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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121553
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】箒
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/52 20060101AFI20220812BHJP
   A47L 13/38 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
A47L13/52 101
A47L13/38 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103463
(22)【出願日】2022-06-28
(62)【分割の表示】P 2018164965の分割
【原出願日】2018-09-03
(71)【出願人】
【識別番号】000178583
【氏名又は名称】山崎産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095522
【弁理士】
【氏名又は名称】高良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】中井 吾郎
(57)【要約】
【課題】 箒が嵌合した状態で家電の側面部、家具と壁の間隙、机の側部等に配置して手軽に使用できる箒付きチリトリの提供。
【解決手段】
溝状部E1を有する塵取柄部Eに塵取本体部Fが連続状に結合している。塵取本体部Fの掃込縁部F1の上側に、背面側へ窪んだ塵受部F2を有する。塵取柄部Eと塵取本体部Fの正面側は一定の垂直面に沿い、塵受部F2は上下方向中間部に最深部Faを有し、掃込縁部F1の幅は塵取柄部Eの約3.5倍、最深部Faの位置の正面-背面方向寸法は塵取柄部Eの約2.5倍、最深部Faの背面の左右幅は塵取柄部Eの約0.8倍で最深部Faの位置の塵受部F2の幅の約3分の1である。箒Jは、溝状部E1及び嵌合塵取本体部Fにそれぞれ箒柄部K及び箒J刷毛部L1が嵌合してチリトリDに保持され、箒柄部K及び保持基部Lに設けられた永久磁石部Mで鉄系垂直面等に磁気吸着する。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面側に開口する上下方向の溝状部を下端から上方にわたり有する塵取柄部の下端部に塵取本体部の基部である上端部が結合してなるチリトリと、箒柄部の下端部に箒刷毛部の基部である上端部が結合し、永久磁石部を備えた箒を有してなり、
前記箒は、前記チリトリの溝状部に前記箒柄部が嵌合すると共に、前記チリトリの塵取本体部に前記箒刷毛部が嵌合し、正面側に前記永久磁石部が位置する状態で、前記チリトリに保持され得、
前記永久磁石部が磁気吸着可能な垂直状面等に磁気吸着することにより、前記箒及びその箒を保持するチリトリが前記垂直状面等に保持され得ることを特徴とする箒付きチリトリ。
【請求項2】
上記箒の箒柄部の側方に使用者の指を掛ける凹部を有し、
前記箒が、上記チリトリの溝状部に上記箒柄部が嵌合すると共に、上記チリトリの塵取本体部に上記箒刷毛部が嵌合し、正面側に上記永久磁石部が位置する状態で前記チリトリに保持され、前記永久磁石部が磁気吸着可能な垂直状面等に磁気吸着することにより、前記箒及びその箒を保持するチリトリが前記垂直状面等に保持された状態において、前記凹部に指を掛けて、前記箒を、その箒を保持するチリトリと共に前記垂直状面等から脱離させることができる請求項1記載の箒付きチリトリ。
【請求項3】
上記箒が、上記チリトリの溝状部に上記箒柄部が嵌合すると共に、上記チリトリの塵取本体部に上記箒刷毛部が嵌合し、正面側に上記永久磁石部が位置する状態で前記チリトリに保持された状態において、前記箒は、その正面側が一定の垂直面に沿い得るものである請求項1又は2記載の箒付きチリトリ。
