(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121101
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】異常検知装置、異常検知システム、及び異常検知プログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 21/12 20060101AFI20220812BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20220812BHJP
F24F 11/70 20180101ALN20220812BHJP
F24F 110/65 20180101ALN20220812BHJP
【FI】
G08B21/12
G08B25/04 K
F24F11/70
F24F110:65
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021018267
(22)【出願日】2021-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】514065025
【氏名又は名称】株式会社フューチャースタンダード
(74)【代理人】
【識別番号】230122390
【弁護士】
【氏名又は名称】石原 一樹
(72)【発明者】
【氏名】鳥海 哲史
【テーマコード(参考)】
3L260
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
3L260CA03
3L260CA05
3L260CA06
3L260CA12
3L260CA13
3L260CA17
3L260CA18
5C086AA02
5C086AA05
5C086AA09
5C086AA38
5C086AA39
5C086AA52
5C086CA09
5C086CA28
5C086CB01
5C086CB07
5C086CB36
5C086DA27
5C086DA33
5C087AA02
5C087DD03
5C087DD15
5C087DD20
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG06
5C087GG70
(57)【要約】 (修正有)
【課題】対象エリアの環境に異常があることの検知精度を向上させた異常検知装置を提供する。
【解決手段】対象エリアの環境に異常があることを検知する異常検知システム100であって、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度を測定する濃度測定装置2と、対象エリアにおける音声を取得する収音装置3と、対象エリアの環境に異常があることを検知する異常検知装置1と、を具備している。異常検知装置1は、濃度測定装置2により測定された濃度を取得する濃度取得部10と、収音装置3により取得された音声における人の声量を取得する声量取得部11と、濃度及び声量に基づいて、異常があることを検知する異常検知部16と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象エリアの環境に異常があることを検知する異常検知装置であって、
前記対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度を取得する濃度取得部と、
前記対象エリアにおける人の声量を取得する声量取得部と、
前記濃度及び前記声量に基づいて、前記異常があることを検知する異常検知部と、を備える、異常検知装置。
【請求項2】
前記異常検知部は、前記濃度取得部により取得された前記濃度、前記濃度に関して予め設定された基準濃度、前記声量取得部により取得された前記声量、及び前記声量に関して予め設定された基準声量に基づいて、前記異常があることを検知する、請求項1に記載の異常検知装置。
【請求項3】
前記対象物質は、二酸化炭素である、請求項1又は2に記載の異常検知装置。
【請求項4】
前記対象エリアの前記空気の温度を取得する温度取得部と、
前記対象エリアの前記空気の湿度を取得する湿度取得部と、を備え、
前記異常検知部は、前記濃度、前記声量、前記温度、及び前記湿度に基づいて、前記異常があることを検知する、請求項1~3のいずれか一項に記載の異常検知装置。
【請求項5】
前記対象エリアにおける前記人の密集度を取得する密集度取得部を備え、
前記異常検知部は、前記濃度、前記声量、及び前記密集度に基づいて、前記異常があることを検知する、請求項1~4のいずれか一項に記載の異常検知装置。
【請求項6】
前記対象エリアにいる前記人の年齢を取得する年齢取得部を備え、
前記異常検知部は、前記濃度、前記声量、及び前記年齢に基づいて、前記異常があることを検知する、請求項1~5のいずれか一項に記載の異常検知装置。
【請求項7】
前記異常検知部により前記対象エリアの前記環境に前記異常があることが検知された場合に、前記異常に関する情報を外部に送信する異常情報送信部を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の異常検知装置。
【請求項8】
前記異常情報送信部は、前記異常検知部により前記対象エリアの前記環境に前記異常があることが検知された場合に、前記異常に関する報知を情報出力装置に実行させるための報知指令情報を当該情報出力装置に送信する、請求項7に記載の異常検知装置。
【請求項9】
前記濃度に基づいて前記対象エリアの前記環境の評価を行い、評価結果を出力する環境評価部を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の異常検知装置。
【請求項10】
前記環境評価部は、前記評価結果が予め設定された条件を満たしている場合に、前記評価結果を証明するための証明書を証明書発行装置に発行させるための発行指令情報を当該証明書発行装置に送信する、請求項9に記載の異常検知装置。
【請求項11】
前記異常検知部により前記対象エリアの前記環境に前記異常があることが検知された場合に、環境調整装置に前記環境の調整を実行させるための調整指令情報を当該環境調整装置に送信する環境調整部を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の異常検知装置。
【請求項12】
前記異常検知部は、前記対象エリアの前記環境に、当該対象エリアにいる前記人が感染症に罹患するリスクに関する前記異常があることを検知する、請求項1~11のいずれか一項に記載の異常検知装置。
【請求項13】
対象エリアの環境に異常があることを検知する異常検知システムであって、
前記対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度を測定する濃度測定装置と、
前記対象エリアにおける音声を取得する収音装置と、
前記対象エリアの前記環境に前記異常があることを検知する異常検知装置と、を具備し、
前記異常検知装置は、
前記濃度測定装置により測定された前記濃度を取得する濃度取得部と、
前記収音装置により取得された前記音声における人の声量を取得する声量取得部と、
前記濃度及び前記声量に基づいて、前記異常があることを検知する異常検知部と、を備える、異常検知システム。
【請求項14】
対象エリアの環境に異常があることを検知する処理をコンピュータに実行させる異常検知プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度を取得する濃度取得部と、
前記対象エリアにおける人の声量を取得する声量取得部と、
前記濃度及び前記声量に基づいて、前記異常があることを検知する異常検知部と、として機能させる、異常検知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、異常検知装置、異常検知システム、及び異常検知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
