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特開2022-121338複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法
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  • 特開-複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121338
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/08 20060101AFI20220812BHJP
   B23K 9/073 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
B23K9/08 D
B23K9/073 510
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021045880
(22)【出願日】2021-03-19
(31)【優先権主張番号】202110175270.6
(32)【優先日】2021-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520448821
【氏名又は名称】哈尓濱▲旱▼接研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】Harbin Welding Institute Limited Company
【住所又は居所原語表記】No.2077 ChuangXin Road, SongBei District, Harbin, Heilongjiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】楊 戦利
(72)【発明者】
【氏名】都 東
(72)【発明者】
【氏名】周 亦豊
(72)【発明者】
【氏名】彭 国棟
(72)【発明者】
【氏名】張 善保
(72)【発明者】
【氏名】杜 兵
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲カイ▼
【テーマコード(参考)】
4E082
【Fターム(参考)】
4E082AA01
4E082BA01
4E082BA02
4E082EF07
4E082HA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法を提供する。
【解決手段】溶接ワイヤ3~6本及び同じ数量の溶接用電源を含み、各溶接用電源の一つの出力端を、溶接ワイヤを連続的に供給する1本の溶接ガンに接続し、各溶接用電源のもう一つの出力端を、溶接方向の前方に位置する被溶接物の端部に固定接続させる。それぞれの溶接ワイヤと被溶接物との間にはアークを独立して形成させ、すべてのアークはともに被溶接物において融解池を一つ形成する。1本目の溶接ワイヤに直流棒マイナスの形で電力を供給し、他の溶接ワイヤに同周波数の交流矩形波の電流を供給して、各溶接ワイヤの電流の振幅は順次漸減する。溶接用電源と被溶接物との接続位置を決定し、各溶接ワイヤの溶接電流の位相の最適な設定及び各溶接ワイヤの自由端の最適な位置を提供し、各アークに対する複雑な電磁力の干渉を減少させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接電源n台、溶接ガンn本及び連続的に自動供給される溶接ワイヤn本により実現されるアーク安定化方法であって、溶接電源n台と溶接ガンn本とは1対1で対応し、溶接ガンn本と溶接ワイヤn本とは1対1で対応し、溶接電源n台は、それぞれ溶接ガンを介して、その溶接ガンに対応する溶接ワイヤに電力を供給し、ただし、nは3≦n≦6の整数である複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法であって、
各溶接電源の一つの出力端をそれに対応する溶接ガンに接続し、各溶接電源のもう一つの出力端をいずれも被溶接物の端部に固定接続し、固定接続される被溶接物の端部を溶接方向の前方に位置させ、溶接ガンそれぞれに対応する溶接ワイヤとその被溶接物との間に、アークを独立して形成させ、すべてのアークは共同で被溶接物に融解池を一つ形成するS1と、
溶接ワイヤn本を溶接方向と反対の方向に沿って順次配列し、1本目からn本目まで配列順に従って番号を付与し、ただし、溶接方向の前方に最も近い溶接ワイヤの番号を1とし、溶接方向の前方から最も遠い溶接ワイヤの番号をnとし、
溶接電源n台には直流溶接電源1台及び交流溶接電源n-1台が含まれ、前記直流溶接電源に、直流棒マイナスの形で1本目の溶接ワイヤ及びそれに対応するアークに電力を供給させ、交流溶接電源n-1台はそれぞれ同周波数の交流矩形波の形で2本目からn本目までの溶接ワイヤ、そしてそれぞれに対応するアークに電力を供給するS2と、
溶接電源n台はそれぞれ溶接ガンn本を介して、溶接ワイヤn本に同時に電力を供給しており、且つ、
1本目からn本目までの溶接ワイヤに流す電流の振幅を順次漸減し、2本目の溶接ワイヤに流す交流電流の位相を0に設定し、3本目からn本目までの溶接ワイヤにおいて、いずれの番号の溶接ワイヤに流す交流電流の位相を、直前の番号の溶接ワイヤに流す交流電流の位相よりも、所定の値域を有するΔφだけ遅延させると同時に、nの値に応じて、溶接ワイヤn本の自由端同士の間隔を決定するように、溶接ワイヤn本のプロセスパラメータを設定し、これにより、アークを安定させることができるS3と、
を含むことを特徴とする複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法。
【請求項2】
ステップS3において、1本目からn本目までの溶接ワイヤに流す電流の振幅は同一の割合や同一の差分で順次漸減する場合、Δφの値域は3π/4≦Δφ≦φ5π/4である、ことを特徴とする請求項1に記載の複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法。
