IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オリンパス株式会社の特許一覧

特開2022-121619撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法
<>
  • 特開-撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法 図1
  • 特開-撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法 図2
  • 特開-撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法 図3
  • 特開-撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法 図4
  • 特開-撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法 図5
  • 特開-撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法 図6
  • 特開-撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法 図7
  • 特開-撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法 図8
  • 特開-撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法 図9
  • 特開-撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法 図10
  • 特開-撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法 図11
  • 特開-撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法 図12
  • 特開-撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法 図13
  • 特開-撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法 図14
  • 特開-撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121619
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20220812BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105559
(22)【出願日】2022-06-30
(62)【分割の表示】P 2019060709の分割
【原出願日】2019-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】特許業務法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】豊田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】吉田 英明
(72)【発明者】
【氏名】池田 勝
(72)【発明者】
【氏名】長 和彦
(72)【発明者】
【氏名】吉田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】野中 修
(57)【要約】
【課題】撮像装置の状態の評価を正しくできるように、撮像装置の使用履歴情報を管理するための、撮像装置の使用履歴情報管理システムを提供する。
【解決手段】 画像管理システム1は、撮像装置が操作された時の操作情報を取得する操作情報取得部と、撮像装置の識別情報と操作情報を関連付けた管理情報を作成する管理情報作成部を有する撮像装置と通信し、管理情報の履歴を識別情報と通信時刻ごとにブロックチェーンで管理する。画像管理システム1は、管理情報の生成時刻と管理情報の通信時刻とを比較して、ブロックチェーンに繋げるブロックを決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置が操作された時の操作情報を取得する操作情報取得部と、
前記撮像装置の識別情報と前記操作情報を関連付けた管理情報を作成する管理情報作成部を有する前記撮像装置と通信し、前記管理情報の履歴を前記識別情報と通信時刻ごとにブロックチェーンで管理する管理システムであって、
前記管理情報の生成時刻と前記管理情報の通信時刻とを比較して、前記ブロックチェーンに繋げるブロックを決定する、撮像装置の使用履歴情報管理システム。
【請求項2】
撮像装置の使用履歴情報を管理するシステムであって、
前記撮像装置が操作された時の操作情報を取得し、
前記撮像装置の識別情報と前記操作情報を関連付けた管理情報を作成する管理情報作成部を有する前記撮像装置と通信し、前記管理情報の履歴を前記識別情報と通信時刻ごとにブロックチェーンで管理し、
前記管理情報の生成時刻と前記管理情報の通信時刻とを比較して、前記ブロックチェーンに繋げるブロックを決定する、撮像装置の使用履歴を管理する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、日本国特開2019-29988号公報には、車両における部品の交換を確実に管理する管理システムが提案されている。よって、そのようなシステムを利用して、カメラなどの撮像装置の部品の交換情報を管理することはできる。
【0003】
しかし、撮像装置自体の状態の評価は、部品の交換情報だけでは適切にすることはできない。撮像装置の使われ方は、ユーザにより異なる。例えば、ユーザが撮像装置の所謂ヘビーユーザである場合は、撮像装置による写真の撮影枚数も多く、その撮像装置は、撮像装置の使用頻度が高い。従って、撮像装置のメンテナンスの必要性の判断、撮像装置の下取り価格査定などを行うときに、部品の交換情報だけでは、撮像装置の状態を、正しく評価することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-29988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、撮像装置の状態の評価を正しくできるように、撮像装置の使用履歴情報を管理するための、撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の撮像装置の使用履歴情報管理システムは、撮像装置が操作された時の操作情報を取得する操作情報取得部と、前記撮像装置の識別情報と前記操作情報を関連付けた管理情報を作成する管理情報作成部を有する前記撮像装置と通信し、前記管理情報の履歴を前記識別情報と通信時刻ごとにブロックチェーンで管理する管理システムであって、前記管理情報の生成時刻と前記管理情報の通信時刻とを比較して、前記ブロックチェーンに繋げるブロックを決定する。
【0007】
本発明の一態様の撮像装置の使用履歴を管理する方法は、撮像装置の使用履歴情報を管理するシステムであって、前記撮像装置が操作された時の操作情報を取得し、前記撮像装置の識別情報と前記操作情報を関連付けた管理情報を作成する管理情報作成部を有する前記撮像装置と通信し、前記管理情報の履歴を前記識別情報と通信時刻ごとにブロックチェーンで管理し、前記管理情報の生成時刻と前記管理情報の通信時刻とを比較して、前記ブロックチェーンに繋げるブロックを決定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮像装置の状態の評価を正しくできるように、撮像装置の使用履歴情報を管理するための、撮像装置の使用履歴情報管理システム、及びその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係わる撮像装置の使用履歴情報管理システムの構成を示す構成図である。
図2】本発明の実施の形態に係わる管理サーバの機能構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態に係わるカメラの構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態に係わるカメラ及びパーソナルコンピュータの動作の流れの例を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施の形態に係わる、操作特徴情報取得部における操作特徴情報の検出を説明する図である。
図6】本発明の実施の形態に係わる、ユーザのパーソナルコンピュータの表示装置に表示されるガイド表示の例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態に係わる、カメラが受けたショック情報を記録するための処理の流れの例を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施の形態に係わる、カメラにおいて生成される画像ファイルのデータ構造を示す図である。
図9】本発明の実施の形態に係わる、管理サーバの動作の流れの例を示すフローチャートである。
図10】本発明の実施の形態に係わる、管理サーバの記憶装置に格納される画像ファイル及び各管理ファイルのデータ構造を示す図である。
図11】本発明の実施の形態に係わる、ブロックチェーンのデータ構造を説明するための図である。
図12】本発明の実施の形態に係わる、ブロックチェーンによるブロックの相互確認の方法を説明するための図である。
図13】本発明の実施の形態に係わる、管理サーバにおけるカメラのレンタルサービスに関する処理の流れの例を示すフローチャートである。
図14】本発明の実施の形態に係わる、管理サーバにおけるカメラのレンタルサービスに関する処理の流れの例を示すフローチャートである。
図15】本発明の実施の形態に係わる、配送業者の端末装置の通信装置によるカメラCから使用履歴情報の読み出し説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(システム構成)
