(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121421
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 40/20 20180101AFI20220812BHJP
【FI】
G16H40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055912
(22)【出願日】2022-03-30
(62)【分割の表示】P 2021018369の分割
【原出願日】2021-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】521059918
【氏名又は名称】株式会社wish―alize
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】谷内 要亮
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】手術を行った際に請求可能な診療報酬の計算をより正確に行う。
【解決手段】プロセッサを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、手術に関する術式の情報と、当該手術に関する医療資材の情報とを受け付けるステップと、術式の情報に基づいて、医療資材に付与される診療報酬の区分を選定するステップと、医療資材に関する情報を、選定される診療報酬の区分に基づいて分類して表示するステップと、を実行させる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
手術に関する術式の情報と、当該手術に関する医療資材の情報とを受け付けるステップと、
前記術式の情報に基づいて、前記医療資材に付与される診療報酬の区分を選定するステップと、
前記医療資材に関する情報を、前記選定される前記診療報酬の区分に基づいて分類して表示するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記受け付けるステップは、前記医療資材の情報として、医薬品、医療材料、医療機器の少なくともいずれかの情報を受け付け、
前記表示するステップは、前記医療資材に関する情報を、前記選定される前記診療報酬の区分に基づいて分類して表示する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記術式の情報と前記医療資材の情報に基づいて、診療報酬を付与可能な前記医療資材の個数を決定するステップと、
前記診療報酬を付与可能な医療資材の個数に基づいて、前記医療資材に付与される診療報酬の点数を算出するステップを実行し、
前記表示するステップは、前記医療資材に関する情報として、前記診療報酬を付与可能な医療資材の個数と、前記医療資材に付与される診療報酬の点数を表示する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記受け付けるステップは、前記手術に関する術式の情報として2種類以上の術式の情報を受け付け、
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記術式の情報に基づいて主たる手術と従たる手術とを選択するステップを実行し、
前記表示するステップは、前記術式に関する情報を、前記主たる手術と、前記従たる手術と、に分類して表示する、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記術式の情報と前記医療資材の情報の少なくともいずれかの情報を推定するステップを実行させ、
前記推定するステップは、前記受け付けるステップで受け付けた情報の少なくとも一部に基づいて、未入力の情報または修正を要する情報を推定する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記表示するステップは、前記推定するステップが推定した前記未入力の情報または前記修正を要する情報を、前記診療報酬の区分に基づいて分類して表示する、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記受け付けるステップは、前記推定するステップが推定した前記術式の情報について、推定結果を確定させる情報を受け付け、
前記選定するステップは、前記確定した前記術式の情報に基づいて、前記医療資材に付与される診療報酬の区分を選定する、請求項5に記載のプログラム。
【請求項8】
前記受け付けるステップは、前記推定するステップが推定した前記術式の情報について、推定結果を確定させる情報を受け付け、
前記決定するステップは、前記確定した前記術式の情報と前記医療資材の情報に基づいて、診療報酬を付与可能な前記医療資材の個数を決定する、請求項5に記載のプログラム。
【請求項9】
前記受け付けるステップは、前記推定するステップが推定した前記術式の情報について、推定結果を確定させる情報を受け付け、
前記推定するステップは、前記確定した前記術式の情報に基づいて、前記医療資材に関して前記未入力の情報または前記修正を要する情報を推定する、請求項5に記載のプログラム。
【請求項10】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記推定するステップで推定した情報から所定の条件に基づいて一部の情報を抽出するステップを実行させ、
前記表示するステップは、前記抽出した情報を、前記診療報酬の区分に基づいて分類して表示する、請求項5に記載のプログラム。
【請求項11】
前記抽出するステップは、ユーザの利用履歴を解析した結果に基づいて一部の情報を抽出する、請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記抽出するステップは、手術を担当する医師の情報に基づいて一部の情報を抽出する、請求項10に記載のプログラム。
【請求項13】
前記抽出するステップは、自院が保有する医療資材の情報に基づいて一部の情報を抽出する、請求項10に記載のプログラム。
【請求項14】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
手術で使用する医療資材の候補を作成するステップを実行させ、
前記作成するステップは、前記受け付けるステップで受け付けた情報の少なくとも一部に基づいて、前記術式の情報と紐づけて前記医療資材の候補を作成する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項15】
前記作成するステップは、ユーザの利用履歴を解析した結果に基づいて前記医療資材の候補を作成する、請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記作成するステップは、手術を担当する医師の情報に基づいて前記医療資材の候補を作成する、請求項14に記載のプログラム。
【請求項17】
前記作成するステップは、自院が保有する医療資材の情報に基づいて前記医療資材の候補を作成する、請求項14に記載のプログラム。
【請求項18】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記受け付けるステップで受け付けた情報が所定の条件を満たす場合にユーザに警告するステップを実行させ、
前記警告するステップは、前記表示するステップが、前記術式の情報または前記医療資材に関する情報を前記診療報酬の区分に基づいて分類して表示するタイミングで、前記受け付けた情報に関する内容をユーザに警告する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項19】
前記警告するステップは、前記所定の条件として前記受け付けた情報の組み合わせに関する情報を使用する、請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
前記警告するステップは、前記所定の条件として前記医療資材の数量に関する情報を使用する、請求項18に記載のプログラム。
【請求項21】
前記警告するステップは、前記所定の条件として医療資材の利用状況に関する情報を使用する、請求項18に記載のプログラム。
【請求項22】
前記警告するステップは、前記所定の条件としてユーザの利用履歴を解析した結果に関する情報を使用する、請求項18に記載のプログラム。
【請求項23】
プロセッサと、メモリを備えるコンピュータにより実行される方法であって、前記方法は、前記プロセッサが、前記メモリに記憶されるプログラムを読み込んで実行することにより、
手術に関する術式の情報と、当該手術に関する医療資材の情報とを受け付けるステップと、
前記術式の情報に基づいて、前記医療資材に付与される診療報酬の区分を選定するステップと、
前記医療資材に関する情報を、前記選定される診療報酬の区分に基づいて分類して表示するステップと、
を実行する方法。
【請求項24】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記制御部が、前記記憶部に記憶されるプログラムに基づいて動作することにより、
手術に関する術式の情報と、当該手術に関する医療資材の情報とを受け付けるステップと、
前記術式の情報に基づいて、前記医療資材に付与される診療報酬の区分を選定するステップと、
前記医療資材に関する情報を、前記選定される診療報酬の区分に基づいて分類して表示するステップと、
を実行する情報処理装置。
【請求項25】
端末装置と、サーバと、を備えるシステムであって、
前記端末装置は、
手術に関する術式の情報と、当該手術に関する医療資材の情報と、を受け付ける入力操作受付部
を備え、
前記サーバは、
前記術式の情報に基づいて、前記医療資材に付与される診療報酬の区分を選定する診療報酬点数算出モジュールを備え、
前記端末装置は、さらに、
前記医療資材に関する情報を、前記選定される診療報酬の区分に基づいて分類して表示する通知制御部を備える
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場において、手術で行った術式および手術で使用した医薬品、医療材料、医療機器等の医療資材に対して所定の条件に基づいて診療報酬の区分を付与し、付与した診療報酬の区分に基づいて診療報酬の点数を算出することで、手術で請求可能な金額を計算する。病院経営においては、手術で請求可能な金額から人件費および医療資材の費用など手術にかかったコストを差し引くことで、手術で得られる利益を計算する。
【0003】
特許文献1には、所定の医療材料のコスト情報および医療行為毎の診療報酬の包括範囲に含まれる医療材料であるか否かを表示する包括フラグを備える医療材料コストテーブルを用いて、手術の診療報酬を算出するとともに診療報酬に占める包括医療材料コストの割合を算出する旨が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、手術で使用した医療材料が術式に付与される診療報酬の区分である技術料に包括されるか否かに着目することで、手術で請求可能な金額およびコストの計算を効率的に行っている。しかし、手術で使用する医療資材の中には、手術で行われた術式に応じて、付与される診療報酬の点数が変化するものが存在する。例えば、医療資材の1つである自動縫合器は、手術で行った術式に応じて診療報酬として認められる個数の上限が異なるため、手術に付与可能な診療報酬の点数も変化することとなる。
【0006】
従って、手術を行った際に請求可能な診療報酬の計算をより正確に行うための技術が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施の形態によると、プロセッサを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、手術に関する術式の情報と、当該手術に関する医療資材の情報とを受け付けるステップと、術式の情報に基づいて医療資材に付与される診療報酬の区分を選定するステップと、医療資材を選定される診療報酬の区分に基づいて分類して表示するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、手術を行った際に請求可能な診療報酬の計算をより正確に行うための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】第1の実施の形態のシステム1を構成する端末装置10のブロック図である。
【
図3】第1の実施の形態のシステム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
【
図4】サーバ20が記憶する手術データベース281のデータ構造を示す図である。
【
図5】サーバ20が記憶する術式データベース282、医療資材データベース283、診療報酬データベース284、のデータ構造を示す図である。
【
図6】第1の実施の形態におけるシステム1により、術式の情報と医療資材の情報を受け付け、医療資材に関する情報を診療報酬の区分に基づいて分類して表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】第1の実施の形態におけるシステム1により、2種類以上の術式の情報を受け付け、主たる手術と従たる手術を選択して表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】第1の実施の形態におけるシステム1により、術式の情報と医療資材の情報を受け付け、未入力の情報または修正を要する情報を推定して表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】第1の実施の形態におけるシステム1により、推定した術式の情報について、推定結果を確定させる情報を受け付け、確定した術式の情報に基づいて医療資材を診療報酬の区分に基づいて分類して表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】第1の実施の形態におけるシステム1により、推定した術式の情報について、推定結果を確定させる情報を受け付け、確定した術式の情報に基づいて医療資材に関する未入力の情報または修正を要する情報を推定して表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】第1の実施の形態におけるシステム1により、推定した情報から所定の条件に基づいて一部の情報を抽出し、抽出した情報を診療報酬の区分に基づいて分類して表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】第1の実施の形態におけるシステム1により、術式の情報と医療資材の情報を受け付け、術式の情報と紐づけて医療資材の候補を作成して表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】第1の実施の形態におけるシステム1により、受け付けた情報が所定の条件を満たす場合に、受け付けた情報に関する警告を表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
