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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121765
(43)【公開日】2022-08-22
(54)【発明の名称】貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20220815BHJP
【FI】
F25D11/00 101Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021018648
(22)【出願日】2021-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000109325
【氏名又は名称】ツインバード工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】井上 峰幸
【テーマコード(参考)】
3L045
【Fターム(参考)】
3L045AA04
3L045BA01
3L045DA02
3L045FA01
3L045KA07
3L045PA04
(57)【要約】
【課題】内容器内の温度調節効率を向上させると共に、熱の出入りを抑えることができる貯蔵庫を提供すること。
【解決手段】サーモサイフォンを介して温度調節ユニットであるスターリング冷凍機15と伝熱的に接続されると共に上方が開口した内容器6と、この内容器6の開口部分を閉塞する蓋体4と、前記内容器6の外周に設けられる断熱部材7とを有する貯蔵庫1であり、前記内容器6が高熱伝導性の周壁部材である側壁部材10を有し、前記内容器6と蓋体4で規定される空間の上部に挿入される内蓋20を有し、この内蓋20が、断熱性を有する内蓋本体21の内蓋外殻体23における庫内側表面に形成される内蓋伝熱層52を有すると共に、この内蓋伝熱層52と前記側壁部材10が伝熱的に接することで、前記スターリング冷凍機15からの冷熱を前記側壁部材10から前記内蓋伝熱層52に伝導させ、前記内容器6内を効率的に冷却することができる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度調節ユニットと、この温度調節ユニットに対し伝熱的に接続されると共に一部が開口した内容器と、この内容器の開口部分を閉塞する蓋体と、前記内容器の外周に設けられる断熱部材とを有する貯蔵庫において、
前記内容器が高熱伝導性の周壁部材を有し、前記内容器と蓋体とで規定される空間の上部に挿入される内蓋を有し、この内蓋が、断熱性を有する内蓋本体と、この内蓋本体における前記内容器の庫内側となる表面に形成された伝熱層とを有すると共に、この伝熱層と前記周壁部材とが伝熱的に接することを特徴とする貯蔵庫。
【請求項2】
前記伝熱層と前記周壁部材とが伝熱部材によって伝熱的に接することを特徴とする請求項1記載の貯蔵庫。
【請求項3】
前記伝熱層が、前記内蓋本体における前記内容器の庫内側となる表面全体及び前記伝熱部材に当接する部位の表面に形成されることを特徴とする請求項2記載の貯蔵庫。
【請求項4】
前記内蓋本体が内蓋外殻体を有し、この内蓋外殻体が合成樹脂によって形成されると共に、前記伝熱層が前記内蓋外殻体の表面に蒸着又は鍍金によって形成される金属層であることを特徴とする請求項1記載の貯蔵庫。
【請求項5】
前記内蓋外殻体の内部に断熱部材を有すると共に、この断熱部材が真空断熱材を有することを特徴とする請求項4記載の貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部を冷却又は加温することができる貯蔵庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の貯蔵庫としては、貯蔵室(本願発明の内容器に相当する)と、この貯蔵室の周りを覆う断熱材と、貯蔵室内を冷却する冷却装置(本願発明の温度調節ユニットに相当する)と、前記貯蔵室の上方開口を開閉可能に閉塞する断熱性の外扉(本願発明の蓋体に相当する)と、外扉の貯蔵室内側に設けられる内扉(本願発明の内蓋に相当する)を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、前記内扉は、断熱性板体からなる。このような構造を採用することにより、貯蔵庫の断熱性を向上させ、極めて低い温度まで貯蔵室内を冷却することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平3-47190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような貯蔵庫は、その内蓋が温度調節に関与せず、断熱機能を有するのみであった。このため、貯蔵庫の温度調節の効率を向上させる余地があった。
【0005】
