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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121626
(43)【公開日】2022-08-19
(54)【発明の名称】キャップ
(51)【国際特許分類】
   G03B 11/04 20210101AFI20220812BHJP
【FI】
G03B11/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106043
(22)【出願日】2022-06-30
(62)【分割の表示】P 2020056718の分割
【原出願日】2018-06-20
(31)【優先権主張番号】P 2017120797
(32)【優先日】2017-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】517217977
【氏名又は名称】上田 僚一
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】上田 僚一
(57)【要約】
【課題】キャップ本体の物品からの取り外しにあたって、使い勝手の良いキャップを提供する。
【解決手段】
開口部を有する物品に取り付けられるキャップであって、キャップ本体と、中心から内外方向に摺動可能に取り付けられ、物品の内周面に圧接してキャップ本体を係止させる少なくとも1つの係止部材とを備え、係止部材は、両隣の他の係止部材と摺動可能に嵌合し、中心に向かって内方向に摺動することで他の係止部材を内方向に押動して係止を解除する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する物品に取り付けられるキャップであって、
キャップ本体と、
前記キャップ本体の中心から内外方向に摺動可能に取り付けられ、前記物品の内周面に圧接して前記キャップ本体を係止させる少なくとも3以上の係止部材と、を備え、
前記係止部材は、両隣の他の係止部材と摺動可能に嵌合し、前記中心に向かって内方向に摺動することで前記他の係止部材を前記内方向に押動して前記係止を解除し、
前記係止部材各々は、他の係止部材と嵌合する側の端部に、把手部材を有し、
前記係止部材各々が他の係止部材と嵌合することで、前記把手部材により把手部を形成し、
当該把手部をつまむことで、全ての係止部材を内方向に応動させるように構成されることを特徴とするキャップ。
【請求項2】
前記中心から外方向に均等角度となるよう延伸された3以上の溝部を有する指示部材を備え、
前記係止部材各々は、前記3以上の溝部のいずれか一つに少なくとも一部が摺動可能に取り付けられること
を特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
前記溝部に設置され、前記係止部材を前記中心から外方向に付勢する弾性部材を備え、
前記係止部材は、前記弾性部材による付勢によって前記物品の内周面に圧接する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のキャップ。
【請求項4】
開口部を有する物品の前記開口部に平板状の部材を係止させるための係止機構であって、
平板状の部材本体と、
前記部材本体の中心から内外方向に摺動可能に取り付けられ、前記物品の内周面に圧接して前記部材本体を係止させる少なくとも3以上の係止部材と、を備え、
前記係止部材は、両隣の他の係止部材と摺動可能に嵌合し、前記中心に向かって内方向に摺動することで前記他の係止部材を前記内方向に押動して前記係止を解除し、
前記係止部材各々は、他の係止部材と嵌合する側の端部に、把手部材を有し、
前記係止部材各々が他の係止部材と嵌合することで、前記把手部材により把手部を形成し、
当該把手部をつまむことで、全ての係止部材を内方向に応動させるように構成される
を特徴とする係止機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップに関し、任意の2点をつまんで取り外し可能なキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、弾性体による外方向への付勢する力等を利用して、物品の開口部の内周面を圧接することで取り付けて、当該圧接を解除することで取り外しする着脱可能なキャップが存在する。
【0003】
例えば、カメラのレンズ鏡筒において、当該レンズ鏡筒にキャップ本体を係止するための一対の係止部材と当該係止部材を外側に付勢する弾性体(例えば、バネ)とをもって、レンズを保護するキャップが存在する。
【0004】
特許文献1には、板状のキャップ部材の対向する2箇所に、摺動可能にかつ外側方向に係止部材を取り付けたレンズキャップが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、部品に装着されるキャップ本体と、キャップ本体に設けられ、互いに接近または離間方向へ移動可能な一対の可動部材と、一対の可動部材を離間方向へ付勢する付勢部材と、付勢部材の付勢力に対抗して一対の可動部材の離間方向への移動を規制する規制手段とを備えるキャップが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3007668号公報
