(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121357
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】2品種自動ワインダのトレイ搬送装置及び搬送方法
(51)【国際特許分類】
B65H 67/06 20060101AFI20220812BHJP
D01H 9/18 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
B65H67/06 Z
D01H9/18 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105068
(22)【出願日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】202110171804.8
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517002904
【氏名又は名称】青島宏大紡織機械有限責任公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】車社海
(72)【発明者】
【氏名】陳建
(72)【発明者】
【氏名】賈坤
(72)【発明者】
【氏名】王麗霞
(72)【発明者】
【氏名】周愛紅
(72)【発明者】
【氏名】王海霞
(72)【発明者】
【氏名】李瀟
(72)【発明者】
【氏名】張志浩
(72)【発明者】
【氏名】丁慶▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】路楓橙
【テーマコード(参考)】
3F112
4L056
【Fターム(参考)】
3F112AA08
3F112FA01
3F112FA10
3F112GA01
3F112MA01
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3F112NA06
3F112NB04
3F112VB02
3F112VC06
4L056AA01
4L056AA45
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4L056BF05
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4L056BF14
4L056BF15
4L056BF31
4L056BF38
4L056DA47
4L056EB15
4L056EB26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】2品種自動ワインダのトレイ搬送装置及び搬送方法を提供する。
【解決手段】管糸処理装置は、2つの管糸の糸掛け装置、2つの挿管装置、1つの抜管装置17及び管糸処理搬送通路を含む。トレイはRFIDチップを内蔵し、トレイはトレイAとトレイBに分けられる。2つの挿管装置及び抜管装置17はいずれもコードリーダーを配置する。ワインダ単錘管替装置は、単錘モジュールA、単錘モジュールB及び共用のスピンドル後循環通路1を含み、管糸処理搬送通路はスピンドル後循環通路1に接続される。単錘モジュールA及び単錘モジュールBの管糸入口に単錘管入れシフトフォークがそれぞれ設置される。制御システムは、トレイAとトレイBのID番号を設定し、トレイA又はトレイBであることを認識するように制御し、単錘管入れシフトフォークの開閉に対応する管糸入口を制御するために用いられる。2品種を同時に生産でき、品種変換が柔軟で便利である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管糸の糸掛け装置、挿管装置、抜管装置及び管糸処理搬送通路を含む管糸処理装置と、ワインダ単錘管替装置と、トレイと、制御システムとを含む2品種自動ワインダのトレイ搬送装置であって、前記トレイはRFIDチップを内蔵し、前記トレイはトレイAとトレイBに分けられ、前記トレイAと前記トレイBはRFIDチップのID番号が異なる点で区別され、前記トレイAは管糸品種Aを搬送するために用いられ、前記トレイBは管糸品種Bを搬送するために用いられ、前記管糸の糸掛け装置は、第1の糸掛け装置と第2の糸掛け装置とを含み、前記第1の糸掛け装置の片側に第1のコード読み取りセンサーが設置され、前記第2の糸掛け装置の片側に第2のコード読み取りセンサーが設置され、前記第1の糸掛け装置及び第2の糸掛け装置は、前記管糸処理搬送通路を介して連通し、前記挿管装置は、第1の挿管装置及び第2の挿管装置を含み、前記第1の挿管装置及び第2の挿管装置は、第1のコードリーダーと第2のコードリーダーをそれぞれ配置し、前記抜管装置は、第3のコードリーダーを配置し、前記ワインダ単錘管替装置は、単錘モジュールA、単錘モジュールB及び共用のスピンドル後循環通路を含み、前記単錘モジュールAは、前段単錘戻り通路A、単錘管入れコードリーダーA、単錘コードリーダーA、トレイ検出センサーA及び単錘管入れシフトフォークAを含み、前記単錘モジュールBは、前段単錘戻り通路B、単錘管入れコードリーダーB、単錘コードリーダーB、トレイ検出センサーB及び単錘管入れシフトフォークBを含み、前記前段単錘戻り通路A及び前段単錘戻り通路Bは前記スピンドル後循環通路にそれぞれ接続され、前記前段単錘戻り通路Aの管糸入口に単錘管入れシフトフォークAが設置され、前記前段単錘戻り通路Bの管糸入口に単錘管入れシフトフォークBが設置され、前記制御システムは、トレイA及びトレイBのID番号を設定し、トレイがトレイA又はトレイBであることを認識するように制御し、単錘管入れシフトフォークA及び単錘管入れシフトフォークBの開閉に対応する管糸入口を制御するために用いられることを特徴とする2品種自動ワインダのトレイ搬送装置。
【請求項2】
前記管糸処理搬送通路は、挿管通路、第1の糸掛け通路、第1の糸掛け成功通路、第1の糸掛け失敗通路、第2の糸掛け通路、第2の糸掛け成功通路、第2の糸掛け失敗通路、糸掛け成功合流通路、及び戻り通路を含み、前記第1の糸掛け通路の一端は、第1の糸掛け成功通路及び第1の糸掛け失敗通路に接続され、前記第1の糸掛け通路の他端は、前記挿管通路に接続され、前記第1の糸掛け失敗通路の他端は、前記挿管通路に接続され、前記第2の糸掛け通路の一端は、第2の糸掛け成功通路及び第2の糸掛け失敗通路に接続され、前記第2の糸掛け通路の他端は、前記挿管通路に接続され、前記第2の糸掛け失敗通路の他端は、前記戻り通路に接続され、前記戻り通路の一端は、前記挿管通路に接続され、前記戻り通路の他端は、前記前段単錘戻り通路A及び前段単錘戻り通路Bにそれぞれ接続され、前記第1の糸掛け成功通路及び第2の糸掛け成功通路の出力端は、いずれも前記糸掛け成功合流通路の一端に接続され、前記糸掛け成功合流通路の他端は、前記スピンドル後循環通路に接続されることを特徴とする請求項1に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置。
