(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121366
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】照光装置
(51)【国際特許分類】
G02B 3/00 20060101AFI20220812BHJP
【FI】
G02B3/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021157070
(22)【出願日】2021-09-27
(31)【優先権主張番号】17/170,792
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506084058
【氏名又は名称】奇景光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】鄭 ▲ユー▼▲チン▼
(57)【要約】
【課題】光源アレイと、マイクロレンズアレイと、を備える照光装置を提供する。
【解決手段】光源アレイは、アレイ状に配列された複数の光源を有する。マイクロレンズアレイは、アレイ状に配列された複数のマイクロレンズを有する。照光装置は、構造化光を生成するように次の条件式:z=z0+dz、及びz0=(m/2)
*(P
2/λ)を満たし、ここで、zはマイクロレンズアレイの中心軸に沿った、光源アレイとマイクロレンズアレイとの間の距離であり、Pはマイクロレンズアレイのレンズピッチであり、λは光源の波長であり、mは整数であり、m’は非整数である。照光装置は、1%≦dz/z0≦5%、又は-5%≦dz/z0≦-1%を満たす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ状に配列された複数の光源を備える光源アレイと、
アレイ状に配列された複数のマイクロレンズを備えるマイクロレンズアレイと、
を備える照光装置であって、
前記照光装置は、構造化光を生成するように次の条件式:z=z0+dz、及びz0=(m/2)*(P2/λ)を満たし、zは前記マイクロレンズアレイの中心軸に沿った、前記光源アレイと前記マイクロレンズアレイとの間の距離であり、Pは前記マイクロレンズアレイのレンズピッチであり、λは前記光源の波長であり、mは整数であり、m’は非整数であり、
前記照光装置は、1%≦dz/z0≦5%、又は-5%≦dz/z0≦-1%を満たす、
ことを特徴とする照光装置。
【請求項2】
前記照光装置は、一定のレンズピッチ及び一定の光源ピッチを有することを特徴とする請求項1に記載の照光装置。
【請求項3】
前記照光装置は、K*P2=N*Pを満たし、P2は前記光源アレイの光源ピッチであり、Kは整数であり、Nは整数である、ことを特徴とする請求項1に記載の照光装置。
【請求項4】
前記マイクロレンズは、凸レンズ又は凹レンズであることを特徴とする請求項1に記載の照光装置。
【請求項5】
アレイ状に配列された複数の光源を備える光源アレイと、
アレイ状に配列された複数のマイクロレンズを備えるマイクロレンズアレイと、
を備える照光装置であって、
前記照光装置は、フラッド光を生成するように次の条件式:z=z0+dz、及びz0=(m/2)*(P2/λ)を満たし、zは前記マイクロレンズアレイの中心軸に沿った、前記光源アレイと前記マイクロレンズアレイとの間の距離であり、Pは前記マイクロレンズアレイのレンズピッチであり、λは前記光源の波長であり、mは整数であり、m’は非整数であり、
前記照光装置は、5%<dz/z0≦20%、又は-20%≦dz/z0<-5%を満たす、
ことを特徴とする照光装置。
【請求項6】
前記照光装置は、一定のレンズピッチを有し、P2≠N*Pを満たし、P2は前記光源アレイの光源ピッチであり、Nは整数である、ことを特徴とする請求項5に記載の照光装置。
【請求項7】
前記照光装置は、ランダムな光源ピッチを有することを特徴とする請求項5に記載の照光装置。
【請求項8】
前記マイクロレンズは、凸レンズ又は凹レンズであることを特徴とする請求項5に記載の照光装置。
【請求項9】