図1は、本実施の形態に係わる撮像装置の使用履歴情報管理システムの構成を示す構成図である。様々な機器(ここでは撮像装置)は、使用される環境や使うユーザの機器操作の癖や習慣、撮像対象となる対象物、あるいは、これらの結果として使用頻度などが異なり、同じように製造されてから一年の機器でも、個々の機器の品質劣化の具合が異なる場合が多い。ブロックチェーンを活用した部品交換履歴の管理システムは提案されているが、例えば中古カメラの価値を判定するためには、部品交換履歴だけでなく、撮影者のカメラの使用履歴(蓄積撮影回数、荒っぽさ等)を加味する必要がある。従って、上記のような場合を考慮すると、機器の状態の評価が重要である。状態の評価は品質の維持の状態とか機器を構成する各部の劣化の状態の評価と言い換えてもよい。本実施形態は、そうした機器の査定が正しく行われるようにして、無意識のユーザに、状態の見える化を行い、品質を気にしながら機器を利用するユーザにこの使用履歴情報管理によって安心感を与えるものである。
画像管理システム(以下、管理システムという)1は、画像管理サーバ(以下、管理サーバという)11を含む。管理サーバ11は、ネットワーク、ここではインターネット12に接続された他の装置と通信可能である。
【0011】
管理装置である管理サーバ11は、複数の撮像装置の画像情報と使用履歴情報を管理するコンピュータである。本実施形態では、複数の撮像装置は、様々な環境で様々なユーザが使うカメラC1~Cn(nは正の整数)であるが、装置個体の出来栄えもあるので、同じユーザが使う、同様の使われ方のカメラでもよい。管理サーバ11は、ハードウエア回路を含むプロセッサ13と、記憶装置14を含む。記憶装置14は、各種プログラムを記憶するプログラム記憶領域14aと、画像情報を記憶する画像情報記憶領域14bと、使用履歴情報を記憶する使用履歴情報記憶領域14cを含む。
【0012】
さらに、記憶装置14は、後述する画像ソーシャル・ネットワーキング・サービスなどのために、ユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶領域14dも有している。ユーザ情報記憶領域14dのユーザ情報は、画像ソーシャル・ネットワーキング・サービスなどのためのユーザ管理情報であり、ユーザの氏名などの個人情報と、ユーザを識別するためのユーザ識別情報(以下、ユーザIDという)を含む。
【0013】
プロセッサ13は、中央処理装置(CPU)、ROM、RAMなどを含み、ROM及び記憶装置14に記憶された各種プログラムを読み出して実行する。プロセッサ13により各種プログラムが実行されることにより、管理サーバ11の有する各種サービスが実現される。プログラム記憶領域14aには、管理サーバ11の有する各種サービスのための各種プログラムが格納されている。
【0014】
なお、プロセッサ13は、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の半導体装置、アナログ電子回路などを含んで構成され、各種サービスの全て又は一部を実現するようにしてもよい。
【0015】
本実施形態では、管理サーバ11は、画像投稿等ができる会員登録制の画像サービスサイトであり、会員であるユーザに対して各種サービスを提供する。そのサイトは、例えば、画像の投稿ができるソーシャル・ネットワーキング・サービスサイト(以下、画像SNSサービスという)を提供する。よって、ユーザは、画像SNSサービスを利用して、自己の撮った写真の画像データを投稿すなわちアップしたり、そのサービスサイトにアップされた自己及び他人の画像を鑑賞したりすることができる。
【0016】
さらに、そのサービスサイトは、画像投稿サービスに加えて、ユーザがカメラの貸し借りをできるレンタルサービスも提供している。よって、プログラム記憶領域14aには、画像SNSサービスのための投稿サービスプログラムSSとカメラのレンタルサービスのためのレンタルサービスプログラムRSが格納されている。投稿サービスプログラムSSとレンタルサービスプログラムRSは、各種サービスを提供するためのメニュー画面、及びコマンド入力ためのGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)等のためのプログラム及びデータを含む。
【0017】
ユーザは、画像SNSサービスを利用する場合、インターネット12を介して画像SNSサービスサイトにアクセスしてユーザ情報の登録を事前に行う。ユーザ情報は、ユーザ情報記憶領域14dに記録される。管理サーバ11は、登録されたユーザ情報に対応するユーザIDを生成してユーザ情報記憶領域14dに登録する。以下,各カメラCの各ユーザが画像SNSサービスとレンタルサービスを利用できるとする。
【0018】
画像SNSサービスを利用するとき、ユーザは、例えばパーソナルコンピュータ(以下、PCという)15からインターネット12を介して、自己のカメラC1で撮った写真の画像データを、画像SNSサービスサイトにアップすることができる。PC15は、各種プログラムを実行するプロセッサ15aと、インターネット12を介して通信を行うため通信回路15bと、表示装置15cを有している。よって、他のユーザも、各々の所有するカメラC2~Cnで撮った写真の画像データを、図示しないPCを利用して、二点鎖線で示すように、サービスサイトにアップすることができる。
このように、画像は視認性の高いコンテンツであり、情報量も多く、審美性などにも応えられるため、ネットワークを介して何かを伝えるには魅力的なコンテンツであって、ユーザがカメラで撮影した画像をアップロードするモチベーションが高い。また、静止画を使った日記風のブログや動画投稿サービスなどに代表されるSNSに限らず、ネットワーク上には様々なレポートなどコンテンツがあって、多くのネットユーザの眼をひくような、あるいは多くのネットユーザに伝わりやすいような工夫として画像が使われる場合が多い。このネットワーク上へのアップロードでその撮影の機器、装置の情報、あるいは撮影環境、背景などが分かるようにするのは、同様の画像を撮ってみたいお手本となり、また、新たに撮影された画像がネットワーク上のコンテンツを魅力的なものにするといった、循環が生まれる。
【0019】
また、こうした画像を見て、同様の画像を撮影したくなる人も多く、そうしたユーザは、レンタルで機器を使ってみたくなったりする。また、何台も装置を持っている人は、使ってない装置も多いので、レンタルシステム、レンタルサービスで貸し借りするニーズも増加する。このレンタルサービスを利用して、ユーザは、有償で、自己の所有するカメラC1~Cn(以下、各カメラ若しくは全てのカメラをさすときは、カメラCという)を他人に貸したり、他人から借りたりすることができる。レンタルサービスは、配送業者等の店舗において、あるいは宅配業者を利用して、ユーザはカメラCの貸し出し及び受け取りをすることができる。近年、配送サービスもまた、インターネット購買の普及で発達しており、IT(情報技術)環境に即したシステムとなっている。このネット購買なども画像が重要なコンテンツとなって、購買意欲を駆り立てる一助となっているので、こうした画像をアップする機会も増えている。そのため、管理サーバ11は、配送業者の店舗の端末装置16、配送業者が携帯する携帯端末17等からアクセスされる。もちろん、購買とか有償とかにこだわる必要はなく、相手が大事に使ってくれるかといった管理情報が確認可能であれば、何らかの助け合い等で、無償で装置を貸し出す場合もあり、こうした互助活動の支援にも使えて、本実施形態のシステムは社会貢献にも有効である。
【0020】
さらに、管理サーバ11は、投稿された各画像の画像ファイルから、各カメラCの使用履歴情報を抽出して使用履歴情報記憶領域14cに記録して管理する。各カメラの使用履歴情報は、後述するようにカメラCを所有するユーザへのメンテナンス情報の提供に使用されたり、レンタルサービスにおける貸し出し前と返却後のカメラの状態の判定に使用される。そのため、後述するように、管理サーバ11は、各カメラCの使用履歴情報に対してデータの改ざんがされないように、各カメラCの使用履歴情報を高いデータ信頼性を保って管理する。
【0021】
こうしたデータ管理は中央集権型の使用履歴管理を行ってもよいが、この場合は管理する立場にとっては、画像の取り扱いをモニタしたりするネットワークの構築(世界中に張り巡らす必要がある)に多大な投資が必要とされ、メンテナンスなどを含め、多大な責任が負わされることになるため、本実施形態では、使用履歴管理に分散管理の手法を利用している。もちろん、閉じられたコミュニティなどが規定できるなら集中管理でもよい。ここでは、分散管理の一例として、全てのカメラCの使用履歴情報は、ブロックチェーン技術を利用して記憶され、管理される。すなわち、使用履歴情報は、インターネット12に相互に接続された、管理サーバ11と、複数のコンピュータ18とにより、ブロックチェーンの分散台帳として管理される。すなわち、使用履歴情報の管理情報は、ブロックチェーンを共有する分散型のネットワークに接続された複数の装置により管理される。よって、管理サーバ11は、分散台帳形式でブロックチェーンを利用して使用履歴情報を管理するための使用履歴情報管理プログラムBSを、プログラム記憶領域14aに格納している。
【0022】
投稿サービスプログラムSS、レンタルサービスプログラムRS、及び操作情報管理プログラムBSが、管理サーバ11のプロセッサ13により読み出されて実行されることにより、各種サービスの提供と使用履歴情報の管理が行われる。
(管理サーバの構成)
図2は、管理サーバ11の機能構成を示すブロック図である。管理サーバ11は、上述したプロセッサ13を含み、プロセッサ13は、判定部21を含む。
【0023】
管理サーバ11は、さらに、画像データベース(以下、画像DBという)22と、使用履歴データベース(以下、使用履歴DBという)23と、ユーザデータベース(以下、ユーザDBという)24と、通信部25とを含む。画像DB22により記録され管理される各画像ファイルは、画像情報記憶領域14bに記憶される。使用履歴DB23により記録され管理される各使用履歴情報の管理ファイルは、使用履歴情報記憶領域14cに記憶される。ユーザDB24により記録され管理される各ユーザ情報の管理ファイルは、ユーザ情報記憶領域14dに記憶される。
【0024】
判定部21は、ROMあるいはプログラム記憶領域14aに記憶されたソフトウエアプログラムにより構成される。判定部21は、各々がソフトウエアプログラムにより構成された、アクセス判定部21a、ユーザ判定部21b、使用履歴抽出部21c、及び推定ガイド部21dを含む。
【0025】
判定部21の各プログラムは、プロセッサ13により読みだされて実行される。プロセッサ13は、管理サーバ11へのアクセスからアクセス判定部21aによりリクエスト内容を判定し、リクエスト内容に応じて、投稿サービスプログラムSS及びレンタルサービスプログラムRSを実行する。
【0026】