【請求項4】
上記塵取本体部は、下端部に左右方向に沿って掃込縁部が形成され、その掃込縁部の上側に、正面側から背面側に向かって窪んだ塵受部が形成されてなり、
上記塵取柄部の溝状部の下端部と前記塵受部の上端部は正面側開口の溝状に連続しており、
前記塵受部は、上下方向の中間部に、正面側から背面側に向かって最も深い最深部を有し、
前記掃込縁部の左右幅は前記塵取柄部の左右幅の2倍以上であり、
前記最深部の背面の左右幅は、前記塵取柄部の左右幅の1.5倍以下であり、且つ、その最深部の上下方向位置における塵受部の正面側の左右幅の2分の1以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載の箒付きチリトリ。
【請求項5】
塵受部の左右には、それぞれ、掃込縁部の左右側部、最深部左右側部及び塵取柄部の溝状部の下端の左右側部にわたる側壁部を有し、左右の側壁部は、正面側に向かって互いに拡開するものである請求項4記載の箒付きチリトリ。
【請求項6】
塵受部内の背面側は、最深部から下方の掃込縁部の上端に向かって正面側へ傾斜する傾斜下部と、最深部から上方の溝状部の下端に向かって正面側へ傾斜する傾斜上部を有する請求項4又は5記載の箒付きチリトリ。
【請求項7】
正面-背面方向の寸法において、塵受部の最深部の位置が塵取柄部の1.2乃至3.5倍である請求項4乃至6の何れか1項に記載の箒付きチリトリ。
【請求項8】
塵受部の最深部の背面の左右幅が塵取柄部の左右幅の1.2倍以下である請求項4乃至7の何れか1項に記載の箒付きチリトリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箒を嵌合した状態で保持し得る箒付きチリトリに関する。
【背景技術】
【0002】
実開平6-36427号公報には、棒11の先端に、穂体13の先端部13aを一直線状に揃えて扁平状に束ねたものをホルダ14に保持させてなる払掃体12を、柄棒11の角度を一方向にのみ約20度調節自在なるように取り付けることにより、清掃する時は箒と塵取りとを分離し、箒の柄棒を払掃体に対して傾斜させることにより掃き易く、収納時には、箒の柄棒を払掃体に対して垂直をなすように角度調節し、該箒に塵取りを取り付けることにより、払掃体を塵取り内に左右対称に納めることができる塵取り付き箒の発明が記載されている。
【0003】
この塵取り付き箒においては、箒の柄棒を塵取りのグリップ部22に、払掃体をごみ受部21に、それぞれ嵌合させて塵取りに箒を取り付けることができ、収納等における省スペース化に寄与し得るが、家庭電化製品の側面部、家具と壁の間隙、机の側部等に手軽に配置して清掃に使用する上で、更なる改善が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6-36427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、箒が嵌合した状態で家庭電化製品の側面部、家具と壁の間隙、机の側部等に配置して手軽に清掃に使用することができる箒付きチリトリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の箒付きチリトリは、次のように表すことができる。
【0007】
(1) 正面側に開口する上下方向の溝状部を下端から上方にわたり有する塵取柄部の下端部に塵取本体部の基部である上端部が結合してなるチリトリと、箒柄部の下端部に箒刷毛部の基部である上端部が結合し、永久磁石部を備えた箒を有してなり、
前記箒は、前記チリトリの溝状部に前記箒柄部が嵌合すると共に、前記チリトリの塵取本体部に前記箒刷毛部が嵌合し、正面側に前記永久磁石部が位置する状態で、前記チリトリに保持され得、
前記永久磁石部が磁気吸着可能な垂直状面等に磁気吸着することにより、前記箒及びその箒を保持するチリトリが前記垂直状面等に保持され得ることを特徴とする箒付きチリトリ。
【0008】