第1のサブ照光装置であって、アレイ状に配列された複数の第1の光源を備える第1の光源アレイと、アレイ状に配列された複数の第1のマイクロレンズを備える第1のマイクロレンズアレイと、を備え、前記第1のサブ照光装置は、構造化光を生成するように条件式:z1=z0+dz、及びz0=(m/2)*(P112/λ1)を満たし、z1は前記第1のマイクロレンズアレイの中心軸に沿った、前記第1の光源アレイと前記第1のマイクロレンズアレイとの間の距離であり、P11は前記第1のマイクロレンズアレイのレンズピッチであり、λ1は前記第1の光源の波長であり、mは整数であり、m’は非整数であり、前記第1のサブ照光装置は、1%≦dz/z0≦5%、又は-5%≦dz/z0≦-1%を満たす、第1のサブ照光装置と、
第2のサブ照光装置であって、アレイ状に配列された複数の第2の光源を備える第2の光源アレイと、アレイ状に配列された複数の第2のマイクロレンズを備える第2のマイクロレンズアレイと、を備える、第2のサブ照光装置と、
を備えることを特徴とする照光装置。
【請求項10】
前記第1のサブ照光装置は、一定のレンズピッチ及び一定の光源ピッチを有し、
前記第1のサブ照光装置は、K*P21=N*P11を満たし、P21は前記第1の光源アレイの光源ピッチであり、Kは整数であり、Nは整数である、
ことを特徴とする請求項9に記載の照光装置。
【請求項11】
前記第1の光源アレイと前記第2の光源アレイとは同一平面上にあり、
前記第1のマイクロレンズアレイと前記第2のマイクロレンズアレイとは同一平面上にあり、
前記照光装置は、z1=z2を満たし、z2は、前記第2のマイクロレンズアレイの中心軸に沿った、前記第2の光源アレイと前記第2のマイクロレンズアレイとの間の距離である、
ことを特徴とする請求項9に記載の照光装置。
【請求項12】
前記第2のサブ照光装置は、一定のレンズピッチを有し、P11=P12を満たし、P12は前記第2のマイクロレンズアレイのレンズピッチであり、
前記第2のサブ照光装置は、ランダムな光源ピッチを有する、又はP22≠N*P12を満たす一定の光源ピッチを有し、P22は、前記第2の光源アレイの光源ピッチであり、Nは整数である、ことを特徴とする請求項11に記載の照光装置。
【請求項13】
λ1=λ2であり、λ2は前記第2の光源の波長である、ことを特徴とする請求項12に記載の照光装置。
【請求項14】
λ1≠λ2であり、λ2は前記第2の光源の波長である、ことを特徴とする請求項12に記載の照光装置。
【請求項15】
前記第2のサブ照光装置は、ランダムなレンズピッチを有し、P12≠P11を満たし、P12は前記第2のマイクロレンズアレイのレンズピッチである、ことを特徴とする請求項11に記載の照光装置。
【請求項16】
前記第2のサブ照光装置は、ランダムな光源ピッチを有する、ことを特徴とする請求項15に記載の照光装置。
【請求項17】
前記第2の照光装置は、一定の光源ピッチを有する、ことを特徴とする請求項15に記載の照光装置。
【請求項18】
前記第2のサブ照光装置は、一定のレンズピッチを有し、P11=P12を満たし、P12は前記第2のマイクロレンズアレイのレンズピッチであり、
前記第2のサブ照光装置は、ランダムな光源ピッチを有する、又はP22≠N*P12を満たす一定の光源ピッチを有し、P22は前記第2の光源アレイの光源ピッチであり、Nは整数である、
ことを特徴とする請求項9に記載の照光装置。
【請求項19】
前記第1のマイクロレンズアレイと前記第2のマイクロレンズアレイとは、同一平面上にあり、
前記第2のサブ照光装置は、5%<(z1-z2)/z1≦20%、又は-20%≦(z1-z2)/z1<-5%を満たし、z2は、前記第2のマイクロレンズアレイの中心軸に沿った、前記第2の光源アレイと前記第2のマイクロレンズアレイとの間の距離である、
ことを特徴とする請求項18に記載の照光装置。
【請求項20】
前記第1の光源アレイと前記第2の光源アレイとは、同一平面上にあり、
前記第2のサブ照光装置は、5%<(z1-z2)/z1≦20%、又は-20%≦(z1-z2)/z1<-5%を満たし、z2は、前記第2のマイクロレンズアレイの中心軸に沿った、前記第2の光源アレイと前記第2のマイクロレンズアレイとの間の距離である、ことを特徴とする請求項18に記載の照光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、光学機器に関し、特に、照光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物の深さを決定するために、3Dセンシングにおいて、ドットパターン及び/又は拡散光パターン(フラッドパターン)を照射する照光装置が通常必要である。3Dセンシングに飛行時間を用いる用途において、深さの精度を向上するために、ドット及びフラッドパターンの両方が必要である。
