(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121252
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】錠剤払出システム、錠剤払出制御プログラム
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20220812BHJP
【FI】
A61J3/00 310F
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021018510
(22)【出願日】2021-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(72)【発明者】
【氏名】大倉 一将
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047JJ01
4C047JJ06
4C047JJ12
4C047JJ25
4C047JJ27
(57)【要約】 (修正有)
【課題】錠剤種別の錠剤カセットへの割当作業を支援することが可能な錠剤払出システム及び錠剤払出制御プログラムを提供する。
【解決手段】錠剤払出システムは、予め割り当てられる任意の錠剤種別の錠剤を払い出し可能な錠剤カセット(第1錠剤カセット)に割り当てる錠剤種別をユーザー操作に応じて受け付け、その受け付けられた錠剤種別と同一の錠剤種別に対応する錠剤カセット(第2錠剤カセット)が存在するか否かを判定する。
【選択図】
図34
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め割り当てられる任意の錠剤種別の錠剤を払い出し可能な第1錠剤カセットに割り当てる錠剤種別をユーザー操作に応じて受け付ける割当処理部と、前記第1錠剤カセットからの錠剤の払い出しに用いられる駆動部の駆動電流が予め設定された異常電流値以上であるか否かを判定する異常判定部とを備える錠剤払出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤を払い出す錠剤カセットを制御する錠剤払出システム及び錠剤払出制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種の錠剤を自動で払い出し可能な錠剤払出装置には、予め定められた種別の錠剤を払い出すことが可能な錠剤カセットが複数設けられる。また、払い出し可能な錠剤を任意に変更することが可能な錠剤カセットも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、錠剤払出装置に装着される錠剤カセット各々には、当該錠剤カセットから払い出す錠剤の錠剤種別が予め割り当てられる。このとき、既に同一の錠剤種別に割り当てられた錠剤カセットが存在する場合には、そのまま当該錠剤種別を新たに錠剤カセットに割り当てられると、同一の錠剤種別に対応する錠剤カセットが重複することが問題となることがある。
【0005】
本発明の目的は、錠剤種別の錠剤カセットへの割当作業を支援することが可能な錠剤払出システム及び錠剤払出制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る錠剤払出システムは、割当処理部及び判定処理部を備える。前記割当処理部は、予め割り当てられる任意の錠剤種別の錠剤を払い出し可能な第1錠剤カセットに割り当てる錠剤種別をユーザー操作に応じて受け付ける。前記判定処理部は、前記割当処理部により受け付けられた前記錠剤種別と同一の錠剤種別に対応する第2錠剤カセットが存在するか否かを判定する。
【0007】
本発明に係る錠剤払出制御プログラムは、選択ステップ及び判定ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。前記選択ステップは、予め割り当てられる任意の錠剤種別の錠剤を払い出し可能な第1錠剤カセットに割り当てる錠剤種別をユーザー操作に応じて受け付ける。前記判定ステップは、前記選択ステップにより受け付けられた前記錠剤種別と同一の錠剤種別に対応する第2錠剤カセットが存在するか否かを判定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、錠剤種別の錠剤カセットへの割当作業を支援することが可能な錠剤払出システム及び錠剤払出制御プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、調整装置を備えた錠剤収納取出装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、錠剤カセットとベースの斜視図である。
【
図3】
図3は、錠剤カセットの蓋を取り外した状態の斜視図である。
【
図4】
図4は、錠剤カセットの底から見た斜視図である。
【
図6】
図6は、錠剤カセットのロータを取り外した状態の斜視図である。
【
図7】
図7は、カセット本体のロータ駆動部の分解斜視図である。
【
図8A】
図8Aは、カセット本体の仕切調整機構の分解斜視図である。
【
図8B】
図8Bは、仕切部材の進入位置を示すカセット本体の断面図である。
【
図14】
図14は、深さ調整機構による深さの調整状態を説明するカセット本体の断面図である。
【
図15】
図15は、高さ調整機構による高さの調整状態を説明するカセット本体の断面図である。
【
図16】
図16は、幅調整機構による幅の調整状態を説明する可動部材と幅調整部材の平面図(a)及び底面図(b)である。
【
図18】
図18は、調整装置の内部の前方から見た斜視図である。
【
図23】
図23は、調整装置の内部の後方から見た斜視図である。
【
図26】
図26は、調整装置に錠剤カセット及びロータを装着した状態を示す斜視図である。
【
図27】
図27は、調整装置による深さ調整状態を示す一部拡大斜視図である。
【
図28】
図28は、調整装置による高さ調整状態を示す一部拡大斜視図である。
【
図29】
図29は、調整装置による幅調整状態を示す一部拡大斜視図である。
【
図30】
図30は、調整装置による仕切部材の進入位置の調整状態を示す一部拡大側面図である。
【
図31】
図31は、調整装置のロータ載置部とセンサ取付台の変形例を示す斜視図(a)、ロータ載置部を取り外した状態を示す斜視図(b)である。
【
図32】
図32は、錠剤払出システムで用いられる情報の一例を示す図である。
【
図33】
図33は、錠剤払出システムを示すブロック図である。
【
図34】
図34は、錠剤払出システムで実行される割当開始処理の一例を示すフローチャートである。
【
図35】
図35は、錠剤払出システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図36】
図36は、錠剤払出システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図37】
図37は、錠剤払出システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図38】
図38は、錠剤払出システムで実行されるカセット調整処理の一例を示すフローチャートである。
【
図39】
図39は、錠剤払出システムで実行されるカセット調整処理の一例を示すフローチャートである。
【
図40】
図40は、錠剤払出システムで実行されるロータ清掃処理の一例を示すフローチャートである。
【
図41】
図41は、錠剤払出システムで出力されるラベルの一例を示す図である。
【
図42】
図42は、錠剤払出システムで実行される錠剤払出処理の一例を示すフローチャートである。
【
図43】
図43は、錠剤払出システムで実行される充填処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を添付図面に従って説明する。
【0011】
図1は、処方に応じた種類と個数の錠剤を払い出すことができる錠剤払出装置1を示す。錠剤払出装置1には、多数の錠剤カセット2がそれぞれのベース3に着脱可能に設けられている。錠剤払出装置1の横に設けられた台4には、本発明に係る調整装置100が設置されている。まず、錠剤カセット2の構造について説明した後、調整装置100について説明する。なお、本発明でいう「錠剤」には、狭義の錠剤のほか、カプセル錠、糖衣錠など錠剤カセット2で払出可能な薬剤を含む。
【0012】
図2は、錠剤払出装置1に装着される錠剤カセット2及びベース3を示す。錠剤カセット2は、カセット本体5と、該カセット本体5の上方開口を開閉かつ着脱可能に覆う蓋6と、カセット本体5の下部に設けられたスカート部7と、
図3に示すようにカセット本体5に収容されたロータ8とを含む。
【0013】
蓋6の上面とスカート部7の正面には、錠剤カセット2に収容される錠剤を識別することができるラベル又はカードが収容されるポケット6a、7aが形成されている。
図4に示すように、スカート部7の内側面には、
図2に示すベース3の装着ガイド3aに摺接するスライド部7bと、装着ガイド3aの係止部3bに係合する弾性係合片7cとが設けられている。
【0014】
<カセット本体の構造>
図5に示すように、カセット本体5は、上方に開口する矩形の上部5aと、逆円錐状の傾斜部5bと、円筒筒状部5cと、底部5dとを含む。底部5dから傾斜部5bまでの内部空間には、ロータ8が収容されるとともに、ロータ8より上方に多数の錠剤Tが収容可能になっている。傾斜部5bの下部から底部5dにかけて錠剤排出孔9が形成されている。錠剤排出孔9は、
図2に示すベース3に形成された錠剤排出路3cに連通している。カセット本体5の外側には、仕切部材20と、該仕切部材20の位置を調整する後述する仕切調整機構M1とが取り付けられている。該仕切部材20の先端は傾斜部5bの外側から錠剤排出孔9の上方に形成された
図6に示すスリット9aを介して内側に差し込まれている。底部5dの中央には、
図6に示すロータ駆動部10が収容されるロータ軸孔11が形成されている。
【0015】
<ロータ駆動部>
図7に示すように、ロータ駆動部10は、ロータ軸孔11に貫通する駆動軸12と、該駆動軸12の上端に係合して該駆動軸12と一体に回転する係合軸13と、駆動軸12の下端に係合して該駆動軸12と一体に回転する駆動ギア14と、係合軸13、駆動軸12及び駆動ギア14を貫通してこれらを一体化する中心軸15とを含む。係合軸13は、駆動軸12の上端面に当接する円形の基部13aと、該基部13aの外周縁から下方に突出する周6等配位置にある係合片13bと、隣接する係合片13bの下端を連結する連結部13cとを含む。係合片13b及び連結部13cの内面は、リング16を介して、ロータ軸孔11の縁に設けられた環状突起11aの外周面に摺動自在に設けられている。係合片13bは、ロータ8を装着したときに、
図10に示すロータ8の係合凹部41aの係合片44間のスリット44aに係合して、ロータ駆動部10の回転力をロータ8に伝達する。なお、ロータ8には種々の大きさのものがあるが、ロータ8のカセット本体5のロータ駆動部10への装着間違いを防止するために、ロータ8の大きさ毎に、係合片13b及びスリット44aの数を6個、5個、4個にしてもよい。中心軸15の上端には、鍔15a及び孔15bが形成されている。中心軸の孔15bには、環状の磁石15cが3個の積重ねられた状態で挿入され、ねじ15dで固定されている。磁石15cは、1個の円柱状のものでもよい。中心軸15の下端は、
図4に示すカセット本体5の底部5dに取り付けられたギアカバー17を貫通してC形止め輪15eにより抜け止めされている。駆動ギア14は、
図4に示す中間ギア18を介して、
図2に示すベース3のモータギア3dに係合して駆動されるようになっている。モータギア3dは、ベース3に装着された錠剤カセット2から錠剤を払い出す際に駆動されるモータに連結されており、当該モータの駆動力がモータギア3dから駆動ギア14に伝達されることにより、錠剤カセット2から錠剤が払い出される。
【0016】
駆動ギア14には、
図4に示すように、カセット本体5の底面に設けられた係止レバー19の一端の係止爪19aが係止している。係止レバー19の他端の作動部19bは錠剤カセット2の装着方向に延びている。錠剤カセット2をベース3に装着すると、係止レバー19の作動部19bが
図2に示すベース3の所定の当接部3eに当接して係止レバー19をばね19cの付勢力に抗して回動させ、係止爪19aが駆動ギア14から離脱して、駆動ギア14が回転駆動可能となる。また、錠剤カセット2をベース3から引き出すと、係止レバー19の作動部19bがベース3の当接部3eから離れ、係止レバー19がばね19cの付勢力で回動し、係止爪19a
が駆動ギア14に係止して、駆動ギア14の回転が阻止される。この結果、引き出した錠剤カセット2のロータ8の不意の回転により錠剤Tが落下するのを防止することができる。
【0017】
<仕切調整機構>
図8Aに示すように、仕切部材20は、上に凸に湾曲した櫛状に形成されている。仕切部材20は、仕切調整機構M1によりロータ8に対して進退移動可能になっている。仕切調整機構M1は、第1固定部材21と、第2固定部材22と、可動部材23と、仕切調整部材24とを含む。
【0018】
第1固定部材21の中央には、可動部材23のスライド部23cとストッパ28が収容される上ケース部21aが形成されている。第1固定部材21の上ケース部21aの両側には取付孔21bが形成されている。第1固定部材21の下面には、可動部材23を押圧して安定させる1対の弾性片21cが形成されている。弾性片21cの先端には、可動部材23の溝23dに係合する突部21dが形成されている。
【0019】
第2固定部材22の中央には、可動部材23のスライド部23cとストッパ28が収容される下ケース部22aが形成されている。第2固定部材22の下ケース部22aの両側の下縁には、逆U字形の切欠き22bが形成されている。第1固定部材21の上ケース部21aと第2固定部材22の下ケース部22aは、互いに組み合わされると、可動部材23のスライド部23cを収容する下方に開口した可動部材収容部25と、ストッパ28が収容されるストッパ収容部26とを形成する。可動部材収容部25の上ケース部21aの下縁と下ケース部22aの上縁には、仕切調整部材24の軸方向の両端を軸方向に移動不能に支持する半円の切欠き27が形成されている。
【0020】
可動部材23は、下端に仕切部材20を保持する保持部23aと、上端にねじ穴23bを有するスライド部23cとが形成されている。可動部材23の上面両端部には、溝23dが形成されている。
【0021】
仕切調整部材24は、可動部材23のスライド部23cのねじ穴23bに螺合するねじ部24aと係合ギア24bを有している。係合ギア24bにはストッパ28が係止して所要位置に固定できるようになっている。可動部材23の溝23dと、第1固定部材21の突部21dが係合することにより、可動部材23は仕切調整部材24の回転方向に固定されているので、仕切調整部材24が回転すると、可動部材23が仕切調整部材24の軸方向に移動するようになっている。
【0022】
仕切調整機構M1を組み立てるには、まず、可動部材23のスライド部23cを、第2固定部材22の下ケース部22aに下方から収容し、仕切調整部材24をスライド部23cに螺合して貫通させた後、仕切調整部材24の両端を下ケース部22の切欠き27に載置する。また、第2固定部材22の下ケース部22aにストッパ28を収容する。この状態で、仕切調整部材24が第1固定部材21と第2固定部材の切欠き27が形成する孔を貫通するように第2固定部材22に第1固定部材21を重ね合わせると、上ケース部21aに設けられた弾性係止片22eの爪22fが下ケース部22aの下縁に係止して一体に組み付けられる。また、係合ギア24bよりも切欠き27の大きさが小さいので、係合ギア24bは軸方向に移動不能に上ケース部22aと下ケース部22bに固定される。続いて、第2固定部材22の切欠き22bと第1固定部材21の取付孔21bに固定ねじ29を通してカセット本体5の背面のねじ穴5eにねじ込むことで、カセット本体5に固定される。
【0023】
仕切調整機構M1の仕切調整部材24を回転させると、スライド部23cが第1固定部材21の上ケース部21aと第2固定部材22の下ケース部22bの可動部材収容部25内で移動するので、
図8Bに示すように、可動部材23に保持した仕切部材20がカセット本体5内のロータ8に向かって前進又は後退して、仕切部材20の先端位置20aを調整することができる。すなわち、
図8B(a)に示すように、錠剤Tの厚さが厚い場合は、後に詳述するようにロータ8のロータ本体31を上昇させて下部傾斜外面35cとカセット本体5の傾斜部5bとの間の錠剤案内路8bの溝の深さDを大きくするが、これに伴って、仕切部材20の先端もロータ8に向かって前進させる。
図8B(b)に示すように、錠剤Tの厚さが薄い場合は、ロータ8のロータ本体31を下降させて下部傾斜外面35cとカセット本体5の傾斜部5bとの間の錠剤案内路8bの溝の深さDを小さくするが、これに伴って、仕切部材20の先端もロータ8にから後退させる。
