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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121612
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】プライミング装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/36 20060101AFI20220812BHJP
   A61M 5/14 20060101ALI20220812BHJP
   A61M 5/162 20060101ALI20220812BHJP
   A61M 39/24 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
A61M5/36
A61M5/14 520
A61M5/162 500Z
A61M39/24
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105376
(22)【出願日】2022-06-30
(62)【分割の表示】P 2020202812の分割
【原出願日】2016-04-28
(31)【優先権主張番号】14/712,634
(32)【優先日】2015-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イエ、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ジェイク アール.
(72)【発明者】
【氏名】パーク、スーン ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】ンガイエン、タミー
(57)【要約】
【課題】
システムから流れる医療用流体の液体及び気体を保持することによって、医師に対する曝露を防止するプライミングシステムを提供すること。
【解決手段】
可撓性の壁を有する弾性チャンバ及び、弾性チャンバと流体容器との間の第1流体管路内にあり、流体容器から弾性チャンバに向かう方向のみに流体が流通する第1逆止弁を含むことで、弾性チャンバの壁が圧縮されると、流体が弾性チャンバと流体容器との間の第2流体管路を通って流体容器に戻るプライミングシステム。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性の壁を有する弾性チャンバと、
前記弾性チャンバと流体容器との間の第1流体管路内にあり、前記流体容器から弾性チャンバに向かう方向のみに流体が流通する第1逆止弁とを備えるプライミングシステムであって、
前記弾性チャンバの前記壁が圧縮されると、前記流体が前記弾性チャンバと前記流体容器との間の第2流体管路を通って前記流体容器に戻るプライミングシステム。
【請求項2】
前記第1流体管路及び前記第2流体管路が、前記流体容器に流体連結された収容部を通って延在する、請求項1に記載のプライミングシステム。
【請求項3】
前記収容部が、前記流体容器と前記第1逆止弁との間にドリップチャンバを備え、前記第1流体管路が前記ドリップチャンバを通って延在する、請求項2に記載のプライミングシステム。
【請求項4】
前記第2流体管路が前記ドリップチャンバを通って延在する、請求項2に記載のプライミングシステム。
【請求項5】
前記流体が前記流体容器から前記第1逆止弁を通って前記弾性チャンバ内へと運ばれるときに、前記弾性チャンバ壁が拡張する、請求項1に記載のプライミングシステム。
【請求項6】
前記弾性チャンバ壁が収縮し、その中の前記流体が前記第2流体管路を通って前記流体容器内へと案内される、請求項5に記載のプライミングシステム。
【請求項7】
第2逆止弁が、前記弾性チャンバと前記流体容器との間の前記第2流体管路内に設置され、流体が、前記第2逆止弁を、前記弾性チャンバから前記流体容器に向かう方向のみに流通する、請求項1に記載のプライミングシステム。
【請求項8】
前記弾性チャンバが半球形状である、請求項1に記載のプライミングシステム。
【請求項9】
ヒンジで連結された保持部材を更に備え、
前記保持部材が、閉鎖位置では、前記弾性チャンバ壁の拡張が妨害されるように前記弾性チャンバに係合する、請求項1に記載のプライミングシステム。
【請求項10】
前記弾性チャンバが長尺の円筒である、請求項1に記載のプライミングシステム。
【請求項11】
第1流体管路及び第2流体管路を有する収容部と、
可撓性の壁を有し、前記第1流体管路及び前記第2流体管路が流体連結された弾性チャンバと、
前記第1流体管路内にあり、前記弾性チャンバに向かう方向のみに流体の流れが通る第1逆止弁とを備えるプライミング装置であって、
前記弾性チャンバ壁が圧縮されると、流体が前記弾性チャンバの外に運ばれて前記第2流体管路を通るプライミング装置。
【請求項12】
前記収容部がドリップチャンバを備えて、前記第1流体管路内へと受容された流体が、前記弾性チャンバ内へと入る前に前記ドリップチャンバ及び前記第1逆止弁を通って運ばれるようになっている、請求項11に記載のプライミング装置。
【請求項13】
前記弾性チャンバ壁が、前記弾性チャンバ内へと運ばれる前記流体によって拡張される、請求項12に記載のプライミング装置。
【請求項14】
前記弾性チャンバ壁が、手で押圧していないと拡張するように構成され、前記弾性チャンバ壁の拡張によって、前記第1流体管路を通って受容された流体が前記弾性チャンバ内へと引き込まれる、請求項11に記載のプライミング装置。
【請求項15】
前記弾性チャンバが半球形状である、請求項11に記載のプライミング装置。
【請求項16】
保持リングが、前記弾性チャンバが前記保持リングを通って延在し前記保持リングによって保持されるように、前記収容部に連結される、請求項15に記載のプライミング装置。
【請求項17】
第2逆止弁が、前記第2逆止弁を通る流体の流れが前記弾性チャンバから離れる方向のみになるように、前記第2流体管路内に設置される、請求項11に記載のプライミング装置。
【請求項18】
前記第1流体管路と前記第2流体管路とがそれぞれ、前記収容部を通る開口部を備え、各開口部が前記収容部の一部を通って並置されていることで、スパイクの画成を形成する、請求項11に記載のプライミング装置。
【請求項19】
前記第1流体管路が流入孔を備える、請求項11に記載のプライミング装置。
【請求項20】
前記孔が可撓性の弁を備え、前記弁が、密閉位置では前記流入孔を密閉し、前記弁が、開弁位置では前記流入孔を密閉しない、請求項19に記載のプライミング装置。
【請求項21】
流体を、収容部の第1流体管路内へと受容する工程と、
前記流体を前記第1流体管路内の第1逆止弁に通して、可撓性の壁を有する弾性チャンバ内へと案内する工程と、
前記可撓性の壁を手で圧縮して、前記流体を第2流体管路に通して案内する工程とを備える、プライミングの方法。
【請求項22】
前記流体を前記弾性チャンバ内へと案内することで前記可撓性の壁を拡張させる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記流体を、前記第2流体管路内の第2逆止弁に通して案内する工程を更に備える、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記流体を、流体容器から前記第1流体管路内へと受容する工程を更に備える、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記流体を、前記第2流体管路から前記流体容器へと案内する工程を更に備える、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記流体を、前記流体容器と前記第1逆止弁との間の第1流体管路に連結されたドリップチャンバに通して案内する工程を更に備える、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して流体送達プライミングシステムに関する。より具体的には、本開示は、医療用流体容器に連結された管の内部から空気を抜くプライミング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物治療及び血液といった医療用流体を患者に送って送達するのに、流体送達システムが広く使用されている。流体を静脈内送達する場合、空気が患者の血流内へと導入されるのを防止するように、流体送達システムから空気を放出するのが重要である。医師は、流体送達システム内に閉じ込められた空気が放出されるまで、医療用流体容器内の液体を管を通して案内することで、その閉じ込められた空気を放出することが多い。空気が放出された後、管内の液体の放出が開始され、流体流路が閉鎖するまで放出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
