(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022012111
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】乗客コンベア
(51)【国際特許分類】
B66B 29/04 20060101AFI20220107BHJP
B66B 23/12 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
B66B29/04 B
B66B23/12 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020113688
(22)【出願日】2020-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大智
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321AA04
3F321CB01
3F321CB02
3F321GA11
3F321GA13
3F321GA22
(57)【要約】
【課題】閉鎖体の変形を抑制しつつ、トラス内への異物の落下を抑制することができる乗客コンベアを提供する。
【解決手段】本開示よる乗客コンベアは、トラス2と、往路部と帰路部とを含む無端状の移動経路を移動可能であり、トラス2に支持された複数の踏段4と、往路部に沿って配置され、往路部を移動する踏段4の側面に対向するスカートガード6と、を備えている。各踏段4は、閉鎖機構44と、連動機構45とを有し、閉鎖機構44は一対の閉鎖体440を有している。各閉鎖体440は、連動機構45によって、前進位置と、退避位置との位置をとることができる。閉鎖体440が前進位置にあるときには、踏段4とスカートガード6との間の隙間は、閉鎖体440で閉鎖される。逆姿勢状態Bの踏段4の各閉鎖体440は、退避位置に位置している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラスと、
往路部と帰路部とを含む無端状の移動経路を移動可能であり、前記トラスに支持された複数の踏段と、
前記往路部に沿って配置され、前記往路部を移動する前記踏段の側面に対向するスカートガードと、
前記トラスに設けられた一対の操作機構と、
を備え、
前記往路部を移動するときの各前記踏段の状態は、乗客を乗せることが可能な正姿勢状態となっており、
各前記踏段は、閉鎖機構と、連動機構とを有しており、
各前記閉鎖機構は、前記踏段の前記側面から突出する前進位置と前記前進位置よりも前記踏段側に退避した退避位置との間で前記踏段に対して移動可能な一対の閉鎖体とを有しており、
前記連動機構は、前記踏段に対する各前記閉鎖体の移動に連動し、
前記操作機構は、前記往路部の両端部に対応するそれぞれの位置に配置されており、
各前記操作機構は、前進用操作部及び退避用操作部を有しており、
各前記閉鎖体は、前記連動機構に前記前進用操作部が操作力を付与することで前記前進位置へ移動し、
各前記閉鎖体は、前記連動機構に前記退避用操作部が操作力を付与することで前記退避位置へ移動し、
各前記閉鎖体が前記前進位置に位置した状態では、前記踏段が前記往路部にあるときに、前記踏段の前記側面と前記スカートガードとの間の隙間が前記閉鎖体によって塞がれ、
前記帰路部を移動するときの前記踏段においては、前記閉鎖体が前記退避位置に位置している乗客コンベア。
【請求項2】
前記前進用操作部は、前記踏段の進行方向において、前記退避用操作部よりも、前記往路部の中央に近い位置に設けられている、
請求項1に記載された乗客コンベア。
【請求項3】
前記操作機構は、駆動装置と、前記駆動装置を制御する制御部と、を更に有し、
前記前進用操作部は、前記連動機構に当たる位置である突出位置と、前記連動機構に対して前記突出位置よりも後退している後退位置との間を移動可能であり、
前記駆動装置は、前記前進用操作部を移動させる駆動力を発生可能であり、
前記前進用操作部が前記突出位置にあるとき、前記前進用操作部は前記連動機構に当たることで操作力を前記連動機構に付与し、
前記前進用操作部が前記後退位置にあるとき、前記前進用操作部は、前記連動機構が移動する経路から外れており、
前記退避用操作部は、前記連動機構に当たる位置に配置されており、
前記退避用操作部は、前記連動機構に当たることで操作力を付与し、
前記制御部は、前記駆動装置を制御することで、前記前進用操作部を前記突出位置、又は前記後退位置に移動させる、
請求項1または請求項2に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
一対の検出器を更に備え、
前記検出器は、各乗降口に対応するそれぞれの位置に配置され、
前記検出器は、前記乗降口を通って前記踏段へ向かう乗客の有無を検出し、
前記制御部は、前記検出器の前記乗客の有無の検出結果に基づいて前記駆動装置を制御することで、前記前進用操作部を前記突出位置、又は前記後退位置に移動をさせる、