本発明は以上の問題点を解決し、内容器内の温度調節効率を向上させると共に、熱の出入りを抑えることができる貯蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の貯蔵庫は、温度調節ユニットと、この温度調節ユニットに対し伝熱的に接続されると共に一部が開口した内容器と、この内容器の開口部分を閉塞する蓋体と、前記内容器の外周に設けられる断熱部材とを有する貯蔵庫において、前記内容器が高熱伝導性の周壁部材を有し、前記内容器と蓋体とで規定される空間の上部に挿入される内蓋を有し、この内蓋が、断熱性を有する内蓋本体と、この内蓋本体における前記内容器の庫内側となる表面に形成された伝熱層とを有すると共に、この伝熱層と前記周壁部材とが伝熱的に接するものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の貯蔵庫は、請求項1において、前記伝熱層と前記周壁部材とが伝熱部材によって伝熱的に接するものである。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載の貯蔵庫は、請求項2において、前記伝熱層が、前記内蓋本体における前記内容器の庫内側となる表面全体及び前記伝熱部材に当接する部位の表面に形成されるものである。
【0009】
また、本発明の請求項4に記載の貯蔵庫は、請求項1において、前記内蓋本体が内蓋外殻体を有し、この内蓋外殻体が合成樹脂によって形成されると共に、前記伝熱層が前記内蓋外殻体の表面に蒸着又は鍍金によって形成される金属層とされるものである。
【0010】
更に、本発明の請求項5に記載の貯蔵庫は、請求項4において、前記内蓋外殻体の内部に断熱部材を有すると共に、この断熱部材が真空断熱材を有するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載の貯蔵庫は、以上のように構成することにより、温度調節ユニットからの熱又は冷熱を周壁部材に伝導させた後、前記熱又は冷熱を前記周壁部材から前記内蓋本体の庫内側表面に形成された伝熱層に伝導させることができるので、前記内容器内の加温又は冷却を効率的に行うことができると共に、前記内蓋本体によって前記内容器に熱が出入りするのを抑制することができる。
【0012】
なお、前記伝熱層と前記周壁部材とが伝熱部材によって伝熱的に接することで、前記周壁部材から前記奥部材の内面に形成された伝熱層に熱又は冷熱を確実に伝導させて、前記内容器内の加温又は冷却を効率的に行うことができる。
【0013】
また、前記伝熱層が、前記内蓋本体における前記内容器の庫内側となる表面全体及び前記伝熱部材に当接する部位の表面に形成されることで、前記内容器内の熱交換面積を増大させ、前記内容器内の加温又は冷却をより効率的に行うことができる。
【0014】
また、前記内蓋本体が内蓋外殻体を有し、この内蓋外殻体が合成樹脂によって形成されると共に、前記伝熱層が前記内蓋外殻体の表面に蒸着又は鍍金によって形成される金属層とされることで、前記内蓋を安価に構成することができる。
【0015】
更に、前記内蓋外殻体の内部に断熱部材を有すると共に、この断熱部材が真空断熱材を有することで、前記内容器内の熱交換を効率的に行いながら、断熱性も高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第一の実施形態を示す貯蔵庫の外観図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
図2】同、斜視図である。
図3】同、A-A断面図である。
図4】同、周壁部材としての側壁部材と底部材との関係を示す拡大断面図である。
図5】同、底部材の斜視図である。
図6】同、底部材の立設部周辺の拡大断面図である。
図7】同、要部の拡大断面図である。
図8】同、内蓋の斜視図である。
図9】同、内蓋の外周部の拡大断面図である。
図10】同、本体外殻体の開口部周辺の拡大断面図である。
図11】本発明の第二の実施形態を示す貯蔵庫の要部の拡大断面図である。
図12】本発明の第三の実施形態を示す貯蔵庫の要部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の第一の実施形態について、図1乃至図10に基づいて説明する。1は本発明の貯蔵庫である。この貯蔵庫1は、貯蔵庫本体2と、機構部3と、蓋体4とを有して構成される。前記貯蔵庫本体2は、本体外殻体5と、内容器6と、断熱部材7とを有して構成される。前記本体外殻体5の上部には開口部8が形成されており、この開口部8の外側を囲むように、前記本体外殻体5の上部には溝部9が環状に形成される。この溝部9は、下方が開口するように形成される。前記内容器6は、熱伝導率の高いアルミニウム合金の平板を折り曲げて四角筒状に形成した周壁部材としての側壁部材10と、この側壁部材10の下端開口部に取り付けられた奥部材としての底部材11とを有して構成される。なお、この底部材11には、溝部12が環状に形成される。そして、前記側壁部材10の下端部10Aが前記溝部12に挿入されることで、前記側壁部材10の下端開口部が閉塞される。一方、前記側壁部材10の上端部10Bが前記溝部9に挿入されることで、前記開口部8から前記内容器6の内面側が露出するように、この内容器6が前記本体外殻体5に取り付けられる。なお、前記側壁部材10の外面には、後述するスターリング冷凍機15が発生させた冷熱を前記内容器6に伝達するためのサーモサイフォン13が伝熱的に接続される。また、前記内容器6の外側で且つ前記本体外殻体5の内側に、前記断熱部材7が設けられる。この断熱部材7として、発泡樹脂や真空断熱材等が用いられる。