【特許文献2】特開2010-2807公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、この様なキャップにおいて、取り付け対象の物品からの取り外しをする際に、どの様な状態においても容易に取り外し可能であってほしいというニーズが存在する。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の考案および特許文献2に記載の発明では、取り付け対象の部品からキャップを取り外すよう把手する(例えば、二本の指で摘まむ)際に、付勢されている一対の係止部材または可動部材が並ぶ半径方向の略直線上でしか把手することが出来ない。このようなキャップをカメラのレンズキャップとして用いた場合に、カメラを構えた状態でキャップを取り外そうとする場合に、把手する部分を目視することが出来ず、かつ、当該部分は上記のとおり特定の半径方向の略直線上にしかないため、この様な状態においては、取り外しが困難となり、使い勝手が必ずしも十分ではなかった。
【0009】
そこで、本発明は、キャップ本体の物品からの取り外しにあたって、使い勝手の良いキャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るキャップは、開口部を有する物品に取り付けられるキャップであって、キャップ本体と、中心から内外方向に摺動可能に取り付けられ、物品の内周面に圧接してキャップ本体を係止させる少なくとも1つの係止部材とを備え、係止部材は、両隣の他の係止部材と摺動可能に嵌合し、中心に向かって内方向に摺動することで他の係止部材を内方向に押動して係止を解除する。
【0011】
さらに、本発明に係るキャップは、係止部材を複数備え、係止部材は、キャップ本体の中心に対して均等角度となるよう配置されていることとしてもよい。
【0012】
さらに、本発明に係るキャップは、中心から外方向に均等角度となるよう延伸された3以上の溝部を有する支持部材を備え、係止部材は、3以上の溝部のいずれか一つに少なくとも一部を嵌めこんで摺動可能に取り付けられてもよい。
【0013】
さらに、本発明に係るキャップは、溝部に設置され、係止部材を中心から外方向に付勢する弾性部材を備え、係止部材は、付勢によって物品の内周面に圧接してキャップ本体を係止させてもよい。
【0014】
さらに、本発明に係るキャップにおいて、キャップ本体は、中央に円形の開口部と、当該円形の開口部から外方向に均等角度となるよう延伸された3以上の矩形状の開口部を有してもよい。
【0015】
さらに、本発明に係るキャップにおいて、係止部材は、中心へ次第に広がる三角形の二辺を形成する第1の上側係止片と第2の上側係止片と、第1の上側係止片および第2の上側係止片とそれぞれ同じ向きの段差を形成するよう配置された第1の下側係止片および第2の下側係止片を有し、段差によって生じた上下の隙間に両隣りの他の係止部材の係止片を嵌合させ、係止部材が中心に向かって内方向に摺動することで、他の係止部材を内方向に押動してもよい。
【0016】
さらに、本発明に係るキャップは、カメラレンズのガラスや鏡面、カメラのレンズ鏡筒に装着されるレンズキャップであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るキャップは、物品に取り付けられるキャップ本体と、中心から内外方向に摺動可能に取り付けられ、物品に圧接又は物品を挟持してキャップ本体を係止させる少なくとも1つの係止部材とを備え、係止部材は、両隣の他の係止部材と摺動可能に嵌合し、中心に向かって内方向に摺動することで他の係止部材を内方向に押動して係止を解除する。
【0018】
これらの構成により、3以上の係止部材のうちいずれか2つの係止部材、すなわち、任意の2点をつまんで押動操作することで、当該係止部材の取り付けられている物品への圧接による係止を解除して、キャップ本体を当該物品から取り外すことができ、使い勝手を向上できる。すなわち、本発明に係るキャップは、装着対象の物品からの取り外しにあたって、従来のキャップより使い勝手を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】(a)第1の実施形態のおけるキャップ1の一例を示す平面図である。(b)第2の実施形態におけるキャップ1の一例を示す平面図である。(c)第1の実施形態におけるキャップ1の一例を示す底面図である。(d)第2の実施形態におけるキャップ1の一例を示す底面図である。
図2】(a)第1の実施形態におけるキャップ本体2の一例を示す底面図である。(b)第2の実施形態におけるキャップ本体2の一例を示す底面図である。(c)第1の実施形態における係止部材3および支持部材4の一例を示す平面図である。(d)第2の実施形態における係止部材3および支持部材4の一例を示す平面図である。
図3】(a)第1の実施形態における係止部材3の一例を示す平面図、底面図、右側面図および左側面図である。(b)第2の実施形態における係止部材3の一例を示す平面図、底面図および左側面図である。(c)第1の実施形態における支持部材4および弾性部材5の一例を示す平面図である。(d)第2の実施形態における支持部材4および弾性部材5の一例を示す平面図である。
図4】一実施形態における把手部(係止片)の一例を示す模式図である。
図5】一実施形態における把手部の一例を示す模式図である。
図6】第2の実施形態における支持部材の一例を示す平面図、斜視図および正面図である。
図7】一実施形態におけるキャップの取付例を示す模式図である。
図8】(a)第2の実施形態におけるキャップ1の取り外し時の斜視図である。(b)第2の実施形態におけるキャップ1の物品への取り付け時の斜視図である。