<第1の実施の形態>
<1 システム1の全体構成>
システム1は、手術に付与される診療報酬の点数を算出するシステムである。
図1は、システム1の全体の構成を示す図である。
図1に示すように、システム1は、複数の端末装置(
図1では端末装置10Aおよび端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して通信接続する。
【0012】
例えば、病院等の医療機関において、当該医療機関の医療従事者であるユーザが、患者に対して請求する診療報酬の計算を行うために、端末装置10により、手術の術式および手術で使用された医療資材等の入力を行う。サーバ20は、端末装置10から、ユーザが入力した情報を受け付けて保持する。
【0013】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。端末装置10は、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などにより実現される。この他に、端末装置10は、例えば据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであるとしてもよい。
【0014】
図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0015】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、5G、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線基地局
81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などの無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することによりネットワーク80に接続される。
【0016】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0017】
サーバ20は、手術で行った術式の情報および手術で使用した医療資材の情報、過去に行われた手術および今後行われる予定の手術に関する情報、各回の手術で請求可能な診療報酬の点数などを管理する装置である。サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。
【0018】
図1に示すように、サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0019】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0020】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施の形態1のシステム1を構成する端末装置10のブロック図である。
図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(タッチ・センシティブ・デバイス131およびディスプレイ132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、位置情報センサ150と、カメラ160と、記憶部170と、制御部180と、を含む。端末装置10は、
図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。
図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0021】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0022】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0023】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調および周波数変換を行い、受信信号を制御部180へ与える。
【0024】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、タッチスクリーンとして構成され、タッチ・センシティブ・デバイス131と、ディスプレイ132とを含む。図示していないが、操作受付部130は、マウス、タッチパッド等のポインティングデバイス、キーボードその他の入力装置により構成されることとしてもよい。
【0025】
タッチ・センシティブ・デバイス131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。タッチ・センシティブ・デバイス131は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチ・センシティブ・デバイス131は、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部180へ出力する。
【0026】
ディスプレイ132は、制御部180の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)あるいは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0027】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部180へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0028】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。
【0029】
カメラ160は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ160は、例えば、カメラ160から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。
【0030】
記憶部170は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部170は、手術情報171、術式情報172、医療資材情報173を記憶する。
【0031】
手術情報171は、既に行った、あるいはこれから行う手術に関する情報である。例えば、手術情報171は、手術を行った日時、手術の執刀医、手術で行った術式、手術で使用した医療資材、手術で請求可能な診療報酬の点数等の情報を含む。
【0032】
術式情報172は、手術で行う術式に関する情報である。例えば、術式情報172は、術式の名称、術式に関連する診療報酬の区分等の情報を含む。
【0033】
医療資材情報173は、手術で使用する医療資材に関する情報である。例えば、医療資材情報173は、医療資材の名称、医療資材に関連する診療報酬の区分等の情報を含む。医療資材とは、具体的には、医薬品、医療材料、医療機器等である。
【0034】
制御部180は、記憶部170に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部180は、例えば予め端末装置10にインストールされているアプリケーションである。制御部180は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部181と、送受信部182と、データ処理部185と、通知制御部186としての機能を発揮する。
【0035】
入力操作受付部181は、タッチ・センシティブ・デバイス131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部181は、タッチ・センシティブ・デバイス131に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0036】
送受信部182は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0037】
データ処理部185は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0038】
通知制御部186は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部186は、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理、振動をカメラ160に発生させる処理等を行う。
【0039】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0040】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0041】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータおよびプログラムを記憶する。記憶部202は、手術データベース281、術式データベース282、医療資材データベース283、診療報酬データベース284を記憶する。
【0042】
手術データベース281は、各回の手術に関する情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0043】
術式データベース282は、手術で行う術式に関する情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0044】
医療資材データベース283は、手術で使用する医療資材に関する情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0045】
診療報酬データベース284は、診療報酬の区分、診療報酬の点数、診療報酬を付与する条件等に関する情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0046】
制御部203は、サーバ20のプロセッサ29がプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
【0047】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0048】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0049】
診療報酬点数算出モジュール2033は、システム1を通じて手術に関する診療報酬の点数を算出する処理を制御する。詳細は後述する。
【0050】
手術情報推定モジュール2034は、システム1を通じて手術に関する情報を推定する処理を制御する。詳細は後述する。
【0051】
推定情報抽出モジュール2035は、システム1を通じて手術に関して推定した情報から一部の情報を抽出する処理を制御する。詳細は後述する。
【0052】
医療資材候補作成モジュール2036は、システム1を通じて手術に使用する医療資材の候補を作成する処理を制御する。詳細は後述する。
【0053】
手術情報警告モジュール2037は、システム1を通じて受け付けた手術に関する情報に関してユーザに警告する処理を制御する。詳細は後述する。
【0054】
<2 データ構造>
図4は、サーバ20が記憶する手術データベース281のデータ構造を示す図である。以下、病院が手術の情報を管理する事例を例として説明する。
【0055】
手術データベース281には、図示しているように、(1)手術ID、(2)患者氏名、(3)患者ID、(4)手術日、(5)執刀医、(6)疾患、(7)予定の術式、(8)行った術式、(9)使用予定の医療資材、(10)使用した医療資材、(11)付与される診療報酬区分、(12)付与される診療報酬点数、の各項目の情報が含まれる。また、図示していない項目として、患者の性別、患者の年齢、患者の体重、患者の血液型、過去の手術履歴、過去の検査履歴、手術の開始時間、手術の終了時間、患者の手術後の状態、手術が行われる施設名などの情報を含めてもよい。
【0056】
サーバ20は、ユーザから手術に関する情報を手術前、手術中、手術後に受け付け、その内容に関する情報を手術データベース281に記録する。
【0057】
項目「手術ID」は、今後実施する、あるいは過去に実施した各回の手術を識別する情報である。
【0058】
項目「患者氏名」は、手術の対象となる患者の氏名に関する情報である。
【0059】
項目「患者ID」は、患者を識別する情報である。
【0060】
項目「手術日」は、手術を行う日程に関する情報である。
【0061】
項目「執刀医」は、患者の手術を主に担当する医師に関する情報である。執刀医は、患者の手術を主に担当する医師の氏名を含む。執刀医は、患者の手術を主に担当する医師を識別する番号等を含んでもよい。
【0062】
項目「疾患」は、手術での治療対象となる疾患に関する情報である。
【0063】
項目「予定の術式」は、手術で行う予定の術式に関する情報である。例えば、予定の術式は、食道空置バイパス作成術という情報を含む。予定の術式は1種類の術式でもよいし、2種類以上の術式を含んでもよい。
【0064】
予定の術式は、2種類以上の術式の情報に対して、主たる手術と従たる手術に関する情報を含んでもよい。例えば、予定の術式は、胆嚢摘出術が主たる手術で、胃局所切除術が従たる手術であるという情報を含んでもよい。主たる手術と従たる手術に関する詳細は後述する。
【0065】
項目「行った術式」は、手術で行った術式に関する情報である。例えば、行った術式は、食道空置バイパス作成術という情報を含む。行った術式は1種類の術式でもよいし、2種類以上の術式を含んでもよい。
【0066】