【0024】
<ロータの全体構造> ロータ8は、
図9、10に示すように、概略、上面が円錐形、側面が逆円錐形、底面が平坦な形状を有している。ロータ8の側面上部には、周方向に錠剤ポケット8aが設けられ、該錠剤ポケット8aから下方に延びる複数の錠剤案内路8bが周方向に等間隔に設けられている。
【0025】
錠剤ポケット8aは、後述するロータ本体31の外周面と、後述する第1可動部材60の第1水平突片73と第2可動部材61の第2水平突片82とで形成され、カセット本体5の傾斜部5bに囲まれて、カセット本体5内に収容された錠剤Tを受け入れて周方向に整列させる。
【0026】
錠剤案内路8bは、後述するロータ本体31の下部傾斜外面35cと、後述する第1可動部材60の第1垂直突片72と、後述する第2可動部材61の第2垂直突片81と、後述する環状昇降部材51の錠剤支持台55とにより溝状に形成される。そして、錠剤案内路8bは、カセット本体5の傾斜部5bに覆われて、錠剤ポケット8aに整列している錠剤Tを受け入れて下方に案内する。
【0027】
錠剤案内路8bは、錠剤カセットに収容される錠剤の形状又は大きさに応じて、溝の深さ、高さ、幅を調整し、錠剤が円滑に錠剤案内路8bを通過し、
図5に示す錠剤排出孔9から排出されるようにする必要がある。即ち、錠剤カセット2は、当該錠剤カセット2に設けられたロータ8の錠剤案内路8bの調整により、任意の錠剤種別の錠剤を払い出すことが可能である。ここで、錠剤案内路8bの溝の「深さ」は、錠剤案内路8bを通る錠剤の厚さ方向の寸法であって、カセット本体5の傾斜部5bとロータ本体31の下向き突部35の下部傾斜外面35cとの間の寸法Dである。溝の「高さ」は、錠剤案内路8bを通る錠剤の高さ方向の寸法であって、仕切部材20とロータ8の環状昇降部材51の錠剤支持台55との間の寸法Hである。溝の「幅」は、錠剤案内路8bを通る錠剤の幅方向の寸法であって、第1可動部材60の第1垂直突片72と第2可動部材61の第2垂直突片81との間の寸法Wである。
【0028】
ロータ8は、錠剤案内路8bの溝形状を調整するために、深さ調整機構M2、高さ調整機構M3、幅調整機構M4を有している。以下、これらを順に説明する。
【0029】
<深さ調整機構>
図11は、深さ調整機構M2を構成する部材を示す。深さ調整機構M2は、ロータカバー30と、ロータ本体31と、ロータベース32と、深さ調整部材33とを含む。
【0030】
ロータカバー30は、全体的に傘形状を有している。ロータカバー30の上面は円錘形に形成されている。
【0031】
ロータ本体31は、円形の基部34と、下向き突部35と、環状部36と、ガイド部37とを有している。
【0032】
基部34にはその中央に軸部38が設けられ、該軸部38に図示しないねじ孔が形成されている。基部34の上面には、後述する高さ調整部材52と幅調整部材64が露出する2つの孔34a、34bが形成されている。
【0033】
下向き突部35は、基部34の外周縁の6等配位置から下方に延びている。下向き突部35は、垂直な内面35aと、基部34の外周縁から外方に下向きに傾斜する上部傾斜外面35bと、該上部傾斜外面35bの下端から内方に下向きに傾斜する下部傾斜外面35cと、両側面35dとを含み、側面から見て三角形に形成されている。下部傾斜外面35cは錠剤案内路8bの溝の底面を形成している。下向き突部35の下端には、スリット35eが形成されている。
【0034】
環状部36は、基部34の外側に同心に形成され、下向き突部35を介して基部34と接続されている。
【0035】
ガイド部37は、下向き突部35の間で、基部34の外周縁の6等配位置から下方に延びている。ガイド部37の内面の両側には、後述するロータベース32のガイド片40がスライド可能に係合するガイド縁37aが形成されている。ガイド片40とガイド縁37aが係合することによって、ロータ本体31とロータベース32は一体的に回転する。6個のガイド部37の内いずれか1のガイド部37の下端には、ゼロ点を検出する検出部となる突起37bが形成されている。
【0036】
ロータベース32は、環状の基部39と、ガイド片40と、係合部41とを有している。
【0037】
基部39は、上面に環状壁42が形成されている。環状壁42には、周6等配位置に軸方向に延びる垂直スリット42aが形成されている。
【0038】
ガイド片40は、基部39の外周縁の周6等配位置であって、かつ、隣接する垂直スリット42aの間に、上方に突出している。ガイド片40はロータ本体31のガイド部37のガイド縁37aにスライド可能に係合するように形成されている。ガイド片40と環状壁42の間には補強リブ43が設けられている。
【0039】
係合部41は、基部39の内周縁の周6等配位置から上方に立ち上がる係合片44と、該係合片44の上端に設けられた円形突部45を有している。係合部41は、裏面からみると、
図10に示すように、ロータ駆動部10が係合する係合凹部41aを形成している。隣接する係合片44の間のスリット44aには、ロータ駆動部10の係合片13bが係合している。円形突部45の内部には、ロータ駆動部10の中心軸15に設けられた磁石15cに吸着する磁性板46が埋設されている。円形突部45の上面の中心には深さ調整部材33が支持されている。円形突部45には、深さ調整部材33の自由な回転を防止するストッパ48を収容する穴45aと、後述する第2支持部材63の2つのねじ挿通孔93に挿通された図示しないねじが螺合する2つのねじ孔45bが形成されている。
【0040】
円形突部45と環状壁42との間には、後述する高さ調整機構M3を収容する環状凹部47が形成されている。
【0041】
深さ調整部材33は、雄ねじ部33aと下端のギア部33bとを有している。雄ねじ部33aはロータ本体31の軸部38の図示しないねじ孔に螺合し、下端のギア部33bはロータベース32の円形突部45に支持されている。雄ねじ部33aの上端は、係合部33cが形成され、ロータ本体31の軸部38から突出して露出し、外部から回転調整可能になっている。ギア部33bの歯間には弾性片からなるストッパ48の先端が係止している。
【0042】
深さ調整部材33は、ギア部33bが第1支持部材62とロータベース32によって軸方向の移動が拘束され、またロータ本体31のガイド縁37aがロータベース32のガイド片40と係合することによってロータ本体31がロータベース32に対して回転することが拘束されている。このように、ロータベース32が回転しない状態で、深さ調整部材33を回転させると、深さ調整部材33の雄ねじ部33aと螺合する図示しないねじ孔を有するロータ本体31がロータ8の回転軸方向に上昇又は下降する。これに伴い、錠剤案内路8bの底面を形成するロータ本体31の下向き突部35の下部傾斜外面35cも上昇又は下降する。
【0043】
図14を参照すると、下向き突部35の下部傾斜外面35cは、上から下に向かうにつれて径方向に外方から内方に向かって傾斜し、カセット本体5の逆円錐状の傾斜部5bと平行になっている。このため、ロータ本体31の下向き突部35の下部傾斜外面35cが下降すると、下向き突部35の下部傾斜外面35cとカセット本体5の円錐状の傾斜部5bとの間の距離が縮小し、錠剤案内路8bの深さを浅く(D1)することができる。逆に、ロータ本体31の下向き突部35の下部傾斜
外面35cが上昇すると、下向き突部35の下部傾斜外面35cとカセット本体5の逆円錐状の傾斜部5bとの間の距離が拡大し、錠剤案内路8bの深さを深く(D2)することができる。このように、深さ調整部材33を左又は右に回転することで、錠剤案内路8bを通る錠剤Tの厚さに応じて、錠剤案内路8bの深さを調整することができる。なお、
図11に示す深さ調整部材33のギア部33bが回転する毎に、ストッパ48の先端がギア部33bの歯を乗り越えて歯間に係合するので、深さ調整部材33を適当な位置で止めて、ロータ本体31を所望の高さ位置に固定することができる。
【0044】
<高さ調整機構>
図12は、高さ調整機構M3を構成する部材を示す。高さ調整機構M3は、筒状回転部材50と、環状昇降部材51と、高さ調整部材52とを含む。
【0045】
筒状回転部材50は、外周下部に雄ねじ部50aが形成され、内周上部に従動ギア50bが形成されている。従動ギア50bには筒状回転部材50の自由な回転を防止するストッパ53が係合している。
【0046】
環状昇降部材51は、外周の6等配位置に放射状にアーム54が突設され、各アーム54の先端に錠剤支持台55が形成されている。錠剤支持台55は、錠剤案内路8b内の最下位の錠剤Tを支持できるように、錠剤案内路8bに直交するように傾斜している。環状昇降部材51の内面には筒状回転部材50の雄ねじ部50aと螺合する雌ねじ部51aが形成されている。
【0047】
高さ調整部材52は、下端に筒状回転部材50の従動ギア50bに噛み合う駆動ギ52aを有している。高さ調整部材52の上端は、係合部52bが形成され、ロータ本体31の基部34の上面の孔34aから突出して露出し、外部から回転調整可能になっている。高さ調整部材52は、後述する第2支持部材63の孔90の縁に上下方向に移動不能に保持されている。
【0048】
筒状回転部材50と環状昇降部材51は互いに螺合した状態で、ロータベース32の環状凹部47に収容され、環状昇降部材51のアーム54がロータベース32の環状壁42の垂直スリット42aにスライド可能に嵌入し、錠剤支持台55がロータベース32の環状壁42の外側に突出し、錠剤案内路8b内の最下位の錠剤Tを支持するようになっている。
【0049】
図15に示すように、錠剤Tの高さに相当する錠剤案内路8bの高さHを調整するには、高さ調整機構M3の高さ調整部材52を左又は右に回転させる。本発明では、仕切部材20はカセット本体5に対して高さ方向に固定されているので、錠剤案内路8bの高さHを調整するのに、仕切部材20自体を移動させるのではなく、仕切部材20の下方にある錠剤支持台55を昇降させ、仕切部材20と錠剤支持台55との間の距離を調整することで、錠剤案内路8bの錠剤支持台55から仕切部材20の高さHを調整するのである。
【0050】
高さ調整部材52を回転させると、筒状回転部材50が回転する。筒状回転部材50は、第2支持部材63とロータベース32により上下の移動が拘束されている。筒状回転部材50の雄ねじ部50aに螺合する雌ねじ部51aを有する環状昇降部材51はアーム54がロータベース32の環状壁42の垂直スリット42aを貫通していて回転が拘束されている。このため、筒状回転部材50の回転により、環状昇降部材51が昇降し、環状昇降部材51の錠剤支持台55が昇降する。
【0051】
すなわち、
図15に示すように、筒状回転部材50が一方に回転すると、環状昇降部材51の錠剤支持台55が上昇し、錠剤支持台55に対する仕切部材20の位置、すなわち、高さが低く(H1)なる。逆に、筒状回転部材50が他方に回転すると、環状昇降部材51の錠剤支持台55が下降し、錠剤支持台55に対する仕切部材20の位置、すなわち、高さが高く(H2)なる。なお、高さ調整部材52の回転により筒状回転部材50が回転する毎に、ストッパ53の先端が筒状回転部材50の従動ギア50bの歯を乗り越えて歯間に係合するので、高さ調整部材52を適当な位置で止めて、錠剤支持台55を所望の高さ位置に固定することができる。
【0052】
<幅調整機構>
図13は、幅調整機構M4を構成する部材を示す。幅調整機構M4は、第1可動部材60と、第2可動部材61と、第1支持部材62と、第2支持部材63と、幅調整部材64とを含む。
【0053】
図13に示すように、第1可動部材60は、上部材60aと下部材60bからなるが、上部材60aの係合突部65と下部材60bの係合突部66が係合して両者は一体に回転可能である。
【0054】
第1可動部材60の上部材60aには、環状の基部67の内周に略半円型の切欠き68と長孔69が隣り合って形成されている。第1可動部材60を上から見て切欠き68の中心に対して対向する切欠き68の縁には、第1可動部材60の円周方向に対向するA突起68aとB突起68bが形成されている。A突起68aとB突起68bは、後述する第1調整軸94のAカム94aとBカム94bに摺接するカムフォロアとなる。
【0055】
第1可動部材60の下部材60bは、円環状の基部70と、6つの壁部71と、第1垂直突片72と、第1水平突片73とを有している。6つの壁部71は、基部70の外周縁の周6等配位置から下向きに突出している。第1垂直突片72は、壁部71の正面から見て左側端から外方に突出し、前述した錠剤案内路8bの右側面を形成するものである。第1垂直突片72には仕切部材20が嵌入する切欠き72aが形成されている。第1水平突片73は、第1垂直突片72の上端から周方向に水平に正面から見て右側に向かって延び、前述した錠剤ポケット8aの底面を形成するものである。
【0056】
第2可動部材61は、第1可動部材60と同様に、上部材61aと下部材61bからなるが、上部材61aの係合突部74と下部材61bの係合凹部75が係合して両者は一体に回転可能である。
【0057】
第2可動部材61の上部材61aには、環状の基部76の内周に略半円型の切欠き77と長孔78が隣り合って形成されている。第2可動部材61を上から見て対向する切欠き77の縁には、第2可動部材61の円周方向に対向するA突起77aとB突起77bが形成されている。A突起77aとB突起77bは、後述する第2調整軸のAカム95aとBカム95bに摺接するカムフォロアとなる。
【0058】
第2可動部材61の下部材61bは、円環状の基部79と、6つの壁部80と、第2垂直突片81と、第2水平突片82とを有している。6つの壁部80は、基部79の外周縁の周6等配位置から下向きに突出している。第2垂直突片81は、壁部80の正面から見て右側端から外方に突出し、前述した錠剤案内路8bの左側面を形成するものである。第2垂直突片81には仕切部材20が嵌入する切欠き81aが形成されている。第2水平突片82は、第2垂直突片81の上端から周方向に水平に正面から見て左側に向かって延び、第1可動部材60の第1水平突片73ととともに、前述した錠剤ポケット8aの底面を形成するものである。第2可動部材61の第2水平突片82の先端部は、第1可動部材60の第1水平突片73の先端部の下に重なるように形成されている。
【0059】
第1支持部材62は、第1可動部材60の上部材60aの内径より大きい外径を有する円形形状を有し、下面に円形の突部83を有している。第1支持部材62の中央には、後述する幅調整部材64が貫通する孔84、84aと、深さ調整機構M2の深さ調整部材33が貫通する孔85と、高さ調整機構M3の高さ調整部材52が貫通する孔86と、2つのねじ挿通孔87とが形成されている。
【0060】
第2支持部材63は、第1可動部材60の上部材60aの内径より大きい外径を有する円形形状を有し、上面に第1支持部材62の円形の突部83が嵌合する環状突部88が形成されている。第2支持部材63の中央には、深さ調整機構M2の深さ調整部材33が貫通する孔89と、高さ調整機構M3の高さ調整部材52が貫通する孔90及び切欠き90aと、後述する幅調整部材64の第1調整軸94が貫通する孔91aと、第2調整軸95が嵌合する孔91bと、第1支持部材62の2つのねじ挿通孔87に挿通される図示しないねじが螺合する2つのねじ孔92と、2つのねじ挿通孔93が形成されている。
【0061】
第1支持部材62のねじ挿通孔87から第2支持部材63のねじ孔92に図示しないねじを挿入して締め付けることで、第1支持部材62と第2支持部材63は第1可動部材60、第2可動部材61を挟持した状態で一体とになっている。また、第2支持部材63のねじ挿通孔93からロータベース32のねじ孔45bに図示しないねじを挿入して締め付けることで、第2支持部材63がロータベース32に固定されるとともに、第2支持部材63とロータベース32の間に高さ調整機構M3の筒状回転部材50が保持され、軸方向の移動が拘束される。
【0062】
幅調整部材64は、第1調整軸94と第2調整軸95からなっている。第1調整軸94は、切欠き68内に配置されている。第2調整軸95は、長孔69内に配置されている。第2調整軸95には、幅調整部材64の自由な回転を防止するストッパ96が設けられている。
【0063】
第1調整軸94は、上端から順にAカム94a、Bカム94b、ギア94cが形成されている。Aカム94aは、
図16に示すように、幅調整部材64を上から見て時計回りに360°の範囲でカム面の半径が増加するように形成され、第1可動部材60のA突起68aと摺接するようになっている。Bカム94bは、幅調整部材64を上から見て反時計回りに360°の範囲でカム面の半径が増加するように形成されて、第1可動部材60のB突起68bと摺接するようになっている。Aカム94aの最大半径部とBカム94bの最大半径部は180°離れて位置する。第1調整軸94の上端は第1支持部材62の孔84aに支持され、下端は第2支持部材63の孔91aに支持されている。
【0064】