流体送達システム内に閉じ込められた空気を流す処置は容器の上から行われることが多く、幾つかの場合(例えば化学療法治療を伴う場合)では、医療用流体に繰り返し接触することは医師にとって有害となりうる。多くの適用において、システムから流れる医療用流体の液体及び気体を保持することによって、医師に対する曝露を防止することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の態様は、可撓性の壁を有する弾性チャンバと、弾性チャンバと流体容器との間の第1流体管路内にあり、流体容器から弾性チャンバに向かう方向のみに流体が流通する第1逆止弁とを備えるプライミングシステムであって、弾性チャンバの壁が圧縮されると、流体が弾性チャンバと流体容器との間の第2流体管路を通って流体容器に戻るプライミングシステムを提供する。
【0005】
本開示の特定の実施によれば、第1流体管路及び第2流体管路は、流体容器に流体連結された収容部を通って延在する。幾つかの場合では、収容部は、流体容器と第1逆止弁との間にドリップチャンバを備え、第1流体管路はドリップチャンバを通って延在する。特定の実施では、第2流体管路はドリップチャンバを通って延在する。
【0006】
本開示の特定の実施では、流体が流体容器から第1逆止弁を通って弾性チャンバ内へと運ばれるときに、弾性チャンバ壁は拡張する。幾つかの実施では、弾性チャンバ壁は収縮し、その中の流体が第2流体管路を通って流体容器内へと案内される。
【0007】
本開示の幾つかの実施例では、第2逆止弁は、弾性チャンバと流体容器との間の第2流体管路内に設置され、流体は、第2逆止弁を、弾性チャンバから流体容器に向かう方向のみに流通する。幾つかの実施では、弾性チャンバは半球形状である。幾つかの実施例は、閉鎖位置では、弾性チャンバ壁の拡張が妨害されるように弾性チャンバに係合する、ヒンジで連結された保持部材を提供する。幾つかの場合では、弾性チャンバは長尺の円筒である。
【0008】
本開示の態様は、第1流体管路及び第2流体管路を有する収容部と、可撓性の壁を有し、第1流体管路及び第2流体管路が流体連結された弾性チャンバと、第1流体管路内にあり、弾性チャンバに向かう方向のみに流体の流れが通る第1逆止弁とを備えるプライミング装置であって、弾性チャンバ壁が圧縮されると、流体が弾性チャンバの外に運ばれて第2流体管路を通るプライミング装置を提供する。本開示の特定の実施によれば、収容部がドリップチャンバを備えることで、第1流体管路内へと受容された流体が、弾性チャンバ内へと入る前にドリップチャンバ及び第1逆止弁を通って運ばれる。
【0009】
本開示の特定の場合では、弾性チャンバ壁は、弾性チャンバ内へと運ばれる流体によって拡張される。幾つかの場合では、手動押圧ではない場合、弾性チャンバ壁は拡張するように構成され、弾性チャンバ壁の拡張によって、第1流体管路を通って受容された流体は弾性チャンバ内へと引き込まれる。幾つかの実施では、弾性チャンバは半球形状である。幾つかの実施例は保持リングを提供し、保持リングは、収容部に連結されることで、弾性チャンバが保持リングを通って延在し、保持リングによって保持される。
【0010】
本開示の幾つかの実施例では、第2逆止弁が第2流体管路内に設置されることで、第2逆止弁を通る流体の流れが弾性チャンバから離れる方向のみになる。特定の実施例では、第1流体管路と第2流体管路とがそれぞれ、収容部を通る開口部を備え、各開口部が収容部の一部を通って並置されていることで、スパイクの画成を形成する。幾つかの実施例では、第1流体管路は流入孔を備える。幾つかの場合では、孔は可撓性の弁を備え、弁は、密閉位置では流入孔を密閉し、弁は、開弁位置では流入孔を密閉しない。
【0011】
本開示の態様は、流体を、収容部の第1流体管路内へと受容する工程と、流体を第1流体管路内の第1逆止弁に通して、可撓性の壁を有する弾性チャンバ内へと案内する工程と、可撓性の壁を手で圧縮して、流体を第2流体管路に通して案内する工程とを備える、プライミングの方法を提供する。
【0012】
本開示の特定の実施によれば、流体を弾性チャンバ内へと案内することで可撓性の壁を拡張させる。幾つかの実施例は、流体を、第2流体管路内の第2逆止弁に通して案内する工程を提供する。特定の実施例は、流体を、流体容器から第1流体管路内へと受容する工程を提供する。幾つかの場合は、流体を、第2流体管路から流体容器へと案内する工程を提供する。幾つかの実施例は、流体を、流体容器と第1逆止弁との間の第1流体管路に連結されたドリップチャンバに通して案内する工程を提供する。
【0013】
本主題の技術の追加の特徴及び利点が以下の説明に明記され、一部は説明から明らかとなるか、又は本主題の技術の実施によって教示できるだろう。本主題の技術の利点は、本明細書に記載の説明及び請求項、並びに添付の図面に具体的に挙げられる構造によって実現され、達成されるだろう。
【0014】
上述の概要及び後述の詳細な説明の両方が例示的且つ説明的であり、請求されている本主題の技術を更に説明するようになっていることが理解されよう。
【0015】
本主題の技術を更に理解できるように含まれ、この説明の一部に組み込まれてこの説明の一部を構成する添付の図面は、本主題の技術の態様を示し、本明細書と共に本主題の技術の原理を説明する役割をもつ。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】本開示の態様に係るプライミングシステムの実施例を示す。
図1B】本開示の態様に係るプライミングシステムの動作を示すフローチャートである。
図2】本開示の態様に係るプライミング装置の実施例の前面図を示す。
図3図2のプライミング装置の上面図を示す。
図4A図2のプライミング装置の前面断面図を示す。
図4B図2のプライミング装置の一部の前面断面図を示す。
図5】本開示の態様に係るプライミング装置の実施例の前面図を示す。
図6図5のプライミング装置の分解図である。
図7A図5のプライミング装置の上面図を示す。
図7B図5のプライミング装置の上部断面図を示す。
図8図5のプライミング装置の前面断面図を示す。
図9】本開示の態様に係るプライミング装置の実施例の部分的に分解された前面斜視図を示す。
図10図9のプライミング装置の上面図を示す。
図11図9のプライミング装置の前面断面図を示す。
図12】本開示の態様に係るプライミング装置の実施例の前面図を示す。
図13図12のプライミング装置の側面図を示す。
図14図12のプライミング装置の前面断面図を示す。
図15】本開示の態様に係るプライミング装置の実施例の前面斜視図を示す。
図16図15のプライミング装置の前面断面図を示す。
図17】本開示の態様に係るプライミング装置の実施例の前面斜視図を示す。
図18図17のプライミング装置の上面図を示す。
図19図17のプライミング装置の側面図を示す。
図20図17のプライミング装置の前面図を示す。
図21図17のプライミング装置の側面断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な説明には、本主題を理解できるように具体的な詳細が明記される。しかし、通常の当業者に対しては、これらの具体的な詳細の幾つかがなくとも本主題の技術を実施できることが明らかとなろう。他の場合では、本主題の技術を曖昧にしないように、既知の構造及び技術は示されていない。
【0018】
「態様」といった表現は、こうした態様が本主題の技術に不可欠であること、又はこうした態様が本主題の技術の全ての構成に適用されることを暗示するものではない。態様に関する開示が、全ての構成又は1つ以上の構成に適用されてもよい。態様がその開示の1つ以上の例を提供してもよい。「態様」といった表現は1つ以上の態様及びその逆を意味してもよい。「実施例」といった表現は、こうした実施例が本主題の技術に対して不可欠であること、又はこうした実施例が本主題の技術の全ての構成に適用されることを暗示するものでない。実施例に関する開示が、全ての実施例又は1つ以上の実施例に適用されてもよい。実施例がその開示の1つ以上の例を提供してもよい。「実施例」といった表現は1つ以上の実施例及びその逆を意味してもよい。「構成」といった表現は、こうした構成が本主題の技術に対して不可欠であること、又はこうした構成が本主題の技術の全ての構成に適用されることを暗示するものでない。構成に関する開示が、全ての構成又は1つ以上の構成に適用されてもよい。構成がその開示の1つ以上の例を提供してもよい。「構成」といった表現は1つ以上の構成及びその逆を意味してもよい。