【請求項3】
ステップS3において、nの値に応じて、溶接ワイヤn本の自由端同士の間隔を決定する実施方法は、
1本目の溶接ワイヤの自由端とn本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離をLとし、n=3の場合、溶接ワイヤn本それぞれの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との距離は、
ただし、x1は1本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x2は2本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x3は3本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示すことを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法。
【請求項4】
ステップS3において、nの値に応じて、溶接ワイヤn本の自由端同士の間隔を決定する実施方法は、
1本目の溶接ワイヤの自由端とn本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離をLとし、n=4の場合、溶接ワイヤn本それぞれの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との距離は、
ただし、x1は1本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x2は2本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x3は3本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x4は4本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示すことを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法。
【請求項5】
ステップS3において、nの値に応じて、溶接ワイヤn本の自由端同士の間隔を決定する実施方法は、
1本目の溶接ワイヤの自由端とn本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離をLとし、n=5の場合、溶接ワイヤn本それぞれの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との距離は、
ただし、x1は1本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x2は2本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x3は3本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x4は4本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x5は5本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示す、
ことを含む、ことを特徴とする、請求項2に記載の複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法。
【請求項6】
ステップS3において、nの値に応じて、溶接ワイヤn本の自由端同士の間隔を決定する実施方法は、
1本目の溶接ワイヤの自由端とn本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離をLとし、n=6の場合、溶接ワイヤn本それぞれの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との距離は、
ただし、x1は1本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x2は2本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x3は3本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x4は4本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x5は5本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x6は6本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示すことを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法。
【請求項7】
Δφの最適値がπであることを特徴とする、請求項3~6のいずれか1つに記載の複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接の技術分野に属し、特に複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチアークの共同による融解池の溶接の技術は、電流が大きく且つ付着効率が高いなどの優位性を有するため、厚さ20-60mmの厚板や厚肉などの溶接に広く適用されてきた。しかし、溶接時、各溶接ワイヤのアークが、ほかの溶接ワイヤの電流による電磁力により干渉されているため、アークにスキュー振れが発生し、溶接が不安定になり、品質管理に悪影響を及ぼす。一方、溶接用電源と被溶接物の間の接続方法、溶接電流の振幅や位相、溶接ワイヤ間隔の配置などのプロセスパラメータの、電磁力に対する影響は結合されるものであり、いずれか1つのパラメータのみを最適化することで電磁力の干渉を低減できないため、各プロセスパラメータを統合して最適化する必要がある。
【0003】
