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特開2022-121139シャワーヘッド用パッキン及びシャワーヘッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121139
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】シャワーヘッド用パッキン及びシャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/38 20060101AFI20220812BHJP
   B05B 1/18 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
A47K3/38
B05B1/18 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021018319
(22)【出願日】2021-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000242378
【氏名又は名称】株式会社KVK
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】加藤 喜好
(72)【発明者】
【氏名】玉木 孝典
【テーマコード(参考)】
2D132
4F033
【Fターム(参考)】
2D132FA04
2D132FA05
2D132FC01
2D132FC04
2D132FD02
2D132FJ04
2D132FJ12
4F033AA11
4F033BA04
4F033DA05
4F033EA01
4F033LA10
(57)【要約】
【課題】シャワーヘッドに取り付ける際の作業効率を向上させる。
【解決手段】シャワーヘッドの吐水孔32に着脱可能に構成されたシャワーヘッド用パッキン40であって、筒状の本体42を有し、本体42の軸方向における中央部の外周に、シャワーヘッドにおける吐水孔32の周縁に係合する溝部43が設けられている。本体42の軸方向における溝部43よりも一端側と他端側とが対称であり、溝部43よりも一端側、及び、溝部43よりも他端側のいずれか一方は、吐水孔32に挿入される挿入部であり、溝部43よりも一端側、及び、溝部43よりも他端側のいずれか他方は、吐水孔32に着脱する際に作業者が把持する把持部である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワーヘッドの吐水孔に着脱可能に構成されたパッキンであって、
筒状の本体を有し、
前記本体の軸方向における中央部の外周に、前記シャワーヘッドにおける前記吐水孔の周縁に係合する溝部が設けられており、
前記本体の軸方向における前記溝部よりも一端側と他端側とが対称であり、
前記溝部よりも一端側、及び、前記溝部よりも他端側のいずれか一方は、前記吐水孔に挿入される挿入部であり、
前記溝部よりも一端側、及び、前記溝部よりも他端側のいずれか他方は、前記吐水孔に着脱する際に作業者が把持する把持部であることを特徴とするシャワーヘッド用パッキン。
【請求項2】
前記本体は、前記溝部よりも一端側、及び、前記溝部よりも他端側が、先細形状となっている請求項1に記載のシャワーヘッド用パッキン。
【請求項3】
前記先細形状は、前記本体の一端側の端部から前記溝部に向かって拡径するラッパ型の形状と、前記本体の他端側の端部から前記溝部に向かって拡径するラッパ型の形状とを有する請求項2に記載のシャワーヘッド用パッキン。
【請求項4】
シャワーヘッドの吐水孔に対して、前記シャワーヘッドの外側から着脱可能に構成されたパッキンであって、
筒状の本体を有し、
前記本体の軸方向における中央部の外周に、前記シャワーヘッドにおける前記吐水孔の周縁に係合する溝部が設けられており、
前記本体の軸方向における前記溝部よりも一端側は、先細形状であって、前記吐水孔に挿入される挿入部であり、
前記本体の軸方向における前記溝部よりも他端側は、前記吐水孔に着脱する際に作業者が把持する把持部であることを特徴とするシャワーヘッド用パッキン。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載されたシャワーヘッド用パッキンを備えるシャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワーヘッド用パッキン及びシャワーヘッド用パッキンを備えるシャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、シャワーヘッドについて記載している。
図8に示すように、シャワーヘッド60は、外ケース61と、外ケース61の内部に配置された内ケース62とを有している。また、シャワーヘッド60は、内ケース62の下端部に接続された底部63と、底部63の下側に配置されてカバーとしても機能する平すべり弁64とを有している。平すべり弁64は、底部63に対して回転自在である。内ケース62と底部63とによって水室Pが形成されている。