さらに、プロセッサ13は、各種処理を実行しながら、ユーザ判定部21b、使用履歴抽出部21c、及び推定ガイド部21d等の各プログラムを実行し、その実行の結果得られた操作履歴情報を、使用履歴情報管理プログラムBSにより、使用履歴DB23に格納すると共に、ブロックチェーンにより分散台帳により管理する。
【0027】
アクセス判定部21aは、管理サーバ11へのアクセスがあっとときに、そのアクセスに関わるリクエスト内容を判定する。アクセス判定部21aは、管理サーバ11へのアクセスがあったときに、アクセスデータに基づいて、そのアクセスが画像SNSサービスへのアクセスであるか、レンタルサービスへのアクセスであるか、等々の判定を行う。
【0028】
ユーザ判定部21bは、アクセスデータに含まれる情報からユーザを判定する。後述するように、管理サーバ11は、アクセスがあったときに、そのアクセスをしたユーザを、事前に登録されたユーザDBに基づいて判定する。
【0029】
使用履歴抽出部21cは、後述するように投稿された画像ファイルから使用履歴情報を抽出する。推定ガイド部21dは、使用履歴情報から推定されたユーザへのメッセージ情報などを生成する。
【0030】
画像DB22は、ユーザから画像SNSサービスサイトにアップされた画像ファイルに含まれる画像データを、画像情報記憶領域14bに記憶して管理する。使用履歴DBは、ユーザから画像SNSサービスサイトにアップされた画像ファイルに含まれる使用履歴情報を、使用履歴情報記憶領域14cに記憶して管理する。
【0031】
通信部25は、プロセッサ13がインターネット12を介して、ユーザのPC15などとの通信を行う回路である。
(カメラの構成)
図3は、カメラCの構成を示すブロック図である。カメラCは、制御部31と、記録部32と、表示器33と、タッチパネル装置34と、操作部35と、操作部材状態判定部36と、撮像部37と、アクセサリ情報取得部38と、加速度センサ39と、時計部40と、通信部41と、電源42を含む。電源42は、二次電池及びボタン電池を含む。
【0032】
通信部41は、PC15などとの有線通信を行うための回路及び、NFC(近距離無線通信)のための回路を含む。よって、カメラCは、PC15と接続可能である。ユーザは、PC15を用いてカメラCの画像データを読み出して表示装置15cに表示したり、画像SNSサービスサイトにアップすることができる。さらに、カメラCを、NFC機器に近づけることにより、NFC機器を有する外部機器は、カメラCの記録部32に記録されている各種情報をカメラCから読み出すこともできる。なお、今後、通信回線が高速になっていくと、この通信部で画像をすべて外部に送って記録する装置が開発される可能性があるが、この場合は記録部や各種管理情報も通信されて外部で管理される。
【0033】
なお、図3において点線で示すように、カメラCは、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)受信機61、方位センサ62及びユーザ情報設定部63を有していてもよい。すなわち、ここでは、カメラCは、所定の物理量を検出するセンサとして、加速度を検出する加速度センサを有しているが、他の物理量を検出するセンサを有していてもよい。
【0034】
ユーザ情報設定部63は、ユーザ情報を格納する書き換え可能な不揮発性メモリである。ユーザ情報は、表示器33に表示されたメニュー画面の表示に従って、ユーザが、自己の名前あるいはニックネームなどを入力することにより、ユーザ情報設定部63に登録される。カメラCの電源がオンされると、ユーザは、使用するユーザ名を選択すると選択されたユーザ名が、あるいはユーザ名が1つしか登録されていなければ登録されているユーザ名が、撮影された画像ファイルに記憶される。ユーザ情報の登録時にパスワードも合わせて、カメラCに登録することで、カメラCを他人が勝手に使用できないようにするための動作ロックを、カメラCにすることができる。また、撮影画像などやマイク(図示せず)から得られた音声で個人特定すなわち個人認証ができるようにしてもよい。個人認証は、例えば生体認証センサを用いて行われる。
【0035】
画像投稿時に画像ファイルのメタデータにユーザ名を含めることにより、カメラCに入力されたユーザ名は、管理サーバ11におけるユーザIDと関連付けに用いることもできる。
【0036】
制御部31は、カメラC全体の制御及び画像処理を行うプロセッサである。制御部31は、中央処理装置(CPU)、ROM、RAM、各種電子回路を含み、画像処理を含む各種処理を実行する半導体装置により構成される。制御部31の構成については後述する。
【0037】
記録部32は、カメラCに装着されるメモリカードなどの記憶媒体である。記録部32は、フラッシュメモリなどを内蔵した書き換え可能な記録媒体である。記録制御部52によって、記録部32には、撮影された写真の画像データが画像ファイルとして記録される。画像ファイルは、画像データ、撮影時情報、機器ID、アクセサリID、使用履歴情報及びユーザ情報を含む。
【0038】
使用履歴情報は、操作部材状態判定部36において検出された各操作部材の状態情報、操作特徴情報、及び故障情報設定部56に設定されている故障情報を含む。すなわち、使用履歴情報は、電源スイッチのオン・オフ回数などの各操作部材の操作情報、加速度センサ39の加速度信号が所定値以上になったことを示すショック情報などの取り扱い情報、検出された故障情報を含む。ショック情報は、ユーザのカメラCの取り扱い方を示す取り扱い情報であり、温度センサがカメラCに設けられている場合は、温度情報は、カメラCの使用環境あるいは保管状況を示す情報である。よって、画像ファイルに含まれるメタデータは、センサの出力信号に関する検出情報、ここでは加速度センサの検出した加速度が所定値以上になったこと示す情報、を含む。なお、使用履歴情報によって、ユーザの癖などもわかり、ヘビーユーザかどうかなどの把握も可能となる。
【0039】
表示器33は、液晶表示器などの表示パネルである。タッチパネル装置34は、例えば静電容量式で、表示器33の表示面に密着して取り付けられる。表示器33とタッチパネル装置34は、制御部31の表示制御部53により制御される。制御部31は、ユーザにより指定された機能に応じてメニュー画面などを表示器33に表示し、表示器33に表示されたコマンドボタンなどの選択をタッチパネル装置34が検知する。よって、表示器33とタッチパネル装置34は、ユーザインターフェース装置を構成する。
【0040】
操作部35は、写真撮影に必要な操作ボタンなどであり、電源スイッチ、各種ボタン、各種ダイヤルなどを含む。すなわち、操作部35は、複数の操作部材を含む。
【0041】
操作部材状態判定部36は、操作部35の各操作部材の状態を判定する回路である。操作部材状態判定部36は、各スイッチ、各ボタン及び各ダイヤルの操作状態をモニタして、操作の有無、所定の時間内の操作回数、操作速度等を検出する。そのため、操作部材状態判定部36は、所定の時間を計時するタイマー回路と、カウンタ回路を含む。
【0042】
撮像部37は、交換レンズを通った光を受光して光電変換する撮像素子37aを含む。
【0043】
カメラCには、交換レンズ、フィルタ、補助光源その他、種々のアクセサリが取り付け可能である。例えば、カメラCは、交換レンズの情報を取得するための複数の接点を有する。アクセサリ情報取得部38は、交換レンズが装着されたときには、交換レンズの情報を取得するための接点から交換レンズに内蔵されたROMから交換レンズ情報を取得する回路である。また、カメラCにストロボ、三脚などのアクセサリが取り付けられたときにも、アクセサリ情報取得部38は、各種接点から、そのアクセサリの情報を取得することができる。アクセサリを取り付ける回数や頻度やその取り付ける時の通信特性からして、取り扱いが乱暴であるかなども検出が可能である。こういう条件は、接点部、コネクタ部、摺動部、端子部の劣化に繋がる。また特定環境下の撮影でしか使われないアクセサリもあって、使用環境なども判定可能である。同時に屋外使用か屋外使用かなどを画像その他の情報などから判定してもよい。これらも使用履歴情報としてもよい。
【0044】
加速度センサ39は、カメラCの電源スイッチがオフであっても、ボタン電池などにより常時動作状態にあり、検出された加速度信号を制御部31に出力する。なお、ここでは、加速度センサ39だけがカメラCに設けられているが、加速度センサ39の代わりに、あるいは加速度センサ39と共に、他の物理量を検出するセンサとして、水没検知センサ、温度センサなどの他のセンサを、カメラCに設けてもよい。
【0045】
加速度センサ39は、例えばユーザがカメラCを落として、所定値以上のショックがカメラCに掛かったときに、ショックが掛かったこと、ショックが掛かった回数、日時などのデータを記録するために設けられている。よって、カメラCに設けられた加速度センサ39は、カメラCの電源が入っているとき及び電源が入っていないときのカメラCの取り扱い方に関する情報を記録するためのセンサである。
【0046】
制御部31は、カメラC全体の動作を制御すると共に、画像処理部51、記録制御部52、表示制御部53、操作特徴情報取得部54、撮影時情報付与部55、故障情報設定部56を含んでいる。
【0047】
画像処理部51は、撮像部37から出力された撮像信号に対して各種画像処理を施して画像データを生成する。記録制御部52は、画像データと、機器ID(カメラCの識別情報)、撮影時情報、アクセサリID(カメラCに接続されたアクセサリの識別情報)、使用履歴情報等を記録部32に記録する。記録制御部52は、画像データに、メタデータとして機器ID(カメラCの識別情報)、撮影時情報、アクセサリID(カメラCに接続されたアクセサリの識別情報)、使用履歴情報等を含めて画像ファイル化して、生成された画像ファイルを記録部32に記録する。
【0048】
すなわち、撮像装置であるカメラCは、画像を取得し、取得した画像の画像データに、メタデータを付与した画像ファイルを作成する画像ファイル化部を有する。画像ファイル化部は、取得した画像の画像データに、識別情報(機器ID)と操作部材に対して行われた操作についての操作情報とを含むメタデータを付与した画像ファイルを作成する。
表示制御部53は、操作部35、タッチパネル装置34等へのユーザの入力に応じて、表示画像情報を作成して、表示器33に出力する。例えば、表示制御部53は、記録部32から読み出された画像ファイルの画像データを表示器33に表示する制御を行う。
【0049】
