(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121212
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】自動二輪車用タイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 15/024 20060101AFI20220812BHJP
B60C 15/02 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
B60C15/024 B
B60C15/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021018440
(22)【出願日】2021-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】福島 和季
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB06
3D131BC13
3D131BC25
3D131HA03
(57)【要約】
【課題】リム組み性能を維持しつつ、リムずれ防止性能及び操縦安定性を向上させた自動二輪車用タイヤを提供する。
【解決手段】それぞれにビードコア5が埋設された一対のビード部4を含む。一対のビード部4は、リム接触面10を含む。リム接触面10は、ビード底面11と、ビード側面12とビードヒール面13とを含む。仮想リム組み状態において、ビード底面11をタイヤ軸方向外側に延長した仮想の第1直線16と、ビード側面12をタイヤ半径方向内側に延長した仮想の第2直線17との交点の径が、正規リムRのリム径の99.0%~99.6%である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動二輪車用タイヤであって、
それぞれにビードコアが埋設された一対のビード部を含み、
前記一対のビード部は、正規リムに装着され、かつ、正規内圧に調整された正規リム装着状態において前記正規リムと接触するリム接触面を含み、
前記リム接触面は、前記ビードコアのタイヤ半径方向内側でタイヤ軸方向に延びるビード底面と、前記ビードコアのタイヤ軸方向外側でタイヤ半径方向に延びるビード側面と、前記ビード底面と前記ビード側面とをつなぐ円弧状のビードヒール面とを含み、
リムに非装着の状態、かつ、前記一対のビード部の前記ビード側面が前記正規リムのリム幅に保持された仮想リム組み状態において、
前記ビード底面をタイヤ軸方向外側に延長した仮想の第1直線と、前記ビード側面をタイヤ半径方向内側に延長した仮想の第2直線との交点の径が、前記正規リムのリム径の99.0%~99.6%である、
自動二輪車用タイヤ。
【請求項2】
前記ビード底面は、第1底面と、前記第1底面のタイヤ軸方向内側に連なり、かつ、タイヤ軸方向に対して前記第1底面よりも大きい角度で延びる第2底面とを含む、請求項1に記載の自動二輪車用タイヤ。
【請求項3】
前記第1底面のタイヤ軸方向に対する角度は7°以下である、請求項2に記載の自動二輪車用タイヤ。
【請求項4】
前記第2底面のタイヤ軸方向に対する角度は24°以下である、請求項2又は3に記載の自動二輪車用タイヤ。
【請求項5】
前記ビードコアのタイヤ半径方向の中心でのタイヤ半径方向位置において、前記ビードコアのタイヤ軸方向外側のゴム厚さが3.0mm以下である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の自動二輪車用タイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車用タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1には、ビード部のビード底面のタイヤ軸方向に対する角度を特定することにより、リムとの嵌合性及び操縦安定性能をバランス良く向上させた自動二輪車用タイヤが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、自動二輪車用タイヤの操縦安定性について、さらなる向上が求められている。操縦安定性を向上させる手段の一つとして、自動二輪車用タイヤのリムずれ防止性能を高めることが挙げられる。しかしながら、リムずれ防止性能を高めると、リム組み性能の悪化を招く傾向がある。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、リム組み性能を維持しつつ、リムずれ防止性能及び操縦安定性を向上させた自動二輪車用タイヤを提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、自動二輪車用タイヤであって、それぞれにビードコアが埋設された一対のビード部を含み、前記一対のビード部は、正規リムに装着され、かつ、正規内圧に調整された正規リム装着状態において前記正規リムと接触するリム接触面を含み、前記リム接触面は、前記ビードコアのタイヤ半径方向内側でタイヤ軸方向に延びるビード底面と、前記ビードコアのタイヤ軸方向外側でタイヤ半径方向に延びるビード側面と、前記ビード底面と前記ビード側面とをつなぐ円弧状のビードヒール面とを含み、リムに非装着の状態、かつ、前記一対のビード部の前記ビード側面が前記正規リムのリム幅に保持された仮想リム組み状態において、前記ビード底面をタイヤ軸方向外側に延長した仮想の第1直線と、前記ビード側面をタイヤ半径方向内側に延長した仮想の第2直線との交点の径が、前記正規リムのリム径の99.0%~99.6%である。