【0003】
底部63は弾性材料で形成されており、ホース状の端部部材63aが突出した状態で一体に設けられている。端部部材63aは、水室P内の湯水が流出する水流出口63bを有している。端部部材63aの先端は、平すべり弁64の孔64aに嵌め込まれている。平すべり弁64を回転させると、平すべり弁64の孔64aの壁が端部部材63aを軽打することにより、端部部材63aの水流出口63bに堆積したカルキ等を除去することができる。
【0004】
図9には、変更例として、端部部材63aを底部63とは別部材のホース状部材65で形成した態様が開示されている。ホース状部材65は、内カラー65aと外カラー65bとを有している。内カラー65aと外カラー65bの間に底部63を挟み込んだ状態で、ホース状部材65は底部63の個々の孔63cに取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3-202164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図9に示されるホース状部材65は、軸方向における一端側の形状と他端側の形状とが似ているため、ホース状部材65を底部63の孔63cに取り付ける際に、作業者はホース状部材65の向きを間違える虞があった。ホース状部材65の向きを慎重に確認しながら取り付ける必要があるため、作業効率が低下するという課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためのシャワーヘッド用パッキンは、シャワーヘッドの吐水孔に着脱可能に構成されたパッキンであって、筒状の本体を有し、前記本体の軸方向における中央部の外周に、前記シャワーヘッドにおける前記吐水孔の周縁に係合する溝部が設けられており、前記本体の軸方向における前記溝部よりも一端側と他端側とが対称であり、前記溝部よりも一端側、及び、前記溝部よりも他端側のいずれか一方は、前記吐水孔に挿入される挿入部であり、前記溝部よりも一端側、及び、前記溝部よりも他端側のいずれか他方は、前記吐水孔に着脱する際に作業者が把持する把持部であることを要旨とする。
【0008】
この構成によれば、パッキンの本体の軸方向における溝部よりも一端側と他端側とが対称であることにより、パッキンの一端側と他端側のいずれをも挿入部として用いることができる。パッキンの向きを確認することなく吐水孔に取り付けることができるため、作業効率を向上させることができる。
【0009】
上記シャワーヘッド用パッキンについて、前記本体は、前記溝部よりも一端側、及び、前記溝部よりも他端側が、先細形状となっていることが好ましい。この構成によれば、パッキンの挿入部を吐水孔に挿入しやすくなるため、パッキンを吐水孔に容易に取り付けることができる。
【0010】
上記シャワーヘッド用パッキンについて、前記先細形状は、前記本体の一端側の端部から前記溝部に向かって拡径するラッパ型の形状と、前記本体の他端側の端部から前記溝部に向かって拡径するラッパ型の形状とを有することが好ましい。この構成によれば、挿入部の先端部の外径を維持しつつ、挿入部の先端部と基端部の間の外径を相対的に小さくすることができる。そのため、挿入部の先端部の外径を維持しつつ、挿入部を吐水孔に挿入しやすくすることができる。
【0011】
上記課題を解決するためのシャワーヘッド用パッキンは、前記シャワーヘッドの吐水孔に対して、前記シャワーヘッドの外側から着脱可能に構成されたパッキンであって、筒状の本体を有し、前記本体の軸方向における中央部の外周に、前記シャワーヘッドにおける前記吐水孔の周縁に係合する溝部が設けられており、前記本体の軸方向における前記溝部よりも一端側は、先細形状であって、前記吐水孔に挿入される挿入部であり、前記本体の軸方向における前記溝部よりも他端側は、前記吐水孔に着脱する際に作業者が把持する把持部であることを要旨とする。
【0012】
この構成によれば、パッキンの本体の軸方向における溝部よりも一端側が先細形状であることにより、パッキンを吐水孔に容易に取り付けることができる。また、作業者はパッキンの挿入部を認識しやすい。パッキンの向きを容易に確認することができるため、作業効率を向上させることができる。
【0013】
上記のシャワーヘッド用パッキンを備えるシャワーヘッドであることが好ましい。この構成によれば、上記シャワーヘッド用パッキンの効果を奏するシャワーヘッドとすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のシャワーヘッド用パッキンによれば、シャワーヘッドに取り付ける際の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】オーバーヘッドシャワーの斜視図。
図2】シャワーヘッドの分解斜視図。
図3】シャワーヘッド用パッキンの斜視図。
図4】シャワーヘッドの断面図。
図5図4の部分拡大図。
図6】変更例のシャワーヘッド用パッキンの斜視図。
図7】別の変更例のシャワーヘッド用パッキンの斜視図。
図8】従来技術のシャワーヘッドの断面図。