図9】一実施形態におけるキャップの組み立て手順の一例を示すフロー図である。
図10】(a)キャップの他の底面図の例である。(b)キャップの他の底面図の例である。(c)キャップの斜視図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係るキャップは、保護すべき対象の物品に取り付けられるキャップであって、物品の保護部分を覆う物である。本発明に係るキャップは、具体的には、例えば、物品の口部にあてがって塞ぐことで保護部分を覆ったり、物品の先端に被せることで物品の保護部分を覆ったりすることで物品の保護対象部分を保護する。本発明に係るキャップが取り付けられる物品は、キャップ本体が取り付けられ、覆うことができれば、どの様な物品でもよく、特定の物品に限定されない。
【0021】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について、図面を参照して説明する。第1の実施形態は、4つの係止部材3が嵌合しあって、4点でキャップ1Aを物品に取り付ける例である。なお、本願発明に係るキャップの係止部材3は、少なくとも2つあれば係止可能であり、2つ以上の係止部材3が嵌合しあって、2点以上で、キャップを物品に取り付けるよう係止可能である。従来のものは、2点でしか係止できなかったが、本発明に係るキャップは、係止の安定性の観点から、係止点は3以上のほうが望ましく、係止部材3の数(係止点)が、2つ(2点)より4つ(4点)のほうが、安定した係止を実現できるという利点がある。
【0022】
図1(a)は、本発明の第1の実施形態におけるキャップ1Aを説明するための平面図である。キャップ1Aは、物品(不図示)の開口部に取り付けられるキャップであって、例えば、筒状部品に取り付けて当該部品内にある物を外部から保護するために用いられる。キャップ1Aは、具体的には、例えば、カメラ等のレンズ鏡筒に装着されるレンズキャップであってもよく、カメラレンズや鏡面部分に被せるように装着するレンズキャップであってもよい。キャップ1Aをレンズキャップとして用いる際には、カメラのレンズ鏡筒に取り付けて、レンズ等を汚れや損傷から保護するために用いられる。また、キャップ1Aは、例えば、コップに装着される蓋であってもよい。キャップ1Aをコップの蓋として用いる際には、コップの開口部に取り付けて、コップの中の飲料物を保護するために用いられてもよい。また、キャップ1Aは、例えば、物入れに装着される蓋であってもよい。
【0023】
なお、図1(a)は、係止部材3がキャップ本体2Aから外方向に向けて突出している状態を示す。当該姿勢にある場合に、キャップ1Aは物品(不図示)に取り付けられた状態(換言すれば、係止部材3がキャップ本体2Bから外方向に付勢され、物品の開口部の内周面に圧接してキャプ1Aを係止させている状態)となる。
【0024】
図1(a)に示すとおり、キャップ1Aは、キャップ本体2Aと、係止部材3A、3B、3C、3D(必要に応じて、これらの係止部材を総称して「係止部材3」という)と、支持部材4Aとから構成される。キャップ本体2A、係止部材3、支持部材4は、例えば合成樹脂(PC/ABS等)製であり、弾性部材5は、例えば、合成樹脂製または金属製である。なお、これらの部材の素材はこれらに限定されるものではない。
【0025】
係止部材3は、キャップ本体2Aを物品に取り付けるための部材であり、また、取り外しの際にノブ9Aとして指でつまんで押動操作する部材でもある。図1(a)に示すとおり、係止部材3A、3B、3C、3Dは、キャップ本体2Aの中心に対して均等角度となるよう配置される。なお、「係止部材3A~3Dがキャップ本体2Aの中心に対して均等角度となるよう配置される」とは、係止部材3A~3Dの一端部を中心に置いて配置した場合に、隣接しあう係止部材3A~3Dの間の距離又は角度が均等となるように配置することをいう。係止部材3A、3B、3C、3Dは、キャップ本体1Aの中心から内外方向に摺動可能に取り付けられ、物品の開口部の内周面に圧接等して係止させる。このような構成とすることで、キャップ1Bは係止部材3の4点にて物品の開口部の内周面に取り付けることができる。
【0026】
キャップ本体2Aは、例えば、物品の保護部分を、当該物品の開口部にあてがって塞いだり、物品の先端に被せたりすることで覆うための部材である。キャップ本体2Aは、例えば、円形に形成され、図2(a)に示すとおり、中央に円形の開口部10Aと、円形の開口部10Aから外方向に均等角度となるよう延伸された矩形状の開口部11A、11B、11C、11Dとが設けられてもよく、図1(a)に示すとおり、キャップ本体2Aは、例えば、円形の開口部10Aに、4つの係止部材3A、3B、3C、3Dの係止片において、少なくとも一部の嵌合を解除させた状態で突出してもよい。
【0027】
ここで「係止片において、少なくとも一部の嵌合を解除させた状態」とは、係止部材3は、キャップ1(キャップ1A、キャップ1B)が備える弾性部材5によって外方向に付勢されて物品の開口部の内周面を圧接して係止するが、この時、係止部材3のキャップ本体2(キャップ本体2A、キャップ本体2B)の中心方向の端部に設けられたそれぞれの係止片は互いに完全に嵌合し合っている状態(例えば、図5(a)(b)に示す状態)ではなく、互いに離間するように少なくとも一部の嵌合が解除された状態(嵌合がゆるんでいる状態)(図5(c)(d)に示す状態)となる。このように、係止部材3のそれぞれの係止片が、互いに離間するように少なくとも一部の嵌合が解除された状態をいう。