請求項3に記載の乗客コンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の踏段を有する乗客コンベアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の乗客コンベアでは、踏段の側面とスカートガードとの間の隙間からトラス内に異物が落下することを防止するために、隙間閉塞体であるブラシを踏段の側面に取付けていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されている従来技術においては、踏段がトラス内の帰路側を移動している際に隙間閉塞体がトラス内の構造物にあたることにより、隙間閉塞体の変形が発生するという問題があった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、閉鎖体の変形を抑制しつつ、トラス内への異物の落下を抑制することができる乗客コンベアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示による乗客コンベアは、トラスと、往路部と帰路部とを含む無端状の移動経路を移動可能であり、トラスに支持された複数の踏段と、往路部に沿って配置され、往路部を移動する踏段の側面に対向するスカートガードと、トラスに設けられた一対の操作機構と、を備え、往路部を移動するときの各踏段の状態は、乗客を乗せることが可能な正姿勢状態となっており、各踏段は、閉鎖機構と、連動機構とを有しており、各閉鎖機構は、踏段の側面から突出する前進位置と前進位置よりも踏段側に退避した退避位置との間で踏段に対して移動可能な一対の閉鎖体とを有しており、連動機構は、踏段に対する各閉鎖体の移動に連動し、操作機構は、往路部の両端部に対応するそれぞれの位置に配置されており、各操作機構は、前進用操作部及び退避用操作部を有しており、各閉鎖体は、連動機構に前進用操作部が操作力を付与することで前進位置へ移動し、各閉鎖体は、連動機構に退避用操作部が操作力を付与することで退避位置へ移動し、各閉鎖体が前進位置に位置した状態では、踏段が往路部にあるときに、踏段の側面とスカートガードとの間の隙間が閉鎖体によって塞がれ、帰路部を移動するときの踏段においては、閉鎖体が退避位置に位置している。
【発明の効果】
【0007】
本開示による乗客コンベアによれば、閉鎖体の変形を防止しつつ、異物の乗客コンベア内への落下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1による乗客コンベアの全体を示す側面図である。
【
図3】
図2のIII-III線に沿う断面図である。
【
図4】
図1におけるエスカレーターの乗降口の側面の拡大図である。
【
図5】
図3に対応する断面図であって、一対の閉鎖体が退避位置に位置しているときの状態を示す断面図である。
【
図6】実施の形態2による
図3に対応する断面図である。
【
図7】
図6のVII-VII線に沿う断面図である。
【
図8】
図6のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【
図9】実施の形態3によるエスカレーターの乗降口の側面の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による乗客コンベアの全体を示す側面図である。実施の形態1における乗客コンベアは、エスカレーター1である。
【0010】
下階LFと、下階LFよりも高い位置に位置する上階UFとの間には、トラス2が設置されている。トラス2の長手方向の第1端部は、トラス2の下端部として下階LFの建築部に支持されている。トラス2の長手方向の第2端部は、トラス2の上端部として上階UFの建築部に支持されている。また、トラス2は、トラス2の長手方向に直交するトラス2の幅方向を水平にして下階LFと上階UFとの間に設置されている。
【0011】
トラス2には、無端状に連結された複数の踏段4が支持されている。複数の踏段4は、トラス2の下端部とトラス2の上端部との間に設定された無端状の移動経路を循環移動する。各踏段4の移動経路は、トラス2の下端部と上端部との間にある往路部と、トラス2内において往路部の下方に位置する帰路部と、トラス2の下端部及び上端部において往路部と帰路部とを互いに繋ぐ一対の反転部とを有している。往路部を移動する各踏段の状態は、乗客を乗せることが可能な正姿勢状態Aとなる。帰路部を移動する各踏段の状態は、正姿勢状態Aに対して踏段4の上下が逆になる逆姿勢状態Bとなる。即ち、往路部上にある踏段4の状態は、正姿勢状態Aであり、帰路部上にある踏段4の状態は、逆姿勢状態Bである。
【0012】
エスカレーター1には、一対の乗降口5が設けられている。乗降口5は、エスカレーター1の長手方向両端部のそれぞれに位置している。乗降口5は、乗客が、下階LF或いは上階UFからエスカレーター1へ乗り込むための乗車側の通路、或いは、エスカレーター1から下階LF或いは上階UFへ降りるための降車側の通路となる。各乗降口5の床は、床板51にて構成されている。即ち、乗客は、床板51の上を通り、エスカレーター1に乗り降りする。床板51は、トラス2の上端部の上部及び下端部の上部に配置されている。
【0013】
トラス2の上部には、図示しない一対の欄干が設けられている。スカートガード6は、各欄干の下部に設けられている。一対のスカートガード6は、往路部にある複数の踏段4を挟むように互いに対向して配置されている。即ち、一対のスカートガード6は、往路部に沿って配置されている。各スカートガード6は、往路部を移動する踏段4の側面に対向している。