図9】従来技術のホース状部材の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
シャワーヘッド用パッキンの実施形態を説明する。
本実施形態では、本発明のシャワーヘッド用パッキンをオーバーヘッドシャワーのシャワーヘッドに用いている。
【0017】
図1に示すように、オーバーヘッドシャワー10は、給水管11と、給水管11の先端に取り付けられたシャワーヘッド12とを有する。
図2、4に示すように、シャワーヘッド12は、板状のバックプレート20と、バックプレート20に接続された板状のフェイスプレート30とを有する。バックプレート20の中央部には、バックプレート20の板材が給水管11側に湾曲することによって凹部21が形成されている。この凹部21の中央部に給水管11が接続されている。バックプレート20の周縁部には、バックプレート20の板材が給水管11側とは反対のフェイスプレート30側に湾曲することによって周壁22が形成されている。周壁22のさらに外周側にフランジ部23が形成されている。
【0018】
フェイスプレート30とバックプレート20とが重ね合わされ、フェイスプレート30の外周縁31とバックプレート20のフランジ部23が接続されることによって、両者の間に水室Rが形成される。この水室R内に、給水管11からの湯水が供給される。
【0019】
フェイスプレート30の外周縁31とバックプレート20のフランジ部23を接続する方法は特に制限されず、公知の接続方法を採用することができる。公知の接続方法としては、例えば、溶接や、ろう・はんだ付け等によって接合してもよいし、ネジ等の部材を用いて接続してもよい。
【0020】
フェイスプレート30の板面には、複数の吐水孔32が設けられている。各吐水孔32には、シャワーヘッド用パッキン40が取り付けられている。水室R内に供給された湯水は、シャワーヘッド用パッキン40の貫通孔41を通って吐水される。吐水孔32にシャワーヘッド用パッキン40が取り付けられていることにより、オーバーヘッドシャワー10を使用状態から停止状態に切り換えた際に、シャワーヘッド用パッキン40の高さ分、水室R内に貯水しておくことができる。そのため、吐水孔32からの湯水の滴下をすばやく停止することができる。
【0021】
シャワーヘッド用パッキン40について説明する。
図3~5に示すように、シャワーヘッド用パッキン40は、筒状の本体42を有している。本体42の内部には、軸方向に沿って貫通孔41が設けられている。本体42の軸方向に直交する断面である横断面において、本体42の外形は円形状であるとともに、貫通孔41も円形状である。本体42の軸方向における中央部の外周に、全周に亘って溝部43が設けられている。
【0022】
図3、5に示すように、シャワーヘッド用パッキン40の本体42は、本体42の軸方向における溝部43よりも一端側、及び、溝部43よりも他端側が、先細形状となっている。具体的には、シャワーヘッド用パッキン40の本体42は、本体42の一端側の端部42aから溝部43に向かって拡径するラッパ型の形状と、本体42の他端側の端部42bから溝部43に向かって拡径するラッパ型の形状とを有している。ラッパ型の形状は、擬球面に沿う形状と言い換えることができる。
【0023】
また、シャワーヘッド用パッキン40の本体42は、一端側と他端側とが対称となっている。言い換えれば、本体42の軸方向における溝部43よりも一端側と他端側とが同一形状である。
【0024】
なお、上記先細形状には、シャワーヘッド用パッキン40の本体42の軸方向における端部に必然的に設けられる角部の面取りのようなテーパ面、例えば、図7の面Fは含まないものとする。
【0025】
図5に示すように、本体42の軸方向に沿う溝部43の長さ、言い換えれば、溝部43の幅Sは、特に制限されないが、フェイスプレート30の厚さTよりも若干小さいことが好ましい。溝部43の幅Sがフェイスプレート30の厚さTよりも若干小さいことにより、フェイスプレート30の吐水孔32にシャワーヘッド用パッキン40を取り付けた際に、吐水孔32の周縁を溝部43で挟持することができる。そのため、吐水孔32の内周とシャワーヘッド用パッキン40の溝部43との間のシール性を向上させることができる。
【0026】
溝部43の底における本体42の外径Uは、特に制限されないが、フェイスプレート30の吐水孔32の内径Wと同じであるか、吐水孔32の内径Wよりも若干小さいことが好ましい。
【0027】
上記ラッパ型の形状において、外径が最も大きくなる溝部43側の外径Yは、フェイスプレート30の吐水孔32の内径Wよりも大きく構成されている。
上記ラッパ型の形状の先端部、言い換えれば、本体42における一端側の端部、及び、他端側の端部の外径Eは、吐水孔32の内径Wよりも小さく構成されている。そのため、シャワーヘッド用パッキン40をフェイスプレート30に取り付ける際に、挿入部の吐水孔32への挿入開始が容易になる。
【0028】
シャワーヘッド用パッキン40の材質は特に制限されないが、弾性を有するものであることが好ましい。弾性を有するものとしては、例えば、ゴムや樹脂を挙げることができる。