【請求項3】
前記第1の挿管装置が前記挿管通路の前段の片側に設置され、前記第1のコードリーダーが前記第1の挿管装置の他側に隣接して設置され、前記第2の挿管装置が前記挿管通路の後段の片側に設置され、前記第2のコードリーダーが前記第2の挿管装置の他側に隣接して設置され、前記抜管装置及び前記第3のコードリーダーが前記戻り通路の前記挿管通路の一端に隣接する両側に対称的に設置されることを特徴とする請求項2に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置。
【請求項4】
前記トレイA及びトレイBがいずれも同じセットの管糸搬送システムによって前記管糸処理搬送通路に沿って動作するように駆動されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置。
【請求項5】
前記トレイに装着スロットが開設され、前記装着スロット内に前記RFIDチップがパッケージされ、前記トレイA及び前記トレイBは形状及び寸法が同じであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置。
【請求項6】
前記トレイに装着スロットが開設され、前記装着スロット内に前記RFIDチップがパッケージされ、前記トレイA及び前記トレイBは形状及び寸法が同じであることを特徴とする請求項4に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置。
【請求項7】
具体的には、
制御システムがトレイのID番号を設定し、RFIDチップのID番号が異なるトレイA及びトレイBを形成し、トレイA及びトレイBの数量割合を決定し、トレイが管糸を搬送するために用いられ、ここで、トレイAは管糸品種Aを搬送するために用いられ、トレイBは管糸品種Bを搬送するために用いられるステップ1と、
トレイが挿管通路を通過する際、第1の挿管装置において第1のコードリーダーによりコードを読み取ることで、トレイAであると確認した場合、第1の挿管装置は、管糸品種Aを挿管し、トレイBであると確認した場合、挿管を行わずに直接通過させ、トレイが第2の挿管装置において第2のコードリーダーによりコードを読み取ることで、トレイBであると確認した場合、第2の挿管装置は、管糸品種Bを挿管し、トレイAであると確認した場合、第2の挿管装置は、挿管を行わずに直接通過させるステップ2と、
挿管後のトレイAとトレイBが合流した後、まず第1の糸掛け通路に入って第1の糸掛け装置で糸掛けを行い、第1の糸掛け通路が一杯になると、自動的に第2の糸掛け通路に入って第2の糸掛け装置で糸掛けを行うステップ3と、
第1の糸掛け通路及び第2の糸掛け通路で糸掛けが成功した管糸を再び合流させて、スピンドル後循環通路に入るステップ4と、
糸掛け成功後の管糸がスピンドル後循環通路に入った後、まず単錘モジュールAを通過し、単錘管入れコードリーダーAによりコードを読み取り、検出結果に基づき、(1)トレイAであると決定し、トレイ検出センサーAによりここでトレイがないことと確認した場合、単錘管入れシフトフォークAが反時計方向に回転して単錘モジュールAの管糸入口を開き、トレイAが単錘モジュールAに入ると同時に、単錘モジュールAの管糸入口を再び閉るステップ、(2)トレイAであると決定したが、トレイ検出センサーAによりここでトレイがあることと検出した場合、単錘管入れシフトフォークAが時計方向に回転し、単錘モジュールAの管糸入口を閉鎖し、トレイAが次の単錘の後方に動作するステップ、(3)トレイがトレイBであると決定した場合、トレイ検出センサーAの検出結果に関わらず、この時、単錘管入れシフトフォークAが時計方向に回転し、単錘モジュールAの管糸入口を閉鎖し、トレイBが次の単錘の後方に動作するステップのうちの1つを行うステップ5と、
糸掛け成功後の管糸がスピンドル後循環通路に入った後、単錘モジュールBに入る場合、単錘管入れコードリーダーBによりコードを読み取り、検出結果に基づき、(1)トレイがトレイBであると決定したと同時に、トレイ検出センサーBによりここでトレイがないことと確認した場合、単錘管入れシフトフォークBが反時計方向に回転し、単錘モジュールBの管糸入口を開き、トレイBが単錘モジュールBに入ると同時に、単錘モジュールBの管糸入口を再び閉るステップ、(2)トレイBであると決定したが、トレイ検出センサーBによりここでトレイがあることと検出した場合、単錘管入れシフトフォークBが時計方向に回転し、単錘モジュールBの管糸入口を閉鎖し、トレイBが次の単錘の後方に動作するステップ、(3)トレイ検出センサーBによりトレイがトレイAであると決定した場合、トレイ検出センサーBの検出結果に関わらず、この時、単錘管入れシフトフォークBが時計方向に回転し、単錘モジュールBの管糸入口を閉鎖し、トレイAが次の単錘の後方に動作するステップのうちの1つを行うステップ6と、
全てのワインダが単錘で巻かれたボビンがトレイと共に戻り通路に入り、抜管装置で第3のコードリーダーにより確認されて抜き出され、抜管後のトレイが再び挿管通路に入るステップ7と、を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置の搬送方法。
【請求項8】
前記ステップ7では、抜管装置が、第3のコードリーダーによるコード読み取り結果に基づき、2種類の空ボビンを分けて別々の領域に排出したり、別々の容器に収容したりすることを特徴とする請求項7に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置の搬送方法。
【請求項9】
ワインダが単錘で現在の管糸を巻き終わった時に管替えを行う必要があり、管替えが終わった後、ワインダ単錘における各単錘コードリーダーによりトレイのID番号を読み取り直し、替え直した管糸品種が現在のワインダ単錘に巻かれた管糸品種と同じであるか否かをさらに確認し、異なる場合に管替えプログラムを起動することを特徴とする請求項7又は8に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置の搬送方法。
【請求項10】