【0018】
前記機構部3は、前記貯蔵庫本体2の本体外殻体5に対し一体的に取り付けられる機構部外殻体14と、この機構部外殻体14の内部に収容される温度調節ユニットとしてのスターリング冷凍機15とを有して構成される。前記機構部外殻体14には、前記スターリング冷凍機15から発生する熱を前記機構部3の外部に排出するための吸気口16及び排気口17が形成される。また、前記スターリング冷凍機15の冷端15Aには、前記サーモサイフォン13が伝熱的に接続される。
【0019】
前記蓋体4は、前記貯蔵庫本体2の開口部8を開閉可能に閉塞するように、図示しない蝶番によって前記本体外殻体5に枢支される。そして、前記蓋体4は、蓋外殻体18と、この蓋外殻体18の内部に設けられる断熱部材19とを有して構成される。なお、この断熱部材19として、発泡樹脂や真空断熱材等が用いられる。
【0020】
なお、前記内容器6の上部には、内蓋20が着脱可能に挿入される。この内蓋20は、内蓋本体21と、この内蓋本体21の上部に設けられるパッキン22とを有して構成される。前記内蓋本体21は、内蓋外殻体23と、この内蓋外殻体23の内部に設けられた断熱部材24とを有して構成される。なお、前記内蓋外殻体23は、合成樹脂により構成される。そして、前記内蓋外殻体23の外周部には、前記本体外殻体5に形成される後述する段差部8Aと当接するフランジ部25が設けられる。また、前記断熱部材24は、真空断熱材26と、この真空断熱材26の上方を覆うように設けられる発泡断熱材層27とを有する。そして、前記パッキン22は、前記貯蔵庫本体2と蓋体4とで挟持されることで、前記内容器6内の冷気が外部に漏れないようにするためのものであり、シリコンゴム等で構成される。
【0021】
前記底部材11について詳述する。この底部材11は、基体30と底部材伝熱層31とを有して構成される。前記基体30は、底板部32と、この底板部32の外周部から上方に突出する環状の立設部33とを有し、全体として方形の盆状に形成される。そして、前記基体30は、内部が空洞の粒子である中空ビーズBと合成樹脂Rとを混合した複合材料により成型される。このような複合材料では熱の移動が阻害されるので、前記基体30は、それ自体が断熱性を有する。また、前記立設部33には、前記溝部12が環状に設けられる。更に、前記基体30における前記内容器6の内面側となる面には、熱伝導性の良好な金属からなる前記底部材伝熱層31が形成される。図6に示すように、この底部材伝熱層31は、前記底板部32に形成された部位31Aと、前記立設部33の内壁面33Aに形成された部位31Bと、前記立設部33の上面33Bにおける前記溝部12よりも内側の部分に形成された部位31Cと、前記溝部12の内面に形成された部位31Dとを有する。これらの部位31A,31B,31C,31Dは、全て連続的に繋がる。そして、前記底部材伝熱層31は、前記溝部12の内面に形成された部位31Dが、前記溝部12に挿入された前記側壁部材10の下端部10Aと伝熱的に接触する。なお、前記底部材伝熱層31は、鍍金又は蒸着により前記基体30の表面に形成される。このような構造とすることにより、前記底部材11は、断熱性を備えつつ、庫内側表面の熱伝導性を高めることができる。
【0022】
前記開口部8周辺の構造について詳述する。前記本体外殻体5には、前記開口部8を囲むように段差部8Aが形成される。そして、この段差部8Aの上面に前記フランジ部25が載ることで、これらが互いに当接する。また、前記本体外殻体5の前記開口部8周辺には、熱伝導性の良好な金属からなる伝熱部としての中間伝熱層40が形成される。この中間伝熱層40は、前記段差部8Aの上面に設けられた部位40Aと、前記開口部8の内面8Bに設けられた部位40Bと、前記開口部8の下端面8Cにおける前記溝部9よりも内側の部分に形成された部位40Cと、前記溝部9の内面に形成された部位40Dとを有する。これらの部位40A,40B,40C,40Dは、全て連続的に繋がる。そして、前記中間伝熱層40は、前記溝部9の内面に形成された部位40Dが、前記溝部9に挿入された前記側壁部材10の上端部10Bと伝熱的に接触する。なお、前記中間伝熱層40は、鍍金又は蒸着により、前記本体外殻体5の開口部8周辺の表面に形成される。
【0023】
また、前記内蓋外殻体23は、底板部50と、この底板部50の外周部から上方に突出する環状の立設部51を有する。そして、この立設部51の外周に前記フランジ部25が一体に形成される。更に、前記底板部50から前記フランジ部25にかけて、前記内蓋外殻体23の下面には内蓋伝熱層52が形成される。図8及び図9に示すように、この内蓋伝熱層52は、前記底板部50の外面50Aに形成された部位52Aと、前記立設部51の外面51Aに形成された部位52Bと、前記フランジ部25の下面25Aに形成された部位52Cとを有する。これらの部位52A,52B,52Cは、全て連続的に繋がる。そして、前記内蓋伝熱層52の部位52Cと前記中間伝熱層40の部位40Aが当接することで、前記内蓋伝熱層52は、前記中間伝熱層40を介して前記側壁部材10と伝熱的に接続される。なお、前記内蓋伝熱層52は、鍍金又は蒸着により前記内蓋外殻体23の表面に形成される。このような構造とすることにより、前記内蓋20は、断熱性を備えつつ、庫内側表面の熱伝導性を高めることができる。