【0028】
このような構成とすることで、キャップ1Aは、係止部材3A、3B、3C、3Dによって筒状部品に取り付ける際は、一旦係止部材3A、3B、3C、3Dの係止片を嵌合させて当該物品の開口部にキャップ1Aを挿入し、挿入後、当該嵌合を解除することで係止部材3A、3B、3C、3Dが外側に押し出され、当該物品の開口部の内周面を圧接して当該物品に対してキャップ1Aを固定させることができる。また、キャップ1Aは、これにより、係止部材3A、3B、3C、3Dのうち、いずれか2つの係止部材、すなわち、係止部材3A、3B、3C、3Dの把手部6が嵌合して(組み合わさって)構成するノブ9Aの外周の任意の2点をつまんで押動操作することで、当該係止部材の当該物品の開口部の内周面への圧接による係止を解除して、キャップ本体を当該筒状部品から取り外すことができ、使い勝手を向上できる。
【0029】
特にカメラのレンズキャップ等に用いた場合、カメラを構えた状態でキャップを取り外そうとすると手元が見えなく、つまむ場所を探す必要があるが、キャップ1Aによれば、係止部材3A、3B、3C、3Dの把手部6が嵌合して構成するノブ9Aに対して略360度のどの任意の2点をつまんでも取り外すことができるため、使い勝手を向上させることができる。
【0030】
また、キャップ1Aは、支持部材4の中心に柱部が設けられて、当該柱部の上にキャップ本体2Aの円形の開口部10Aと略同一または一回り小さい円形のフランジが設けられてもよい。このような構成とすることで、当該フランジが係止部材3A、3B、3C、3Dの係止片の嵌合部分の一部を覆うことができるため、キャップ1Aの外観をよくすることができる。
【0031】
図1(c)は、第1の実施形態におけるキャップ1Aを説明するための底面図である。キャップ1Aは、例えば、中心から外方向に均等角度となるよう延伸された2以上の溝部を有する支持部材4Aを備えてもよい。キャップ1Aは、具体的には、例えば、図1(c)に示すとおり、中心から外方向に均等角度となるよう延伸された4つの溝部12A、12B、12C、12Dを有する支持部材4Aを備えてもよい。当該溝部の説明については、第2の実施形態の支持部材4Bの例において、図6を用いて後述する。
【0032】
図1(c)に示すとおり、支持部材4Aは、具体的には、例えば、係止部材3A、3B、3C、3Dを支持するよう、これらの配置にそって、中心から外方向に均等角度となるよう延伸された4つの矩形の箱状の溝部12A、12B、12C、12Dを備えてもよい。図1(c)に示すとおり、溝部12A、12B、12C、12Dは中心で合わさって十字となるように形成してもよい。溝部12A、12B、12C、12Dの長手方向の長さは、キャップ本体2Aの半径より短く形成してもよい。
【0033】
図1(c)に示すとおり、支持部材4Aは、溝部12A、12B、12C、12D同士を連結する扇形のフランジ14A、14B、14C、14Dが設けられてもよい。支持部材4Aは、例えば、当該扇形のフランジをキャップ本体2Aの円形の開口部に嵌めて固定してもよい。
【0034】
図1(c)に示すとおり、キャップ本体2Aは、外周にそって、1以上の側壁を設けてもよい。キャップ本体2Aは、具体的には、例えば、外側の側壁と内側の側壁の2つの側壁を設けて、外側の側壁は、筒状部品の側面の内周面と当接するように略同一の形状を形成し、内側の側壁は、外側の側壁により、高さを高く設けて、外側の側壁より一回り小さく形成してもよい。当該側壁は、係止部材3A、3B、3C、3Dが配置される箇所においては、物品の開口部の内周面を圧接するために係止部材3A、3B、3C、3Dを通す隙間を設ける必要があるが、当該隙間は、外側の側壁および内側の側壁の下端に設けてもよいし、外側の側壁および内側の側壁の上端と下端の中間に設けてもよい。
【0035】
図2(a)は、第1の実施形態におけるキャップ本体2Aを説明するための底面図である。図2(a)に示すとおり、キャップ本体2Aは、中央に円形の開口部10Aと、当該円形の開口部から外方向に均等角度となるよう延伸された4つの矩形状の開口部11A、11B、11C、11Dを有する。
【0036】
図2(c)は、第1の実施形態における係止部材3A、3B、3C、3Dおよび支持部材4を説明するための平面図である。図2(c)に示すとおり、支持部材4の中心(キャップ本体2Aの中心と同位置)から外方向に均等角度となるよう延伸された4つの溝部12A、12B、12C、12Dに設置された弾性部材を押圧するように係止部材3A、3B、3C、3Dの一部を嵌めこんで、摺動可能に取り付けられる。ここでいう「係止部材3A、3B、3C、3Dの一部」とは、図3(a)の底面図、左側面図および右側面図に示す、スライド部7の取付部8側(下側)形成される矩形状の突出部をいう。図3(a)を用いて後述する。
【0037】
図2(c)に示すとおり、係止部材3A、3B、3C、3Dはその一端部(把手部6)が支持部材4の中心(キャップ本体2Aの中心と同位置にある中心)へ次第に広がる略三角形の二辺を形成してもよい。これらの略三角形の二辺が支持部材4の柱部を囲うように配置してもよい。図2(c)に示すとおり、係止部材3A、3B、3C、3Dは、両隣の他の係止部材と摺動可能に嵌合し、当該中心に向かって内方向に摺動することで他の係止部材を当該内方向に押動して係止を解除することができ、使い勝手のよいキャップを提供することができる。
【0038】
図3(a)は、第1の実施形態における係止部材3を説明するための平面図(左上)、底面図(右上)、左側面図(左下)および右側面図(右下)である。