行った術式は、2種類以上の術式の情報に対して、主たる手術と従たる手術に関する情報を含んでもよい。例えば、行った術式は、胆嚢摘出術が主たる手術で、胃局所切除術が従たる手術であるという情報を含んでもよい。主たる手術と従たる手術に関する詳細は後述する。
【0067】
項目「使用予定の医療資材」は、手術で使用する予定の医療資材に関する情報である。使用予定の医療資材は、手術で使用する予定の医療資材の名称、手術で使用する予定の医療資材の数量に関する情報等を含む。例えば、使用予定の医療資材は、自動縫合器を4個、自動吻合器を1個使用する予定である旨の情報を含む。医療資材は、医薬品、医療材料、医療機器等である。
【0068】
項目「使用した医療資材」は、手術で使用した医療資材に関する情報である。使用した医療資材は、手術で使用した医療資材の名称、手術で使用した医療資材の数量に関する情報等を含む。例えば、使用した医療資材は、自動縫合器を3個、自動吻合器を1個使用した旨の情報を含む。医療資材は、医薬品、医療材料、医療機器等である。
【0069】
項目「付与される診療報酬区分」は、手術に付与される診療報酬の区分に関する情報である。付与される診療報酬区分は、術式に付与される診療報酬の区分と、医療資材に付与される診療報酬の区分と、を含む。
【0070】
例えば、付与される診療報酬区分は、術式に付与される診療報酬の区分として食道空置バイパス作成術に付与される診療報酬の区分であるK522-3(食道空置バイパス作成術)を含む。また、付与される診療報酬区分は、医療資材に付与される診療報酬の区分として、自動縫合器に付与される診療報酬の区分であるK936(自動縫合器加算)と、自動吻合器に付与される診療報酬の区分であるK936-2(自動吻合器加算)の情報を含む。
【0071】
付与される診療報酬区分は、医療資材に対して診療報酬の区分が付与される個数に関する情報を含んでもよい。例えば、付与される診療報酬区分は、自動縫合器に付与される診療報酬の区分であるK936が3個分付与される旨の情報を含んでもよい。医療資材に対して診療報酬の区分が付与される個数を決定する方法に関する詳細は後述する。
【0072】
項目「付与される診療報酬点数」は、手術に付与される診療報酬の点数に関する情報である。例えば、付与される診療報酬点数は、今回の手術に付与される診療報酬の点数の合計が78,900点である旨の情報を含む。
【0073】
付与される診療報酬点数は、術式に付与される診療報酬の点数と、医療資材に付与される診療報酬の点数を含んでもよい。例えば、付与される診療報酬点数は、食道空置バイパス作成術に対応する診療報酬区分であるK522-3に付与される診療報酬の点数が65,900点である旨の情報を含む。あるいは、付与される診療報酬点数は、自動吻合器に対応する診療報酬区分であるK936-2に付与される診療報酬の点数が5,500点である旨の情報を含む。
【0074】
付与される診療報酬点数は、診療報酬が付与される医療資材の個数の情報を含んでもよい。例えば、付与される診療報酬点数は、診療報酬が付与される医療資材の個数が3個である旨の情報を含む。この場合、付与される診療報酬点数は、自動縫合器に対応する診療報酬区分であるK936に付与される診療報酬の点数2,500点を3個分加算した7,500点を診療報酬の点数の合計に加える。
【0075】
付与される診療報酬点数は、術式に付与される診療報酬の点数について、主たる手術と従たる手術に関する情報を含んでもよい。例えば、付与される診療報酬点数は、主たる手術に対応する診療報酬の区分に付与される診療報酬の点数の100%、従たる手術に対応する診療報酬の区分に付与される診療報酬の点数の50%を診療報酬の点数の合計に加える。
【0076】
具体的には、付与される診療報酬点数は、主たる手術である胆嚢摘出術に付与される診療報酬の点数が27,670点の100%となる27,670点である旨の情報を含んでもよい。例えば、付与される診療報酬点数は、従たる手術である胃局所切除術に付与される診療報酬の点数が13,830点の50%となる6,915点である旨の情報を含んでもよい。主たる手術と従たる手術に付与される診療報酬の点数を算出する方法の詳細は後述する。
【0077】
図5は、サーバ20が記憶する術式データベース282、医療資材データベース283、診療報酬データベース284のデータ構造を示す図である。以下、病院が手術の情報を管理する事例を例として説明する。
【0078】
術式データベース282には、図示しているように、(1)名称、(2)関連する診療報酬区分、(3)関連する術式、(4)関連する医療資材、の各項目の情報が含まれる。
【0079】
項目「名称」は、術式の名称に関する情報である。
【0080】
項目「関連する診療報酬区分」は、術式に付与される可能性のある診療報酬の区分に関する情報である。
【0081】
項目「関連する術式」は、当該術式と関連する術式に関する情報である。例えば、関連する術式は、当該術式と同時に診療報酬の区分を付与する頻度が高い術式の情報を含む。関連する術式は、当該術式と同時に診療報酬の区分を付与することができない術式の情報などを含んでもよい。
【0082】
関連する術式は、主たる手術と従たる手術に関する情報を含んでもよい。例えば、関連する術式は、当該術式が主たる手術となる場合に、従たる手術として組み合わせが可能な術式の情報を含んでもよい。あるいは、関連する術式は、当該手術が従たる手術となる場合に、主たる手術として組み合わせが可能な術式の情報を含んでもよい。
【0083】
項目「関連する医療資材」は、当該術式と関連する医療資材に関する情報である。例えば、関連する医療資材は、当該術式と同時に診療報酬の区分を付与する頻度が高い医療資材の情報を含む。関連する医療資材は、当該術式と同時に診療報酬の区分を付与することができない医療資材の情報などを含んでもよい。
【0084】
医療資材データベース283には、図示しているように、(1)名称、(2)関連する診療報酬区分、(3)関連する術式、(4)関連する医療資材、の各項目の情報が含まれる。
【0085】
項目「名称」は、医療資材の名称に関する情報である。
【0086】
項目「関連する診療報酬区分」は、医療資材に付与される可能性のある診療報酬の区分に関する情報である。例えば、診療報酬区分は、診療報酬の区分の名称、および、診療報酬の区分を特定するコードの情報などを含む。
【0087】
項目「関連する術式」は、当該医療資材と関連する術式に関する情報である。例えば、関連する術式は、当該医療資材と同時に診療報酬の区分を付与する頻度が高い術式の情報を含む。関連する術式は、当該医療資材と同時に診療報酬の区分を付与することができない術式の情報などを含んでもよい。
【0088】
項目「関連する医療資材」は、当該医療資材と関連する医療資材に関する情報である。例えば、関連する医療資材は、当該医療資材と同時に診療報酬の区分を付与する頻度が高い医療資材の情報を含む。関連する医療資材は、当該医療資材と同時に診療報酬の区分を付与することができない医療資材の情報などを含んでもよい。
【0089】
診療報酬データベース284には、図示しているように、(1)名称、(2)特定コード、(3)診療報酬点数、(4)付与条件、の各項目の情報が含まれる。
【0090】
項目「名称」は、診療報酬の区分の名称に関する情報である。例えば、名称は、自動縫合器加算という情報を含む。
【0091】
項目「特定コード」は、診療報酬の区分を特定するコードに関する情報である。例えば、特定コードは、自動縫合器加算という診療報酬の区分を特定するコードがK936である旨の情報を含む。
【0092】
項目「診療報酬点数」は、当該診療報酬の区分に対応する診療報酬の点数に関する情報である。例えば、診療報酬点数は、自動縫合器加算という診療報酬の区分に対応する診療報酬の点数が2,500点である旨の情報を含む。
【0093】
項目「付与条件」は、当該診療報酬の区分を付与する条件、あるいは診療報酬の点数を付与する際の条件に関する情報である。例えば、付与条件は、当該診療報酬の区分を付与するために必要な術式に関する情報、および、術式ごとに設定された当該診療報酬を付与可能な医療資材等の上限個数の情報などを含む。
【0094】
例えば、付与条件は、食道空置バイパス作成術(K522-3)を行った手術で自動縫合器を使用した場合に、自動縫合器加算(K936)の区分を上限4個まで診療報酬の点数を請求することができる旨の情報を含む。
【0095】
付与条件は、主たる手術と従たる手術に関する情報を含んでもよい。例えば、付与条件は、当該診療報酬の区分に対応する術式が主たる手術となる場合に従たる手術として組み合わせが可能な術式やその診療報酬の区分に関する情報を含んでもよい。
【0096】
例えば、付与条件は、胆嚢摘出術が主たる手術である場合に、胃局所切除術を従たる手術として、同時に診療報酬の区分を付与できる旨の情報を含んでもよい。
【0097】
<3 動作>
以下、
図6から
図13を参照しながら、システム1を介して手術に関する診療報酬の算出を支援する処理について説明する。
【0098】
図6は、第1の実施の形態におけるシステム1により、術式の情報と医療資材の情報をユーザから受け付け、医療資材に関する情報を診療報酬の区分に基づいて分類して表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0099】
ステップS1011において、端末装置10の制御部180は、ユーザから、手術に関する術式の情報と手術に関する医療資材の情報の入力を受け付け、その情報をサーバ20に送信する。サーバ20は、端末装置10から受信した情報に基づいて、手術の術式の情報と医療資材の情報を手術データベース281に保存する。
【0100】
端末装置10は、ユーザから、術式の情報として術式の名称を受け付けてもよいし、術式を特定するためのコード番号を受け付けてもよい。例えば、術式の1つである食道空置バイパス作成術を識別するKコードとしてK522-3が指定されているが、端末装置10は、術式の情報として当該術式に対応するKコードの情報を受け付けてもよい。
【0101】
端末装置10は、術式の情報または医療資材の情報をユーザからの入力以外の方法で受け付けてもよい。例えば、端末装置10は、図示しない電子カルテのシステムから当該手術で行った術式の情報を受け付けてもよい。あるいは、図示しない医療資材管理システムから当該手術で使用した医療資材の情報を受け付けてもよい。
【0102】
端末装置10は、術式の情報として1種類の術式の情報を受け付けてもよいし、2種類以上の術式の情報を受け付けてもよい。例えば、端末装置10は、術式の情報として食道空置バイパス作成術を受け付けてもよいし、術式の情報として胃局所切除術と胆嚢摘出術を受け付けてもよい。
【0103】
端末装置10は、ユーザから、医療資材の情報として、医療資材に添付されたバーコードまたはRFIDタグの情報を読み取ることにより、当該情報の入力を受け付けてもよいし、医療資材の種類または名称に関する情報の入力を受け付けてもよい。
【0104】
端末装置10は、医療資材の情報として、医療資材の種類ごとに手術で使用した数量に関する情報を受け付けてもよい。例えば、端末装置10は、3個の自動縫合器に添付されたバーコードの情報を個別に読み取ることで、当該手術で使用した自動縫合器の個数が3個であることを受け付ける。
【0105】
ステップS1012において、診療報酬点数算出モジュール2033は、手術データベース281から術式の情報と医療資材の情報を取得し、術式の情報に基づいて医療資材に付与される診療報酬の区分を選定する。以下、具体的に説明する。
【0106】
診療報酬点数算出モジュール2033は、手術で行った術式の情報と、手術で使用した医療資材の情報と、を手術データベース281から取得する。
【0107】
診療報酬点数算出モジュール2033は、手術データベース281から取得した情報として、手術で使用した医療資材の情報に基づいて、医療資材データベース283を参照することにより、当該医療資材に関連する診療報酬区分の情報を取得する。
【0108】
診療報酬点数算出モジュール2033は、医療資材データベース283を参照することで取得した、関連する診療報酬区分の情報に基づいて、診療報酬データベース284を参照する。これにより、診療報酬点数算出モジュール2033は、当該診療報酬の区分に関連付けられている、付与条件の情報を取得する。
【0109】
診療報酬点数算出モジュール2033は、手術で行った術式の情報と、当該診療報酬の区分の付与条件の内容に基づいて、当該医療資材に診療報酬の区分が付与可能であるかどうかを判定する。
【0110】
診療報酬点数算出モジュール2033は、当該医療資材に診療報酬の区分が付与可能な場合に、当該診療報酬の区分を、当該医療資材に付与される診療報酬の区分として選定する。
【0111】
ステップS1013において、診療報酬点数算出モジュール2033は、術式の情報と
医療資材の情報に基づいて、診療報酬を付与可能な当該医療資材の個数を決定する。
【0112】
診療報酬点数算出モジュール2033は、医療資材に付与される診療報酬の区分の情報を診療報酬データベース284から選択し、診療報酬の付与条件の情報として、当該医療資材に対して術式ごとに診療報酬を付与可能な上限個数の情報を取得する。
【0113】
例えば、診療報酬点数算出モジュール2033は、食道空置バイパス作成術に自動縫合器を使用した場合に、付与可能な診療報酬の上限個数が4個である旨の情報を取得する。
【0114】
診療報酬点数算出モジュール2033は、当該医療資材に対して術式の情報に基づいて決定される診療報酬を付与可能な上限個数と、手術データベース281から取得した手術に使用した当該医療資材の個数とに基づいて、診療報酬を付与可能な当該医療資材の個数を決定する。
【0115】
診療報酬点数算出モジュール2033は、診療報酬を付与可能な上限個数と、手術に使用した医療資材の個数とが一致した場合に、その一致した個数を、診療報酬を付与可能な当該医療資材の個数として決定する。
【0116】
例えば、診療報酬点数算出モジュール2033は、診療報酬を付与可能な自動縫合器の上限個数が4個、手術に使用した自動縫合器の個数が4個の場合、診療報酬を付与可能な自動縫合器の個数を4個に決定する。
【0117】
診療報酬点数算出モジュール2033は、診療報酬を付与可能な上限個数と、手術に使用した医療資材の個数とが異なる場合に、上限個数および手術に使用した個数のうち少ない方を、診療報酬を付与可能な当該医療資材の個数として決定する。
【0118】