チリトリに保持された箒の正面側に位置する永久磁石部が磁気吸着可能な垂直状面等に磁気吸着することにより、その箒及びその箒を保持するチリトリが垂直状面等に保持されるので、家庭電化製品の側面部、家具と壁の間隙、机の側部等の磁気吸着可能な部分に配置して手軽に清掃に使用することができる。
【0009】
(2) 上記箒の箒柄部の側方に使用者の指を掛ける凹部を有し、
前記箒が、上記チリトリの溝状部に上記箒柄部が嵌合すると共に、上記チリトリの塵取本体部に上記箒刷毛部が嵌合し、正面側に上記永久磁石部が位置する状態で前記チリトリに保持され、前記永久磁石部が磁気吸着可能な垂直状面等に磁気吸着することにより、前記箒及びその箒を保持するチリトリが前記垂直状面等に保持された状態において、前記凹部に指を掛けて、前記箒を、その箒を保持するチリトリと共に前記垂直状面等から脱離させることができる上記(1)記載の箒付きチリトリ。
【0010】
(3) 上記箒が、上記チリトリの溝状部に上記箒柄部が嵌合すると共に、上記チリトリの塵取本体部に上記箒刷毛部が嵌合し、正面側に上記永久磁石部が位置する状態で前記チリトリに保持された状態において、前記箒は、その正面側が一定の垂直面に沿い得るものである上記(1)又は(2)記載の箒付きチリトリ。
【0011】
(4) 上記塵取本体部は、下端部に左右方向に沿って掃込縁部が形成され、その掃込縁部の上側に、正面側から背面側に向かって窪んだ塵受部が形成されてなり、
上記塵取柄部の溝状部の下端部と前記塵受部の上端部は正面側開口の溝状に連続しており、
前記塵受部は、上下方向の中間部に、正面側から背面側に向かって最も深い最深部を有し、
前記掃込縁部の左右幅は前記塵取柄部の左右幅の2倍以上であり、
前記最深部の背面の左右幅は、前記塵取柄部の左右幅の1.5倍以下であり、且つ、その最深部の上下方向位置における塵受部の正面側の左右幅の2分の1以下である上記(1)乃至(3)の何れか1項に記載の箒付きチリトリ。
【0012】
掃込縁部の左右幅は塵取柄部の左右幅の2倍以上であるため、掃込縁部から塵受部への塵芥の掃き込みに適し、塵受部は、正面側から背面側に向かって窪んでおり、上下方向の中間部に、正面側から背面側に向かって最も深い最深部を有するので、掃込縁部から掃き込んだ相当量の塵芥を溜めるのに適する。
【0013】
塵取柄部の溝状部の下端部と塵受部の上端部は正面側開口の溝状に連続しているため、箒の柄部が溝状部に、箒の刷毛部が塵受部に、それぞれ嵌合した状態としてコンパクト化し得る。
【0014】
塵受部の上下方向の中間部に有する、正面側から背面側に向かって最も深い最深部の背面の左右幅は、塵取柄部の左右幅の1.5倍以下であり、且つ、その最深部の上下方向位置における塵受部の正面側の左右幅の2分の1以下であるため、家具同士や家具と壁の隙間部、或いはその他の箇所における家具や壁の垂直面等に正面側を沿わせて保持した場合に、塵取柄部から塵受部に至る正面側から背面側への膨出がコンパクトで、嵩張らず、人の動作や他の物の取り扱いを阻害することが生じにくい。
【0015】
(5) 塵受部の左右には、それぞれ、掃込縁部の左右側部、最深部左右側部及び塵取柄部の溝状部の下端の左右側部にわたる側壁部を有し、左右の側壁部は、正面側に向かって互いに拡開するものである上記(4)記載の箒付きチリトリ。
【0016】
(6) 塵受部内の背面側は、最深部から下方の掃込縁部の上端に向かって正面側へ傾斜する傾斜下部と、最深部から上方の溝状部の下端に向かって正面側へ傾斜する傾斜上部を有する上記(4)又は(5)記載の箒付きチリトリ。
【0017】
(7) 正面-背面方向の寸法において、塵受部の最深部の位置が塵取柄部の1.2乃至3.5倍である上記(4)乃至(6)の何れか1項に記載の箒付きチリトリ。
【0018】
(8) 塵受部の最深部の背面の左右幅が塵取柄部の左右幅の1.2倍以下である上記(4)乃至(7)の何れか1項に記載の箒付きチリトリ。
【発明の効果】
【0019】