同様に、第2調整軸95は、下端から順にAカム95a、Bカム95b、ギア95c、係合部95dが形成されている。Aカム95aは、幅調整部材64を下から見て時計回りに360°の範囲でカム面の半径が増加するように形成され、第2可動部材61のA突起77aと摺接するようになっている。Bカム95bは、幅調整部材64を下から見て反時計回りに360°の範囲でカム面の半径が増加するように形成されて、第2可動部材61のB突起77bと摺接するようになっている。Aカム95aの最大半径部とBカム95bの最大半径部は180°離れて位置する。第2調整軸95のギア95cは、ギア94cと噛合して連動するように構成されている。第2調整軸95の上端は第1支持部材62の長孔69を貫通してロータ本体31から突出して孔34aから露出し、外部から回転調整可能になっている。第2調整軸95の下端は第2支持部材63の孔91bに支持されている。なお、第1調整軸94の上端が第1支持部材62を貫通してロータ本体31から突出して露出し、外部から回転調整可能にしてもよい。
【0065】
第2調整軸95を
図16(a)において時計回りに回転させると、第2調整軸95のギア95cから第1調整軸94のギア94cに回転力が伝達され、第1調整軸94は反時計周りに回転する。第1調整軸94の回転により、第1調整軸94のAカム94aが第1可動部材60のA突起68aに摺接して押圧するので、第1可動部材60は
図16(a)において時計回りに回動する。一方、第2調整軸95の回転により、
図16(b)に示すように、第2調整軸95のAカム95aが第2可動部材61のA突起77aに摺接して押圧するので、第2可動部材61は
図16(b)において時計回り、
図16(a)において反時計回りに回動する。
【0066】
続いて、第2調整軸95を
図16(a)において反時計回りに回転させると、第2調整軸95のギア95cから第1調整軸94のギア94cに回転力が伝達され、第1調整軸94は時計周りに回転する。第1調整軸94の回転により、第1調整軸94のBカム94bが
第1可動部材60のB突起68bに摺接して押圧するので、第1可動部材60は
図16(a)において反時計回りに回動する。一方、第2調整軸95の回転により、
図16(b)に示すように、第2調整軸95のBカム95bが第2可動部材61のB突起77bに摺接して押圧するので、第2可動部材61は
図16(b)において反時計回り、
図16(a)において時計回りに回動する。
【0067】
このように、第1可動部材60と第2可動部材61は互いに反対方向に回転し、第1可動部材60の第1垂直突片72と第2可動部材61の第2垂直突片81の間隔、すなわち、錠剤案内路8bの幅を拡大したり、縮小することができる。
【0068】
次に、以上の構成からなる錠剤カセット2におけるロータ8の動作を説明する。
【0069】
既に述べたように、
図5に示すカセット本体5とロータ8の間には、ロータ8の側面上部に周方向に延びる錠剤ポケット8aと、ロータ8の側面上部から下方に延びる複数の錠剤案内路8bを有している。
【0070】
図5を参照すると、カセット本体5に収容された錠剤Tは、ロータ8の回転により撹拌されながら錠剤ポケット8aに進入し、錠剤ポケット8aから錠剤案内路8bに進入し、錠剤案内路8bが錠剤排出孔9に近づくと、錠剤案内路8bの最下位の錠剤Tとそれより上の錠剤Tとの間にカセット本体5に固定された仕切部材20が進入する。仕切部材20より上方の錠剤Tは仕切部材20によって下方に落下するのを阻止される。仕切部材20より下方の最下位の錠剤Tは、錠剤支持台55にあるが、錠剤支持台55は傾斜しているので、当該錠剤支持台55上で錠剤排出孔9に向かって倒れ、錠剤排出孔9から排出される。錠剤排出孔9から排出された錠剤Tは、
図2に示すベース2の錠剤排出路3cを通って払い出される。これにより、錠剤案内路8bが錠剤排出孔9に回ってくる毎に、錠剤Tが1個ずつ排出される。ロータ8の回転角度を調整することで、処方に応じた数の錠剤Tを払い出すことができる。
【0071】
錠剤案内路8bは、前述した仕切調整機構M1、深さ調整機構M2、高さ調整機構M3、幅調整機構M4を用いて、錠剤Tの厚さに対する仕切部材20の進入位置、錠剤Tの厚さに相当する深さD、錠剤の高さに相当する高さH、錠剤Tの幅に相当する幅Wを調整することができる。このため、カセット本体5に収容する錠剤Tの形状又は大きさに応じて、適切な大きさの錠剤案内路8bにすることができる。錠剤Tが異なるごとに、錠剤カセット2全体又はロータ8を交換することなく、同じ錠剤カセット2又はロータ8を用いて、種々の錠剤Tに合わせた錠剤案内路8bに調整することで、排出することができる。このような調整は、以下に説明する調整装置により自動的に行うことができる。
【0072】
<調整装置>
図17は、本発明に係る錠剤カセットの調整装置100を示す。調整装置100は、既に説明した錠剤カセット2の錠剤案内路8bの溝の深さ、高さ、幅を調整するそれぞれの調整機構M2、M3、M4の各調整部材33、52、64の係合部33c、52b、95dに係合して該調整機構を作動させ、カセット本体5内に収容される錠剤Tの形状又は大きさに応じて錠剤案内路8bの寸法を調整する。また、調整装置100は、仕切部材20の進入位置を調整する仕切調整機構M1の仕切調整部材24の係合ギア24bに係合して、該仕切調整機構M1を作動させ、カセット本体5内に収容される錠剤Tの形状又は大きさ、錠剤案内路8bの溝の深さに応じて仕切部材20の進入位置を調整するものである。
【0073】
調整装置100は、装置本体101と、カセット装着部102と、ロータ載置部103と、
図18に示す昇降テーブル104と、昇降操作部105とを備える。
【0074】
装置本体101は、
図18に示す下部フレーム106と、該下部フレーム106の両端から立ち上がるサイドフレーム107と、該サイドフレーム107の上端に設けられた上部フレーム108と、該上部フレーム108の後方に設けられた後部フレーム109とを有している。
【0075】
カセット装着部102は、上部フレーム108に設けられたカセット装着ベース110を有している。カセット装着ベース110には、錠剤払出装置1のベース3と同様に、錠剤カセット2を装着することができるように、装着ガイド110aと係止部110bとを有している。カセット装着ベース110の後方の後部フレーム109には、
図19、20に示すように仕切調整軸111が設けられている。仕切調整軸111は、錠剤カセット2を装着したときに錠剤カセット2の仕切調整部材24の係合ギア24bと係合する駆動ギア112を有する。仕切調整軸111は、仕切調整モータ113により駆動される。また、後部フレーム109の前方の傾斜フレーム114には、錠剤カセット2の仕切調整機構M1の可動部材23が当接する仕切ゼロ点検出センサ115の検出レバー116が突出している。検出レバー116は、
図20に示すように、L字形で、支軸117を中心に回動可能に設けられ、仕切ゼロ点検出センサ115により検知される検知部116aを有している。
【0076】
ロータ載置部103は、
図18に示す下部フレーム106に設けられたセンサ取付台118を有している。センサ取付台118の上面には、ロータ装着突部119が設けられている。ロータ装着突部119は、カセット本体5のロータ駆動部10の係合軸13と同様の形状の係合軸120を有し、ロータ8を装着できるようになっている。センサ取付台118の側面には、深さゼロ点検出センサ121、高さゼロ点検出センサ122、幅ゼロ点検出センサ123それぞれが設けられている。深さゼロ点検出センサ121、高さゼロ点検出センサ122、幅ゼロ点検出センサ123のそれぞれに設けられた
図21に示す各検出部121a、122a、123aは、ロータ載置部103から上方に突出して、ロータ載置部103に載置されるロータ8のガイド部37の突起37b、錠剤支持台55の下面、第1垂直突片72にそれぞれ対向し、当接するようになっている。
【0077】
昇降テーブル104は、
図18に示すように、両端の垂直部124に設けられたスライダ125が装置本体101のサイドフレーム107に設けられたガイドレール126に係合して、昇降可能になっている。昇降テーブル104の前部には、垂直方向に延びる深さ調整軸127、高さ調整軸及128、及び幅調整軸129が回転可能に設けられている。
【0078】
深さ調整軸127は、
図22に示すように、上方の大径部130と、下方の小径部131と、大径部130と小径部131の間の段部132とを含み、大径部130の上端にプーリ133が取り付けられ、小径部131の下端に係合軸134が取り付けられている。係合軸134は、下端に深さ調整部材33の係合部33cに係合する係合部134aが形成され、上端には小径部131の下端が挿入される孔134bと、深さ調整軸127の下部に設けたピン135が嵌入するスリット134cとが形成されている。深さ調整軸127の段部132と係合軸134の上端との間にはスプリング136が装着されている。高さ調整軸128、幅調整軸129も、深さ調整軸127と同じ構成である。
【0079】
図23に示すように、昇降テーブル104の後部には、深さ駆動軸137、高さ駆動軸138及び幅駆動軸139が設けられている。各駆動軸137、138、139にはプーリ140が設けられ、深さ調整軸127、高さ調整軸128、幅調整軸129のプーリ133とベルト141で連結されている。各駆動軸137、138、139は、深さ調整モータ142、高さ調整モータ143、幅調整モータ144により回転駆動可能になっている。
【0080】
図19に戻ると、昇降操作部105は、レバー145と、ハンドル146と、レバー位置検出センサ147とを含む。
【0081】
レバー145は、両側のサイドフレーム107の外側に一対設けられ、一端がサイドフレーム107間に設けられた支軸148に回動可能に設けられ、他端は連結バー149で互いに連結されている。レバー145には、
図18に示す昇降テーブル104の垂直部124に設けられたローラ150が嵌入する長孔151が形成されている。また、正面から見て右側のレバー145には支軸148を中心とする円弧部152が形成され、円弧部152の縁には複数の切欠き152a、152bが形成されている。
【0082】
ハンドル146は、正面から見て右側のレバー145の先端にレバー145の長手方向に沿ってスライド可能に取り付けられている。また、ハンドル146は、スプリング153によってレバー145の支軸148に向かって付勢されている。ハンドル146の先端には係合爪154が形成されている。係合爪154は、ハンドル146が下方に押されたときに、サイドフレーム107に取り付けられたストッパ部材155の係合部155aに係合して、所定の下方位置に保持される。
【0083】
レバー位置検出センサ147は、サイドフレーム107に取り付けられ、レバー145の回動に伴って、レバー145の円弧部152の切欠き152a、152bを検知して、レバー145の位置を検出するようになっている。
【0084】
図24は、調整装置100のシステム構成図である。調整装置100は、制御装置200、表示部201、及び記憶部202に接続されている。
【0085】
深さ、高さ、幅の各ゼロ点検出センサ121、122、123及び仕切ゼロ点検出センサ115の検出信号は制御装置200に入力される。また、レバー位置検出センサ147の検出信号は、制御装置200に入力される。さらに、カセット装着部102に設けられた第1スタートボタン203とロータ載置部103に設けられた第2スタートボタン204の各スタート信号は、制御装置200に入力される。
【0086】
記憶部202には、錠剤種別を識別可能な薬品識別情報である薬品コード及び薬品名と、錠剤の形状と、錠剤の長さ、幅、高さ、厚さなどの寸法と、当該錠剤に適した仕切部材20の錠剤案内路8bへの進入位置とが少なくとも対応付けられた錠剤実装マスタD11(
図32(A)参照)が記憶される。錠剤実装マスタD11には、錠剤払出システム500で払い出し可能な錠剤として予め登録された錠剤の情報が記憶されている。また、記憶部202に、例えば標準寸法に対する補正係数等が記憶されており、制御装置200は、前記補正係数と前記錠剤の寸法とに基づいて、錠剤に適した錠剤案内路8bの深さ、高さ、幅の各寸法を導出可能である。他の実施形態として、錠剤の寸法に代えて、錠剤に適した錠剤案内路8bの深さ、高さ、幅の各寸法が錠剤実装マスタD11に記憶されていてもよい。同様に、仕切部材20の錠剤案内路8bへの進入位置の代わりに、当該進入位置に関連する数値(錠剤の厚さ等)、例えば標準進入位置に対する補正係数等が錠剤実装マスタD11に記憶されていてもよい。なお、錠剤実装マスタD11には、薬品分類(分類コード)、薬品成分(成分コード)、JANコード、RSSコード、薬瓶コード、剤形、単位、比重、薬品種、配合変化、賦形薬品、注意事項、サイズ種別、及び錠剤の外観画像なども対応付けて登録されている。また、錠剤実装マスタD11は、ユーザー操作などに基づいて制御装置200によって編集されることがある。
【0087】
さらに、記憶部202には、複数の錠剤について、錠剤実装マスタD11に記憶される錠剤種別と同様の情報の他に、規格量、ホストコード、薬品一般名称、JANコード、RSSコード、YJコード(個別医薬品コード)、GS1コード、薬瓶コード、剤形コード(散薬、錠剤、水剤、外用薬など)、形態コード、劇薬・管理薬品種類(向精神薬、麻薬)、外観画像などの情報が記憶された薬品マスタが記憶されている。例えば、制御装置200は、ユーザー操作に応じて前記薬品マスタに記憶されている情報を錠剤実装マスタD11に反映させること、又は、前記薬品マスタに記憶されている情報を表示部201に表示させることが可能である。
【0088】
制御装置200は、記憶部202に記
憶されている錠剤実装マスタD11と、深さゼロ点検出センサ121、高さゼロ点検出センサ122、幅ゼロ点検出センサ123、仕切ゼロ点検出センサ115、レバー位置検出センサ147、第1スタートボタン203、第2スタートボタン204からの検出信号とに基づいて、深さ、高さ、幅の調整モータ142、143、144及び仕切調整モータ113を駆動し、カセット本体5内に収容される錠剤Tの形状又は大きさに応じて錠剤案内路8bの寸法及び仕切部材20の進入位置を調整する。
【0089】
以上の構成からなる調整装置100を用いて錠剤カセット2のロータ8の錠剤案内路8bの寸法及び仕切部材20の進入位置を調整する動作について、
図25を参照しつつ説明する。
【0090】
まず、錠剤払出装置1から錠剤Tを入れ換えようとする錠剤カセット2を取り出す。錠剤カセット2に錠剤Tが残っている場合は取り出しておく。
図26に示すように、新しく収容する錠剤Tの箱156のラベル157を切り離して、錠剤カセット2のポケット6aに差し込むとよい。
【0091】
ステップ1で、錠剤払出装置1から取り出した錠剤カセット2を調整装置100のカセット装着部102に装着する。
【0092】
ステップ2で、表示部201に表示される錠剤一覧から、錠剤カセット2に新たに収容しようとする錠剤を選択し、表示部201のOKボタンを押す。図示しないバーコードリーダを使用して、錠剤カセット2のポケット6aに差し込んだラベル157のバーコードから錠剤を読み取ってもよい。
【0093】
表示部201のOKボタンが押されると、ステップ3で、仕切調整モータ113が駆動し、仕切部材20が後退し、仕切部材20の先端が少なくともカセット本体5の第1可動部材60の切欠き72aと第2可動部材61の切欠き81aから退避する。これにより、ロータ8をカセット本体5から取り出すことが可能となる。
【0094】
ステップ4で、錠剤カセット2のカセット本体5からロータ8を取り出し、ロータ8のロータカバー30を取り外して、深さ調整部材33、高さ調整部材52、幅調整部材64の各係合部を露出させる。
【0095】
ステップ5で、カセット本体5から取り出したロータ8を
図26に示すように調整装置100のロータ載置部103に載置する。
【0096】
ステップ6で、調整装置100のハンドル146を把持してレバー145を下げる。これにより、深さ調整軸127、高さ調整軸128、幅調整軸129の各係合部134aがロータ8の深さ調整部材33、高さ調整部材52、幅調整部材64の各係合部に係合する。深さ調整軸127、高さ調整軸128、幅調整軸129の各係合部は、スプリング136の付勢力により、ロータ8の深さ調整部材33、高さ調整部材52、幅調整部材64の各係合部と係合状態に維持される。レバー145は、ハンドル146がスプリング153の付勢力により係合爪154がストッパ部材155の係合部155aに係止して、押下げ状態に保持される。また、レバー145の押下位置は、レバー位置検出センサ147によって検出されるので、制御装置200は錠剤案内路調整の準備完了と判断する。
【0097】
ステップ7で、第1スタートボタン203を押すと、ステップ8で、深さ、高さ、幅の各調整モータ142、143、144が駆動し、選択した錠剤に応じて、ロータ8の錠剤案内路8bの深さ、高さ、幅が記憶部202に記憶されたマスタ値に調整される。なお、この錠剤案内路の調整動作の間、カセット装着部102に装着した錠剤カセット2のカセット本体5の内部を清掃することができる。
