(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121376
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】糖脂質可溶化剤を含む化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/73 20060101AFI20220812BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20220812BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20220812BHJP
A61K 8/20 20060101ALI20220812BHJP
A61K 8/23 20060101ALI20220812BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
A61K8/73
A61Q1/00
A61K8/19
A61K8/20
A61K8/23
A61K8/41
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021207262
(22)【出願日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】10-2021-0017418
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】514112488
【氏名又は名称】エルジー ハウスホールド アンド ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ハン・ボル・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ムン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヘ・リム・パク
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB331
4C083AB361
4C083AC102
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC392
4C083AC521
4C083AD211
4C083AD212
4C083BB01
4C083BB11
4C083BB21
4C083BB41
4C083BB44
4C083BB45
4C083BB46
4C083BB47
4C083CC01
4C083CC04
4C083CC07
4C083CC23
4C083CC25
4C083DD01
4C083DD08
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD41
4C083EE01
(57)【要約】
【課題】本発明は、高温条件でも安定した形態を示す透明化粧料組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、ソホロリピッド(sophorolipid)、ジラムノリピッド(di-rhamnolipid)及びイオン塩を含む化粧料組成物に関するもので、前記糖脂質を含むことで透明化粧料組成物を提供することができる。また、前記組成物にイオン塩を適用して前記糖脂質分子間のイオン反発を減少させることで、改善されたミセル(micelle)パッキング構造を通じて安定性が向上した透明化粧料組成物を提供することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソホロリピッド(sophorolipid)、ジラムノリピッド(di-rhamnolipid)及びイオン塩を含むことを特徴とする、化粧料組成物。
【請求項2】
前記イオン塩は、塩化ナトリウム(NaCl)、硫酸マグネシウム(MgSO4)及びEDTA 2Naからなる群より選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項3】
前記ソホロリピッド及びジラムノリピッドは、1:1~15の重量比で含まれることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項4】
前記イオン塩は、組成物総重量に対して0.1~2.0重量%で含有されることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項5】
前記組成物のpHは、5~8であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項6】
前記組成物の剤形は、溶液、栄養化粧水、柔軟化粧水、パック、柔軟水、エッセンス、液体洗浄料、入浴剤、懸濁液、ゲル、ローション、界面活性剤-含有クレンジング及びスプレーで構成された群より選択されるものであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項7】