中国特許CN201911101281.9は、複数の電源の並列接続及び複数の溶接ワイヤによる高効率アーク溶接装置を提供しており、互いに独立する複数の溶接電源が複数の溶接ワイヤそれぞれに電力を供給することを開示し、しかし、電流の位相、溶接ワイヤの間隔及び溶接電源出力端と被溶接物の間の接続方法による溶接時の安定性制御を開示していない。中国特許CN201310363373.0は海底にあるパイプラインにおける鋼管継手の総合性能を保証するマルチ溶接ワイヤサブマージアーク溶接方法を提供し、3本の溶接ワイヤで溶接を行う時に、各溶接ワイヤの電流の振幅を調節することを開示しており、しかし、電流の位相、各溶接ワイヤの間隔、及び溶接電源出力端と被溶接物の間の接続方法の、溶接時の安定に対する効果を開示していない。中国特許CN201710651806.0はX70肉厚の直線スリット状の鋼管の溶接に適用するマルチ溶接ワイヤサブマージアーク溶接方法を提供し、各溶接ワイヤの溶接の電流間の位相が90°だけ漸増するように調節することを開示しており、しかし、溶接ワイヤの間隔及び溶接電源出力端と被溶接物の間の接続方法に対する最適化を開示していない。中国特許CN201911018373.0は、余盛り高さが低い肉薄鋼管のためのマルチ溶接ワイヤサブマージアーク溶接方法を提供し、3本の溶接ワイヤで溶接を行う時に、内部溶接及び外部溶接に用いる各溶接ワイヤの電流の振幅を設定することを開示しており、しかし、電流の位相、各溶接ワイヤの間隔、及び溶接電源出力端と被溶接物の間の接続方法の改善を開示していない。テーマが「4本の溶接ワイヤによる精密デジタル制御式サブマージアーク溶接システム」の学術誌論文は、4本の溶接ワイヤによるサブマージアーク溶接については、複数の溶接ワイヤの電源間の位相制御によりアーク干渉の問題を解決し、各溶接ワイヤの溶接電流の位相が90°だけ漸増することを開示しており、溶接ワイヤの間隔、及び溶接電源出力端と被溶接物の間の接続方法の最適化を開示していない。テーマが「マルチ溶接ワイヤアーク溶接技術及びそのアーク安定性と溶接ビード成形」及び「マルチ溶接ワイヤシールドガス溶接におけるアーク間干渉についての研究現状」の学術誌論文は、溶接アークへの干渉を抑えるために溶接ワイヤの位置及び間隔を調整することを開示しており、しかし、具体的な調整則や根拠を与えず、溶接電源の出力端と被溶接物の間の接続方法の改善を開示していない。テーマが「ストレートシーム溶接鋼管のためのマルチ溶接ワイヤサブマージアーク溶接方法」の学術誌論文は、電流の位相及び溶接ワイヤの間隔の調節によるアーク安定性に対する影響を開示しており、しかし、その具体的な調節方法を提供せず、溶接電源の出力端と被溶接物の間の接続方法の改善を開示していない。
【0004】
要するに、従来の技術において、マルチ溶接ワイヤの共同による融解池の場合、各アーク間の電磁力の干渉耐性が低下する欠点があり、電磁力の干渉をより低下させて各アークの向きの安定性を保証する、完全なプロセスパラメータの組み合わせを開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許CN201911101281.9
【特許文献2】中国特許CN201310363373.0
【特許文献3】中国特許CN201710651806.0
【特許文献4】中国特許CN201911018373.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のマルチアークの共同による融解池の溶接における、複雑な電磁相互作用によりアークが不安定になる問題を解決することを目的とする。本発明は、電磁力の干渉をより低下させて各アークのスキュー振れを抑える完全なプロセスパラメータの組み合わせを提供する、複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法であって、溶接電源n台、溶接ガンn本及び連続的に自動供給される溶接ワイヤn本により実施され、溶接電源n台と溶接ガンn本とは1対1で対応し、溶接ガンn本と溶接ワイヤn本とは1対1で対応し、溶接電源n台は、それぞれ溶接ガンを介して、その溶接ガンに対応する溶接ワイヤに電力を供給し、ただし、nは3≦n≦6の整数である。
アーク安定化方法は、
【0008】
各溶接電源の一つの出力端をそれに対応する溶接ガンに接続し、各溶接電源のもう一つの出力端をいずれも被溶接物の端部に固定接続し、固定接続される被溶接物の端部を溶接方向の前方に位置させ、溶接ガンそれぞれに対応する溶接ワイヤとその被溶接物との間に、アークを独立して形成させ、すべてのアークは共同で被溶接物に融解池を一つ形成するS1と、
【0009】
溶接ワイヤn本を溶接方向と反対の方向に沿って順次配列し、1本目からn本目まで配列順に従って番号を付与し、ただし、溶接方向の前方に最も近い溶接ワイヤの番号は1とし、溶接方向の前方から最も遠い溶接ワイヤの番号をnとし、
【0010】
溶接電源n台には直流溶接電源1台及び交流溶接電源n-1台が含まれ、前記直流溶接電源に、直流棒マイナスの形で1本目の溶接ワイヤ及びそれに対応するアークに電力を供給させ、交流溶接電源n-1台は同周波数の交流矩形波の形で2本目からn本目までの溶接ワイヤ、そしてそれぞれに対応するアークに電力を供給するS2と、
溶接電源n台はそれぞれ溶接ガンn本を介して、溶接ワイヤn本に同時に電力を供給しており、且つ、
【0011】
1本目からn本目までの溶接ワイヤに流す電流の振幅を順次漸減し、2本目の溶接ワイヤに流す交流電流の位相を0に設定し、3本目からn本目までの溶接ワイヤにおいて、いずれの番号の溶接ワイヤに流す交流電流の位相を、直前の番号の溶接ワイヤに流す交流電流の位相よりも、所定の値域を有するΔφだけ遅延させると同時に、nの値に応じて、溶接ワイヤn本の自由端同士の間隔を決定するように、溶接ワイヤn本のプロセスパラメータを設定し、これにより、アークを安定させることができるS3と、を含む。
【0012】
ステップS3において、1本目からn本目までの溶接ワイヤに流す電流の振幅は同一の割合や同一の差分で順次漸減し、この際、Δφの値域は3π/4≦Δφ≦φ5π/4であることが好ましい。