【0098】
錠剤案内路8bの調整動作を具体的に説明すると、まず深さゼロ点検出センサ121、高さゼロ点検出センサ122、幅ゼロ点検出センサ123各々がゼロ点を検出するまで各調整モータ142、143、144を一方向に作動させる。すなわち、
図27に示すように、深さ調整軸127の回転により深さ調整機構M2が作動し、ロータ本体31のガイド部37が下方に移動し、ガイド部37の下端の突起37bが深さゼロ点検出センサ121の検出部121aを押圧するので、深さゼロ点が検出される。また、
図28に示すように、高さ調整軸128の回転により高さ調整機構M3が作動し、錠剤支持台55が下方に移動し、錠剤支持台55の下面が高さゼロ点検出センサ122の検出部122aを押圧するので、高さゼロ点が検出される。さらに、
図29に示すように、幅調整軸129の回転により幅調整機構M4が作動し、第1可動部材60の第1垂直突片72と、第2可動部材61の第2垂直突片81が互いに離れる方向に移動し、第1可動部材の第1垂直突片72が幅ゼロ点検出センサ123の検出部123aを倒すので、幅ゼロ点が検出される。
【0099】
次に、選択した錠剤に応じた錠剤案内路8bの深さ、高さ、幅が記憶部202に記憶された各マスタ値になるまで各調整モータ142、143、144を他方向に作動させる。
【0100】
ステップ9で、深さ、高さ、幅の調整を終えたロータ8にロータカバー30を取り付けて、カセット装着部102の錠剤カセット2に戻す。
【0101】
ステップ10で、第2スタートボタン204を押すと、ステップ11で、仕切調整モータ113が駆動し、選択した錠剤に応じて、ロータ8の錠剤案内路8bへの仕切部材20の位置がマスタ値に調整される。
【0102】
具体的に説明すると、
図30に示すように、仕切調整モータ113の駆動により仕切調整軸111が回転して、仕切調整機構M1が作動し、可動部材23が後方に移動し、可動部材23が仕切ゼロ点検出センサ115の検出部検出レバー116を押圧するので、検知部116aが移動して仕切ゼロ点検出センサ115により仕切ゼロ点が検出される。次に、選択した錠剤に応じた仕切部材20の錠剤案内路8bへの進入位置が各マスタ値になるまで仕切モータ113を他方向に作動させる。
【0103】
ステップ12で、錠剤カセット2を調整装置100から取り外すと、ステップ13で錠剤払出装置1の制御部300に対して当該錠剤カセット2に収容される錠剤のデータを書き換える。
【0104】
ステップ12で、錠剤案内路の調整を終えた錠剤カセット2に新たな錠剤を収容して、錠剤払出装置1の所定に位置に装着する。
【0105】
図31は、調整装置100のセンサ取付台118とロータ載置部103の変形例を示す。
【0106】
センサ取付台118には、中央にコイルバネ118aと、該コイルバネ118aの内側にスライド軸118bとが設けられている。スライド軸118bの上端には磁石118cが取り付けられている。コイルバネ118aの周囲には、深さゼロ点検出センサ121、高さゼロ点検出センサ122、幅ゼロ点検出センサ123がそれぞれ設けられている。また、コイルバネ118aの周囲には、周3等配位置に、後述する3つのリンク103eと対応する位置に開口部118dが形成されている。
【0107】
ロータ載置部103は、センサ取付台118にコイルバネ118aを介して支持され、センサ取付台118のスライド軸118bに沿って上下方向に移動可能になっている。ロータ載置部103は、
図10に示すロータ8の係合凹部41aが嵌合するロータ装着突部119を有する。ロータ装着突部119には、
図10に示すロータ8の係合凹部41aに形成された大小の係合孔41S、41L(
図10には41Lのみ示す)に係合する係合片119S、119Lが形成されている。このため、ロータ8は、回転方向に一位置でのみ取り付けることができる。ロータ8には、係合孔41S、41Lが係合片119S、119Lに確実に係合するように、取付方向を示す印を設けることが好ましい。
【0108】
ロータ載置部103には、ロータ装着突部119の周囲に、深さゼロ点検出センサ121、高さゼロ点検出センサ122、幅ゼロ点検出センサ123をそれぞれ望む開口孔103a、103b、103cが形成されている。また、ロータ載置部103には、後述する3つのリンク103eのロータ受け部103gが突出する孔103dが形成されている。ロータ載置部103の裏面には、3つのリンク103eが配設されている。リンク103eは、支軸103fにより回動可能に設けられ、一端にロータ受け部103g、他端にカム部103hを有している。
【0109】
リンク103eは、通常は、カム部103hの自重により、ロータ受け部103gがロータ載置部103の孔103dから上方に突出し、カム部103hの端部がセンサ取付台118の開口部118dの縁に当接している。この状態では、ロータ載置部103にロータ8以外の外力が作用しても、下方には降下しない。このため、各センサ121、122、123の検出部121a、122a、123aがそれぞれ開口孔103a、103b、103cから露出せず、各センサ121、122、123を保護することができる。
【0110】
ロータ載置部103にロータ8を装着して下方に押さえると、ロータ8の下面が3つのリンク103eのロータ受け部103gを同時に押圧する。これにより、リング103eが支軸103fの回りに回動して、カム部103hの端部が孔118dの縁から外れる。この結果、ロータ載置部103は、コイルバネ118aの付勢力に抗して、下方に降下する。そして、スライド軸118bの磁石118cがロータ8の磁性板46に吸着し、固定される。
【0111】
前記実施形態は、特許請求の範囲に記載の発明の範囲内で種々変更することができる。例えば、前記実施形態では、錠剤案内路の溝の深さ、高さ、幅のすべてを調整できるようにしたが、溝の深さ、高さ、幅のいずれか1つまたは2つを調整できるようにしてもよい。また、調整軸をレバーにより手動で昇降させるようにしたが、自動的に昇降させてもよい。さらに、ロータ8を錠剤カセット2から取り出さずに、錠剤カセット2の蓋6を開けてロータカバー30を外した状態で、錠剤カセット2を調整装置100に置いて錠剤カセット2内にあるロータ8の錠剤案内路8bの深さ、高さ、幅の少なくともいずれか1つ、又は仕切部材20の進入位置を調整できるようにしてもよい。
【0112】
以下、
図33に示されるように、錠剤払出装置1、調整装置100、及び制御装置200を備える錠剤払出システム500の詳細について説明する。錠剤払出装置1及び調整装置100は、LAN等のネットワークNを介して制御装置200に通信可能に接続され、錠剤払出装置1及び調整装置100の動作は制御装置200によって制御される。制御装置200は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。なお、調整装置100にも各種の処理を実行可能なCPU等の制御部が設けられ、当該制御部は制御装置200等と通信可能である。
【0113】
本実施形態では、本発明に係る錠剤払出システムの構成要素が制御装置200に設けられており、当該制御装置200の単体が本発明に係る錠剤払出システムに相当する。一方、錠剤払出装置1又は調整装置100が、本実施形態で説明する制御装置200と同様の機能を有する場合には、当該錠剤払出装置1又は当該調整装置100を本発明に係る錠剤払出システムとして捉えてもよい。また、本発明に係る錠剤払出システムの構成要素が、錠剤払出装置1、調整装置100、及び制御装置200のいずれか二つ以上に分散して設けられていてもよい。さらに、制御装置200は、錠剤払出装置1又は調整装置100に搭載されていてもよい。
【0114】
図33に示されるように、錠剤払出装置1は、制御部300及びリーダライタ301を備え、調整装置100は、リーダライタ501を備える。また、錠剤カセット2のカセット本体5には、RFIDタグ601が設けられている。RFIDタグ601は、データを記憶することが可能な不揮発性の記憶部の一例である。なお、RFIDタグ601に代えて、例えば接点式などの他の記憶方式でデータの読み書きが可能な記憶部が用いられてもよい。
【0115】
制御部300は、CPU、ROM、RAM、及びEEPROM(登録商標)などの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーで
ある。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。
【0116】
具体的に、制御部300は、異常判定部311などの処理部を含む。具体的に、制御部300は、前記CPUを用いて、前記ROM等に予め記憶された錠剤払出制御プログラムに従って各種の処理を実行することにより各種の処理部として機能する。なお、前記処理部の一部又は全部が電子回路であってもよい。
【0117】
異常判定部311は、錠剤カセット2からの錠剤の払い出しに用いられる駆動部の駆動電流が予め設定された異常電流値以上であるか否かを判定する。即ち、異常判定部311は、前記駆動部の異常を検出するための処理を実行する。なお、前記異常電流値は、後述する制御部401の異常処理部418によって設定又は変更される。
【0118】
リーダライタ301は、錠剤払出装置1において、ベース3に錠剤カセット2が装着された場合に、当該ベース3に装着されている錠剤カセット2のRFIDタグ601にアクセス可能な位置に設けられている。そして、リーダライタ301は、錠剤カセット2に設けられたRFIDタグ601からデータを読み取ることが可能であると共に、当該RFIDタグ601にデータを書き込むことが可能である。
【0119】
リーダライタ501は、調整装置100において、カセット装着部102に錠剤カセット2が装着された場合に、当該カセット装着部102に装着されている錠剤カセット2のRFIDタグ601にアクセス可能な位置に設けられている。そして、リーダライタ501は、錠剤カセット2に設けられたRFIDタグ601からデータを読み取ることが可能であると共に、当該RFIDタグ601にデータを書き込むことが可能である。
【0120】
RFIDタグ601は、
図33に示されるように、更新可能領域611及び更新不可領域612を含む。更新可能領域611は、リーダライタ301、501のようなリーダライタによるデータの読み出し及びデータの書き込みが可能な領域である。更新不可領域612は、リーダライタ301、501のようなリーダライタによるデータの読み出しは可能であるが、データの書き込みができない領域である。
【0121】
具体的に、更新可能領域611には、RFIDタグ601が設けられる錠剤カセット2に割り当てられる錠剤種別を識別するための薬品コード又は薬品名などの薬品識別情報を含む錠剤種別情報D21(
図32(B)参照)が記憶される。錠剤種別情報D21には、薬品識別情報の他に、安定係数、配置制限、サイズ種別、機種番号、枝番号などの情報も含まれる。なお、錠剤種別情報D21に、錠剤のサイズ(長さ、幅、高さ、厚さ)が記憶されていてもよい。なお、錠剤払出装置1における錠剤カセット2各々の装着位置が固定的に設定される場合には、錠剤種別情報D21及び後述の割当対応情報D31に、錠剤払出装置1における錠剤カセット2の装着位置を示す装着位置情報が含まれ、当該装着位置情報がユーザー操作などに基づいて制御部401によって更新される。
【0122】
前記安定係数は、錠剤の形状・固さによる跳ねやすさ、転がりやすさを示す係数で、例えば、個々の錠剤カセット2から払い出される錠剤が落下して排出口で安定するまでの時間(最大)を算出するために用いられる。前記配置制限は、錠剤カセット2を錠剤払出装置1に装着する際、装着可能な位置の制限に関する情報であって、例えば、「全段可能」、「半分以下」、「下2列のみ」のように錠剤カセット2を装着可能な位置を高さで制限するための情報である。前記サイズ種別とは、錠剤カセット2のサイズであり、例えばL、LM、M、S、SSのように収容可能な錠剤の数量に応じて定められている。前記機種番号とは、錠剤払出装置1が複数台ある場合に、当該錠剤カセット2が実装される錠剤払出装置1の識別番号である。前記枝番号とは、同種の錠剤を収容する錠剤カセット2が複数ある場合、それぞれを区別するために付される番号である。
【0123】
一方、更新不可領域612には、RFIDタグ601が設けられる錠剤カセット2を識別するための固有の識別情報を示すカセット番号、及び当該錠剤カセット2のカセットタイプなどの情報を含むカセット情報D22(
図32(B)参照)が予め記憶されている。ここに、前記カセットタイプとは払い出し可能な錠剤の適合条件が異なる複数タイプの錠剤カセット2を識別するための情報である。具体的に、前記適合条件には、錠剤の幅、高さ、厚さなどのサイズについての最小値及び最大値の一方又は両方が含まれる。また、前記適合条件には、例えばカプセル錠又は平丸錠などの錠剤の形状が含まれていてもよい。
【0124】
例えば、錠剤カセット2のカセットタイプとして、錠剤の幅(直径)x1mm以上x2mm未満、厚さがy1mm以上y2mm未満、錠剤の形状が平丸錠であるタイプA、及び、錠剤の幅x2mm以上x3mm未満、厚さ(直径)y2mm以上y3mm未満、錠剤の形状がカプセル錠であるタイプBなどが含まれる。なお、錠剤カセット2のロータ8にトルクリミッタ(不図示)が設けられる場合には、当該トルクリミッタにおけるトルク伝達の有無を切り替える負荷の大きさが、錠剤カセット2のカセットタイプごとに異なることも考えられる。また、錠剤カセット2各々が全ての錠剤に適合可能な構成であってもよく、この場合にはカセット情報D22に前記カセットタイプの情報が含まれていなくてもよい。
【0125】
制御装置200は、制御部401、操作部402、表示部201、及び記憶部202等を備えるコンピュータのような情報処理装置である。
【0126】
記憶部202に記憶されている錠剤実装マスタD11では、
図32(A)に示されるように、薬品コード又は薬品名のような薬品識別情報が示す錠剤各々について、安定係数、配置制限、カセットタイプ、寸法(長さ、高さ、幅、厚さ)、及び進入位置などの情報が薬品識別情報ごとに対応付けて記憶されている。これにより、制御部401は、錠剤カセット2に割り当てられる錠剤種別と錠剤実装マスタD11の寸法及び進入位置とに基づいて、当該錠剤カセット2の錠剤案内路8bの寸法及び仕切部材20の進入位置を調整装置100で調整することが可能である。
【0127】
また、記憶部202には、
図32(C)に示されるように、錠剤カセット2の識別情報であるカセット番号と、当該錠剤カセット2に割り当てられている錠剤の薬品識別情報である薬品コードと、後述の照合用コードが照合済みであるか否かを示す照合済フラグとが対応付けられた割当対応情報D31が記憶されている。これにより、制御部401は、割当対応情報D31における薬品コードとカセット番号との対応関係を参照して錠剤払出装置1を制御し、処方データに示される特定の錠剤を当該錠剤に対応する錠剤カセット2から払い出すことが可能である。なお、割当対応情報D31には、錠剤払出装置1に装着可能な錠剤カセット2の数よりも多くの錠剤カセット2についての情報が記憶可能であり、錠剤払出装置1では、割当対応情報D31に記憶されている錠剤カセット2のうち錠剤払出装置1に装着されている錠剤カセット2を用いて錠剤の払い出しが可能であってもよい。
【0128】
さらに、記憶部202には、
図32(D)に示されるように、錠剤払出システム500に接続されている錠剤払出装置1各々について、当該錠剤払出装置1に装着されている錠剤カセット2のカセット番号と当該錠剤カセット2が装着されている錠剤払出装置1のベース3を識別するためのベース番号とが対応付けられたベースマスタD41が記憶される。制御部401は、錠剤払出装置1において錠剤カセット2の着脱が検出された場合に、当該錠剤カセット2の着脱結果に応じてベースマスタD41を更新する。これにより、制御部401は、錠剤払出装置1各々に対応するベースマスタD41に基づいて、錠剤払出システム500において、錠剤払出装置1各々に装着されている錠剤カセット2、及び当該錠剤カセット2が装着されているベース3を特定することが可能である。
【0129】
表示部201は、各種の情報を表示可能な液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プロジェクターなどの表示手段である。操作部402は、ユーザー操作を受け付け可能なマウス、キーボード、タッチパネルなどの操作手段である。なお、表示部201及び操作部402は、ユーザー操作を受け付け可能なタッチパネルディスプレイであってもよい。
【0130】
制御部401は、CPU、ROM、RAM、及びEEPROM(登録商標)などの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。
【0131】