【0014】
トラス2の上端部の内部には、エスカレーター1の運転を制御する図示しない制御装置と、制御装置によって制御される図示しない駆動機とが設けられている。複数の踏段4は、駆動機の駆動力によって移動経路を循環移動する。
【0015】
トラス2には、一対の外側レール30と、一対の内側レール31とが支持されている。一対の外側レール30と一対の内側レール31とは、踏段4の移動を案内する。即ち、一対の外側レール30と一対の内側レール31とで、無端状に連結された複数の踏段4の移動経路が設定されている。
【0016】
トラス2には、一対の操作機構7が設けられている。操作機構7は、移動経路の往路部の両端部に対応するそれぞれの位置に配置されている。即ち、各床板51の下部に配置されている。
【0017】
図2は、
図1における踏段の斜視図である。
図3は、
図2のIII-III線に沿う断面図である。踏段4は、踏板41と、ブラケット42と、ライザ43と、閉鎖機構44と、連動機構45とを有している。本開示では、エスカレーター1を上から見たとき、踏板41の長さ方向は、踏段4の移動方向と一致している。エスカレーター1を上から見たとき、踏板41の幅方向は、踏段4の移動方向と直交している方向と一致している。踏板41の幅方向は、トラス2の幅方向と等しい。踏板41の乗客が乗る面を搭乗面とし、搭乗面の裏側の面を裏面とする。
【0018】
踏板41の裏面側には、閉鎖機構44と連動機構45とが設けられている。閉鎖機構44は、一対の閉鎖体440を有している。各閉鎖体440は、踏板41の幅方向に沿って移動可能である。
【0019】
各閉鎖体440は、閉鎖体本体441と、ブラシ取付部442と、ブラシによって構成されるブラシ部443とを有している。ブラシ取付部442は、長尺の部材であって、ブラシ取付部442の長手方向が踏板41の長さ方向に沿うように配置されている。ブラシ取付部442の長手方向の長さは、踏板41の長さ方向の長さに等しい。閉鎖体本体441の一端は、ブラシ取付部442の長手方向の中央部に接続されている。即ち、閉鎖体440は、ブラシ取付部442と閉鎖体本体441とでT字形状となっている。ブラシ取付部442において閉鎖体本体441が取り付けられている側とは反対側の部分には、ブラシ部443が設けられている。ブラシ部443は、ブラシ取付部442の長手方向に沿って設けられている。
【0020】
各閉鎖体440は、前進位置と退避位置との間を移動可能になっている。各閉鎖体440が前進位置に位置したとき、各閉鎖体440のスカートガード6に対向している先端部は、踏段4の側面よりも突出した位置に位置する。即ち、各閉鎖体440が前進位置に位置したとき、少なくともブラシ部443の先端部は、ブラケット42の開口部を通り、踏板41の幅方向の外側へ突出する。各閉鎖体440が退避位置に位置したとき、各閉鎖体440のスカートガード6に対向している先端部は、前進位置よりも踏段4側に退避した位置に位置する。即ち、各閉鎖体440が退避位置に位置したとき、ブラシ部443は、前進位置に位置したときよりも踏板41の幅方向の内側の位置に位置している。
【0021】
閉鎖体440が前進位置に位置しているとき、ブラシ部443は、対向するスカートガード6に当たる。これにより、スカートガード6と踏段4との間の隙間を閉鎖することができる。
図2及び
図3は、各閉鎖体440が前進位置に位置しているときの状態を示している。
【0022】
連動機構45は、閉鎖受け部材451と、退避受け部材452と、回転部材453と、伝達部材454と、一対のリンク部材455と、一対の閉鎖保持部材457と、一対の退避保持部458とを有している。
【0023】
閉鎖受け部材451は、棒状の本体部4511と、本体部4511の長手方向の中間の位置に設けられた大径部4510とを有している。閉鎖受け部材451は、一対の閉鎖ステー4512によって支持されている。各閉鎖ステー4512は、図示していない部材により、踏板41の裏面に支持されている。各閉鎖ステー4512には、本体部4511の外径より大きく、大径部4510の外径より小さい径を有する貫通穴が設けられている。各貫通穴には、本体部4511が挿入されている。大径部4510は、一対の閉鎖ステー4512の間に位置している。これにより、閉鎖受け部材451は、一対の閉鎖ステー4512から抜け落ちることがない。
【0024】
退避受け部材452は、棒状の本体部4521と、本体部4521の長手方向の中間の位置に設けられた大径部4520とを有している。退避受け部材452は、一対の退避ステー4522によって支持されている。各退避ステー4522は、図示していない部材により、踏板41の裏面に支持されている。各退避ステー4522には、本体部4521の外径より大きく、大径部4520の外径より小さい径を有する貫通穴が設けられている。各貫通穴には、本体部4511が挿入されている。大径部4520は、一対の退避ステー4522の間に位置している。これにより、退避受け部材452は、一対の退避ステー4522から抜け落ちることがない。
【0025】
閉鎖受け部材451と、退避受け部材452とは、踏板41の裏面の法線方向に沿って移動可能である。
【0026】