前記組成物は、パール剤、増粘剤、粘度調整剤、pH調整剤、脂肪物質、有機溶媒、溶解剤、濃縮剤及びゲル化剤、軟化剤、抗酸化剤、懸濁化剤、安定化剤、発泡剤(foaming agent)、芳香剤、界面活性剤、水、イオン型又は非イオン型乳化剤、充填剤、金属イオン封鎖剤及びキレート化剤、防腐剤、保存剤、ビタミン、遮断剤、湿潤化剤、必須オイル、染料、顔料、親水性又は親油性活性剤及び脂質小胞からなる群より選択される一つ以上をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖脂質可溶化剤を含む化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚安定性と消費者の選好度に従って化粧料組成物の化学合成成分を天然由来成分に代替する研究が活発に進行されている。このような研究において、保湿成分と油相成分は多数の天然由来成分があるが、化粧料組成物の製造に必須的に用いられる界面活性剤を天然由来成分に代替することは大きな障害物であるとみなされている。特に、透明剤形には、大部分PEG系列の合成成分が可溶化剤として用いられているが、これを代替するための天然成分の可溶化剤の開発は一層難しい状況である。
【0003】
天然可溶化剤のうち一つとして、糖脂質(glycolipids)は、生体親和性がある両親媒性(amphiphilic)物質であって、微生物の醗酵代謝により生産される。炭素源と菌株によって糖環と脂質部が異なる多くの種類の糖脂質が生産され、互いに異なる特性を示す。一例として、カンジダボンビコラ(Candida bombicola)菌株を用いて得た糖脂質乳化剤を液晶乳化剤とともに適用してラメラ構造のナノ多重液晶粒子の製造が可能である(特許文献1)。しかし、特許文献1でのように、糖脂質は、界面活性力が不足し他の合成乳化剤と混合して用いられるという限界を有する。また、粒子が小さい透明剤形を製造する可溶化剤として常用化された事例は報告されたことがない。
【0004】
また他の例として、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)を用いて生産されるラムノリピッド(rhamnolipid)は、親水性が高くて界面活性力に優れた両親媒性物質であって、これを適用して油性成分を水相部に透明に可溶化することができる。しかし、温度、pHなどの環境によって剤形の懸濁化、析出など安定性の問題があり化粧料への適用及び商用化には困難がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、高温条件でも安定した形態を示す透明化粧料組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ソホロリピッド(sophorolipid)、ジラムノリピッド(di-rhamnolipid)及びイオン塩を含む化粧料組成物を提供する。
【0008】
前記イオン塩は、塩化ナトリウム(NaCl)、硫酸マグネシウム(MgSO4)及びEDTA 2NAからなる群より選択される1種以上であってもよい。
【0009】
前記ソホロリピッド及びジラムノリピッドは、1:1~15の重量比で含まれ得る。
【0010】
前記イオン塩は、組成物総重量に対して0.1~2.0重量%で含まれ得る。
【0011】
前記組成物のpHは、5~8であってもよい。
【0012】
前記組成物の剤形は、溶液、栄養化粧水、柔軟化粧水、パック、柔軟水、エッセンス、液体洗浄料、入浴剤、懸濁液、ゲル、ローション、界面活性剤-含有クレンジング及びスプレーで構成された群から選択され得る。
【0013】
前記組成物は、パール剤、増粘剤、粘度調整剤、pH調整剤、脂肪物質、有機溶媒、溶解剤、濃縮剤及びゲル化剤、軟化剤、抗酸化剤、懸濁化剤、安定化剤、発泡剤(foaming agent)、芳香剤、界面活性剤、水、イオン型又は非イオン型乳化剤、充填剤、金属イオン封鎖剤及びキレート化剤、防腐剤、保存剤、ビタミン、遮断剤、湿潤化剤、必須オイル、染料、顔料、親水性又は親油性活性剤及び脂質小胞からなる群より選択される一つ以上をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、水相部にイオン塩を含み、可溶化部にソホロリピッド(sophorolipid)及びジラムノリピッド(di-rhamnolipid)を含むことで、既存の合成界面活性剤を使わなくても高温及び低温での安定性が向上した透明化粧料組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例によって製造された組成物において、(a)イオン塩未適用(比較例3)、(b)塩化ナトリウム0.5%適用(実施例6)の有無による高温安定性を確認した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、ソホロリピッド(sophorolipid)、ジラムノリピッド(di-rhamnolipid)及びイオン塩を含む化粧料組成物に関する。
【0017】
以下、本発明の構成を具体例に説明する。
【0018】
本発明でミセル(micelle)は、一般的に両親性、例えば、親水性基と疎水性基を同時に有する低分子量の物質が成す熱力学的に安定して均一な球形の構造で定義される。
【0019】
本発明で「可溶化(solubilization)」とは、水に対する溶解度が非常に小さい物質を可溶化剤が水に溶解されるときに一定程濃度以上で生成されるミセル(micelle)を用いて溶解度以上に溶解させることを意味し、これを用いて透明な剤形の化粧料組成物を製造することができる。
【0020】
本発明で可溶化剤は、多量の水相に少量の油相が含まれる透明又は半透明の水中油(oil-in-water)剤形に用いられる界面活性剤であって、水相に溶けない油相あるいは脂溶性成分を溶解させて安定した相を成すようにする用途の物質である。