そして、制御部401は、割当処理部411、判定処理部412、出力処理部413、第1表示処理部414、清掃処理部415、コード出力処理部416、制限処理部417、異常処理部418、報知処理部419、適合判定処理部420、及び第2表示処理部421等の各種の処理部を含む。具体的に、制御部401は、前記CPUを用いて、前記ROM又は記憶部202に予め記憶された錠剤払出制御プログラムに従って各種の処理を実行することにより前記各種の処理部として機能する。なお、前記処理部の一部又は全部が電子回路であってもよい。
【0132】
割当処理部411は、予め割り当てられる任意の錠剤種別の錠剤を払い出し可能な第1錠剤カセットの一例である錠剤カセット2に錠剤種別をユーザー操作に応じて受け付ける。以下、割当処理部411による錠剤種別の割当対象となる錠剤カセット2を対象錠剤カセット2Aと称することがある。例えば、割当処理部411は、表示部201に選択候補の錠剤種別の一覧を表示させ、操作部402に対するユーザー操作に応じて前記錠剤種別の選択を受け付ける。なお、割当処理部411は、制御装置200に接続される不図示のバーコードリーダ等を用いて錠剤種別を読み取るためのユーザー操作が行われた場合に、その読み取られた錠剤種別を割当対象の錠剤種別として受け付けてもよい。そして、割当処理部411は、前記ユーザー操作に応じて受け付けられた前記錠剤種別を錠剤カセット2に割り当てることが可能である。一方、割当処理部411は、調整装置100による錠剤カセット2の調整中は、当該錠剤カセット2を錠剤種別が割り当てられていない状態にする。
【0133】
判定処理部412は、割当処理部411により受け付けられた錠剤種別と同一の錠剤種別に対応する第2錠剤カセットである錠剤カセット2が存在するか否かを判定する。即ち、判定処理部412は、錠剤種別の重複割り当ての有無を確認するための処理を実行する。以下、割当処理部411により受け付けられた錠剤種別が既に割り当てられている錠剤カセット2を既存錠剤カセット2Bと称することがある。なお、本実施形態では、錠剤カセット2が第2錠剤カセットの一例である場合について説明するが、当該錠剤カセット2の他に、払い出し可能な錠剤の錠剤種別が予め定められている錠剤種別固定カセットが錠剤払出装置1に装着可能である場合には、当該錠剤種別固定カセットも第2錠剤カセットの一例である。
【0134】
出力処理部413は、判定処理部412による判定結果を出力する。具体的に、出力処理部413は、割当処理部411により受け付けられた錠剤種別と同一の錠剤種別に対応する既存錠剤カセット2Bが存在すると判定処理部412が判定した場合に、その旨を表示部201に表示させる。例えば、「既に同一の錠剤種別に対応する錠
剤カセットが存在します」などのメッセージが表示される。なお、出力処理部413は、割当処理部411により受け付けられた錠剤種別と同一の錠剤種別に対応する既存錠剤カセット2Bが存在しないと判定処理部412が判定した場合には、その旨を表示部201に表示させなくてもよい。また、既存錠剤カセット2Bが存在する旨の出力方法は、表示画面の点滅、表示文字色の変更、又はブザー鳴動などであってもよい。さらに、既存錠剤カセット2Bが存在する場合には、現在存在する既存錠剤カセット2Bの合計数、又は、現在存在する既存錠剤カセット2Bと対象錠剤カセット2Aとを含む総合計数が判定結果として表示されてもよい。このとき、割当処理部411は、割当処理部411により受け付けられた錠剤種別と同一の錠剤種別に対応する既存錠剤カセット2Bが存在すると判定処理部412により判定された後、前記錠剤種別を対象錠剤カセット2Aに割り当てる旨のユーザー操作が行われた場合は、当該錠剤種別を対象錠剤カセット2Aに割り当て可能である。
【0135】
第1表示処理部414は、錠剤案内路8bを調整可能な調整装置100に装着されている対象錠剤カセット2Aに現在割り当てられている錠剤種別を表示部201等に表示することが可能である。
【0136】
清掃処理部415は、調整装置100により対象錠剤カセット2Aの錠剤案内路8bが錠剤種別に応じて調整される前に、当該錠剤案内路8bを予め設定された清掃可能状態に遷移させることが可能である。具体的に、清掃処理部415は、対象錠剤カセット2Aの錠剤案内路8bの調整中に当該錠剤案内路8bの幅を最大サイズまで広げることでロータ8の清掃を可能にすることが考えられる。
【0137】
コード出力処理部416は、調整装置100による前記錠剤種別に応じた対象錠剤カセット2Aの調整後に当該錠剤種別を示す照合用コードを出力することが可能である。なお、前記照合用コードには、対象錠剤カセット2Aのカセット番号も含まれる。例えば、コード出力処理部416は、制御装置200に接続される不図示のプリンタ又はラベル印刷装置などに前記照合用コードを出力してシール等の印刷物として印刷する。前記照合用コードは、制御装置200に接続可能な不図示のバーコードリーダによって読み取り可能な一次元コード又は二次元コードである。そして、コード出力処理部416により出力される印刷物は、対象錠剤カセット2Aに貼り付けられ、当該対象錠剤カセット2Aに割り当てられた錠剤種別を識別するために用いられる。
【0138】
制限処理部417は、錠剤払出装置1で対象錠剤カセット2Aについて前記照合用コードに基づく照合が完了していることを条件に当該対象錠剤カセット2Aからの錠剤の払出を許可する。即ち、制限処理部417は、錠剤払出装置1で対象錠剤カセット2Aについて前記照合用コードに基づく照合が完了するまでの間は、当該対象錠剤カセット2Aからの錠剤の払出を制限(禁止)する。なお、制限処理部417は、前記照合用コードに基づく照合が完了していない場合であってもユーザー操作により錠剤の払出が許可された場合に当該錠剤の払い出しを許可してもよい。
【0139】
異常処理部418は、対象錠剤カセット2Aに割り当てられた錠剤種別に応じて前記異常電流値を設定することが考えられる。また、異常処理部418は、対象錠剤カセット2Aのカセットタイプに応じて前記異常電流値を設定してもよい。
【0140】
報知処理部419は、対象錠剤カセット2Aに現在割り当てられている錠剤種別と割当処理部411により受け付けられた錠剤種別とが同じである場合に、その旨を報知する。具体的に、報知処理部419は、割当対応情報D31において対象錠剤カセット2Aに現在割り当てられている錠剤種別と割当処理部411により受け付けられた錠剤種別とが同じであるか否かを判定し、同じである場合にはその旨を表示部201等に表示させてユーザーに報知する。
【0141】
適合判定処理部420は、割当処理部411により受け付けられた前記錠剤種別に対応する錠剤のサイズ又は形状が、対象錠剤カセット2Aに適合するか否かを判定する。具体的に、適合判定処理部420は、対象錠剤カセット2Aのカセットタイプに基づいて、前記錠剤種別に対応する錠剤のサイズ又は形状が適合するか否かを判定する。そして、適合判定処理部420による判定結果は、出力処理部413によって表示部201に表示される。
【0142】
第2表示処理部421は、割当処理部411により錠剤種別が受け付けられた場合、当該錠剤種別に対応する錠剤に適合する錠剤カセット2のカセットタイプ等の情報を表示部201等に表示することが可能である。
【0143】
以下、本実施形態に係る錠剤払出システム500で実行される割当開始処理、カセット調整処理、錠剤払出処理の手順の一例について説明する。なお、当該錠剤払出システム500全体として割当開始処理、カセット調整処理、錠剤払出処理が実行されれば、各ステップの処理主体はここで説明するものに限らない。
【0144】
[割当開始処理] まず、
図34を参照しつつ、前記割当開始処理の手順の一例について説明する。例えば、制御装置200の制御部401は、操作部402に対する所定のユーザー操作に応じて前記割当開始処理を開始する。ユーザーは、割当錠剤カセット2Aをカセット装着部102に装着した後、前記所定のユーザー操作を行って当該割当開始処理を開始させる。
【0145】
<ステップS21> ステップS21において、制御部401は、対象錠剤カセット2Aに割り当てる錠剤種別をユーザー操作に応じて選択するための処理を実行し、当該処理の終了後に処理をステップS22に移行させる。なお、ステップS21は制御部401の割当処理部411によって実行される。具体的に、制御部401は、対象錠剤カセット2Aに割り当てる錠剤種別を設定するための操作画面P1を表示部201に表示させ、当該操作画面P1における錠剤種別の設定操作を受け付ける。
【0146】
ここに、
図35は、操作画面P1の一例を示す図である。操作画面P1では、薬品コード又は薬品名に応じて錠剤種別を抽出するための抽出条件が設定可能であり、制御部401は、前記抽出条件に基づいて錠剤種別の一覧を錠剤実装マスタD11から抽出して選択対象として表示する。なお、前記錠剤種別の一覧は前記薬品マスタから抽出されて表示されてもよい。そして、錠剤種別の一覧に表示されている錠剤種別からユーザー操作に応じて錠剤種別が選択されると、制御部401は、当該錠剤種別を対象錠剤カセット2Aに割り当てる錠剤種別として選択する。
【0147】
<ステップS22> ステップS22において、制御部401は、ステップS21で選択された錠剤種別と同一の錠剤種別に対応する既存錠剤カセット2Bが存在するか否かを判定する。なお、ステップ22の判定ステップは制御部401の判定処理部412によって実行される。ここで、既存錠剤カセット2Bが存在すると判定された場合には(S22:Yes)、処理がステップS23に移行する。また、既存錠剤カセット2Bが存在すると判定されなかった場合には(S22:No)、処理がステップS25に移行する。
【0148】
具体的に、制御部401は、記憶部202に記憶されている割当対応情報D31に基づいて、ステップS21で選択された錠剤種別と同一の錠剤種別に対応する既存錠剤カセット2Bが錠剤払出装置1に既に実装されているか否かを判定する。なお、既存錠剤カセット2Bは、前記割当処理部411により錠剤種別が割り当てられた後の錠剤カセット2の他、払い出し可能な錠剤種別が予め定められている錠剤種別固定カセットを含む場合がある。
【0149】
また、錠剤払出装置1には、払い出し可能な錠剤に対応する錠剤種別が当該錠剤払出装置1に装着された状態で任意に割り当て可能な特殊錠剤カセットが錠剤払出装置1に設けられる場合がある。このとき、制御部401は、当該特殊錠剤カセットに特定の1又は複数の処方データに含まれる錠剤種別の錠剤を一時的に割り当て、当該特定の処方データに対応する量の錠剤の払出終了後に当該割り当てを解除する場合がある。この場合、当該特殊錠剤カセットにステップS21で選択された錠剤種別と同一の錠剤種別が一時的に割り当てられていることがあるが、制御部401は、当該特殊錠剤カセットを当該錠剤種別が既に割り当てられた錠剤カセット2としては判断しないことが考えられる。一方、前記特殊錠剤カセットが、ステップS21で選択された錠剤種別と同種の錠剤種別が払い出されるカセットとして固定的に割り当てられている場合、制御部401が、当該特殊錠剤カセットを当該錠剤種別が既に割り当てられた錠剤カセット2として判断することも他の実施形態として考えられる。なお、錠剤払出システム500において、特定の錠剤カセット2が特定の一又は複数の処方データに基づいて錠剤を払い出す際にのみ用いる錠剤カセット2として一時的に割り当て可能な場合には、当該錠剤カセット2についても同様に、同一の錠剤種別が既に割り当てられた錠剤カセット2としては判断しないことが考えられる。
【0150】
なお、錠剤払出システム500には、複数の錠剤払出装置1が接続されることが考えられる。この場合、例えば、ステップS22において、判定処理部412は、複数の錠剤払出装置1のいずれかに、割当処理部411により受け付けられた錠剤種別と同一の錠剤種別に対応する既存錠剤カセット2Bが既に存在するか否かを判定することが考えられる。また、判定処理部412は、複数の錠剤払出装置1のうち予め定められたいずれか一つの錠剤払出装置1に、割当処理部411により受け付けられた錠剤種別と同一の錠剤種別に対応する既存錠剤カセット2Bが存在するか否かを判定してもよい。具体的に、判定処理部412は、複数の錠剤払出装置1のうち対象錠剤カセット2Aが装着される錠剤払出装置1に、割当処理部411により受け付けられた錠剤種別と同一の錠剤種別に対応する既存錠剤カセット2Bが存在するか否かのみを判定することが考えられる。
【0151】
なお、割当対応情報D31には、錠剤払出装置1に現在装着されている錠剤カセット2だけでなく、錠剤払出装置1に現在装着されていない錠剤カセット2に割り当てられている錠剤種別の情報が含まれる。そのため、制御部401は、錠剤払出装置1に装着されている錠剤カセット2だけでなく、錠剤払出装置1に装着されていない錠剤カセット2についても判定範囲とし、既存錠剤カセット2Bが存在するか否かを判定することが可能である。なお、割当対応情報D31に、錠剤カセット2各々の錠剤払出装置1への装着の有無に関する装着状態情報が記憶され、当該装着状態情報が制御部401によって適宜更新されることが考えられる。この場合、制御部401は、割当対応情報D31及び前記装着状態情報に基づいて、現在錠剤払出装置1に装着されている錠剤カセット2のみについて、既存錠剤カセット2Bが存在するか否かを判定してもよい。また、ベースマスタD41が、錠剤カセット2各々について、錠剤払出装置1に装着されている場合にはその装着されているベース3の識別情報が記憶されており、錠剤払出装置1に装着されていない場合には装着されていない旨の情報(例えばベース3の識別情報が空白)が記憶されることも考えられる。この場合、制御部401は、ベースマスタD41に基づいて、錠剤払出装置1に装着されている錠剤カセット2だけでなく、錠剤払出装置1に装着されていない錠剤カセット2についても判定範囲とし、既存錠剤カセット2Bが存在するか否かを判定することが可能である。
【0152】
<ステップS23> ステップS23において、制御部401は、ステップS21で選択された錠剤種別に対応する錠剤カセット2が既に存在する旨を表示部201に表示出力し、ユーザーに報知する。即ち、制御部401は、同一の錠剤種別に対応する錠剤カセット2が重複することになる旨を報知する。なお、制御部401は、割当対応情報D31において対象錠剤カセット2Aに現在割り当てられている錠剤種別と割当処理部4
11により受け付けられた錠剤種別とが同じである場合にも、その旨を報知する。ここに、当該ステップS23の報知処理は、制御部401の報知処理部419によって実行される。これにより、同一の錠剤種別が二つ以上の錠剤カセット2に割り当てられることが抑制される。
【0153】
<ステップS24> ステップS24において、制御部401は、ステップS21で選択された錠剤種別をそのまま継続して対象錠剤カセット2Aに割り当てる旨のユーザー操作が行われたか否かを判断する。具体的に、制御部401は、ステップS21で選択された錠剤種別をそのまま対象錠剤カセット2Aに割り当てる旨の継続操作及びキャンセル操作を受け付けるための表示画面を表示部201に表示させることが考えられる。ここで、継続操作が行われたと判断された場合は(S24:Yes)、処理がステップS25に移行し、キャンセル操作が行われたと判断された場合は(S24:No)、処理がステップS21に戻される。これにより、ユーザーの意向により、同一の錠剤種別を複数の錠剤カセット2に割り当てることも可能である。
【0154】
<ステップS25> ステップS25において、制御部401は、対象錠剤カセット2Aへの錠剤種別の割り当ての開始操作を受け付けるための操作画面P2を表示部201に表示させる。ここに、
図36は、操作画面P2の一例を示す図である。
【0155】
操作画面P2には、ステップS21で選択された錠剤種別に関する情報が表示される表示領域A1と、対象錠剤カセット2Aに現在割り当てられている錠剤種別に関する情報が表示される表示領域A2とが含まれる。
【0156】
具体的に、制御部401は、前記ステップS21で選択された錠剤種別の情報を錠剤実装マスタD11に基づいて表示領域A1に表示させる。例えば、表示領域A1には、前記ステップS21で選択された錠剤種別に対応する薬品を識別可能な薬品コード及び薬品名、当該錠剤種別に適合する錠剤カセット2のカセットタイプ、当該錠剤種別に対応する錠剤種別の外観画像などが表示される。このように、対象錠剤カセット2Aに割り当てる錠剤種別が選択された場合、制御部401は、当該錠剤種別に適合するカセットタイプ等の情報を含む操作画面P2を表示する。ここに、係る表示処理は、制御部401の第2表示処理部421によって実行される。なお、錠剤実装マスタD11に錠剤カセット2のカセットタイプの情報が記憶されておらず、制御部401が錠剤実装マスタD11に記憶されている長さ、高さ、幅、厚さ等の錠剤の寸法に基づいて適合する錠剤カセット2のカセットタイプを判定して表示領域A1に表示させてもよい。また、当該錠剤種別が対象錠剤カセット2Aに適合するか否かの情報が操作画面P2に表示されてもよい。
【0157】