回転部材453は、回転部材453の中央を中心として回転可能に踏板41の裏面に支持されている。回転部材453は、踏板41に近付く方向へ移動した閉鎖受け部材451によって回転部材453の一端を押され、回転部材453の中央を中心に一方向に回転する。回転部材453は、踏板41に近付く方向へ移動した退避受け部材452によって回転部材453の他端を押され、回転部材453の中央を中心に一方向とは反対方向の他方向に回転する。
【0027】
伝達部材454の一端は、回転部材453の一端に回転可能に連結されている。各リンク部材455の一端は、互いに回転可能に連結されている。各リンク部材455の一端は、更に伝達部材454の他端に回転可能に連結されている。各リンク部材455の他端は、対応する閉鎖体本体441の端部に回転可能に連結されている。
【0028】
閉鎖保持部材457は、踏板41の裏面に支持されている。閉鎖保持部材457は、閉鎖体440を支持している。閉鎖体440に対向する閉鎖保持部材457の面には、凹部4570が設けられている。凹部4570は、前進位置に位置した閉鎖体440のブラシ取付部442が嵌り込む位置に設けられている。
【0029】
退避保持部458は、踏板41の裏面に設けられている凸部である。退避保持部458は、退避位置に位置した閉鎖体440のブラシ取付部442よりも、踏板41の幅方向において外側に設けられている。
【0030】
踏段4が正姿勢状態Aであるとき、凹部4570には、前進位置に位置した閉鎖体440のブラシ取付部442が嵌まり込む。これにより、閉鎖体440が退避位置に移動することが阻止され、閉鎖体440の位置は、前進位置に維持される。逆姿勢状態Bにある踏段4では、退避位置に位置した閉鎖体440において、ブラシ取付部442が退避保持部458に引っかかる。これにより、閉鎖体440が前進位置に移動することが阻止され、閉鎖体440の位置は、退避位置に維持される。
【0031】
図4は、
図1におけるエスカレーターの乗降口の側面の拡大図である。
図4には、無端状に連結された複数の踏段4のうち、2つの踏段4のみが図示されている。
図4には、一対の乗降口5のうちの下階LFの乗降口5の側面のみが図示されている。矢印Cはエスカレーター1の運転方向であり、各踏段4の移動方向である。操作機構7は、前進用操作部71と、退避用操作部72とを有している。
【0032】
操作機構7は、上からみたときに、踏段4の幅より内側に設けられている。操作機構7は、
図4中の線L1と線L2との間に設けられている。線L1は、踏段4の移動経路が反転部から往路部に代わる位置を通る鉛直線である。線L2は、床板51の端部の先端を通る鉛直線である。踏段4は、線L2を通過すると、床板51から露出する。
【0033】
前進用操作部71は、退避用操作部72よりも、線L2に近い位置に設けられている。踏板41の幅方向において前進用操作部71の位置と退避用操作部72の位置とは、互いに異なっている。
【0034】
前進用操作部71は、前進用操作部71の直上を通過する踏段4の閉鎖受け部材451に当たる位置に設けられている。退避用操作部72は、前進用操作部71の直上を通過する踏段4の退避受け部材452に当たる位置に設けられている。即ち、前進用操作部71と、退避用操作部72とは、連動機構45が移動する経路上に、前進用操作部71の頂部と、退避用操作部72の頂部とが位置するようにトラス2に固定されている。
【0035】
図5は、
図3に対応する断面図であって、一対の閉鎖体440が退避位置に位置しているときの状態を示す断面図である。
【0036】
次に、本実施の形態1のエスカレーター1の動作について説明する。
【0037】
エスカレーター1の運転が開始されると、無端状に連結された複数の踏段4は、無端状の移動経路上を循環移動する。これにより、各踏段4は、正姿勢状態Aと逆姿勢状態Bとを交互にとる。
図4において、踏段4が矢印Cの方向へ移動すると、踏段4は、移動経路にける反転部を通過し往路部に入る。往路部に入った踏段4の状態は、正姿勢状態Aとなる。踏段4が更に移動すると、退避用操作部72が、退避受け部材452に当たる。即ち、操作機構7から連動機構45に操作力が付与される。
【0038】
退避用操作部72が退避受け部材452に当たることで、
図5に見られるように、退避受け部材452が押し上げられる。これにより、回転部材453が他方向である退避方向に回転する。回転部材453の一端は引き下げられ、回転部材453に連結された伝達部材454も引き下げられる。これにより、伝達部材454に連結された一対のリンク部材455の一端は、引き下げられる。従って、各閉鎖体440の端部は、引っ張られ、各閉鎖体440は、退避位置に移動する。
【0039】
エスカレーター1の運転により、さらに踏段4が移動すると、退避受け部材452は、退避用操作部72から離れる。これにより、退避受け部材452は、下方に落下する。即ち、操作機構7から連動機構45に伝えられていた操作力が無くなる。退避受け部材452が落下しても、連動機構45の各部材の重さにより、一対の閉鎖体440は、退避位置に維持される。例えば、一対のリンク部材455の重さは、回転部材453が退避方向に回転した位置を維持できる程度の重さである。
【0040】
さらに、エスカレーター1の運転が進むと、前進用操作部71が閉鎖受け部材451に当たる。即ち、操作機構7から連動機構45に操作力が伝えられる。すると、閉鎖受け部材451は、押し上げられる。