単錘管糸の品質不良による工程アラームが発生した時、制御システムから提供されるトレイのID番号に基づき、抜管装置でそれを抜き出すことで、この管糸がシステム内で繰り返し循環して効率が低下することを回避し、第1の糸掛け装置及び第2の糸掛け装置において、それぞれ第1のコード読み取りセンサー及び第2のコード読み取りセンサーによりトレイのID番号を読み取り、制御システムから提供される管糸の品質不良のトレイのID番号との組み合わせにより、ダンパはさみの糸吸引時間を延長して不良の糸線段を吸引除去するか否かを決定することを特徴とする請求項7又は8に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置の搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紡績設備の製造技術分野に属し、トレイ式自動ワインダ技術の改良に関し、具体的には2品種自動ワインダのトレイ搬送装置及び搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
労働力のコストの上昇に伴い、ますます多くの紡績工場ではトレイ式自動ワインダが採用されているが、通常のトレイ式自動ワインダは、同時に1品種しか生産できない。紡績工場における多品種の少量生産のニーズに応えるため、1台のトレイ式自動ワインダで2品種を同時に生産可能な2品種タイプのトレイ式自動ワインダが開発された。従来技術では、2品種の管糸は、2セットの挿管装置、2つの糸掛け装置、スピンドル前後の2セットの管糸搬送システム、2セットの抜管装置をそれぞれ通過し、2セットのシステムはそれぞれ独立しており、構造が複雑である。2品種の管糸はそれぞれ自分の糸掛け装置を用いており、各糸掛け装置の糸掛け能力に制限があるため、自動ワインダにおける2品種の単錘配分には制限があり、差がそれほど大きくならず、品種の単錘数を変換する際にはスピンドル前後の軌道系も変換する必要がある。
【0003】
構造が簡単で1台のトレイ式自動ワインダで2品種を同時に生産でき、2品種が単錘配分に制限されず、品種変換が柔軟で便利である2品種自動ワインダのトレイ搬送装置及び搬送方法をどのように設計することは、現在のところ解決すべき技術的問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術に存在する上記問題及び欠点を解決するために、構造が簡単で1台の大糸型の自動ワインダで2品種を同時に生産でき、2品種が単錘配分に制限されず、品種変換が柔軟で便利である2品種自動ワインダのトレイ搬送装置及び搬送方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、以下の技術的解決手段によって達成される。
【0006】
管糸の糸掛け装置、挿管装置、抜管装置及び管糸処理搬送通路を含む管糸処理装置と、ワインダ単錘管替装置と、トレイと、制御システムとを含む2品種自動ワインダのトレイ搬送装置であって、前記トレイはRFIDチップを内蔵し、前記トレイはトレイAとトレイBに分けられ、前記トレイAと前記トレイBはRFIDチップのID番号が異なる点で区別され、前記トレイAは管糸品種Aを搬送するために用いられ、前記トレイBは管糸品種Bを搬送するために用いられ、前記管糸の糸掛け装置は、第1の糸掛け装置と第2の糸掛け装置とを含み、前記第1の糸掛け装置の片側に第1のコード読み取りセンサーが設置され、前記第2の糸掛け装置の片側に第2のコード読み取りセンサーが設置され、前記第1の糸掛け装置及び第2の糸掛け装置は、前記管糸処理搬送通路を介して連通し、前記挿管装置は、第1の挿管装置及び第2の挿管装置を含み、前記第1の挿管装置及び第2の挿管装置は、第1のコードリーダーと第2のコードリーダーをそれぞれ配置し、前記抜管装置は、第3のコードリーダーを配置し、前記ワインダ単錘管替装置は、単錘モジュールA、単錘モジュールB及び共用のスピンドル後循環通路を含み、前記単錘モジュールAは、前段単錘戻り通路A、単錘管入れコードリーダーA、単錘コードリーダーA、トレイ検出センサーA及び単錘管入れシフトフォークAを含み、前記単錘モジュールBは、前段単錘戻り通路B、単錘管入れコードリーダーB、単錘コードリーダーB、トレイ検出センサーB及び単錘管入れシフトフォークBを含み、前記前段単錘戻り通路A及び前段単錘戻り通路Bは前記スピンドル後循環通路にそれぞれ接続され、前記前段単錘戻り通路Aの管糸入口に単錘管入れシフトフォークAが設置され、前記前段単錘戻り通路Bの管糸入口に単錘管入れシフトフォークBが設置され、前記制御システムは、トレイA及びトレイBのID番号を設定し、トレイがトレイA又はトレイBであることを認識するように制御し、単錘管入れシフトフォークA及び単錘管入れシフトフォークBの開閉に対応する管糸入口を制御するために用いられることを特徴とする。
【0007】
上記の技術的解決手段の改良点は、前記管糸処理搬送通路は、挿管通路、第1の糸掛け通路、第1の糸掛け成功通路、第1の糸掛け失敗通路、第2の糸掛け通路、第2の糸掛け成功通路、第2の糸掛け失敗通路、糸掛け成功合流通路、及び戻り通路を含み、前記第1の糸掛け通路の一端は、第1の糸掛け成功通路及び第1の糸掛け失敗通路に接続され、前記第1の糸掛け通路の他端は、前記挿管通路に接続され、前記第1の糸掛け失敗通路の他端は、前記挿管通路に接続され、前記第2の糸掛け通路の一端は、第2の糸掛け成功通路及び第2の糸掛け失敗通路に接続され、前記第2の糸掛け通路の他端は、前記挿管通路に接続され、前記第2の糸掛け失敗通路の他端は、前記戻り通路に接続され、前記戻り通路の一端は、前記挿管通路に接続され、前記戻り通路の他端は、前記前段単錘戻り通路A及び前段単錘戻り通路Bにそれぞれ接続され、前記第1の糸掛け成功通路及び第2の糸掛け成功通路の出力端は、いずれも前記糸掛け成功合流通路の一端に接続され、前記糸掛け成功合流通路の他端は、前記スピンドル後循環通路に接続されることである。
【0008】
上記の技術的解決手段のさらなる改良点は、前記第1の挿管装置が前記挿管通路の前段の片側に設置され、前記第1のコードリーダーが前記第1の挿管装置の他側に隣接して設置され、前記第2の挿管装置が前記挿管通路の後段の片側に設置され、前記第2のコードリーダーが前記第2の挿管装置の他側に隣接して設置され、前記抜管装置及び前記第3のコードリーダーが前記戻り通路の前記挿管通路の一端に隣接する両側に対称的に設置されることである。
【0009】
上記の技術的解決手段のさらなる改良点は、前記トレイA及びトレイBがいずれも同じセットの管糸搬送システムによって前記管糸処理搬送通路に沿って動作するように駆動されることである。
【0010】
上記の技術的解決手段のさらなる改良点は、前記トレイに装着スロットが開設され、前記装着スロット内に前記RFIDチップがパッケージされ、前記トレイA及び前記トレイBは形状及び寸法が同じであることである。
【0011】