また、制御部401は、調整装置100のリーダライタ501を制御し、カセット装着部102に装着されている対象錠剤カセット2AのRFIDタグ601から錠剤種別情報D21及びカセット情報D22を読み取り、当該対象錠剤カセット2Aに割り当てられている錠剤種別の情報を表示領域A2に表示させる。具体的に、表示領域A2には、錠剤種別に対応する錠剤を識別可能な薬品コード及び薬品名、当該対象錠剤カセット2Aのカセットタイプ、当該対象錠剤カセット2Aに割り当てられた錠剤種別の外観画像などが表示される。なお、RFIDタグ601から錠剤種別情報D21及びカセット情報D22が読み取られていなければ、表示領域A2には情報が表示されず、RFIDタグ601から錠剤種別情報D21及びカセット情報D22が読み取られた場合に、表示領域A2に前記錠剤種別の情報が表示される。また、他の実施形態として、制御部401が、前記ステップS21において、割当対象となる対象錠剤カセット2Aをユーザー操作に応じて選択することも考えられる。この場合、制御部401は、選択された対象錠剤カセット2Aに割り当てられている錠剤種別の情報を割当対応情報D31及び錠剤実装マスタD11に基づいて表示領域A2に表示させてもよい。このように、制御部401は、対象錠剤カセット2Aに現在割り当てられている錠剤種別等の情報を含む操作画面P2を表示する。ここに、係る表示処理は、制御部401の第1表示処理部414によって実行される。
【0158】
また、操作画面P2には、表示領域A1に表示される錠剤種別の情報を拡張するための操作キーK3が含まれる。そして、制御部401は、操作キーK3が操作されると、操作画面P2における表示領域A1を
図37に示すように拡張させ、表示領域A1に表示される錠剤種別の情報として、当該錠剤種別に対応する錠剤のJANコード又はGS1コード、錠剤のサイズ(長さ、幅、高さ、厚さ)、安定係数、配置制限、サイズ種別などに関する情報を錠剤実装マスタD11に基づいて表示する。また、制御部401は、操作キーK3が再度操作されると、操作画面P2における表示領域A1を
図36に示すように拡張を解除する。なお、制御部401は、表示領域A1におけるユーザー操作に応じて、錠剤実装マスタD11に登録されている錠剤種別に対応する錠剤の長さ、幅、高さ、厚さの値を変更することも可能である。
【0159】
また、操作画面P2には、後述のカセット調整処理においてロータ8の清掃を行うか否かを選択するための操作キーK2が含まれる。そして、制御部401は、後述のロータ清掃処理(
図40参照)のステップS51において、操作画面P2における操作キーK2の選択状態に応じてロータ8の清掃を行うか否かを判断する。
【0160】
なお、他の実施形態として、ステップS22で既存錠剤カセット2Bが存在すると判断された場合に、ステップS23、S24が省略され、当該ステップS25で表示される操作画面P2に、ステップS21で選択された錠剤種別に対応する錠剤カセット2が既に存在する旨が表示されてもよい。この場合、制御部401は、操作キーK1の操作を、ステップS21で選択された錠剤種別をそのまま継続して対象錠剤カセット2Aに割り当てる旨のユーザー操作として受け付けることが考えられる。また、制御部401は、操作画面P2に表示される不図示のキャンセルキーの操作を、ステップS21で選択された錠剤種別の対象錠剤カセット2Aへの割り当てをキャンセルするためのユーザ操作として受け付けることが考えられる。
【0161】
<ステップS26> ステップS26において、制御部401は、対象錠剤カセット2Aへの錠剤種別の割り当ての開始操作が行われたか否かが判断される。具体的に、操作画面P2には、対象錠剤カセット2Aへの錠剤種別の割り当ての開始操作を受け付ける操作キーK1が含まれており、制御部401は操作キーK1が操作された場合に、対象錠剤カセット2Aへの錠剤種別の割り当ての開始操作が行われたと判断する。ここで、開始操作が行われたと判断された場合(S26:Yes)、処理がステップS27に移行する。なお、開始操作が行われたと判断されるまでの間は(S26:No)、処理が当該ステップS26で待機する。
【0162】
<ステップS27> ステップS27において、制御部401は、ステップS21で選択された錠剤種別が、カセット装着部102に装着されている対象錠剤カセット2Aに適合しているか否かを判定する。具体的に、制御部401は、対象錠剤カセット2Aに割り当てる錠剤種別が当該対象錠剤カセット2Aのカセットタイプの適合条件(錠剤のサイズ又は形状など)を満たしているか否かを判定する。例えば、対象錠剤カセット2Aに割り当てる錠剤種別に対応する錠剤のサイズ又は形状が、当該対象錠剤カセット2Aのカセット情報D22におけるカセットタイプの適合条件の範囲内であるか否かが判断される。また、対象錠剤カセット2Aに割り当てる錠剤種別に適合するカセットタイプとして錠剤実装マスタD11又は前記薬品マスタ等に登録されているカセットタイプと、対象錠剤カセット2Aのカセット情報D22に記憶されているカセットタイプとが一致している場合に適合すると判断されてもよい。なお、他の実施形態として、錠剤カセット2が全ての錠剤種別に適合可能なものであってもよく、この場合、当該ステップS26は省略可能である。
【0163】
ここで、対象錠剤カセット2Aに割り当てる錠剤種別が当該対象錠剤カセット2Aに適合していると判定されると(S27:Yes)、当該割当開始処理が終了して前記カセット調整処理が開始される。一方、対象錠剤カセット2Aに割り当てる錠剤種別が当該対象錠剤カセット2Aに適合していないと判定されると(S27:No)、処理がステップS28に移行してエラーメッセージが表示部201等に表示されてユーザーに報知された後、処理がステップS21に戻される。
【0164】
[カセット調整処理] 次に、
図38及び
図39を参照しつつ、前記カセット調整処理の手順の一例について説明する。なお、制御部401は、前記割当開始処理の終了後に続けて前記カセット調整処理を開始する。
【0165】
<ステップS30> ステップS30において、制御部401は、対象錠剤カセット2AのRFIDタグ601からの情報の読み出しが可能であるか否かを判断する。具体的に、制御部401は、調整装置100に対して、対象錠剤カセット2AのRFIDタグ601から錠剤種別情報D21及びカセット情報D22を読み出す旨の制御信号を送信し、当該調整装置100からの読み出し完了通知の受信を待ち受ける。これにより、調整装置100では、リーダライタ501により対象錠剤カセット2AのRFIDタグ601から錠剤種別情報D21及びカセット情報D22を読み出し、読み出しが完了すると読み出し完了通知を制御装置200に送信する。
【0166】
ここで、対象錠剤カセット2AのRFIDタグ601から情報の読み出しが可能であると判断されると(S30:Yes)、処理がステップS31に移行し、対象錠剤カセット2AのRFIDタグ601から情報の読み出しが可能であると判断されるまでの間は(S31:No)、処理がステップS21で待機する。なお、制御部401は、所定時間経過後も対象錠剤カセット2AのRFIDタグ601からの情報の読み出しが可能であると判断されなければエラーを表示部201等に表示してユーザーに報知する。
【0167】
<ステップS31> ステップS31において、制御部401は、調整装置100のカセット装着部102に装着されている対象錠剤カセット2AのRFIDタグ601から読み取られた錠剤種別情報D21及びカセット情報D22を調整装置100から取得し、記憶部202に記憶する。具体的に、制御部401は、調整装置100に対して、錠剤種別情報D21及びカセット情報D22の送信要求を送信することにより、調整装置100から錠剤種別情報D21及びカセット情報D22を受信する。
【0168】
<ステップS32> ステップS32において、制御部401は、調整装置100のカセット装着部102に装着されている対象錠剤カセット2AのRFIDタグ601に記憶されている錠剤種別情報D21の内容を消去する。即ち、制御部401は、対象錠剤カセット2Aに対する錠剤種別の割り当てを解除するための処理を実行する。また、制御部401は、割当対応情報D31において対象錠剤カセット2Aに対応付けられた薬品コードを消去する。即ち、調整装置100による対象錠剤カセット2Aの調整中は、当該対象錠剤カセット2Aに錠剤種別が割り当てられていない状態となる。これにより、ロータ8の調整が正常に終わっていない対象錠剤カセット2Aが錠剤払出装置1で使用されることが防止される。
【0169】
<ステップS33> ステップS33において、制御部401は、対象錠剤カセット2Aからロータ8を取り出し可能にするための取り外し準備処理を実行する。具体的に、制御部401は、仕切調整機構M1を駆動させ、仕切部材20を後退させて当該仕切部材20の先端を少なくとも錠剤カセット2のカセット本体5の第1可動部材60の切欠き72a及び第2可動部材61の切欠き81aから退避させ、ロータ8をカセット本体5から取り出し可能な状態に
する。そして、ロータ8が対象錠剤カセット2Aから取り外し可能な状態になると、処理がステップS34に移行する。なお、本実施形態では、調整装置100によるロータ8の調整時に、当該ロータ8が錠剤カセット2に対して着脱される場合を例に挙げて説明するが、調整装置100が、錠剤カセット2にロータ8が装着された状態で当該ロータ8を調整可能な構成であってもよい。
【0170】
<ステップS34> ステップS34において、制御部401は、ロータ8の調整動作を開始するための予め定められた開始報知情報を表示部201に表示させてユーザーに報知する。具体的に、前記開始報知情報は、ロータ8を対象錠剤カセット2Aから取り外して、調整装置100のロータ載置部103にセットし、レバー145を下げて第1スタートボタン203を押下する旨を促すメッセージ又は画像などを含む。なお、ロータ8を錠剤カセット2から取り外すこと、調整装置100のロータ載置部103にセットすること、レバー145を下げること、第1スタートボタン203を押すことを個別に促すためのメッセージ又は画像などが、ユーザー操作に応じて順に表示されてもよい。
【0171】
<ステップS35> ステップS35において、制御部401は、ロータ8の調整動作のスタート操作が行われたか否かを判断する。具体的に、制御部401は、第1スタートボタン203が押下された場合にスタート操作が行われたと判断する。そして、スタート操作が行われたと判断された場合には(S35:Yes)、処理がステップS36に移行する。なお、スタート操作が行われたと判断されるまでの間は(S35:No)、処理がステップS35で待機する。
【0172】
<ステップS36> ステップS36において、制御部401は、レバー位置検出センサ147の検出結果に基づいて、レバー145が予め定められた押下げ状態に遷移しているか否かが判断される。そして、レバー145が押下げ状態に遷移していると判断されると(S36:Yes)、処理がステップS362に移行する。一方、レバー145が押下げ状態に遷移していないと判断されると(S36:No)、処理がステップS361に移行する。
【0173】
<ステップS361> ステップS361において、制御部401は、レバー145が押下げ状態に遷移していない旨のエラーメッセージを表示部201に表示させることによりユーザーに報知する。その後、処理は前記ステップS35に戻される。
【0174】
<ステップS362> ステップS362において、制御部401は、ユーザーによる錠剤カセット2のロータ8を清掃可能にするためのロータ清掃処理を実行する。ここに、係るロータ清掃処理は、制御部401の清掃処理部415によって実行される。なお、前記カセット調整処理において、当該ステップS362は省略されてもよい。ここで、
図40を参照しつつ、前記ロータ清掃処理の手順の一例について説明する。
【0175】
<ステップS51> ステップS51において、制御部401は、ロータ8の清掃を行うか否かを判断する。具体的に、制御部401は、前記割当開始処理において、操作画面P2の操作キーK2(
図36参照)で「清掃あり」が選択されている場合に、制御部401のRAM等において清掃フラグをONに設定する。そして、ステップS51において、制御部401は、前記清掃フラグがONである場合にロータ8の清掃を行うと判断する。なお、制御部401は、当該ロータ清掃処理の終了時に前記清掃フラグをOFFに設定する。ここで、ロータ8の清掃を行うと判断されると(S51:Yes)、処理がステップS52に移行する。一方、ロータ8の清掃を行わないと判断されると(S51:No)、当該ロータ清掃処理が終了して処理がステップS37に移行する。
【0176】
<ステップS52> ステップS52において、制御部401は、調整装置100に対してロータ8を清掃可能な状態に調整するための清掃開始指示を送信する。具体的に、制御部401は、調整装置100による対象錠剤カセット2Aの錠剤案内路8bを予め設定された清掃可能状態に遷移させる。例えば、ロータ8の錠剤案内路8bを全開にすることでロータ8の清掃が可能になる場合、制御部401は、調整装置100にロータ8の全開動作を実行させるための清掃開始指示を送信する。これにより、調整装置100は、前記清掃開始指示に基づいてロータ8の錠剤案内路8bの幅を最大サイズまで全開させる全開動作を実行し、ユーザーは、ロータ8の清掃を行うことが可能となる。
【0177】
<ステップS53> ステップS53において、制御部401は、調整装置100によるロータ8が清掃可能状態に遷移したか否かを判断する。具体的に、制御部401は、調整装置100からロータ8の全開動作の終了通知を受信した場合に、ロータ8が清掃可能状態に遷移したと判断する。そして、ロータ8が清掃可能状態に遷移したと判断されると(S53:Yes)、処理がステップS54に移行し、ロータ8が清掃可能状態に遷移したと判断されるまでの間は(S53:No)、処理が当該ステップS53で待機する。
【0178】
<ステップS54> ステップS54において、制御部401は、ロータ8の清掃が可能である旨の清掃可能情報を表示部201に表示させてユーザーに報知する。具体的に、前記清掃可能情報は、レバー145を上げてロータ8をロータ載置部103から取り外し、清掃後にロータ8をロータ載置部103に戻してレバー145を下げて第1スタートボタン203を押下する旨を促すメッセージ及び画像などを含む。なお、レバー145を上げてロータ8をロータ載置部103から取り外すこと、清掃後にロータ8をロータ載置部103に戻すこと、レバー145を下げること、第1スタートボタン203を押下することを個別に促すためのメッセージ又は画像などがユーザー操作に応じて順に表示されてもよい。
【0179】
<ステップS55> ステップS55において、制御部401は、調整動作のスタート操作が行われたか否かを判断する。具体的に、制御部401は、第1スタートボタン203が押下された場合にスタート操作が行われたと判断する。そして、スタート操作が行われたと判断された場合には(S55:Yes)、当該ロータ清掃処理が終了し、処理がステップS37に移行する。なお、スタート操作が行われたと判断されるまでの間は(S55:No)、処理がステップS55で待機する。これにより、ユーザーはロータ8を取り外した後、第1スタートボタン203を押下する前にロータ8を清掃することが可能である。
【0180】
このように、錠剤払出システム500では、前記カセット調整処理の途中で前記ロータ清掃処理が実行され、ユーザーは、錠剤種別の対象錠剤カセット2Aへの割り当て時に、当該対象錠剤カセット2Aのロータ8を清掃することが可能である。
【0181】
<ステップS37>
図38の説明に戻り、ステップS37において、制御部401は、調整装置100に対してロータ8を、ステップS21で選択された錠剤種別に対応するサイズに調整するための調整指示を送信し、当該調整装置100によるロータ8の調整動作を開始させる。例えば、制御部401は、ロータ8の調整に用いられる錠剤の高さ、幅、厚さなどの寸法、及び進入位置などの情報を錠剤実装マスタD11から読み出して当該情報を含む調整指示を調整装置100に送信する。これにより、調整装置100は、前記調整指示に基づいてロータ8の錠剤案内路8bを調整する調整動作を実行し、当該調整動作が終了すると終了通知を制御部401に送信する。なお、前記調整指示に、錠剤の寸法に代えてロータ8の錠剤案内路8bの調整量の情報が含まれ、調整装置100が、前記調整量の情報に基づいてロータ8の錠剤案内路8bを調整してもよい。
【0182】
<ステップS38> ステップS38において、制御部401は、調整装置100によるロータ8の調整動作が終了したか否かを判断する。具体的に、制御部401は、調整装置100からロータ8の調整動作の終了通知を受信した場合に、ロータ8の調整動作が終了したと判断する。そして、ロータ8の調整動作が終了したと判断されると(S38:Yes)、処理がステップS39に移行し、ロータ8の調整動作が終了したと判断されるまでの間は(S38:No)、処理が当該ステップS38で待機する。
【0183】