【0039】
図3(a)に示すとおり、係止部材3は、把手部6、スライド部7および取付部8から構成される。図3(a)に示すとおり、把手部6はスライド部7の長手方向の一端に、取付部8はスライド部7のもう一端に設けられている。
【0040】
スライド部7は、係止部材3の一部であり、係止部材3の中央に設けられ、係止部材3をキャップ本体の中心から内外方向に摺動可能にするための部品である。スライド部7は、支持部材4の溝部にそって摺動するが、図3(a)の底面図、左側面図および右側面図に示すとおり、スライド部7は、取付部8側の下側に、当該溝部に嵌めこませるように当該溝部合わせて形成される矩形状の突出部が設けられてもよい。当該突出部が当該溝部に設置された弾性部材5を押圧することで係止部材3が内方向に摺動して係止部材3同士が嵌合し合い、当該押圧を解除することで係止部材3が外方向に摺動して係止部材3同士の嵌合を解除して、弾性部材5によって当該突出部8が付勢され、取付部8によって取り付け対象の物品の開口部の内周面に圧接することができる。
【0041】
把手部6は、係止部材3の一部であり、係止部材3の一端に設けられ、図3(a)に示すとおり、キャップ1Aを筒状部品に取り付け取り外しをする際にノブ9として把手する(指でつまむ等)ための部品であり、3以上の把手部6が互いに嵌合して構成される。把手部6は、中心へ次第に広がる略三角形の二辺を形成する第1の上側係止片および第2の上側係止片と、第1の上側係止片および第2の上側係止片とそれぞれ同じ向きの段差を形成するよう配置された第1の下側係止片および第2の下側係止片を有してもよい。
【0042】
図3(a)の平面図に示すとおり、把手部6は、具体的には、例えば、スライド部7を軸にして当該軸より左側に第1の上側係止片と第1の下側係止片を有し、当該軸より右側に第2の上側係止片および第2の下側係止片を有してもよい。図3(a)の平面図に示すとおり、第1の上側係止片および第2の上側係止片が形成する略三角形の頂点左側に略三角形の突出した片をさらに設けてもよい。当該突出した片によって、第1の上側係止片の左側、かつ、第1の下側係止片の上側に生じた隙間に他の係止部材の把手部6の係止片が摺動して嵌合する際に当該摺動を止めて保持することができる。
【0043】
取付部8は、係止部材3の一部であり、係止部材3の一端に設けられ、キャップ1Aを筒状部品に取り付ける際に物品の開口部の内周面に圧接等する部品である。図3(a)の左側面図および右側面図に示すとおり、取付部8は、段差を有するよう形成してもよい。当該段差により、キャップ本体2Aに設けられた外側の側壁および内側の側壁と当該段差の高低差を合せることで、取付部8がキャップ本体2Aに収まりよくすることができる。
【0044】
図3(c)は、第1の実施形態における支持部材4および弾性部材5を説明するための平面図である。
【0045】
支持部材4は、係止部材3をキャップ本体2Aの裏面から支持し、弾性部材5を設置するための部品である。図3(c)に示すとおり、支持部材4は、例えば、中央に円形のフランジを設けて、当該円形のフランジの中心(キャップ本体2Aの中心)から外方向に均等角度となるよう延伸された2以上の溝部を有してもよい。支持部材4は、例えば、図3(c)に示すとおり、4つの溝部を有してもよい。
【0046】
弾性部材5は、係止部材3を外側へ付勢して、物品に係止部材3を取り付けるための部材である。なお、本実施形態においては、支持部材4と別部材として例示しているが、弾性部材5と支持部材4を一体成形してもよい。図3(c)に示すとおり、弾性部材5は、弾性部材5A、弾性部材5B、弾性部材5C、弾性部材5Dから構成され、支持部材4の溝部に設置され、係止部材3を中心から外方向に付勢してもよい。係止部材3は、当該付勢によってキャップ本体の内周面を圧接し、また、取り付けられる物品の内周面を圧接してキャップ本体を係止させる。このような構成とすることで、係止部材3を支持部材4に摺動可能に取り付けることができ、当該円形のフランジの中心(キャップ本体2Aの中心)から開口部を有する物品に対して均等に圧接することができる。
【0047】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について、第1の実施形態は、4つの係止部材3が嵌合しあって、4点でキャップ1Aを物品に取り付ける例だったのに対し、第2の実施形態においては、3つの係止部材3が嵌合しあって、3点でキャップ1Bを物品に取り付ける例を説明する。図面を参照して説明する。なお、本願発明に係るキャップの係止部材3は、少なくとも2つあれば係止可能であり、2つ以上の係止部材3が嵌合しあって、2点以上で、キャップを物品に取り付けるよう係止可能である。従来のものは、2点でしか係止できなかったが、本発明に係るキャップは、係止の安定性の観点から、係止点は3以上のほうが望ましく、係止部材3の数(係止点)が、2つ(2点)より3つ(3点)のほうが、安定した係止を実現できるという利点がある。
【0048】
図1(b)は、本発明の第2の実施形態におけるキャップ1Bを説明するための平面図である。係止部材3の数(3つと4つ)および取り付ける箇所(3点と4点)の数以外は、第1の実施形態と同様の構成であるため説明を割愛する。
【0049】
図1(d)は、第2の実施形態におけるキャップ1Bを説明するための底面図である。係止部材3の数(3つと4つ)および取り付ける箇所(3点と4点)の数以外は、第1の実施形態と同様の構成であるため説明を割愛する。
【0050】