【0024】
次に、本実施形態の作用について説明する。前記スターリング冷凍機15を作動させると、前記冷端15Aにて冷熱が発生する。この冷熱は、前記サーモサイフォン13を経由して前記側壁部材10に移動する。上述したように、前記側壁部材10が熱伝導率の高いアルミニウム合金によって形成されるため、前記冷熱は、前記側壁部材10全体に伝導する。これによって、前記内容器6内は、前記側壁部材10全体によって冷却される。
【0025】
なお、前記底部材11の表面に形成された前記底部材伝熱層31の部位31Dが前記側壁部材10と伝熱的に接触するため、前記冷熱は、前記側壁部材10から前記底部材伝熱層31に伝導する。このため、前記内容器6の底部材11でも前記内容器6内空間を冷却することができるので、前記内容器6内を効率よく冷却することができる。一方で、前述したように、前記底部材11の基体30が、内部が空洞の粒子である中空ビーズBと合成樹脂Rとを混合した複合材料により成型されるので、前記基体30から前記内容器6外への前記冷熱の移動が抑制される。この結果、前記基体30の外側に設けられる断熱部材7による断熱効果と相まって、前記貯蔵庫1の断熱性を高めることができる。
【0026】
一方、前述したように、前記開口部8の内側には、前記内蓋20が挿入される。そして、前記内蓋20の内蓋外殻体23の表面に形成された内蓋伝熱層52の部位52Cが、前記本体外殻体5の開口部8周辺の表面に形成された前記中間伝熱層40の部位40Aと伝熱的に接触し、更に、前記中間伝熱層40の部位40Dが、前記側壁部材10と伝熱的に接触するので、前記冷熱は、前記側壁部材10から前記中間伝熱層40を経由して前記内蓋伝熱層52に伝導する。このため、前記内蓋20でも前記内容器6内空間を冷却することができるので、前記内容器6内を効率よく冷却することができる。そして、前記内蓋20の内蓋本体21の内部には断熱部材24が設けられるので、前記内容器6から前記貯蔵庫1外への前記冷熱の移動が抑制される。更に、前記断熱部材24が前記真空断熱材26を含むので、前記内容器6から前記貯蔵庫1外への前記冷熱の移動が更に抑制される。この結果、前記蓋体4の断熱部材19による断熱効果と相まって、前記貯蔵庫1の断熱性を高めることができる。
【0027】
以上のように本発明は、温度調節ユニットとしてのスターリング冷凍機15と、このスターリング冷凍機15に対しサーモサイフォン13を介して伝熱的に接続されると共に上方が開口した内容器6と、この内容器6の開口部分を閉塞する蓋体4と、前記内容器6の外周に設けられる断熱部材7とを有する貯蔵庫1において、前記内容器6が、筒状に形成された高熱伝導性の周壁部材としての側壁部材10を有し、前記内容器6と蓋体4とで規定される空間の上部に挿入される内蓋20を有し、この内蓋20が、断熱性を有する内蓋本体21と、この内蓋本体21の内蓋外殻体23における前記内容器6の庫内側となる表面に形成された内蓋伝熱層52とを有すると共に、この内蓋伝熱層52と前記側壁部材10とが伝熱的に接続されることで、前記スターリング冷凍機15からの冷熱を前記側壁部材10に伝導させた後、前記冷熱を前記側壁部材10から前記内蓋伝熱層52に伝導させることができるので、前記内容器6内の冷却を効率的に行うことができる。
【0028】
また本発明は、前記内蓋伝熱層52と前記側壁部材10とが伝熱部材としての前記中間伝熱層40によって伝熱的に接続されることで、前記側壁部材10から前記内蓋20の内蓋本体21の内面に形成された前記内蓋伝熱層52に冷熱を確実に伝導させて、前記内容器6内の冷却を効率的に行うことができる。
【0029】
また本発明は、前記内蓋伝熱層52が、前記内蓋本体21の内蓋外殻体23における前記内容器6の庫内側となる底板部50及び立設部51の表面全体に設けられた部位52A,52B、及び伝熱部材である前記中間伝熱層40に当接する部位であるフランジ部25の表面に設けられた部位52Cとを有することで、前記内容器6内の熱交換面積を増大させ、前記内容器6内の加温又は冷却をより効率的に行うことができる。
【0030】
また本発明は、前記内蓋本体21が前記内蓋外殻体23を有し、この内蓋外殻体23が合成樹脂によって形成されると共に、前記内蓋伝熱層52が前記内蓋外殻体23の表面に蒸着又は鍍金によって形成される金属層とされることで、前記内蓋20を安価に構成することができる。
【0031】
更に本発明は、前記内蓋外殻体23の内部に断熱部材24を有すると共に、この断熱部材24が真空断熱材26を有することで、前記内容器6内の熱交換を効率的に行いながら、断熱性も高めることができる。
【0032】