本発明の箒付きチリトリによれば、チリトリに保持された箒の正面側に位置する永久磁石部が磁気吸着可能な垂直状面等に磁気吸着することにより、その箒及びその箒を保持するチリトリが垂直状面等に保持されるので、家庭電化製品の側面部、家具と壁の間隙、机の側部等の磁気吸着可能な部分に配置して手軽に清掃に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】チリトリの正面側斜視図である。
図2】チリトリの背面側斜視図である。
図3】チリトリの正面図である。
図4】チリトリの側面図である。
図5】チリトリの背面図である。
図6】チリトリの平面図である。
図7】箒の背面側斜視図である。
図8】箒の側面図である。
図9】箒を保持したチリトリの正面側斜視図である。
図10】箒を保持したチリトリの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[1] 本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
図面は何れも本発明の箒付きチリトリの実施の形態の一例についてのものである。
【0023】
この箒付きチリトリは、正面側に開口する上下方向の溝状部E1を下端から上方にわたり有する塵取柄部Eの下端部に塵取本体部Fの基部である上端部が結合してなるチリトリDと、箒柄部Kの下端部に箒刷毛部L1の基部である上端部が結合し、永久磁石部Mを備えた箒Jを有してなる。
【0024】
(1) チリトリDは、塵取柄部Eの下端部に、塵取本体部Fの上端部(基部)が結合してなる。
【0025】
(2) 塵取柄部Eは、正面側に開口する上下方向の溝状部E1を下端から上端の全長にわたり有してなり、上端は外部に開口し、下端は塵取本体部F内に開口する。
【0026】
塵取柄部Eの断面形状は、下端部において下方に向かって漸次拡開するほぼ一定の略U字状をなし、溝状部E1の断面形状は、正面に開口し、両側及び溝底部が略U字状をなす。
【0027】
溝状部E1は、箒Jの柄部を正面側から嵌合させて保持し得るように、保持対象の箒Jの箒柄部Kに対応する形状である。
【0028】
溝状部E1の上方部及び下端部のそれぞれ左右両側に、保持対象の箒Jの箒柄部Kを保持するための内方に突起する保持用突起部Pを有する。
【0029】
塵取柄部Eの上端部E2の正面側は、下方に向かって背面側から正面側に傾斜状に形成されている。
【0030】
(3) 塵取本体部Fは、下端部に掃込縁部F1が形成され、その掃込縁部F1の上側に塵受部F2が形成されてなる。
【0031】
(3-1) 掃込縁部F1は、床面等の清掃対象面上の塵芥を塵受部F2に掃き込む部分であり、塵取本体部Fの下端部に、左右直線方向に沿ってほぼ横長平板状に形成されている。
【0032】
掃込縁部F1の左右幅m-mは前記塵取柄部Eの左右幅n-nの約3.5倍である。
【0033】
掃込縁部F1の正面側の左右両側部には、それぞれ掃込壁状部F3が立設されている。
【0034】
(3-2) 掃込縁部F1を経て掃き込む塵芥を溜める塵受部F2は、掃込縁部F1の上側において正面側から背面側に向かって窪んだ形状に形成され、塵受部F2の上端部は溝状をなし、塵取柄部Eの溝状部E1の下端部と正面側開口の溝状に連続している。
【0035】
塵受部F2は、上下方向の中央よりもやや上方位置に、正面側から背面側に向かって最も深い最深部Faを有する。最深部Faの位置の正面-背面方向の寸法v-vは塵取柄部Eの正面-背面方向の寸法w-wの約2.5倍である。
【0036】
最深部Faは、左右方向中央部の一定の左右方向にわたる。最深部Faの背面の左右幅x-xは、塵取柄部Eの左右幅n-nよりもやや狭く(塵取柄部Eの上部及び中間部の左右幅の0.8乃至0.9倍)、且つ、その最深部Faの上下方向位置における塵受部F2の正面側の左右幅y-yの約3分の1である。
【0037】
塵受部F2の左右には、それぞれ、掃込縁部F1の左右の掃込壁状部F3、最深部Faの左右側部及び溝状部E1の下端の左右側部にわたる側壁部F4を有する。左右の側壁部F4は、最深部Faから正面側に向かって互いに左右に拡開する。塵受部F2内の水平断面形状は、背面側から正面側に向かって両脚が拡開する等脚台形状をなす。