対象エリアの環境に異常があることを検知する装置が知られている。例えば特許文献1には、一酸化炭素濃度等の空気品質を監視し、空気品質のレベルが許容範囲外となった場合にユーザに警報を発する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した装置では、対象エリアの空気の状態(ここでは、一酸化炭素濃度)のみによって、当該対象エリアの環境に異常があるか否かが判定される。しかし、状況によっては、対象エリアの空気の状態のみならず、当該対象エリアにいる人の活動状況にも応じて、異常があるか否かを判定することが好適な場合もある。一例として、感染症の拡大リスク(感染症に罹患するリスク)においては、対象エリアにいる人が大声で会話をしている場合に、大声で会話をしていない場合と比較して、いわゆる飛沫感染による感染症の拡大リスクが高くなる場合がある。したがって、対象エリアの空気の状態のみによって異常があるか否かを判定しようとする従来技術には、異常があることの検知精度に向上の余地がある。
【0005】
そこで、本開示に係る異常検知装置、異常検知システム、及び異常検知プログラムは、対象エリアの環境に異常があることの検知精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る異常検知装置(1)は、対象エリアの環境に異常があることを検知する異常検知装置(1)であって、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度を取得する濃度取得部(10)と、対象エリアにおける人の声量を取得する声量取得部(11)と、濃度及び声量に基づいて、異常があることを検知する異常検知部(16)と、を備える。
【0007】
本開示の一態様に係る異常検知システム(100)は、対象エリアの環境に異常があることを検知する異常検知システム(100)であって、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度を測定する濃度測定装置(2)と、対象エリアにおける音声を取得する収音装置(3)と、対象エリアの環境に異常があることを検知する異常検知装置(1)と、を具備し、異常検知装置(1)は、濃度測定装置(2)により測定された濃度を取得する濃度取得部(10)と、収音装置(3)により取得された音声における人の声量を取得する声量取得部(11)と、濃度及び声量に基づいて、異常があることを検知する異常検知部(16)と、を備える。
【0008】
本開示の一態様に係る異常検知プログラムは、対象エリアの環境に異常があることを検知する処理をコンピュータ(C)に実行させる異常検知プログラムであって、コンピュータ(C)を、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度を取得する濃度取得部(10)と、対象エリアにおける人の声量を取得する声量取得部(11)と、濃度及び声量に基づいて、異常があることを検知する異常検知部(16)と、として機能させる。
【0009】
これらの異常検知装置(1)、異常検知システム(100)、及び異常検知プログラムの少なくともいずれかによれば、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度、及び、対象エリアにおける人の声量に少なくとも基づいて、当該対象エリアの環境に異常があることが検知される。ここで、人の声量は、人が大声で会話をしているか否かに対応して増大又は減少する。つまり、対象エリアの空気の状態(対象物質の濃度)のみならず、当該対象エリアにいる人の活動状況(人の声量)にも応じて、異常があるか否かが精度良く判定される。したがって、これらの異常検知装置(1)、異常検知システム(100)、及び異常検知プログラムの少なくともいずれかによれば、対象エリアの環境に異常があることの検知精度を向上させることができる。
【0010】
本開示の一態様に係る異常検知装置(1)では、異常検知部(16)は、濃度取得部(10)により取得された濃度、濃度に関して予め設定された基準濃度、声量取得部(11)により取得された声量、及び声量に関して予め設定された基準声量に基づいて、異常があることを検知してもよい。これによれば、対象物質の濃度、基準濃度、人の声量、及び基準声量に少なくとも基づいて当該対象エリアの環境に異常があることが検知されるため、基準濃度及び基準声量を適宜設定することによって、この異常検知装置(1)による作用及び効果を好適に奏することが可能となる。
【0011】
本開示の一態様に係る異常検知装置(1)では、対象物質は、二酸化炭素であってもよい。一般に、人が多く集まっている場合に空気中における二酸化炭素の濃度の数値が高くなりやすい。したがって、この異常検知装置(1)では、二酸化炭素の濃度に基づいて異常があることが検知されるため、例えば感染症に罹患するリスクに関する異常といった、人が多く集まっている場合に生じやすい異常があることを検知することが可能となる。
【0012】
本開示の一態様に係る異常検知装置(1)は、対象エリアの空気の温度を取得する温度取得部(12)と、対象エリアの空気の湿度を取得する湿度取得部(13)と、を備え、異常検知部(16)は、濃度、声量、温度、及び湿度に基づいて、異常があることを検知してもよい。一般に、例えば感染症に罹患するリスクの高さは空気の温度及び湿度の影響を受けやすい。したがって、この異常検知装置(1)では、対象エリアの空気の状態(対象物質の濃度)及び当該対象エリアにいる人の活動状況(人の声量)のみならず、対象エリアの空気の温度及び湿度にも少なくとも基づいて、異常があるか否かが精度良く判定されるため、対象エリアの環境に異常があることの検知精度を向上させることができる。
【0013】
本開示の一態様に係る異常検知装置(1)は、対象エリアにおける人の密集度を取得する密集度取得部(14)を備え、異常検知部(16)は、濃度、声量、及び密集度に基づいて、異常があることを検知してもよい。一般に、例えば感染症に罹患するリスクの高さは人の密集度の影響を受けやすい。したがって、この異常検知装置(1)では、対象エリアの空気の状態(対象物質の濃度)及び当該対象エリアにいる人の活動状況(人の声量)のみならず、対象エリアにおける人の密集度にも少なくとも基づいて、異常があるか否かが精度良く判定されるため、対象エリアの環境に異常があることの検知精度を向上させることができる。
【0014】
本開示の一態様に係る異常検知装置(1)は、対象エリアにいる人の年齢を取得する年齢取得部(15)を備え、異常検知部(16)は、濃度、声量、及び年齢に基づいて、異常があることを検知してもよい。一般に、例えば、感染症に罹患するリスクの高さ、及び、感染症に罹患した場合の症状の程度は、年齢の影響を受けやすい。したがって、この異常検知装置(1)では、対象エリアにいる人の年齢に少なくとも基づいて異常があるか否かが判定されるため、異常があると判定するか否かの基準を好適に設定することができる。
【0015】
本開示の一態様に係る異常検知装置(1)は、異常検知部(16)により対象エリアの環境に異常があることが検知された場合に、異常に関する情報を外部に送信する異常情報送信部(17)を備えていてもよい。これによれば、異常があることが検知されたことを外部に知らせることが可能となる。
【0016】
本開示の一態様に係る異常検知装置(1)では、異常情報送信部(17)は、異常検知部(16)により対象エリアの環境に異常があることが検知された場合に、異常に関する報知を情報出力装置(7)に実行させるための報知指令情報を当該情報出力装置(7)に送信してもよい。これによれば、異常があることが検知されたことを報知してユーザ等に知らせることが可能となる。
【0017】