【実施例0019】
図1Aは、収容部102と、弾性チャンバ104と、逆止弁106と、ドリップチャンバ108と、流体容器110とを有するプライミングシステム100の実施例を示す。図1Bを参照すると、フローチャートが、本開示の態様に係るプライミングシステムの動作を示している。工程902において、プライミング装置収容部は流体容器と連結される。工程904において、流体が流体容器から収容部及びドリップチャンバを通って運ばれる。工程906において、流体は、ドリップチャンバから逆止弁を通って弾性チャンバの流入口内へと案内される。工程908において、弾性チャンバの圧縮によって、液体と気体とを備える流体が、弾性チャンバの流出口から運ばれる。そして、工程910において、液体及び気体は、弾性チャンバから流体容器へと戻るように運ばれる。この動作の間、流体容器からの液体がプライミングシステムを通って引き出されることで、気体が流体容器内に収集される。この動作は、プライミングシステム内、若しくはより具体的にはプライミングシステムの管内に閉じ込められた気体が納得できる水準まで減少するまで、又は、気体が流体容器内に十分に収集されるか十分に案内されるまで繰り返される。幾つかの場合では、気体は、プライミングシステムの管の中に目に見える気泡又は空気のポケットが実質的に包含されていない場合、流体容器内に十分に収集されているか案内されている。気体が納得できる水準まで減少すると、工程912において、弾性チャンバの流出口は、流体容器から患者又はポンプへと案内し直されてもよい。幾つかの実施例では、弾性チャンバの流出口は無針医療接続器を通して流体容器と取外し可能に連結される。
【0020】
図2図4Bを参照すると、弾性チャンバ204と逆止弁206とを有するプライミング装置の実施例が示されている。プライミング装置は、流体容器の孔へと挿入されるように構成されたスパイク部214を含むことができる収容部202を含む。収容部から遠位のスパイク部214の先端が、流入通路216と流出通路218とを含む。収容部は、流入通路216と流体連結される開口部220を更に含む。また、収納部は、流出通路218と流体連結される収容孔222も含む。
【0021】
スパイク部214が流体容器の孔へと挿入されると、流入通路216は、流体容器内から収容部202に入るような、又は収容部202から流体容器内へと移動するような流体の案内を可能にする。流出通路218も、収容部202と流体容器との間の流体案内を可能にする。幾つかの実施例では、流入通路216は、主に、流体を流体容器内から収容部202へと案内するように機能し、流出通路218は、流体を収容部202から流体容器へと案内するように機能する。
【0022】
スパイク部214の先端に対向する収容部202の一部が、開口部220の周囲に周隆起224を形成する。例えば長尺の円筒を形成するドリップチャンバ208が、収容部202の開口部220に連結される。ドリップチャンバ208の開口第1端部226が、開口部220がドリップチャンバ208と流体連結されるように、周隆起224に挿嵌される。
【0023】
図4A及び図4Bを参照すると、弾性チャンバ204は、逆止弁206が流体容器と弾性チャンバ204との間にあるように、連結管258を通して収容孔222に流体連結される。逆止弁206は、流体容器から弾性チャンバ204に向かう方向のみに流体の流れを限定し、弾性チャンバ204内の圧力が上昇したとき(例えば弾性チャンバ204が圧縮されたとき)に流体が流入通路216を通って流体容器に向かって流れるのを防止する。
【0024】
弾性チャンバ204は、ドーム部分と、ドーム部分に対向する開口部とを有する円筒のような形状である。フランジ232が、開口部を囲んで弾性チャンバ204から径方向外方に延在する。弾性チャンバ204は、円筒壁とドーム部分とが、拡張又は圧縮された後に中間形状に戻るように、弾性材料を備える。材料及び形状は、弾性チャンバ204が、圧縮によって変形した後に、流体容器から流体を引き込むのに十分な拡張力を有するように選択される。幾つかの実施例では、弾性チャンバ204はナイロン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリ塩化ビニルから構成される。しかし、弾性チャンバ204は他のエラストマーであってもよい。幾つかの実施例では、弾性チャンバ204の厚さは0.015’’(0.04cm)~0.100’’(0.25cm)であり、A20~A80のショア硬度を有する。
【0025】
弾性チャンバ204の開口部は、台座234を形成する連結管258の一部に連結される。台座234は、弾性チャンバ204の開口部を受容して封止するように構成された周平面を含む。幾つかの実施例では、フランジ232の表面によって形成された平面が、台座234の外周の周囲に形成された隆起内に受容される。弾性チャンバ204は、弾性チャンバ204の周囲に延在して台座234の隆起部分と連結する周保持リング236によって、台座234に対して保持される。保持リング236が台座234に連結されると、弾性チャンバ204のフランジ232が保持リング236と台座234との間に捕らえられて、弾性チャンバ204と連結管258との間に流体密閉を形成する。
【0026】
連結管258は、流入孔238と流出孔240とを備える。幾つかの実施例では、流入孔238と流出孔240とは、連結管258と台座234との同軸上を通って延在する流体通路を形成する。逆止弁206は、流入孔238内に保持されることで、連結管258を通って弾性チャンバ204に向かう方向のみに流体の流れを限定する。弾性チャンバ204が圧縮されるとチャンバ内の圧力が上昇する。上昇した圧力は流体を弾性チャンバ204の外へと運ぶ。流入孔238内に逆止弁206があることから、流体は弾性チャンバ204から流出孔240を通って案内される。
【0027】
幾つかの実施例では、流入孔238は無針医療接続器212を含む。無針医療接続器212は、流入孔236内に設置された弁246を含む。弁246は、密閉位置では流入孔238を密閉し、弁246は、開弁位置では流入孔238を密閉しない。
【0028】
連結管258の流出孔240は収容孔222と流体連結される。幾つかの実施例では、流出孔240は、逆止弁244を含むことで、連結管258を通って弾性チャンバ204から収容孔222に向かう方向のみに流体の流れを限定する。幾つかの実施例では、逆止弁244は、流出孔240と収容孔222との連結内、又は収容部202の流出通路218内に保持される。幾つかの実施例では、逆止弁206及び244はダックビル型逆止弁である。しかし、逆止弁206及び244は、傘型弁又はディスク弁といった、一般に流体を弁の一方向のみに流通させる任意の種類の弁であってもよい。
【0029】
動作中、スパイク部214は、流入通路216及び流出通路218が流体容器と流体連通するように、流体容器の孔へと挿入される(図1A)。流体容器からの流体が、流入通路216を通って収容部202に入り始める。液体及び気体の両方を包含しうるこの流体は、収容部202の開口部220を通過し、ドリップチャンバ208と、ドリップチャンバ208の第2端部228における開口部に連結された(不図示の)菅部分とを充填し始める。患者の使用のためにシステムを準備するには気体が管から実質的になくなるべきであり、これは、気体が管から実質的に抜けてシステムの管が液体で充填されるまで、液体を流体容器から管に流すことで行われる。このプロセスが、流体送達システムのプライミングと呼ばれる。
【0030】
流体送達システムは、管の第2端部を連結管258の流入孔238に連結することでプライミングされる。プライミングを開始するには、弾性チャンバ204が、流体で少なくとも部分的に充填されていなければならない。幾つかの実施例では、流体は、流体容器又はドリップチャンバ208を圧縮することで弾性チャンバ204内へと運ばれる。一実施例では、流体は、弾性チャンバ204を圧縮及び解放することで弾性チャンバ204内へと引き込まれる。流体は、圧縮された弾性チャンバ204がその中間形状に戻るにつれて、流体容器から弾性チャンバ204内へと引き込まれる。いずれの場合にも、流体は、弾性チャンバ204に入るときに流入孔238の逆止弁206を通過する。次に、弾性チャンバ204が圧縮されることで、液体及び気体が弾性チャンバ204の流出孔240を通って運ばれる。液体及び気体は、逆止弁206によって、流入孔238を通って弾性チャンバ204から出てしまうのを防止又は妨害される。そして、流出孔240を通って弾性チャンバ204を出た液体及び気体は、収容部202の流出通路218を通って流体容器内へと案内される。
【0031】