例えば、診療報酬点数算出モジュール2033は、診療報酬を付与可能な自動縫合器の上限個数が4個、手術に使用した自動縫合器の個数が3個の場合、診療報酬を付与可能な自動縫合器の個数を3個に決定する。
【0119】
あるいは、診療報酬点数算出モジュール2033は、診療報酬を付与可能な自動縫合器の上限個数が4個、手術に使用した自動縫合器の個数が5個の場合、診療報酬を付与可能な自動縫合器の個数を4個に決定する。
【0120】
ステップS1014において、診療報酬を付与可能な医療資材の個数に基づいて、前記医療資材に付与される診療報酬の点数を算出する。
【0121】
診療報酬点数算出モジュール2033は、医療資材に付与される診療報酬の区分の情報を診療報酬データベース284から選択し、当該診療報酬の区分に付与される診療報酬の点数を取得する。
【0122】
例えば、診療報酬点数算出モジュール2033は、自動縫合器に付与される自動縫合器加算という診療報酬の区分を診療報酬データベース284から選択し、当該診療報酬の区分に付与される診療報酬の点数が2,500点である旨の情報を取得する。
【0123】
診療報酬点数算出モジュール2033は、当該診療報酬の区分に付与される診療報酬の点数を、診療報酬を付与可能な医療資材の個数と掛け合わせることで、当該医療資材に付与される診療報酬の点数を算出する。
【0124】
例えば、診療報酬点数算出モジュール2033は、自動縫合器加算という診療報酬の区分に付与される診療報酬の点数が2,500点、診療報酬を付与可能な自動縫合器の個数が3個の場合に、2,500点×3=7,500点を、当該手術で自動縫合器に付与可能な診療報酬の点数として算出する。
【0125】
サーバ20は、医療資材に付与される診療報酬の区分と、医療資材に付与される診療報酬の点数とを、端末装置10に送信する。サーバ20は、医療資材に付与される診療報酬の点数の計算に使用した情報として、術式の情報に基づいて決定される医療資材に付与される診療報酬の区分に対応する点数を送信してもよい。サーバ20は、医療資材に付与される診療報酬の点数の計算に使用した情報として、診療報酬を付与可能な当該医療資材の個数を送信してもよい。サーバ20は、医療資材に付与される診療報酬の点数の計算に使用した情報として、診療報酬を付与可能な当該医療資材の上限個数と、手術で使用した当該医療資材の個数の情報を、端末装置10に送信してもよい。
【0126】
ステップS1015において、端末装置10は、医療資材に関する情報を診療報酬の区分に基づいて分類して表示する。
【0127】
例えば、端末装置10は、自動縫合器に関する情報を自動縫合器加算という診療報酬の区分と合わせて表示する。
【0128】
端末装置10は、当該医療資材に付与可能な診療報酬の点数を表示してもよい。例えば、端末装置10は、手術で使用した自動縫合器に対して、自動縫合器加算(K936)という区分が付与可能であることを表示する。端末装置10は、当該手術に対して、自動縫合器加算として、2,500点×3個の合計点数である7,500点がある旨を表示してもよい。
【0129】
端末装置10は、当該医療資材に付与される診療報酬の点数の計算に使用した情報として、術式の情報に基づいて決定される医療資材に付与される診療報酬の区分に対応する点数を表示してもよい。あるいは、端末装置10は、診療報酬を付与可能な当該医療資材の上限個数と、手術で使用した当該医療資材の個数の情報を表示してもよい。
【0130】
例えば、端末装置10は、自動縫合器加算という区分に対して診療報酬の点数として2,500点が付与可能であることを表示してもよい。端末装置10は、当該手術で行った術式に基づいて、自動縫合器加算を付与可能な上限個数が4個である旨を表示してもよい。端末装置10は、当該手術で使用した自動縫合器が3個である旨を表示してもよい。
【0131】
端末装置10は、当該医療資材に付与される診療報酬の点数の計算に使用した情報として、診療報酬の付与が可能な医療資材の個数を表示してもよい。例えば、端末装置10は、今回の手術で診療報酬の付与が可能な自動縫合器が3個である旨を表示してもよい。
【0132】
端末装置10は、医療資材に関する情報に加えて、手術で行った術式に関する情報として、当該術式に付与される診療報酬の区分や診療報酬の点数を表示してもよい。例えば、端末装置10は、手術で行った術式に関する情報が食道空置バイパス作成術、当該術式に付与される診療報酬の区分がK522-3、当該術式に付与される診療報酬の点数が65,900点である旨を表示してもよい。
【0133】
端末装置10は、術式に付与される診療報酬の点数および医療資材に付与される診療報酬の点数を合計した点数を表示してもよい。例えば、端末装置10は、食道空置バイパス作成術に付与される診療報酬の点数が65,900点、自動縫合器に付与される診療報酬の点数が7,500点である場合に、術式に付与される診療報酬の点数と医療資材に付与される診療報酬の点数を合計した73,400点を当該手術に付与可能な診療報酬の点数として表示してもよい。
【0134】
これにより、手術で使用した医療資材に関する診療報酬の点数を正確に算出することができる。
【0135】
システム1は、上記の方法とは異なる方法を用いて、手術で使用した医療資材に付与される診療報酬の点数を算出してもよい。
【0136】
システム1は、ステップS1011でユーザから術式の情報と医療資材の情報を受け付ける際に、手術で使用した医療資材に付与される診療報酬の点数を計算するために必要な情報を取得してもよい。例えば、医療資材に添付されたバーコードは、各術式に対して当該医療資材に付与可能な診療報酬の上限個数に関する情報を含んでもよい。システム1は、ユーザが当該医療資材に添付されたバーコードを読み取ることで、各術式に対して当該医療資材に付与可能な診療報酬の上限個数に関する情報を受け付けてもよい。
【0137】
診療報酬点数算出モジュール2033は、診療報酬データベース284を参照する代わりに、前記受け付けた情報に基づいて、各術式に対して当該医療資材に付与可能な診療報酬の上限個数を取得し、当該医療資材に付与される診療報酬の点数を算出してもよい。
【0138】
図7は、第1の実施の形態におけるシステム1により、2種類以上の術式の情報を受け付け、主たる手術と従たる手術を選択して表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0139】
ステップS1111において、端末装置10は、手術に関する術式の情報と手術に関する医療資材の情報の入力をユーザから受け付け、その情報をサーバ20に送信する。サーバ20は、端末装置10から、手術に関する術式の情報と医療資材の情報を受け付けて、当該情報を手術データベース281に保存する。ステップS1011と同様の処理となるため、詳細は省略する。
【0140】
ステップS1112において、診療報酬点数算出モジュール2033は、手術データベース281から手術で行った術式に関する情報を取得し、主たる手術と従たる手術とを選択する。
【0141】
診療報酬の算定方法として、所定の組み合わせである複数の手術を同時に行った場合には、同時に行った複数の手術を主たる手術と従たる手術に区別して計算が行われる。同時に行った複数の手術のうち、どの手術が主たる手術となり、どの手術が従たる手術となるかは、厚生労働省の告示によってそのルールが決定される。
【0142】
例えば、厚生労働省の告示(複数手術に係る費用の特例)にて、複数の手術が所定の組み合わせで同時に行われた場合には、各術式に対応する診療報酬の区分に対応する診療報酬の点数に基づいて、当該点数及び注による加算点数を合算した点数の高い手術を主たる手術とすることが決められている。また、同時に行われた複数の手術のうち、主たる手術以外の術式から1種類に限り、従たる手術として、主たる手術とは別に診療報酬の区分および診療報酬の点数を付与することができることが定められている。
【0143】
例えば、診療報酬の点数が13,830点である胃局所切除術(K654-2)と、診療報酬の点数が27,670点である胆嚢摘出術(K672)と、を同時に行った場合には、診療報酬の点数が高い胆嚢摘出術が主たる手術、診療報酬の点数が低い胃局所切除術が従たる手術となる。
【0144】
診療報酬の算定方法は適宜変更が行われるため、主たる手術と従たる手術を選択する方法は、この文献に記載した内容に限定しない。
【0145】
診療報酬点数算出モジュール2033は、手術データベース281から手術で行った術式に関する情報を取得し、手術で行った術式の中から主たる手術と従たる手術とを選択する。以下、具体的に説明する。
【0146】
例えば、診療報酬点数算出モジュール2033は、手術データベース281から、手術で行った術式として、胃局所切除術と胆嚢摘出術とが同時に行われた旨の情報を取得する。
【0147】
診療報酬点数算出モジュール2033は、診療報酬データベース284を参照することで、胃局所切除術と胆嚢摘出術に付与される診療報酬の点数に関する情報を取得する。具体的には、診療報酬点数算出モジュール2033は、胃局所切除術に付与される診療報酬の点数が13,830点、胆嚢摘出術に付与される診療報酬の点数が27,670点である旨の情報を取得する。
【0148】
診療報酬点数算出モジュール2033は、両術式に付与される診療報酬の点数を比較し、診療報酬の点数が高い胆嚢摘出術を主たる手術、診療報酬の点数が低い胃局所切除術を従たる手術として選択する。
【0149】
診療報酬点数算出モジュール2033は、手術データベース281から取得した、手術で行った術式が1つの場合、当該術式を主たる手術、従たる手術は無しとしてもよい。
【0150】
ステップS1113において、診療報酬点数算出モジュール2033は、主たる手術と従たる手術に付与される診療報酬の点数を算出する。
【0151】
診療報酬の算定方法として、同時に複数の手術を行った場合、主たる手術には当該術式に付与される診療報酬の点数の100%が付与され、従たる手術には当該術式に付与される診療報酬の点数の50%が付与されることが厚生労働省の告示にて定められている。
【0152】
以下、診療報酬点数算出モジュール2033が、手術で行った各術式に付与される診療報酬の点数を算出する方法を具体的に説明する。
【0153】
診療報酬点数算出モジュール2033は、ステップS1112において、今回の手術で行った複数の手術の中から、主たる手術と従たる手術を選択する。例えば、診療報酬点数算出モジュール2033は、ステップS1112において、主たる手術を胆嚢摘出術、従たる手術を胃局所切除術として選択する。
【0154】
診療報酬点数算出モジュール2033は、診療報酬データベース284を参照することで、主たる手術および従たる手術に付与される診療報酬の点数の情報を取得する。診療報酬点数算出モジュール2033は、診療報酬データベース284を参照することで、胆嚢摘出術および胃局所切除術に付与される診療報酬の点数の情報を取得する。例えば、診療報酬点数算出モジュール2033は、胆嚢摘出術に付与される診療報酬の点数が27,670点、胃局所切除術に付与される診療報酬の点数が13,830点である旨の情報を取得する。
【0155】
診療報酬点数算出モジュール2033は、主たる手術に対して、当該術式に対応する診療報酬の点数の100%に該当する点数を当該術式に付与可能であると算出する。例えば、診療報酬点数算出モジュール2033は、胆嚢摘出術が主たる手術であるという情報に基づいて、当該術式に対応する診療報酬の点数の100%である27,670点を胆嚢摘出術に付与可能であると算出する。
【0156】
診療報酬点数算出モジュール2033は、従たる手術に対して、当該術式に対応する診療報酬の点数の50%に該当する点数を当該術式に付与可能であると算出する。例えば、診療報酬点数算出モジュール2033は、胃局所切除術が従たる手術であるという情報に基づいて、当該術式に対応する診療報酬の点数の50%である6,915点を胃局所切除術に付与可能であると算出する。
【0157】
診療報酬の算定方法は適宜変更が行われるため、各術式に付与される診療報酬の点数の算定方法は、この文献に記載した内容に限定しない。
【0158】
サーバ20は、手術で行った各術式から選択された主たる手術および従たる手術に関する情報と、各術式に付与される診療報酬の区分と、各術式に付与される診療報酬の点数とを、端末装置10に送信する。
【0159】
ステップS1114において、端末装置10は、術式に関する情報を、主たる手術と、従たる手術と、に分類して表示する。
【0160】
例えば、端末装置10は、当該手術において、主たる手術が胆嚢摘出術、従たる手術が胃局所切除術である旨を表示する。
【0161】
端末装置10は、当該手術における主たる手術と従たる手術について、各術式に付与される診療報酬の区分および診療報酬の点数を表示してもよい。例えば、端末装置10は、主たる手術である胆嚢摘出術に付与される診療報酬の区分がK672、胆嚢摘出術に付与される診療報酬の点数が27,670点の100%となる27,670点である旨を表示してもよい。端末装置10は、従たる手術である胃局所切除術に付与される診療報酬の区分がK654-2、胃局所切除術に付与される診療報酬の点数が13,830点の50%となる6,915点である旨を表示してもよい。
【0162】
端末装置10は、当該手術における主たる手術と従たる手術に付与される診療報酬の点数の合計を表示してもよい。例えば、端末装置10は、主たる手術である胆嚢摘出術に付与される27,670点と従たる手術である胃局所切除術に付与される6,915点との合計である34,585点が、当該手術で行った術式に付与される診療報酬の点数である旨を表示してもよい。
【0163】
これにより、手術で行った術式に関する診療報酬の点数を正確に計算することができる。
【0164】
図8は、第1の実施の形態におけるシステム1により、術式の情報と医療資材の情報の入力をユーザから受け付け、未入力の情報または修正を要する情報を推定して表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0165】
ステップS1211において、端末装置10は、手術に関する術式の情報と手術に関する医療資材の情報の入力をユーザから受け付け、その情報をサーバ20に送信する。サーバ20は、端末装置10から、手術に関する術式の情報と医療資材の情報を受け付けて、当該情報を手術データベース281に保存する。ステップS1011と同様の処理となるため、詳細は省略する。
【0166】