次に、本発明の第二の実施形態について、図11に基づいて説明する。なお、上述した第一の実施形態と共通する部分については、共通の符号を付し、詳細な説明を省略する。本発明の貯蔵庫は、貯蔵庫本体と、機構部と、蓋体4とを有して構成される。前記貯蔵庫本体は、本体外殻体60と、内容器61と、断熱部材7とを有して構成される。前記本体外殻体60の上部には開口部62が形成され、この開口部62の外側を囲むように、前記本体外殻体60の上部には溝部63が環状に形成される。この溝部63は、下方が開口するように形成される。前記内容器61は、熱伝導率の高いアルミニウム合金の平板を折り曲げて四角筒状に形成した周壁部材としての側壁部材64と、この側壁部材64の下端開口部に取り付けられる底部材とを有して構成される。そして、前記側壁部材64の上端部64Bが前記溝部63に挿入されることで、前記開口部62から前記内容器61の内面側が露出するように、この内容器61が前記本体外殻体60に取り付けられる。なお、前記側壁部材64の外面には、第一の実施形態と同様に、温度調節ユニットとしてのスターリング冷凍機が発生させる冷熱を前記内容器61に伝達するためのサーモサイフォンが伝熱的に接続される。また、前記内容器61の外側で且つ前記本体外殻体60の内側に、前記断熱部材7が設けられる。この断熱部材7として、発泡樹脂や真空断熱材等が用いられる。
【0033】
前記蓋体4は、前記貯蔵庫本体の開口部62を開閉可能に閉塞するように、図示しない蝶番によって前記本体外殻体60に枢支される。そして、前記蓋体4は、蓋外殻体18と、この蓋外殻体18の内部に設けられる断熱部材19とを有して構成される。なお、この断熱部材19として、発泡樹脂や真空断熱材等が用いられる。
【0034】
なお、前記内容器61の上部には、内蓋20が着脱可能に挿入される。この内蓋20は、内蓋本体21と、この内蓋本体21の上部に設けられるパッキン22とを有して構成される。前記内蓋本体21は、内蓋外殻体23と、この内蓋外殻体23の内部に設けられた断熱部材24とを有して構成される。なお、前記内蓋外殻体23は、合成樹脂により構成される。そして、前記内蓋外殻体23の外周部には、前記本体外殻体60に形成される段差部62Aと当接するフランジ部25が設けられる。また、前記断熱部材24は、真空断熱材26と、この真空断熱材26の上方を覆うように設けられる発泡断熱材層27とを有する。そして、前記パッキン22は、前記貯蔵庫本体と蓋体4とで挟持されることで、前記内容器61内の冷気が外部に漏れないようにするためのものであり、シリコンゴム等で構成される。
【0035】
前記開口部62周辺の構造について詳述する。前記本体外殻体60には、前記開口部62を囲むように前記段差部62Aが形成される。そして、この段差部62Aの上面に前記フランジ部25が載ることで、これらが互いに当接する。一方、前記側壁部材64の上部には、伝熱部材としての伝熱片65が設けられる。図11には前記伝熱片65が一つだけ記載されているが、この伝熱片65は、実際には前記内容器61に複数設けられる。そして、前記伝熱片65は、熱伝導率が高い金属片により形成されると共に、固定端65Aと自由端65Bとを有する。前記固定端65Aは、前記側壁部材64の庫内側に伝熱的に固定される。この固定方法として、ビス留め、鑞付け、熔接等を採り得る。また、前記自由端65Bは、前記内蓋20の内蓋本体21の下面が当接するように形成される。
【0036】
また、前記内蓋外殻体23は、底板部50と、この底板部50の外周部から上方に突出する環状の立設部51を有する。そして、この立設部51の外周に前記フランジ部25が一体に形成される。更に、前記底板部50から前記フランジ部25にかけて、前記内蓋外殻体23の下面には内蓋伝熱層52が形成される。図11に示すように、この内蓋伝熱層52は、前記底板部50の外面50Aに形成された部位52Aと、前記立設部51の外面51Aに形成された部位52Bと、前記フランジ部25の下面25Aに形成された部位52Cとを有する。これらの部位52A,52B,52Cは、全て連続的に繋がる。そして、前記内蓋伝熱層52の部位52Aと前記伝熱片65の自由端65Bが当接することで、前記内蓋伝熱層52は、前記側壁部材64と伝熱的に接続される。なお、前記内蓋伝熱層52は、鍍金又は蒸着により前記内蓋外殻体23の表面に形成される。このような構造とすることにより、前記内蓋20は、前記断熱部材24による断熱性を備えつつ、庫内側表面の熱伝導性を高めることができる。
【0037】
次に、本実施形態の作用について説明する。前記スターリング冷凍機を作動させると、前記冷端にて冷熱が発生する。この冷熱は、前記サーモサイフォンを経由して前記側壁部材64に移動する。上述したように、前記側壁部材64が熱伝導率の高いアルミニウム合金によって形成されるため、前記冷熱は、前記側壁部材64全体に伝導する。これによって、前記内容器61内は、前記側壁部材64全体によって冷却される。
【0038】
なお、前記内蓋20の内蓋本体21の表面に形成された前記内蓋伝熱層52の部位52Aが前記伝熱片65を介して前記側壁部材64と伝熱的に接触するため、前記冷熱は、前記側壁部材64から前記内蓋伝熱層52に伝導する。このため、前記内蓋21でも前記内容器61内空間を冷却することができるので、前記内容器61内を効率よく冷却することができる。そして、前記内蓋20の内蓋本体21の内部には断熱部材24が設けられるので、前記内容器61から前記貯蔵庫外への前記冷熱の移動が抑制される。更に、前記断熱部材24が前記真空断熱材26を含むので、前記内容器61から前記貯蔵庫外への前記冷熱の移動が更に抑制される。この結果、前記蓋体4の断熱部材19による断熱効果と相まって、前記貯蔵庫の断熱性を高めることができる。