【0038】
また塵受部F2内の背面(底面)は、最深部Faから下方の掃込縁部F1の上端に向かって正面側へ平面状に傾斜する傾斜下部Fbと、最深部Faから上方の溝状部E1の下端に向かって正面側へ正面側に凸の湾曲状に傾斜する傾斜上部Fcからなる。
【0039】
傾斜上部には、保持対象の箒Jの背面側の被支持凹部Uを背面側から支持するための支持用突部Sが設けられている。
【0040】
(4) 塵取柄部Eと塵取本体部Fの正面側は、一定の垂直面に沿い得る。すなわち、塵取柄部Eと塵取本体部Fの正面側を垂直状に位置させれば、冷蔵庫の側面、垂直壁面、家具の側面等の垂直面に沿い得る。
【0041】
(5) 箒Jは、正面側及び背面側が何れも垂直面に沿う形状をなし、正面側の箒柄部K及び保持基部Lの両方に、平板状の永久磁石部Mが設けられている。箒柄部Kの上端部の正面側には、上端から下方に向かって正面側に傾斜する切欠部K1(凹部)が形成されている。
【0042】
チリトリDの塵取柄部Eの溝状部E1に箒柄部Kが互いに平行状に嵌合すると共に、チリトリDの塵取本体部Fに箒刷毛部L1を保持した保持基部Lが嵌合し、箒Jの正面側が塵取柄部Eと塵取本体部Fの正面側と平行な状態で、チリトリDに保持され得る。
【0043】
箒JがチリトリDに保持された状態において、その箒Jは、正面側が一定の垂直面に沿い得るものであり、鉄系材料からなる冷蔵庫の側面、垂直壁面、家具の側面等の垂直面又は傾斜面等に対し、永久磁石部Mにおいて、正面側をそれらの面に向けて箒J(従って箒付きチリトリ全体)を磁気的に吸着させることができる。この状態で、箒柄部Kの上端部の正面側の切欠部において吸着対象から箒付きチリトリを容易に取り外すことができる。
【0044】
[2] 本発明の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
【0045】
(1) 本発明の箒付きチリトリは、正面側に開口する上下方向の溝状部を下端から上方にわたり有する塵取柄部の下端部に塵取本体部の基部である上端部が結合してなるチリトリと、箒柄部の下端部に箒刷毛部の基部である上端部が結合し、永久磁石部を備えた箒を有してなる。
【0046】
(2) チリトリの塵取柄部は、正面側に開口する上下方向の溝状部を下端から上方にわたり有してなる。
【0047】
溝状部は、塵取柄部の全長にわたり、上端及び下端が開口するものとすることができるが、例えば、上端に至らないもの又は上端が開口しないもの等とすることもできる。
【0048】
溝状部は、箒の柄部を正面側から嵌合させて保持し得るように、保持対象の箒の柄部に対応する形状とすることができる。一般的には、上下方向の直線に沿ったほぼ一定断面形状の溝状部とすることができる。
【0049】
溝状部の断面形状は、例えば、正面に開口し、両側及び溝底部が略U字状を構成するものとすることができるがこれに限るものではない。
【0050】
塵取柄部のうち溝状部を有する部分(溝状部が塵取柄部の全長にわたる場合は塵取柄部の全長)の断面形状は、略U字状をなすものとすることができるがこれに限るものではない。
【0051】
溝状部の両側又は一方の側における上下方向複数位置には、保持対象の箒の柄部を保持するための内方に突起する保持用突起部を設けることができる。
【0052】
(3) チリトリの塵取本体部は、下端部に掃込縁部が形成され、その掃込縁部の上側に塵受部が形成されてなるものとすることができる。
【0053】
(3-1) 掃込縁部は、床面等の清掃対象面上の塵芥を塵受部に掃き込む部分であり、塵取本体部の下端部に、左右方向(一般的には左右直線方向)に沿って形成される。
【0054】
掃込縁部の左右幅は前記塵取柄部の左右幅の2倍以上である。
【0055】
掃込縁部は、ほぼ横長平板状をなすものとすることができるが、これに限るものではない。
【0056】