本開示の一態様に係る異常検知装置(1)は、濃度に基づいて対象エリアの環境の評価を行い、評価結果を出力する環境評価部(18)を備えていてもよい。これによれば、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度に少なくとも基づいて対象エリアの環境の評価を行うとともに、その評価結果を外部に知らせることが可能となる。
【0018】
本開示の一態様に係る異常検知装置(1)では、環境評価部(18)は、評価結果が予め設定された条件を満たしている場合に、評価結果を証明するための証明書を証明書発行装置(8)に発行させるための発行指令情報を当該証明書発行装置(8)に送信してもよい。これによれば、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度に少なくとも基づいて対象エリアの環境の評価を行うとともに、その評価結果が予め設定された条件を満たしていることを証明する証明書をユーザ等に提供することが可能となる。
【0019】
本開示の一態様に係る異常検知装置(1)は、異常検知部(16)により対象エリアの環境に異常があることが検知された場合に、環境調整装置(9)に環境の調整を実行させるための調整指令情報を当該環境調整装置(9)に送信する環境調整部(19)を備えていてもよい。これによれば、対象エリアの環境に異常があることが検知された場合に、当該異常を解消するように環境を調整することが可能となる。
【0020】
本開示の一態様に係る異常検知装置(1)では、異常検知部(16)は、対象エリアの環境に、当該対象エリアにいる人が感染症に罹患するリスクに関する異常があることを検知してもよい。これによれば、この異常検知装置(1)による作用及び効果を好適に奏することが可能となる。
【0021】
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本開示の一例として示したものであって、本開示を実施形態の態様に限定するものではない。
【発明の効果】
【0022】
このように、本開示に係る異常検知装置、異常検知システム、及び異常検知プログラムは、対象エリアの環境に異常があることの検知精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る異常検知システムを示すブロック図である。
【
図2】
図2は、異常検知処理を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、環境評価処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して例示的な実施形態について説明する。なお、各図における同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0025】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る異常検知システム100を示すブロック図である。
図1に示される異常検知システム100は、対象エリアの環境に異常があることを検知するシステムである。異常検知システム100は、対象エリアの空気の状態及び当該対象エリアにいる人の活動状況に基づいて、当該対象エリアの環境に異常があるか否かを判定する。
【0026】
ここで、「対象エリア」とは、異常検知システム100によって環境に異常があることを検知する対象に設定された領域(所定の空間)を意味している。具体的には、対象エリアは、室内又は室外において予め設定された範囲であってもよい。対象エリアは、例えば壁又は衝立等により画成された領域であってもよく、解放された領域であってもよい。例えば、対象エリアは、飲食店、デパート、イベント会場、住宅、又は電車等の室内又は室外であってもよい。
【0027】
「異常」とは、対象エリアにいる人にとって好適な環境ではない状態を意味している。具体的には、異常とは、対象エリアにいる人の健康に悪影響が生じ得る環境である状態を意味していてもよい。ここでは、異常とは、対象エリアにいる人が感染症に罹患するリスクに関する異常(すなわち、対象エリアにいる人が通常よりも感染症に罹患しやすい状態)であるとする。
【0028】
「感染症」とは、ウイルス又は細菌等の病原体が人等に感染して各種の症状を発症させる病気であり、例えば人から人へと感染する。ここでは、感染症は、例えば当該感染症に罹患している患者の咳又はくしゃみに混入した病原体に他人が接することで感染(いわゆる、飛沫感染)する病気である。なお、感染症は、例えば空気中を浮遊する病原体に他人が接することで感染(いわゆる、空気感染)する病気であってもよい。あるいは、感染症は、例えば病原体に汚染された物品等に他人が接することで感染(いわゆる、接触感染)する病気であってもよい。また、感染症は、飛沫感染、空気感染、及び接触感染のうちの2種類以上の感染経路により感染する病気であってもよい。例えば、感染症は、新型コロナウイルス感染症(「SARS-CoV-2」ウイルスによって引き起こされる「COVID-19」感染症)又はインフルエンザ等であってもよい。一般に、このような感染症の拡大リスクは、人が多く集まるほど(特に、人と人との距離が近いほど)高くなりやすい。また、感染症の拡大リスクは、これらの人同士が互いに会話をしていると(特に、大声で会話をしていると)高くなりやすい。
【0029】
「活動状況」とは、人の行動の状態を意味している。具体的には、活動状況とは、人が会話をしているか会話をしていないかの状態であってもよい。また、活動状況とは、人が会話をしている場合に、その会話が大声でされているか小声でされているかの状態であってもよい。
【0030】
異常検知システム100の構成について説明する。異常検知システム100は、異常検知装置1、濃度測定装置2、及び収音装置3を少なくとも具備している。ここでは、異常検知システム100は、これらの他に、温度測定装置4、湿度測定装置5、撮像装置6、情報出力装置7、証明書発行装置8、及び環境調整装置9を具備している。
【0031】
異常検知装置1は、対象エリアの環境に異常があることを検知する装置である。異常検知装置1は、例えば濃度測定装置2、収音装置3、温度測定装置4、湿度測定装置5、撮像装置6、情報出力装置7、証明書発行装置8、及び環境調整装置9といった外部の装置と有線又は無線通信可能なコンピュータC(サーバ)として構成されている。異常検知装置1のコンピュータCは、物理的な構成として、制御演算装置、記憶装置、入出力装置を備えている。制御演算装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のコントローラにより構成されており、演算処理を実行するとともに記憶装置及び入出力装置の制御を行う。記憶装置は、例えば主記憶装置及び補助記憶装置を有している。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)により構成されている。また、補助記憶装置は、例えばROM(Read Only Memory)により構成されている。入出力装置は、例えば外部端末からデータを入力されて記憶装置に送信する入力装置、及び、例えば制御演算部により演算されて記憶装置に記憶された演算結果を外部端末に出力する出力装置を有している。
【0032】
異常検知装置1は、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み込み、RAMに読み込まれたプログラムをCPUにより実行することにより、所定の処理を実行する。具体的に、異常検知装置1は、ROMに記憶されている異常検知プログラムをRAMに読み込み、RAMに読み込まれた異常検知プログラムをCPUにより実行することにより、対象エリアの環境に異常があることを検知する異常検知処理を実行してもよい。なお、異常検知装置1は、上述したコンピュータCの構成とは異なる物理的な構成を備えていてもよい。
【0033】