【0039】
以上のように本発明は、温度調節ユニットとしてのスターリング冷凍機と、このスターリング冷凍機に対しサーモサイフォンを介して伝熱的に接続されると共に上方が開口した内容器61と、この内容器61の開口部分を閉塞する蓋体4と、前記内容器61の外周に設けられる断熱部材7とを有する貯蔵庫において、前記内容器61が高熱伝導性の周壁部材としての側壁部材64を有し、前記内容器61と蓋体4とで規定される空間の上部に挿入される内蓋20を有し、この内蓋20が、断熱性を有する内蓋本体21と、この内蓋本体21における前記内容器61の庫内側となる表面に形成された内蓋伝熱層52とを有すると共に、この内蓋伝熱層52と前記側壁部材64とが伝熱的に接することにより、温度スターリング冷凍機からの冷熱を側壁部材64に伝導させた後、前記冷熱を前記側壁部材64から前記伝熱片65を介して前記内蓋本体21の庫内側表面に形成された内蓋伝熱層52に伝導させることができるので、前記内容器61内の冷却を効率的に行うことができると共に、前記内蓋本体21によって前記内容器61から貯蔵庫外への冷熱の漏れを抑えることができる。
【0040】
また本発明は、前記内蓋伝熱層52と前記側壁部材64とが伝熱部材としての前記伝熱片65によって伝熱的に接することで、前記側壁部材64から前記底部材62の内面に形成された前記底部材伝熱層64に冷熱を確実に伝導させて、前記内容器60内の冷却を効率的に行うことができる。
【0041】
また本発明は、前記内蓋伝熱層52が、前記内蓋本体21の内蓋外殻体23における前記内容器61の庫内側となる底板部50及び立設部51の表面全体に設けられた部位52A,52B、及び伝熱部材である前記伝熱片65に当接する部位である底板部50の外面50Aに設けられた部位52Aとを有することで、前記内容器61内の熱交換面積を増大させ、前記内容器61内の冷却をより効率的に行うことができる。
【0042】
また本発明は、前記内蓋本体21が前記内蓋外殻体23を有し、この内蓋外殻体23が合成樹脂によって形成されると共に、前記内蓋伝熱層52が前記内蓋外殻体23の表面に蒸着又は鍍金によって形成される金属層とされることで、前記内蓋20を安価に構成することができる。
【0043】
更に本発明は、前記内蓋外殻体23の内部に断熱部材24を有すると共に、この断熱部材24が真空断熱材26を有することで、前記内容器61内の冷却を効率的に行いながら、断熱性も高めることができる。
【0044】
次に、本発明の第三の実施形態について、図12に基づいて説明する。なお、上述した第一の実施形態と共通する部分については、共通の符号を付し、詳細な説明を省略する。本発明の貯蔵庫は、貯蔵庫本体と、機構部と、蓋体4とを有して構成される。前記貯蔵庫本体は、本体外殻体70と、内容器71と、断熱部材7とを有して構成される。前記本体外殻体70の上部には開口部72が形成され、この開口部72の外側を囲むように、前記本体外殻体70の上部には溝部73が環状に形成される。この溝部73は、下方が開口するように形成される。前記内容器71は、熱伝導率の高いアルミニウム合金の平板を折り曲げて四角筒状に形成した周壁部材としての側壁部材74と、この側壁部材74の下端開口部に取り付けられる底部材とを有して構成される。そして、前記側壁部材74の上端部74Bが前記溝部73に挿入されることで、前記開口部72から前記内容器71の内面側が露出するように、この内容器71が前記本体外殻体70に取り付けられる。なお、前記側壁部材74の外面には、第一の実施形態と同様に、温度調節ユニットとしてのスターリング冷凍機が発生させる冷熱を前記内容器71に伝達するためのサーモサイフォンが伝熱的に接続される。また、前記内容器71の外側で且つ前記本体外殻体70の内側に、前記断熱部材7が設けられる。この断熱部材7として、発泡樹脂や真空断熱材等が用いられる。
【0045】
前記蓋体4は、前記貯蔵庫本体の開口部72を開閉可能に閉塞するように、図示しない蝶番によって前記本体外殻体70に枢支される。そして、前記蓋体4は、蓋外殻体18と、この蓋外殻体18の内部に設けられる断熱部材19とを有して構成される。なお、この断熱部材19として、発泡樹脂や真空断熱材等が用いられる。
【0046】
なお、前記内容器71の上部には、内蓋80が着脱可能に挿入される。この内蓋80は、内蓋本体81と、この内蓋本体81の上部に設けられるパッキン22とを有して構成される。前記内蓋本体81は、内蓋外殻体83と、この内蓋外殻体83の内部に設けられた断熱部材24とを有して構成される。なお、前記内蓋外殻体83は、合成樹脂により構成される。そして、前記内蓋外殻体83の外周部には、前記本体外殻体70に形成される段差部72Aと当接するフランジ部25が設けられる。また、前記断熱部材24は、真空断熱材26と、この真空断熱材26の上方を覆うように設けられる発泡断熱材層27とを有する。そして、前記パッキン22は、前記貯蔵庫本体と蓋体4とで挟持されることで、前記内容器71内の冷気が外部に漏れないようにするためのものであり、シリコンゴム等で構成される。
【0047】
