ユーザの生体情報を取得する。制御装置15は、認証処理において、記憶部152に記憶された権限保持者の生体情報と、取得部31が取得した生体情報とを照合する。制御装置15は、認証処理の結果、取得部31が取得した生体情報と権限保持者の生体情報とが一致した場合、解錠処理を実行する。制御装置15は、認証処理の結果、取得部31が取得した生体情報と権限保持者の生体情報とが一致しなかった場合、施錠処理を実行する。
【0115】
これによれば、ユーザが設定した権限保持者以外は扉14を開放することができない。そのため、例えば幼児が誤って操作部20を操作して扉14を開けてしまい、思わぬ事故につながる虞が抑制される。また、権限保持者以外は扉14を開放することができないため、見られたくない洗濯物を他人が目にすることを抑制することができる。一方、洗濯機10の運転について操作したユーザ自身でなくとも、権限保持者であれば扉14を開放して例えば洗濯物を取り出すことができる。そのため、ユーザのプライバシーが保護されると共に、ユーザの利便性が向上する。
【0116】
更に、ユーザは、記憶部152に記憶された生体情報を有するユーザ群から窓部141の光透過率を変更可能な権限保持者を設定可能である。制御装置15は、窓部141の遮蔽状態において取得部31にユーザの生体情報を取得させる。つまり、取得部31は、洗濯機10の運転中又は運転終了後にユーザが窓部141を遮蔽解除状態にしようとする場合、ユーザの生体情報を取得する。制御装置15は、前記認証処理において、前記記憶部に記憶された権限保持者の生体情報と、取得部31が取得した生体情報とを照合する。制御装置15は、認証処理の結果、取得部31が取得した生体情報と権限保持者の生体情報とが一致した場合、遮蔽解除処理を実行する。制御装置15は、認証処理の結果、取得部31が取得した生体情報と権限保持者の生体情報とが一致しなかった場合、遮蔽解除処理を実行しない。
【0117】
これによれば、ユーザが設定した権限保持者以外は窓部141の光透過率を変更できないので、他人が勝手に操作部20を操作して光透過率を変更することができない。そのため、洗濯物が意図に反して他人の目にさらされることが抑制される。一方、権限保持者であれば、遮蔽処理の開始について操作したユーザ自身でなくとも、必要に応じて操作部20を操作して光透過率を変更することができる。そのため、遮蔽処理の開始について操作したユーザ以外のユーザが家事を引き継いで行う場合などに便利である。したがって、ユーザのプライバシーが保護されると共に、ユーザの利便性が向上する。
【0118】
(第3実施形態)
次に、図13図14を参照して、第3実施形態について説明する。本実施形態では、図13に示すように、洗濯機10は、開放装置50を備える。開放装置50は、詳細は図示しないが、ロック装置18の解錠状態において、ユーザがハンドル部143を操作して扉14を開放することができる。開放装置50は、制御装置15に電気的に接続されており、制御装置15によって制御されている。また、電源装置19は、開放装置50に電力を供給する。
【0119】
この場合、開放装置50は、例えば筐体11の開口112付近に設けられていても良い。開放装置50は、制御装置15による制御を受けて、例えば筐体11から扉14に向けて少なくとも一部を突出させることで、扉14を開放させても良い。
【0120】
図14も参照して、洗濯機10の運転終了後電源が切られ、再度電源が入れられた場合の制御装置15による処理を説明する。制御装置15による処理は、図11に示す第1実施形態における処理と概ね同様である。
【0121】
本実施形態では、制御装置15は、ステップS56の後ステップS59に処理を進める。ステップS59において、制御装置15は、開放処理を実行する。開放処理とは、制御装置15が開放装置50を作動させて、扉14を開放させる処理である。これにより、ユーザは、自らハンドル部143を操作しなくとも扉14が自動的に開くので内部の洗濯物をすぐに取り出すことができる。
【0122】
この場合、制御装置15は、ステップS53の認証処理において、第1実施形態のようにステップS52において取得部31に取得させたユーザの生体情報と、予め記憶部152に記憶した生体情報この場合、解錠設定及び遮蔽設定の操作に紐付いた生体情報とを照合しても良い。また、制御装置15は、第2実施形態のようにステップS52において取得部31に取得させたユーザの生体情報と、予め記憶部152に記憶した権限保持者の生体情報とを照合しても良い。本実施形態では、制御装置15は、取得部31に取得させたユーザの生体情報と、予め記憶部152に記憶した権限保持者の生体情報とを照合する。
【0123】
なお、制御装置15は、ロック装置18の施錠設定がなされていない場合、認証処理を経なくても開放処理を実行可能であっても良い。例えば、洗濯機10の運転終了後に扉14が一度も開放されていない場合、制御装置15は、電源装置19が再び制御装置15に電力を供給したときに開放処理を実行しても良い。つまり、洗濯機10の運転終了後に扉14が一度も開放されていない場合において、ユーザが電源入りスイッチ211を操作した時に制御装置15は開放処理を実行しても良い。
【0124】