【0007】
本発明の自動二輪車用タイヤにおいて、前記ビード底面は、第1底面と、前記第1底面のタイヤ軸方向内側に連なり、かつ、タイヤ軸方向に対して前記第1底面よりも大きい角度で延びる第2底面とを含むのが望ましい。
【0008】
本発明の自動二輪車用タイヤにおいて、前記第1底面のタイヤ軸方向に対する角度は7°以下であるのが望ましい。
【0009】
本発明の自動二輪車用タイヤにおいて、前記第2底面のタイヤ軸方向に対する角度は24°以下であるのが望ましい。
【0010】
本発明の自動二輪車用タイヤにおいて、前記ビードコアのタイヤ半径方向の中心でのタイヤ半径方向位置において、前記ビードコアのタイヤ軸方向外側のゴム厚さが3.0mm以下であるのが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の自動二輪車用タイヤは、上記の構成を採用したことによって、リム組み性能を維持しつつ、リムずれ防止性能及び操縦安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の自動二輪車用タイヤの一実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の自動二輪車用タイヤ1(以下、単に「タイヤ」ということがある。)の正規リム装着状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面図である。本実施形態のタイヤ1は、オンロードでのスポーツ走行に適した自動二輪車の前輪用のタイヤである。但し、本発明のタイヤは、このような態様に限定されるものではない。
【0014】
「正規リム装着状態」とは、正規リムRに装着され、かつ、正規内圧に調整された状態を意味する。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、前記正規リム装着状態で測定された値である。
【0015】
「正規リムR」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めているリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば"Measuring Rim" である。規格が定められていないタイヤの場合、正規リムは、タイヤの性能が十分に発揮できるリムが用いられ、例えば、メーカ推奨のリムが用いられる。
【0016】
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。規格が定められていないタイヤの場合、正規内圧は、タイヤの性能が十分に発揮できる内圧が適用され、例えば、メーカ推奨の内圧が適用される。
【0017】
図1に示されるように、本実施形態のタイヤ1は、トレッド部2、一対のサイドウォール部3及び一対のビード部4を含む。サイドウォール部3は、トレッド部2のタイヤ軸方向の両側に連なっている。ビード部4は、サイドウォール部3のタイヤ半径方向内側に連なっている。トレッド部2は、キャンバー角が大きい旋回時においても十分な接地面積が得られるように、一方のトレッド端Teと他方のトレッド端Teとの間の接地面が、タイヤ半径方向外側に凸で円弧状に湾曲している。ビード部4には、ビードコア5が埋設されている。
【0018】
本実施形態のタイヤ1は、一方のビード部4から一方のサイドウォール部3、トレッド部2、他方のサイドウォール部3を経て他方のビード部4に至るカーカス6を含む。
【0019】
カーカス6は、例えば、複数のカーカスコードを含むカーカスプライ6Aを含む。本実施形態のカーカス6は、1枚のカーカスプライ6Aで構成されているが、複数のカーカスプライが重ねられるものでも良い。カーカスプライ6Aは、本体部6a及び折返し部6bを含む。本体部6aは、トレッド部2から両側のサイドウォール部3を経て両側のビード部4のビードコア5に至る。折返し部6bは、本体部6aに連なりビードコア5の廻りをタイヤ軸方向の内側から外側に折返されている。
【0020】