【0003】
ドットパターンについて、3Dセンシング用の照光装置の原理は、通常、光形状生成素子を通過する光の干渉を用いて特定の光パターンを生成することである。光形状生成素子は、例えば、格子又はマイクロレンズアレイである。しかしながら、レンズ素子自体の光学収差のため、光形状生成素子がマイクロレンズアレイである場合、照光装置によって生成される光パターンの質は、通常低い。他方、フラッドパターンについて、光の干渉はストライプの問題を引き起こし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明は、照光装置に関し、その構成は、より高品質な光パターンの生成を容易にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの実施の形態によれば、光源アレイと、マイクロレンズアレイと、を備える照光装置が提供される。光源アレイは、アレイ状に配列された複数の光源を備える。マイクロレンズアレイは、アレイ状に配列された複数のマイクロレンズを備える。照光装置は、構造化光を生成するように次の条件式:z=z0+dz、及びz0=(m/2)*(P2/λ)を満たし、ここで、zはマイクロレンズアレイの中心軸に沿った、光源アレイとマイクロレンズアレイとの間の距離であり、Pはマイクロレンズアレイのレンズピッチであり、λは光源の波長であり、mは整数であり、m’は非整数である。照光装置は、1%≦dz/z0≦5%、又は-5%≦dz/z0≦-1%を満たす。
【0006】
本発明の一つの実施の形態によれば、光源アレイと、マイクロレンズアレイと、を備える照光装置が提供される。光源アレイは、アレイ状に配列された複数の光源を備える。マイクロレンズアレイは、アレイ状に配列された複数のマイクロレンズを備える。照光装置は、フラッド光を生成するように次の条件式:z=z0+dz、及び、z0=(m/2)*(P2/λ)を満たし、ここで、zはマイクロレンズアレイの中心軸に沿った、光源アレイとマイクロレンズアレイとの間の距離であり、Pはマイクロレンズアレイのレンズピッチであり、λは、光源の波長であり、mは整数であり、m’は非整数である。照光装置は、5%<dz/z0≦20%、又は-20%≦dz/z0<-5%を満たす。
【0007】
本発明の一つの実施の形態によれば、第1のサブ照光装置と、フラッド光を生成するように構成された第2のサブ照光装置と、を備える照光装置が提供される。第1のサブ照光装置は、第1の光源アレイと、第1のマイクロレンズアレイと、を備える。第1の光源アレイは、アレイ状に配列された複数の第1の光源を備える。第1のマイクロレンズアレイは、アレイ状に配列された複数の第1のマイクロレンズを備える。第1のサブ照光装置は、構造化光を生成するように次の条件式:z1=z0+dz、及びz0=(m/2)*(P112/λ1)を満たし、ここで、z1は第1のマイクロレンズアレイの中心軸に沿った、第1の光源アレイと第1のマイクロレンズアレイとの間の距離であり、P11は第1のマイクロレンズアレイのレンズピッチであり、λ1は第1の光源の波長であり、mは整数であり、m’は非整数である。第1のサブ照光装置は、1%≦dz/z0≦5%、又は-5%≦dz/z0≦-1%を満たす。第2のサブ照光装置は、第2の光源アレイと、第2のマイクロレンズアレイと、を備える。第2の光源アレイは、アレイ状に配列された複数の第2の光源を備える。第2のマイクロレンズアレイは、アレイ状に配列された複数の第2のマイクロレンズを備える。
【発明の効果】
【0008】
以上より、本開示の一つの実施の形態に係る照光装置は、条件式z=z0+dz、及び、z0=(m/2)*(P2/λ)を満たし、さらに、1%≦dz/z0≦5%、又は-5%≦dz/z0≦-1%を満たすため、最適なdzが選択された場合、照光装置は、より高品質な構造化光パターンの生成が可能である。
【0009】
さらに、本開示の一の実施の形態に係る照光装置は、条件式z=z0+dz、及び、z0=(m/2)*(P2/λ)を満たし、さらに、5%<dz/z0≦20%、又は-20%≦dz/z0<-5%を満たすため、最適なdzが選択された場合、照光装置は、より高品質なフラッド光パターンを生成可能である。
【0010】