なお、制御装置15によるその他の処理は、上記の第1実施形態又は第2実施形態における処理と同様であってよい。
【0125】
以上説明した本実施形態によれば、洗濯機10は、制御装置15に電力を供給可能な電源装置19と、扉14を自動的に開放する開放装置50を備える。制御装置15は、洗濯機10の運転終了後に電源装置19の電力の供給を停止させる電力停止処理を実行する。制御装置15は、電力停止処理後、ユーザによって操作部20この場合電源入りスイッチ211が操作されると、認証処理を実行する。制御装置15は、認証処理の結果、取得部31が取得した生体情報と権限保持者の生体情報とが一致した場合、開放装置50を作動させて扉14を開放状態にする開放処理を実行する。
【0126】
洗濯機10は、制御装置15への通電が停止されると、ロック装置18の解錠や、窓部141の遮蔽状態の解除ができない。そのため、ユーザは、ロック装置18の解錠や、窓部141の遮蔽状態の解除のために再度電源入りスイッチ211を操作する必要がある。一方、電源オンの操作をしたユーザが権限保持者であれば、ロック装置18の解錠や、窓部141の遮蔽状態の解除だけでなく、扉14が自動的に開く。そのため、ユーザがハンドル部143を自ら操作して扉14を開放する手間が抑制できる。したがって、電源入りスイッチ211を操作する手間が相殺される。
【0127】
(第4実施形態)
続いて、図15も参照して、第4実施形態について説明する。本実施形態では、制御装置15は、遮蔽設定又は施錠設定がされている場合、洗濯機10の運転終了後、所定期間T2が経過するまで電源装置19を通電状態に維持する。所定期間T2は、例えば5分から60分の範囲内で設定することができる。本実施形態では、所定期間T2は例えば30分に設定することができる。また、本実施形態では、取得部31は、ユーザの声紋を生体情報として取得する。
【0128】
洗濯機10の運転終了後の制御装置15による制御について、図15を参照して説明する。図15に示すフローチャートのスタート時には、洗濯機10の運転が終了しているものとする。また、ロック装置18はこの時点でまだ施錠状態である。
【0129】
洗濯機10の運転が終了すると(図15のスタート)、制御装置15は、施錠設定があるか否かを判定する(ステップS61)。施錠設定がない場合(ステップS61でNo)、制御装置15は、処理をステップS69に進める。施錠設定がある場合(ステップS61でYes)、制御装置15は、処理をステップS62に進める。
【0130】
ステップS62において、制御装置15は、ユーザによる認証開始キー235の操作があるか否かを判定する。認証開始キー235の操作がある場合(ステップS62でYes)、制御装置15は、ステップS63に処理を進める。
【0131】
ステップS63において、制御装置15は、取得部31にユーザの生体情報を取得させる。この際、制御装置15は、取得部31による生体情報の取得を可能にするようにユーザに対して促す報知を行ってもいい。この場合制御装置15は、例えば発声するようにユーザに促すメッセージを表示部22に表示させることができる。
【0132】
ステップS64において、制御装置15は、認証処理を実行する。制御装置15は、ステップS63において取得部31に取得させたユーザの生体情報と、予め記憶部152に記憶した生体情報と、を照合する。この場合、制御装置15は、取得部31に取得させたユーザの生体情報と、予め記憶部152に記憶した解錠設定及び遮蔽設定の操作に紐付いた生体情報と、を照合しても良い。また、制御装置15は、取得部31に取得させたユーザの生体情報と、予め記憶部152に記憶した権限保持者の生体情報と、を照合しても良い。本実施形態では、制御装置15は、取得部31に取得させたユーザの生体情報と、予め記憶部152に記憶した権限保持者の生体情報と、を照合する。
【0133】
取得部31が取得した生体情報と、予め記憶部152に記憶した権限保持者の生体情報とが一致しなかった場合(ステップS65でNo)、制御装置15は、処理をステップS63に戻す。なお、この場合、制御装置15は、ユーザに対して、生体情報が一致しない旨の報知を行っても良い。制御装置15は、例えば表示部22に、生体情報が一致しない旨のメッセージを表示させても良い。
【0134】
取得部31が取得した生体情報と、予め記憶部152に記憶した権限保持者の生体情報とが一致した場合(ステップS65でYes)、制御装置15は、処理をステップS66に進める。ステップS66において、制御装置15は、遮蔽解除処理を実行する。これにより、権限保持者であるユーザは、窓部141を通して洗濯機10の外部から内部が視認できるようになる。
【0135】
施錠設定がない場合(ステップS61でNo)、制御装置15は、ステップS69において、遮蔽設定があるか否か判定する。遮蔽設定がある場合(ステップS69でYes)、制御装置15は、処理をステップS62に進める。遮蔽設定がない場合(ステップS69でNo)、制御装置15は、処理をステップS67に進める。
【0136】
ステップS67において、制御装置15は、解錠処理を実行する。これにより、施錠設定がない場合において各ユーザは、又は施錠設定があった場合において権限保持者であるユーザは、扉14を開放することができるようになる。