操作特徴情報取得部54は、不揮発性のメモリ54aを含み、操作部材状態判定部36において判定された操作部材の状態情報を取得し、メモリ54aに記録すると共に、後述するショック情報のような操作特徴情報も生成して、メモリ54aに記録する。メモリ54aに記録された操作特徴情報は、操作特徴情報取得部54によって読み出し可能となっている。
【0050】
撮影時情報付与部55は、撮影時の状況、時刻情報(年、月、日、時、分、秒)、絞りなどの設定情報、アクセサリ情報、ソフトウェアのバージョン情報、及び操作履歴情報を、メタデータとして、画像処理部51で得られた画像データに付与する。なお、カメラCがGPS受信機61(位置センサであれば基地局やGPS以外の衛星情報を使ってもよい)、方位センサ62及びユーザ情報設定部63を有するときは、GPS情報、方位情報及びユーザ情報も、メタデータに含まれる。撮影時の状況とは、時計部40からの時刻情報、もしもカメラCがGPS受信機61及び方位センサ62を有する場合は、GPS位置情報及び方位情報を含む。撮影時情報は撮影の時に得られる様々な情報で、必要に応じて撮影状況や環境を補足するセンサデータなどの情報で画像撮影時の状況補足に使える。また、画像に付随して管理される情報には、対象物情報、ニックネーム、テーマ情報などもあるが、このような情報を含めてもよい。
【0051】
さらに、故障情報設定部56は、内部メモリを有し、カメラC内において発生した故障が検出されたときに、その故障情報を、制御部31の内部メモリの所定の記憶領域に設定する。なお、故障情報には、カメラの自動故障検出以外に、ユーザが故障に気づき修理に出した履歴などの情報を含めてもよい。
【0052】
また、制御部31は、カメラCの電源スイッチがオフになっていても、一部の回路は動作可能である。ここでは、後述するように、カメラCの電源スイッチがオフになっていても、制御部31の一部の回路は、電源42のボタン電池により駆動され、操作部35の各操作部材への操作、及び加速度センサ39からの加速度信号を検出して所定の判定及び記録を実行する。
(カメラの動作)
図4は、カメラC及びPC15の動作の流れの例を示すフローチャートである。図4は、制御部31とPC15のプロセッサ15aの処理を示す。図4は、カメラCが撮影モードにあるときの制御部31の動作と、カメラCがPC15に接続されてカメラC内の画像をPC15から投稿するときのプロセッサ15aの動作を示す。
【0053】
制御部31は、カメラCの動作モードが撮影モードであるかを判定する(S1)。動作モードが撮影モードであるとき(S1)、制御部31は、撮像素子37a及びスルー画モードをオンにする(S2)。具体的には、S2では、撮像素子37aが駆動され、かつスルー画モードがオンにされると、撮像素子37aにより得られているリアルタイムの画像が、いわゆるライブビュー画像として表示器33に表示される。
【0054】
制御部は、何らかのアクセサリが接続されているかを判定する(S3)。アクセサリが接続されているとき(S3:YES)、制御部31は、接続されているアクセサリ情報をRAM等のメモリ中の所定の記憶領域に仮記録する(S4)。
【0055】
アクセサリが接続されていないとき(S3:NO)およびアクセサリ情報の仮記録(S4)の後、制御部31は、操作部35の各操作部材の操作が有ったかを検出する(S5)。
【0056】
制御部31は、各操作部材への操作を検出したかを判定する(S5)。S5の処理は、操作部材状態判定部36により行われる。いずれかの操作部材への操作を検出すると(S5:YES)、制御部31は、その操作に特徴があるかを判定する(S6)。操作に特徴があるか否かは、操作特徴情報取得部54によって、操作に所定の操作パターン等があるか否かに基づいて判定される。
【0057】
図5は、操作特徴情報取得部54における操作特徴情報の検出を説明する図である。操作部35の各操作部材の操作状態は、操作部材状態判定部36において判定される。図5は、あるボタンが操作されてオンとオフの切り替えが連続して行われている状態を示している。なお、操作部材状態判定部36と操作特徴情報取得部54は、カメラCの電源スイッチがオフのときにも動作している。図5は、人の操作を示すので、等間隔でない場合が多いが、ここではわかりやすく図示した。
【0058】
パターンP1は、あるユーザXのそのボタンに対する操作状態を示している。パターンP2は、別のユーザYのそのボタンに対する操作状態を示している。そのボタンに対するオン・オフの状態は、操作部材状態判定部36において判定される。パターンP1ではオンとオフが繰り返される周期がパターンP2よりも短い。操作部材状態を検出して分析すれば操作特徴情報が得られる。操作部材情報は、単に操作したかどうかだけでなく、操作周期のような使い方の荒さを示す情報も含まれてもよい。
【0059】
操作特徴情報取得部54は、例えば所定期間PP内のオンとオフの操作間隔を、操作特徴情報として算出する。操作特徴情報は、例えば、検出されたオン・オフパターンの情報、あるいは所定期間PP内のボタンの操作頻度(単位時間当たりのオンとオフの操作間隔、等)について情報である。すなわち、操作特徴情報取得部54は、各操作部材の操作間隔に関する情報を生成する。
【0060】
また、操作部材がダイヤルの場合は、ダイヤルの位置の変化からダイヤルの回転速度が算出される。よって、操作特徴情報は、検出されたオン・オフパターン、算出された回転速度などである。そのほか、アナログ的に力量や掴み方などを検出するセンサを用いて所定の力量などの有無を判定し、そのような有無を操作情報としてもよい。また、操作周期など操作の特徴で機構の摩耗などが起こり不具合になりがちだが、総操作回数のような蓄積値(ライフ情報)を記録部に記録しておき、蓄積値と所定値を比較して所定値を超えたときに、蓄積値が所定値を超えたことの情報を操作情報としてもよい。
【0061】
すなわち、操作特徴情報取得部54は、操作部材に対する操作状態に基づいて、操作に特徴的なパターンなどがあれば(S6:YES)、操作特徴情報を符号化して、例えば操作頻度情報に変換して、記録部32に記録する(S7)。よって、カメラCにおいて取得される操作情報は、画像の取得がされたとき(撮影時の操作情報)及び画像の取得がされていないとき(電源スイッチがオフ・オフに関わりなく)の、複数の操作部材に対して行われた操作に関する情報である。操作に特徴的なパターンなどがなければ(S6:NO)及び特徴情報を符号化(一般的な画像符号化ではなく、特徴パターンなどの類型化、単純化)して記録(S7)した後、制御部31は、ユーザの操作によって指定及び設定されたモードあるいは設定されたパラメータの仮記録をRAM等に行う(S8)。特徴情報の符号化は、特徴パターンなどの類型化等以外の方法によってもよいが、特徴パターン等の得られたデータをそのまま記録するより、ここで述べたような類型化、単純化した符号に変換して取り扱った方が、データの要所を表しながら記載が単純化され、容量も減り、例えばブロックチェーンのブロックにする際には、取り扱いや管理が容易になる。もちろんブロックチェーンならずとも分散管理や中央集権管理の負担を減らすことが出来る。
つまり、カメラCは、装置の識別情報と操作情報を関連付けた管理情報を作成する管理情報作成部を有するが、後述するように、管理情報をブロックチェーンの形でインフラの分散コンピュータで管理し、この管理されたブロックチェーンに繋げるブロック(新たな情報を含むもの)を、分散されたコンピュータが決定したり、作成するので、撮像装置の使用履歴を正しく管理可能となる。
【0062】
S5及びS8の後、制御部31は、撮像素子からの画像信号から、被写体などの状況、画像の状態等を判定し(S9)、S9の判定結果から、必要に応じて、自動露出制御(AE)又は自動焦点制御(AF)を実行する(S10)。
【0063】
S10の結果から、制御部31は、ユーザへのガイド表示が必要かを判定する(S11)。ガイド表示が必要な場合(S11:YES)、制御部31は、ユーザへ操作についてのガイド等のためのメッセージなどのガイド等表示を表示器33に行う(S12)。
【0064】
図6は、ユーザのPC15の表示装置15cに表示されるガイド表示の例を示す図である。図6に示すように、表示装置15cの画面上には、「装置メンテ時期」のメッセージのガイド表示が表示される。すなわち、「カメラCのメンテナンスが必要な時期に来ています」とのメッセージがユーザに告知される。このメッセージは、緊急性にもよるので必要に応じて出すようにしてもよいし、電源が投入されたときに一度だけ出してもよい。
【0065】
S11及びS12の後、制御部31は、撮影がされたか、すなわちシャッタボタンが押下されたかを判定する(S13)。シャッタボタンが押下されたとき(S13:YES)、制御部31は、設定されたモード及び設定されたパラメータに応じた撮影処理を実行し、画像データに、対象物情報、日時情報等の撮影時情報、使用履歴情報等のメタデータを付加して、1つの画像ファイルにして、記録部32に記録する(S14)。S14で記録される画像ファイルCFのメタデータ中に、前回の撮影から今回の撮影までの間における使用履歴情報が含まれる。S14の処理は、記録制御部52により実行される。すなわち、記録制御部52は、取得した画像の画像データに、機器IDと操作部材に対して行われた操作についての操作情報とを含むメタデータを付与した画像ファイルを作成する画像ファイル化部を構成する。
【0066】
ここで、1つの画像ファイルに含まれる使用履歴情報は、最後に画像ファイルを生成してから、今回の画像ファイルの生成までに記録された操作情報を含む。操作情報は、例えば、電源ボタンのオン・オフ回数、シャッタボタンが押下された回数であるレリーズ回数である。その他、スイッチやダイヤルが操作された時の力のかかり具合や(単位時間におけるオン・オフ回数など)スピードなども有効な情報である。タッチパネルの操作なども、その人の特性が反映される場合がある。よって、シャッタボタンが押される直前の各種操作部材への操作だけでなく、前回の画像ファイルの生成後にされた各種操作部材に対する操作情報も含まれる。再生モードでも画像確認で様々な操作があり、その他、構え方から持ち運び時の扱われ方なども加速度センサなどで判定できるので使用履歴情報としてもよい。また、アクセサリを取り付ける回数や頻度やその取り付ける時の通信特性からして、取り扱いが乱暴であるかなども検出が可能であるので使用履歴情報としても良い。接点部、コネクタ部、摺動部、端子部の劣化は多くのユーザが気にするところであり、その点を考慮すると、メモリや電池などの着脱、入れ替え、特定の開閉部の機構の使われ方を通信時の波形観測や通信の安定度、特別なスイッチ等で検出できるようにして操作履歴の情報の一つとしてもよい。また特定環境下の撮影でしか使われない撮影設定やアクセサリもあって、使用環境なども判定可能である。同時に屋外使用か屋外使用かなどを画像その他の情報などから判定してもよい。よって、これらの情報も使用履歴情報としてよい。さらに、使用履歴情報には、前回の画像ファイルの生成後にされた配送や輸送や不安定な場所に保管した場合などのショック情報等も含まれる。S14の後、処理は、S1に戻る。