また、本開示の一つの実施の形態に係る照光装置は、第1のサブ照光装置と、第2のサブ照光装置と、を備え、第1のサブ照光装置は、条件式z1=z0+dz、及び、z0=(m/2)*(P112/λ1)を満たし、さらに、1%≦dz/z0≦5%、又は-5%≦dz/z0≦-1%を満たすため、最適なdzが選択された場合、照光装置は、より高品質な構造化光パターンと、より高品質なフラッド光と、の両方を生成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付の図面は、本開示についての更なる理解のために供され、本明細書に組み込まれ、また本明細書の一部を構成する。図面は、本開示の例示的な実施の形態を示し、詳細な説明とともに、本開示の原理を説明する。
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る照光装置の概略的な断面図である。
【0013】
【
図2】
図2は、
図1の実施の形態に係る、平均ドットサイズと照光装置のdzとの破線グラフである。
【0014】
【
図3】
図3は、
図1の照光装置によって生成される、構造化光光パターンの一例である。
【0015】
【
図4】
図4は、マイクロレンズが凸レンズである場合に、
図1の照光装置のマイクロレンズのうちの1つによって生成されたシミュレーションスポットダイヤグラムの一例である。
【0016】
【
図5】
図5は、マイクロレンズが凹レンズである場合に、
図1の照光装置のマイクロレンズのうちの1つによって生成されたシミュレーションスポットダイヤグラムの一例である。
【0017】
【
図6】
図6は、
図1の照光装置によって生成されたフラッド光パターンの一例である。
【0018】
【
図7】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る照光装置の概略的な断面図である。
【0019】
【
図8】
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る照光装置の概略的な断面図である。
【0020】
【
図9】
図9は、本発明の第4の実施の形態に係る照光装置の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態を詳細に説明し、それらの例を添付の図面に示す。可能な場合、図面及び詳細な説明において、同一又は同様の部分には同一の参照番号を用いる。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る照光装置の概略的な断面図である。
図1を参照すると、本実施の形態の照光装置10は、光源アレイ100と、マイクロレンズアレイ200と、を備える。光源アレイ100は、アレイ状に配列された複数の光源110を備える。本実施の形態において、光源110は、レーザ源である。例えば、光源110は、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)である。しかしながら、他の実施の形態において、光源アレイ100は、レーザダイオードアレイであってもよく、また、光源110は、それぞれ、レーザーダイオードである。
【0023】
本実施の形態において、マイクロレンズアレイ200は、アレイ状に配列された複数のマイクロレンズ210を備える。照光装置10は、構造化光を生成するように、次の条件式:z=z0+dz=(m’/2)*(P2/λ)、及びz0=(m/2)*(P2/λ)を満たす。ここで、zは、マイクロレンズアレイの中心軸Cに沿った、光源アレイ100とマイクロレンズアレイ200との間の距離であり、Pはマイクロレンズアレイ200のレンズピッチであり、λは光源110の波長であり、mは整数であり、m’は非整数である。照光装置10は、さらに、1%≦dz/z0≦5%(又は、1.01≦m’/m≦1.05)又は-5%≦dz/z0≦-1%(又は、0.95≦m’/m≦0.99))を満たす。
【0024】
本実施の形態において、照光装置10は、一定のレンズピッチ及び一定の光源ピッチを有する。つまり、任意の隣接する2つのマイクロレンズ間のレンズピッチPは同一であり、任意の隣接する2つの光源間の光源ピッチP2も、同一である。
【0025】
本実施の形態において、照光装置10は、K*P2=N*Pを満たす。ここで、Kは、整数であり、Nは、整数である。
【0026】
【0027】
図2は、
図1の実施の形態に係る、平均ドットサイズと、照光装置のdzとの破線グラフである。表1は、
図2の照光装置の異なるレンズピッチにおける構造化光光パターンの最良の(最小の)平均ドットサイズの状態を示す。
図3は、
図1の照光装置によって生成された、構造化光光パターンの一例である。