掃込縁部の下端縁からその掃込縁部を経て掃き込む塵芥を左右に逃がすのを防ぐ上で、掃込縁部の正面側の左右両側部には、それぞれ掃込壁状部等の立上部が立設されたものとすることが好ましい。
【0057】
(3-2) 塵受部は、掃込縁部を経て掃き込む塵芥を溜める部分であり、掃込縁部の上側において正面側から背面側に向かって窪んだ形状に形成されてなる。
【0058】
溝状部の下端部と塵受部の上端部は正面側開口の溝状に連続しているものとすることができる。
【0059】
塵受部は、上下方向の中間部(例えば、上から4分の1乃至4分の3の部分)に、正面側から背面側に向かって最も深い最深部を有するものとすることができる。最深部は、例えば、一定の左右方向にわたるものとすることができる他、一定の上下方向にわたるものとすることもできる。
【0060】
正面-背面方向の寸法において、塵受部の最深部の位置は塵取柄部の例えば1.2乃至3.5倍とすることができる。正面側から背面側への膨出がコンパクトで、嵩張らず、人の動作や他の物の取り扱いを阻害することが生じにくいという点で、好ましくは1.5乃至3倍である。
【0061】
塵受部の最深部の背面の左右幅は、塵取柄部の左右幅の1.5倍以下(好ましくは1.2倍以下、又は塵取柄部の左右幅と同等以下)であり、且つ、その最深部の上下方向位置における塵受部の正面側の左右幅の2分の1以下であるものとすることができる。
【0062】
塵受部の左右には、それぞれ、掃込縁部の左右側部、最深部左右側部及び塵取柄部の溝状部の下端の左右側部にわたる側壁部を有するものとすることができる。左右の側壁部は、掃込縁部から掃き込んだ相当量の塵芥を溜める上で、正面側に向かって互いに拡開するものとすることができる。塵受部内の水平断面形状は、背面側から正面側に向かって両脚が拡開する台形状をなすものとすることができる。
【0063】
また塵受部内の背面側(底面)は、最深部から下方の掃込縁部の上端に向かって正面側へ(例えば平面状に又は湾曲状に)傾斜する傾斜下部と、最深部から上方の溝状部の下端に向かって正面側へ(例えば平面状に又は湾曲状に)傾斜する傾斜上部を有するものとすることができる。
【0064】
傾斜上部には、保持対象の箒の一部を背面側から支持するための支持用突部を設けることができる。
【0065】
(4) 塵取柄部と塵取本体部の正面側は、一定の垂直面に沿い得るものとすることができる。すなわち、塵取柄部と塵取本体部の正面側を垂直状に位置させれば同一の垂直面に沿い得るものとすることができる。尤も、塵取柄部と塵取本体部の正面側の縁部にある程度の凹凸等を有していても差し支えない。
【0066】
(5) 箒は、チリトリの溝状部に箒柄部が(例えば互いに平行状に)嵌合すると共に、チリトリの塵取本体部に箒刷毛部が嵌合し、正面側に永久磁石部が位置する状態で、前記チリトリに保持され得る。
【0067】
永久磁石部(例えば平板状の永久磁石体)は、箒柄部及び保持基部の両方又は一方に設けることができる。
【0068】
永久磁石部が磁気吸着可能な垂直状面等(例えば家庭電化製品の側面部、家具と壁の間隙の何れかの面、机の側部等における鉄系材料からなる垂直状面や傾斜状面等)に磁気吸着することにより、箒及びその箒を保持するチリトリが垂直状面等に保持され得る
【0069】
(5-1) 箒は、例えば、正面側又は背面側が垂直面に沿う形状をなし、正面側及び背面側のうち垂直面に沿う形状をなす側の箒柄部及び保持基部の両方又は一方に、永久磁石部が設けられたもの(又は、正面側及び背面側が互いに平行状で垂直面に沿う形状をなし、正面側及び背面側の両方又は一方における箒柄部及び保持基部の両方又は一方に、得旧磁石部が設けられたもの)とすることができる。
【0070】
この場合、チリトリの塵取柄部の溝状部に箒柄部が嵌合すると共に、チリトリの塵取本体部に箒刷毛部が嵌合し、(例えば、箒の正面側又は背面側が塵取柄部と塵取本体部の正面側と平行な状態で、且つ、)正面側に永久磁石部が位置する状態でチリトリに保持され得る。箒がチリトリに保持された状態において、その箒は、チリトリの正面側に対応する側が一定の垂直面に沿い得るものとすることができる。