【0137】
ステップS62において認証開始キー235の操作がない場合(ステップS62でNo)、制御装置15は、ステップS70に処理を進める。ステップS70において、制御装置15は、洗濯機10の運転終了後、所定期間T2が経過したか否かを判定する。洗濯機10の運転終了後、所定期間T2が経過していない場合(ステップS70でNo)、制御装置15は、処理をステップS62に戻す。洗濯機10の運転終了後、所定期間T2が経過した場合(ステップS70でYes)、制御装置15は、処理をステップS68に進める。
【0138】
ステップS68において、制御装置15は、電力停止処理を実行する。そして、洗濯機10の運転終了後の一連の処理を終了する(エンド)。
【0139】
以上説明した本実施形態では、洗濯機10は、制御装置15に電力を供給可能な電源装置19を備える。制御装置15は、洗濯機10の運転終了後所定期間T2が経過するまで、電源装置19を通電した状態に維持する。
【0140】
これによれば、運転終了後もしばらくの間は制御装置15に電力が供給されている。そのため、ユーザが遮蔽解除又は解錠したい場合に電力の供給を開始させるためだけにユーザが電源入りスイッチ211を操作しなくても良い。なお、本実施形態では、取得部31はユーザの声紋を生体情報として取得するが、これに限らない。他の実施形態では、取得部31は虹彩、耳介の形状等、顔の形状等、又は手のひらの静脈の形状等を生体情報として取得しても良い。上記通電状態雄維持による効果は弱まるが、更に別の実施形態では、取得部31は上記各実施形態と同様に生体情報として指紋を取得しても良いし、指静脈を生体情報として取得しても良い。
【0141】
なお、制御装置15は、生体情報が一致した場合、解錠処理を行った後電力停止処置を行う前に、上記第3実施形態のように開放処理を実行する構成であっても良い。これによれば、扉14を開放する権限を有するユーザであることが認証されれば、洗濯機10の運転終了後にハンドル部143を自ら操作することなく、扉14が開放される。
【0142】
(その他の実施形態)
その他の実施形態では、制御装置15は、生体情報が一致した場合、認証処理を実行後所定期間T3経過後に洗濯機10の運転を開始する構成であっても良い。つまり、この場合、制御装置15は、ユーザのスタートキー231の操作によらずに運転処理を実行する。所定期間T3は、例えば5秒から5分の範囲で設定することができる。本実施形態では、所定期間T3は、例えば1分に設定されている。
【0143】
この場合、ユーザが運転の開始時に生体認証に成功した場合、つまり取得部31が取得したユーザの生体情報と、記憶部152に記憶されている生体情報とが一致した場合、制御装置15は、表示部22に例えば図16に示すような画面を表示させる。この場合、操作キー23は、一時停止キー236を含む。ユーザによる一時停止キー236の操作があると、制御装置15は、洗濯機10の運転を自動的に開始しない。ユーザは、洗濯機10の運転が自動的に開始されること望まない場合、一時停止キー236を操作して洗濯機10の運転が自動的に開始されることを妨げることができる。例えば、ユーザは、制御装置15によって生体情報に基づいて呼び出された設定情報が望んでいた設定情報ではなかった場合、一時停止キー236を操作して自動運転の開始を停止させた上で、その後コース選択キー232や各種設定キー233等を操作して望みの設定情報に設定し直すことができる。その後、ユーザは、スタートキー231を操作して、望みの設定情報に従った洗濯機10の運転を開始させることができる。
【0144】
本実施形態においてユーザが洗濯機10を利用する際の制御装置15による運転開始時の制御について、図17を参照して説明する。制御装置15による処理は、図8に示す第1実施形態における処理と一部を除き同様である。図8のステップS17に替えて、制御装置15は、ステップS81を実行する。ステップS81において、制御装置15は、認証処理後所定期間T3が経過したか否かを判定する。所定期間T3が経過していない場合(ステップS81でNo)、制御装置15は、ステップS81を繰り返す。所定期間T3が経過している場合(ステップS81でYes)、制御装置15は、処理をステップS18に進める。
【0145】
なお、制御装置15によるその他の処理は、上記の第1~第4各実施形態における処理と同様であって良い。
【0146】
上記各第1~第4実施形態においても、操作キー23は、一時停止キー236を含んでいてよい。
【0147】
なお、上記各実施形態を組み合わせて実施することもできる。
【0148】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変更は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0149】
10…洗濯機、11…筐体、112…開口、14…扉、141…窓部、15…制御装置、152…記憶部、18…ロック装置、19…電源装置、20…操作部、211…電源入りスイッチ、31…取得部、40…遮蔽装置、50…開放装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17