<ステップS39> ステップS39において、制御部401は、ロータ8の調整を終了するための予め定められた終了報知情報を表示部201に表示させてユーザーに報知する。具体的に、前記終了報知情報は、レバー145を上げて、ロータ8をロータ載置部103から取り外し、錠剤カセット2にロータ8をセットし、当該錠剤カセット2をロータ載置部103に装着した後、操作部402に対して完了操作を行う旨を促すメッセージ又は画像などを含む。なお、レバー145を上げること、ロータ8をロータ載置部103から取り外すこと、錠剤カセット2にロータ8をセットすること、当該錠剤カセット2をカセット装着部102に装着すること、錠剤カセット2を装着した後に装着確認操作を行うことを個別に促すためのメッセージ又は画像がユーザー操作に応じて順に表示されてもよい。
【0184】
<ステップS40> 次に、
図39に示されるように、ステップS40において、制御部401は、対象錠剤カセット2Aをカセット装着部102に装着した旨を示す装着確認操作が行われたか否かを判断する。ここで、装着確認操作が行われたと判断されると(S40:Yes)、処理がステップS41に移行し、装着確認操作が行われたと判断されるまでの間は(S40:No)、処理が当該ステップS40で待機する。
【0185】
<ステップS41> ステップS41において、制御部401は、レバー位置検出センサ147の検出結果に基づいてレバー145が予め定められた押上げ状態に遷移しているか否かが判断される。そして、レバー145が押上げ状態に遷移していると判断されると(S41:Yes)、処理がステップS42に移行する。一方、レバー145が押上げ状態に遷移していないと判断されると(S41:No)、処理がステップS411に移行する。
【0186】
<ステップS411> ステップS411において、制御部401は、レバー145が押上げ状態に遷移していない旨のメッセージを表示部201に表示させることによりユーザーに報知し、処理をステップS40に戻す。
【0187】
<ステップS42> ステップS42において、制御部401は、カセット装着部102に装着された対象錠剤カセット2AのRFIDタグ601からリーダライタ501により当該対象錠剤カセット2Aのカセット情報D22を読み取る。
【0188】
<ステップS43> ステップS43において、制御部401は、ステップS42でRFIDタグ601から読み取られたカセット情報D22のカセット番号と、ステップS31でRFIDタグ601から読み取られて記憶部202に記憶されたカセット情報D22のカセット番号とに基づいて、対象錠剤カセット2Aの同一性が判断される。即ち、ロータ8の脱着前後の対象錠剤カセット2Aが同一であるか否かが判断される。ここで、同一であると判断された場合には(S43:Yes)、処理がステップS44に移行し、同一ではないと判断され場合には(S43:No)、処理がステップS431に移行する。このように、前記ステップS43において対象錠剤カセット2Aの同一性が確認されるため、ロータ8が異なる対象錠剤カセット2Aに装着されることが防止される。
【0189】
なお、本実施形態では、錠剤カセット2のカセット本体5にRFIDタグ601が設けられている場合について説明するが、RFIDタグ601がロータ8に設けられ、調整装置にロータ8のRFIDタグ601を読み取り可能な位置にリーダライタ301が設けられることも他の実施形態として考えられる。さらに、錠剤カセット2のカセット本体5とロータ8との各々に当該カセット本体5とロータ8とを識別可能な固有の情報が記憶されたRFIDタグが設けられており、調整装置100に当該RFID
タグ各々を読み取り可能な一又は複数のリーダライタが設けられることが考えられる。この場合、制御部401は、ロータ8の脱着前後にカセット本体5及びロータ8のRFIDタグ各々から情報を読み取り、錠剤カセット2のカセット本体5とロータ8との組み合わせがロータ8の脱着前後で一致するか否かを判断することが考えられる。
【0190】
<ステップS431> ステップS431において、制御部401は、ロータ8が取り外される前に装着されていた対象錠剤カセット2Aと現在の対象錠剤カセット2Aとが異なる旨のエラーを表示部201に表示してユーザーに報知し、処理をステップS40に戻す。なお、ステップS431において、ロータ8が取り外される前に装着されていた対象錠剤カセット2Aのカセット番号などを報知してもよい。
【0191】
<ステップS44> ステップS44において、制御部401は、対象錠剤カセット2Aへのロータ8の装着を確定するための装着確定処理を実行する。具体的に、制御部401は、仕切調整機構M1を駆動させ、仕切部材20を前進させて当該仕切部材20の先端が錠剤カセット2のカセット本体5の第1可動部材60の切欠き72aと第2可動部材61の切欠き81aとに嵌入させ、ロータ8をカセット本体5から取り出し不可の状態にする。なお、この際の仕切部材20の挿入位置は、ステップS21で選択された錠剤種別に対応する挿入位置である。そして、ロータ8の錠剤カセット2への装着確定処理が完了すると、処理がステップS45に移行する。
【0192】
<ステップS45> ステップS45において、制御部401は、リーダライタ501を用いて対象錠剤カセット2AのRFIDタグ601の更新可能領域611の錠剤種別情報D21における薬品コード、安定係数、配置制限、枝番号を、ステップS21で選択された錠剤種別に対応する薬品コード、安定係数、配置制限、枝番号に更新する。即ち、制御部401は、錠剤種別を対象錠剤カセット2Aに割り当てるための処理を実行する。ここに、係る処理は制御部401の割当処理部411によって実行される。
【0193】
<ステップS46> ステップS46において、制御部401は、割当対応情報D31における対象錠剤カセット2Aに対応する薬品識別情報を、前記ステップS21で選択された錠剤種別に対応する薬品識別情報に更新すると共に、照合済みフラグをOFFに設定する。ここに、係る処理は制御部401の割当処理部411によって実行される。
【0194】
<ステップS47> ステップS47において、制御部401は、当該カセット調整処理で対象錠剤カセット2Aに割り当てられた錠剤種別の薬品コード及び対象錠剤カセット2Aのカセット番号などの情報を含む照合用コードが示されたラベルP3を出力する。具体的に、制御部401は、制御装置200に接続される不図示のプリンタ又はラベル印刷装置などにラベルP3のデータを送信して印刷させる。なお、当該ステップS47は、制御部401のコード出力処理部416によって実行される。また、前記照合用コードは、前記錠剤種別の情報のみを示すものであってもよい。
【0195】
ここに、
図41は、ラベルP3の印刷結果の一例を示す図である。
図41に示されるように、ラベルP3には、前記照合用コードが印刷されたシールP21及びシールP22が含まれる。なお、ラベルP3には、対象錠剤カセット2Aへの割当前後の錠剤種別の情報、割り当てられた錠剤種別の劇薬・管理薬品種類などの情報も示されている。例えば、シールP21、P22各々は、対象錠剤カセット2Aの前面又は側面と上面(蓋6)とに貼り付けられる。なお、ラベルP3には、前記照合用コードが示されたシールが一枚又は三枚以上含まれていてもよい。
【0196】
<ステップS48> ステップS48において、制御部401は、当該カセット調整処理が終了し、対象錠剤カセット2Aが取り外し可能である旨の調整終了通知を表示部201に表示させてユーザーに報知する。
【0197】
以上説明したように、制御装置200では、制御部401によって前記カセット調整処理が実行されることにより、ユーザーによる錠剤カセット2への錠剤種別の割当作業を支援することが可能である。
【0198】
[錠剤払出処理] 次に、
図42及び
図43を参照しつつ、前記錠剤払出処理の手順の一例について説明する。なお、当該錠剤払出処理は、制御装置200の制御部401及び錠剤払出装置1の制御部300によって実行される。なお、当該錠剤払出装置は、錠剤払出装置1の制御部300によって単独で実行されてもよい。
【0199】
<ステップS61> ステップS61において、制御部401は、特定の処方データについての調剤開始操作が操作部402に対して行われたか否かを判断する。例えば、制御部401は、不図示の電子カルテシステム等の上位システムから制御装置200に入力される処方データから任意の処方データが調剤対象としてユーザー操作によって選択され、当該処方データについての調剤を開始するための操作が操作部402に対して行われた場合に調剤開始操作が行われたと判断する。ここで、調剤開始操作が行われたと判断されると(S61:Yes)、処理がステップS62に移行し、調剤開始操作が行われたと判断されるまでの間は(S61:No)、処理がステップS61で待機する。
【0200】
<ステップS62> ステップS62において、制御部401は、処方データに処方薬として含まれる錠剤を払い出すための制御対象を割当対応情報D31に基づいて特定する。より具体的に、制御部401は、割当対応情報D31及びベースマスタD41に基づいて、払い出し対象の錠剤の薬品コードに対応する錠剤カセット2を特定し、当該錠剤カセット2が装着されている錠剤払出装置1を特定する。そして、制御部401は、ベースマスタD41に基づいて、当該錠剤払出装置1において当該錠剤カセット2が装着されているベース3を、当該薬品コードに対応する錠剤を払い出す際の制御対象として特定する。なお、制御部401は、錠剤払出システム500において同一の薬品コードに対応する錠剤カセット2が複数存在する場合には、その複数の錠剤カセット2のうち予め定められた優先順位が高い(例えば枝番号が小さい)錠剤カセット2が装着されている錠剤払出装置1のベース3を、当該薬品コードに対応する錠剤を払い出す際の制御対象として特定することが考えられる。一方、錠剤払出システム500において前記薬品コードに対応する錠剤カセット2が存在しない場合、制御部401は、当該薬品コードに対応する錠剤カセット2を錠剤払出装置1に装着すべき旨を表示部201等に表示してユーザーに報知する。なお、処方データに処方薬として複数の錠剤種別が含まれる場合には、当該錠剤各々を払い出すための複数の制御対象が特定される。そして、全ての錠剤を払い出すための制御対象が特定されると、処理がステップS63に移行する。
【0201】
<ステップS63> ステップS63において、制御部401は、ステップS62で特定された錠剤カセット2各々について照合用コードに基づく照合が完了しているか否かを判断する。具体的に、制御部401は、ステップS62で特定された錠剤カセット2各々について、割当対応情報D31に記憶されている照合済フラグが「ON」である場合に照合が完了していると判断する。ここで、照合が完了していると判断されると(S63:Yes)、処理がステップS67に移行し、照合が完了していないと判断されると(S63:No)、処理がステップS64に移行する。
【0202】
<ステップS64> ステップS64において、制御部401は、錠剤カセット2の照合が完了していない旨、及び当該錠剤カセット2に対応する照合用コードを読み取るべき旨を示すメッセージを表示部201に表示してユーザーに報知し、処理をステップS65に移行する。なお、照合用コードは、上述したように錠剤カセット2に割り当てられた錠剤種別の薬品コード等を含む一次元コード又は二次元コードであって、前記ステップS47においてシールP21、P22に印刷されたものである。また、照合が必要な錠剤カセット2がベース3に装着されている場合には、当該錠剤カセット2が装着されている場所がベースマスタD41に基づいて特定され、その場所を示す情報が前記メッセージと共に表示されてもよい。
【0203】
<ステップS65> ステップS65において、制御部401は、未照合の錠剤カセット2についての照合を待ち受ける(S65:No)。具体的に、制御部401は、錠剤払出装置1に接続可能な不図示のバーコードリーダによって、シールP21又はP22に印刷されている前記照合用コードと錠剤の元箱などの錠剤収容部に付されている一次元コード又は二次元コードなどの錠剤コードとが読み取られ、当該照合用コードと当該錠剤コードとが示す錠剤種別が一致した場合に、当該錠剤カセット2について照合が行われたと判断する。さらに、制御部401は、シールP21に印刷されている前記照合用コードと、P22に印刷されている前記照合用コードとが同一であるか否かを照合してもよい。また、他の実施形態として、制御部401は、錠剤払出装置1に接続可能な不図示のバーコードリーダによって前記照合用コードが読み取られ、当該照合用コードに含まれる錠剤カセット2のカセット番号が、前記ステップS64で未照合と判定された錠剤カセット2のカセット番号と一致する場合に、当該錠剤カセット2についての照合が行われたと判断してもよい。また、制御部401は、前記照合用コードが示す錠剤種別と、前記錠剤コードが示す錠剤種別と、ステップS62で特定された錠剤カセット2に割り当てられている錠剤種別とが全て一致した場合に、当該錠剤カセット2について照合が行われたと判断してもよい。ここで、未照合の錠剤カセット2について照合が行われたと判断されると(S65:Yes)、処理がステップS66に移行する。一方、未照合の錠剤カセット2について照合が行われるまでの間は(S65:No)、処理がステップS65で待機する。即ち、制御部401は、錠剤種別が割り当てられた後、照合が完了していない錠剤カセット2の使用を制限する。
【0204】
<ステップS66> ステップS66において、制御部401は、割当対応情報D31において錠剤カセット2に対応する照合済フラグを「ON」に更新し、処理をステップS63に戻す。これにより、制御部401は、ステップS62で特定された錠剤カセット2各々についての照合が完了するまでステップS64~S66を繰り返し実行する。
【0205】
<ステップS67> ステップS67において、制御部401は、ステップS62で特定された錠剤カセット2各々による錠剤の払い出しを開始させるための錠剤払出開始指示を錠剤払出装置1に送信し、処理をステップS61に戻す。具体的に、前記錠剤払出開始指示には、処方データに基づいて特定された錠剤カセット2のカセット番号、当該錠剤カセット2に割り当てられた錠剤種別に対応する安定係数、処方データに示された処方量に対応する払出錠数などの情報が含まれる。これにより、錠剤払出装置1は、前記錠剤払出開始指示に基づいて、錠剤カセット2各々から払出錠数の錠剤の払い出しを実行する。
【0206】
また、記憶部202には、錠剤種別と異常電流値とが対応付けられた異常検出対応情報が記憶されている。なお、前記異常電流値は、錠剤種別によって異なる他、錠剤の形状又は固さなどによって異なってもよい。例えば、前記異常電流値が、狭義の錠剤とカプセル錠とによって異なることが考えられる。そして、制御部401は、錠剤カセット2各々に対応付けられている錠剤種別と前記異常検出対応情報とに基づいて、当該錠剤カセット2各々からの錠剤の払い出しに用いられるモータ等の駆動部の異常を検出するための異常電流値を設定する。ここに、係る設定処理は、制御部401の異常処理部418によって実行される。なお、他の実施形態として、記憶部202に、カセットタイプと異常電流値とが対応付けられた異常検出対応情報が記憶されており、制御部401が、錠剤カセット2各々の
カセットタイプと前記異常検出対応情報とに基づいて、当該錠剤カセット2各々に対応する前記異常電流値を設定することも考えられる。そして、制御部401は、錠剤カセット2各々の駆動時における異常検出に用いられる閾値として設定された当該錠剤カセット2各々に対応する前記異常電流値を前記錠剤払出開始指示に含めて錠剤払出装置1に送信する。これにより、錠剤払出装置1では、前記異常電流値に基づいて錠剤カセット2各々の異常を検出することになる(ステップS76)。なお、前記異常電流値の設定処理は、錠剤払出装置1の制御部300によって実行されてもよい。また、前記異常電流値は、前記錠剤種別固定カセットと錠剤カセット2とで異なる値に設定されてもよい。
【0207】
<ステップS71> 一方、錠剤払出装置1では、ステップS71において、制御部300が、錠剤カセット2への錠剤の充填を開始するか否かを判断する。例えば、錠剤払出装置1には、錠剤カセット2への錠剤の充填作業を行うための作業台が設けられており、その作業台には、当該作業台に錠剤カセット2が載置されたことを検出する載置センサと、その載置された錠剤カセット2のRFIDタグ601から情報を読み取るリーダライタとが設けられる。そして、制御部300は、錠剤カセット2が前記作業台に載置されたことが載置センサで検出されると、前記リーダライタによってRFIDタグ601から当該錠剤カセット2のカセット番号を読み取り、当該錠剤カセット2を充填対象として錠剤の充填を開始すると判断する。なお、載置センサの設置が省略され、前記リーダライタによってRFIDタグ601から情報が読み取られたことを条件に錠剤カセット2が前記作業台に載置されたと判断されてもよい。ここで、錠剤カセット2への錠剤の充填を開始すると判断されると(S71:Yes)、処理がステップS72に移行し、錠剤カセット2への錠剤の充填を開始しないと判断されると(S71:No)、処理がステップS73に移行する。