異常検知装置1のコンピュータCは、機能的には、濃度取得部10、声量取得部11、温度取得部12、湿度取得部13、密集度取得部14、年齢取得部15、異常検知部16、異常情報送信部17、環境評価部18、及び環境調整部19を備えている。
【0034】
濃度取得部10は、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度を取得する。「対象物質」とは、当該物質の濃度が対象エリアの環境に異常があるか否かを判定するための指標に設定されている物質である。ここでは、対象物質は二酸化炭素である。すなわち、一般に感染症の拡大リスクは人が多く集まるほど高くなりやすく、また、人が多く集まっている場合には空気中における二酸化炭素の濃度の数値が高くなりやすいため、ここでは二酸化炭素が対象物質に設定されている。「濃度」とは、対象エリアの空気中における濃度を意味している。対象物質の濃度は、例えばppmを単位とした数値で表される。濃度取得部10は、具体的には、後述する濃度測定装置2により測定された対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度を取得する。このとき、濃度取得部10は、異常検知装置1及び濃度測定装置2のそれぞれに設けられた通信部(不図示)を介して行われる有線又は無線通信により、濃度測定装置2から対象物質の濃度を取得してもよい。
【0035】
声量取得部11は、対象エリアにおける人の声量を取得する。「人の声量」とは、音声に含まれる人の声の成分の大きさを意味している。人の声量は、例えばdBを単位とした数値で表される。声量取得部11は、具体的には、後述する収音装置3により対象エリアにおける音声が取得された場合に、収音装置3により取得された音声における人の声量を取得する。このとき、声量取得部11は、異常検知装置1及び収音装置3のそれぞれに設けられた通信部(不図示)を介して行われる有線又は無線通信により、収音装置3から対象エリアにおける人の声量を取得してもよい。
【0036】
より具体的には、声量取得部11は、収音装置3から対象エリアにおける音声の情報を取得し、取得した音声の情報を解析して当該音声から人の声の成分を抽出することにより、対象エリアにおける人の声量を取得してもよい。あるいは、声量取得部11は、収音装置3により取得された音声が収音装置3又は別個の装置により解析されて当該音声から人の声の成分が抽出された後に、当該人の声の成分の情報を取得して解析することにより、対象エリアにおける人の声量を取得してもよい。あるいは、声量取得部11は、収音装置3により取得された音声が収音装置3又は別個の装置により解析されて当該音声における人の声量が取得された後に、当該人の声量の情報を取得することにより、対象エリアにおける人の声量を取得してもよい。
【0037】
温度取得部12は、対象エリアの空気の温度を取得する。温度取得部12は、具体的には、後述する温度測定装置4により測定された対象エリアの空気の温度を取得する。このとき、温度取得部12は、異常検知装置1及び温度測定装置4のそれぞれに設けられた通信部(不図示)を介して行われる有線又は無線通信により、温度測定装置4から対象エリアの空気の温度を取得してもよい。
【0038】
湿度取得部13は、対象エリアの空気の湿度を取得する。湿度取得部13は、具体的には、後述する湿度測定装置5により測定された対象エリアの空気の湿度を取得する。このとき、湿度取得部13は、異常検知装置1及び湿度測定装置5のそれぞれに設けられた通信部(不図示)を介して行われる有線又は無線通信により、湿度測定装置5から対象エリアの空気の湿度を取得してもよい。
【0039】
密集度取得部14は、対象エリアにおける人の密集度を取得する。「密集度」とは、対象エリアにおいて人が集まっている度合いを意味している。密集度は、例えば、対象エリアにおいて単位面積あたりにいる人の数に基づいて算出されてもよい。あるいは、密集度は、対象エリアにいる複数の人同士の間の距離に基づいて算出されてもよい。密集度は、具体的な数値(例えば、単位面積あたりの人数)として取得されてもよい。あるいは、密集度は、具体的な数値ではなく、密集の程度(例えば、密集度が高い、普通、又は低い)として取得されてもよい。この場合、密集の各程度は、具体的な数値の範囲に対応づけられていてもよい。例えば、対象エリアにおいて、単位面積あたり3人以上いれば密集度が高く、単位面積あたり1人以上3人未満だけいれば密集度は普通であり、単位面積あたり1人未満しかいなければ密集度が低い、と対応づけられていてもよい。密集度取得部14は、具体的には、後述する撮像装置6により取得された対象エリアの撮像画像内における人の密集度を取得する。このとき、密集度取得部14は、異常検知装置1及び撮像装置6のそれぞれに設けられた通信部(不図示)を介して行われる有線又は無線通信により、撮像装置6から密集度を取得するために必要な情報を取得してもよい。
【0040】
より具体的には、密集度取得部14は、撮像装置6から対象エリアを撮像した撮像画像を取得し、取得した撮像画像を解析して当該撮像画像内における人の密集度を取得してもよい。あるいは、密集度取得部14は、撮像装置6により撮像された対象エリアの撮像画像が撮像装置6又は別個の装置により解析されて当該撮像画像内における人の密集度の情報が取得された後に、当該密集度の情報を取得することにより、対象エリアにおける人の密集度を取得してもよい。
【0041】
年齢取得部15は、対象エリアにいる人の年齢を取得する。人の年齢は、当該人の実際の年齢(実年齢)でなくてもよく、任意の手法によって推定される年齢(推定年齢)であってもよい。年齢取得部15は、具体的には、後述する撮像装置6により取得された対象エリアの撮像画像内の人の年齢を取得する。このとき、年齢取得部15は、異常検知装置1及び撮像装置6のそれぞれに設けられた通信部(不図示)を介して行われる有線又は無線通信により、撮像装置6から人の年齢を取得するために必要な情報を取得してもよい。
【0042】
より具体的には、年齢取得部15は、撮像装置6から対象エリアを撮像した撮像画像を取得し、取得した撮像画像を解析して当該撮像画像内の人の年齢を推定することにより、対象エリアにいる人の年齢を取得してもよい。あるいは、年齢取得部15は、撮像装置6により撮像された対象エリアの撮像画像が撮像装置6又は別個の装置により解析されて当該撮像画像内の人の年齢の情報(または、人の推定年齢)が取得された後に、当該人の年齢の情報を取得することにより、対象エリアにいる人の年齢を取得してもよい。上記において、撮像画像を解析して当該撮像画像内の人の年齢を推定する処理は、例えば顔認証等の公知の技術を用いて実現されてもよい。
【0043】
異常検知部16は、対象指標に基づいて(例えば、対象指標が異常の条件を満たすか否かに基づいて)、対象エリアの環境に異常があることを検知する。「対象指標」とは、当該指標に基づいて対象エリアの環境に異常があることが検知される指標であり、予め選択された指標である。具体的には、異常検知部16は、少なくとも濃度取得部10により取得された濃度及び声量取得部11により取得された声量等の各種情報に基づいて、対象エリアの環境に異常があることを検知する。つまり、対象指標として少なくとも濃度及び声量が選択されている。
【0044】
より詳細には、異常検知部16は、少なくとも濃度及び声量に基づいて対象エリアの環境に異常があるか否かを判定し、異常があると判定された場合に、対象エリアの環境に異常があることを検知する。また、異常検知部16は、少なくとも濃度及び声量に基づいて対象エリアの環境に異常があるか否かを判定し、異常がないと判定された場合又は異常があると判定されない場合に、対象エリアの環境に異常がないことを検知する。ここでは、異常検知部16は、対象エリアの環境に、当該対象エリアにいる人が感染症に罹患するリスクに関する異常があることを検知する。換言すると、ここでは、異常検知部16によって検知される異常は、対象エリアの環境が感染症の拡大リスクが高い状態となっていることである。
【0045】