ステップS1212において、手術情報推定モジュール2034は、手術データベース281から術式の情報と医療資材の情報を取得し、取得した情報の少なくとも一部に基づいて、未入力の情報または修正を要する情報を推定する。以下、具体的に説明する。
【0167】
手術情報推定モジュール2034は、手術で行った術式の情報と、手術で使用した医療資材の情報と、を手術データベース281から取得する。
【0168】
手術情報推定モジュール2034は、手術で行った術式の情報に基づいて、手術で使用した医療資材の情報を推定してもよい。手術情報推定モジュール2034は、手術データベース281から取得した、手術で行った術式の情報に基づいて、術式データベース282の項目「関連する医療資材」の情報を参照することにより、当該手術で使用した医療資材の情報を推定する。
【0169】
例えば、手術情報推定モジュール2034は、手術データベース281から手術で行った術式の情報として、食道空置バイパス作成術を取得する。手術情報推定モジュール2034は、術式データベース282を参照することで、食道空置バイパス作成術に関連する医療資材の情報として自動縫合器を取得し、当該手術に自動縫合器を使用したことを推定する。
【0170】
手術情報推定モジュール2034は、手術で行った術式の情報に基づいて、手術で行った他の術式の情報を推定してもよい。手術情報推定モジュール2034は、手術データベース281から取得した、手術で行った術式の情報に基づいて、術式データベース282の項目「関連する術式」の情報を参照することにより、当該手術で行った他の術式の情報を推定する。
【0171】
例えば、手術情報推定モジュール2034は、手術データベース281から手術で行った術式の情報として、胆嚢摘出術を取得する。手術情報推定モジュール2034は、術式データベース282を参照することで、胆嚢摘出術に関連する術式の情報として胃局所切除術を取得し、当該手術で胃局所切除術を行ったことを推定する。
【0172】
手術情報推定モジュール2034は、手術で使用した医療資材の情報に基づいて、手術で行った術式の情報を推定してもよい。手術情報推定モジュール2034は、手術データベース281から取得した、手術で使用した医療資材の情報に基づいて、医療資材データベース283の項目「関連する術式」の情報を参照することにより、当該手術で行った術式の情報を推定する。
【0173】
例えば、手術情報推定モジュール2034は、手術データベース281から手術で使用した医療資材の情報として、自動縫合器を取得する。手術情報推定モジュール2034は、医療資材データベース283を参照することで、自動縫合器に関連する術式の情報として食道空置バイパス作成術を取得し、当該手術で食道空置バイパス作成術を行ったことを推定する。
【0174】
手術情報推定モジュール2034は、手術で使用した医療資材の情報に基づいて、手術で使用した他の医療資材の情報を推定してもよい。手術情報推定モジュール2034は、手術データベース281から取得した、手術で使用した医療資材の情報に基づいて、医療資材データベース283の項目「関連する医療資材」の情報を参照することにより、当該手術で使用した他の医療資材の情報を推定する。
【0175】
例えば、手術情報推定モジュール2034は、手術データベース281から手術で使用した医療資材の情報として、自動縫合器を取得する。手術情報推定モジュール2034は、医療資材データベース283を参照することで、自動縫合器に関連する医療資材の情報として自動吻合器を取得し、当該手術で自動吻合器を使用したことを推定する。
【0176】
手術情報推定モジュール2034は、手術で行った術式の情報を推定した後に、推定した術式の情報を術式データベース282から選択し、当該術式に関連付けられる診療報酬の区分を取得する。また、手術情報推定モジュール2034は、手術で使用した医療資材の情報を推定した後に、推定した医療資材の情報を医療資材データベース283から選択し、当該医療資材に関連付けられる診療報酬の区分を取得する。
【0177】
サーバ20は、手術で行った術式を推定した情報と手術で使用した医療資材を推定した情報との少なくともいずれかを、当該術式あるいは当該医療資材に付与される診療報酬の区分の情報と合わせて、端末装置10に送信する。
【0178】
ステップS1213において、端末装置10は、手術で行った術式を推定した情報と手術で使用した医療資材を推定した情報との少なくともいずれかを、診療報酬の区分に基づいて分類して表示する。
【0179】
例えば、端末装置10は、手術で使用した医療資材として自動吻合器を推定した旨を表示する。
【0180】
端末装置10は、手術情報推定モジュール2034が推定した情報を、ステップS1211で受け付けた情報と関連づける形で表示してもよい。
【0181】
端末装置10は、手術情報推定モジュール2034が推定した情報が、ステップS1211で受け付けた情報に含まれるか否かを表示してもよい。例えば、端末装置10は、手術情報推定モジュール2034が推定した医療資材の情報が、ステップS1211で受け付けた医療資材の情報に含まれるか否かを区別して表示する。具体的には、端末装置10は、手術情報推定モジュール2034が推定した自動吻合器が、ステップS1211で受け付けた医療資材の情報に含まれない旨の情報を表示する。
【0182】
端末装置10は、手術情報推定モジュール2034が推定した情報と、ステップS1211で受け付けた情報が異なる場合に、その旨を表示してもよい。例えば、端末装置10は、手術情報推定モジュール2034が推定した術式の情報と、ステップS1211で受け付けた術式の情報とが異なる場合に、その旨を表示する。具体的には、端末装置10は、手術情報推定モジュール2034が推定した胃局所切除術が、ステップS1211で受け付けた術式の情報である食道空置バイパス作成術と異なる旨の情報を表示する。
【0183】
ステップS1214において、端末装置10は、手術情報推定モジュール2034が推定した情報について、推定結果を確定させる情報をユーザから受け付ける。
【0184】
端末装置10は、手術情報推定モジュール2034が推定した情報を表示し、その中の一部を手術に関する術式の情報、あるいは医療資材の情報として新たにユーザから入力を受け付けてもよい。
【0185】
例えば、端末装置10は、手術情報推定モジュール2034において推定された術式の情報、医療資材の情報、これら推定された情報に基づく診療報酬の区分と診療報酬の点数の情報を、ユーザが選択可能にディスプレイ132に表示する。端末装置10は、ユーザから、これら推定された情報および診療報酬の区分の情報を指定する操作を受け付けることにより、術式の情報、医療資材の情報、診療報酬の点数の情報等の入力をユーザから受け付ける。
【0186】
これにより、手術で行った術式と手術で使用した医療資材に関する情報の入力を簡略化することができる。
【0187】
図9は、第1の実施の形態におけるシステム1により、推定した術式の情報について、推定結果を確定させる情報をユーザから受け付け、確定した術式の情報に基づいて医療資材を診療報酬の区分に基づいて分類して表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0188】
ステップS1311において、端末装置10は、手術情報推定モジュール2034が推定した術式の情報について、ユーザから、手術で行った術式の情報であることを確定させる入力操作を受け付け、術式の情報を確定させたことを示す情報をサーバ20に送信する。
【0189】
端末装置10が、推定した術式の情報について推定結果を確定させる情報をユーザから受け付ける方法の詳細はステップS1214と同様の処理となるため、詳細は省略する。サーバ20は、確定した術式の情報と医療資材の情報を手術データベース281に保存する。
【0190】
ステップS1312において、診療報酬点数算出モジュール2033は、手術データベース281から医療資材の情報を取得し、確定した術式の情報に基づいて医療資材に付与される診療報酬の区分を選定する。診療報酬点数算出モジュール2033が医療資材に付与される診療報酬の区分を選定する方法の詳細は、ステップS1012と同様の処理となるため省略する。
【0191】
ステップS1313において、診療報酬点数算出モジュール2033は、確定した術式の情報と医療資材の情報に基づいて、診療報酬を付与可能な医療資材の個数を決定する。診療報酬点数算出モジュール2033が診療報酬を付与可能な医療資材の個数を決定する方法の詳細は、ステップS1013と同様の処理となるため省略する。
【0192】
ステップS1314において、診療報酬点数算出モジュール2033は、診療報酬を付与可能な医療資材の個数に基づいて、当該医療資材に付与される診療報酬の点数を算出する。診療報酬点数算出モジュール2033が当該医療資材に付与される診療報酬の点数を算出する方法の詳細は、ステップS1014と同様の処理となるため省略する。
【0193】
サーバ20は、医療資材に付与される診療報酬の点数と、診療報酬の区分とを、端末装置10に送信する。
【0194】
ステップS1315において、端末装置10は、医療資材に関する情報を診療報酬の区分に基づいて分類して表示する。ステップS1015と同様の処理となるため、詳細は省略する。
【0195】
これにより、医療資材に付与される診療報酬の点数をより正確に算出することができる。
【0196】
図10は、第1の実施の形態におけるシステム1により、推定した術式の情報について、推定結果を確定させる情報をユーザから受け付け、確定した術式の情報に基づいて医療資材に関する未入力の情報または修正を要する情報を推定して表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0197】
ステップS1411において、端末装置10は、手術情報推定モジュール2034が推定した術式の情報について、ユーザから、手術で行った術式の情報であることを確定させる入力操作を受け付け、術式の情報を確定させたことを示す情報をサーバ20に送信する。
【0198】
端末装置10が、推定した術式の情報について推定結果を確定させる情報をユーザから受け付ける方法の詳細はステップS1214と同様の処理となるため、詳細は省略する。サーバ20は、確定した術式の情報と医療資材の情報を手術データベース281に保存する。
【0199】
ステップS1412において、手術情報推定モジュール2034は、確定した術式の情報に基づいて、医療資材に関して未入力の情報または修正を要する情報を推定する。医療資材の情報の推定は、ステップS1212と同様の処理となるため、詳細は省略する。
【0200】
サーバ20は、手術で使用した医療資材を推定した情報を、診療報酬の区分の情報と合わせて、端末装置10に送信する。
【0201】
ステップS1413において、端末装置10は、確定させた術式の情報と、手術で使用した医療資材を推定した情報を、診療報酬の区分の情報と合わせて表示する。ステップS1213と同様の処理となるため、詳細は省略する。
【0202】
ステップS1414において、端末装置10は、手術情報推定モジュール2034が推定した情報について、推定結果を確定させる情報を受け付ける。ステップS1214と同様の処理となるため、詳細は省略する。
【0203】
これにより、使用した医療資材の推定をより簡易に行うことができる。
【0204】
図11は、第1の実施の形態におけるシステム1により、推定した情報から所定の条件に基づいて一部の情報を抽出し、抽出した情報を診療報酬の区分に基づいて分類して表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0205】
ステップS1511において、端末装置10は、手術に関する術式の情報と手術に関する医療資材の情報の入力をユーザから受け付け、その情報をサーバ20に送信する。サーバ20は、端末装置10から、手術に関する術式の情報と医療資材の情報を受け付けて、当該情報を手術データベース281に保存する。ステップS1011と同様の処理となるため、詳細は省略する。
【0206】
ステップS1512において、手術情報推定モジュール2034は、手術データベース281から術式の情報と医療資材の情報を取得し、取得した情報の少なくとも一部に基づいて、未入力の情報または修正を要する情報を推定する。ステップS1212と同様の処理となるため、詳細は省略する。
【0207】
ステップS1513において、推定情報抽出モジュール2035は、推定した情報から所定の条件に基づいて、一部の情報を抽出する。以下、具体的に説明する。
【0208】
推定情報抽出モジュール2035は、サーバ20に記録されたユーザの利用履歴を解析した結果に基づいて、推定した情報から一部の情報を抽出してもよい。
【0209】
推定情報抽出モジュール2035は、手術データベース281から各手術で行った術式、使用した医療資材、疾患、執刀医、手術を行った日時、手術を行った施設などの情報を取得し、その情報を解析した結果に基づいて、推定した情報から一部の情報を抽出してもよい。
【0210】
推定情報抽出モジュール2035は、所定の疾患を対象とした手術に対して実施頻度の高い術式または使用頻度の高い医療資材の情報を解析し、推定した術式の情報または医療資材の情報から一部の情報を抽出してもよい。
【0211】
推定情報抽出モジュール2035は、手術データベース281から今回の手術で治療の対象となる疾患の情報を取得する。例えば、推定情報抽出モジュール2035は、手術データベース281から今回の手術で治療の対象となる疾患が食道がんである旨の情報を取得する。
【0212】
推定情報抽出モジュール2035は、手術データベース281から当該疾患を対象とした全ての手術の情報を取得する。例えば推定情報抽出モジュール2035は、手術データベース281から食道がんを対象とした手術として、100回分の手術の情報を取得する。
【0213】
推定情報抽出モジュール2035は、手術データベース281から取得した手術の情報に基づいて、当該疾患を対象とした手術で行った術式の実施頻度を、術式の種類ごとに算出する。例えば、推定情報抽出モジュール2035は、手術データベース281から取得した手術の情報に基づいて、食道がんを対象とした手術で行った術式の実施頻度を、術式の種類ごとに算出する。一例として、推定情報抽出モジュール2035は、食道がんを対象とした100回の手術について、食道空置バイパス作成術の実施頻度が80回、その他の術式の実施頻度が20回である旨を算出する。
【0214】