上記の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置の搬送方法であって、具体的には、
制御システムがトレイのID番号を設定し、RFIDチップのID番号が異なるトレイA及びトレイBを形成し、トレイA及びトレイBの数量割合を決定し、トレイが管糸を搬送するために用いられ、ここで、トレイAは管糸品種Aを搬送するために用いられ、トレイBは管糸品種Bを搬送するために用いられるステップ1と、
トレイが挿管通路を通過する際、第1の挿管装置において第1のコードリーダーによりコードを読み取ることで、トレイAであると確認した場合、第1の挿管装置は、管糸品種Aを挿管し、トレイBであると確認した場合、挿管を行わずに直接通過させ、トレイが第2の挿管装置において第2のコードリーダーによりコードを読み取ることで、トレイBであると確認した場合、第2の挿管装置は、管糸品種Bを挿管し、トレイAであると確認した場合、第2の挿管装置は、挿管を行わずに直接通過させるステップ2と、
挿管後のトレイAとトレイBが合流した後、まず第1の糸掛け通路に入って第1の糸掛け装置で糸掛けを行い、第1の糸掛け通路が一杯になると、自動的に第2の糸掛け通路に入って第2の糸掛け装置で糸掛けを行うステップ3と、
第1の糸掛け通路及び第2の糸掛け通路で糸掛けが成功した管糸を再び合流させて、スピンドル後循環通路に入るステップ4と、
糸掛け成功後の管糸がスピンドル後循環通路に入った後、まず単錘モジュールAを通過し、単錘管入れコードリーダーAによりコードを読み取り、検出結果に基づき、(1)トレイAであると決定し、トレイ検出センサーAによりここでトレイがないことと確認した場合、単錘管入れシフトフォークAが反時計方向に回転して単錘モジュールAの管糸入口を開き、トレイAが単錘モジュールAに入ると同時に、単錘モジュールAの管糸入口を再び閉るステップ、(2)トレイAであると決定したが、トレイ検出センサーAによりここでトレイがあることと検出した場合、単錘管入れシフトフォークAが時計方向に回転し、単錘モジュールAの管糸入口を閉鎖し、トレイAが次の単錘の後方に動作するステップ、(3)トレイがトレイBであると決定した場合、トレイ検出センサーAの検出結果に関わらず、この時、単錘管入れシフトフォークAが時計方向に回転し、単錘モジュールAの管糸入口を閉鎖し、トレイBが次の単錘の後方に動作するステップのうちの1つを行うステップ5と、
糸掛け成功後の管糸がスピンドル後循環通路に入った後、単錘モジュールBに入る場合、単錘管入れコードリーダーBによりコードを読み取り、検出結果に基づき、(1)トレイがトレイBであると決定したと同時に、トレイ検出センサーBによりここでトレイがないことと確認した場合、単錘管入れシフトフォークBが反時計方向に回転し、単錘モジュールBの管糸入口を開き、トレイBが単錘モジュールBに入ると同時に、単錘モジュールBの管糸入口を再び閉るステップ、(2)トレイBであると決定したが、トレイ検出センサーBによりここでトレイがあることと検出した場合、単錘管入れシフトフォークBが時計方向に回転し、単錘モジュールBの管糸入口を閉鎖し、トレイBが次の単錘の後方に動作するステップ、(3)トレイ検出センサーBによりトレイがトレイAであると決定した場合、トレイ検出センサーBの検出結果に関わらず、この時、単錘管入れシフトフォークBが時計方向に回転し、単錘モジュールBの管糸入口を閉鎖し、トレイAが次の単錘の後方に動作するステップのうちの1つを行うステップ6と、
全てのワインダが単錘で巻かれたボビンが戻り通路に入り、抜管装置で第3のコードリーダーにより確認されて抜き出され、抜管後のトレイが再び挿管通路に入るステップ7と、を含むことを特徴とする。
【0012】
上記の技術的解決手段の改良点は、前記ステップ7では、抜管装置が、第3のコードリーダーによるコード読み取り結果に基づき、2種類の空ボビンを分けて別々の領域に排出したり、別々の容器に収容したりすることである。
【0013】
上記の技術的解決手段のさらなる改良点は、単錘モジュールA又は単錘モジュールBが現在の管糸を巻き終わった時に管替えを行う必要があり、新しい管糸が対応する単錘モジュールA又は単錘モジュールBの直下に到達した後、単錘コードリーダーA又は単錘コードリーダーBによりトレイのID番号を読み取り直し、替え直した管糸品種が現在の単錘モジュールA又は単錘コードリーダーBに巻かれた管糸品種と同じであるか否かをさらに確認し、異なる場合に管替えプログラムを起動することである。
【0014】
上記の技術的解決手段のさらなる改良点は、単錘管糸の品質不良による工程アラームが発生した時、制御システムから提供されるトレイのID番号に基づき、抜管装置でそれを抜き出すことで、この管糸がシステム内で繰り返し循環して効率が低下することを回避し、第1の糸掛け装置及び第2の糸掛け装置において、それぞれ第1のコード読み取りセンサー及び第2のコード読み取りセンサーによりトレイのID番号を読み取り、制御システムから提供される管糸の品質不良のトレイのID番号との組み合わせにより、ダンパはさみの糸吸引時間を延長して不良の糸線段を吸引除去するか否かを決定することである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の利点及び積極的な効果は、以下のとおりであり、
1、本発明において、トレイにRFIDチップを内蔵し、トレイはトレイAとトレイBに分けられ、トレイAとトレイBはRFIDチップのID番号が異なる点で区別され、制御システムはトレイA及びトレイBのID番号を設定するために用いられ、2品種がワインダの単錘配分に制限されず、2種類の管糸生産数量を変換する時にいかなるハードウェアの変動も必要とせず、操作が非常に柔軟で便利であり、
2、本発明において、1台のトレイ式自動ワインダで2品種(管糸品種A及び管糸品種B)を同時に生産でき、使用時において、管糸品種AがトレイAに対応し、管糸品種BがトレイBに対応する。制御システムは、各コードリーダーを通過するトレイがトレイA又はトレイBであることを認識するように制御し、単錘管入れシフトフォークA及び単錘管入れシフトフォークBの開閉に対応する管糸入口を制御し、
3、本発明において、各トレイに個別のID番号を設定でき、制御システムは管糸の品質不良のトレイを容易に探し出し、管糸の品質を容易に遡って管理する。単錘管糸の品質不良による工程アラームが発生した時、制御システムから提供されるトレイのID番号に基づき、抜管装置でそれを抜き出すことで、この管糸がシステム内で繰り返し循環して効率が低下することを回避し、
4、本発明において、トレイA及びトレイBはいずれも同じセットの管糸搬送システムによって前記管糸処理搬送通路に沿って動作するように駆動される。その構造が簡単で、製作コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る2品種自動ワインダのトレイ搬送装置の平面配置概略図である。