トレッド部2には、例えば、ベルト層7及びバンド層8が設けられている。ベルト層7は、例えば、タイヤ周方向に対して10~45°に傾斜した複数のベルトコードを含むベルトプライを含む。本実施形態のベルト層7は、1枚のベルトプライで構成されているが、複数のベルトプライが重ねられるものでも良い。バンド層8は、例えば、バンドコードがタイヤ周方向に対して5°以下の角度で螺旋状に巻回されたジョイントレスバンドプライを含む。このようなベルト層7及びバンド層8は、トレッド部2を効果的に補強することができる。
【0021】
一対のビード部4は、前記正規リム装着状態において、正規リムRと接触するリム接触面10を含む。
【0022】
図2には、ビード部4の拡大図が示されている。
図2に示されるように、リム接触面10は、ビード底面11と、ビード側面12と、ビードヒール面13とを含む。ビード底面11は、ビードコア5のタイヤ半径方向内側でタイヤ軸方向に延びている。ビード側面12は、ビードコア5のタイヤ軸方向外側でタイヤ半径方向に延びている。ビードヒール面13は、ビード底面11とビード側面12とをつなぐ円弧状の外面で構成されている。
【0023】
本発明では、リムに非装着の状態、かつ、一対のビード部4のビード側面12が正規リムRのリム幅に保持された仮想リム組み状態において、ビード底面11をタイヤ軸方向外側に延長した仮想の第1直線16と、ビード側面12をタイヤ半径方向内側に延長した仮想の第2直線17との交点20の径D2が、前記正規リムRのリム径D1(
図1に示す)の99.0%~99.6%である。なお、第1直線16は、ビード底面11のビードヒール面13側の端を通る接線に相当し、第2直線17は、ビード側面12のビードヒール面13側の端を通る接線に相当する。また、前記径D2は、第1直線16と第2直線17との交点20をタイヤ全周に亘って集合させたときに形成される仮想円の直径に相当する。
【0024】
本発明では、上記の構成を採用したことによって、リム組み性能を維持しつつ、リムずれ防止性能及び操縦安定性を向上させることができる。その理由としては、以下のメカニズムが推察される。
【0025】
発明者らは、種々の実験の結果、リム組み性能は、ビードベースラインBLの径の大きさだけでなく、ビード側面12のタイヤ半径方向に対する角度の大きさにも依存することを知見した。これは、ビード部4がリムのハンプを乗り越えるとき、ビード側面の前記角度が大きい方が、ビード部4にリムが押し付けられたときにタイヤ内径が拡大し易く、リム組み性能が向上するためと考えられる。
【0026】
また、発明者らは、リムずれ防止性能は、ビードベースラインBLの径の大きさだけでなく、ビード底面11のタイヤ軸方向に対する角度の大きさにも依存することを知見した。これは、ビード底面11の前記角度が大きい程、ビード部4がリムに強く押し付けられた状態でリム組みされるため、リムずれ防止性能が向上すると考えられる。
【0027】
さらなる研究の結果、リム組み性能及びリムずれ防止性能の両立には、ビード側面12及びビード底面11の角度を適切にするために、第1直線16と第2直線17の交点20の径D2を特定することが肝要であることが判明した。本発明では、前記径D2が正規リムのリム径D1の99.0%~99.6%と特定されることにより、リム組み性能を維持しつつ、リムずれ防止性能を向上させることができる。また、リムずれ防止性能が向上することにより、運転者の操作が正確にタイヤに伝達するため、操縦安定性も向上すると考えられる。
【0028】
以下、本実施形態のさらに詳細な構成が説明される。なお、以下で説明される各構成は、本実施形態の具体的態様を示すものである。したがって、本発明は、以下で説明される構成を具えないものであっても、上述の効果を発揮し得るのは言うまでもない。また、上述の特徴を具えた本発明のタイヤに、以下で説明される各構成のいずれか1つが単独で適用されても、各構成に応じた性能の向上は期待できる。さらに、以下で説明される各構成のいくつかが複合して適用された場合、各構成に応じた複合的な性能の向上が期待できる。なお、以下で説明される本実施形態の構成は、特に断りの無い限り、上述の仮想リム組み状態で測定されたものである。
【0029】
望ましい態様では、前記径D2は、正規リムRのリム径D1の99.3%~99.5%とされる。また、第1直線16と第2直線17との間の角度θ1は、例えば、90~110°であり、望ましくは95~105°である。
【0030】
本実施形態のビードコア5は、タイヤ横断面において、2つの第1側面5aと2つの第2側面5bとに囲まれた矩形状の断面形状を備えている。但し、第1側面5aと第2側面5bとが連なる角部分は、円弧状に湾曲している。2つの第1側面5aは、それぞれ、タイヤ軸方向に沿って延びている。2つの第2側面5bは、それぞれ、タイヤ半径方向に沿って延びている。2つの第2側面5bの角度差は、例えば、10°以下であり、望ましくは5°以下とされる。より望ましい態様では、2つの第2側面5bが実質的に平行に延びている。このようなビードコア5は、ビード部4の倒れこみを確実に抑制し、操縦安定性を高めるのに役立つ。
【0031】