推定情報抽出モジュール2035は、手術データベース281から取得した手術の情報に基づいて、当該疾患を対象とした手術で使用した医療資材の使用頻度を、医療資材の種類ごとに算出する。例えば、推定情報抽出モジュール2035は、手術データベース281から取得した手術の情報に基づいて、食道がんを対象とした手術で使用された医療資材の使用頻度を、医療資材の種類ごとに算出する。一例として、推定情報抽出モジュール2035は、食道がんを対象とした100回の手術について、自動縫合器の使用頻度が90回、その他の医療資材の使用頻度が10回である旨を算出する。
【0215】
推定情報抽出モジュール2035は、ステップS1512で推定された複数の術式の情報の中から、当該疾患を対象とした手術で行った頻度の高い術式を、今回の手術で行った可能性が高い術式として抽出する。例えば、推定情報抽出モジュール2035は、ステップS1512で推定された複数の術式の情報の中から、今回の手術で行った可能性の高い術式として、食道空置バイパス作成術を抽出する。
【0216】
推定情報抽出モジュール2035は、ステップS1512で推定された複数の医療資材の情報の中から、当該疾患を対象とした手術で使用された頻度の高い医療資材を、今回の手術で使用した可能性が高い医療資材として抽出する。例えば、推定情報抽出モジュール2035は、ステップS1512で推定された複数の医療資材の情報の中から、今回の手術で使用した可能性の高い医療資材として、自動縫合器を抽出する。
【0217】
推定情報抽出モジュール2035は、推定した情報から一部の情報を抽出するときに、1つの情報のみを抽出してもよいし、複数の情報を抽出してもよい。
【0218】
例えば、推定情報抽出モジュール2035は、所定の疾患を対象とした手術に対して最も実施頻度の高い術式のみを抽出してもよいし、実施頻度が一定以上の複数の術式を抽出してもよい。具体的には、推定情報抽出モジュール2035は、食道がんを対象とした手術に対して、最も実施頻度の高い食道空置バイパス作成術のみを抽出してもよいし、1回以上実施された全ての術式を抽出してもよい。
【0219】
推定情報抽出モジュール2035は、所定の執刀医が行った手術の情報を解析した結果に基づいて、今回の手術で行った可能性の高い術式または使用した可能性の高い医療資材を抽出してもよい。例えば、推定情報抽出モジュール2035は、執刀医Aが食道がんを対象に行った手術の情報を解析した結果に基づいて、今回の手術で行った可能性の高い術式または使用した可能性の高い医療資材を抽出する。
【0220】
推定情報抽出モジュール2035は、所定の施設で行った手術の情報を解析した結果に基づいて、今回の手術で行った可能性の高い術式または使用した可能性の高い医療資材を抽出してもよい。例えば、推定情報抽出モジュール2035は、施設Bで食道がんを対象に行った手術の情報を解析した結果に基づいて、今回の手術で行った可能性の高い術式または使用した可能性の高い医療資材を抽出する。
【0221】
推定情報抽出モジュール2035は、所定の施設群で行った手術の情報を解析した結果に基づいて、今回の手術で行った可能性の高い術式または使用した可能性の高い医療資材を抽出してもよい。例えば、推定情報抽出モジュール2035は、施設群Cで食道がんを対象に行った手術の情報を解析した結果に基づいて、今回の手術で行った可能性の高い術式または使用した可能性の高い医療資材を抽出する。所定の施設群は、例えば系列の病院をグループとしてまとめたものである。
【0222】
推定情報抽出モジュール2035は、所定の期間内に行った手術の情報を解析した結果に基づいて、今回の手術で行った可能性の高い術式または使用した可能性の高い医療資材を抽出してもよい。例えば、推定情報抽出モジュール2035は、食道がんを対象に過去1年間に行った手術の情報を解析した結果に基づいて、今回の手術で行った可能性の高い術式または使用した可能性の高い医療資材を抽出する。
【0223】
推定情報抽出モジュール2035は、今回の手術の対象となる患者と類似した患者を対象とする手術の情報を解析した結果に基づいて、今回の手術で行った可能性の高い術式または使用した可能性の高い医療資材を抽出してもよい。例えば、推定情報抽出モジュール2035は、今回手術を行う患者と年齢差が1歳以内の患者を対象とした手術の情報を解析した結果に基づいて、今回の手術で行った可能性の高い術式または使用した可能性の高い医療資材を抽出する。
【0224】
推定情報抽出モジュール2035は、所定の時間内で手術が完了した手術の情報を解析した結果に基づいて、今回の手術で行った可能性の高い術式または使用した可能性の高い医療資材を抽出してもよい。例えば、推定情報抽出モジュール2035は、4時間以内に手術が完了した食道がんを対象とした手術の情報を解析した結果に基づいて、今回の手術で行った可能性の高い術式または使用した可能性の高い医療資材を抽出する。
【0225】
推定情報抽出モジュール2035は、患者の手術後の状態が所定の条件を満たす手術の情報を解析した結果に基づいて、今回の手術で行った可能性の高い術式または使用した可能性の高い医療資材を抽出してもよい。推定情報抽出モジュール2035は、患者の手術後の状態に対する所定の条件として、患者が退院するまでの期間を使用してもよい。例えば、推定情報抽出モジュール2035は、手術から2週間以内に患者が退院した手術の情報を解析した結果に基づいて、今回の手術で行った可能性の高い術式または使用した可能性の高い医療資材を抽出する。
【0226】
推定情報抽出モジュール2035は、付与される診療報酬の点数が所定の点数以上の手術の情報を解析した結果に基づいて、今回の手術で行った可能性の高い術式または使用した可能性の高い医療資材を抽出してもよい。例えば、推定情報抽出モジュール2035は、付与される診療報酬の点数が100,000点以上の手術の情報を解析した結果に基づいて、今回の手術で行った可能性の高い術式または使用した可能性の高い医療資材を抽出する。
【0227】
推定情報抽出モジュール2035は、手術を行う執刀医の情報に基づいて、一部の情報を抽出してもよい。
【0228】
例えば、推定情報抽出モジュール2035は、各執刀医に対して事前に関連づけられた術式の情報または医療資材の情報に基づいて、今回の手術で行った可能性の高い術式または使用した可能性の高い医療資材を抽出する。
【0229】
推定情報抽出モジュール2035は、自院が保有する医療資材の情報に基づいて、一部の情報を抽出してもよい。
【0230】
推定情報抽出モジュール2035は、自院に設置した図示しない医療資材管理システム等から自院が保有する医療資材の情報を取得し、取得した情報に基づいて手術で使用した可能性の高い医療資材を抽出する。
【0231】
推定情報抽出モジュール2035は、自院が保有する医療資材の情報に基づいて、推定した医療資材の情報の中から使用した可能性の高い医療資材を抽出してもよい。例えば、推定情報抽出モジュール2035は、自動縫合器が医療資材管理システムに登録されている場合に、手術で使用した可能性の高い医療資材として抽出する。
【0232】
推定情報抽出モジュール2035は、当該手術の前後で在庫数が変化した医療資材の情報に基づいて、推定した医療資材の情報の中から使用した可能性の高い医療資材を抽出してもよい。例えば、推定情報抽出モジュール2035は、当該手術の前後で医療資材管理システムに登録された自動縫合器の在庫数が3個以上減少している場合に、手術で使用した可能性の高い医療資材として抽出する。
【0233】
サーバ20は、推定情報抽出モジュール2035が抽出した情報を、当該術式および当該医療資材に付与される診療報酬の区分の情報と合わせて、端末装置10に送信する。
【0234】
ステップS1514において、端末装置10は、推定情報抽出モジュール2035が抽出した情報を、診療報酬の区分の情報と合わせて表示する。ステップS1015と同様の処理となるため、詳細は省略する。
【0235】
端末装置10は、推定情報抽出モジュール2035が抽出した情報を、所定の条件で並べ替えて表示してもよい。例えば、端末装置10は、推定情報抽出モジュール2035が抽出した術式の情報を、今回の手術で行った可能性の高い順に並べ替えて変更する。具体的には、端末装置10は、抽出した術式の情報のうち、今回の手術で行った可能性が高い術式として、食道空置バイパス作成術を一番上に表示してもよい。
【0236】
端末装置10は、推定情報抽出モジュール2035が抽出した情報について、推定結果を確定させる情報を受け付けてもよい。ステップS1214と同様の処理となるため、詳細は省略する。
【0237】
これにより、システムが推定した術式または医療資材の情報の中から、適切な術式または医療資材の選択を効率的に行うことができる。
【0238】
図12は、第1の実施の形態におけるシステム1により、術式の情報と医療資材の情報をユーザから受け付け、術式の情報と紐づけて医療資材の候補を作成して表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0239】
ステップS1611において、端末装置10は、手術に関する術式の情報と手術に関する医療資材の情報の入力をユーザから受け付け、その情報をサーバ20に送信する。サーバ20は、端末装置10から、手術に関する術式の情報と医療資材の情報を受け付けて、当該情報を手術データベース281に保存する。ステップS1011と同様の処理となるため、詳細は省略する。
【0240】
ステップS1612において、医療資材候補作成モジュール2036は、手術データベース281から術式の情報と医療資材の情報を取得し、取得した情報の少なくとも一部に基づいて、手術に使用する医療資材の候補を作成する。以下、具体的に説明する。
【0241】
医療資材候補作成モジュール2036は、ステップS1611で受け付けた医療資材の情報を手術に使用する医療資材の候補として設定してもよい。例えば、医療資材候補作成モジュール2036は、ステップS1611で自動縫合器を3個使用する旨の情報を受け付け、当該自動縫合器3個を手術に使用する医療資材の候補として設定する。
【0242】
医療資材候補作成モジュール2036は、ステップS1611で受け付けた術式の情報と医療資材の情報との少なくとも一部の情報から手術に使用する医療資材を推定し、推定した医療資材の情報に基づいて医療資材の候補を作成してもよい。医療資材候補作成モジュール2036が医療資材を推定する方法は、ステップS1212と類似の処理となるため、詳細は省略する。
【0243】
医療資材候補作成モジュール2036は、ステップS1611で受け付けた術式の情報に基づいて、手術に使用する所定の医療資材の数量を推定し、推定した医療資材の数量の情報に基づいて医療資材の候補を作成してもよい。
【0244】
医療資材候補作成モジュール2036は、ステップS1611で受け付けた術式の情報に基づいて、各医療資材に対して診療報酬を付与可能な上限個数を取得する。医療資材候補作成モジュール2036は、取得した上限個数の情報に基づいて医療資材の候補を作成してもよい。例えば、医療資材候補作成モジュール2036は、術式の情報として食道空置バイパス作成術を受け付け、食道空置バイパス作成術を行った場合に診療報酬を付与可能な上限個数である自動縫合器4個を、手術で使用する医療資材の候補として設定する。
【0245】
医療資材候補作成モジュール2036は、ユーザの利用履歴を解析した結果に基づいて、医療資材の候補を作成する。以下、具体的に説明する。
【0246】
医療資材候補作成モジュール2036は、手術データベース281から各手術で行った術式、使用した医療資材、疾患、執刀医、手術を行った日時、手術を行った施設などの情報を取得し、その情報を解析した結果に基づいて、医療資材の候補を作成してもよい。
【0247】
医療資材候補作成モジュール2036は、所定の疾患を対象とした手術に対して使用頻度の高い医療資材の情報を解析し、手術に使用する医療資材の候補を作成してもよい。
【0248】
医療資材候補作成モジュール2036は、手術データベース281から今回の手術で治療の対象となる疾患の情報を取得する。例えば、医療資材候補作成モジュール2036は、手術データベース281から今回の手術で治療の対象となる疾患が食道がんである旨の情報を取得する。
【0249】
医療資材候補作成モジュール2036は、手術データベース281から当該疾患を対象とした全ての手術の情報を取得する。例えば、医療資材候補作成モジュール2036は、手術データベース281から食道がんを対象とした手術として、100回分の手術の情報を取得する。
【0250】
医療資材候補作成モジュール2036は、当該疾患を対象とした手術で使用された頻度の高い医療資材および使用個数を、医療資材の候補として設定する。
【0251】
例えば、医療資材候補作成モジュール2036は、手術データベース281から取得した手術の情報に基づいて、食道がんを対象とした手術で使用された医療資材の使用頻度を、医療資材の種類ごとに算出する。具体的には、医療資材候補作成モジュール2036は、食道がんを対象とした100回の手術について、自動縫合器の使用頻度が90回、その他の医療資材の使用頻度が10回である旨を算出する。
【0252】
さらに、医療資材候補作成モジュール2036は、手術データベース281から取得した手術の情報に基づいて、食道がんを対象とした手術で使用された医療資材の使用個数を、各回の手術ごとに算出する。具体的には、医療資材候補作成モジュール2036は、食道がんを対象とした100回の手術について、自動縫合器の使用個数が4個である手術が70回、使用個数が3個以下である手術が20回である旨を算出する。
【0253】
医療資材候補作成モジュール2036は、当該疾患を対象とした手術で使用される頻度の高い医療資材の種類および使用個数に基づいて、手術で使用する医療資材の候補を作成する。例えば、医療資材候補作成モジュール2036は、食道がんを対象とした100回の手術のうち自動縫合器の使用個数が4個である手術が70回であるという情報に基づいて、自動縫合器4個を医療資材の候補として設定する。
【0254】
医療資材候補作成モジュール2036は、医療資材の候補を作成するときに、医療資材の種類のみを設定してもよいし、医療資材の種類と個数の両方を設定してもよい。
【0255】
例えば、医療資材候補作成モジュール2036は、食道がんを対象とした手術に対して、自動縫合器を使用する旨のみを医療資材の候補として設定してもよいし、自動縫合器を4個使用する旨を医療資材の候補として設定してもよい。
【0256】