ステップS3において、nの値に応じて、溶接ワイヤn本の自由端同士の間隔を決定する実施方法は、
【0013】
1本目の溶接ワイヤの自由端とn本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離をLとし、n=3の場合、溶接ワイヤn本それぞれの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離は、
【0014】
ただし、x1は1本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x2は2本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x3は3本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示す、ことを含む、ことが好ましい。
ステップS3において、nの値に応じて、溶接ワイヤn本の自由端同士の間隔を決定する実施方法は、
【0015】
1本目の溶接ワイヤの自由端とn本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離をLとし、n=4の場合、溶接ワイヤn本それぞれの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との距離は、
ただし、x1は1本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x2は2本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x3は3本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x4は4本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示す、ことを含む、ことが好ましい。
【0016】
ステップS3において、nの値に応じて、溶接ワイヤn本の自由端同士の間隔を決定する実施方法は、
【0017】
1本目の溶接ワイヤの自由端とn本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離をLとし、n=5の場合、溶接ワイヤn本それぞれの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との距離は、
【0018】
ただし、x1は1本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x2は2本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x3は3本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x4は4本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x5は5本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示すことが好ましい。
【0019】
ステップS3において、nの値に応じて、溶接ワイヤn本の自由端同士の間隔を決定する実施方法は、
【0020】
1本目の溶接ワイヤの自由端とn本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離をLとし、n=6の場合、溶接ワイヤn本それぞれの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との距離は、
【0021】
ただし、x1は1本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x2は2本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x3は3本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x4は4本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x5は5本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x6は6本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示すことが好ましい。
【0022】
Δφの最適値はπであることが好ましい。
本発明の有益な効果は下記のとおりである。
【0023】
本発明が提供する複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法は、各アーク間、及び被溶接物に流す溶接電流とアークの間の電磁相互作用の、アークの安定性に対する悪影響を低減し、溶接時の各アークのスキュー振れを抑えることにより、溶接の溶込み及び溶接成形効率を保証して、ビード成形品質を保障する優位性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】は、nの値が4である場合、本発明に記載の、複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法のハードウェア接続を示す図である。
【0025】
ただし、符号1は溶接電源ユニットを示す。当該溶接電源ユニットは、それぞれ101~104で示され且つ相互に独立した4つの溶接電源から構成される。符号101は直流溶接電源を示し、符号102~104はそれぞれ第1~3交流溶接電源を示す。
【0026】
符号2は溶接ガンユニットを示す。溶接ガンユニットには、それぞれ201~204で示される4つの溶接ガンが含まれる。符号201~204はそれぞれ第1~4溶接ガンを示す。溶接ガンは溶接ワイヤに一対一で対応する。
【0027】
符号3は溶接ワイヤユニットを示す。溶接ワイヤユニットには、それぞれ301~304で示され、同一の融解池に動作する4つの溶接ワイヤが含まれる。符号301~304はそれぞれ第1~4溶接ワイヤを示す。