【
図2】本発明に係る2品種自動ワインダのトレイ搬送装置における管糸品種Aに対応するワインダの単錘管替装置の管入れ装置選択状態1の概略図である。
【
図3】本発明に係る2品種自動ワインダのトレイ搬送装置における管糸品種Aに対応するワインダの単錘管替装置の管入れ装置選択状態2の概略図である。
【
図4】本発明に係る2品種自動ワインダのトレイ搬送装置における管糸品種Aに対応するワインダの単錘管替装置の管入れ装置選択状態3の概略図である。
【
図5】本発明に係る2品種自動ワインダのトレイ搬送装置における管糸品種Bに対応するワインダの単錘管替装置の管入れ装置選択状態1の概略図である。
【
図6】本発明に係る2品種自動ワインダのトレイ搬送装置における管糸品種Bに対応するワインダの単錘管替装置の管入れ装置選択状態2の概略図である。
【
図7】本発明に係る2品種自動ワインダのトレイ搬送装置における管糸品種Bに対応するワインダの単錘管替装置の管入れ装置選択状態3の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面及び実施例を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。
【0018】
図1~
図7を参照すると、本発明に係る2品種自動ワインダのトレイ搬送装置の実施例は、管糸処理装置と、ワインダ単錘管替装置と、トレイと、制御システムとを含み、前記管糸処理装置は、管糸の糸掛け装置、挿管装置、抜管装置及び管糸処理搬送通路を含む。上記トレイはRFIDチップを内蔵し、トレイはトレイA3とトレイB2に分けられ、トレイA3とトレイB2は機械構造が同じであるが、トレイA3とトレイB2はRFIDチップのID番号が異なる点で区別され、トレイA3は管糸品種Aを搬送するために用いられ、トレイB2は管糸品種Bを搬送するために用いられる。
図1に示すAで示した領域は管糸品種Aを受け入れるワインダ単錘管替装置であり、Bで示した領域は管糸品種Bを受け入れるワインダ単錘管替装置である。
【0019】
上記管糸の糸掛け装置は、第1の糸掛け装置9と第2の糸掛け装置7とを含み、第1の糸掛け装置9の片側に第1のコード読み取りセンサー9-1が設置され、第2の糸掛け装置7の片側に第2のコード読み取りセンサー7-1が設置され、第1の糸掛け装置9及び第2の糸掛け装置7は、前記管糸処理搬送通路を介して連通する。挿管装置は、第1の挿管装置15及び第2の挿管装置11を含み、第1の挿管装置15及び第2の挿管装置11は、第1のコードリーダー16と第2のコードリーダー12をそれぞれ配置し、前記抜管装置17は、第3のコードリーダー18を配置する。
【0020】
上記ワインダ単錘管替装置は、単錘モジュールA21、単錘モジュールB22及び共用のスピンドル後循環通路1を含み、単錘モジュールA21は、前段単錘戻り通路A21.4、単錘管入れコードリーダーA21.3、単錘コードリーダーA21.5、トレイ検出センサーA21.2及び単錘管入れシフトフォークA21.1を含む。上記単錘モジュールB22は、前段単錘戻り通路B22.4、単錘管入れコードリーダーB22.3、単錘コードリーダーB22.5、トレイ検出センサーB22.2及び単錘管入れシフトフォークB22.1を含む。前段単錘戻り通路A21.4及び前段単錘戻り通路B22.4はスピンドル後循環通路1にそれぞれ接続され、前段単錘戻り通路A21.4の管糸入口に単錘管入れシフトフォークA21.1が設置される。上記前段単錘戻り通路B22.4の管糸入口に単錘管入れシフトフォークB22.1が設置される。上記制御システムは、トレイA3及びトレイB2のID番号を設定し、トレイがトレイA又はトレイBであることを認識するように制御し、単錘管入れシフトフォークA21.1及び単錘管入れシフトフォークB22.1の開閉に対応する管糸入口を制御するために用いられる。
【0021】
さらに、上記管糸処理搬送通路は、挿管通路13、第1の糸掛け通路10、第1の糸掛け成功通路6、第1の糸掛け失敗通路14、第2の糸掛け通路8、第2の糸掛け成功通路5、第2の糸掛け失敗通路19、糸掛け成功合流通路4、及び戻り通路20を含む。上記第1の糸掛け通路10の一端は、第1の糸掛け成功通路6及び第1の糸掛け失敗通路14に接続され、第1の糸掛け通路10の他端は、挿管通路13に接続され、第1の糸掛け失敗通路19の他端は、挿管通路13に接続される。上記第2の糸掛け通路8の一端は、第2の糸掛け成功通路5及び第2の糸掛け失敗通路19に接続され、第2の糸掛け通路8の他端は、挿管通路13に接続され、第2の糸掛け失敗通路19の他端は、前記戻り通路20に接続され、戻り通路20の一端は、挿管通路13に接続され、戻り通路20の他端は、前記前段単錘戻り通路A21.4及び前段単錘戻り通路B22.4にそれぞれ接続され、第1の糸掛け成功通路10及び第2の糸掛け成功通路8の出力端は、いずれも糸掛け成功合流通路4の一端に接続され、糸掛け成功合流通路4の他端は、スピンドル後循環通路1に接続される。
【0022】
さらに、上記第1の挿管装置15が挿管通路13の前段の片側に設置され、第1のコードリーダー16が第1の挿管装置15の他側に隣接して設置され、第2の挿管装置11が挿管通路13の後段の片側に設置され、第2のコードリーダー12が第2の挿管装置11の他側に隣接して設置され、抜管装置17及び第3のコードリーダー18が戻り通路20の挿管通路13の一端に隣接する両側に対称的に設置される。
【0023】
上記トレイA3及びトレイB2がいずれも同じセットの管糸搬送システムによって前記管糸処理搬送通路に沿って動作するように駆動される。構造が簡単で、動作が確実で、生産効率が高い。
【0024】
好ましくは、上記トレイに装着スロットが開設され、前記装着スロット内に前記RFIDチップがパッケージされ、前記トレイA3及び前記トレイB2は形状及び寸法が同じである。
【0025】
図1~
図7を参照すると、本発明に係る上記の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置の搬送方法は、具体的には、以下のステップを含む。
【0026】
ステップ1では、制御システムがトレイのID番号を設定し、RFIDチップのID番号が異なるトレイA3及びトレイB2を形成し、トレイA3及びトレイB2の数量割合を決定し、トレイが管糸を搬送するために用いられ、ここで、トレイA3は管糸品種Aを搬送するために用いられ、トレイB2は管糸品種Bを搬送するために用いられる。
【0027】