図2(b)は、第2の実施形態におけるキャップ本体2Bを説明するための底面図である。矩形状の開口部(3つと4つ)の数以外は、第1の実施形態と同様の構成であるため説明を割愛する。
【0051】
図2(d)は、第2の実施形態における係止部材3A、3B、3Cおよび支持部材4を説明するための平面図である。係止部材3の数(3つと4つ)および支持部材4の矩形の箱状の溝部の数(3つと4つ)以外は、第1の実施形態と同様の構成であるため説明を割愛する。
【0052】
図3(b)は、第2の実施形態における係止部材3を説明するための平面図(左上)、底面図(右上)、左側面図(下)である。係止部材3の数(3つと4つ)の数以外は、第1の実施形態と同様であるので説明を割愛する。
【0053】
図3(d)は、第2の実施形態における支持部材4および弾性部材5を説明するための平面図である。支持部材4の矩形の箱状の溝部の数および弾性部材の数(3つと4つ)以外は、第1の実施形態と同様であるので説明を割愛する。
【0054】
図5は、第2の実施形態における把手部6の構成の一例を説明するための模式図である。なお、第1の実施形態における把手部6においても把手部の数が異なるだけで基本の構成は同じである。
【0055】
図5に示すとおり、把手部6は、把手部6E、把手部6F、把手部6Gの2以上(3つ)の把手部から構成される。把手部6は、換言すれば、キャップ1Bの中心部のギアとして構成される。
【0056】
図5(a)は、把手部6Eが両隣の他の係止部材の把手部である把手部6F、把手部6Gと嵌合し合っている状態を示す斜視図である。図5(a)は、把手部6Eが両隣の他の係止部材の把手部である把手部6F、把手部6Gと嵌合し合っている状態(中心部のギアが収縮している状態)を示す平面図である。図(c)は、把手部6Eが両隣の他の係止部材の把手部である把手部6F、把手部6Gとの嵌合の少なくとも一部が解除されている状態(中心部のギアが展開している状態)を示す斜視図である。図(c)は、把手部6Eが両隣の他の係止部材の把手部である把手部6F、把手部6Gとの嵌合の少なくとも一部が解除されている状態を示す平面図である。
【0057】
図5に示すとおり、把手部6は、例えば、把手部6Eと把手部6Fが指でつまんで押動されて中心(把手部6E、把手部6F、把手部6Gが囲って形成する略三角形の中心(キャップ本体2Bの中心))に向かって摺動するときに、把手部6Eの第1の下側係止片が把手部6Fの第2の下側係止片を、把手部6Fの第2の上側係止片が把手部6Fの第1の上側係止片を、先端から徐々に圧接しつつ当該中心(キャップ本体2の中心)に向かって内方向に押動する。なお、把手部6E、把手部6F、把手部6Gが図5に示すように嵌合して(組み合わさって)ノブ9Bとなる。
【0058】
この時、把手部6Gに対して、把手部6Eと把手部6Fが当該圧接の際に加える力において、把手部6Gが形成する略三角形の頂点と当該中心を通る軸の方向に対して垂直方向の力成分は、把手部6Eと把手部6Fから加わる分力が逆方向のため相殺され、一方、把手部6Gが形成する略三角形の頂点と当該中心を通る軸の方向の力成分は、把手部6Eと把手部6Fから加わる分力が同じ方向のため、合成されて当該中心に向かって内方向に把手部6Gを押動する力となる。
【0059】
このように、図5に示すとおり、キャップ1Bにおいて、把手部6E、把手部6F、把手部6Gのうち、いずれか2つの任意の点を指でつまんで押動することで、他の把手部も併せて連動してすべての把手部が当該中心に向かって摺動することができる。なお、キャップ1Aにおいても同様に、把手部6E、把手部6F、把手部6G、把手部6Dのうち、いずれか2つの任意の点を指でつまんで押動することで、他の把手部も併せて連動してすべての把手部が当該中心に向かって摺動することができる。
【0060】
把手部6E、把手部6Fおよび把手部6Gが当該中心に向かって内方向に押動されると、その力が把手部6の下部につながるスライド7に伝わって、スライド7が弾性部材5を弾性部材5が付勢する力と対向する力として加わり、係止部材3全体が当該中心に向かって内方向に摺動する。
【0061】
このような構成とすることで、把手部6は、両隣の他の把手部6と摺動可能に嵌合し、当該中心に向かって内方向に摺動することで他の把手部6を当該内方向に押動して物品へのキャップ1の係止を解除することで、キャップ本体を当該物品から取り外すことができ、使い勝手のよいキャップを提供することができる。
【0062】
図6は、第2の実施形態における支持部材4の構成の一例を説明するための模式図である。なお、第1の実施形態における支持部材4においても溝部の数が異なるだけで基本の構成は同じである。
【0063】
図6に示すとおり、支持部材4は、中心から外方向に均等角度となるよう延伸された3つの溝部12E、12F、12Gを有する。また、支持部材4は、中心に柱部15Bが設けられてもよく、当該柱部の上に略円形のフランジ13Bと略中央部分に溝部を連結するよう扇形のフランジ14E、14F、14Gが設けられてもよい。扇形のフランジ14E、14F、14Gを、キャップ本体2Bの円形の開口部10Bに嵌めることで支持部材4をキャップ本体2Bに取り付けてもよい。
【0064】
図6に示すとおり、支持部材4の3つの溝部12E、12F、12Gは、2つの側面と底面で略矩形状の溝を形成するよう構成される。溝部12E、12F、12Gは、側面の長手方向の長さより、底面の長手方向の長さを短く形成してもよい。このように構成することで、係止部材3の取付部8と当該溝部の摩擦による消耗を防ぐことができる。