また、輸送、運送時には電池を取り外す場合があるが、この電池の取り外し期間などを情報として管理してもよい。例えば、電池が切れる直前の時刻と、再度、電池が入れられるタイミング(あるいはさらに時刻設定するタイミング)を検出して電池挿入時刻とするなど、電池の取り外し期間などを時刻管理とか時間間隔で管理してもよい。これは後述の図4のS25のタイミングで判定すればよい。電池の電圧は常に検知しておき、その変化から電池切れを起こす前に電池切れ時刻を予想してもよい。
【0067】
動作モードが撮影モードでないとき(S1:NO)、カメラCが各種設定モードであるか、判定する(S15)。カメラCが各種設定モードであるとき(S15:YES)、制御部31は、入力に応じた設定、通信などを実行して(S16)、処理はS1に戻る。
【0068】
カメラCが各種設定モードでないとき(S15:NO)、カメラCがPC15に接続された状態における再生モードであるかが判定される(S15)。S15の判定は、PC15のプロセッサ15aにおいて行われる。再生モードであるとき(S17:YES)、プロセッサ15aは、カメラCの記録部32から画像データを読み出して、表示可能画像一覧を表示装置15cに表示する(S18)。
【0069】
プロセッサ15aは、ユーザにより表示可能画像一覧の中から1つの画像が選択されたかを判定する(S19)。1つの画像が選択されたとき(S19:YES)、プロセッサ15aは、選択された画像の画像データをカメラCの記録部32から読み出して表示器33に拡大して表示する(S20)。
【0070】
プロセッサ15aは、ユーザにより画像SNSサービスへの送信を指示したかを判定する(S21)。画像SNSサービスへの送信要求すなわち画像投稿指示を受けていないとき(S21:NO)、プロセッサ15aは、拡大表示された画像の再生の終了が指示されたかを判定する(S22)。拡大表示された画像の再生の終了が指示されていないとき(S22:NO)、処理はS18に戻る。このような再生モードでも、各種スイッチ、タッチパネルなどの操作特性をモニタしておき、送信前の画像ファイルに反映させたり、次の撮影で得られた画像ファイルに反映させたりしてもよい。レンタルや下取り等では、このような操作の特徴情報を画像ファイルとは別に出力できるようにしてもよい。図15で説明するような専用端末に対して、その情報を送信できるようにすればよい。
【0071】
S17で1つの画像が選択されないとき(S19:NO)、プロセッサ15aは、再生モードの終了が指示されたかを判定する(S23)。再生モードの終了が指示されていないとき(S23:NO)、処理は、S18に戻る。
【0072】
拡大表示された画像の再生の終了が指示されたとき(S22:YES)及び再生モードの終了が指示されたとき(S23:YES)、処理は、S1に戻る。
【0073】
画像SNSサービスへの送信要求を受けたとき(S21:YES)、プロセッサ15aは、表示装置15cに表示されている画像の画像ファイルを、ユーザID、タイトルなどの入力の所定の投稿のための手続を行って、画像ファイルを管理サーバ11へ送信する(S24)。
【0074】
画像ファイルの管理サーバ11への送信(S24)後、プロセッサ15aは、「管理サーバ11からのサービス情報の取得をしますか」などの情報取得を促すメッセージなどの情報を取得したかを判定する(S25)。
また、このタイミングで、電池の状態などをモニタして、その結果を記録したり、電池切れや電池再投入とか充電の時刻や具合を判定したりしてもよい。ヘビーユーザはこまめに充電し、そうでもないユーザは電池が切れていても問題ないケースが多い。電池がない状態では、衝撃の検知や輸送時の移動の検知や撮影や再生モードで使われていない時の、ユーザの機器の取り扱い情報がないので、こうした形で情報が補われる。また、宅配やコンビニや店舗での配送や貸し出しのサービスのシステム(図15参照)と連携して、貸し借りの契約や輸送の条件情報等など機器の履歴(特に性能劣化や外観劣化が起こりうる状況を推測することが出来るもの)の参考となる情報(何度レンタルされたかとか、ユーザが気にする項目)をこのステップで取得してもよい。
そのような情報を取得したとき(S25:YES)、ユーザは、自己のユーザID、機器IDあるいはアクセサリIDを入力して、表示装置15cの画面上の所定の送信ボタンをオンにすると、プロセッサ15aは、入力されたユーザIDなどを用いて、サービス情報の照会を行う(S26)。
【0075】
管理サーバ11では、画像ファイルに含まれる機器IDあるいはアクセサリIDを用いて、後述する予測情報を検索してPC15へ送信する。その結果、PC15は、送信された情報を取得して、表示装置15cに表示する(S27)。後述するように、管理サーバ11は、使用履歴情報を改ざんされないように管理しており、使用履歴情報から推定された故障の予測情報をPC15へ送信することができる。情報が取得されないとき(S25:NO)及びS27の後、処理はS1に戻る。
【0076】
電源がオン状態でカメラCが使用されているときにカメラCに大きなショックが与えられると、そのショックを受けたことを示すショック情報が使用履歴情報として記録される。上述したように、加速度センサ39と、加速度センサ39の出力信号を監視する回路は、カメラCの電源スイッチがオフであっても、動作しているので、カメラCの電源がオフであるときに、カメラCに大きなショックが与えられると、そのショックを受けたことが使用履歴情報として記録される。
【0077】
図7は、カメラCが受けたショック情報を記録するための処理の流れの例を示すフローチャートである。図7の処理は、電源スイッチのオン・オフに関わりなく、操作特徴情報取得部54において常時実行されている。
【0078】
操作特徴情報取得部54は、加速度センサ39が検出した加速度に基づいて、カメラCが所定値以上の加速度のショックを受けたかのショック判定を行う(S28)。所定値以上の加速度のショックを受けたかは、加速度センサ39の出力する加速度信号の大きさの絶対値が、所定の閾値TH以上であるか否かによって判定される。
【0079】
カメラCが所定値以上の加速度がかかるショックを受けたとき(S28:YES)、操作特徴情報取得部54は、所定値以上の加速度がかかるショックを受けたことを、使用履歴情報としてメモリ54aに記録する(S29)。
【0080】
なお、カメラC自体が管理サーバ11と通信するための無線通信機能を有する場合、あるいはカメラCにスマートフォンなどの無線通信装置を接続して管理サーバ11と通信する場合、S17からS27の処理の全部または一部は、カメラCのプロセッサ15aあるいはスマートフォンなどの無線通信装置により行われてもよい。
【0081】
上述したように、カメラCにおいて写真が撮られたとき、画像データは、画像ファイルCFとしてファイル化される。
【0082】
図8は、カメラCにおいて生成される画像ファイルのデータ構造を示す図である。カメラCにおいて撮影して得られた画像の画像データは、1つの画像ファイルとして生成される。図8に示すように、画像ファイルCFは、画像データ、撮影時情報、機器ID、アクセサリID、ユーザ情報及び使用履歴情報を含む。画像ファイルCFは、例えばEXIFフォーマットを有しており、撮影時情報、機器ID、アクセサリID及び使用履歴情報は、メタデータとしてそのファーマット中に書き込まれる。なお、図8は、ユーザ情報が設定されたときの画像ファイルCFのデータ構造を示している。
【0083】
以上のように、操作特徴情報取得部54は、操作部材状態判定部36において判定された各操作部材の状態の変化の有無が判定され、状態の変化があると、使用履歴情報として、その状態情報を時刻情報と共にメモリ54aに記録する。さらに、操作特徴情報取得部54も、各操作部材について特徴的な操作及びショック情報などの取り扱い情報があると、上述したように符号化して、使用履歴情報として、その符号化情報を時刻情報と共にメモリ54aに記録する。
【0084】
よって、画像ファイルが作成されるとき、記録されている過去の使用履歴情報は、画像ファイルCFの使用履歴情報に含められる。画像ファイルCFに含める過去の使用履歴情報は、前回、画像ファイルの画像データが作成された時刻以後のデータである。故障情報設定部56により設定された故障情報があれば、その故障情報は、使用履歴情報に含まれる。使用履歴情報は、加速度センサ39の出力信号から生成されたショック情報を含む。また、上述したように、カメラCが水没センサを有していれば、使用履歴情報は、水没の有無の情報も含む。さらにまた、上述したように、カメラCが温度センサを有していれば、所定の高温度閾値以上の温度、あるいは所定の低温度閾値以下の温度の検出情報も含む。
(管理サーバの動作)
図9は、管理サーバ11の動作の流れの例を示すフローチャートである。図9のフローチャートは、投稿サービスプログラムSSの処理に関し、画像投稿などの処理と、使用履歴情報から問題推論の処理とを含む。
【0085】
プロセッサ13は、インターネット12を介して受信したアクセスが、画像SNSサービスサイトへの画像の投稿あるいは投稿された画像の参照であるか、すなわち画像SNSサービスのリクエストであるかを判定する(S31)。
【0086】
ユーザが画像SNSサービスサイトにアクセスすると、サイトのトップ画面がPC15の表示装置15cに表示される。ユーザは、トップ画面に表示されたサービスメニューから所望のサービスを選択することができる。よって、ユーザが画像投稿のサービスを選択すると、管理サーバ11は、受信したアクセスが画像SNSサービスのリクエスト、画像の投稿のリクエスト等のリクエストであることを判定する。
【0087】
S31の処理は、アクセス判定部21aにおいて実行される。アクセス判定部21aは、受信したアクセスデータに基づいて、画像SNSサービスのリクエストであるかを判定する。
【0088】
画像SNSサービスのリクエストであるとき(S31:YES)、プロセッサ13は、アクセスデータに基づいて画像投稿の受け付けであるかを判定する(S32)。画像投稿の受け付けであるとき(S32:YES)、プロセッサ13は、投稿画像の画像ファイルを取得し、画像ファイルから画像データと撮影時情報を抽出して画像情報記憶領域14bに記録する(S33)。具体的には、プロセッサ13は、画像SNSサービスサイトへのアクセスしたユーザIDに基づいて、投稿された画像の画像データと撮影時情報を画像DB22に記録する。例えば、ユーザが投稿時に入力した、ニックネーム、画像のテーマ、タイトル、アップの日付等の情報と共に、画像データは、記録部32の画像DB22に1つの画像ファイルとして記録される。