ステップ2では、トレイが挿管通路13を通過する際、第1の挿管装置15において第1のコードリーダー16によりコードを読み取ることで、トレイA3であると確認した場合、第1の挿管装置15は、管糸品種Aを挿管し、トレイB2であると確認した場合、挿管を行わずに直接通過させ、トレイが第2の挿管装置11において第2のコードリーダー12によりコードを読み取ることで、トレイB2であると確認した場合、第2の挿管装置11は、管糸品種Bを挿管し、トレイA3であると確認した場合、第2の挿管装置11は、挿管を行わずに直接通過させる。
【0028】
ステップ3では、挿管後のトレイA3とトレイB2が合流した後、まず第1の糸掛け通路10に入って第1の糸掛け装置9で糸掛けを行い、第1の糸掛け通路10が一杯になると、自動的に第2の糸掛け通路8に入って第2の糸掛け装置7で糸掛けを行う。
【0029】
ステップ4では、第1の糸掛け通路10及び第2の糸掛け通路8で糸掛けが成功した管糸を再び合流させて、スピンドル後循環通路1に入る。
【0030】
ステップ5では、糸掛け成功後の管糸がスピンドル後循環通路1に入った後、まず単錘モジュールA21を通過し、単錘管入れコードリーダーA21.3によりコードを読み取り、検出結果に基づき、(1)
図2に示すように、トレイA3であると決定し、トレイ検出センサーA21.2によりここでトレイがないことと確認した場合、単錘管入れシフトフォークA21.1が反時計方向に回転して単錘モジュールA21の管糸入口を開き、トレイA3が単錘モジュールA21に入ると同時に、単錘モジュールA21の管糸入口を再び閉るステップ、(2)
図3に示すように、トレイA3であると決定したが、トレイ検出センサーA21.2によりここでトレイがあることと検出した場合、単錘管入れシフトフォークA21.1が時計方向に回転し、単錘モジュールA21の管糸入口を閉鎖し、トレイA3が次の単錘の後方に動作するステップ、(3)
図4に示すように、トレイがトレイB2であると決定した場合、トレイ検出センサーA21.2の検出結果に関わらず、この時、単錘管入れシフトフォークA21.1が時計方向に回転し、単錘モジュールA2の管糸入口を閉鎖し、トレイB2が次の単錘の後方に動作するステップのうちの1つを行う。
【0031】
ステップ6では、糸掛け成功後の管糸がスピンドル後循環通路に入った後、単錘モジュールB22に入る場合、単錘管入れコードリーダーB22.3によりコードを読み取り、検出結果に基づき、(1)
図5に示すように、トレイがトレイB2であると決定したと同時に、トレイ検出センサーB22.2によりここでトレイがないことと確認した場合、単錘管入れシフトフォークB22.1が反時計方向に回転し、単錘モジュールB22の管糸入口を開き、トレイB2が単錘モジュールB22に入ると同時に、単錘モジュールB22の管糸入口を再び閉るステップ、(2)
図6に示すように、トレイB2であると決定したが、トレイ検出センサーB22.2によりここでトレイがあることと検出した場合、単錘管入れシフトフォークB22.1が時計方向に回転し、単錘モジュールB22の管糸入口を閉鎖し、トレイB2が次の単錘の後方に動作するステップ、(3)
図7に示すように、トレイA3であると決定した場合、トレイ検出センサーB22.2の検出結果に関わらず、この時、単錘管入れシフトフォークB22.1が時計方向に回転し、単錘モジュールBの管糸入口を閉鎖し、トレイA3が次の単錘の後方に動作するステップのうちの1つを行う。
【0032】
ステップ7では、単錘モジュールA21及び単錘モジュールB21で巻かれたボビンがトレイと共に戻り通路に入り、抜管装置17で第3のコードリーダー18により確認されて抜き出され、抜管後のトレイが再び挿管通路13に入る。
【0033】
さらに、上記ステップ7では、抜管装置17が、第3のコードリーダー18によるコード読み取り結果に基づき、2種類の空ボビンを分けて別々の領域に排出したり、別々の容器に収容したりする。
【0034】
またさらに、単錘モジュールA21又は単錘モジュールB22が現在の管糸を巻き終わった時に管替えを行う必要があり、新しい管糸が対応する単錘モジュールA21又は単錘モジュールB22の直下に到達した後、単錘コードリーダーA21.5又は単錘コードリーダーB22.5によりトレイのID番号を読み取り直し、替え直した管糸品種が現在の単錘モジュールA21又は単錘コードリーダーB22に巻かれた管糸品種と同じであるか否かをさらに確認し、異なる場合に管替えプログラムを起動する。
【0035】
またさらに、各トレイは異なるID番号があるため、単錘管糸の品質不良による工程アラームが発生した時、制御システムから提供されるトレイのID番号に基づき、抜管装置17でそれを抜き出すことで、この管糸がシステム内で繰り返し循環して効率が低下することを回避し、又は、管糸の長い欠片欠点を糸掛け位置で吸引除去してから単錘に戻って巻き直し、管糸の利用率を向上させ、無駄を少なくする。
【0036】
従来、管糸の品質不良によるアラームが発生した時、人手による引き抜き、小さなノズルによる吸引除去、及び単錘吐出による糸掛け直しから単錘巻きに戻すことのいずれかの方式で行われており、いずれかの方式でも生産効率の低下を招くことが多い。
【0037】
また、本発明は、第1の糸掛け装置9及び第2の糸掛け装置7において、それぞれ第1のコード読み取りセンサー9-1及び第2のコード読み取りセンサー7-1によりトレイのID番号を読み取り、制御システムから提供される管糸の品質不良のトレイのID番号との組み合わせにより、ダンパはさみの糸吸引時間を延長して不良の糸線段を吸引除去するか否かを決定することができる。糸掛け位置における糸線吸引除去速度は、小さなノズルによる糸線吸引除去速度よりもはるかに大きい。
【0038】
当然ながら、上記の説明は本発明を限定するものではなく、本発明は上記の例に限定されるものではなく、当業者が本発明の本質的範囲内で行う変更、修正、追加又は置換も、本発明の保護範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0039】
図面において、1、スピンドル後循環通路、2、トレイB、3、トレイA、4、糸掛け成功合流通路、5、第2の糸掛け成功通路、6、第1の糸掛け成功通路、7、第2の糸掛け装置、7-1、第2のコード読み取りセンサー、8、第2の糸掛け通路、9、第1の糸掛け装置、9-1、第1のコード読み取りセンサー、10、第1の糸掛け通路、11、第2の挿管装置、12、第2のコードリーダー、13、挿管通路、14、第1の糸掛け失敗通路、15、第1の挿管装置、16、第1のコードリーダー、17、抜管装置、18、第3のコードリーダー、19、第2の糸掛け失敗通路、20、戻り通路、21、単錘モジュールA、21.1、単錘管入れシフトフォークA、21.2、トレイ検出センサーA、21.3、単錘管入れコードリーダーA、21.4、前段単錘戻り通路A、21.5、単錘コードリーダーA、22、単錘モジュールB、22.1、単錘管入れシフトフォークB、22.2、トレイ検出センサーB、22.3、単錘管入れコードリーダーB、22.4、前段単錘戻り通路B、22.5、単錘コードリーダーB。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボビン糸の口出し装置、挿入装置、抜出装置及びボビン糸処理搬送通路を含むボビン糸処理装置と、ワインダ単錘ボビン交換装置と、トレイと、制御システムとを含む2品種自動ワインダのトレイ搬送装置であって、