弾性チャンバ204が繰り返し圧縮及び解放されるにつれて、流体容器からの液体がプライミングシステム内へと引き込まれ、液体と気体とを包含する流体が流体容器内へと戻る。気体が流体送達システム内に存在しなくなるか、納得できる水準まで(例えば、システムの管の隅々まで、目に見える気泡又は気体のポケットが実質的にないように)減少すると、管の第2端部は流入孔238から取り外され、カテーテル、ポンプ、又は、患者に流体を送達する他の送達装置へと案内し直されてもよい。
【0032】
図5図8を参照すると、弾性チャンバ304と逆止弁306とを有するプライミング装置の実施例が示されている。プライミング装置は、流体容器の孔へと挿入されるように構成されたスパイク部314を有する収容部302を含む。収容部から遠位のスパイク部314の先端が、流入通路316と流出通路318とを含む。収容部は、流入通路316と流体連結される開口部320を更に含む。
【0033】
以下に明確に否定されるものを除いて、図2図4Bに示す特定の実施例に対して上述されているものと同様に、スパイク部314が流体容器の孔へと挿入されると、流入通路316は、流体容器内から収容部302に入るような、又は収容部302から容器内へと移動するような流体の案内を可能にする。流出通路318も、収容部302と流体容器との間の流体案内を可能にする。
【0034】
スパイク部314の先端に対向する収容部302の一部が、開口部320の周囲に周隆起324を形成する。長尺の円筒を形成するドリップチャンバ308が、収容部302の開口部320に連結される。ドリップチャンバ308の開口第1端部326が、開口部320がドリップチャンバ208と流体連結されるように周隆起324に挿嵌される。
【0035】
幾つかの実施例では、収容部の一部が、スパイク部314によって画定される軸線から径方向外方に延在して、基部348を形成する。収容部302から遠位の基部348の端部が、台座334を形成する平坦表面を備える。基部348は、基部348の台座334の同軸上を通って延在する流体通路を形成する流入孔338と流出孔340とを含む。
【0036】
図6図8を参照すると、弾性チャンバ304は、逆止弁306が流体容器と弾性チャンバ304との間にあるように収容部302の台座334に連結される。逆止弁306は、流体容器から弾性チャンバ304に向かう方向のみに流体の流れを限定し、弾性チャンバ304内の圧力が上昇したとき(例えば弾性チャンバ304が圧縮されたとき)に流体が流入通路316を通って流体容器に向かって流れるのを防止する。
【0037】
弾性チャンバ304は、ドーム部分と、ドーム部分に対向する開口部とを有する円筒のような形状である。フランジ332が、開口部を囲んで弾性チャンバ304から径方向外方に延在する。弾性チャンバ304は、円筒壁とドーム部分とが、拡張又は圧縮された後に中間形状に戻るように、弾性材料を備える。材料及び形状は、弾性チャンバ304が、圧縮によって変形した後に、流体容器から流体を引き込むのに十分な拡張力を有するように選択される。幾つかの実施例では、材料は、図2図4Bに関連して上述されたものと同じか、構造的及び/又は機能的に同等である。
【0038】
弾性チャンバ304の開口部が台座334に対して配置されると、弾性チャンバ304の開口部は台座334によって受容されて封止される。フランジ332の表面によって形成された平面が、台座334の外周の周囲に形成された隆起内に受容される。弾性チャンバ304は、弾性チャンバ304の周囲に延在して台座334の隆起部分と連結する周保持リング336によって、台座334に対して保持される。保持リング336が台座334に連結されると、フランジ332が保持リング336と台座334との間に捕らえられて流体密閉を形成する。
【0039】
流入孔338は、基部348と台座334とを通って延在する。逆止弁306は流入孔338内に保持されることで、弾性チャンバ304に向かう方向のみに流体の流れを限定する。
【0040】
弾性チャンバ304が圧縮されるとチャンバ内の圧力が上昇する。上昇した圧力によって流体がチャンバの外に運ばれる。流入孔338内に逆止弁306があることから、流体は弾性チャンバ204から流出孔340を通って案内される。
【0041】
幾つかの実施例では、流入孔338は無針医療接続器312を含む。無針医療接続器312は、流入孔336内に設置された弁346を含む。弁346は、密閉位置では流入孔338を密閉し、弁346は、開弁位置では流入孔338を密閉しない。
【0042】
図7B及び図8を参照すると、流出孔340は、スパイク部314の流出通路318と流体連結される。図6を参照すると、流出孔340は、台座334の平坦表面を通って延在する窪みのような形状であり、部分的に、収容部302のスパイク部314に向かう方向で基部348内へと向かう。幾つかの実施例では、流出孔340は逆止弁344を含み、弾性チャンバ304から離れる方向のみに、逆止弁344を通る流体の流れを限定する。幾つかの実施例では、逆止弁306はダックビル型逆止弁である。しかし、逆止弁306は、傘型弁又はディスク弁といった、一般に流体を弁の一方向のみに流通させる任意の種類の弁であってもよい。
【0043】
幾つかの実施例では、逆止弁344は受け台350内に固定され、受け台350はそこを通る流体通路を有する。一実施例では、受け台350は円筒のような形状であり、円筒壁を通る切欠きをもった開口第1端部と、円筒の周囲から部分的に内方に延在する周隆起をもった開口第2端部とを有する。そして、受け台350の開口第1端部は、流体が受け台350の開口第2端部と逆止弁344とを流通できるように、その内部の逆止弁344と共に流出孔340へと挿入される。幾つかの実施例では、受け台350は、台座334の平坦表面から流出孔344内へと圧入される。幾つかの実施例では、受け台350は、結合材料又は他の超音波溶接によって流出孔344に連結される。
【0044】
図7A及び7Bを参照すると、開口位置及び閉鎖位置にある保持部材352がそれぞれ示されている。幾つかの実施例では、保持部材352は、開口第1端部と閉鎖第2端部と内部空洞とを有する円筒形状である。保持部材352の開口第1端部は、弾性チャンバ304の断面よりも大きい内部断面幅を備える。突起354が、閉鎖第2端部の内面から内部空洞内へと延在する。閉鎖位置では、保持部材352の開口第1端部が、弾性チャンバ304が内部空洞内へと延在するように収容部302へと取り付けられる。閉鎖位置では、突起354が、壁及びドーム部分の拡張を妨害するように弾性チャンバ304に係合する。幾つかの実施例では、突起354は、保持部材352が閉鎖位置にあるときに弾性チャンバ304のドームに対して逆向きに配向されるドームである。幾つかの実施例では、保持部材352の開口第1端部と閉鎖第2端部との間の距離が、閉鎖位置において内面が弾性チャンバ304に係合するように、弾性チャンバ304の長さよりも短い。保持部材352は、好適にはヒンジ356によって収容部302に連結される。幾つかの実施例では、保持部材352はリビングヒンジ356によって保持リング336に回転可能に連結される。幾つかの実施例では、保持部材352の開口第1端部及び保持リング336は、保持部材352を保持リング336にねじ止めできるように対のねじ山を備える。
【0045】
動作中、スパイク部314は、流入通路316及び流出通路318が流体容器と流体連通するように、流体容器の孔へと挿入される(不図示)。流体容器からの流体が、流入通路316を通って収容部302に入り始める。液体及び気体の両方を包含しうるこの流体は、収容部302の開口部320を通過し、ドリップチャンバ308と、ドリップチャンバ308の第2端部328における開口部に連結された(不図示の)菅部分とを充填し始める。気体を抜くために、流体送達システムは必ずプライミングされなければならない。
【0046】
流体送達システムは、管の第2端部を台座334の流入孔338に連結することでプライミングされる。プライミングを開始するには、弾性チャンバ304が、流体で少なくとも部分的に充填されていなければならない。幾つかの実施例では、流体は、流体容器又はドリップチャンバ308を圧縮することで弾性チャンバ304内へと運ばれる。幾つかの実施例では、流体は、弾性チャンバ304を圧縮及び解放することで弾性チャンバ304内へと引き込まれる。流体は、圧縮された弾性チャンバ304がその中間形状に戻るにつれて、流体容器から弾性チャンバ304内へと引き込まれる。いずれの場合にも、流体は、弾性チャンバ304に入るときに流入孔338の逆止弁306を通過する。次に、弾性チャンバ304が圧縮されることで、液体及び気体が弾性チャンバ304の流出孔340を通って運ばれる。液体及び気体は、逆止弁306によって、流入孔338を通って弾性チャンバ304から出てしまうのを防止又は妨害される。そして、流出孔340を通って弾性チャンバ304を出た液体及び気体は、収容部302の流出通路318を通って流体容器内へと案内される。