前記開口部72周辺の構造について詳述する。前記本体外殻体70には、前記開口部72を囲むように前記段差部72Aが形成される。そして、この段差部72Aの上面に前記フランジ部25が載ることで、これらが互いに当接する。そして、前記開口部72には、貫通孔75が形成される。また、前記側壁部材74の上端部74Bには、前記貫通孔75に対応して貫通孔74Cが形成される。そして、前記貫通孔75を介して前記貫通孔74Cと螺合する伝熱部材としての伝熱ビス76が設けられる。図12には前記貫通孔75,貫通孔74C、伝熱ビス76がそれぞれ一つだけ記載されているが、これらの貫通孔75,貫通孔74C、伝熱ビス76は、実際には前記内容器71に複数設けられる。なお、前記伝熱ビス76は、熱伝導性が高い金属により形成される。そして、前記溝部73に前記側壁部材74の上端部74Bを挿入した後、前記貫通孔75を介して前記貫通孔74Cに前記伝熱ビス76を螺合させることで、前記開口部72のうち、前記溝部73よりも内側の部分が、前記側壁部材74の上端部74Bと前記伝熱ビス76のビス頭76Aとで挟持される。また、前記伝熱ビス76の雄ネジ部76Bが前記貫通孔74Cと螺合することで、前記伝熱ビス76と前記側壁部材74とが伝熱的に接続される。
【0048】
また、前記内蓋外殻体83は、底板部84と、この底板部84の外周部から斜め上方に突出する環状の傾斜部85と、この傾斜部85の外周部から上方に突出する立設部86を有する。そして、この立設部86の外周に前記フランジ部25が一体に形成される。更に、前記底板部84から前記フランジ部25にかけて、前記内蓋外殻体83の下面には内蓋伝熱層87が形成される。図12に示すように、この内蓋伝熱層87は、前記底板部84の外面84A全体に形成された部位87Aと、前記傾斜部85の外面85A全体に形成された部位87Bと、前記立設部86の外面86A全体に形成された部位87Cと、前記フランジ部25の下面25Aに形成された部位87Dとを有する。これらの部位87A,87B,87C,87Dは、全て連続的に繋がる。そして、前記内蓋伝熱層87の部位87Bは、前記伝熱ビス76のビス頭76Aと当接可能に構成される。このように、前記内蓋伝熱層87の部位87Bと前記伝熱ビス76のビス頭76Aとが当接することで、前記内蓋伝熱層87は、前記側壁部材74と伝熱的に接続される。なお、前記内蓋伝熱層87は、鍍金又は蒸着により前記内蓋外殻体83の表面に形成される。このような構造とすることにより、前記内蓋80は、前記断熱部材24による断熱性を備えつつ、庫内側表面の熱伝導性を高めることができる。
【0049】
次に、本実施形態の作用について説明する。前記スターリング冷凍機を作動させると、その冷端にて冷熱が発生する。この冷熱は、前記サーモサイフォンを経由して前記側壁部材74に移動する。上述したように、前記側壁部材74は、熱伝導率の高いアルミニウム合金によって形成されるため、前記冷熱は前記側壁部材74全体に伝導する。これによって、前記内容器71内は前記側壁部材74全体によって冷却される。
【0050】
なお、前記内蓋外殻体83の傾斜部85の外面85Aに形成された前記内蓋伝熱層87の部位87Bが前記伝熱ビス76を介して前記側壁部材74と伝熱的に接触するため、前記冷熱は、前記側壁部材74から前記内蓋伝熱層87に伝導する。このため、前記内蓋80でも前記内容器71内空間を冷却することができるので、前記内容器71内を効率よく冷却することができる。一方で、前述したように、前記内蓋本体81内に断熱部材24が設けられるので、前記貯蔵庫外への前記冷熱の移動が抑制される。更に、前記断熱部材24が前記真空断熱材26を含むので、前記内容器71から前記貯蔵庫外への前記冷熱の移動が更に抑制される。この結果、前記蓋体4の断熱部材19による断熱効果と相まって、前記貯蔵庫の断熱性を高めることができる。
【0051】
以上のように本発明は、温度調節ユニットとしてのスターリング冷凍機と、このスターリング冷凍機に対しサーモサイフォンを介して伝熱的に接続されると共に上方が開口した内容器71と、この内容器71の開口部分を閉塞する蓋体4と、前記内容器70の外周に設けられる断熱部材7とを有する貯蔵庫において、前記内容器71が高熱伝導性の周壁部材としての側壁部材74を有し、前記内容器71と蓋体4とで規定される空間の上部に挿入される内蓋80を有し、この内蓋80が、断熱性を有する内蓋本体81と、この内蓋本体81における前記内容器71の庫内側となる表面に形成された内蓋伝熱層87とを有すると共に、この内蓋伝熱層87と前記側壁部材74とが伝熱ビス76を介して伝熱的に接することで、前記スターリング冷凍機からの冷熱を前記側壁部材74に伝導させた後、前記冷熱を前記側壁部材74から前記内蓋伝熱層87に伝導させることができるので、前記内容器71内の冷却を効率的に行うことができると共に、前記内蓋本体81によって前記内容器71に熱が出入りするのを抑制することができる。
【0052】
また本発明は、前記内蓋伝熱層87と前記側壁部材74とが伝熱部材としての伝熱ビス76によって伝熱的に接することで、前記側壁部材74から内蓋伝熱層87に冷熱を確実に伝導させて、前記内容器71内の冷却を効率的に行うことができる。
【0053】