【0089】
図10は、管理サーバ11の記憶装置14に格納される画像ファイル及び各管理ファイルのデータ構造を示す図である。画像DB22に記録される各画像ファイルIFは、画像データと、画像ファイルCFに含まれていたメタデータである撮影時情報の一部のデータを含む。画像DB22に記録される画像ファイルIFは、投稿された画像毎に1つの画像ファイルとして生成される。よって、画像DB22には、投稿された複数の画像データが登録される。各画像データは、その画像データに関連付けられた撮影時情報の一部を含んで、画像ファイルとして、画像DB22に記憶される。
【0090】
S33の後、プロセッサ13は、受信した投稿画像の画像ファイルから使用履歴情報を抽出して使用履歴情報記憶領域14cに記録する(S34)。具体的には、プロセッサ13は、画像SNSサービスサイトへのアクセスしたユーザ識別情報に基づいて、投稿された画像ファイルに含まれる使用履歴情報を使用履歴DB23に記録する。よって、管理サーバ11は、カメラCから取得した画像ファイルから操作情報を抽出し、操作情報をカメラCの識別情報と関連付けて管理情報として記録する管理装置を構成する。
「識別情報」は機器(カメラ)やユーザを識別する二つを想定しており、同じユーザが同じ機器を使う場合は同じであってもよいが、ここではカメラ個体の識別情報のことを「識別情報」と称している。ユーザ識別情報、レンタル識別情報という言葉も以下に登場するが、ユーザの操作特徴を見る時にはユーザごとの管理を行うためにユーザ識別情報が使われ、レンタル識別情報はレンタルの契約ごとの識別に使われる。
【0091】
図10に示すように、管理サーバ11は、画像SNSサービスで投稿された画像ファイルから抽出した使用履歴情報から、機器ID毎の各使用履歴情報の管理ファイルOF1と、アクセサリID毎の各使用履歴情報の管理ファイルOF2と、ユーザID毎の各使用履歴情報の管理ファイルUFを生成し、使用履歴DB23に記憶する。使用履歴DB23に記録された使用履歴情報は、ブロックチェーンにより分散台帳の形式で記録され管理される。よって、管理サーバ11は、画像ファイルから操作情報を抽出し、カメラCのユーザ情報と関連付けてユーザ管理情報として操作情報を記録する。
【0092】
また、管理サーバ11がカメラCの所有者情報を管理している場合、カメラCの所有者が変更されても、管理サーバ11は、カメラCの前の所有者のユーザIDと、変更後の所有者のユーザIDは、別々に管理されるので、生成される管理ファイルUFは別々に生成される。
なお、ユーザの特性をモニタしないならば、ユーザID毎の各使用履歴情報の管理ファイルUFは必要ではない。
【0093】
さらに、S34の後、プロセッサ13は、操作情報に含まれる故障などの品質情報があれば、品質情報等を記録部32の使用履歴DB23に記録する(S35)。
【0094】
画像投稿の受け付けでないとき(S32:NO)、プロセッサ13は、アクセスが画像検索であるかを判定する(S36)。アクセスが画像検索であるとき(S36:YES)、プロセッサ13は、検索結果一覧の画面データを生成してユーザのPC15へ送信する(S37)。
【0095】
アクセスが画像検索でないとき(S36:NO)及びS37の後、プロセッサ13は、画像指定があったかを判定する(S38)。表示された一覧の中から、ユーザが鑑賞したい画像を指定すると、画像指定があったとされ(S38:YES)、プロセッサ13は、指定画像の画像データを送信する(S39)。その結果、ユーザは、選択した画像を、自己のPC15の表示装置15cにおいて鑑賞することができる。画像指定がないとき(S38:NO)及びS39の後、処理は、S31に戻る。
【0096】
以上のように、管理サーバ11は、画像SNSサービスを提供しており、ユーザは、画像を投稿したり、自己及び他人の投稿画像を検索して鑑賞したりすることができる。
【0097】
ここでは、ユーザが画像データをPC15などの機器から外部に送信する環境が整っている画像SNSのサービスの例を用いて説明しているが、画像データの送信は、これら以外のSNSや画像共有サービスなどを利用したものでもよい。
また、ここでは画像SNSのサーバ(管理サーバ)にアクセスする場合、一般にはS31をYESのフローが想定されるが、管理サーバ11は、画像SNSサービス以外にも使用履歴の管理などの処理もあるので、ここでは、S40以下でそれを説明している。つまり、画像SNSサービスのリクエストでないとき(S31:NO)、プロセッサ13は、新たな使用履歴情報が取得されたかを判定する(S40)という形で、使用履歴の管理などの処理の場合を示している。S40の処理は、所定周期で実行される。
【0098】
新たな使用履歴情報が取得されたとき(S40)、プロセッサ13は、その新たな使用履歴情報に基づいて、故障などの問題があるいか否かの推論を行う(S41)。S41の推論は、使用履歴情報に含まれる各種データに基づいて、例えばルールベースで行われる。
【0099】
新たな使用履歴情報が取得されないとき(S40:NO)及びS41の後、プロセッサ13は、機器ID毎に、及びアクセサリID毎に、使用履歴情報の時系列データを取得する(S42)。S42では、プロセッサ13は、ブロックチェーンで記録された使用履歴情報を取得し、取得された使用履歴情報に含まれる各データについて、例えば所定値以上の変化があるかなどを判定することにおり、使用履歴情報に問題があるかが確認される。取得された時系列データは、撮影タイミングを基準にして分散台帳間で確認される。
【0100】
図11は、ブロックチェーンのデータ構造を説明するための図である。図12は、ブロックチェーンによるブロックの相互確認の方法を説明するための図である。図11に示すように、管理サーバ11において生成される各管理ファイルOF1,OF2,UFは、ブロックチェーンで記録され管理される。管理ファイルOF1は、機器ID毎に生成され、管理ファイルOF2は、アクセサリID毎に生成され、管理ファイルUFは、ユーザID毎に生成される。各管理ファイルを1つの記録単位であるブロックとして、複数のブロックがチェーン状に接続される。
【0101】
各ブロックは、各管理ファイルの使用履歴情報であるトランザクションデータと、直前のブロックのハッシュ値を含む。図11では、ブロックBは、ブロックAのハッシュ値を含み、ブロックCは、ブロックBのハッシュ値を含み、ブロックDは、ブロックCのハッシュ値を含む、というように、各ブロックは直前のブロックのハッシュ値を含む。このような直前のブロックのハッシュ値を含めて複数のブロックがチェーン状に接続されることにより、各ブロックに含まれるトランザクションデータの改ざんが有効に防止される。
【0102】
すなわち、管理ファイルOF1の場合、図12に示すように、トランザクションデータとしての機器ID及び使用履歴情報は、追加変更があれば新たな管理ファイルが生成され、隣り合う管理ファイルOF1のブロック間でハッシュ値を用いて、トランザクションデータの正当性を相互に確認される。
【0103】
使用履歴情報のようなデータは、中央集権型のデータベースで管理しても良いが、データの正当性を担保するためには、非中央集権型(分散型)のブロックチェーンのようなデータベースで管理することが望ましい。ブロックチェーンによれば、カメラC毎のメンテナンスの必要性、カメラCの下取り価格査定などを、高い信頼度で、正しく評価することができる。
【0104】
中央集権型は、何かのトラブルが発生した時に、システムの障害修復までの間、このデータ管理が出来なくなるが、分散型であれば、障害を軽微にすることが出来る。ブロックチェーンでは、管理するデータに変更があると、その処理内容等をブロック単位にして暗号化し、分散型台帳形式に基づく複数のデータベースに分散される。各ブロックにはネットワークの識別用の数字や、ブロックサイズ、ヘッダ情報などが含まれる。
【0105】
ブロック(つまりデータベースで管理される情報をまとめたもの)が新しく生成される時、一つ前のブロックのデータを一部含むように設計され、すべての処理履歴が一つの鎖となって繋がっていくのでチェーンと名付けられる。つまり、ブロックとブロックの間の繋がりや関係性を持たせるために、新しいブロックのヘッダに一つ前のブロックのヘッダの一部が暗号化されて組み込まれている。つまり、この新しいブロックのヘッダには、一つ前のブロックのヘッダをハッシュ関数を用いて暗号化した「ハッシュ値」と「トランザクション」などのデータが組み込まれている。
【0106】
なお、ブロックの単位は、1つの画像ファイルに含まれる使用履歴情報毎でもよいし、複数の画像ファイルに含まれる複数の使用履歴情報毎でもよい。よって、各管理ファイルOF1、OF2は、画像ファイル毎に生成されて、1つのブロックとしてもよいし、2以上の画像ファイルから生成されて、1つのブロックとしてもよい。
【0107】
なお、画像投稿が画像の撮られた順に行われない場合がある。そのような場合において、画像ファイルに含まれる時刻情報が、過去に投稿された最新の画像ファイルに含まれる時刻情報よりも時間的に前であるとき、管理サーバは、使用履歴情報の管理ファイルを生成しない。その結果、使用履歴情報のブロックの信頼性を担保することができる。
具体的に説明する。ブロックチェーンは、ブロックがネットワーク上で管理依頼されるタイミングでチェーン状に管理されるが、このチェーン状管理は時系列の情報変化の特徴として分散管理者により管理されるために、以下のような問題を生じることがある。
つまり、本実施形態のように画像データのネット公開のタイミング(通信時刻)でのブロックチェーンによる管理依頼がされるとなると、画像データは場合によっては撮影された順番ではなく、ユーザが公開して効果があると考える望みのタイミングで、すでに公開された以前の画像が後から公開される場合がある。この場合、分散管理しているコンピュータは、すでにチェーンとして繋げて管理されたブロックに含まれる操作履歴より前の操作履歴(管理情報生成時刻)が含まれるブロックを扱うことになる。よって、時系列管理を優先させれば、前にせっかくチェーンで繋げたものを取り消して、新しく出て来たものをその前のブロックに繋げて、さらに取り消したものを再度ブロック化して、そこに繋げ直す手間が発生する。