図3は、このときの状態を示している。押し上げられた閉鎖受け部材451により、回転部材453は、退避方向と反対の方向である閉鎖方向へ回転する。そして、回転部材453は、伝達部材454を押上げる。これにより、一対のリンク部材455の一端が押上げられ、各閉鎖体440は、前進位置に移動する。各閉鎖体440が前進位置に位置すると、各ブラシ取付部442は、凹部4570に引っ掛かる。このことで、一対の閉鎖体440は、前進位置に留まることができる。
【0041】
さらに、エスカレーター1の運転が進むと、踏段4が移動し、前進用操作部71から閉鎖受け部材451が離れる。これにより、閉鎖受け部材451が下方に落下する。即ち、操作機構7から連動機構45に伝えられていた操作力が無くなる。閉鎖受け部材451が落下しても、各ブラシ取付部442が凹部4570に引っ掛かることで一対の閉鎖体440は、前進位置に維持される。
【0042】
さらに、エスカレーター1の運転が進むと、踏段4は、乗客が降りる側の乗降口5に到達する。すると、まず前進用操作部71が閉鎖受け部材451に当たる。しかし、既に一対の閉鎖体440の位置は、前進位置に維持されてるので、一対の閉鎖体440の位置は変わらない。
【0043】
さらに、エスカレーター1の運転が進むと、閉鎖受け部材451は、前進用操作部71から離れる。次いで、退避受け部材452は、退避用操作部72に近付き、やがて、退避受け部材452に退避用操作部72が当たる。退避用操作部72から操作力を受けた連動機構45は、一対の閉鎖体440を退避位置に移動させる。さらにエスカレーター1の運転が進むと、退避受け部材452は、退避用操作部72から離れる。その後、踏段4は、移動経路の往路部から反転部に入り、ついで、帰路部に入る。このとき、踏段4の状態は、正姿勢状態Aから逆姿勢状態Bへと遷移する。
【0044】
踏段4が逆姿勢状態Bとなると、一対の閉鎖体440は、自重により踏板41に近づくように落下する。このとき、一対の閉鎖体440は、退避位置に位置しているので、ブラシ取付部442は、退避保持部458に引っ掛かる。このことで、一対の閉鎖体440は、退避位置に維持される。踏段4は、この状態で帰路部に沿って移動し、乗客が乗る側の乗降口5に到達する。
【0045】
この後は、踏段4は無端状の移動経路に沿って移動する。このため、エスカレーター1の運転が続く限り、踏段4は、上記の動作を繰り返し行う。
【0046】
このようなエスカレーター1では、一対の閉鎖体440は、連動機構45によって、前進位置と、退避位置との間にて移動可能である。かつ、踏段4が正姿勢状態Aのとき、各閉鎖体440は、前進位置に位置している。即ち、踏段4が正姿勢状態Aのときは、各閉鎖体440は、踏段4から対抗するスカートガード6へ突出している。したがって、一対の閉鎖体440がスカートガード6と踏段4との間の隙間を塞ぎ、トラス2内への異物の落下を抑制することができる。そして、踏段4が逆姿勢状態Bのとき、各閉鎖体440は、退避位置に位置している。即ち、踏段4が逆姿勢状態Bのときは、閉鎖体440は、踏段4の内部に退避している。したがって、一対の閉鎖体440がトラス2内の構造体に当たることを防ぐことができ、各閉鎖体440を抑制することができる。
【0047】
また、操作機構7は、各乗降口5に対応する位置に配置されている。これにより、乗客コンベアの運転方向に依らず一対の閉鎖体440を前進位置又は退避位置に移動させることができる。従って汎用性に富むエスカレーターを提供することができる。
【0048】
また、前進用操作部71は、退避用操作部72より、往路部の中央に近い位置に設けられている。このことで、各踏段4が往路部から反転部に移動するときには、一対の閉鎖体440を常に機械的に退避位置に位置させることができる。したがって、踏段4が帰路部を移動しているときに、一対の閉鎖体440がエスカレーター1の下部側面の構造体に当たることを抑制することができる。よって、一対の閉鎖体440がトラス2内の構造体に当たることを防ぐことができ、各閉鎖体440の変形することを抑制することができる。
【0049】
なお、実施の形態1における各操作機構7は、トラス2に支持されている。しかし、これに限ったものではない。例えば、一対の外側レール30、或いは一対の内側レール31のいずれか一方に支持されてもよい。
【0050】
また、実施の形態1におけるブラシ部443はブラシを有している。しかし、これに限ったものではない。ブラシにかえて、ブラシ部443がスカートガード6の表面に接してもスカートガード6の表面に極力傷をつけることのない剛性であって、スカートガード6と踏段4との間の隙間を閉鎖する剛性を有する部材を用いてもよい。例えば、軟質樹脂、ゴム、或いは布といった柔軟性のある部材を用いてもよい。
【0051】
また、実施の形態1では、一対の閉鎖体440を前進位置又は退避位置に維持するためには、閉鎖保持部材457の凹部4570、又は退避保持部458を用いている。しかし、これに限ったものではない。例えば、ストッパとなる機械的機構を、回転部材453の回転軸、あるいは一対のリンク部材455に用いてもよい。連動機構45の各部材に適宜ばね部材を用いてもよい。連動機構45の各部材において、回転可能に連結されている箇所に、プラスチック、ゴムといった軟質部材を介在させて、各部材の回転時の抵抗としてもよい。これによって、予期しない各部材の回転移動を防ぐことができる。
【0052】
実施の形態2.