【0028】
符号4は被溶接物を示し、
符号5は融解池を示し、
x1~x4はそれぞれ1本目の溶接ワイヤ301から4本目の溶接ワイヤ304までの自由端が溶接方向と反対の方向に沿って順次配列される位置を示す。
【0029】
12は1本目の溶接ワイヤ301の自由端と2本目の溶接ワイヤ302の自由端との間の距離を示す。
23は2本目の溶接ワイヤ302の自由端と3本目の溶接ワイヤ303の自由端との間の距離を示す。
34は3本目の溶接ワイヤ303の自由端と4本目の溶接ワイヤ304の自由端との間の距離を示す。
ACは交流電源を示し、DCは直流電源を示す。
図2】は、本発明に記載の、複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法のプロセス図である。
図3】は、本発明の実施例において、溶接ワイヤの本数が4つであり、溶接ワイヤ電流の振幅が0.85の割合で漸減する場合、電磁気学の計算式で算出され、各溶接ワイヤのアークの単位長さが受ける電磁力の標準偏差の二乗の和は、位相差Δφに従って変化するのを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、本発明の実施例の図面に合わせて、本発明の実施例における技術案について明確かつ完全に説明し、明らかに、説明する実施例は、すべてのものではなく、本発明の実施例の一部に過ぎない。本発明の実施例に基づいて、当業者であれば、創造的労力を払わずに得られた他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0031】
なお、矛盾がない限り、本発明の実施例同士、及び実施例の特徴同士を相互に組み合わせてもよい。
図2を参照しながら、本実施形態を具体的に説明する。本実施形態に記載の、複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法は、溶接電源n台、溶接ガンn本及び連続的に自動供給される溶接ワイヤn本により実施される。溶接電源n台と溶接ガンn本とは1対1で対応し、溶接ガンn本と溶接ワイヤn本とは1対1で対応し、溶接電源n台は、それぞれ溶接ガンを介して、その溶接ガンに対応する溶接ワイヤに電力を供給し、ただし、nは3≦n≦6の整数である。
アーク安定化方法は、
【0032】
各溶接電源の一つの出力端をそれに対応する溶接ガンに接続し、各溶接電源のもう一つの出力端をいずれも被溶接物の端部に固定接続し、固定接続される被溶接物の端部を溶接方向の前方に位置させ、溶接ガンそれぞれに対応する溶接ワイヤとその被溶接物との間に、アークを独立して形成させ、すべてのアークは共同で被溶接物に融解池を一つ形成するS1と、
【0033】
溶接ワイヤn本を溶接方向と反対の方向に沿って順次配列し、1本目からn本目まで配列順に従って番号を付与し、ただし、溶接方向の前方に最も近い溶接ワイヤの番号を1とし、溶接方向の前方から最も遠い溶接ワイヤの番号をnとし、
【0034】
溶接電源n台には直流溶接電源1台及び交流溶接電源n-1台が含まれ、前記直流溶接電源に、直流棒マイナス(Direct Current Electrode Negative、DCEN)の形で1本目の溶接ワイヤ及びそれに対応するアークに電力を供給させ、交流溶接電源n-1台は同周波数の交流矩形波の形で2本目からn本目までの溶接ワイヤ、そしてそれぞれに対応するアークに電力を供給するS2と、
溶接電源n台はそれぞれ溶接ガンn本を介して、溶接ワイヤn本に同時に電力を供給しており、且つ、
【0035】
1本目からn本目までの溶接ワイヤに流す電流の振幅を順次漸減し、2本目の溶接ワイヤに流す交流電流の位相を0に設定し、3本目からn本目までの溶接ワイヤにおいて、いずれの番号の溶接ワイヤに流す交流電流の位相を、直前の番号の溶接ワイヤに流す交流電流の位相よりも、所定の値域を有するΔφだけ遅延させると同時に、nの値に応じて、溶接ワイヤn本の自由端同士の間隔を決定するように、溶接ワイヤn本のプロセスパラメータを設定し、これにより、アークを安定させることができるS3と、を含む。
【0036】
ただし、Δφの具体的な値及び溶接ワイヤn本の自由端同士の配列間隔は、いずれも各溶接ワイヤのアークに対する電磁学的なシミュレーションを介して最適化を行うことで得られたものである。
実際に使用する際に、溶接する板状部材の厚さ及び生産の実情に合わせて、nの値を変更する。
【0037】
本願において、各溶接ワイヤのアークに対して力の分析を行い、上記ステップS1で規定されている溶接電源n台と被溶接物との接続方法では、各溶接ワイヤのアークは、他の溶接ワイヤにおける電流による電磁力を受けると同時に、被溶接物の内部における溶接電流による電磁力を受ける。ビオ・サバールの法則及びアンペアの力の方程式に基づいて、k本目の溶接ワイヤのアークの下端部において、単位長さの溶接ワイヤが受ける、他の溶接ワイヤにおける溶接電流及び被溶接物の内部電流による電磁力F(k)は、
であり、
【0038】
【0039】
【0040】
k本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離をxkとし、ただし、1≦k≦nであり、電磁学的な計算によれば、n=3の場合、溶接ワイヤn本それぞれの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離は、
【0041】
n=4の場合、溶接ワイヤn本それぞれの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離は、
【0042】
n=5の場合、溶接ワイヤn本それぞれの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離は、
【0043】
n=6の場合、溶接ワイヤn本それぞれの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離は、
【0044】