ビード底面11は、タイヤ軸方向に対して傾斜した第1底面21と、第1底面21のタイヤ軸方向内側に連なり、かつ、タイヤ軸方向に対して第1底面21よりも大きい角度で延びる第2底面22とを含む。このような第1底面21及び第2底面22を含むビード底面11は、リム組み性能とリムずれ防止性能とをバランス良く向上させる。
【0032】
仮想リム組み状態のタイヤ横断面において、本実施形態の第1底面21は、直線状に延びている。第1底面21のタイヤ軸方向に対する角度は、例えば、15°以下であり、望ましくは10°以下、より望ましくは7°以下である。具体的には、第1底面21の前記角度は、3~7°である。さらに望ましい態様として、第1底面21とビードコア5の第1側面5aとの間の角度は、0~10°とされる。本実施形態では、第1底面21の前記角度が、第1直線16のタイヤ軸方向に対する角度と一致している。
【0033】
仮想リム組み状態のタイヤ横断面において、本実施形態の第2底面22は、直線状に延びている。第2底面22のタイヤ軸方向に対する角度は、例えば、30°以下であり、望ましくは24°以下である。具体的には、第2底面22の前記角度は、18~24°である。このような第2底面22は、リム組み性能を維持しつつ、リムずれ防止性能を向上させることができる。
【0034】
リム組み性能とリムずれ防止性能とをバランス良く向上させるために、第1底面21と第2底面22との間の角度θ2は、望ましくは150°以上、より望ましくは160°以下であり、望ましくは175°以下、より望ましくは170°以下である。
【0035】
第1底面21と第2底面22との間の角度θ2は、第1直線16と第2直線17との間の角度θ1よりも大きい。前記角度θ1と前記角度θ2との差は、例えば、60~80°であり、望ましくは65~75°である。これにより、リムに作用するビード側面12の圧力と、リムに作用する第2底面22の圧力とがバランス良く向上し、優れた操縦安定性が発揮される。
【0036】
タイヤ横断面において、第1底面21と第2底面22との境界25は、例えば、前記ビードコア5をタイヤ半径方向内側に仮想延長した領域内に配されている。また、前記境界25は、ビードコア5のタイヤ軸方向の中心位置よりもタイヤ軸方向内側に位置しているのが望ましい。前記境界25とビードコア5の前記中心位置とのタイヤ軸方向の距離は、例えば、ビードコア5のタイヤ軸方向の幅の25%~35%である。これにより、第2底面22が強固にリムと密着でき、ビード部4の耐久性が向上する。
【0037】
ビード側面12は、タイヤ横断面において、ビードヒール面13側の端から直線状に延びる部分を含む。この部分は、例えば、ビードコア5の第2側面5bとの角度差が5°以下とされている。
【0038】
ビードコア5のタイヤ半径方向の中心でのタイヤ半径方向位置において、ビードコア5のタイヤ軸方向外側のゴム厚さが3.0mm以下であるのが望ましい。これにより、ビード部4がハンプを乗り越え易くなり、リム組み性能がより一層向上する。
【0039】
以上、本発明の一実施形態の自動二輪車用タイヤが詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
【実施例0040】
図1の基本構造を有するサイズ120/70ZR17の自動二輪車用タイヤ(前輪用タイヤである。)が、表1~2の仕様に基づき製造された。また、比較例1~2として、上述の第1直線と第2直線との交点の径が、本発明の範囲から外れているタイヤが試作された。比較例1~2のタイヤは、上述の事項を除き、実施例のタイヤと実質的に同じ構成を備えている。各テストタイヤのリム組み性能、リムずれ防止性能及び操縦安定性がテストされた。各テストタイヤの共通仕様やテスト方法は、以下の通りである。
リムサイズ:MT3.50
タイヤ内圧:250kPa
テスト車両:排気量1000cc
【0041】
<リム組み性能>
タイヤをリム組みするときのタイヤ内圧充填時における、タイヤのビード部がリムのハンプを乗り越えるときの最大内圧が測定された。結果は、前記最大内圧の逆数であり、比較例1を100とする指数で示されている。数値が大きい程、前記最大内圧が小さく、リム組み性能が優れていることを示す。
【0042】
<リムずれ防止性能>
JIS-D4230に準拠して、リム組みされかつ内圧が充填されていないタイヤのビード部に横方向から荷重を付加し、ビード部がリムから外れるとき抵抗力が測定された。結果は、比較例1の前記抵抗力を100とする指数で示されており、数値が大きい程、リム組み性能が優れていることを示す。
【0043】
<操縦安定性>
テストタイヤを装着したテスト車両でサーキットを走行したときの操縦安定性が、運転者の官能により評価された。結果は、比較例1を100とする評点であり、数値が大きい程、操縦安定性が優れていることを示す。
テストの結果が表1~2に示される。
【0044】
【0045】
【0046】
テストの結果、実施例のタイヤは、リム組み性能を維持しつつ、リムずれ防止性能及び操縦安定性を向上させていることが確認できた。