前記挿入装置は、前記トレイにボビン糸を挿入するものであり、
前記抜出装置は、前記ボビン糸が巻き取られるためのボビンを前記トイレから抜き出すものであり、
前記トレイはRFIDチップを内蔵し、前記トレイはトレイAとトレイBに分けられ、前記トレイAと前記トレイBはRFIDチップのID番号が異なる点で区別され、前記トレイAはボビン糸品種Aを搬送するために用いられ、前記トレイBはボビン糸品種Bを搬送するために用いられ、前記ボビン糸の口出し装置は、第1の口出し装置と第2の口出し装置とを含み、前記第1の口出し装置の片側に第1のコード読み取りセンサーが設置され、前記第2の口出し装置の片側に第2のコード読み取りセンサーが設置され、前記第1の口出し装置及び第2の口出し装置は、前記ボビン糸処理搬送通路を介して連通し、前記挿入装置は、第1の挿入装置及び第2の挿入装置を含み、前記第1の挿入装置及び第2の挿入装置は、第1のコードリーダーと第2のコードリーダーをそれぞれ配置し、前記抜出装置は、第3のコードリーダーを配置し、前記ワインダ単錘ボビン交換装置は、単錘モジュールA、単錘モジュールB及び共用のスピンドル後循環通路を含み、前記スピンドルは、単錘を取り付けるためのラックであり、前記単錘モジュールAは、前段単錘戻り通路A、単錘管入れコードリーダーA、単錘コードリーダーA、トレイ検出センサーA及び単錘管入れシフトフォークAを含み、前記単錘モジュールBは、前段単錘戻り通路B、単錘管入れコードリーダーB、単錘コードリーダーB、トレイ検出センサーB及び単錘管入れシフトフォークBを含み、前記前段単錘戻り通路A及び前段単錘戻り通路Bは前記スピンドル後循環通路にそれぞれ接続され、前記前段単錘戻り通路Aのボビン糸入口に前記前段単錘戻り通路Aのボビン糸入口のボビン糸入口を開閉するための単錘管入れシフトフォークAが設置され、前記前段単錘戻り通路Bのボビン糸入口に前記前段単錘戻り通路Bのボビン糸入口を開閉するための単錘管入れシフトフォークBが設置され、前記制御システムは、トレイA及びトレイBのID番号を設定し、トレイがトレイA又はトレイBであることを認識するように制御し、対応するボビン糸入口が開閉されるように前記単錘管入れシフトフォークA及び前記単錘管入れシフトフォークBを制御するために用いられ、
前記ワインダ単錘ボビン交換装置は、ボビン糸が挿入されたトレイが前記ワインダ単錘ボビン交換装置の単錘モジュールA又はBに入り、ボビンから糸がワインダ単錘によって巻き取られた後、空ボビンが挿入されたトレイが単錘モジュールA又はBから離れ、新しいトレイが単錘モジュールA又はBに入るように構成され、
前記第1の挿入装置の前記第1のコードリーダーは、トレイのRFIDチップのID番号を読み取ることでトレイAを識別し、第1の挿入装置は、識別されたトレイAにボビン糸品種Aを挿入し、前記第2の挿入装置の前記第2のコードリーダーは、トレイのRFIDチップのID番号を読み取ることでトレイBを識別し、第2の挿入装置は、識別されたトレイBにボビン糸品種Bを挿入し、
前記単錘モジュールAの前記単錘管入れコードリーダーAは、トレイのRFIDチップのID番号を読み取ることでトレイAを識別し、前記トレイ検出センサーAは、前記単錘モジュールA内にトレイがあるか否かを検出し、前記単錘管入れシフトフォークAは、前記単錘管入れコードリーダーAの識別結果及び前記トレイ検出センサーAの検出結果に基づいて前記前段単錘戻り通路Aのボビン糸入口を開閉することでトレイの前記単錘モジュールAへの入りを制御し、
前記単錘モジュールBの前記単錘管入れコードリーダーBは、トレイのRFIDチップのID番号を読み取ることでトレイBを識別し、前記トレイ検出センサーBは、前記単錘モジュールB内にトレイがあるか否かを検出し、前記単錘管入れシフトフォークBは、前記単錘管入れコードリーダーBの識別結果及び前記トレイ検出センサーBの検出結果に基づいて前記前段単錘戻り通路Bのボビン糸入口を開閉することでトレイの前記単錘モジュールBへの入りを制御し、
前記単錘コードリーダーA又はBは、前記単錘モジュールA又はBに入った前記新しいトレイのID番号を読み取り、前記新しいトレイに挿入されたボビン糸の品種が現在のワインダ単錘によって巻き取られたボビン糸の品種と同じであるか否かを確認するものであることを特徴とする2品種自動ワインダのトレイ搬送装置。
【請求項2】
前記ボビン糸処理搬送通路は、挿入通路、第1の口出し通路、第1の口出し成功通路、第1の口出し失敗通路、第2の口出し通路、第2の口出し成功通路、第2の口出し失敗通路、口出し成功合流通路、及び戻り通路を含み、前記第1の口出し通路の一端は、第1の口出し成功通路及び第1の口出し失敗通路に接続され、前記第1の口出し通路の他端は、前記挿入通路に接続され、前記第1の口出し失敗通路の他端は、前記挿入通路に接続され、前記第2の口出し通路の一端は、第2の口出し成功通路及び第2の口出し失敗通路に接続され、前記第2の口出し通路の他端は、前記挿入通路に接続され、前記第2の口出し失敗通路の他端は、前記戻り通路に接続され、前記戻り通路の一端は、前記挿入通路に接続され、前記戻り通路の他端は、前記前段単錘戻り通路A及び前段単錘戻り通路Bにそれぞれ接続され、前記第1の口出し成功通路及び第2の口出し成功通路の出力端は、いずれも前記口出し成功合流通路の一端に接続され、前記口出し成功合流通路の他端は、前記スピンドル後循環通路に接続されることを特徴とする請求項1に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置。
【請求項3】
前記第1の挿入装置が前記挿入通路の前段の片側に設置され、前記第1のコードリーダーが前記第1の挿入装置の他側に隣接して設置され、前記第2の挿入装置が前記挿入通路の後段の片側に設置され、前記第2のコードリーダーが前記第2の挿入装置の他側に隣接して設置され、前記抜出装置及び前記第3のコードリーダーが前記戻り通路の前記挿入通路の一端に隣接する両側に対称的に設置されることを特徴とする請求項2に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置。