図2、
図3、及び表1において、λは940nmである。
図3において、P=P2=37.6μm、m=3、dz=30μm、及びスクリーンサイズは940×940mm
2である。
図2、
図3、及び表1を参照すると、照光装置10によって生成された構造化光光パターンは、より高品質である。
【0028】
図4は、マイクロレンズが凸レンズである場合に、
図1の照光装置のマイクロレンズのうちの1つによって生成されたシミュレーションスポットダイヤグラムの一例である。
図5は、マイクロレンズが凹レンズである場合に、
図1の照光装置のマイクロレンズのうちの1つによって生成されたシミュレーションスポットダイヤグラムの一例である。
図4及び5におけるシミュレーションされたソフトウェアは、ZemAxであってよい。また、スクリーンサイズは、40×40 mm
2である。
図4において、P=P2=37.2μm、m=3、z0=2.208mm、dz=50μm、z=2.258mm、51×65degree
2中に3611ドット、最大ドットサイズは0.293度であり、平均ドットサイズは0.156度である。しかしながら、
図4において、z=z0(つまり、dz=0)の場合、最大ドットサイズは0.816度であり、平均ドットサイズは0.526度である。
図5において、P=P2=37.2μm、m=3、z0=2.208mm、dz=0μm、z=2.208mm、51×65degree
2中に3445ドット、最大ドットサイズは0.307度であり、平均ドットサイズは0.192度である。さらに、
図5におけるドットの分布の範囲は、
図4におけるドットの分布の範囲より大きく、これは、
図5における光学収差が
図4における光学収差より大きいことを意味する。
図4及び5を参照すると、一つの実施の形態においては、マイクロレンズ210は、凸レンズ又は凹レンズであってよく、マイクロレンズ210が凸レンズとして採用される場合、照光装置10はより良好なパフォーマンスを発揮する。また、マイクロレンズ210が凸レンズとして採用され、最適なdzが選択された場合、最大ドットサイズ及び平均ドットサイズは、ともに、dz=0より小さい。
【0029】
以上より、本開示の実施の形態に係る照光装置10は、条件式z=z0+dz、及び、z0=(m/2)*(P2/λ)を満たし、照光装置10はさらに1%≦dz/z0≦5%、又は、-5%≦dz/z0≦(-1%)を満たすので、最適なdzが選択された場合、照光装置10は、高品質な構造化光光パターンを生成することができる。つまり、最適なdzは、非理想の光学エレメントによるマイクロレンズ200の光学収差を補正するために選択され、従って、照光装置10は、高品質な構造化光光パターンを生成することができる。
【0030】
さらに、照光装置10は、フラッド光も生成可能である。フラッド光を生成する照光装置10は、構造化光を生成する照光装置10と同様であり、従って、同一の構成要素についての説明を省略する。フラッド光を生成する照光装置10と、構造化光を生成する照光装置10との主な差異は、以下のとおりである。
図1を再度参照すると、本実施の形態において、照光装置10は、5%<dz/z0≦20%、又は、-20%≦dz/z0<-5%を満たす。
【0031】
本実施の形態において、照光装置10は一定のレンズピッチを有し、P2≠N*Pを満たし、ここで、Nは整数である。別の実施の形態において、照光装置10は、ランダムな光源ピッチを有する。
【0032】
本実施の形態において、光源110の波長λは同一である。別の実施の形態において、照光装置10の光源110は、複数の異なる波長λを有してよい。照光装置10が異なる波長λを有するよう設計されている場合、照光装置10によって提供されるフロッドパターンのストライプは、若干不鮮明で、従って、フロッドパターンはより滑らかとなり得る。
【0033】
図6は、
図1の照光装置によって生成されたフラッド光パターンの一例である。
図6において、P=40μm、P2はランダムな値、m=3、z0=2.553mm、dz=-300μm、z=2.253mm、スクリーンサイズは940×940mm
2である。
図6を参照すると、以上に基づいて、本開示の実施の形態の照光装置10は、条件式z=z0+dz、及びz0=(m/2)
*(P
2/λ)を満たし、、さらに、5%<dz/z0≦20%、又は-20%≦dz/z0<-5%を満たすため、最適なdzが選択された場合、さらに照光装置10は、より高品質なフラッド光パターンを生成することが可能である。