異常検知部16は、指標値として表される対象指標、及び、当該対象指標の基準値(基準指標)に基づいて、異常があることを検知することができる。例えば、対象指標として濃度及び声量が選択されている場合には、濃度に対する基準指標として基準濃度が設定され、且つ、声量に対する基準指標として基準声量が設定される。そして、異常検知部16は、少なくとも、濃度取得部10により取得された濃度、濃度に関して予め設定された基準濃度、声量取得部11により取得された声量、及び声量に関して予め設定された基準声量に基づいて、異常があることを検知する。具体的には、異常検知部16は、対象エリアの環境に異常があることを検知する際に、各対象指標と当該対象指標に関する基準指標との値を互いに比較してもよい。
【0046】
例えば、異常検知部16は、第1の対象指標(例えば、濃度)が当該第1の対象指標に関する第1の基準指標(例えば、基準濃度)以上であり、且つ、第2の対象指標(例えば、声量)が当該第2の対象指標に関する第2の基準指標(例えば、基準声量)以上である場合に、対象エリアの環境に異常があることを検知してもよい。つまり、各基準指標は、各対象指標に対して設定される閾値であってもよい。あるいは、異常検知部16は、第1の対象指標(例えば、濃度)と第2の対象指標(例えば、声量)とを所定の重みづけをして合計した値が、第1の基準指標(例えば、基準濃度)と第2の基準指標(例えば、基準声量)とを所定の重みづけ(例えば、第1の対象指標と第2の対象指標に対して適用した重みづけと同等の重みづけ)をして合計した値以上である場合に、対象エリアの環境に異常があることを検知してもよい。また、異常検知部16は、対象指標が当該対象指標に関する基準指標以上となっている状態が所定時間未満で終了している場合には(すなわち、対象指標が基準指標以上となっている状態が所定時間以上にわたって継続しなかった場合には)、対象指標が基準指標以上であると判定しなくてもよい。なお、上記において、異常があることを検知するための条件(又は、条件の一部)として対象指標が基準指標以上であることを例示したが、異常があることを検知するための条件(又は、条件の一部)は、対象指標が基準指標以下であることであってもよい。
【0047】
対象指標として、濃度及び声量に加えて、少なくとも更に対象エリアの空気の温度が選択されてもよい。この場合、異常検知部16は、少なくとも、濃度取得部10により取得された濃度、声量取得部11により取得された声量、及び温度取得部12により取得された温度に基づいて、対象エリアの環境に異常があることを検知する。
【0048】
対象指標として、濃度及び声量に加えて、少なくとも更に対象エリアの空気の湿度が選択されてもよい。この場合、異常検知部16は、少なくとも、濃度取得部10により取得された濃度、声量取得部11により取得された声量、及び湿度取得部13により取得された湿度に基づいて、対象エリアの環境に異常があることを検知する。特に、異常検知部16は、少なくとも、濃度取得部10により取得された濃度、声量取得部11により取得された声量、温度取得部12により取得された温度、及び湿度取得部13により取得された湿度に基づいて、対象エリアの環境に異常があることを検知することで、異常があることの検知精度を一層向上させることができる。
【0049】
対象指標として、濃度及び声量に加えて、少なくとも更に対象エリアにおける人の密集度が選択されてもよい。この場合、異常検知部16は、少なくとも、濃度取得部10により取得された濃度、声量取得部11により取得された声量、及び密集度取得部14により取得された密集度に基づいて、対象エリアの環境に異常があることを検知する。
【0050】
対象指標として、濃度及び声量に加えて、少なくとも更に対象エリアにいる人の年齢が選択されてもよい。この場合、異常検知部16は、少なくとも、濃度取得部10により取得された濃度、声量取得部11により取得された声量、及び年齢取得部15により取得された年齢に基づいて、対象エリアの環境に異常があることを検知する。例えば、異常検知部16は、対象エリアにいる人の年齢が予め設定された年齢範囲である場合(例えば、所定年齢以上の高齢である場合、又は、所定年齢以下の低年齢である場合等)には、より緩和された条件に基づいて対象エリアの環境に異常があることを検知してもよい(つまり、異常があるとの判定がされやすくてもよい)。
【0051】
異常情報送信部17は、異常検知部16により対象エリアの環境に異常があることが検知された場合に、異常に関する情報を外部に送信する。例えば、異常情報送信部17は、異常に関する情報を外部の管理者端末(不図示)に送信することにより、当該管理者端末に異常に関する情報を伝達する。
【0052】
特に、異常情報送信部17は、異常検知部16により対象エリアの環境に異常があることが検知された場合に、報知指令情報を後述する情報出力装置7に送信する。「報知指令情報」は、異常に関する報知を情報出力装置7に実行させるための情報(指令)である。具体的には、報知指令情報は、「異常があることが検知されたこと」、「生じた異常を解消するための指示(例えば、窓を開ける旨の指示)」、「異常が生じそうな状況であること」、又は、「異常が生じることを回避するための指示(例えば、会話を控える旨の指示)」等の報知を情報出力装置7に実行させるための情報であってもよい。報知指令情報により情報出力装置7が実行する報知は、情報出力装置7が備えている機能(例えば、音声出力機能又は画像表示機能等)に応じて、聴覚的な報知(例えば、音声出力による報知)であってもよく視覚的な報知(例えば、発光又は画像表示による報知)であってもよい。これにより、異常情報送信部17は、対象エリアの人(対象エリアを利用する人(ユーザ))に対して異常に関する報知を実行することができる。なお、「報知指令情報を情報出力装置に送信する」とは、報知指令情報を情報出力装置7に直接送信せず、別個の装置等を介して情報出力装置7に送信することであってもよい。
【0053】
環境評価部18は、少なくとも濃度取得部10により取得された対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度に基づいて、当該対象エリアの環境の評価を行う。そして、環境評価部18は、対象エリアの環境の評価を行った評価結果を出力する。「評価結果」とは、対象エリアの環境の評価を行うことで判明した当該環境の状態(特に、異常に関する状態)を示す情報である。評価結果は、対象エリアの環境が好適であるとの評価(肯定的評価)、及び、対象エリアの環境が好適でないとの評価(否定的評価)を含む複数の評価レベルから選択されてもよい。環境評価部18は、例えば、デジタルデータとして評価結果を出力してもよく、印刷物として評価結果を出力してもよい。異常検知処理の検知対象とされる異常が、対象エリアにいる人が感染症に罹患するリスクに関する異常である場合には、評価結果は、感染症の拡大リスクに関する当該環境の状態を示す情報(例えば、感染リスクが低い(肯定的評価)又は感染リスクが高い(否定的評価)等の情報)であってもよい。
【0054】
環境評価部18は、評価結果が予め設定された条件を満たしている場合(すなわち、評価結果が肯定的評価である場合)に、発行指令情報を後述する証明書発行装置8に送信する。「発行指令情報」は、評価結果を証明するための証明書を証明書発行装置8に発行させるための情報(指令)である。具体的には、発行指令情報は、「異常があることが検知されなかったこと」を示す証明書(肯定的証明書)を証明書発行装置8に発行させるための情報であってもよい。なお、発行指令情報は、デジタルデータとして証明書を発行させるための情報であってもよい。この場合、証明書の内容を所定のウェブサイトに表示可能とするとともに、当該ウェブサイトのURLの情報を含むQRコード(登録商標)等の二次元コードの情報が発行指令情報に含まれていてもよい。あるいは、発行指令情報は、印刷物として証明書を発行させるための情報であってもよい。なお、「発行指令情報を証明書発行装置に送信する」とは、発行指令情報を証明書発行装置8に直接送信せず、別個の装置等を介して証明書発行装置8に送信することであってもよい。