図6は、実施の形態2による
図3に対応する断面図である。
図7は、
図6のVII-VII線に沿う断面図である。
図8は、
図6のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【0053】
連動機構45は、閉鎖受け部材451と、退避受け部材452と、ワイヤー機構461と、シャフト部材462と、一対のラック部材463と、一対の閉鎖保持部材457と、一対の退避保持部458とを有している。
図6には、閉鎖受け部材451と、退避受け部材452と、一対の閉鎖保持部材457と、一対の退避保持部458とは図示していない。
【0054】
ワイヤー機構461は、リング4610と、一対のワイヤー4611と、踏板41の裏面に支持された一対の支持部材4612とを備えている。支持部材4612は、パイプといった中空部材である。各ワイヤー4611は、支持部材4612に挿入されて支持されている。各ワイヤー4611の一端は、リング4610に連結されている。各ワイヤー4611は、支持部材4612に倣い、90°曲げられている。即ち、各ワイヤー4611の他端は、踏板41の裏面から離れる方向に向うように配置されている。
【0055】
閉鎖受け部材451は、踏板41に近付く方向へ移動することで、一対のワイヤー4611のうち一方のワイヤー4611の他端を押すことができる位置に配置されている。退避受け部材452は、踏板41に近付く方向へ移動したとき、一対のワイヤー4611のうち他方のワイヤー4611の他端を押すことができる位置に配置されている。
【0056】
シャフト部材462は、踏板41の裏面に、回転可能に支持されている。シャフト部材462の回転軸線の方向は、踏板41の裏面の法線方向と同一である。
【0057】
シャフト部材462は、シャフト本体4620と、シャフト本体4620の踏板41から遠い端部に設けられた突出ピン4621とを有している。シャフト本体4620の踏板41に近い端部には、シャフト本体4620の表面に歯が形成された歯車部4622が設けられている。突出ピン4621は、シャフト本体4620の半径方向に沿って突出するようにシャフト本体4620の外周面に設けられている。突出ピン4621は、リング4610に挿入されるように配置されている。
【0058】
ラック部材463は、ラック部材463の一端に、歯型が形成されているラック部4631が設けられている。
図7にあるように、一対のラック部材463は、歯車部4622を挟んで互いに対向するように配置されている。各ラック部4631は、歯車部4622と噛み合わさっている。
【0059】
各ラック部材463の他端は、踏板41の幅方向外側に向かうように配置されている。各ラック部材463の他端は、対応する閉鎖体440の端部に連結されている。
【0060】
次に、本実施の形態2のエスカレーター1の動作について説明する。
【0061】
エスカレーター1が運転されると、退避用操作部72が退避受け部材452に当たる。すると、退避受け部材452は押し上げられる。これにより、一対のワイヤー4611のうちの他方のワイヤー4611の端部も同時に押し上げられる。他方のワイヤー4611は、支持部材4612により移動方向を変えられ、リング4610を踏板41の幅方向の一方の方向へ押す。リング4610が移動することで、突出ピン4621が押され、シャフト本体4620が一方の方向へ回転する。歯車部4622とラック部が噛み合ってるため、シャフト本体4620の回転により、一対のラック部材463は、踏板41の幅方向の内側方向に移動する。したがって、一対のラック部材463は、一対の閉鎖体440を退避位置に移動させる。
【0062】
前進用操作部71が閉鎖受け部材451に当たると、閉鎖受け部材451は押し上げられる。押し上げられた閉鎖受け部材451により、一対のワイヤー4611のうちの一方のワイヤー4611の端部も同時に押し上げられる。一方のワイヤー4611は、支持部材4612により移動方向を変えられ、リング4610を踏板41の幅方向の一方の方向とは逆の方向の他方の方向へ押す。リング4610が移動することで、突出ピン4621が押され、シャフト本体4620は一方の方向とは逆の方向の他方の方向へ回転する。シャフト本体4620の回転により、一対のラック部材463は、踏板41の幅方向の外側方向に移動する。したがって、一対のラック部材463は、一対の閉鎖体440を前進位置に移動させる。
【0063】
本実施の形態2における他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0064】
このような構成によっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0065】
実施の形態3.