【0034】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る照光装置の概略的な断面図である。
図7を参照すると、本実施の形態の照光装置10’は、
図1の照光装置10と同様であり、それらの主な差異は、照光装置10’が、第1のサブ照光装置10Aと、フラッド光を生成するように構成された第2のサブ照光装置10Bとを備える点である。第1のサブ照光装置10Aは、構造化光を生成する照光装置10と同様であり、第1の光源アレイ100Aと、第1のマイクロレンズアレイ200Aと、を備える。第1の光源アレイ100A、第1の光源110A、第1のマイクロレンズアレイ200A、及び第1のマイクロレンズ210Aの詳細、並びにそれらの互いの関係は、上記の実施の形態において説明されており、ここでは省略する。さらに、第1のサブ照光装置10Aは、構造化光を生成するように次の条件式:z1=z0+dz=(m’/2)
*(P11
2/λ)、及びz0=(m/2)
*(P11
2/λ1)を満たす。。ここで、z1は第1のマイクロレンズアレイ200Aの中心軸C1に沿った、第1の光源アレイ100Aと第1のマイクロレンズアレイ200Aとの間の距離であり、P11は第1のマイクロレンズアレイ200Aのレンズピッチであり、λ1は第1の光源110Aの波長であり、mは整数であり、m’は非整数である。第1のサブ照光装置10Aは、さらに、1%≦dz/z0≦5%(又は、1.01≦m’/m≦1.05)、又は、-5%≦dz/z0≦-1%(又は0.95≦m’/m≦0.99)を満たす。
【0035】
本実施の形態において、第2のサブ照光装置10Bは、フラッド光を生成する照光装置10にと同様であり、第2の光源アレイ100Bと、第2のマイクロレンズアレイ200Bと、を備える。第2の光源アレイ100B、第2の光源110B、第2のマイクロレンズアレイ200B、及び第2のマイクロレンズ210Bの詳細、並びにそれらの互いの関係については、上記の実施の形態において説明されており、ここでは省略する。
【0036】
本実施の形態において、第1のサブ照光装置10Aは、一定のレンズピッチ及び一定の光源ピッチを有する。また、第1のサブ照光装置10Aは、K*P21=N*P11を満たし、ここで、P21は第1の光源アレイ100Aの光源ピッチであり、Kは整数であり、Nは整数である。
【0037】
本実施の形態において、第1の光源アレイ100A及び第2の光源アレイ100Bは、同一平面上にある。第1のマイクロレンズアレイ200A及び第2のマイクロレンズアレイ200Bもまた、同一平面上にある。つまり、照光装置10’は、z1=z2を満たし、ここで、z2は、第2のマイクロレンズアレイ200Bの中心軸C2に沿った、第2の光源アレイ100Bと第2のマイクロレンズアレイ200Bとの間の距離である。
【0038】
本実施の形態において、第2のサブ照光装置10Bは、一定のレンズピッチを有し、P11=P12を満たし、ここで、P12は第2のマイクロレンズアレイ200Bのレンズピッチである。また、第2のサブ照光装置10Bは、ランダムな光源ピッチを有する、又はP22≠N*P12を満たす一定の光源ピッチを有し、ここで、P22は第2の光源アレイ100Bの光源ピッチであり、Nは整数である。一つの実施の形態において、λ1=λ2であり、λ2は第2の光源110Bの波長である。しかしながら、本開示はこれに限定されない。別の実施の形態において、λ1≠λ2である。
【0039】
同様の実施の形態において、第2のサブ照光装置10Bは、ランダムなレンズピッチを有し、P12≠P11を満たし、ここで、P12は第2のマイクロレンズアレイ200Bのレンズピッチである。また、第2のサブ照光装置10Bは、ランダムな光源ピッチを有する。しかしながら、本開示はこれに限定されない。別の実施の形態において、第2のサブ照光装置10Bは、一定の光源ピッチを有する。
【0040】
以上より、本開示の実施の形態における照光装置10’は、第1のサブ照光装置10Aと、フラッド光を生成するように構成された第2のサブ照光装置10Bと、を備える。第1のサブ照光装置10Aは、条件式:z1=z0+dz、及びz0=(m/2)*(P112/λ1)を満たし、さらに、1%≦dz/z0≦5%、又は-5%≦dz/z0≦-1%を満たし、最適なdzが選択された場合、照光装置10’は、より高品質な構造化光光パターン及びより高品質なフラッド光の両方を生成可能である。第1の光源アレイ100A及び第2の光源アレイ100Bの両方が、同一平面上にあり、第1のマイクロレンズアレイ200A及び第2のマイクロレンズアレイ200Bの両方もまた、同一平面上にあるため、照光装置10’は組み立てが容易である。