【0065】
図7は、第2の実施形態におけるキャップ1Bを筒状部品20に取り付ける例を示す模式図である。なお、第1の実施形態におけるキャップ1Aにおいても係止部材の数等が異なるだけで基本の構成は同じである。本例は、キャップ1Bの取り付ける対象の物品を筒状部品とした例である。
【0066】
図7に示すとおり、キャップ1Bを筒状部品20に取り付ける場合は、係止部材3E、3F、3Gの把手部6が嵌合して(組み合わさって)構成するノブ9Bの任意の2点を指でつまんで押動操作して、係止部材3E、3F、3Gがキャップ本体2Bから外方向に向けて突出させない状態にして、筒状部品20の開口部に嵌めることで取り付ける。
【0067】
図8は、第2の実施形態におけるキャップ1Bの物品に対して、取り外しおよび取り付け時の斜視図である。なお、第1の実施形態におけるキャップ1Aにおいても係止部材の数等が異なるだけで基本の構成は同じである。
【0068】
図8(a)は、キャップ1Bを物品から取り外した状態を示す。図8(a)に示すとおり、キャップ1Bにおいて、当該取り外した状態においては、係止部材3の把手部6E、6F、6Gは、互いに離間するように少なくとも一部の嵌合が解除された状態となっている。このような構成は、例えば、係止部材3が弾性部材5によって外側に付勢されているが、係止部材3のスライド部7E、7F、7Gがキャップ本体2Bの側壁によって係止されることで実現される。
【0069】
図8(b)は、キャップ1Bを物品に取り付けた状態を示す。図8(b)に示すとおり、キャップ1Bにおいて、当該取り付けた状態においては、係止部材3の把手部6E、6F、6Gは、完全に嵌合し合っている状態となっている。この時、係止部材の把手部6E、6F、6Gは、弾性部材5によって外方向に付勢されて筒状部品20の内周面を圧接して係止している状態となっている。
【0070】
(共通)
図4は、本発明の一実施形態における把手部6の係止片の構成の一例を説明するための模式図である。本構成の例は、本発明に係る実施形態1と実施形態2に共通する構成の例である。
【0071】
図4に示すとおり、係止部材3の把手部6は、キャップ本体2Aの中心へ次第に広がる三角形の二辺を形成する第1の上側係止片と第2の上側係止片と、第1の上側係止片および第2の上側係止片とそれぞれ同じ向きの段差を形成するよう配置された第1の下側係止片および第2の下側係止片を有する。係止部材3の把手部6は、当該段差によって生じた上下の隙間に両隣りの他の係止部材3の係止片を嵌合させ、係止部材3がキャップ本体2Aの中心に向かって内方向に摺動することで、他の係止部材を内方向に押動する。図4に示すとおり、第1の上側係止片、第2の上側係止片、第1の下側係止片および第2の下側係止片は、例えば、略矩形状(略長方形状)に形成されてもよい。
【0072】
係止部材3の把手部6は、図4に示すとおり、第1の上側係止片および第2の上側係止片が形成する略三角形の外側の頂点左側に略三角形の突出した片をさらに設けてもよい。当該突出した片によって、第1の上側係止片の左側、かつ、第1の下側係止片の上側に生じた隙間に他の係止部材の把手部6の係止片が摺動して嵌合する際に当該摺動を止めて保持することができる。
【0073】
係止部材3の把手部6は、図4に示すとおり、第1の上側係止片および第2の上側係止片が形成する略三角形の内側の頂点左側に(第1の上側係止片の内側の頂点側に)段差を設けてもよい。当該段差によって、第2の上側係止片の左側、かつ、第2の下側係止片の上側に生じた隙間に他の係止部材の把手部6の係止片が摺動して嵌合する際に当該摺動を止めて保持することができる。
【0074】
係止部材3の把手部6は、図4(b)に示す例では、説明を簡単にするために、第1の上側係止片および第2の上側係止片と、第1の下側係止片および第2の下側係止片との間にスペースを設けているが、当該スペースを設けず間に段差部を設けて、第1の上側係止片と第1の下側係止片が当該段差部を介して屈曲鉤状に連続して形成し、第2の上側係止片と第2の下側係止片も同様に、当該段差部を介して屈曲鉤状に連続して形成してもよい。
【0075】
図9は、本発明の一実施形態におけるキャップ1の組み立て手順の一例を示すフロー図である。
【0076】
図9に示すとおり、支持部材4に弾性部材5を取り付ける(ステップS11)。具体的には、支持部材4の溝部12の各々に弾性部材5を設置する。弾性部材5を、溝部12に設置する際には、柱部15に弾性部材5の長手方向の一端を接触させた状態でもう一端を解放させた状態で溝部12の溝に入れて設置する。
【0077】
弾性部材5を取り付けた支持部材4に係止部材3を取り付ける(ステップS12)。具体的には、弾性部材5を設置した支持部材4の溝部12の各々に係止部材3を弾性部材5の(支持部材4側とは反対の)上側から載置する。当該載置の際、係止部材3のスライド部7の下側に形成される矩形状の突出部が弾性部材5の解放させた方の一端にかかるように接触させる。載置の後、係止部材3の把手部6を指でつまんで内側に押動操作をして、係止部材3を支持部材4の溝部12にそって弾性部材5の外側への付勢力に抗するよう内側に摺動させて係止部材3の把手部6を嵌合し合った状態で固定させる。この時、具体的には、係止部材3の突出部が弾性部材5を付勢力に抗するようよう押圧することで係止部材3を内側に摺動させる。
【0078】