ただし、x1は1本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x2は2本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x3は3本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x4は4本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x5は5本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x6は6本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示す。
【0045】
n=4の場合を例として、実際に使用する場合、図1を参照しながら、本発明に記載の、複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法におけるハードウェアを接続し、図1において、溶接電源ユニット1は、独立した4つの溶接電源101~104から構成され、溶接ガンユニット2は4つの溶接ガン201~204を含み、溶接ワイヤユニット3は4つの溶接ワイヤ301~304を含み、被溶接物4は、一体に溶接接続する厚さ20mmの2枚の鋼板であり、アーク長さは6mmであり、4つの溶接電源101~104それぞれは、一端が溶接ガン201~204に接続され、他端がいずれも溶接方向の前方に位置する被溶接物の端部に固定接続される。
【0046】
図1において、溶接時、4つの溶接ワイヤが溶接方向と反対の方向に沿って順次配列され、各溶接ワイヤの電流の振幅及び位相は独立して調節される。
【0047】
溶接方向と反対の方向に沿って溶接ワイヤに番号1~4を順次付与し、1台の直流溶接電源は直流棒マイナスの形で1本目の溶接ワイヤ301及びそのアークに電力を供給し、3台の交流溶接電源はそれぞれ同周波数の交流矩形波の形で2本目の溶接ワイヤ302、3本目の溶接ワイヤ303、4本目の溶接ワイヤ304及び1本目から4本目までの溶接ワイヤそれぞれに対応するアークに電力を供給する。
【0048】
1本目から4本目までの溶接ワイヤの電流の振幅は、順次漸減し、ここで、同一の割合で漸減する形を採用し、2、3、4本目の溶接ワイヤの電流の振幅はそれぞれ、直前の溶接ワイヤの電流の振幅の0.85倍とする。1本目の溶接ワイヤ301の電流の振幅は1000Aとすれば、2本目、3本目及び4本目の溶接ワイヤの電流の振幅はそれぞれ850A、723A、614Aとする。
【0049】
2本目の溶接ワイヤ302に流す交流電流の位相は0とし、3本目の溶接ワイヤ303及び4本目の溶接ワイヤ304に流す交流電流の位相はそれぞれ直前の溶接ワイヤに流す交流電の位相よりもπだけ遅延する。
【0050】
溶接の必要に応じて、1本目の溶接ワイヤの自由端と4本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を60mmとし、即ち、L=60mmとし、溶接方向と反対の方向における、1本目の溶接ワイヤ301の自由端の位置は0mmとすれば、1本目の溶接ワイヤの自由端に対する4本目の溶接ワイヤ304の自由端の位置は60mmとなる。
【0051】
k本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離をxkとして、ただし1≦k≦4であり、
【0052】
そしてL=60mmとするため、1本目から4本目までの溶接ワイヤそれぞれの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離は、
【0053】
隣接する溶接ワイヤの間の間隔L12、L23、L34はそれぞれ25mm、15mm、20mmとなる。
【0054】
本願において特定の実施形態を参照しながら、本発明を説明し、しかし、その実施形態は本発明の原理及び応用の一例に過ぎないことを理解されたい。したがって、特許請求の範囲により限定される本発明の主旨及び範囲から逸脱しない限り、例示的な実施例に対して多くの変更を行い、且つほかの設置を設計できることを理解されたい。当初の特許請求の範囲の以外の形により、請求項の従属関係の再設定、及び本明細書に記載の特徴の再組み合わせを行うことができることを理解されたい。さらに、単一の実施例における特徴が前記他の実施例にも適用できる。

図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接電源n台、溶接ガンn本及び連続的に自動供給される溶接ワイヤn本により実現されるアーク安定化方法であって、溶接電源n台と溶接ガンn本とは1対1で対応し、溶接ガンn本と溶接ワイヤn本とは1対1で対応し、溶接電源n台は、それぞれ溶接ガンを介して、その溶接ガンに対応する溶接ワイヤに電力を供給し、ただし、nは3≦n≦6の整数である複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法であって、
各溶接電源の一つの出力端をそれに対応する溶接ガンに接続し、各溶接電源のもう一つの出力端をいずれも被溶接物の端部に固定接続し、固定接続される被溶接物の端部を溶接方向の前方に位置させ、溶接ガンそれぞれに対応する溶接ワイヤとその被溶接物との間に、アークを独立して形成させ、すべてのアークは共同で被溶接物に融解池を一つ形成するS1と、
溶接ワイヤn本を溶接方向と反対の方向に沿って順次配列し、1本目からn本目まで配列順に従って番号を付与し、ただし、溶接方向の前方に最も近い溶接ワイヤの番号を1とし、溶接方向の前方から最も遠い溶接ワイヤの番号をnとし、
溶接電源n台には直流溶接電源1台及び交流溶接電源n-1台が含まれ、前記直流溶接電源に、直流棒マイナスの形で1本目の溶接ワイヤ及びそれに対応するアークに電力を供給させ、交流溶接電源n-1台はそれぞれ同周波数の交流矩形波の形で2本目からn本目までの溶接ワイヤ、そしてそれぞれに対応するアークに電力を供給するS2と、
溶接電源n台はそれぞれ溶接ガンn本を介して、溶接ワイヤn本に同時に電力を供給しており、且つ、