医療資材候補作成モジュール2036は、所定の執刀医が行った手術の情報を解析した結果に基づいて、手術で使用する医療資材の候補を作成してもよい。例えば、医療資材候補作成モジュール2036は、執刀医Aが食道がんを対象に行った手術の情報を解析した結果に基づいて、手術で使用する医療資材の候補を作成する。
【0257】
医療資材候補作成モジュール2036は、所定の施設で行った手術の情報を解析した結果に基づいて、手術で使用する医療資材の候補を作成してもよい。例えば、医療資材候補作成モジュール2036は、施設Bで食道がんを対象に行った手術の情報を解析した結果に基づいて、手術で使用する医療資材の候補を作成する。
【0258】
医療資材候補作成モジュール2036は、所定の施設群で行った手術の情報を解析した結果に基づいて、手術で使用する医療資材の候補を作成してもよい。例えば、医療資材候補作成モジュール2036は、施設群Cで食道がんを対象に行った手術の情報を解析した結果に基づいて、手術で使用する医療資材の候補を作成する。所定の施設群は、例えば系列の病院をグループとしてまとめたものである。
【0259】
医療資材候補作成モジュール2036は、所定の期間内に行った手術の情報を解析した結果に基づいて、手術で使用する医療資材の候補を作成してもよい。例えば、医療資材候補作成モジュール2036は、食道がんを対象に過去1年間に行った手術の情報を解析した結果に基づいて、手術で使用する医療資材の候補を作成する。
【0260】
医療資材候補作成モジュール2036は、今回の手術の対象となる患者と類似した患者を対象とする手術の情報を解析した結果に基づいて、手術で使用する医療資材の候補を作成してもよい。例えば、医療資材候補作成モジュール2036は、今回手術を行う患者と年齢差が1歳以内の患者を対象とした手術の情報を解析した結果に基づいて、手術で使用する医療資材の候補を作成する。
【0261】
医療資材候補作成モジュール2036は、所定の時間内で手術が完了した手術の情報を解析した結果に基づいて、手術で使用する医療資材の候補を作成してもよい。例えば、医療資材候補作成モジュール2036は、4時間以内に手術が完了した食道がんを対象とした手術の情報を解析した結果に基づいて、手術で使用する医療資材の候補を作成する。
【0262】
医療資材候補作成モジュール2036は、患者の手術後の状態が所定の条件を満たす手術の情報を解析した結果に基づいて、手術で使用する医療資材の候補を作成してもよい。患者の手術後の状態は、例えば患者が退院するまでの期間などを使用する。例えば、医療資材候補作成モジュール2036は、手術から2週間以内に患者が退院した手術の情報を解析した結果に基づいて、手術で使用する医療資材の候補を作成する。
【0263】
医療資材候補作成モジュール2036は、付与される診療報酬の点数が所定の点数以上の手術の情報を解析した結果に基づいて、手術で使用する医療資材の候補を作成してもよい。例えば、医療資材候補作成モジュール2036は、付与される診療報酬の点数が100,000点以上の手術の情報を解析した結果に基づいて、手術で使用する医療資材の候補を作成する。
【0264】
医療資材候補作成モジュール2036は、手術を担当する医師の情報に基づいて、医療資材の候補を作成してもよい。
【0265】
例えば、医療資材候補作成モジュール2036は、各執刀医に対して事前に関連づけられた術式の情報および医療資材の情報に基づいて、今回の手術で使用する医療資材の候補を作成する。
【0266】
医療資材候補作成モジュール2036は、自院が保有する医療資材の情報に基づいて、医療資材の候補を作成してもよい。
【0267】
例えば、医療資材候補作成モジュール2036は、自院で保有する医療資材の情報に基づいて今回の手術で使用する可能性の高い医療資材を抽出し、抽出した医療資材の情報に基づいて医療資材の候補を作成する。
【0268】
サーバ20は、医療資材候補作成モジュール2036が作成した医療資材の候補を、端末装置10に送信する。
【0269】
ステップS1613において、端末装置10は、手術で行う術式の情報と紐づけて、手術に使用する医療資材の候補を表示する。
【0270】
ステップS1614において、端末装置10は、医療資材候補作成モジュール2036が作成した医療資材の候補について、手術で使用する医療資材を確定させる情報を受け付ける。
【0271】
端末装置10は、医療資材候補作成モジュール2036が作成した医療資材の候補に関する情報を表示し、その中の一部を手術で使用する医療資材の情報として新たにユーザから入力を受け付けてもよい。
【0272】
例えば、端末装置10は、医療資材候補作成モジュール2036において作成された医療資材の候補の情報を、ユーザが選択可能にディスプレイ132に表示する。端末装置10は、ユーザから、手術で使用する医療資材の情報を指定する操作を受け付けることにより、手術で使用する医療資材の情報の入力をユーザから受け付ける。
【0273】
これにより、手術に必要な医療資材の情報を効率的に管理することができる。
【0274】
図13は、第1の実施の形態におけるシステム1により、受け付けた情報が所定の条件を満たす場合に、ユーザに対して受け付けた情報に関する警告を表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0275】
ステップS1711において、端末装置10は、手術に関する術式の情報と手術に関する医療資材の情報の入力をユーザから受け付け、その情報をサーバ20に送信する。サーバ20は、端末装置10から、手術に関する術式の情報と医療資材の情報を受け付けて、当該情報を手術データベース281に保存する。ステップS1011と同様の処理となるため、詳細は省略する。
【0276】
ステップS1712において、手術情報警告モジュール2037は、手術データベース281から術式の情報と医療資材の情報を取得し、所定の条件に基づいて、ステップS1711で入力を受け付けた情報に関する内容をユーザに警告するかどうかを判定する。以下、具体的に説明する。
【0277】
手術情報警告モジュール2037は、所定の条件としてステップS1711で入力を受け付けた情報の組み合わせに関する情報を使用して、ユーザに警告するかどうかを判定してもよい。
【0278】
手術情報警告モジュール2037は、ステップS1711で入力を受け付けた情報に、同時に診療報酬の点数を付与することができない複数の情報が含まれる場合に、ユーザに警告すると判定してもよい。
【0279】
例えば、手術情報警告モジュール2037は、受け付けた情報に、診療報酬を同時に付与することができない術式と医療資材の両方が含まれる場合に、ユーザに警告すると判定する。
【0280】
手術情報警告モジュール2037は、手術データベース281から取得した、手術で行った術式の情報に基づいて、術式データベース282の項目「関連する医療資材」の情報を参照することにより、当該術式と当該医療資材が診療報酬を同時に付与できるか否かを判定する。手術情報警告モジュール2037は、当該術式と当該医療資材が診療報酬を同時に付与できないと判定した場合に、ユーザに警告すると判定する。
【0281】
同様に、手術情報警告モジュール2037は、受け付けた情報に、診療報酬を同時に付与することができない複数の術式が含まれる場合に、ユーザに警告すると判定してもよい。あるいは、手術情報警告モジュール2037は、受け付けた情報に、診療報酬を同時に付与することができない複数の医療資材が含まれる場合に、ユーザに警告すると判定してもよい。
【0282】
手術情報警告モジュール2037は、所定の条件として医療資材の数量に関する情報を使用して、ユーザに警告するかどうかを判定してもよい。
【0283】
例えば、手術情報警告モジュール2037は、該当する医療資材に対して、術式により決定される診療報酬を付与可能な上限個数と、手術データベース281から取得した、手術で使用した医療資材の個数が一致しない場合にユーザに警告すると判定してもよい。
【0284】
手術情報警告モジュール2037は、当該手術で使用した自動縫合器に対して付与可能な診療報酬の上限個数が4個であるのに対して、手術で使用した自動縫合器の個数が3個の場合にユーザに警告すると判定してもよい。手術情報警告モジュール2037は、当該手術で使用した自動縫合器に対して付与可能な診療報酬の上限個数が4個であるのに対して、手術で使用した自動縫合器の個数が5個の場合にユーザに警告すると判定してもよい。
【0285】
例えば、手術情報警告モジュール2037は、該当する医療資材に対して、手術前に作成した医療資材の候補に含まれる個数と、手術データベース281から取得した、手術で使用した医療資材の個数が一致しない場合にユーザに警告すると判定してもよい。
【0286】
手術情報警告モジュール2037は、手術前に作成した医療資材の候補に含まれる自動縫合器の個数が4個であるのに対して、手術で使用した自動縫合器の個数が3個の場合にユーザに警告すると判定してもよい。
【0287】
手術情報警告モジュール2037は、所定の条件として医療資材の利用状況に関する情報を使用して、ユーザに警告するかどうかを判定してもよい。
【0288】
手術情報警告モジュール2037は、図示しない医療資材管理システムを参照することで、ステップS1711で入力を受け付けた情報にメンテナンスが必要な医療資材が含まれるか否かを判定し、メンテナンスが必要な医療資材が含まれる場合に、ユーザに警告すると判定してもよい。例えば、手術情報警告モジュール2037は、使用回数が所定の回数または期間を超えた医療資材の情報を受け付けた場合に、ユーザに警告すると判定してもよい。
【0289】
手術情報警告モジュール2037は、手術データベース281から当該医療資材を使用した手術の情報を取得し、当該医療資材を使用した回数を取得してもよい。手術情報警告モジュール2037は、手術データベース281から当該医療資材を使用した手術の情報を取得し、当該医療資材を使用している期間を取得してもよい。手術情報警告モジュール2037は、当該医療資材の使用回数や使用期間を、図示しない医療資材の管理システムなどから取得してもよい。
【0290】
手術情報警告モジュール2037は、ステップS1711で入力を受け付けた情報に在庫の補充が必要な医療資材が含まれる場合に、ユーザに警告すると判定してもよい。例えば、手術情報警告モジュール2037は、図示しない医療資材の管理システムなどから当該医療資材の在庫に関する情報を取得し、在庫数が所定量より少ない医療資材の情報を受け付けた場合に、ユーザに警告すると判定してもよい。
【0291】
手術情報警告モジュール2037は、所定の条件としてユーザの利用履歴を解析した結果に関する情報を使用して、ユーザに警告するかどうかを判定してもよい。
【0292】
手術情報警告モジュール2037は、手術データベース281から各手術で行った術式、使用した医療資材、疾患、執刀医、手術を行った日時、手術を行った施設などの情報を取得し、その情報を解析した結果に基づいて、ユーザに警告すると判定してもよい。
【0293】
手術情報警告モジュール2037は、所定の疾患を対象とした手術に対して実施頻度の低い術式または使用頻度の低い医療資材の情報を解析し、ユーザに警告すると判定してもよい。
【0294】
手術情報警告モジュール2037は、手術データベース281から今回の手術で治療の対象となる疾患の情報を取得する。例えば、手術情報警告モジュール2037は、手術データベース281から今回の手術で治療の対象となる疾患が食道がんである旨の情報を取得する。
【0295】
手術情報警告モジュール2037は、手術データベース281から当該疾患を対象とした全ての手術の情報を取得する。例えば、手術情報警告モジュール2037は、手術データベース281から食道がんを対象とした100回の手術の情報を取得する。
【0296】
手術情報警告モジュール2037は、手術データベース281から取得した手術の情報に基づいて、当該疾患を対象とした手術で行った術式の実施頻度を、術式の種類ごとに算出する。例えば、手術情報警告モジュール2037は、食道がんを対象とした100回の手術について、食道空置バイパス作成術の実施頻度が80回、その他の術式の実施頻度が20回である旨を算出する。
【0297】
手術情報警告モジュール2037は、手術データベース281から取得した手術の情報に基づいて、当該疾患を対象とした手術で使用した医療資材の使用頻度を、医療資材の種類ごとに算出する。例えば、手術情報警告モジュール2037は、食道がんを対象とした100回の手術について、自動縫合器の使用頻度が90回、その他の医療資材の使用頻度が10回である旨を算出する。
【0298】
手術情報警告モジュール2037は、警告の対象となる術式および医療資材を決定する閾値を設定する。例えば、手術情報警告モジュール2037は、警告の対象となる術式および医療資材を決定する所定の値として、100回の手術のうち50%である50回とする。
【0299】
手術情報警告モジュール2037は、当該疾患を対象とした手術で行った頻度が閾値を下回る術式を、今回の手術で行った可能性が低い術式として警告の対象に設定する。例えば、手術情報警告モジュール2037は、100回の手術のうち50回以上行われた食道空置バイパス作成術以外の術式を、今回の手術で行った可能性が低い術式として警告の対象に設定する。
【0300】
手術情報警告モジュール2037は、当該疾患を対象とした手術で使用された頻度が所定の値を下回る医療資材を、今回の手術で使用した可能性が低い医療資材として警告の対象に設定する。例えば、手術情報警告モジュール2037は、100回の手術のうち50回以上使用された自動縫合器以外の医療資材を、今回の手術で使用した可能性が低い術式として警告の対象に設定する。
【0301】
手術情報警告モジュール2037は、手術データベース281から取得した手術の情報に警告の対象となる術式が含まれる場合に、ユーザに警告すると判定する。例えば、手術情報警告モジュール2037は、手術データベース281から取得した手術の情報に胃局所切除術が含まれる場合に、今回の手術で使用した可能性が低い術式としてユーザに警告すると判定する。
【0302】
手術情報警告モジュール2037は、手術データベース281から取得した医療資材の情報に警告の対象となる医療資材が含まれる場合に、ユーザに警告すると判定する。例えば、手術情報警告モジュール2037は、手術データベース281から取得した手術の情報に自動吻合器が含まれる場合に、今回の手術で使用した可能性が低い医療資材としてユーザに警告すると判定する。
【0303】