係止部材3を取り付けた支持部材4にキャップ本体2を取り付ける(ステップ13)。具体的には、支持部材4に対して係止部材3の把手部6を嵌合させた状態で固定させた状態で、キャップ本体2の円形の開口部10および矩形状の開口部11に、支持部材4の一部(扇形のフランジ部14および係止部材3のスライド部7)を嵌めて、嵌めた状態で押動操作を解除することで係止部材3の把手部6の嵌合を一部解除させて係止部材3のスライド部7をキャップ本体2の側壁によって係止させることで取り付ける。
【0079】
なお、図1(a)、(c)に示すキャップ1Aにおいては、四方に突出する係止部材3A、3B、3C、3Dを設けて、四点で係止部材を物品の内周面(内壁)に圧接することで、キャップを物品に取り付ける例を示している。また、同様に、図1(b)、(d)に示すキャップ1Bにおいては、三方に突出する係止部材3E、3F、3Gを設けて三点で係止部材を物品の内周面(内壁)に圧接することで、キャップを物品に取り付ける例を示している。係止部材は、複数設けることで、安定してキャップを物品に取り付けることができるが、係止部材は、1つであってもよい。この場合、図10(a)や、図10(b)に示すように、キャップを構成してもよい。図10(a)には、キャップ1Aにおいて、係止部材3Aのみを設けた例を示しており、物品の内壁には、係止部材3Aのみが圧接する。同様に、図10(b)には、キャップ1Bにおいて、係止部材3Fのみを設けた例を示しており、物品の内壁には、係止部材3Fのみが圧接する。このとき、キャップ1Bにおいては、係止部材3Fの反対側の側面部分(図10(c)に示す斜線部101)も、係止部材3Fの突出に伴って、物品の内周面(内壁)に圧接することになり、2点で、キャップが物品に圧接し、取り付けることができる。係止部材の数を抑制することで、キャップの部品点数を抑制することができ、係止部材を複数設けるよりも製造コストを軽減することができる。
【0080】
また、係止部材は一つであっても事足りるのに対し、把手部6自体は、複数組み合わせる必要がある。このとき、把手部6として組み合わせる部材数は、モーメントの観点から、偶数の場合よりも、奇数の場合の方が、望ましい。即ち、把手部6は、奇数個の部材の組み合わせから成るように構成する方がつまみやすくなる。
【符号の説明】
【0081】
1 キャップ
2 キャップ本体
3 操作部材
4 支持部材
5 弾性部材
6 把手部
7 スライド部
8 取付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する筒状部品に取り付けられるキャップであって、
キャップ本体と、
前記キャップ本体の中心から内外方向に摺動可能に取り付けられ、前記物品の内周面に圧接して前記キャップ本体を係止させる少なくとも3以上の係止部材と、を備え、
前記係止部材は、両隣の他の係止部材と摺動可能に嵌合し、前記中心に向かって内方向に摺動することで前記他の係止部材を前記内方向に押動して前記係止を解除し、
前記係止部材各々は、他の係止部材と嵌合する側の端部に、把手部材を有し、
前記係止部材各々が他の係止部材と嵌合することで、前記把手部材により把手部を形成し、
当該把手部をつまむことで、全ての係止部材を内方向に応動させるように構成され、
前記係止部材は、
前記係止部材の中央に設けられ、前記係止部材を前記キャップ本体の中心から内外方向に摺動するスライド部と、
前記係止部材の一端に設けられ、前記キャップを前記筒状部品に取り付ける際に前記開口部の内周面に圧接する取付部と、
を有する
ことを特徴とするキャップ。
【請求項2】
前記係止部材は、前記キャップ本体の中心に対して均等角度となるよう配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
前記中心から外方向に均等角度となるよう延伸された3以上の溝部を有する支持部材を備え、
前記係止部材は、前記3以上の溝部のいずれか一つに少なくとも一部を嵌めこんで摺動可能に取り付けられる
ことを特徴とする請求項2に記載のキャップ。
【請求項4】
前記スライド部は、前記取付部側の下側に、前記溝部に嵌め込ませるように前記溝部に合わせて形成される矩形状の突出部を有する
ことを特徴とする請求項3に記載のキャップ。
【請求項5】
前記取付部は段差を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項6】
前記溝部に設置され、前記係止部材を前記中心から外方向に付勢する弾性部材を備え、
前記係止部材は、前記付勢によって前記物品の内周面に圧接して前記キャップ本体を係止させる
ことを特徴とする請求項3に記載のキャップ。
【請求項7】
開口部を有する筒状部品の前記開口部に平板状の部材を係止させるための係止機構であって、
平板状の部材本体と、
内外方向に摺動可能に取り付けられ、前記物品の内周面に圧接して前記部材本体を係止させる少なくとも3以上の係止部材と、を備え、
前記係止部材は、両隣の他の係止部材と摺動可能に嵌合し、前記係止部材が嵌合する方向に向かって内方向に摺動することで前記他の係止部材を前記内方向に押動して前記係止を解除し、
前記係止部材各々は、他の係止部材と嵌合する側の端部に、把手部材を有し、
前記係止部材各々が他の係止部材と嵌合することで、前記把手部材により把手部を形成し、
当該把手部をつまむことで、全ての係止部材を内方向に応動させるように構成され、
前記係止部材は、
前記係止部材の中央に設けられ、前記係止部材を前記キャップ本体の中心から内外方向に摺動するスライド部と、
前記係止部材の一端に設けられ、前記キャップを前記筒状部品に取り付ける際に前記開口部の内周面に圧接する取付部と、
を有する
ことを特徴とする係止機構。