【0029】
シャワーヘッド用パッキン40の着脱手順について説明する。
フェイスプレート30の吐水孔32にシャワーヘッド用パッキン40を取り付ける際には、シャワーヘッド用パッキン40の本体42における溝部43よりも一端側と他端側のいずれか他方を把持する。そして、シャワーヘッド用パッキン40の本体42における溝部43よりも一端側と他端側のいずれか一方をフェイスプレート30の外側である図4のフェイスプレート30よりも下側から吐水孔32に挿入する。
【0030】
シャワーヘッド用パッキン40の本体42の溝部43よりも一端側と他端側のいずれか一方は、吐水孔32に挿入される挿入部として機能する。また、シャワーヘッド用パッキン40の本体42の溝部43よりも一端側と他端側のいずれか他方は、作業者が把持する把持部として機能する。
【0031】
シャワーヘッド用パッキン40の挿入部を吐水孔32に押し込んで挿入することによって、シャワーヘッド用パッキン40は吐水孔32に取り付けられる。
その際、シャワーヘッド用パッキン40を弾性変形させることにより、シャワーヘッド用パッキン40の挿入部における溝部43側の外径Yを有する部分を、外径Yよりも径の小さい吐水孔32を通過させる。そして、吐水孔32の周縁に溝部43を係合させる。
【0032】
吐水孔32に取り付けられたシャワーヘッド用パッキン40を取り外す際には、上記手順を反対の順序で行うことによって取り外すことができる。
なお、本実施形態では、フェイスプレート30の複数の吐水孔32に、同じ形状のシャワーヘッド用パッキン40を取り付けている。
【0033】
本実施形態の作用について説明する。
シャワーヘッド用パッキン40は、本体42の軸方向における溝部43よりも一端側と他端側とが対称である。そのため、作業者は、本体42の軸方向における溝部43よりも一端側と他端側のいずれか他方を把持部として把持すると、把持していない一方を挿入部として用いることができる。
【0034】
本実施形態の効果について説明する。
(1)シャワーヘッド用パッキン40は、本体42の軸方向における溝部43よりも一端側と他端側とが対称である。そのため、作業者は、本体42の軸方向における溝部43よりも一端側と他端側のいずれか他方を把持部として把持すると、把持していない一方を挿入部として用いることができる。すなわち、パッキンの一端側と他端側のいずれをも挿入部として用いることができる。シャワーヘッド用パッキン40の向きを確認することなく吐水孔32に取り付けることができるため、シャワーヘッド用パッキン40を取り付ける際の作業効率を向上させることができる。
【0035】
(2)シャワーヘッド用パッキン40を、フェイスプレート30の外側から着脱することができる。例えば、シャワーヘッド用パッキン40の貫通孔41にカルキ等が堆積した際に、シャワーヘッド用パッキン40の交換を容易に行うことができる。
【0036】
(3)シャワーヘッド用パッキン40を個別に交換することができる。例えば、各吐水孔32に取り付けられる複数のシャワーヘッド用パッキン40が一体に構成されている態様では、シャワーヘッド用パッキンを交換する際に、カルキ等が堆積していないものまで交換することが起こり得る。本実施形態では、交換する必要のあるシャワーヘッド用パッキン40のみを選択的に交換することができる。したがって、シャワーヘッド用パッキン40の交換に要するコストを低減することができる。
【0037】
(4)シャワーヘッド用パッキン40の本体42は、溝部43よりも一端側、及び、溝部43よりも他端側が、先細形状となっている。シャワーヘッド用パッキン40の挿入部を吐水孔32に挿入しやすくなるため、シャワーヘッド用パッキン40を吐水孔32に容易に取り付けることができる。
【0038】
(5)シャワーヘッド用パッキン40について、本体42の一端側の端部42aから溝部43に向かって拡径するラッパ型の形状と、本体42の他端側の端部42bから溝部43に向かって拡径するラッパ型の形状とを有する。挿入部の先端部の外径を維持しつつ、挿入部の先端部と基端部の間の外径を相対的に小さくすることができる。したがって、本体42の貫通孔41の内径をより大きく確保しつつ、挿入部を吐水孔32に挿入しやすくすることができる。
【0039】
(6)シャワーヘッド用パッキン40の本体42の軸方向における溝部43よりも一端側と他端側とが対称であり、溝部43よりも一端側が挿入部であり、溝部43よりも他端側が把持部である。シャワーヘッド用パッキン40の形状が、本体42の軸方向に沿って相対的に長く延びた形状となるため、本体42内部の貫通孔41の長さも相対的に長くなる。したがって、貫通孔41の内部を流通する湯水の整流効果を高めることができる。
【0040】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態では、シャワーヘッド用パッキン40の本体42の軸方向における溝部43よりも一端側と他端側とが対称であったが、この態様に限定されない。シャワーヘッド用パッキン40の本体42の軸方向における溝部43よりも一端側と他端側とが非対称であってもよい。