【0047】
弾性チャンバ304が繰り返し圧縮及び解放されるにつれて、流体容器からの液体がプライミングシステム内へと引き込まれ、液体と気体とを包含する流体が流体容器内へと戻る。気体が流体送達システム内に存在しなくなるか、納得できる水準まで減少すると、管の第2端部は流入孔338から取り外され、カテーテル、ポンプ、又は、患者に流体を送達する他の送達装置へと案内し直されてもよい。また、保持部材352は、弾性チャンバ304の圧縮が維持されるように収容部302に取り付けられ、弾性チャンバ304への接近が防止される。弾性チャンバ304を圧縮状態に維持することで、プライミング後の装置内に残る送達できなかった流体の量を低減する。
【0048】
図9図11を参照すると、弾性チャンバ404と逆止弁406とを有するプライミング装置の実施例が示されている。プライミング装置は、流体容器の孔へと挿入されるように構成されたスパイク部414を有する収容部402を含む。収容部から遠位のスパイク部414の先端が、流入通路416と流出通路418とを含む。収容部は、流入通路416と流体連結される開口部420と、流出口418と流体連結される収容孔422とを更に含む。
【0049】
スパイク部414が流体容器の孔へと挿入されると(不図示)、流入通路416は、流体容器内から収容部402に入るような流体の案内を可能にし、流出口418は、流体が収容部402から流体容器内へと戻るのを可能にする。
【0050】
スパイク部414の先端に対向する収容部402の一部が、開口部420の周囲に周隆起424を形成する。長尺の円筒を形成するドリップチャンバ408が、収容部402の開口部420に連結される。ドリップチャンバ408の開口第1端部426が、開口部420がドリップチャンバ408と流体連結されるように周隆起424に挿嵌される。
【0051】
弾性チャンバ404は、逆止弁406が流体容器と弾性チャンバ404との間にあるように、連結管458を通して収容孔422に流体連結される。逆止弁406は、流体容器から弾性チャンバ404に向かう方向のみに流体の流れを限定し、弾性チャンバ404内の圧力が上昇したとき(例えば弾性チャンバ404が拡張されたとき)に流体が流入通路416を通って流体容器に向かって流れるのを防止する。
【0052】
弾性チャンバ404は、可撓性の壁を有する袋又は風船である。弾性チャンバ404は、壁が、拡張又は圧縮された後に中間形状に戻るように、弾性材料を備える。材料及び形状は、弾性チャンバ404が、拡張した後に、流体を弾性チャンバ404の外に運んで流体容器内へと運ぶのに十分な復元力を有するように選択される。幾つかの実施例では、弾性チャンバ244はナイロン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリ塩化ビニルから構成される。しかし、弾性チャンバ404は他のエラストマーであってもよい。幾つかの実施例では、弾性チャンバ404の厚さは0.015’’(0.04cm)~0.100’’(0.25cm)であり、A20~A80のショア硬度を有する。
【0053】
図11を参照すると、連結管458は、開口流入端部と、流入端部に対向する開口流出端部とをもった円筒形状に形成される。流入孔438は、連結管の内面に沿った周隆起によって形成され、流入端部から或る距離だけずれる。流出孔440が、連結管の内面に沿った周隆起によって形成され、流出端部から或る距離だけずれる。連結管458内で、流入孔438と流出孔440との間に中間チャンバ464が形成される。弾性チャンバ404は、連結管458の壁を通って中間チャンバ464内へと延在する通路に連結される。
【0054】
逆止弁406は、連結管458内で、流入端部460と流入孔438との間に保持されることで、連結管458を通って流入端部460から中間チャンバ464に向かう方向のみに流体の流れを限定する。弾性チャンバ404が拡張されるとチャンバ内の圧力が上昇する。弾性チャンバ404の復元力が壁を圧縮するにつれて、圧力によって流体が弾性チャンバ404の外に運ばれる。流入孔438内に逆止弁406があることから、流体は弾性チャンバ404から流出孔440を通って案内される。
【0055】
幾つかの実施例では、流入端部460は無針医療接続器412を含む。無針医療接続器412は、連結管458内で、流入端部460と流入孔436との間に設置された弁446を含む。弁446は、密閉位置では流入孔438を密閉し、弁446は、開弁位置では流入孔438を密閉しない。
【0056】
幾つかの実施例では、流出孔440は、逆止弁444を含むことで、連結管458を通って弾性チャンバ404から中間チャンバ464に向かう方向のみに流体の流れを限定する。幾つかの実施例では、逆止弁444は、流出孔440と収容孔422との連結内、又は収容部402の流出通路418内に保持される。幾つかの実施例では、逆止弁406及び444はダックビル型逆止弁である。しかし、逆止弁406及び444は、傘型弁又はディスク弁といった、一般に流体を弁の一方向のみに流通させる任意の種類の弁であってもよい。
【0057】
動作中、スパイク部414は、流入通路416及び流出通路418が流体容器と流体連通するように、流体容器の孔へと挿入される(不図示)。流体容器からの流体が、流入通路416を通って収容部402に入り始める。液体及び気体の両方を包含しうるこの流体は、収容部402の開口部420を通過し、ドリップチャンバ408と、ドリップチャンバ408の第2端部428における開口部に連結された(不図示の)菅部分とを充填し始める。気体を抜くために、流体送達システムは必ずプライミングされなければならない。
【0058】
流体送達システムは、管の第2端部を連結管458の流入孔438に連結することでプライミングされる。プライミングを開始するには、弾性チャンバ404が、流体で少なくとも部分的に充填されていなければならない。幾つかの実施例では、流体は、流体容器又はドリップチャンバ408を圧縮することで弾性チャンバ404内へと運ばれる。流体は、弾性チャンバ404に入るときに流入孔438の逆止弁406を通過する。例えば流体容器又はドリップチャンバ408の圧縮を停止することで、流体を弾性チャンバ404内へと運ぶのを終えた後、弾性チャンバ404の復元力によって、液体及び気体が弾性チャンバ404から流出孔440を通って運ばれる。液体及び気体は、逆止弁406によって、流入孔438を通って連結管458から出てしまうのを防止される。そして、弾性チャンバ404を出て流出孔440を通った液体及び気体は、収容部402の流出通路418を通って流体容器内へと案内される。
【0059】
弾性チャンバ404が繰り返し圧縮及び解放されるにつれて、又は流体容器が圧縮されるにつれて、流体容器からの液体がプライミングシステム内へと引き込まれ、液体と気体とを包含する流体が流体容器内へと戻る。気体が流体送達システム内に存在しなくなるか、納得できる水準まで減少すると、管の第2端部は流入孔438から取り外され、カテーテル、ポンプ、又は、患者に流体を送達する他の送達装置へと案内し直されてもよい。弾性チャンバ404がその復元力によって中間形状へと戻ることから、弾性チャンバ404内に残る送達できなかった流体の量が低減する。
【0060】
図12図14を参照すると、弾性チャンバ504と逆止弁506とを有するプライミング装置の実施例が示されている。プライミング装置は、流体容器の孔へと挿入されるように構成されたスパイク部514を有する収容部502を含む(不図示)。収容部から遠位のスパイク部514の先端が、流入通路516と流出通路518とを含む。収容部は、流入通路216と流体連結される開口部520と、流出通路518と流体連結される収容孔522とを更に含む。
【0061】
スパイク部514が流体容器の孔へと挿入されると、流入通路516は、流体容器内から収容部502に入るような流体の案内を可能にし、流出口518は、流体が収容部502から流体容器内へと戻るのを可能にする。
【0062】
逆止弁506は、流体容器と弾性チャンバ504との間にある流入通路516に連結される。逆止弁506は、流体容器から弾性チャンバ504に向かう方向のみに流体の流れを限定し、弾性チャンバ504内の圧力が上昇したとき(例えば弾性チャンバ504が圧縮されたとき)に流体が流入通路516を通って流体容器に向かって流れるのを防止する。
【0063】