こうした複雑な手順は、中央集権型管理では難なく可能であるが、分散管理では関係する多くのコンピュータに負担を強いて好ましくない。また、ここまで厳密性を求められる要求仕様、あるいは要求管理レベルではない場合もあり、ここでは、煩雑さよりは管理の明快さやシンプルさを重視して、よりシステムを普及される方法を用いている。
すなわち、本実施形態では、後から生じたブロック化候補のデータは、含まれる機器使用の履歴が古い場合、ブロック化もチェーン化もしない。つまり、管理サーバ11は、カメラCが操作された時の操作情報を取得する操作情報取得部と、当該カメラCのID情報と上記操作情報を関連付けた管理情報を作成する管理情報作成部を有する機器と通信し、上記管理情報の履歴を上記装置IDと通信時刻ごとにブロックチェーンで管理する管理システムであって、上記管理情報の生成時刻と上記管理情報の通信時刻とを比較して、上記ブロックチェーンに繋げるブロックを決定する情報管理システムを構成する。通信時刻(これは通信時に判定が可能)が新しくても、使用履歴情報を含む管理情報生成時刻(これは撮影時刻に相当して画像ファイルから読みとれる)が、すでに作成され、繋げられたブロックの管理情報の生成時刻より古い場合はブロック化は行われない。
このような方法を用いることにより、すでに公開された画像より以前に撮られた画像が後から公開される場合などにおけるブロックチェーン管理の仕方、ブロックチェーン管理システムの仕様、決まり等の単純化が可能となる。ブロック(つまりデータベースで管理される情報をまとめたもの)が新しく生成される時、一つ前のブロックのデータを一部含むように設計され、すべての処理履歴が一つの鎖となって繋がっていくのでチェーンと名付けられるが、上述した通信時刻と生成時刻によりこの鎖でつなぐ作業を省略できる情報を単純に判定することができる。
【0108】
図9に戻り、プロセッサ13は、時系列データの中に問題があったかを判定する(S43)。時系列データの中に問題があったとき(S43:YES)、プロセッサ13は、時系列データから、故障診断、故障予測などの問題推論を実行する(S44)。問題推論は、例えば、入力層、中間層及び出力層を含むニューラルネットワークを利用したAI技術などを用いて行われる。
【0109】
時系列データの中に問題がないとき(S43:NO)及びS44の後、プロセッサ13は、S41及びS44において、何らかのメンテナンス、修理が必要であるかを判定する(S45)。メンテナンス等が必要であるかの判定は、S41及びS44の推論結果に含まれる情報に基づいて行うことができる。
【0110】
メンテナンス等が必要であると判定されたとき(S45:YES)、プロセッサ13は、そのメンテナンス等が必要なことを機器IDに関連付けられたユーザ情報に基づいて、ユーザへ電子メールなどの手段を用いて、情報配信を行う(S46)。よって、管理サーバ11は、管理情報の履歴データとしての使用履歴情報を、機器ID等の識別情報毎に管理して、履歴データから前別情報毎のメンテナンス情報を生成し、生成したメンテナンス情報などの配信を行う。メンテナンス情報は、使用履歴情報から予測されたカメラCの故障予測情報を含む。メンテナンス等が必要であると判定されないとき(S45:NO)及びS46の後、処理は、S31に戻る。
【0111】
以上のように、管理サーバ11は、すなわち、画像SNSサービスを提供しつつ、投稿された画像の画像ファイルから使用履歴情報を抽出してブロックチェーンにより記録し管理する。さらに、管理サーバ11は、所定の周期で、管理された使用履歴情報からカメラCなどに問題がないかを推論して、問題などがあれば、ユーザに問題の情報を送信する。
【0112】
図13図14は、管理サーバ11におけるカメラのレンタルサービスに関する処理の流れの例を示すフローチャートである。図13図14の処理は、レンタルサービスプログラムRSの処理に関わる。
【0113】
プロセッサ13は、上述した画像SNSサービスのリクエストであるかを判定し(S51)、画像SNSのリクエストであるとき(S51:YES)、画像SNS機能に関する処理を実行する(S52)。S52の画像SNS機能に関する処理は、図9のS32~S39の処理である。
【0114】
なお、画像SNSサービスは、S52で行われるが、サイトのトップページなどにおいて、レンタルサービスのボタンやタブが用意されて表示されている。ここでは、トップページなどにおけるボタン等が操作されると、後述するS53やS55においてYESへの分岐が可能となる。また、画像SNSサービスを利用しているうちに、マッチングに関する情報を受信すると、処理はS57,S58に進む。
したがって、プロセッサ13は、ユーザが自己の所有するカメラCを他人にレンタルしてもよいかの情報、レンタル可能情報がアップすなわち登録されたかを判定する(S53)。例えば、ユーザは、画像SNS機能とは、別の登録画面から自己のカメラCをレンタル可能であることの情報(以下、レンタル可能情報という)を管理サーバ11に登録することができる。レンタル可能情報は、貸し出し可能なカメラ(製品名、製造番号など)と貸し出し条件(貸し出し期間、撮影枚数の上限値(最大何枚まで撮影してよいかを示す数値)など)の情報を含む。管理サーバ11は、各ユーザの情報を管理しているため、ユーザIDと関連付けてレンタル可能情報をユーザDB24に記録する(S54)。S54の後、処理はS51に戻る。
【0115】
レンタル可能情報が登録されていないとき(S53:NO)、プロセッサ13は、ユーザが他人のカメラCを借り受けたいかの情報がアップすなわち登録されたかを判定する(S55)。例えば、ユーザは、画像SNSサービス機能とは別の登録画面から他人のカメラCを借り受けたいことの情報(以下、レンタル希望情報という)を管理サーバ11に登録することができる。レンタル希望情報は、レンタルしたいカメラ(製品名など)と借り受け条件(借り受け期間など)の情報を含む。管理サーバ11は、各ユーザの情報を管理しているため、ユーザIDと関連付けてレンタル希望情報をユーザDB24に記録する(S56)。S56の後、処理はS51に戻る。DB24に記録された情報を用いれば、ユーザの癖のようなもの、あるいは、そのユーザの装置利用の環境、状況なども推測でき、どのような機器の使い方を想定したユーザであるかが把握可能となる。貸し出す人と借り受ける人の相性を判定する一助となる。
【0116】
レンタル希望情報が登録されないとき(S55:NO)、プロセッサ13は、ユーザDBに登録されたレンタル可能情報とレンタル希望情報とのマッチングの有無を判定する(S57)。マッチングがあったか否かの判定は、レンタル希望情報を満足するレンタル可能情報により判定される。マッチングは、基本的に貸し借りの機材や期間や様々な契約履行の条件を満たすペアを探すことだが、ここに上述の使い方マッチングがあってもよい。すごく神経質な貸し手であれば、アクセサリの取り付けも接点が摩耗して嫌な場合もある。よって、このような場合を考慮して、管理サーバ11は、接点の繰り返し接続寿命のような情報を有していてもよい。
【0117】
レンタル希望情報を満足するレンタル可能情報があるとき(S57:YES)、プロセッサ13は、レンタル可能情報を登録したユーザ(以下、貸し出しユーザという)と、レンタル希望情報を登録したユーザ(以下、借り受けユーザという)に、マッチングがあったこととマッチング条件情報を発信する(S58)。S58において送信される情報は、貸し出しユーザがカメラCを借り受けユーザへ配送できるようにするための種々の情報、利用できる配送業者一覧、今回のレンタルを識別するためのレンタル識別情報、等を含む。S58の後、処理はS51に戻る。
【0118】
画像SNSのリクエストでないとき(S51:NO)、プロセッサ13は、カメラCの貸し出し情報を受信したかを判定する(S59)。
【0119】
貸し出すカメラCを保有するユーザは、S58において受信した情報をPC15で受信すると、その情報と共に、貸し出すカメラCを配送業者に渡す。配送業者は、店舗にある端末装置16を用いて配送処理に必要な配送情報を入力する。配送情報には、カメラCを借り受けるユーザの住所などのユーザ情報が含まれる。また、配送業者は、端末装置16に接続された無線通信機能を有する通信装置16aを用いて、貸し出すカメラCの記録部32に記録されている使用履歴情報をカメラCから読み出す。そして、配送業者は、カメラCの配送を行う。
【0120】
図15は、配送業者の端末装置16の通信装置16aによるカメラCから使用履歴情報の読み出し説明するための図である。図15に示すように、コンビニの端末や配送業者等の端末装置16の通信装置16aにカメラCを近づけると、端末装置16は、通信部41を介してカメラCの制御部31と通信して所定の認証などがされた後に、カメラCから使用履歴情報を読み出すことができる。この通信技術としては、バーコードの読み取りやその他設定による無線LANやブルートゥース(登録商標)通信の確立によってもよく、赤外線やICカード方式の通信でもよい。
【0121】
読み出された使用履歴情報は、配送情報と共に、端末装置16から管理サーバ11に送信される。配送業者がカメラCの配送手続きを行ったときに、管理サーバ11に配送情報と使用履歴情報が送信されるので、管理サーバ11は、S59におけるカメラCの貸し出しの有無を、カメラCの貸出のための配送情報を受信したか否かにより判定する。
【0122】
プロセッサ13は、貸し出し情報を受信すると(S59:YES)、発送される直前の使用履歴情報も受信する(S60)。S60の後、処理は、S51に戻る。
【0123】
カメラCの貸し出し情報を受信しないとき(S59:NO)、プロセッサ13は、カメラCの借り受け情報を受信したかを判定する(S61)。
【0124】
カメラCを借り受けるユーザは、配送業者からカメラCを受け取る。このとき、配送業者は、携帯端末17を用いて、カメラCの記録部32に記録されている使用履歴情報をカメラCから読み出す。読み出された使用履歴情報は、携帯端末17から管理サーバ11へ送信される。
【0125】
よって、カメラCの借り受け情報を受信したとき(S61:YES)、プロセッサ13は、使用履歴情報を受信する(S62)。プロセッサ13は、受信した使用履歴情報がS60で受信した使用履歴情報と一致するかを判定する(S63)。この判定は、操作部35の各操作部材について新たな操作情報、加速度センサ39の出力に基づく新たなショック情報が有るかにより行われる。
【0126】
もしも、受信した使用履歴情報がS60で受信した使用履歴情報と一致しないとき(S63:NO)、プロセッサ13は、トラブルありと判定し、所定の処理を実行する(S64)。S64の処理は、例えば配送業者の携帯端末に「トラブル発生」のメッセージ表示をし、その場合に対応方法の表示、などを含む。