【0021】
前記可溶化剤は、当業界で公知のものであれば全て用いられるが、好ましくは、生物界面活性剤又は天然可溶化剤が用いられ得る。例えば、糖脂質(glycolipids)、脂質ペプチド(lipopeptides)、リン脂質(phospholipids)、脂肪酸(fatty acid)、中性脂質(neutral lipids)、重合体(polymeric)及び微粒子化合物(particulate compound)からなる群より選択される一つ以上であってもよく、より好ましくは、糖脂質が含まれ得、さらに好ましくは、ソホロリピッド(sophorolipid)及びジラムノリピッド(di-rhamnolipid)が含まれ得る。
【0022】
より詳細に、本発明では、糖脂質(glycolipid)を可溶化剤(solubilizer)として用いることができる。前記糖脂質は、両親媒性分子の特性である親水性基と疎水性基を一つの分子内にともに有しているので、一定濃度以下では界面活性剤と類似した役目をすることになるが、一定濃度を超過すると、ミセル(micelle)が形成されて浮遊物形態で行動することができる。
【0023】
本発明において、前記糖脂質は、炭水化物がグリコシド結合により脂質に結合されたものを言う。糖鎖が付加された脂質は、ほぼ大部分が真核細胞で細胞膜の脂質二重層のうち外部に存在し、炭水化物が有する極性基のため親水性環境に存在する。
【0024】
前記糖脂質は、一例として、ソホロリピッド(sophorolipid)、ジラムノリピッド(di-rhamnolipid)からなる群より選択され得る。
【0025】
前記ソホロリピッドは、酵母であるカンジダボンビコラ(Candida bombicola)から生産される糖脂質系列の代表的な微生物界面活性剤(biosurfactant)である。
【0026】
前記ジラムノリピッドは、二つのラムノース(rhamnose)単位体と一つ又は二つの3-ヒドロキシ脂肪酸残基で構成される糖脂質であって、多様なバクテリア種により生成される生物界面活性剤である。
【0027】
本発明の化粧料組成物は、好ましくは、糖脂質としてソホロリピッドとジラムノリピッドをともに含むものであってもよい。本発明の一実施例で、ソホロリピッド又はジラムノリピッドを単独で適用したとき、透明な化粧料が製造されなかったが、これを混合して化粧料に適用したとき、透明な化粧料が製造され、低温安定性が改善されることを確認した。
【0028】
一具体例で、本発明の可溶化剤は、全体組成物100重量%を基準として0.01~10重量%未満で含まれ得、好ましくは、0.05~5重量%で含まれ得る。全体組成物100重量%を基準として、前記可溶化剤が0.01重量%未満で含まれる場合、可溶化剤として役目が微々たるものとなり、10重量%以上で含まれると、化粧料の使用感においてカサカサになる問題点が発生し得る。
【0029】
本発明において、可溶化剤の総含量は、香料及びオイルの含量によって適切に調節され得る。具体的に、香料及び/又はオイルの総含量に対する可溶化剤の総含量は、1;1~1:20の重量比であってもよく、1:4~1:10の重量比であってもよい。本発明において、可溶化剤が前記香料及び/又はオイルの総含量に対して前記重量比で含まれる場合、香料又はオイルにより発生し得る剤形不安定性を解消し、透明剤形の化粧料を提供することができる。
【0030】
また、前記可溶化剤としてソホロリピッド及びジラムノリピッドをともに含む場合、ソホロリピッド及びジラムノリピッドの重量比は、1:1~15であってもよく、より好ましくは、1:1~10であってもよい。
【0031】
一実施例で、前記ソホロリピッド及びジラムノリピッドを適用して透明剤形の化粧料組成物が製造されることを確認した後に安定性を確認した結果、高温で剤形の透明度が維持されず不透明となる結果を確認したところ、ここに組成物内にイオン塩を追加で含むことで剤形の高温安定性も向上でき、高温で剤形の透明度が維持されることを確認した。
【0032】
このような側面から、本発明の化粧料組成物は、ソホロリピッド(sophorolipid)、ジラムノリピッド(di-rhamnolipid)及びイオン塩を含むものであってもよい。
【0033】
前記イオン塩は、前記二つの種類の糖脂質分子の間のイオン反発を減少させることで、改善したミセルパッキング(micelle packing)構造を通じて透明化粧料組成物の安定性を向上させ得る。
【0034】
本発明において、イオン塩の種類は制限されないが、低温及び高温安定性と剤形の透明度維持側面から、好ましくは、塩化ナトリウム(NaCl)、硫酸マグネシウム(MgSO4)及びEDTA 2Naからなる群より選択される1種以上であってもよい。
【0035】
一具体例で、前記イオン塩は、本発明の化粧料組成物全体に対して0.1~2.0重量%で含まれ得、好ましくは、0.1~1.5重量%で含まれ得、より好ましくは、0.2~1.0重量%で含まれ得る。前記範囲内で含まれる場合、化粧料組成物内に含まれた二種類の糖脂質分子の間のイオン反発を減少させて改善されたミセルパッキング構造を通じて透明化粧料の安定性が向上する。
【0036】
本発明において、イオン塩としてEDTAとNaの錯化合物を用いる場合、本発明の組成物は、pH2.69~8、好ましくは、pH5~8、より好ましくは、pH5~6.13値を有することができ、これは、EDTAでNa+塩が適当量放出されて剤形の透明性と低温及び高温安定性を確保する側面から有利である。