【0071】
この状態で、鉄系材料からなる冷蔵庫の側面、垂直壁面、家具の側面等の垂直面又は傾斜面等に対し、正面側をそれらの面に向けて箒(従って箒付きチリトリ全体)を永久磁石部において磁気的に吸着させることができる。
【0072】
(5-2) 箒柄部の側方(例えば箒柄部の先端部における正面側等の側方)に使用者の指を掛ける凹部(例えば穴状部又は切欠部)を有するものとすることができる。
【0073】
この場合、箒が、チリトリの溝状部に箒柄部が嵌合すると共に、チリトリの塵取本体部に箒刷毛部が嵌合し、正面側に永久磁石部が位置する状態でチリトリに保持され、永久磁石部が磁気吸着可能な垂直状面等に磁気吸着することにより、箒及びその箒を保持するチリトリが垂直状面等に保持された状態において、凹部に指を掛けて、箒を、その箒を保持するチリトリと共に垂直状面等から容易に脱離させることができる。
【0074】
(5-3) 箒が、チリトリの溝状部に箒柄部が嵌合すると共に、チリトリの塵取本体部に箒刷毛部が嵌合し、正面側に永久磁石部が位置する状態でチリトリに保持された状態において、箒は、その正面側が一定の垂直面に沿い得るものとすることができる。
【符号の説明】
【0075】
D チリトリ
E 塵取柄部
E1 溝状部
E2 上端部
F 塵取本体部
F1 掃込縁部
F2 塵受部
F3 掃込壁状部
F4 側壁部
Fa 最深部
Fb 傾斜下部
Fc 傾斜上部
J 箒
K 箒柄部
K1 切欠部
L 保持基部
L1 箒刷毛部
M 永久磁石部
P 保持用突起部
S 支持用突部
U 被支持凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向の箒柄部の下端部に箒刷毛部の上部側を保持した保持基部が結合し、永久磁石部を備えた箒であって
正面視において、前記保持基部は前記箒柄部よりも水平方向両外方に拡がっており、
前記永久磁石部として、正面側において、前記保持基部に保持基部永久磁石部を有し、当該保持基部永久磁石部の水平方向両外方端部は、前記箒柄部の水平方向両外側縁部よりも、それぞれ外方に位置し、
前記保持基部永久磁石部が、前記水平方向両外方端部を含めて、磁気吸着可能な垂直状面等に磁気吸着することにより前記垂直状面等に保持され得ることを特徴とする
【請求項2】
正面視において、上記保持基部永久磁石部は、上記保持基部の上部から、その下方にわたるものであり、当該保持基部永久磁石部の両外側縁部は、下方に向かって次第に水平方向両外方に拡がっている請求項1記載の箒。
【請求項3】
正面側において、上記保持基部永久磁石部の水平方向両外方端部が、上記保持基部の両外側縁部にそれぞれ位置する請求項1又は2記載の箒。
【請求項4】
正面視において、上記保持基部の両外側縁部が下方に向かって次第に水平方向両外方に拡がっており、上記保持基部永久磁石部の両外側縁部が、前記保持基部の両外側縁部に沿って下方に向かって次第に水平方向両外方に拡がっている請求項1乃至3の何れか1項に記載の箒。
【請求項5】
上記永久磁石部として、正面側において、上記箒柄部に柄部永久磁石部を有すると共に、上記保持基部に上記保持基部永久磁石部を有し、
前記柄部永久磁石部及び保持基部永久磁石部が磁気吸着可能な垂直状面等に磁気吸着することにより、前記垂直状面等に保持され得る請求項1乃至4の何れか1項に記載の箒。
【請求項6】
正面視において、上記箒柄部の下端部が上記保持基部の水平方向中央部に位置する請求項1乃至5の何れか1項に記載の箒。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
(5-1) 箒は、例えば、正面側又は背面側が垂直面に沿う形状をなし、正面側及び背面側のうち垂直面に沿う形状をなす側の箒柄部及び保持基部の両方又は一方に、永久磁石部が設けられたもの(又は、正面側及び背面側が互いに平行状で垂直面に沿う形状をなし、正面側及び背面側の両方又は一方における箒柄部及び保持基部の両方又は一方に、永久磁石部が設けられたもの)とすることができる。