【請求項4】
前記トレイA及びトレイBがいずれも同一のボビン糸搬送システムによって前記ボビン糸処理搬送通路に沿って進行するように駆動されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置。
【請求項5】
前記トレイに装着スロットが開設され、前記装着スロット内に前記RFIDチップがパッケージされ、前記トレイA及び前記トレイBは形状及び寸法が同じであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置。
【請求項6】
前記トレイに装着スロットが開設され、前記装着スロット内に前記RFIDチップがパッケージされ、前記トレイA及び前記トレイBは形状及び寸法が同じであることを特徴とする請求項4に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置。
【請求項7】
具体的には、
制御システムがトレイのID番号を設定し、RFIDチップのID番号が異なるトレイA及びトレイBを形成し、トレイA及びトレイBの数量割合を決定し、トレイがボビン糸を搬送するために用いられ、ここで、トレイAはボビン糸品種Aを搬送するために用いられ、トレイBはボビン糸品種Bを搬送するために用いられるステップ1と、
トレイが挿入通路を通過する際、第1の挿入装置において第1のコードリーダーによりコードを読み取ることで、トレイAであると確認した場合、第1の挿入装置は、ボビン糸品種Aを挿入し、トレイBであると確認した場合、挿入を行わずに直接通過させ、トレイが第2の挿入装置において第2のコードリーダーによりコードを読み取ることで、トレイBであると確認した場合、第2の挿入装置は、ボビン糸品種Bを挿入し、トレイAであると確認した場合、第2の挿入装置は、挿入を行わずに直接通過させるステップ2と、
ボビン糸挿入後のトレイAとトレイBがまず第1の口出し通路に入って第1の口出し装置で口出しを行い、第1の口出し通路が一杯になると、自動的に第2の口出し通路に入って第2の口出し装置で口出しを行うステップ3と、
第1の口出し通路及び第2の口出し通路で口出しが成功したボビン糸がスピンドル後循環通路に入るステップ4と、
口出し成功後のボビン糸がスピンドル後循環通路に入った後、まず単錘モジュールAを通過し、単錘管入れコードリーダーAによりコードを読み取り、検出結果に基づき、(1)トレイAであると決定し、トレイ検出センサーAによりここでトレイがないことと確認した場合、単錘管入れシフトフォークAが反時計方向に回転して単錘モジュールAのボビン糸入口を開き、トレイAが単錘モジュールAに入ると同時に、単錘モジュールAのボビン糸入口を再び閉るステップ、(2)トレイAであると決定したが、トレイ検出センサーAによりここでトレイがあることと検出した場合、単錘管入れシフトフォークAが時計方向に回転し、単錘モジュールAのボビン糸入口を閉鎖し、トレイAが次の単錘の後方に進行するステップ、(3)トレイがトレイBであると決定した場合、トレイ検出センサーAの検出結果に関わらず、この時、単錘管入れシフトフォークAが時計方向に回転し、単錘モジュールAのボビン糸入口を閉鎖し、トレイBが次の単錘の後方に進行するステップのうちの1つを行うステップ5と、
口出し成功後のボビン糸がスピンドル後循環通路に入った後、単錘モジュールBに入る場合、単錘管入れコードリーダーBによりコードを読み取り、検出結果に基づき、(1)トレイがトレイBであると決定したと同時に、トレイ検出センサーBによりここでトレイがないことと確認した場合、単錘管入れシフトフォークBが反時計方向に回転し、単錘モジュールBのボビン糸入口を開き、トレイBが単錘モジュールBに入ると同時に、単錘モジュールBのボビン糸入口を再び閉るステップ、(2)トレイBであると決定したが、トレイ検出センサーBによりここでトレイがあることと検出した場合、単錘管入れシフトフォークBが時計方向に回転し、単錘モジュールBのボビン糸入口を閉鎖し、トレイBが次の単錘の後方に進行するステップ、(3)トレイ検出センサーBによりトレイがトレイAであると決定した場合、トレイ検出センサーBの検出結果に関わらず、この時、単錘管入れシフトフォークBが時計方向に回転し、単錘モジュールBのボビン糸入口を閉鎖し、トレイAが次の単錘の後方に進行するステップのうちの1つを行うステップ6と、
糸がボビンからワインダ単錘によって巻き取られた後の空ボビンがトレイと共に戻り通路に入り、抜出装置で第3のコードリーダーにより確認されて抜き出され、抜出後のトレイが再び挿入通路に入るステップ7と、を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置の搬送方法。
【請求項8】
前記ステップ7では、抜出装置が、第3のコードリーダーによるコード読み取り結果に基づき、2種類の空ボビンを分けて別々の領域に排出したり、別々の容器に収容したりすることを特徴とする請求項7に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置の搬送方法。
【請求項9】
ワインダ単錘が現在のトレイのボビン糸をボビンからワインダ単錘によって巻き取り終わった後、前記空ボビンがトレイと共に前記単錘モジュールA又はBから離れ、新しいボビン糸がトレイと共に前記単錘モジュールA又はBに入り、ワインダ単錘における各単錘コードリーダーが前記単錘モジュールA又はBに入った前記新しいボビン糸のトレイのID番号を読み取り、ボビン糸の品種が現在のワインダ単錘によって巻き取られたボビン糸の品種と同じであるか否かを確認し、異なる場合に、前記新しいボビン糸がそのままトレイと共に前記単錘モジュールA又はBから離れ、次の新しいボビン糸がトレイと共に前記単錘モジュールA又はBに入ることを特徴とする請求項7又は8に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置の搬送方法。
【請求項10】
単錘ボビン糸の品質不良による工程アラームが発生した時、制御システムから提供されるトレイのID番号に基づき、抜出装置で品質不良のボビン糸が巻き取られたボビンを抜き出すことで、このボビン糸がシステム内で繰り返し循環して効率が低下することを回避し、第1の口出し装置及び第2の口出し装置において、それぞれ第1のコード読み取りセンサー及び第2のコード読み取りセンサーによりトレイのID番号を読み取り、制御システムから提供されるボビン糸の品質不良のトレイのID番号との組み合わせにより、ダンパはさみの糸吸引時間を延長して品質不良のボビン糸から品質不良の部分を吸引除去するか否かを決定することを特徴とする請求項7又は8に記載の2品種自動ワインダのトレイ搬送装置の搬送方法。