【0055】
環境評価部18は、少なくとも濃度取得部10により取得された対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度に基づいて当該対象エリアの環境の評価を行い、否定的評価の評価結果を出力した後に、再度当該対象エリアの環境の評価を行い、肯定的評価の評価結果を出力した場合には、特定発行指令情報を後述する証明書発行装置8に送信してもよい。「特定発行指令情報」は、肯定的証明書の一種である改善証明書を証明書発行装置8に発行させるための情報(指令)である。「改善証明書」は、環境評価部18により否定的評価を受けた対象エリアの環境が、例えば換気等が行われた結果、環境評価部18により肯定的評価を受けるに至ったことを証明する証明書である。なお、「特定発行指令情報を証明書発行装置に送信する」とは、特定発行指令情報を証明書発行装置8に直接送信せず、別個の装置等を介して証明書発行装置8に送信することであってもよい。
【0056】
環境調整部19は、異常検知部16により対象エリアの環境に異常があることが検知された場合に、調整指令情報を後述する環境調整装置9に送信する。「調整指令情報」は、環境調整装置9に環境の調整を実行させるための情報(指令)である。調整指令情報は、例えば環境調整装置9が冷房装置又は暖房装置である場合には、当該環境調整装置9を動作させて対象エリアの空気の温度の調節を実行させるための情報であってもよい。あるいは、調整指令情報は、例えば環境調整装置9が加湿装置又は除湿装置である場合には、当該環境調整装置9を動作させて対象エリアの空気の湿度の調節を実行させるための情報であってもよい。あるいは、調整指令情報は、例えば環境調整装置9が換気装置又は送風装置である場合には、当該環境調整装置9を動作させて対象エリアの換気を実行させるための情報であってもよい。なお、「調整指令情報を環境調整装置に送信する」とは、調整指令情報を環境調整装置9に直接送信せず、別個の装置等を介して環境調整装置9に送信することであってもよい。
【0057】
濃度測定装置2は、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度を取得(測定)する装置である。濃度測定装置2による具体的な測定手法は特に限定されない。例えば、対象物質が二酸化炭素である場合には、濃度測定装置2は、非分散型赤外線吸収法(NDIR)を用いた二酸化炭素検出装置であってもよい。濃度測定装置2は、測定した対象物質の濃度の情報を異常検知装置1の濃度取得部10に送信する。
【0058】
収音装置3は、対象エリアにおける音声を取得(収音)する装置である。収音装置3は、例えばマイクであってもよい。収音装置3は、取得した音声の情報を異常検知装置1の声量取得部11に送信する。収音装置3は、取得した音声の情報を、当該音声を解析して人の声の成分を抽出する別個の装置に送信してもよい。あるいは、収音装置3は、取得した音声の情報を解析して人の声量の情報を取得し、取得した人の声量の情報を異常検知装置1の声量取得部11に送信してもよい。
【0059】
温度測定装置4は、対象エリアの空気の温度を取得(測定)する装置である。温度測定装置4は、温度センサを備えている。温度測定装置4による具体的な測定手法は特に限定されない。温度測定装置4は、取得した温度の情報を異常検知装置1の温度取得部12に送信する。
【0060】
湿度測定装置5は、対象エリアの空気の湿度を取得(測定)する装置である。湿度測定装置5は、湿度センサを備えている。湿度測定装置5による具体的な測定手法は特に限定されない。湿度測定装置5は、取得した湿度の情報を異常検知装置1の湿度取得部13に送信する。なお、温度測定装置4及び湿度測定装置5は、同一の筐体に格納されていてもよい。この場合、対象エリア内の互いに近接した部位において、空気の温度及び湿度を取得することができる。また、濃度測定装置2、温度測定装置4、及び湿度測定装置5は、同一の筐体に格納されていてもよい。この場合、対象エリア内の互いに近接した部位において、対象物質の濃度、並びに、空気の温度及び湿度を取得することができる。
【0061】
撮像装置6は、対象エリアの撮像画像を取得(撮像)する装置である。撮像装置6は、例えばカメラ又は赤外線センサであってもよい。撮像装置6は、取得した撮像画像の情報を異常検知装置1(より詳細には、異常検知装置1の密集度取得部14及び年齢取得部15)に送信する。撮像装置6は、取得した撮像画像の情報を、当該撮像画像を解析して撮像画像内の人の密集度を取得(算出)する別個の装置に送信してもよい。あるいは、撮像装置6は、取得した撮像画像を解析して人の密集度の情報を取得し、取得した人の密集度の情報を異常検知装置1の密集度取得部14に送信してもよい。また、撮像装置6は、取得した撮像画像の情報を、当該撮像画像を解析して撮像画像内の人の年齢を取得(推定)する別個の装置に送信してもよい。あるいは、撮像装置6は、取得した撮像画像を解析して人の年齢の情報を取得し、取得した人の年齢の情報を異常検知装置1の年齢取得部15に送信してもよい。
【0062】
情報出力装置7は、対象エリアの環境に異常があることが検知された場合に、異常に関する報知を実行する装置である。情報出力装置7は、異常情報送信部17から報知指令情報を受信すると、当該報知指令情報に係る種類の報知を実行する。情報出力装置7は、例えば音声出力機能を備えるスピーカであってもよい。この場合、情報出力装置7は、報知指令情報を受信すると聴覚的な報知を実行してもよい。また、情報出力装置7は、例えば画像表示機能を備えるディスプレイであってもよい。この場合、情報出力装置7は、報知指令情報を受信すると視覚的な報知を実行してもよい。
【0063】
証明書発行装置8は、環境評価部18による評価結果が予め設定された条件を満たしている場合に、評価結果を証明するための証明書を発行する装置である。証明書発行装置8は、環境評価部18から発行指令情報を受信すると、当該発行指令情報に係る証明書を発行する。証明書発行装置8は、環境評価部18から特定発行指令情報を受信すると、当該特定発行指令情報に係る改善証明書を発行する。証明書発行装置8は、例えばデジタルデータとして証明書又は改善証明書を発行するコンピュータであってもよい。また、証明書発行装置8は、印刷物として証明書又は改善証明書を発行可能なプリンタであってもよい。
【0064】
環境調整装置9は、対象エリアの環境を調整するための装置である。環境調整装置9は、環境調整部19から調整指令情報を受信すると、対象エリアの環境の調整を実行する。環境調整装置9は、例えば冷房装置又は暖房装置であってもよい。この場合、環境調整装置9は、調整指令情報を受信すると対象エリアの空気の温度の調整を実行してもよい。また、環境調整装置9は、加湿装置又は除湿装置であってもよい。この場合、環境調整装置9は、調整指令情報を受信すると対象エリアの空気の湿度の調整を実行してもよい。また、環境調整装置9は、換気装置又は送風装置であってもよい。この場合、環境調整装置9は、調整指令情報を受信すると対象エリアの換気を実行してもよい。なお、換気装置は、窓又はドア等の開閉機構を自動的に開閉させる開閉装置であってもよい。送風装置は、ブロアモータ等を用いて対象エリアの空気を強制的に循環させる空気循環装置であってもよい。
【0065】
[異常検知処理]
異常検知システム100の異常検知装置1により実行される異常検知処理について説明する。
図2は、異常検知処理を示すフローチャートである。
図2に示される異常検知処理は、例えば、対象エリアの環境に、当該対象エリアにいる人が感染症に罹患するリスクに関する異常があることを検知する処理である。
【0066】