手術情報警告モジュール2037は、警告の対象となる術式および医療資材を決定する閾値を、術式と医療資材とで異なる値を設定してもよい。例えば、手術情報警告モジュール2037は、警告の対象となる術式を決定する閾値を全体の手術回数の80%、警告の対象となる医療資材を決定する閾値を全体の手術回数の50%と設定してもよい。
【0304】
手術情報警告モジュール2037は、警告の対象となる術式および医療資材を決定する所定の値を複数設定し、どの値を下回ったかに応じて警告の内容を変更してもよい。例えば、手術情報警告モジュール2037は、警告の対象となる術式を決定する閾値として、50回と1回の2つの閾値を設定する。手術情報警告モジュール2037は、S1711で受け付けた術式を行った頻度が30回の場合には当該術式は実施される頻度が低い旨の警告をし、行った頻度が0回の場合には当該術式は一度も行われたことがない旨の警告をしてもよい。
【0305】
手術情報警告モジュール2037は、所定の執刀医が行った手術の情報を解析した結果に基づいて、ユーザに警告すると判定してもよい。例えば、手術情報警告モジュール2037は、執刀医Aが食道がんを対象に行った手術の情報を解析した結果に基づいて、ユーザに警告すると判定する。
【0306】
手術情報警告モジュール2037は、所定の施設で行った手術の情報を解析した結果に基づいて、ユーザに警告すると判定してもよい。例えば、手術情報警告モジュール2037は、施設Bで食道がんを対象に行った手術の情報を解析した結果に基づいて、ユーザに警告すると判定する。
【0307】
手術情報警告モジュール2037は、所定の施設群で行った手術の情報を解析した結果に基づいて、ユーザに警告すると判定してもよい。例えば、手術情報警告モジュール2037は、施設群Cで食道がんを対象に行った手術の情報を解析した結果に基づいて、ユーザに警告すると判定する。所定の施設群は、例えば系列の病院をグループとしてまとめたものである。
【0308】
手術情報警告モジュール2037は、所定の期間内に行った手術の情報を解析した結果に基づいて、ユーザに警告すると判定してもよい。例えば、手術情報警告モジュール2037は、食道がんを対象に過去1年間に行った手術の情報を解析した結果に基づいて、ユーザに警告すると判定する。
【0309】
手術情報警告モジュール2037は、今回の手術の対象となる患者と類似した患者を対象とする手術の情報を解析した結果に基づいて、ユーザに警告すると判定してもよい。例えば、手術情報警告モジュール2037は、今回手術を行う患者と年齢差が1歳以内の患者を対象とした手術の情報を解析した結果に基づいて、ユーザに警告すると判定する。
【0310】
手術情報警告モジュール2037は、所定の時間内で手術が完了した手術の情報を解析した結果に基づいて、ユーザに警告すると判定してもよい。例えば、手術情報警告モジュール2037は、4時間以内に手術が完了した食道がんを対象とした手術の情報を解析した結果に基づいて、ユーザに警告すると判定する。
【0311】
手術情報警告モジュール2037は、患者の手術後の状態が所定の条件を満たす手術の情報を解析した結果に基づいて、ユーザに警告すると判定してもよい。患者の手術後の状態は、例えば患者が退院するまでの期間などを使用する。例えば、手術情報警告モジュール2037は、手術から2週間以内に患者が退院した手術の情報を解析した結果に基づいて、ユーザに警告すると判定する。
【0312】
手術情報警告モジュール2037は、付与される診療報酬の点数が所定の点数以上の手術の情報を解析した結果に基づいて、ユーザに警告すると判定してもよい。例えば、手術情報警告モジュール2037は、付与される診療報酬の点数が100,000点以上の手術の情報を解析した結果に基づいて、ユーザに警告すると判定する。
【0313】
サーバ20は、手術情報警告モジュール2037がユーザに警告すると判定した場合に、ユーザに警告する内容を端末装置10に送信する。例えば、ユーザに警告する内容は、術式または医療資材について受け付けた情報の修正を求める内容でもよい。
【0314】
ステップS1713において、端末装置10は、ステップS1711で受け付けた術式の情報または医療資材に関する情報を診療報酬の区分に基づいて分類して表示するタイミングで、受け付けた情報に関する警告を表示する。
【0315】
例えば、端末装置10は、執刀医Aが食道がんに対して高頻度で行う術式と異なる術式の入力を受け付けている旨の警告を表示する。
【0316】
ステップS1714において、端末装置10は、警告に関する情報について、ステップS1711で受け付けた情報を変更する情報をユーザから受け付ける。
【0317】
例えば、端末装置10は、執刀医Aが食道がんに対して高頻度で行う術式と異なる術式を受け付けている旨の警告に対して、ステップS1711で受け付けた術式の情報を変更する入力を受け付ける。
【0318】
これにより、手術に付与可能な診療報酬の点数の計算および医療資材の管理を効率的に行うことができる。
【0319】
<4 画面例>
図14および
図15は、端末装置10の画面例を示す図である。
【0320】
図14の画面例(A)は、第1の実施の形態に係る端末装置10において、手術に関連して付与される診療報酬の点数を管理する局面を示す図である。画面例(A)に示すように、端末装置10は、ディスプレイ132に手術に関連して付与される診療報酬の点数の管理画面133Aを表示し、ユーザから手術で行った術式の情報および手術で使用した医療資材の情報の入力を受け付ける。
【0321】
端末装置10は、手術で行った術式の情報および手術で使用した医療資材の情報について、ユーザの入力によって確定した情報と、手術情報推定モジュール2034が推定した情報の両方を表示してもよい。端末装置10は、手術情報推定モジュール2034が推定した情報に対してユーザから入力操作を受け付けることで、手術情報推定モジュール2034が推定した情報を確定した情報に変更してもよい。端末装置10は、手術情報推定モジュール2034が推定した情報に対してユーザから入力操作を受け付けることで、手術情報推定モジュール2034が推定した情報を変更あるいは削除してもよい。
【0322】
端末装置10は、手術で使用した医療資材に関する情報として、診療報酬の点数を付与できる上限個数の情報およびユーザから入力を受け付けた医療資材の個数の情報を、手術に関連して付与される診療報酬の点数の管理画面133Aに含めてもよい。
【0323】
端末装置10は、手術に関連して付与される診療報酬の点数の管理画面133Aに図示していない内容を含めてもよい。例えば、端末装置10は、患者に関する情報を管理画面133Aに含めてもよい。
【0324】
図15の画面例(B)は、第1の実施の形態に係る端末装置10において、手術に使用する医療資材の候補を管理する局面を示す図である。画面例(B)に示すように、端末装置10は、ディスプレイ132に手術に使用する医療資材の候補の管理画面133Bを表示し、手術で行う術式の情報を表示し、および、手術で使用する医療資材の候補を修正または確定する入力などを受け付ける。
【0325】
端末装置10は、手術に使用する医療資材の候補の管理画面133Bに図示していない内容を含めてもよい。例えば、端末装置10は、表示された医療資材を使用した場合に付与可能な診療報酬の点数を、手術に使用する医療資材の候補の管理画面133Bに含めてもよい。
【0326】
図15の画面例(C)は、第1の実施の形態に係る端末装置10において、受け付けた情報に対してユーザに警告する局面を示す図である。画面例(C)に示すように、端末装置10は、ディスプレイ132にユーザに警告する画面133Cを表示し、ユーザから受け付けた医療資材の数量の変更に関する入力などを受け付ける。
【0327】
端末装置10は、ユーザに警告する画面133Cに図示していない内容を含めてもよい。例えば、端末装置10は、手術を行った執刀医の情報を、ユーザに警告する画面133Cに含めてもよい。
【0328】
<小括>
以上のように、本開示によると、手術を行った際に請求可能な診療報酬の計算をより正確に行うことが可能となる。
【0329】
<5 付記>
以上の各実施の形態で説明した事項を以下に付記する。
【0330】
(付記1)プロセッサを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、手術に関する術式の情報と、当該手術に関する医療資材の情報とを受け付けるステップ(S1011)と、術式の情報に基づいて、医療資材に付与される診療報酬の区分を選定するステップ(S1012)と、医療資材に関する情報を、選定される診療報酬の区分に基づいて分類して表示するステップ(S1015)と、を実行させるプログラム。
【0331】
(付記2)受け付けるステップは、医療資材の情報として、医薬品、医療材料、医療機器の少なくともいずれかの情報を受け付け、表示するステップは、医療資材に関する情報を、選定される前記診療報酬の区分に基づいて分類して表示する、(付記1)に記載のプログラム。
【0332】
(付記3)プログラムは、プロセッサに、さらに、術式の情報と医療資材の情報に基づいて、診療報酬を付与可能な医療資材の個数を決定するステップ(S1013)と、診療報酬を付与可能な医療資材の個数に基づいて、医療資材に付与される診療報酬の点数を算出するステップ(S1014)を実行し、表示するステップは、医療資材に関する情報として、診療報酬を付与可能な医療資材の個数と、医療資材に付与される診療報酬の点数を表示する、(付記2)に記載のプログラム。
【0333】
(付記4)受け付けるステップは、手術に関する術式の情報として2種類以上の術式の情報を受け付け、プログラムは、プロセッサに、さらに、術式の情報に基づいて主たる手術と従たる手術とを選択するステップ(S1112)を実行し、表示するステップは、術式に関する情報を、主たる手術と、従たる手術と、に分類して表示する(S1114)、(付記3)に記載のプログラム。
【0334】
(付記5)プログラムは、プロセッサに、さらに、術式の情報と医療資材の情報の少なくともいずれかの情報を推定するステップを実行させ、推定するステップは、受け付けるステップで受け付けた情報の少なくとも一部に基づいて、未入力の情報または修正を要する情報を推定する(S1212)、(付記4)に記載のプログラム。
【0335】
(付記6)表示するステップは、推定するステップが推定した未入力の情報または修正を要する情報を、診療報酬の区分に基づいて分類して表示する(S1213)、(付記5)に記載のプログラム。
【0336】
(付記7)受け付けるステップは、推定するステップが推定した術式の情報について、推定結果を確定させる情報を受け付け(S1311)、選定するステップは、確定した術式の情報に基づいて、医療資材に付与される診療報酬の区分を選定する(S1312)、(付記5)に記載のプログラム。
【0337】
(付記8)受け付けるステップは、推定するステップが推定した術式の情報について、推定結果を確定させる情報を受け付け(S1311)、決定するステップは、確定した術式の情報と医療資材の情報に基づいて、診療報酬を付与可能な医療資材の個数を決定する(S1313)、(付記5)に記載のプログラム。
【0338】
(付記9)受け付けるステップは、推定するステップが推定した術式の情報について、推定結果を確定させる情報を受け付け(S1411)、推定するステップは、確定した術式の情報に基づいて、医療資材に関して未入力の情報または修正を要する情報を推定する(S1412)、(付記5)に記載のプログラム。
【0339】
(付記10)プログラムは、プロセッサに、さらに、推定するステップで推定した情報から所定の条件に基づいて一部の情報を抽出するステップを実行させ(S1513)、表示するステップは、抽出した情報を、前記診療報酬の区分に基づいて分類して表示する(S1514)、(付記5)に記載のプログラム。
【0340】
(付記11)抽出するステップは、ユーザの利用履歴を解析した結果に基づいて一部の情報を抽出する、(付記10)に記載のプログラム。
【0341】
(付記12)抽出するステップは、手術を担当する医師の情報に基づいて一部の情報を抽出する、(付記10)に記載のプログラム。
【0342】
(付記13)抽出するステップは、自院が保有する医療資材の情報に基づいて一部の情報を抽出する、(付記10)に記載のプログラム。
【0343】
(付記14)プログラムは、プロセッサに、さらに、手術で使用する医療資材の候補を作成するステップを実行させ、作成するステップは、受け付けるステップで受け付けた情報の少なくとも一部に基づいて、術式の情報と紐づけて医療資材の候補を作成する(S1612)、(付記4)に記載のプログラム。
【0344】
(付記15)作成するステップは、ユーザの利用履歴を解析した結果に基づいて医療資材の候補を作成する、(付記14)に記載のプログラム。
【0345】
(付記16)作成するステップは、手術を担当する医師の情報に基づいて医療資材の候補を作成する、(付記14)に記載のプログラム。
【0346】
(付記17)作成するステップは、自院が保有する医療資材の情報に基づいて医療資材の候補を作成する、(付記14)に記載のプログラム。
【0347】
(付記18)プログラムは、プロセッサに、さらに、受け付けるステップで受け付けた情報が所定の条件を満たす場合に(S1712)ユーザに警告するステップを実行させ、警告するステップは、表示するステップが、術式の情報または医療資材に関する情報を診療報酬の区分に基づいて分類して表示するタイミングで、前記受け付けた情報に関する内容をユーザに警告する(S1713)、(付記4)に記載のプログラム。
【0348】
(付記19)警告するステップは、前記所定の条件として前記受け付けた情報の組み合わせに関する情報を使用する、(付記18)に記載のプログラム。
【0349】
(付記20)警告するステップは、前記所定の条件として前記医療資材の数量に関する情報を使用する、(付記18)に記載のプログラム。
【0350】
(付記21)警告するステップは、前記所定の条件として医療資材の利用状況に関する情報を使用する、(付記18)に記載のプログラム。
【0351】
(付記22)警告するステップは、前記所定の条件としてユーザの利用履歴を解析した結果に関する情報を使用する、(付記18)に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0352】
10 端末装置、20 サーバ、80 ネットワーク、181 入力操作受付部、186 通知制御部、2033 診療報酬点数算出モジュール