(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022121853
(43)【公開日】2022-08-22
(54)【発明の名称】遠隔操作システム、および、ペアリング方法
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20220815BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
H04Q9/00 341A
H04Q9/00 301D
H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021018811
(22)【出願日】2021-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】荻原 一親
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 亮
【テーマコード(参考)】
5K048
5K201
【Fターム(参考)】
5K048AA15
5K048BA01
5K048BA13
5K048DB01
5K048DC01
5K048EB01
5K048EB06
5K048FB10
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA03
5K201AA09
5K201BA01
5K201CB10
5K201EA07
5K201EB07
5K201EC06
5K201ED05
5K201ED08
5K201EF10
(57)【要約】
【課題】
テンキーが搭載されていない家電製品であっても、パスコードを用いた堅牢なペアリングを実現することである。
【解決手段】
遠隔操作システムは、遠隔操作を行う側である操作端末21と、遠隔操作される側である電子機器11と、ペアリングを仲介するサーバ30を有する。サーバ30は、ペアリングを確立するために用いられるパスコードとして、電子機器11に備えられているボタン集合から押下するボタンの押し順の組の順序として定義されるパスコードボタン列を生成し、操作端末21は、サーバ30から受信したパスコードボタン列を表示し、電子機器11は、ボタン集合からパスコードボタン列の入力を受け付け、サーバ30は、生成したパスコードボタン列と、電子機器11に入力されたパスコードボタン列とが一致するときに、操作端末21と電子機器11との間のペアリングを確立する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔操作を行う操作端末と、遠隔操作される電子機器と、のペアリングをサーバを介して行う遠隔操作システムであって、
前記サーバは、
前記操作端末から入力されたペアリングを確立するためのパスコード要求に基づいて、第1パスコード番号を生成し、前記第1パスコード番号を第1パスコードボタン列に変換すると共に、生成された前記第1パスコード番号を前記操作端末へ送信し、
前記電子機器にて利用者にて入力された前記第1パスコードボタン列が変換された第2パスコード番号を受信し、
前記第1パスコード番号と前記第2パスコード番号と、が一致した場合に、前記操作端末と前記電子機器とのペアリングを確立する、ことを特徴とする遠隔操作システム。
【請求項2】
請求項1記載の遠隔操作システムであって、
前記第1パスコード番号から前記第1パスコードボタン列の変換、及び前記第1パスコードボタン列から前記第2パスコード番号の変換は、予め定めた仮想テンキーデータを用いる、遠隔操作システム。
【請求項3】
請求項2記載の遠隔操作システムであって、
前記仮想テンキーデータは、予め割り当てられた数字と、前記電子機器の操作パネルのボタン番号の押し順の組と、ボタン名称の押し順の組と、を対応づけたテーブルである、遠隔操作システム。
【請求項4】
遠隔操作を行う操作端末と、遠隔操作される電子機器と、のペアリングをサーバを介して行うペリング方法であって、
前記操作端末から入力されたペアリングを確立するためのパスコード要求に基づいて、第1パスコード番号を生成し、前記第1パスコード番号を第1パスコード列に変換すると共に、生成された前記第1パスコード番号を前記操作端末へ送信し、
前記電子機器にて利用者にて入力された前記第1パスコード列が変換された第2パスコード番号を受信し、
前記前記第1パスコード番号と前記第2パスコード番号と、が一致した場合に、前記操作端末と前記電子機器とのペアリングを確立する、ことを特徴とするペアリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔操作システム、および、ペアリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作端末を用いて、通信ネットワーク上のサーバを介して家電製品などの電子機器を遠隔操作する技術が知られている。遠隔操作するための初期設定として、操作する側の操作端末と、操作される側の電子機器とを組み合わせるペアリング処理が行われる。
【0003】
ここで、操作される側の電子機器がユーザ宅内に多数存在していたときには、操作端末がどの電子機器を指定してペアリングを行うかがわかりづらい。
【0004】
そこで、特許文献1には、ユーザがペアリングの対象として電子機器を選択すると、その選択された電子機器がLEDの点滅や音声出力などで周囲に報知するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
堅牢なペアリングを実現するには、単にペアリング相手を選択するよりも、ペアリングする装置間で共通のパスコードを用いることが望ましい。パスコードは、例えば、4桁の数字である。
【0007】
しかし、洗濯機などの従来の家電製品では、パスコードを入力するためのテンキーが搭載されていなくボタン数が少ない。また、特許文献1などの従来の家電製品を対象としたペアリングの技術では、このようなパスコードの入力手段に対する支援はなされていない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、テンキーが搭載されていない家電製品であっても、パスコードを用いた堅牢なペアリングを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、遠隔操作を行う操作端末と、遠隔操作される電子機器と、のペアリングをサーバを介して行う遠隔操作システムであって、前記サーバは、前記操作端末から入力されたペアリングを確立するためのパスコード要求に基づいて、第1パスコード番号を生成し、前記第1パスコード番号を第1パスコード列に変換すると共に、生成された前記第1パスコード番号を前記操作端末へ送信し、前記電子機器にて利用者にて入力された前記第1パスコード列が変換された第2パスコード番号を受信し、前記第1パスコード番号と前記第2パスコード番号と、が一致した場合に、前記操作端末と前記電子機器とのペアリングを確立する、構成とする。