スパイク部514の先端に対向する収容部502の一部が、開口部520の周囲に周隆起524を形成する。長尺の円筒を形成する弾性チャンバ504(例えばドリップチャンバ又はプライミングバルブ)が、周隆起524に取り付けられて収容部502の開口部520と流体連結される。弾性チャンバ504の開口第1端部526が、開口部520が弾性チャンバ504と流体連結されるように周隆起524に挿嵌される。弾性チャンバ504は、円筒壁が、拡張又は圧縮された後に中間形状に戻るように、弾性材料を備える。材料及び形状は、弾性チャンバ504が、圧縮によって変形した後に、流体容器から流体を引き込むのに十分な拡張力を有するように選択される。
【0064】
逆止弁506が開口部520内に保持されることで、収容部502を通って流入通路516から弾性チャンバ504に向かう方向のみに流体の流れを限定する。幾つかの実施例では、逆止弁506は受け台550内に固定され、受け台550はそこを通る流体通路を有する。一実施例では、受け台550は円筒のような形状であり、開口第1端部と、円筒の周囲から部分的に内方に延在する周隆起をもった開口第2端部とを有する。受け台550の開口第1端部は、逆止弁506が開口部520と開口第2端部の周隆起との間に保持されるように、開口部520の周囲に取り付けられる。一実施例では、受け台550は開口部520へと圧入される。
【0065】
収容孔522は、逆止弁544を含むことで、収容孔522から流出口518に向かう方向のみに流体の流れを限定する。一実施例では、逆止弁506及び544はダックビル型逆止弁である。しかし、逆止弁506及び544は、傘型弁又はディスク弁といった、一般に流体を弁の一方向のみに流通させる任意の種類の弁であってもよい。幾つかの実施例では、収容孔522は無針医療接続器512を含む。無針医療接続器512は、収容孔522と逆止弁544との間に設置された弁546を含む。弁546は、密閉位置では収容孔522を密閉し、弁546は、開弁位置では収容孔522を密閉しない。
【0066】
動作中、スパイク部514は、流入通路516及び流出通路518が流体容器と流体連通するように、流体容器の孔へと挿入される(不図示)。流体容器からの流体が、流入通路516を通って収容部502に入り始める。流体は収容部502の開口部520を通過し、弾性チャンバ504の第2端部528に連結された弾性チャンバ504を充填し始める。初めに弾性チャンバ504を充填し始める流体は、液体及び気体の両方を包含してもよい。気体を抜くために、流体送達システムは必ずプライミングされなければならない。
【0067】
流体送達システムは、弾性チャンバ504の第2端部528を、管を介して収容孔522と連結することでプライミングされる。プライミングを開始するには、弾性チャンバ504が、流体で少なくとも部分的に充填されていなければならない。幾つかの実施例では、流体は、流体容器を圧縮することで弾性チャンバ504内へと引き込まれる。幾つかの実施例では、流体は、弾性チャンバ504を圧縮及び解放することで弾性チャンバ504内へと引き込まれる。流体は、圧縮された弾性チャンバ504がその中間形状に戻るにつれて、流体容器から弾性チャンバ504内へと引き込まれる。いずれの場合にも、流体は、弾性チャンバ504に入るときに開口部520における逆止弁506を通過する。次に、弾性チャンバ504が圧縮されることで、液体及び気体が弾性チャンバ504の第2端部528を通って運ばれる。液体及び気体は、逆止弁506によって、流入孔538を通って弾性チャンバ504から出てしまうのを防止又は妨害される。そして、第2端部528を通って弾性チャンバ504を出た液体及び気体は、管から収容孔522を通って流体容器内へと案内される。
【0068】
弾性チャンバ504が繰り返し圧縮及び解放されるにつれて、流体容器からの液体がプライミングシステム内へと引き込まれ、液体と気体とを包含する流体が流体容器内へと戻る。気体が流体送達システム内に存在しなくなるか、納得できる水準まで減少すると、管は収容孔522から取り外され、カテーテル、ポンプ、又は、患者に流体を送達する他の送達装置へと案内し直されてもよい。
【0069】
図15及び図16を参照すると、弾性チャンバ604と逆止弁606とを有するプライミング装置の実施例が示されている。プライミング装置は、開口第1端部と開口第2端部とを有する、円筒形状に形成された弾性チャンバ604を含む。弾性チャンバ604は、円筒壁が、拡張又は圧縮された後に中間形状に戻るように、弾性材料を備える。材料及び形状は、弾性チャンバ604が、圧縮によって変形した後に、流体容器から流体を引き込むのに十分な拡張力を有するように選択される。
【0070】
流体容器と弾性チャンバ604との間で、逆止弁606は、流体容器から弾性チャンバ604に向かう方向のみに流体の流れを限定し、流体が、チャンバ内の圧力が上昇したとき(例えば弾性チャンバ604が圧縮されたとき)に弾性チャンバ604の流入通路616を通って流体容器に向かって流れるのを防止する。
【0071】
流入孔638が弾性チャンバ604の第1端部に連結され、流出孔640が弾性チャンバ604の第2端部に連結される。流入孔638と流出孔640とのそれぞれが、第1部分と第2部分とを備える。流入通路616が流入孔638の第1部分及び第2部分を通って延在し、流出通路618が流出孔640の第1部分及び第2部分を通って延在する。
【0072】
流入孔638と流出孔640との第1部分は、外側円筒壁に囲まれた内側円筒壁を備える。内側円筒壁の外径は、管が、第1部分に連結されたときに、内側円筒壁と外側円筒壁との間に延在するように、管の内径よりも小さい。流入孔638と流出孔640との第2部分は、外側円筒壁に囲まれた内側円筒壁を備える。内側円筒壁の外径は、弾性チャンバ604が、第2部分に連結されたときに、内側円筒壁と外側円筒壁との間に延在するように、弾性チャンバ604円筒壁の内径よりも小さい。弁座668が、流入孔638の第2部分において流入通路616の周囲に延在する。弁座668は、弁座668内に保持された逆止弁606の外側断面幅以上の内側断面幅を有する。
【0073】
幾つかの実施例では、逆止弁606は受け台650によって弁座内に固定され、受け台650はそこを通る流体通路を有する。一実施例では、受け台650は円筒のような形状であり、開口第1端部と、円筒の周囲から部分的に内方に延在する隆起をもった開口第2端部とを有する。受け台650の開口第1端部は、逆止弁606が弁座と受け台650の隆起との間に保持されるように、弁座668の周囲に取り付けられる。
【0074】
逆止弁606は、流入孔638を通って弾性チャンバ604に向かう方向のみに流体の流れを限定する。弾性チャンバ604が圧縮されるとチャンバ内の圧力が上昇する。上昇した圧力によって流体が弾性チャンバ604の外に運ばれる。流入孔638内に逆止弁606があることから、流体は弾性チャンバ604から流出孔640を通って案内される。
【0075】
流出孔640における弁座669の深さは、流入孔638における弁座668の深さよりも深い。弁座669の深さがより深いことで、逆止弁644を、弾性チャンバ604から流出孔640を通る方向のみに流体の流れを可能にする配向で配置することが可能になる。
【0076】
幾つかの実施例では、逆止弁606及び644はダックビル型逆止弁である。しかし、逆止弁606及び644は、傘型弁又はディスク弁といった、一般に流体を弁の一方向のみに流通させる任意の種類の弁であってもよい。
【0077】
動作中、流入孔638は、流入通路616が流体容器と流体連通するように、流体容器と流体連結される(不図示)。流体容器からの流体が、流入通路616及び逆止弁606を通過して弾性チャンバ604に入り始める。初めに弾性チャンバ604を充填し始める流体は、液体及び気体の両方を包含してもよい。気体を抜くために、流体送達システムは必ずプライミングされなければならない。
【0078】
流体送達システムは、流出孔640を、管を介して流体容器と連結することでプライミングされる。プライミングを開始するには、弾性チャンバ604が、流体で部分的に充填されていなければならない。幾つかの実施例では、流体は、流体容器を圧縮することで弾性チャンバ604内へと運ばれる。幾つかの実施例では、流体は、弾性チャンバ604を圧縮及び解放することで、弾性チャンバ604内へと引き込まれる。流体は、圧縮された弾性チャンバ604がその中間形状に戻るにつれて、流体容器から弾性チャンバ604内へと引き込まれる。いずれの場合にも、流体は、弾性チャンバ604に入るときに逆止弁606を通過する。次に、弾性チャンバ604が圧縮されることで、液体及び気体が弾性チャンバ604の流出通路618を通って運ばれる。液体及び気体は、逆止弁606によって、流入通路616を通って弾性チャンバ604から出てしまうのを防止又は妨害される。そして、流出通路618を通って弾性チャンバ604を出た液体及び気体は、流出孔640から管を通って流体容器へと案内される。
【0079】