【0041】
図6に示すように、例えば、シャワーヘッド用パッキン40の本体42の軸方向における溝部43よりも一端側が先細形状であり、溝部43よりも他端側が先細形状ではなく、略同じ外径の円筒体44で構成されていてもよい。この態様では、先細形状である一端側を挿入部として用いることにより、吐水孔32に容易に取り付けることができる。また、他端側が円筒体44であるため、作業者が把持部として把持しやすくなる。さらに、挿入部と把持部の形状が異なるため、作業者は、シャワーヘッド用パッキン40の挿入部を認識しやすい。シャワーヘッド用パッキン40の向きを容易に確認することができるため、作業効率を向上させることができる。
【0042】
・本実施形態では、シャワーヘッド用パッキン40の本体42の軸方向の一端側と他端側の両方が先細形状であったが、この態様に限定されない。シャワーヘッド用パッキン40の本体42の軸方向における溝部43よりも一端側と他端側とが対称であるものの、先細形状でなくてもよい。
【0043】
図7に示すように、例えば、シャワーヘッド用パッキン40の本体42の軸方向における溝部43よりも一端側と他端側の両方が、略同じ外径の円筒体45で構成されていてもよい。この態様においても、シャワーヘッド用パッキン40の一端側と他端側のいずれをも挿入部として用いることができるため、シャワーヘッド用パッキン40の向きを確認することなく吐水孔32に取り付けることができる。
【0044】
・本実施形態において、シャワーヘッド用パッキン40は、本体42の一端側の端部42aから溝部43に向かって拡径するラッパ型の形状と、本体42の他端側の端部42bから溝部43に向かって拡径するラッパ型の形状とを有していたが、この態様に限定されない。例えば、本体42の一端側の端部42aから溝部43に向かって拡径する円錐台の形状であってもよい。本体42の他端側の形状も同様である。
【0045】
・本実施形態において、本体42における一端側の端部、及び、他端側の端部の外径Eは、吐水孔32の内径Wよりも小さく構成されていたが、この態様に限定されない。本体42における一端側の端部、及び、他端側の端部の少なくともいずれかの外径が、吐水孔32の内径Wと同じか、それより大きくてもよい。
【0046】
・本実施形態では、フェイスプレート30の複数の吐水孔32に、同じ形状のシャワーヘッド用パッキン40を取り付けていたが、この態様に限定されない。複数の吐水孔32に、形状の異なるシャワーヘッド用パッキン40を取り付けてもよい。
【0047】
・本実施形態では、シャワーヘッド用パッキン40を、フェイスプレート30の外側から着脱していたが、この態様に限定されない。シャワーヘッド用パッキン40をフェイスプレート30の内側から着脱してもよい。例えば、シャワーヘッド12のバックプレート20とフェイスプレート30がネジで接続されており、両者の接続状態を解除でるよう構成されていれば、フェイスプレート30の内側からシャワーヘッド用パッキン40を着脱することができる。
【0048】
・本実施形態では、シャワーヘッド用パッキン40の挿入部をフェイスプレート30の吐水孔32に押し込んで取り付けていたが、この態様に限定されない。例えば、シャワーヘッド用パッキン40の挿入部をフェイスプレート30の吐水孔32に押し込むことに代えて、もしくは、シャワーヘッド用パッキン40の挿入部をフェイスプレート30の吐水孔32に押し込むことに加えて、挿入部や吐水孔32の内周に接着剤を塗布して、両者を接着してもよい。すなわち、接着剤を用いてシャワーヘッド用パッキン40の挿入部をフェイスプレート30の吐水孔32に取り付けてもよい。この態様では、シャワーヘッド用パッキン40が着脱可能ではあるものの、簡単には取り外せない構成となるため、使用中の不意の脱落を好適に抑制することができる。
【0049】
・本実施形態において、シャワーヘッド用パッキン40の本体42に設けられた溝部43は、本体42の軸方向における中央部の外周に、全周に亘って設けられていたが、この態様に限定されない。本体42の軸方向における中央部の外周に、溝部43が部分的に設けられていてもよい。
【0050】
・本実施形態において、シャワーヘッド用パッキン40の本体42の横断面における外形は円形状であるとともに、貫通孔41の内周も円形状で構成されていたが、この態様に限定されない。本体42の外形や貫通孔41は、楕円形や多角形状等であってもよい。
【0051】
・本実施形態では、シャワーヘッド用パッキン40をオーバーヘッドシャワー10のシャワーヘッド12に用いていたが、この態様に限定されない。オーバーヘッドシャワー10以外のシャワーヘッドに用いてもよい。オーバーヘッドシャワー10以外のシャワーヘッドとしては、例えば、ハンドシャワー等のシャワーヘッドが挙げられる。
【符号の説明】
【0052】
12…シャワーヘッド、32…吐水孔、40…シャワーヘッド用パッキン、42…本体、43…溝部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9