また本発明は、前記内蓋伝熱層87が、前記内蓋本体81の内蓋外殻体83における前記内容器71の庫内側となる底板部84、傾斜部85、及び立設部86の表面全体に設けられた部位87A,87B,87C、及び伝熱部材である前記伝熱ビス76に当接する部位である傾斜部85の外面85Aに設けられた部位87Bとを有することで、前記内容器71内の熱交換面積を増大させ、前記内容器71内の冷却をより効率的に行うことができる。
【0054】
また、前記内蓋本体81が内蓋外殻体83を有し、この内蓋外殻体83が合成樹脂によって形成されると共に、前記内蓋伝熱層87が前記内蓋外殻体83の外面83Aに蒸着又は鍍金によって形成される金属層とされることで、前記内蓋80を安価に構成することができる。
【0055】
更に本発明は、前記内蓋外殻体83の内部に断熱部材24を有すると共に、この断熱部材24が真空断熱材26を有することで、前記内容器71内の冷却を効率的に行いながら、断熱性も高めることができる。
【0056】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記各実施形態では、温度調節ユニットとしてスターリング冷凍機を用いたが、コンプレッサー式冷凍機、ペルチェ素子を用いたサーモモジュール等の冷却加温装置、ヒータ等であっても良い。また、第三の実施形態では、伝熱ビスを伝熱部材としたが、リベット等を用いても良い。更に、上記各実施形態では、周壁部材を側壁部材とし、内容器の上方が開口する構造としたが、周壁部材を上下左右の壁とし、内容器の奥行き方向の手前が開口する構造としても良い。
【符号の説明】
【0057】
1 貯蔵庫
4 蓋体
6 内容器
7 断熱部材
8 開口部
10 側壁部材(周壁部材)
15 スターリング冷凍機(温度調節ユニット)
20 内蓋
21 内蓋本体
23 内蓋外殻体
24 断熱部材
25 フランジ部
26 真空断熱材
40 中間伝熱層(伝熱部材)
50 底板部
50A
51 立設部
51A 立設部51の外面
52 内蓋伝熱層
52A 底板部50の外面50Aに形成された部位
52B 立設部51の外面51Aに形成された部位
52C フランジ部25の下面に形成された部位
61 内容器
62 開口部
64 側壁部材(周壁部材)
65 伝熱片(伝熱部材)
71 内容器
72 開口部
74 側壁部材(周壁部材)
76 伝熱ビス(伝熱部材)
80 内蓋
81 内蓋本体
83 内蓋外殻体
84 底板部
84A 底板部84の外面
85 傾斜部
85A 傾斜部85の外面
86 立設部
86A 立設部86の外面
87 内蓋伝熱層
87A 底板部84の外面84A全体に形成された部位
87B 傾斜部85の外面85A全体に形成された部位
87C 立設部86の外面86A全体に形成された部位
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度調節ユニットと、この温度調節ユニットに対し伝熱的に接続されると共に一部が開口した内容器と、この内容器の開口部分を閉塞する蓋体と、前記内容器の外周に設けられる断熱部材とを有する貯蔵庫において、
前記内容器が高熱伝導性の周壁部材を有し、前記内容器と蓋体とで規定される空間の上部に挿入される内蓋を有し、この内蓋が、断熱性を有する内蓋本体と、この内蓋本体における前記内容器の庫内側となる表面に形成された伝熱層とを有すると共に、この伝熱層と前記周壁部材とが伝熱部材によって伝熱的に接することを特徴とする貯蔵庫。
【請求項2】
前記伝熱層が、前記内蓋本体における前記内容器の庫内側となる表面全体及び前記伝熱部材に当接する部位の表面に形成されることを特徴とする請求項記載の貯蔵庫。
【請求項3】
前記内蓋本体が内蓋外殻体を有し、この内蓋外殻体が合成樹脂によって形成されると共
に、前記伝熱層が前記内蓋外殻体の表面に蒸着又は鍍金によって形成される金属層である
ことを特徴とする請求項1記載の貯蔵庫。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の請求項1に記載の貯蔵庫は、温度調節ユニットと、この温度調節ユニットに対し伝熱的に接続されると共に一部が開口した内容器と、この内容器の開口部分を閉塞する蓋体と、前記内容器の外周に設けられる断熱部材とを有する貯蔵庫において、前記内容器が高熱伝導性の周壁部材を有し、前記内容器と蓋体とで規定される空間の上部に挿入される内蓋を有し、この内蓋が、断熱性を有する内蓋本体と、この内蓋本体における前記内容器の庫内側となる表面に形成された伝熱層とを有すると共に、この伝熱層と前記周壁部材とが伝熱部材によって伝熱的に接するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、本発明の請求項に記載の貯蔵庫は、請求項において、前記伝熱層が、前記内蓋本体における前記内容器の庫内側となる表面全体及び前記伝熱部材に当接する部位の表面に形成されるものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、本発明の請求項に記載の貯蔵庫は、請求項1において、前記内蓋本体が内蓋外殻体を有し、この内蓋外殻体が合成樹脂によって形成されると共に、前記伝熱層が前記内蓋外殻体の表面に蒸着又は鍍金によって形成される金属層とされるものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】