弾性チャンバ604が繰り返し圧縮及び解放されるにつれて、流体容器からの液体がプライミングシステム内へと引き込まれ、液体と気体とを包含する流体が流体容器内へと戻る。気体が流体送達システム内に存在しなくなるか、納得できる水準まで減少すると、管は流体容器から取り外され、カテーテル、ポンプ、又は、患者に流体を送達する他の送達装置へと案内し直されてもよい。
【0080】
図17図21を参照すると、弾性チャンバ704と逆止弁706とを有するプライミング装置の実施例が示されている。プライミング装置は、流入通路716と流出通路718とを有する収容部702を含む。流入通路716は流入孔738から弾性チャンバ704まで延在し、流体容器から流体を受け取るように構成されている。流出通路718は弾性チャンバ704から流出孔741まで延在し、流体を弾性チャンバ704から離れるように案内するように構成されている。
【0081】
流体容器と弾性チャンバ704との間で、逆止弁706は流入孔716に連結される。逆止弁706は、流体容器から弾性チャンバ704に向かう方向のみに流体の流れを限定し、流体が、弾性チャンバ704内の圧力が上昇したとき(例えば弾性チャンバ704が圧縮されたとき)に流入通路716を通って流体容器に向かって流れるのを防止する。
【0082】
流入孔738及び流出孔740は、外側円筒壁に囲まれた内側円筒壁を備える。内側円筒壁の外径は、管が、第1部分に連結されたときに、内側円筒壁と外側円筒壁との間に延在するように、管の内径よりも小さい。
【0083】
収容部702の一部が、弾性チャンバ704を収容部702に連結するための台座734を形成する平坦表面を備える。流入通路716及び流出通路718は台座734の同軸上を通って延在する。弁座768及び769が、流入通路716及び流出通路718の台座734との交差点にそれぞれ形成される。
【0084】
弾性チャンバ704は、ドーム部分と、ドーム部分に対向する開口部とを有する円筒のような形状である。フランジ732が、開口部を囲んで弾性チャンバ704から径方向外方に延在する。弾性チャンバ704は、円筒壁とドーム部分とが、拡張又は圧縮された後に中間形状に戻るように、弾性材料を備える。材料及び形状は、弾性チャンバ704が、圧縮によって変形した後に、流入孔738に連結された流体容器から流体を引き込むのに十分な拡張力を有するように選択される。幾つかの実施例では、材料は、図2図8に示す実施例で上述されたものと同じか、構造的及び/又は機能的に同等である。
【0085】
弾性チャンバ704の開口部が台座734に対して配置されると、弾性チャンバ704の開口部は台座734によって受容されて封止される。フランジ732の表面によって形成された平面が、台座734の外周の周囲に形成された隆起内に受容される。弾性チャンバ704は、弾性チャンバ704の周囲に延在して台座734の隆起部分と連結する周保持リング736によって、台座734に対して保持される。保持リング736が台座734に連結されると、フランジ732が保持リング736と台座734との間に捕らえられて流体密閉を形成する。
【0086】
幾つかの実施例では、流出通路718は逆止弁744を含むことで、弾性チャンバ704から流出孔740に向かう方向のみに流体の流れを限定する。弾性チャンバ704が圧縮されるとチャンバ内の圧力が上昇する。上昇した圧力によって流体が弾性チャンバ704の外に運ばれる。流入孔738内に逆止弁706があることから、流体は弾性チャンバ704から流出孔740を通って案内される。幾つかの実施例では、逆止弁706及び744はダックビル型逆止弁である。しかし、逆止弁706及び744は、傘型弁又はディスク弁といった、一般に流体を弁の一方向のみに流通させる任意の種類の弁であってもよい。
【0087】
幾つかの実施例では、逆止弁706及び744の両方が、受け台751によって弁座768及び769内に保持され、受け台751はそこを通る1つ以上の流体通路を有する。受け台751はカップのような形状であり、開口第1端部と、円筒の第2端部から部分的に内方に延在する隆起をもった開口第2端部とを有する。そして、受け台751の開口第1端部は、弁座768及び769へと挿入されて、逆止弁706及び744を保持する。弁座768及び769に取り付けられる際、流入通路716の逆止弁706は受け台751の開口第2端部を通って延在し、同時に、流出通路718の逆止弁744は受け台350から離間する。幾つかの実施例では、各逆止弁706及び744は、個別の受け台751によって弁座768及び769内に保持されてもよい。
【0088】
動作中、流入孔738は、流入通路716が流体容器と流体連通するように、流体容器と流体連結される(不図示)。流体容器からの流体が、流入通路716及び逆止弁706を通過して弾性チャンバ704に入り始める。初めに弾性チャンバ704を充填し始める流体は、液体及び気体の両方を包含してもよい。気体を抜くために、流体送達システムは必ずプライミングされなければならない。
【0089】
流体送達システムは、流出孔740を、管を介して流体容器と連結することでプライミングされる。プライミングを開始するには、弾性チャンバ704が、流体で少なくとも部分的に充填されていなければならない。幾つかの実施例では、流体は、流体容器を圧縮することで弾性チャンバ704内へと運ばれる。幾つかの実施例では、流体は、弾性チャンバ704を圧縮及び解放することで、弾性チャンバ704内へと引き込まれる。流体は、圧縮された弾性チャンバ704がその中間形状に戻るにつれて、流体容器から弾性チャンバ704内へと引き込まれる。いずれの場合にも、流体は、弾性チャンバ704に入るときに逆止弁706を通過する。次に、弾性チャンバ704が圧縮されることで、液体及び気体が弾性チャンバ704の流出通路718を通って運ばれる。液体及び気体は、逆止弁706によって、流入通路716を通って弾性チャンバ704から出てしまうのを防止又は妨害される。そして、流出通路718を通って弾性チャンバ704を出た液体及び気体は、流出孔740から管を通って流体容器へと案内される。
【0090】
弾性チャンバ704が繰り返し圧縮及び解放されるにつれて、流体容器からの液体がプライミングシステム内へと引き込まれ、液体と気体とを包含する流体が流体容器内へと戻る。気体が流体送達システム内に存在しなくなるか、納得できる水準まで減少すると、管は流体容器から取り外され、カテーテル、ポンプ、又は、患者に流体を送達する他の送達装置へと案内し直されてもよい。
【0091】
上述の説明は、本明細書に説明される様々な構成を当業者が実施することが可能となるように提供される。本主題の技術は様々な図面及び構成を参照して具体的に説明されてきたが、これらは例示のみを目的とし、本主題の技術の範囲を限定するものとして受け止められるべきではないことが理解されよう。
【0092】
本主題の技術を実現するには多くの他の方法がある。本明細書に説明される様々な機能及び要素は、本主題の技術の範囲から逸脱することなく、示されるものとは異なるように仕切られてもよい。これらの構成の様々な変形例が当業者に対して容易に明らかになると考えられ、また、本明細書に説明される包括的な原理が他の構成に適用されてもよい。このため、本主題の技術に対する多くの変更及び変形例が、当分野の通常の技術を有する者によって、本主題の技術の範囲を逸脱することなく作られてもよい。
【0093】
開示されるプロセスにおける工程の具体的な順序又は序列は、例示的な方法の例示と理解される。設計の好ましさに基づくと、プロセスにおける工程の具体的な順序又は序列は再構成されてもよいことが理解される。工程の幾つかは同時に実行されてもよい。添付の方法クレームは、見本の順序における様々な工程の要素を提示し、これらは、提示される具体的な順序又は序列に限定することを意味するものではない。
【0094】
本明細書で使用されるような、一連の項目から続く表現「の少なくとも1つ」には、それらの項目のいずれかを分離する用語「及び」又は「又は」が伴い、その一覧の各要素(例えば各項目)ではなく一覧全体を変更する。表現「の少なくとも1つ」は、一覧の各項目の少なくとも1つを選択することを要求するのではなく、むしろ、この表現は、項目のいずれか1つを少なくとも1つ、及び/又は、項目の任意の組み合わせの少なくとも1つ、及び/又は、項目のそれぞれの内の少なくとも1つを含む意味を許容する。例としては、表現「A、B及びCの少なくとも1つ」又は「A、B又はCの少なくとも1つ」は、それぞれ、Aのみ、Bのみ又はCのみを意味してもよいし、AとBとCとの任意の組み合わせを意味してもよいし、A、B及びCのそれぞれの少なくとも1つを意味してもよい。
【0095】