【0037】
本発明による化粧料組成物は、透明又は半透明性状の組成物であってもよいが、好ましくは、透明性状の組成物であってもよい。
【0038】
本発明によるソホロリピッド(sophorolipid)及びジラムノリピッド(di-rhamnolipid)を一定重量比で含むと、透明な剤形を具現するために従来用いられた過量のエタノール又はPEG系列などの合成界面活性剤を使わずに安定性が向上した透明化粧料組成物を提供することができる。
【0039】
本発明において、「透明」又は「半透明」は、水相部と可溶化部の屈折率を調節して水相部と可溶化部の屈折率差が0.005以下であるときに製造される剤形を称する。
【0040】
本発明において、「安定性」は、透明剤形の化粧料組成物の安定性を意味するものであって、微生物界面活性剤又は天然可溶化剤を水相部に透明に可溶化するときに現われ得る温度、pHなどの環境によって剤形の懸濁化、析出などにおいて安定した程度を意味する。
【0041】
本発明による化粧料組成物は、溶液、栄養化粧水、柔軟化粧水、パック、柔軟水、エッセンス、液体洗浄料、入浴剤、懸濁液、ゲル、ローション、界面活性剤-含有クレンジング及びスプレーで構成された群から選択される剤形を有することができる。
【0042】
本発明において、化粧料組成物は、追加でパール剤、増粘剤、粘度調整剤、pH調整剤、脂肪物質、有機溶媒、溶解剤、濃縮剤及びゲル化剤、軟化剤、抗酸化剤、懸濁化剤、安定化剤、発泡剤(foaming agent)、芳香剤、界面活性剤、水、イオン型又は非イオン型乳化剤、充填剤、金属イオン封鎖剤及びキレート化剤、防腐剤、保存剤、ビタミン、遮断剤、湿潤化剤、必須オイル、染料、顔料、親水性又は親油性活性剤、脂質小胞又は化粧品に通常的に用いられる任意の他の成分のような化粧品学分野で通常的に用いられる補助剤と担体を含むことができる。
【0043】
本発明による化粧料組成物は、糖脂質の界面活性能力が向上されて香及びオイルを含む油相成分を透明に可溶化し、イオン塩を含むことによって高温及び低温で透明度が維持される安定して差別化された使用感を有した化粧料組成物を提供することができる。
【0044】
本発明において、「低温安定性」とは、化粧料組成物にイオン塩を添加するとき、イオン塩の含量による透明化粧料組成物の安定性を0℃の温度で確認したことを意味する。
【0045】
以下、本発明を実施例を通じて詳しく説明する。下記実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範囲が下記実施例によって限定されるものではない。本実施例は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有した者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇により定義される。
【0046】
下記の実験例で、剤形の透明性は、製造後24時間が経過後、肉眼観察を通じて透明有無及び相分離有無を確認し、低温安定性は、剤形の製造直後0℃で1週間放置した後に肉眼を通じて確認し、高温安定性は、50℃で1週間放置した後に肉眼を通じて確認した。
【0047】
実験例1:糖脂質適用透明化粧料組成物の製造
【0048】
【0049】
前記表1の組成で可溶化部を45℃に加温して撹拌し、常温及び800rpmの撹拌条件で前記撹拌された可溶化部を水相部に徐徐に投入して化粧料を製造した。表1の各成分の含量は、全体化粧料100重量%を基準とした重量%で示した。
【0050】
実験例1-1:糖脂質による透明化粧料製造の確認及び安定性の評価
【0051】
【0052】
前記表2から分かるように、糖脂質可溶化剤を単独で適用するとき、透明化粧料が製造されず、ソホロリピッドとジラムノリピッドをともに使用する場合、低温で安定し透明な剤形を示し得ることを確認した。ただし、高温状態で不透明な剤形を帯びる形状を示すことから、高温安定性を高めるための剤形条件を確認した。
【0053】
実験例2:イオン塩適用透明化粧料組成物の製造
【0054】
【0055】
前記表3の組成でそれぞれの化粧料組成物を前記実験例1の製造方法で製造し、水相部に塩化ナトリウムを含むか否かのみ異ならせた。表3の各成分の含量は、全体化粧料100重量%を基準とした重量%で示した。それぞれ組成によって製造される組成物の安定性を確認し、下記表4に記載した。
【0056】
実験例2-1:イオン塩含量による透明化粧料組成物の製造の確認及び安定性の評価
【0057】
【0058】
前記表4のように、塩化ナトリウムイオン塩を適用した実施例5~7は、低温及び高温で全て剤形の透明度に優れていることが確認できる。
【0059】
また、
図1に示したように、比較例3及び実施例6の試料を高温条件で観察した結果、塩を入れない比較例3は、高温で不透明な剤形を示すことを確認した。
【0060】
実験例3:イオン塩の種類による透明化粧料組成物の製造
【0061】
【0062】
前記表5の組成でイオン塩を異ならせたそれぞれの化粧料組成物を実験例1の製造方法で製造した。それぞれの組成によって製造される組成物の変化を下記表6に記載した。
【0063】
実験例3-1:イオン塩の種類による透明化粧料組成物の製造の確認及び安定性の評価
【0064】
【0065】
前記表6のように、硫酸マグネシウムとEDTA 2Naイオン塩を適用した実施例8及び9は、低温及び高温で全て剤形の透明度が維持されるにおいて一層有利であることを確認した。
【外国語明細書】