図9は、実施の形態3によるエスカレーターの乗降口の側面の拡大図である。
図9は、実施の形態1における
図4に対応する図である。
【0066】
エスカレーター1は、一対の検出器8を更に備えている。各検出器8は、スカートガード6に設けられている。検出器8は、各乗降口5に対応するそれぞれの位置に配置される。検出器8は、乗降口5に乗客がいるか否かを検出する。即ち、検出器8は、乗降口5を通って、踏段4に向かう乗客の有無を検出する。
【0067】
操作機構7は、駆動装置73と、図示しない制御部とを更に有している。駆動装置73は、前進用操作部71を突出位置と後退位置との間で移動させる駆動力を発生することができる。突出位置は、前進用操作部71が突出した位置で、閉鎖受け部材451に当たる位置である。即ち、前進用操作部71が突出位置に位置すると、連動機構45の移動経路上に前進用操作部71の頂部が位置する。後退位置は、前進用操作部71が後退した位置で、閉鎖受け部材451に当たらない位置である。即ち、前進用操作部71が後退位置に位置すると、連動機構45の移動経路上から前進用操作部71が外れる。駆動装置73は、周知な機構を用いることができる。周知な機構としては、例えば、電磁弁を用いた空気圧又は油圧によって駆動する機構、モーターを用いて電気的に駆動する機構といった機構である。
【0068】
検出器8は、乗降口5に乗客がいるか否かの検出結果に基づいた信号を制御部に出力する。制御部は、検出器8から入力された信号に基づき、駆動装置73を制御する。駆動装置73は、前進用操作部71を突出位置か後退位置に移動をさせる力を発生する。制御部は、予め設定された条件に基づいて駆動装置73を制御する。
【0069】
制御部には、エスカレーター1の回転方向の情報が入力される。制御部は、エスカレーター1の回転方向の情報に基づいて、各操作機構7が、エスカレーター1の乗車側の乗降口5に位置しているか、又はエスカレーター1の降車側の乗降口5に位置しているかを認識する。エスカレーター1の降車側の乗降口5に設けられた操作機構7における制御部は、前進用操作部71が常に後退位置に位置するように駆動装置73を制御する。これにより、前進用操作部71による一対の閉鎖体440の移動はない。
【0070】
エスカレーター1の乗車側の乗降口5に設けられた操作機構7の制御部は、以下の通り駆動装置73を制御する。
【0071】
制御部は、検出器8が乗客を検出した時点のT1秒後からT2秒の間、前進用操作部71が突出位置に位置するように駆動装置73を制御する。それ以外の時間には、制御部は、前進用操作部71が後退位置に位置するように駆動装置73を制御する。ここで、T1≧0、T2>0である。
【0072】
T1及びT2の設定は、適宜設定することができる。例えば、上り用として運転されているエスカレーター1では、乗客が乗った踏段4Aと、その後ろに続く2つの踏段4bと、踏段4cについて、各踏段4とスカートガード6との間の隙間を塞ぐ必要があるとする。この場合、T1には、検出器8が乗客を検知してから乗客が乗り込むと予想される踏段4Aの閉鎖受け部材451に前進用操作部71が当たるように駆動装置73が制御されて駆動力を発生するまでの時間を設定する。T1の時間は、例えば、踏段4の移動速度、検出器8が検出したときの乗客の位置、前進用操作部71の設置位置、乗客の乗降口5での移動速度といった要素に基づいて設定される。例えば、踏段4の移動速度が速いほど、T1は小さくなる方向で設定される。例えば、検出器8が検出したときの乗客と踏段4との間の距離が遠いほど、T1は大きくなる方向で設定される。
【0073】
T2の時間は、前進用操作部71が突出位置に移動した後、踏段4A、踏段4b、及び踏段4cの各閉鎖受け部材451が前進用操作部71に当たり、前進用操作部71の直上を通過し終えるまでの時間を設定する。T2の時間は、例えば、踏段4の移動速度、前進用操作部71の移動速度といった複数の要素に基づき設定される。例えば、踏段4の移動速度が速いほど、T2は小さくなる方向で設定される。
【0074】
このようにT1とT2との時間を設定することにより、乗客が乗り込む踏段4Aから踏段4cまでの踏段の一対の閉鎖体440を前進位置に位置させることができる。
【0075】
エスカレーター1が下り用として運転されている場合では、例えば、乗客が乗った踏段4Aと、踏段4Aの1つ前方の踏段4dと、踏段4dの1つ前方の踏段4eについて、各踏段4とスカートガード6との間の隙間を塞ぐ必要があるとする。この場合、T1には、検出器8が乗客を検知してから、乗客が乗り込むと予想される踏段4Aより2つ前方の踏段4eの閉鎖受け部材451に前進用操作部71が当たるように駆動装置73の駆動力を発生させるように制御するまでの時間を設定する。