本開示で使用されるような「上」、「底」、「前」及び「後」等といった用語は、通常の重力の枠組みではなく任意の枠組みを参照することが理解されよう。このため、上面、底面、前面及び後面は、重力の枠組みにおける上方、下方、対角線上又は水平方向に延在してもよい。
【0096】
また、用語「含む」又は「有する」等が説明又は請求項で使用される範囲において、こうした用語は、用語「備える」が、請求項内での暫定的な語として採用された場合に解釈されるように、「備える」と同様の手法で包括されるようになっている。
【0097】
本明細書では、語「例示的」は「例、場合又は例示として機能する」ことを意味するように使用される。本明細書で「例示的」として説明される任意の実施例は、他の実施例よりも好適又は有利なものとして解釈されなくてもよい。
【0098】
単数形の要素の参照は、特にそのような記載がない限りは「1つ及び1つのみ」を意味するようになってはおらず、むしろ「1つ以上」を意味するようになっている。男性代名詞(例えば、彼の)には女性及び中性(例えば、彼女の及びそれの)が含まれ、その逆も然りである。用語「幾つか」は1つ以上を参照する。下線及び/又は斜体の見出し及び小見出しは利便性のためのみに用いられ、本主題の技術を限定するものではなく、本主題の技術の説明を解釈に関連して参照されるものではない。本開示を通して説明される様々な構成の要素に対する、当業者にとって既知である又は後から既知となる全ての構造的且つ機能的な同等性は、参照によって本明細書に明確に組み込まれ、本主題の技術によって包含されるようになっている。また、本明細書に開示されるものは、いずれも、こうした開示が上述の説明内に明確に記されているか否かに関わらず、公共に対して限定されるものではない。
【0099】
本主題の技術の或る態様及び実施例が説明されてきたが、これらはほんの一例として提示されており、本主題の技術の範囲を限定しようとするものではない。実際、本明細書に記載される新たな方法及びシステムが、本主題の技術の精神から逸脱することなく、様々な他の形態に実現されてもよい。添付の請求項及びその同等性は、本主題の技術の範囲及び精神内に収められるように、こうした形態又は変形例を網羅するようになっている。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2022-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張又は圧縮された後に中間形状に戻る弾性材料を備える円筒部分と、開口第1端部と、前記開口第1端部に対向する開口第2端部とを有する弾性チャンバと、
前記開口第1端部に連結される流入孔であって、流入管を受容するように構成される第1流入部分と、前記弾性チャンバの前記円筒部分の第1端部に連結される第2流入部分と、前記第1流入部分と前記第2流入部分とを通って延在する流入通路とを有し、前記流入通路は流体容器からの流体を受容するように構成される、流入孔と、
前記開口第2端部に連結される流出孔であって、流出管を受容するように構成される第1流出部分と、前記弾性チャンバの前記円筒部分の第2端部に連結される第2流出部分と、前記第1流出部分と前記第2流出部分とを通って延在する流出通路とを有し、前記流出通路は前記弾性チャンバからの流体を受容するように構成される、流出孔と、
前記流入孔の前記第2流入部分に配置される第1逆止弁であって、前記流体容器から前記弾性チャンバに向かう流体の流れを可能にし、前記流入通路を通って前記流体容器に向かう流体の流れに抵抗するように構成される第1逆止弁と、を備え、
前記弾性チャンバの前記弾性材料を圧縮したときに、前記流体は、前記流出孔と前記流出通路を通って前記流体容器に戻る、プライミングシステム。
【請求項2】
前記流入孔の前記第1流入部分は、内側円筒壁と外側円筒壁とを備え、前記第1流入部分は、前記内側円筒壁と前記外側円筒壁との間の前記流入管を受容するように構成され、前記流入管は、前記流体容器に接続される、請求項1に記載のプライミングシステム。
【請求項3】
前記流入孔の前記第2流入部分は、内側円筒壁と外側円筒壁とを備え、前記第2流入部分は、前記内側円筒壁と前記外側円筒壁との間の前記弾性チャンバの前記開口第1端部の円筒壁を受容するように構成される、請求項1又は2に記載のプライミングシステム。
【請求項4】
前記流出孔は、内側円筒壁と外側円筒壁とを備え、前記流出孔は、前記内側円筒壁と前記外側円筒壁との間の前記流出管を受容するように構成され、前記流出管は、前記流体容器に接続される、請求項1に記載のプライミングシステム。
【請求項5】
前記流出孔の前記第2流入部分は、内側円筒壁と外側円筒壁とを備え、前記第2流出部分は、前記内側円筒壁と前記外側円筒壁との間の前記弾性チャンバの前記開口第2端部の円筒壁を受容するように構成される、請求項1又は4に記載のプライミングシステム。
【請求項6】
前記液体が前記流体容器から、前記第1逆止弁を通って、前記弾性チャンバ内に受容されるときに、前記弾性チャンバの前記弾性材料は拡張する、請求項1に記載のプライミングシステム。
【請求項7】
前記弾性チャンバの前記弾性材料は、圧縮されてその中の液体を、前記流出孔を通って、前記流体容器に向けるときに、収縮する、請求項1に記載のプライミングシステム。
【請求項8】
前記流入孔の前記第2流入部分は、前記流入通路の周囲に延在する第1弁座を含む、請求項1に記載のプライミング装置。
【請求項9】
前記第1の逆止弁は、前記第1弁座に固定され、前記第1弁座は、前記第1逆止弁の外側断面幅以上の内側断面幅を有する、請求項8に記載のプライミングシステム。
【請求項10】
前記流入孔の前記第2流入部分は、そこを通る流体通路を有する第1受け台を含み、前記第1逆止弁は、前記第1受け台により前記第1弁座内に固定される、請求項8又は9に記載のプライミングシステム。
【請求項11】
前記第1受け台は、開口第1端部と、開口第2端部から部分的に内方に延在する隆起をもった開口第2端部とを有する、カップのような形状であり、前記第1逆止弁を固定するために、前記第1受け台の前記開口第1端部が、前記第1弁座上に挿入される、請求項10に記載のプライミングシステム。
【請求項12】
前記流出孔の前記第2流出部分に配置される第2逆止弁であって、前記弾性チャンバから前記流体容器に向かう流体の流れを可能にし、前記流出通路を通って前記弾性チャンバに向かう流体の流れに抵抗するように構成される第2逆止弁を備える、請求項1に記載のプライミングシステム。
【請求項13】
前記流出孔の前記第2流出部分は、前記流出通路の周囲に延在する第2弁座を含む、請求項12に記載のプライミング装置。
【請求項14】
前記第2逆止弁は、前記第2弁座内に固定され、前記第2弁座は、前記第2逆止弁の外側断面幅以上の内側断面幅を有する、請求項13に記載のプライミングシステム。
【請求項15】
前記流出孔の前記第2流出部分は、そこを通る流体通路を有する第2受け台を含み、前記第2逆止弁は、前記第2受け台により前記第2弁座内に固定される、請求項13又は14に記載のプライミングシステム。
【請求項16】
前記第2受け台は、開口第1端部と、開口第2端部から部分的に内方に延在する隆起をもった開口第2端部とを有する、カップのような形状であり、前記第2逆止弁を固定するために、前記第2受け台の前記開口第1端部が、前記第2弁座上に挿入される、請求項15に記載のプライミングシステム。
【請求項17】
前記流入孔の前記第2流入部分は、前記流入通路の周囲に延在する第1弁座を含み、前記第1逆止弁は、前記第1弁座内に固定され、前記流出孔の前記第2流出部分は、前記流出通路の周囲に延在する第2弁座を含み、第2逆止弁は、前記第2弁座内に固定され、前記第2弁座の深さは、前記第1弁座の深さよりも深い、請求項1に記載のプライミングシステム。
【請求項18】
流体を前記流入通路内に受容するステップと、
前記流体を前記流入通路内の前記第1逆止弁を通して、前記弾性チャンバ内に向けるステップと、
前記弾性チャンバの前記弾性材料を手動で圧縮して、前記流体を、前記流出通路を通して向けるステップと、を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載のプライミングシステムに使用する、プライミング方法。
【請求項19】
前記液体を前記弾性チャンバに向けるステップが、前記弾性チャンバの前記弾性材料の拡張を引き起こす、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記流体容器から前記流入通路内の前記流体を受容するステップを、さらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記流出通路から前記流体容器に前記流体を向けるステップを、さらに含む、請求項18に記載の方法。