【0041】
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る照光装置の概略的な断面図である。
図8を参照すると、本実施の形態の照光装置10’’は、
図7の照光装置10’と同様であり、それらの主な差異は、照光装置10’’では、第1のマイクロレンズアレイ200A及び第2のマイクロレンズアレイ200Bが同一平面上にあり、第2のサブ照光装置10Bが5%<(z1-z2)/z1≦20%、又は、-20%≦(z1-z2)/z1<-5%を満たす点である。つまり、第1の光源アレイ100A及び第2の光源アレイ100Bは、同一平面上に位置しない。
【0042】
本実施の形態において、第2のサブ照光装置10Bは、一定のレンズピッチを有し、P11=P12を満たす。また、第2のサブ照光装置10Bは、ランダムな光源ピッチを有する、又はP22≠N*P12を満たす一定の光源ピッチを有する。P11とP12が同一であるため、単一のマイクロレンズアレイ設計のみが必要である。最適なz1-z2が選択された場合、照光装置10’’によって提供されるフラッドパターンのストライプは、若干不鮮明であり、従って、フラッドパターンはより滑らかとなり得る。
【0043】
図9は、本発明の第4の実施の形態に係る照光装置の概略的な断面図である。
図9を参照すると、本実施の形態の照光装置10’’’は、
図8の照光装置10’’と同様であり、それらの主な差異は、照光装置10’’’では、第1の光源アレイ100A及び第2の光源アレイ100Bが同一平面上にあり、第2のサブ照光装置10Bが、5%<(z1-z2)/z1≦20%、又は-20%≦(z1-z2)/z1<-5%を満たす点である。つまり、第1のマイクロレンズアレイ200A及び第2のマイクロレンズアレイ200Bは、同一平面上に位置しない。照光装置10’’’の利点は、照光装置10’’と同様であるため、ここでは省略する。
【0044】
以上より、本開示の一つの実施の形態に係る照光装置は、条件式:z=z0+dz、及び、z0=(m/2)*(P2/λ)を満たし、さらに、1%≦dz/z0≦5%、又は、-5%≦dz/z0≦-1%を満たすため、最適なdzが選択された場合、さらに照光装置は、より高品質な構造化光光パターンを生成することができる。
【0045】
さらに、本開示の一つの実施の形態に係る照光装置は、条件式:z=z0+dz、及び、z0=(m/2)*(P2/λ)を満たし、さらに、5%<dz/z0≦20%、又は、-20%≦dz/z0<-5%を満たすため、最適なdzが選択された場合、照光装置は、さらにより高品質なフラッド光パターンを生成することができる。
【0046】
また、本開示の実施の形態に係る照光装置が第1のサブ照光装置と、第2のサブ照光装置とを備え、第1のサブ照光装置が条件式z1=z0+dz、及び、z0=(m/2)*(P112/λ1)を満たし、さらに、1%≦dz/z0≦5%、又は、-5%≦dz/z0≦-1%を満たすため、最適なdzが選択された場合、さらに照光装置は、より高品質な構造化光光パターン及びより高品質なフラッド光の両方を生成することができる。
【0047】
本開示の技術的範囲から逸脱しない範囲において、様々な変更及び応用が本開示の実施の形態に適用可能な点、当業者にとって明らかである。以上より、本開示は、特許請求の範囲及びその均等の範囲内の変更及び応用を包含することを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の照光装置は、距離センシング装置又は3Dセンシング装置に適用され得る。
【符号の説明】
【0049】
10、10’、10’’、10’’’ 照光装置
10A 第1のサブ照光装置
10B 第2のサブ照光装置
100 光源アレイ
100A 第1の光源アレイ
100B 第2の光源アレイ
110A 第1の光源
110B 第2の光源
110 光源
200 マイクロレンズアレイ
200A 第1のマイクロレンズアレイ
200B 第2のマイクロレンズアレイ
210 マイクロレンズ
210A 第1のマイクロレンズ
210B 第2のマイクロレンズ
C、C1、C2 中心軸
P、P11、P12 レンズピッチ
P2、P21、P22 光源ピッチ
z、z1、z2 距離
【外国語明細書】