1本目からn本目までの溶接ワイヤに流す電流の振幅を順次漸減し、2本目の溶接ワイヤに流す交流電流の位相を0に設定し、3本目からn本目までの溶接ワイヤにおいて、いずれの番号の溶接ワイヤに流す交流電流の位相を、直前の番号の溶接ワイヤに流す交流電流の位相よりも、所定の値域を有するΔφだけ遅延させると同時に、nの値に応じて、溶接ワイヤn本の自由端同士の間隔を決定するように、溶接ワイヤn本のプロセスパラメータを設定し、これにより、アークを安定させることができるS3と、を含み、
ステップS3において、1本目からn本目までの溶接ワイヤに流す電流の振幅は同一の割合や同一の差分で順次漸減する場合、Δφの値域は3π/4≦Δφ≦φ5π/4である、ことを特徴とする複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法。
【請求項2】
ステップS3において、nの値に応じて、溶接ワイヤn本の自由端同士の間隔を決定する実施方法は、
1本目の溶接ワイヤの自由端とn本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離をLとし、n=3の場合、溶接ワイヤn本それぞれの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との距離は、
ただし、x1は1本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x2は2本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x3は3本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示すことを含む、ことを特徴とする請求項に記載の複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法。
【請求項3】
ステップS3において、nの値に応じて、溶接ワイヤn本の自由端同士の間隔を決定する実施方法は、
1本目の溶接ワイヤの自由端とn本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離をLとし、n=4の場合、溶接ワイヤn本それぞれの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との距離は、
ただし、x1は1本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x2は2本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x3は3本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x4は4本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示すことを含む、ことを特徴とする請求項に記載の複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法。
【請求項4】
ステップS3において、nの値に応じて、溶接ワイヤn本の自由端同士の間隔を決定する実施方法は、
1本目の溶接ワイヤの自由端とn本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離をLとし、n=5の場合、溶接ワイヤn本それぞれの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との距離は、
ただし、x1は1本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x2は2本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x3は3本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x4は4本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x5は5本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示す、
ことを含む、ことを特徴とする、請求項に記載の複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法。
【請求項5】
ステップS3において、nの値に応じて、溶接ワイヤn本の自由端同士の間隔を決定する実施方法は、
1本目の溶接ワイヤの自由端とn本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離をLとし、n=6の場合、溶接ワイヤn本それぞれの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との距離は、
ただし、x1は1本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x2は2本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x3は3本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x4は4本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x5は5本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示し、
x6は6本目の溶接ワイヤの自由端と1本目の溶接ワイヤの自由端との間の距離を示すことを含む、ことを特徴とする請求項に記載の複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法。
【請求項6】
Δφの最適値がπであることを特徴とする、請求項2~5のいずれか1つに記載の複数のアークの共同による融解池に基づく厚板の溶接に適用するアーク安定化方法。