ステップS10において、異常検知装置1は、対象エリアの環境に異常があるか否かを判定するために用いられる各種情報を取得する。各種情報は、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度、及び、対象エリアにおける人の声量を少なくとも含む情報である。なお、各種情報は、対象物質の濃度及び人の声量に加えて、対象エリアの空気の温度、対象エリアの空気の湿度、対象エリアにおける人の密集度、及び対象エリアにいる人の年齢の少なくともいずれかを含む情報であってもよい。
【0067】
異常検知装置1は、濃度取得部10により対象物質の濃度を取得し、声量取得部11により人の声量を取得する。なお、異常検知装置1は、空気の温度、空気の湿度、人の密集度、及び人の年齢を取得する場合には、温度取得部12により空気の温度を取得し、湿度取得部13により空気の湿度を取得し、密集度取得部14により人の密集度を取得し、年齢取得部15により人の年齢を取得する。その後、異常検知処理はステップS12に移行する。
【0068】
ステップS12において、異常検知装置1は、異常検知部16により、各種情報に基づいて対象エリアの環境が異常の条件(異常があることを検知するための条件)を満たしているか否かを判定する。対象エリアの環境が異常の条件を満たしていると判定された場合には(ステップS12:YES)、異常検知処理はステップS14に移行する。一方、対象エリアの環境が異常の条件を満たしていると判定されない場合には(ステップS12:NO)、異常検知処理はステップS10に戻り、上述した処理を再度実行する。この場合、前回のステップS10の処理において取得されていた各種情報は、新たなステップS10の処理において取得される各種情報によって更新(上書き)されてもよい。
【0069】
ステップS14において、異常検知部16は、対象エリアの環境に異常があることを検知する。その後、異常検知処理はステップS16に移行する。
【0070】
ステップS16において、異常検知装置1は、異常情報送信部17により、異常に関する情報を外部に送信する。例えば、異常情報送信部17は、異常に関する情報を情報出力装置7に実行させるための報知指令情報を当該情報出力装置7に送信する。これにより、情報出力装置7は、報知指令情報を受信したことに応じて異常に関する報知を実行することとなる。その後、異常検知処理はステップS18に移行する。
【0071】
ステップS18において、異常検知装置1は、環境調整部19により、環境調整装置9に対象エリアの環境の調整を実行させるための調整指令情報を当該環境調整装置9に送信する。これにより、環境調整装置9は、環境調整情報を受信したことに応じて対象エリアの環境の調整を実行することとなる。以上により、異常検知処理が終了する。
【0072】
[環境評価処理]
異常検知システム100の異常検知装置1により実行される環境評価処理について説明する。
図3は、環境評価処理を示すフローチャートである。
図3に示される環境評価処理は、例えば、対象エリアの環境における感染症の拡大リスクを評価する処理である。
【0073】
ステップS20において、異常検知装置1は、対象エリアの環境の評価を行うために用いられる各種情報を取得する。各種情報は、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度を少なくとも含む情報である。異常検知装置1は、濃度取得部10により対象物質の濃度を取得する。なお、各種情報は、対象物質の濃度に加えて、その他の情報(例えば、対象エリアの空気の状態、又は、対象エリアにいる人の活動状況に関する情報)を含む情報であってもよい。その後、環境評価処理はステップS22に移行する。
【0074】
ステップS22において、異常検知装置1は、環境評価部18により、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度に基づいて当該対象エリアの環境の評価を行う。そして、環境評価部18は、対象エリアの環境の評価を行うことで判明した当該環境の状態(特に、異常に関する状態)を示す評価結果の情報を取得(生成)する。その後、環境評価処理はステップS24に移行する。
【0075】
ステップS24において、異常検知装置1は、環境評価部18により、評価結果を出力する。例えば、環境評価部18は、評価結果を証明するための証明書を証明書発行装置8に発行させてもよい。環境評価部18は、例えば、デジタルデータとして評価結果(証明書)を出力してもよく、印刷物として評価結果(証明書)を出力してもよい。以上により、環境評価処理が終了する。
【0076】
[異常検知プログラム]
コンピュータCを異常検知装置1として機能させるための異常検知プログラムについて説明する。異常検知プログラムは、対象エリアの環境に異常があることを検知する処理をコンピュータCに実行させるプログラムである。
【0077】
異常検知プログラムは、メインモジュール、並びに、濃度取得モジュール、声量取得モジュール、温度取得モジュール、湿度取得モジュール、密集度取得モジュール、年齢取得モジュール、異常検知モジュール、異常情報送信モジュール、環境評価モジュール、及び環境調整モジュールを備えている。メインモジュールは、コンピュータCを統括的に制御する部分である。濃度取得モジュール、声量取得モジュール、温度取得モジュール、湿度取得モジュール、密集度取得モジュール、年齢取得モジュール、異常検知モジュール、異常情報送信モジュール、環境評価モジュール、及び環境調整モジュールのそれぞれが実行されることにより実現される機能は、異常検知装置1の濃度取得部10、声量取得部11、温度取得部12、湿度取得部13、密集度取得部14、年齢取得部15、異常検知部16、異常情報送信部17、環境評価部18、及び環境調整部19のそれぞれの機能と同様である。なお、異常検知プログラムは、上述した各モジュールのうち、メインモジュール以外の一部のモジュールを備えていなくてもよい。
【0078】
[作用及び効果]
以上説明したように、異常検知装置1は、対象エリアの環境に異常があることを検知する異常検知装置1であって、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度を取得する濃度取得部10と、対象エリアにおける人の声量を取得する声量取得部11と、濃度及び声量に基づいて、異常があることを検知する異常検知部16と、を備えている。
【0079】
また、異常検知システム100は、対象エリアの環境に異常があることを検知する異常検知システム100であって、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度を測定する濃度測定装置2と、対象エリアにおける音声を取得する収音装置3と、対象エリアの環境に異常があることを検知する異常検知装置1と、を具備し、異常検知装置1は、濃度測定装置2により測定された濃度を取得する濃度取得部10と、収音装置3により取得された音声における人の声量を取得する声量取得部11と、濃度及び声量に基づいて、異常があることを検知する異常検知部16と、を備えている。
【0080】
また、異常検知プログラムは、対象エリアの環境に異常があることを検知する処理をコンピュータCに実行させる異常検知プログラムであって、コンピュータCを、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度を取得する濃度取得部10と、対象エリアにおける人の声量を取得する声量取得部11と、濃度及び声量に基づいて、異常があることを検知する異常検知部16と、として機能させる。
【0081】
これらの異常検知装置1、異常検知システム100、及び異常検知プログラムの少なくともいずれかによれば、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度、及び、対象エリアにおける人の声量に少なくとも基づいて、当該対象エリアの環境に異常があることが検知される。ここで、人の声量は、人が大声で会話をしているか否かに対応して増大又は減少する。つまり、対象エリアの空気の状態(対象物質の濃度)のみならず、当該対象エリアにいる人の活動状況(人の声量)にも応じて、異常があるか否かが精度良く判定される。したがって、これらの異常検知装置1、異常検知システム100、及び異常検知プログラムの少なくともいずれかによれば、対象エリアの環境に異常があることの検知精度を向上させることができる。