【0076】
このとき、エスカレーター1が上り用で運転されている場合とは異なり、下り用で運転されている場合には、T1=0であるときがある。即ち、検出器8が乗客を検出したらすぐさま駆動装置73を前進用操作部71が突出位置に位置するように制御させる必要がある場合がある。これにより、最も前方の踏段4eの一対の閉鎖体440を前進位置に位置させることができる。なお、エスカレーター1の移動速度によっては、踏段4eの一対の閉鎖体440を前進位置に位置させることが不可能な場合がある。このような場合になったときは、例えば、踏段4の移動速度を遅くする、検出器8による乗客の検出を更に早い段階で検出できるようにする、又は前進用操作部71の設置位置を
図9における線L2近づける、即ち、往路部の中央に更に近づけるといったことを実施する必要がある。
【0077】
T2の時間は、前進用操作部71が突出位置に移動した後、踏段4e、踏段4d及び踏段4Aの各閉鎖受け部材451が前進用操作部71に当たり、前進用操作部71の直上を通過し終えるまでの時間を設定すればよい。
【0078】
このようにT1とT2との時間を設定することにより、乗客が乗り込む踏段4Aから先行する踏段4e及び踏段4dの一対の閉鎖体440を前進位置に位置させることができる。
【0079】
本実施の形態3における他の構成は、実施の形態1又は実施の形態2と同様である。
【0080】
このようなエスカレーター1では、正姿勢状態Aにある踏段4の一対の閉鎖体440の位置を、任意の条件に基づいて、前進位置とするか退避位置とするかを決定することができる。このことで、スカートガード6と閉鎖体440との不要な接触をより一層減らすことができる。これにより、各閉鎖体440の変形することを抑制することができる。また、スカートガード6表面の傷の発生を抑えることができる。さらに、スカートガード6と各閉鎖体440との摩擦による騒音を防ぐことができる。
【0081】
また、各乗降口5に配置した検出器8の検出結果に基づいて、乗客の有無に応じて一対の閉鎖体440を突出位置又は退避位置に移動させることができる。このことで、スカートガード6と閉鎖体440との不要な接触をより一層減らすことができる。これにより、各閉鎖体440の変形することを抑制することができる。また、スカートガード6表面の傷の発生を抑えることができる。さらに、スカートガード6と各閉鎖体440との摩擦による騒音を防ぐことができる。
【0082】
なお、実施の形態3の検出器8は、複数設けてもよい。例えば、各スカートガード6に検出器8を設けてもよい。即ち、対向するように1対の検出器8を設けてもよい。これにより、複数の検出器8による、乗客のより確実な検出をすることができる。さらに、検出器8を乗降口5の経路に沿って複数設けてもよい。これにより、乗客の移動速度を算出することができる。したがって、移動速度に応じて操作機構7を制御することができる。したがって、乗客の移動速度に対応して、最適な踏段4の一対の閉鎖体440を前進位置に位置させることが可能となる。これにより、トラス2内への異物の落下をより抑制することができる。
【0083】
また、実施の形態1~3におけるエスカレーターは、動く歩道であってもよい。即ち、実施の形態1~3における技術思想は、乗客コンベア全般に用いることができる。
【符号の説明】
【0084】
1 エスカレーター、2 トラス、4 踏段、5 乗降口、6 スカートガード、7 操作機構、8 検出器、30 外側レール、31 内側レール、41 踏板、42 ブラケット、43 ライザ、44 閉鎖機構、45 連動機構、71 前進用操作部、72 退避用操作部、73 駆動装置、440 閉鎖体、441 閉鎖体本体、442 ブラシ取付部、443 ブラシ部、451 閉鎖受け部材、452 退避受け部材、453 回転部材、454 伝達部材、455 リンク部材、457 閉鎖保持部材、458 退避保持部、461 ワイヤー機構、462 シャフト部材、463 ラック部材、4510 大径部、4511 本体部、4512 閉鎖ステー、4520 大径部、4521 本体部、4522 退避ステー、4570 凹部、4610 リング、4611 ワイヤー、4612 支持部材、4620 シャフト本体、4621 突出ピン、4622 歯車部、4631 ラック部。