【0208】
<ステップS72> ステップS72において、制御部300は、ユーザー操作で選択された錠剤カセット2に錠剤を充填するための充填処理を実行する。ここで、
図43を用いて前記充填処理の一例について説明する。
【0209】
<ステップS721> ステップS721において、制御部300は、充填対象の錠剤カセット2について照合が完了しているか否かを判定する。ここで、照合が完了していると判断されると(S721:Yes)、処理がステップS725に移行し、照合が完了していないと判断されると(S721:No)、処理がステップS722に移行する。
【0210】
具体的に、制御部300は、割当対応情報D31の照合済フラグに基づいて、充填対象の錠剤カセット2について照合が完了しているか否かを判断する。例えば、制御部300は、制御部401から割当対応情報D31を取得すること、又は、制御部401が割当対応情報D31を更新したタイミングで制御部401から制御部300に割当対応情報D31が送信されることが考えられる。なお、制御部300が割当対応情報D31における錠剤カセット2のカセット番号と照合済フラグとの対応関係を参照可能であればよく、その手法はこれらに限らない。
【0211】
<ステップS722> ステップS722において、制御部300は、錠剤カセット2の照合が必要である旨、及び当該錠剤カセット2に対応する照合用コードを読み取るべき旨などを示すメッセージ又は画像を錠剤払出装置1に設けられる不図示の表示装置又は表示部201等に表示してユーザーに報知し、処理をステップS723に移行する。また、照合が必要な錠剤カセット2がベース3に装着されている場合には、当該錠剤カセット2が装着されている場所がベースマスタD41に基づいて特定され、その場所を示す情報が前記メッセージと共に表示されてもよい。
【0212】
<ステップS723> ステップS723において、制御部300は、未照合の錠剤カセット2についての照合を待ち受ける(S723:No)。具体的に、制御部300は、制御装置200に接続可能な不図示のバーコードリーダによって、シールP21又はP22に印刷されている前記照合用コードと充填する錠剤の元箱などの収容部に付されている一次元コード又は二次元コードなどの錠剤コードとが読み取られ、当該照合用コードと当該錠剤コードとが示す錠剤種別が一致した場合に、当該錠剤カセット2について照合が行われたと判断する。さらに、制御部300は、シールP21、P22に印刷されている前記照合用コードが同一であるか否かを照合してもよい。また、他の実施形態として、制御部300は、制御装置200に接続可能な不図示のバーコードリーダによって前記照合用コードが読み取られ、当該照合用コードに含まれる錠剤カセット2のカセット番号が未照合の錠剤カセット2のカセット番号と一致する場合に、当該錠剤カセット2についての照合が行われたと判断してもよい。また、制御部300は、前記照合用コードが示す錠剤種別と、前記錠剤コードが示す錠剤種別と、充填対象の錠剤カセット2に割り当てられている錠剤種別とが全て一致した場合に、当該錠剤カセット2について照合が行われたと判断してもよい。ここで、未照合の錠剤カセット2について照合が行われたと判断されると(S723:Yes)、処理がステップS724に移行する。
【0213】
<ステップS724> ステップS724において、制御部300は、割当対応情報D31における充填対象の錠剤カセット2に対応する照合済フラグを「ON」に更新するための処理を実行する。具体的に、制御部300は、充填対象の錠剤カセット2の照合済フラグをONに設定するための制御指示を制御部401に通知する。そして、制御部401は、前記制御指示を受信すると、記憶部202に記憶されている割当対応情報D31における充填対象の錠剤カセット2の照合済フラグをONに更新する。これにより、充填対象の錠剤カセット2が錠剤払出装置1で使用可能となる。
【0214】
<ステップS725> ステップS725において、制御部300は、充填対象の錠剤カセット2について、予め定められた充填支援処理を実行する。例えば、前記充填支援処理には、錠剤カセット2に対応する錠剤の錠剤種別の表示、錠剤カセット2に充填する錠剤の数及びロット番号などの入力の受け付け、当該錠剤カセット2の錠剤の在庫量の更新などが含まれる。なお、錠剤カセット2に錠剤を充填する作業はユーザーによって行われる。
【0215】
なお、前記ステップS724で照合済フラグが「ON」に設定された場合、即ち、当該充填処理が実行される際に照合済フラグが「OFF」であった場合には、前記充填支援処理の実行の際に、錠剤カセット2から錠剤の払い出しを行うテストモードを実行することが考えられる。例えば、前記テストモードでは、充填後の錠剤カセット2から予め設定された数の錠剤が払い出され、ユーザーによる確認操作が行われた場合に、当該テストモードが終了する。これにより、錠剤カセット2のロータ8が正常に調整されているか否かが確認可能である。
【0216】
<ステップS73> ステップS73において、制御部300が、前記錠剤払出開始指示を受信したと判断した場合は(S73:Yes)、処理がステップS74に移行し、前記錠剤払出開始指示を受信していないと判断した場合は(S73:No)、処理がステップS71に戻される。
【0217】
<ステップS74> ステップS74において、制御部300は、前記錠剤払出開始指示に基づいて、今回使用される錠剤カセット2各々の駆動時における前記異常電流値を設定する。なお、係る処理を実行するときの制御部300を本発明に係る異常処理部として捉えてもよい。
【0218】
<ステップS75> ステップS75において、制御部300は、前記錠剤払出開始指示に基づいて錠剤払出装置1を制御し、当該錠剤払出装置1の錠剤カセット2各々から、処方データに処方薬として含まれる錠剤種別の錠剤を必要な払出量だけ払い出す錠剤払出動作を開始する。例えば、前記錠剤払出動作では、錠剤カセット2各々から錠剤が払い出され、服用時期ごとに分包紙に分包される。
【0219】
<ステップS76> ステップS76において、制御部300は、前記錠剤払出動作について、錠剤カセット2からの錠剤の払い出しに用いられる駆動部の駆動電流が予め設定された前記異常電流値以上であるか否かを判定する。ここに、係る判定処理は、制御部300の異常判定部311によって実行される。ここで、制御部300は、前記異常電流値以上であると判定すると(S76:Yes)、錠剤カセット2に異常が生じていると判断し、処理をステップS77に移行させる。一方、前記異常電流値以上でないと判定されると(S76:No)、処理がステップS78に移行する。
【0220】
<ステップS77> ステップS77において、制御部300は、錠剤払出装置1による錠剤払出動作を中断する。具体的に、錠剤カセット2においてロータ8とカセット本体5との間で錠剤が詰まり、ロータ8が回転しなくなる場合に当該ロータ8の駆動モータなどの駆動部に流れる電流が高くなる。そのため、ステップS77において、制御部300は、例えばユーザーに錠剤の詰まりの可能性がある旨を表示部202等に表示させて報知すること、又はロータ8の逆回転などの詰まり解消処理を実行することも考えられる。なお、制御部300は、例えばステップS76で異常が検出された錠剤カセット2の着脱が行われた場合又はユーザーによる再開操作が行われた場合などに、当該錠剤払出動作を再開させ、処理をステップS78に移行させることが考えられる。
【0221】
<ステップS78> ステップS78において、制御部300は、錠剤払出装置1による前記錠剤払出開始指示に基づく前記錠剤払出動作が完了したか否かが判断される。ここで、前記錠剤払出動作が完了していないと判断されると(S78:No)、処理がステップS76に戻され、前記錠剤払出動作が完了したと判断されると(S78:Yes)、処理がステップS71に戻される。
【0222】
以上説明したように、錠剤払出システム500では、前記錠剤払出処理が実行されることにより、錠剤払出装置1で錠剤カセット2が最初に用いられる場合は、当該錠剤カセット2に割り当てられた錠剤種別に対応する前記照合用コードが読み取られたことを条件に当該錠剤カセット2からの錠剤の払い出しが許可される。
【0223】
[ロータ清掃モード] ところで、前記カセット調整処理では、途中で前記ロータ清掃処理が実行される場合について説明したが、制御装置200の制御部401が、ユーザー操作に応じて任意のタイミングでロータ8を清掃するためのロータ清掃モードを実行可能であることも考えられる。なお、前記ロータ清掃モードは、調整装置100が単独で実行可能であってもよい。
【0224】
具体的に、制御部401は、ユーザーによるロータ清掃モードの開始操作が操作部402に対して行われた場合に、前記ロータ清掃モードを実行する。当該ロータ清掃モードでは、制御部401が、前記清掃フラグをONに設定した後、前記カセット調整処理と同様の処理を実行する。これにより、前記ロータ清掃処理(
図40)のステップS51において、ロータ8の清掃を行うと判断されることになる。
【0225】
また、前記ロータ清掃モードでは、前記ステップS45において、制御部401が、割当対応情報D31において対象錠剤カセット2Aに割り当てられている薬品コードを、ステップS31で記憶部202に記憶された錠剤種別に対応する薬品コードに更新する。また、ステップS45において、制御部401は、リーダライタ501を用いて対象錠剤カセット2AのRFIDタグ601の更新可能領域611の錠剤種別情報D21における薬品コードを、前記ステップS31で記憶部202に記憶された錠剤種別に対応する薬品コードに更新する。即ち、制御部401は、当該ロータ清掃モードの実行前に対象錠剤カセット2Aに割り当てられていた錠剤種別を当該対象錠剤カセット2Aに再度割り当てることになる。そ
の後、前記カセット調整処理が完了すると、前記ロータ清掃モードが終了する。
【0226】
このように、制御装置200が前記ロータ清掃モードを備えることにより、ユーザーは、錠剤カセット2への錠剤種別の割り当てを変更することなく、任意のタイミングで錠剤カセット2のロータ8を清掃することが可能である。
【0227】
また、錠剤払出装置1は、ユーザーなどが指定した指定錠剤カセットに対するテスト排出命令があると、テスト排出動作をする。テスト排出動作とは、指定錠剤カセットから排出される錠剤の数が特定数に達するまで指定錠剤カセットのロータ8を回転させる動作である。排出された錠剤の数は、錠剤排出路3cなどに設けた光センサを使って検出される。テスト排出動作は、錠剤カセット2のロータ8の錠剤案内路8bを調整装置100によって調整した後、当該錠剤カセット2から処方データに基づいて錠剤を排出する前に行われる。ユーザーは、錠剤カセット2のロータ8の錠剤案内路8bを調整装置100によって調整した後、当該カセット2をベース3に装着し、当該カセット2を指定錠剤カセットとしたテスト排出命令を錠剤払出装置1に出す。ユーザーは、テスト排出命令に従って排出された錠剤の数を視認することによって排出された錠剤の数が特定数かどうかを確認する。排出された錠剤の数が特定数でない場合、ユーザーは再度調整作業を行う。再度調整作業をするのは、処方データに対応する数の排出命令を受けたときに、錠剤カセット2から当該数と異なる数だけ錠剤が排出されるからである。また、錠剤払出装置1は、錠剤案内路8bが調整された錠剤カセット2から処方データに基づいて錠剤を払い出す場合において、錠剤案内路8bが調整されてから一定期間、又は、当該錠剤カセット2から一定数以上の錠剤が排出されるまでの間は、排出された錠剤の数を目視等で必ず確認するようにユーザーに報知してもよい。
【0228】
また、錠剤実装マスタD1に記憶された寸法は、一定範囲内(例えばデフォルトで登録された値から1mm以内)でユーザーが増減できるようにしてもよい。増減するためのユーザーインターフェースとして、1回押すたびに0.02mmずつ寸法が増加、減少するタッチパネル式のボタンが挙げられる。また、テスト排出動作中に1錠も払い出されない、又は、ロータ8の回転量に比べて排出数が著しく少ない場合は、錠剤案内路8bが小さ目に調整され、錠剤が錠剤案内路8bに入りずらい状態になっている可能性がある。この場合、錠剤案内路8bの各寸法を大きくするようにユーザーに報知してもよい。また、処方データに基づいて排出された錠剤の数が処方データに対応する数と一致するかどうかを判断する機能を錠剤払出装置1が備えてもよい。この機能を備える場合、排出された錠剤の数が処方データに対応する数より少なければ、錠剤案内路8bが小さ目に調整され、錠剤が錠剤案内路8bに入りずらい状態になっている可能性がある。この場合、錠剤案内路8bの寸法を大きくするようにユーザーに報知してもよい。一方、排出された錠剤の数が処方データに対応する数より多ければ、錠剤案内路8bが大きめに調整され、錠剤案内路8bのうち仕切部材20より下の部分に複数錠が入り、複数錠が同時に排出されている可能性がある。このような場合、錠剤案内路8bの寸法を小さくするようにーザーに報知してもよい。また、排出された錠剤の数が処方データに対応する数と一致していなければ、錠剤払出装置1が設置された場所の湿度を調整するようにユーザに報知してもよい。このような報知する理由は錠剤の寸法は湿度によって変動することがあるためである。
【0229】
互いに同一種類の錠剤が入った複数の錠剤カセット2を錠剤払出装置1のベース3に装着することができる。この場合、欠品(錠剤が入っていないこと)かどうかを錠剤カセット2毎に錠剤払出装置1が管理してもよい。錠剤払出装置1は、処方に基づく排出の時は、欠品ではない錠剤カセット2から錠剤を払出す。錠剤カセット2によって払い出すことができる錠剤の種類のリストをWebページに掲載し、錠剤カセット2を購入するかどうかの判断の一助としてもよい。錠剤カセット2に割り当てられる錠剤種別を識別するための錠剤種別情報D21が記憶されるRFIDタグ601をロータ8とカセット本体5とのそれぞれに設けてもよい。これによって、カセット本体5に設けられたRFIDタグ601と当該カセット本体5に収容されたロータ8に設けられたRFIDタグ601とで記憶された錠剤種別情報D21が一致していなければ、カセット本体5とロータ8とが互いに異なる錠剤用とされていることをユーザに報知することができる。
【0230】
錠剤実装マスタD1への寸法のデフォルトでの登録、または、変更の際に、錠剤の平面図、側面図を表示し、高さ、幅等の各寸法がどこの長さを指しているのかを図示する画面を錠剤払出装置1が表示していもよい。
【0231】
錠剤払出装置1は、軸方向が鉛直方向に向き、軸を中心に回転可能な円筒形のベース取付け部を備え、当該ベース取付け部に多数のベース3が取り付けられてもよい。各ベース3は、錠剤案内路8bの寸法の調整可能な錠剤カセット2と寸法の調整不能な錠剤カセットのいずれかも装着でき、ユーザが任意にいずれかを装着できるようにしてもよい。そして、寸法の調整可能な錠剤カセット2が装着されたベース3を錠剤払出装置1の正面に移動させる命令を錠剤払出装置1にユーザが出すと、錠剤払出装置1は寸法の調整可能な錠剤カセット2が装着されたベース3を錠剤払出装置1の正面に移動させるようにベース取り付け部を回転させてもよい。また、錠剤を撮影し、撮影画像から錠剤の寸法を算出し、錠剤実装マスタD1に自動で寸法を登録する機能を錠剤払出装置1が備えてもよい。寸法算出のための撮影後、撮影場所に錠剤をユーザが置き忘れることを防止するために、寸法算出のための撮影後から一定期間後再度撮影して錠剤が映っていれば錠剤を置き忘れている旨を錠剤払出装置1が報知してもよい。
【符号の説明】
【0232】
1 錠剤払出装置 2 錠剤カセット 5 カセット本体 9 錠剤排出孔 8b 錠剤案内路 20 仕切部材 24 仕切調整部材 33 深さ調整部材 52 高さ調整部材 64 幅調整部材100 調整装置101 装置本体102 カセット装着部103 ロータ載置部104 昇降テーブル105 昇降操作部111 仕切調整軸(仕切調整部)113 仕切調整モータ115 仕切ゼロ点検出センサ(第2ゼロ点検出部)121 深さゼロ点検出センサ(第1ゼロ点検出部)122 高さゼロ点検出センサ(第1ゼロ点検出部)123 幅ゼロ点検出センサ(第1ゼロ点検出部)127 深さ調整軸(案内路調整部)128 高さ調整軸(案内路調整部)129 幅調整軸(案内路調整部)137 深さ駆動軸(案内路駆動部)138 高さ駆動軸(案内路駆動部)139 幅駆動軸(案内路駆動部)142 深さ調整モータ(案内路駆動部)143 高さ調整モータ(案内路駆動部)144 幅調整モータ(案内路駆動部)145 レバー200 制御装置201 表示装置202 記憶部203 第1スタートボタン204 第2スタートボタン300 制御部301 リーダライタ401 制御部501 リーダライタ601 RFIDタグ M1 仕切調整機構 M2 深さ調整機構(錠剤案内路調整機構) M3 高さ調整機構(錠剤案内路調整機構) M4 幅調整機構(錠剤案内路調整機構)