【0127】
受信した使用履歴情報がS60で受信した使用履歴情報と一致したとき(S63:YES)、処理は、S51に戻る。
【0128】
カメラCの借り受け情報を受信しないとき(S61:NO)、プロセッサ13は、カメラCの返却情報を受信したかを判定する(S65)。カメラCを借り受けたユーザは、使用後、カメラCを返却する。返却は、例えば、配送業者により行われる。
【0129】
カメラCを借り受けたユーザはカメラCを配送業者に渡す。配送業者は、店舗にある端末装置16を用いて配送処理に必要な配送情報を入力する。配送情報には、カメラCを貸し出したユーザの住所などのユーザ情報が含まれる。また、配送業者は、端末装置16に接続された無線通信機能を有する通信装置16aを用いて、返却するカメラCの記録部32に記録されている使用履歴情報をカメラCから読み出す。そして、配送業者は、カメラCの返却のための配送を行う。
【0130】
プロセッサ13は、返却されるカメラCの返却発送が行われることの配送情報を受信したか否かによって、カメラCの返却情報を受信したかを判定する(S65)。プロセッサ13は、返却情報を受信すると(S65:YES)、返却される直前の使用履歴情報を受信する(S66)。
【0131】
S66の後、プロセッサ13は、返却される直前の使用履歴情報が、貸出条件の許容範囲内であるかを判定する(S67)。例えば、貸出条件には、撮影枚数の上限、ショックを与えないことなどが含まれる。よって、返却される直前の使用履歴情報が、貸出条件を満たしているかが判定される。
【0132】
もしも、受信した使用履歴情報が貸出条件を満たしていないとき(S67:NO)、プロセッサ13は、トラブルありと判定し、所定の処理を実行する(S68)。S68の処理は、例えば借り受けたユーザに対して、貸出条件に反するカメラCの使用があった旨を通知する「トラブル発生」のメッセージ表示をするなどである。
【0133】
受信した使用履歴情報が貸出条件を満たしているとき(S67:YES)、処理は、S51に戻る。
【0134】
また、返却情報を受信しないとき(S65:NO)、プロセッサ13は、図14のS71からS77の処理を実行する。図14のS71からS77の処理は、それぞれ図9のS40からS46の処理に対応するので、各ステップの説明は省略する。すなわち、プロセッサ13は、S66で受信した使用履歴情報に基づいて、新たな問題の発生の有無、及び新たな問題の発生の推定が行われる。
なお、図14のS71からS77の処理は、貸し借り以外にも下取りサービスや注文してから受け取るまでの輸送などの状況判定にも応用可能であることは言うまでもない。
【0135】
以上のように、いろいろな業種やサービスの連携があり得るため、個々の業種、サービスが持つインフラはそのまま使えるようにしたいので、上述した管理サーバ11は中央集権型ではシステム構築が難しいが、ブロックチェーンを想定した場合には、個々の業種、サービスが運用するコンピュータが相互監視する仕組みのみを作ればよい。
このようにして各カメラCの使用履歴情報が記録されるので、カメラCのユーザに対して適切なメンテナンス情報の提供が可能となると共に、各カメラCの使用履歴情報は、カメラの下取り査定、転売などにおける各カメラCの状態の正しい評価に利用することができる。特に、上述した実施形態では、使用履歴情報はブロックチェーンを利用して改ざんがされないように管理されるので、査定時の評価の信頼性を高くすることができる。
以上説明したシステムでは、使用履歴情報を蓄積できること、使用履歴情報は画像ファイルと一緒に蓄積すること、分散している使用履歴情報をカメラの識別情報と関連づけることで中古カメラの価値判断をすること、分散管理にはブロックチェーンを用いることで使用履歴情報の改ざんを防ぐことなどに工夫が行われている。
また、以上説明したシステムにおける、故障やメンテナンス時期のお知らせ、使用傾向も加味した中古(使用中)カメラの正確な価値判断、使用履歴の客観的な(使用者個人だけでなく複数者間で共有できる)情報管理、こうした状況(機器やユーザの特徴)を反映した貸し手を借り手のマッチングなどについて説明した。
なお、使用履歴情報は、画像のアップロード管理とかユーザへの機器使用方法アドバイスにも応用可能である。
【0136】
また、使用履歴情報は、ユーザIDの下で管理されているので、転売情報等からのカメラCの所有者情報とマッチングをすることにより、機器IDが不一致の場合、盗難の有無等の検出にも利用することができる。
【0137】
さらにまた、ユーザ毎に使用履歴情報が管理されるので、ユーザ固有のガイド表示もすることができる。
【0138】
上述した実施形態では、撮像装置としてカメラの管理システムが説明されたが、管理システムは、撮像装置としての内視鏡、顕微鏡などについても適用可能である。例えば、内視鏡システムの場合、光源装置、電気メスなどの他の機器と組み合わされてシステムが構築されたときに、内視鏡だけでなく、他の機器についても、識別情報(ID)の取得が行われる。よって、上述したカメラにおける交換レンズなどのアクセサリの識別情報(ID)はカメラCへの装着時にカメラCにより読み出されるが、内視鏡システム、顕微鏡システムなどにおいては、システムの設定時にバーコードリーダなどにより各アクセサリの識別情報(ID)等が読み出され、システムのコントローラに記録される。その記録情報が、アクセサリ毎の使用履歴情報として利用できる。
【0139】
また、例えば、内視鏡システム、顕微鏡システムなどにおいては、複数の術者、研究者などにより共用されるので、上述した使用履歴情報は、内視鏡システム、顕微鏡システムなどを所有する施設などをユーザとしてもよいし、あるいはシステムを使用する術者、研究者などをユーザとしてもよい。
【0140】
さらになお、上述した管理サーバ11は、画像データと使用履歴情報を別々に管理し、使用履歴情報についてのみ、ブロックチェーンを利用して、改ざんできないように記録して管理しているが、画像データについてもブロックチェーンを利用して、改ざんできないように記録して管理するようにしてもよい。
【0141】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
例えば、上述した実施形態中で、「部」(セクションやユニット)として記載した部分は、専用の回路や、複数の汎用の回路を組み合わせて構成してもよく、必要に応じて、予めプログラムされたソフトウェアに従って動作を行うマイコン、CPUなどのプロセッサ、あるいはFPGAなどシーケンサを組み合わせて構成されてもよい。また、その制御の一部または全部を外部の装置が引き受けるような設計も可能で、この場合、有線や無線の通信回路が介在する。その場合、通信は、ブルートゥース(登録商標)やWiFi、電話回線などで行えばよいが、データのやり取りはUSBなどの記憶媒体で行っても良い。また、通信回路は、専用の回路、汎用の回路や制御部を一体としてASICとして構成してもよい。カメラのレンズ制御部、撮像部などは、様々なアクチュエータと、必要に応じて移動用の連結メカニズムによって構成されており、ドライバ回路によってアクチュエータが作動する。このドライブ回路もまた、特定のプログラムに従ってマイコンやASICなどにより制御される。こうした制御は各種センサやその周辺回路が出力する情報によって、詳細な補正、調整などが行われても良い。
【符号の説明】
【0142】
1 画像管理システム、11 画像管理サーバ、12 インターネット、13 プロセッサ、14 記憶装置、14a プログラム記憶領域、14b 画像情報記憶領域、14c 使用履歴情報記憶領域、14d ユーザ情報記憶領域、15a プロセッサ、15b 通信回路、15c 表示装置、16 端末装置、16a 通信装置、17 携帯端末、18 コンピュータ、21 判定部、21a アクセス判定部、21b ユーザ判定部、21c 使用履歴抽出部、21d 推定ガイド部、22 画像DB、23 使用履歴DB、24 ユーザDB、25 通信部、31 制御部、32 記録部、33 表示器、34 タッチパネル装置、35 操作部、36 操作部材状態判定部、37 撮像部、37a 撮像素子、38 アクセサリ情報取得部、39 加速度センサ、40 時計部、41 通信部、42 電源、51 画像処理部、52 記録制御部、53 表示制御部、54 操作特徴情報取得部、54a メモリ、55 撮影時情報付与部、56 故障情報設定部、61 受信機、62 方位センサ、63 ユーザ情報設定部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2022-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の一態様の撮像装置の使用履歴を管理する方法は撮像装置が操作された時の操作情報を取得し、前記撮像装置の識別情報と前記操作情報を関連付けた管理情報を作成する管理情報作成部を有する前記撮像装置と通信し、前記管理情報の履歴を前記識別情報と通信時刻ごとにブロックチェーンで管理し、前記管理情報の生成時刻と前記管理情報の通信時刻とを比較して、前記ブロックチェーンに繋げるブロックを決定する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置が操作された時の操作情報を取得する操作情報取得部と、
前記撮像装置の識別情報と前記操作情報を関連付けた管理情報を作成する管理情報作成部を有する前記撮像装置と通信し、前記管理情報の履歴を前記識別情報と通信時刻ごとにブロックチェーンで管理する管理システムであって、
前記管理情報の生成時刻と前記管理情報の通信時刻とを比較して、前記ブロックチェーンに繋げるブロックを決定する、撮像装置の使用履歴情報管理システム。
【請求項2】
前記通信時刻が新しくても、前記管理情報の生成時刻が、すでに作成され、繋げられた前記ブロックの管理情報の生成時刻より古い場合は、ブロック化を行わない、請求項1に記載の撮像装置の使用履歴情報管理システム。
【請求項3】
撮像装置が操作された時の操作情報を取得し、
前記撮像装置の識別情報と前記操作情報を関連付けた管理情報を作成する管理情報作成部を有する前記撮像装置と通信し、前記管理情報の履歴を前記識別情報と通信時刻ごとにブロックチェーンで管理し、
前記管理情報の生成時刻と前記管理情報の通信時刻とを比較して、前記ブロックチェーンに繋げるブロックを決定する、撮像装置の使用履歴を管理する方法。
【請求項4】
前記通信時刻が新しくても、前記管理情報の生成時刻が、すでに作成され、繋げられた前記ブロックの管理情報の生成時刻より古い場合は、ブロック化を行わない、請求項3に記載の撮像装置の使用履歴を管理する方法。