【0082】
異常検知装置1では、異常検知部16は、濃度取得部10により取得された濃度、濃度に関して予め設定された基準濃度、声量取得部11により取得された声量、及び声量に関して予め設定された基準声量に基づいて、異常があることを検知する。これによれば、対象物質の濃度、基準濃度、人の声量、及び基準声量に少なくとも基づいて当該対象エリアの環境に異常があることが検知されるため、基準濃度及び基準声量を適宜設定することによって、この異常検知装置1による作用及び効果を好適に奏することが可能となる。
【0083】
異常検知装置1では、対象物質は、二酸化炭素である。一般に、人が多く集まっている場合に空気中における二酸化炭素の濃度の数値が高くなりやすい。したがって、この異常検知装置1では、二酸化炭素の濃度に基づいて異常があることが検知されるため、例えば感染症に罹患するリスクに関する異常といった、人が多く集まっている場合に生じやすい異常があることを検知することが可能となる。
【0084】
異常検知装置1は、対象エリアの空気の温度を取得する温度取得部12と、対象エリアの空気の湿度を取得する湿度取得部13と、を備え、異常検知部16は、濃度、声量、温度、及び湿度に基づいて、異常があることを検知する。一般に、例えば感染症に罹患するリスクの高さは空気の温度及び湿度の影響を受けやすい。したがって、この異常検知装置1では、対象エリアの空気の状態(対象物質の濃度)及び当該対象エリアにいる人の活動状況(人の声量)のみならず、対象エリアの空気の温度及び湿度にも少なくとも基づいて、異常があるか否かが精度良く判定されるため、対象エリアの環境に異常があることの検知精度を向上させることができる。
【0085】
異常検知装置1は、対象エリアにおける人の密集度を取得する密集度取得部14を備え、異常検知部16は、濃度、声量、及び密集度に基づいて、異常があることを検知する。一般に、例えば感染症に罹患するリスクの高さは人の密集度の影響を受けやすい。したがって、この異常検知装置1では、対象エリアの空気の状態(対象物質の濃度)及び当該対象エリアにいる人の活動状況(人の声量)のみならず、対象エリアにおける人の密集度にも少なくとも基づいて、異常があるか否かが精度良く判定されるため、対象エリアの環境に異常があることの検知精度を向上させることができる。
【0086】
異常検知装置1は、対象エリアにいる人の年齢を取得する年齢取得部15を備え、異常検知部16は、濃度、声量、及び年齢に基づいて、異常があることを検知する。一般に、例えば、感染症に罹患するリスクの高さ、及び、感染症に罹患した場合の症状の程度は、年齢の影響を受けやすい。したがって、この異常検知装置1では、対象エリアにいる人の年齢に少なくとも基づいて異常があるか否かが判定されるため、異常があると判定するか否かの基準を好適に設定することができる。
【0087】
異常検知装置1は、異常検知部16により対象エリアの環境に異常があることが検知された場合に、異常に関する情報を外部に送信する異常情報送信部17を備えている。これによれば、異常があることが検知されたことを外部に知らせることが可能となる。
【0088】
異常検知装置1では、異常情報送信部17は、異常検知部16により対象エリアの環境に異常があることが検知された場合に、異常に関する報知を情報出力装置7に実行させるための報知指令情報を当該情報出力装置7に送信する。これによれば、異常があることが検知されたことを報知してユーザ等に知らせることが可能となる。
【0089】
異常検知装置1は、濃度に基づいて対象エリアの環境の評価を行い、評価結果を出力する環境評価部18を備えている。これによれば、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度に少なくとも基づいて対象エリアの環境の評価を行うとともに、その評価結果を外部に知らせることが可能となる。
【0090】
異常検知装置1では、環境評価部18は、評価結果が予め設定された条件を満たしている場合に、評価結果を証明するための証明書を証明書発行装置8に発行させるための発行指令情報を当該証明書発行装置8に送信する。これによれば、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度に少なくとも基づいて対象エリアの環境の評価を行うとともに、その評価結果が予め設定された条件を満たしていることを証明する証明書をユーザ等に提供することが可能となる。
【0091】
異常検知装置1は、異常検知部16により対象エリアの環境に異常があることが検知された場合に、環境調整装置9に環境の調整を実行させるための調整指令情報を当該環境調整装置9に送信する環境調整部19を備えている。これによれば、対象エリアの環境に異常があることが検知された場合に、当該異常を解消するように環境を調整することが可能となる。
【0092】
異常検知装置1では、異常検知部16は、対象エリアの環境に、当該対象エリアにいる人が感染症に罹患するリスクに関する異常があることを検知する。これによれば、この異常検知装置1による作用及び効果を好適に奏することが可能となる。
【0093】
[変形形態]
上述した実施形態は、当業者の知識に基づいて変更又は改良が施された様々な形態により実施可能である。
【0094】
例えば、上述した実施形態において、異常検知装置1、異常検知システム100、及び異常検知プログラムでは、対象物質は二酸化炭素である。しかし、対象物質は、当該物質の濃度が対象エリアの環境に異常があるか否かが判定するための指標として利用可能な物質であればよく、必ずしも二酸化炭素でなくてもよい。例えば、対象物質は、一酸化炭素、窒素酸化物(NOx)、又は微小粒子状物質(PM2.5)等であってもよい。また、対象物質は、例えば複数種類の上記物質等を含む混合物であってもよい。
【0095】
また、上述した実施形態において、異常検知装置1、異常検知システム100、及び異常検知プログラムでは、環境評価部18は、「異常があることが検知されなかったこと」を示す証明書(肯定的証明書)を証明書発行装置8に発行させるための発行指令情報を当該証明書発行装置8に送信する。しかし、環境評価部18は、「異常があることが検知されたこと」を示す証明書(否定的証明書)を証明書発行装置8に発行させるための発行指令情報を当該証明書発行装置8に送信してもよい。
【0096】
また、上述した実施形態において、異常検知装置1、異常検知システム100、及び異常検知プログラムでは、環境評価部18は、対象エリアの空気の状態(ここでは、対象エリアの空気に含まれる対象物質の濃度)に基づいて当該対象エリアの環境の評価を行う。しかし、環境評価部18は、対象エリアの空気の状態として、対象物質の濃度以外の状態(例えば、対象エリアの空気の温度又は湿度等)にも基づいて、当該対象エリアの環境の評価を行ってもよい。また、環境評価部18は、対象エリアの空気の状態のみならず、当該対象エリアにいる人の活動状況(例えば、対象エリアにおける人の声量等)にも基づいて、当該対象エリアの環境の評価を行ってもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 異常検知装置
2 濃度測定装置
3 収音装置
4 温度測定装置
5 湿度測定装置
6 撮像装置
7 情報出力装置
8 証明書発行装置
9 環境調整装置
10 濃度取得部
11 声量取得部
12 温度取得部
13 湿度取得部
14 密集度取得部
15 年齢取得部
16 異常検知部
17 異常情報送信部
18 環境評価部
19 環境調整部
100 異常検知システム
C コンピュータ