【0010】
また、本発明は、遠隔操作を行う操作端末と、遠隔操作される電子機器と、のペアリングをサーバを介して行うペリング方法であって、前記操作端末から入力されたペアリングを確立するためのパスコード要求に基づいて、第1パスコード番号を生成し、前記第1パスコード番号を第1パスコード列に変換すると共に、生成された前記第1パスコード番号を前記操作端末へ送信し、前記電子機器にて利用者にて入力された前記第1パスコード列が変換された第2パスコード番号を受信し、前記前記第1パスコード番号と前記第2パスコード番号と、が一致した場合に、前記操作端末と前記電子機器とのペアリングを確立する、方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、テンキーが搭載されていないボタン数が少ない家電製品であっても、パスコードを用いた堅牢なペアリングを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に関する遠隔操作システムの構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に関する電子機器の操作パネルを示す構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態に関する仮想テンキーデータを示すテーブルである。
【
図4】本発明の一実施形態に関するペアリング動作の前半部を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態に関するペアリング動作の後半部を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態に関するペアリング開始画面の画面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に関するパスコード指示画面の画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
【0015】
遠隔操作システムは、遠隔操作を行う操作端末21、22と、遠隔操作される電子機器11~13と、のペアリングをサーバ30を介して行う遠隔操作システムであって、ユーザ宅60内に配備されている電子機器11~13を、ユーザ宅60外のユーザが保持する操作端末21から遠隔操作するシステムである。なお、説明用に、ユーザ宅60のユーザとは別人の操作端末22も図示している。また、サーバ30は、電子機器11~13と、操作端末21、22との遠隔操作を仲介する装置である。
【0016】
電子機器11~13は、ユーザ宅60の無線LANルータ40を介して、インターネット50に接続される洗濯機などの家電製品である。操作端末21、22は、基地局51を介して、インターネット50に接続されるスマートフォンなどの携帯端末である。操作端末21、22は、インターネット50を介して電子機器11~13と通信する。
【0017】
これらの遠隔操作システムの各装置(電子機器11~13、操作端末21、22、および、サーバ30)は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、ハードディスクなどの記憶手段(記憶部)と、ネットワークインタフェースとを有するコンピュータとして構成される。
【0018】
このコンピュータは、CPUが、メモリ上に読み込んだプログラム(アプリケーションや、その略のアプリとも呼ばれる)を実行することにより、各処理部により構成される制御部(制御手段)を動作させる。
【0019】
ペアリングとは、電子機器11~13のうちの1台と、操作端末21、22のうちの1台とが互いに通信可能な状態になるための前準備である。以下、本実施形態では、電子機器11と操作端末21とのペアリングを例示する。
【0020】
サーバ30は、電子機器11と操作端末21とのペアリングを仲介する装置であり、ペアリングに用いられるパスコードを提供する。なお、パスコードは、電子機器11と操作端末21との組み合わせごとに生成され、永続的に用いられるものでもよいし、一時的なものでもよい。
【0021】
図2は、電子機器11の操作パネル70を示す。
図1の電子機器11~13は、家電本来の機能(洗濯機なら洗濯機能)を操作するための操作パネル70が入力インターフェースとして備えられている。例えば、洗濯機である電子機器11の操作パネル70には、9個のボタン71から構成されるボタン集合が備えられ、その各ボタン71にはSW1~SW9というボタン番号が割り当てられる。
【0022】
なお、操作パネル70の各ボタン71には、
図2では「SW1、SW2、…」のようなボタン番号として示したが、実際には「洗い、すすぎ」などのボタン名称が割り当てられる。
【0023】
図3は、仮想テンキーデータを示すテーブル80である。
【0024】
一般に家電製品には、タッチパネルを備えるものを除いて、テンキーのような数字キーは備わっていない。また、0から9までの10個の数字よりもボタン数が少ないことが多い。一方で、サーバ30から提供されるパスコードは数字列であり、このままでは電子機器11の操作パネルから入力できない。
【0025】
そこで、本実施形態の遠隔操作システムでは、電子機器11の操作パネル70からパスコードの数字を入力させるための仮想テンキーデータのテーブル80を事前に用意しておく。このテーブル80は、電子機器11内のメモリに予め記憶しておいても良いし、サーバ30に格納しておいても良い。
【0026】
ここで、本実施形態では電子機器11の操作パネル70のボタン71は9個であるため、0から9までの10個のすべての数字を各々1個のボタンに割り当てるにはボタン数が不足する。したがって、仮想テンキーデータのテーブルは、割り当て数字と、ボタン番号の押し順の組と、ボタン名称の押し順の組とを対応づける。本実施形態では、0から9までの数字は、ボタン2個を続けて押す押し順の組か、または、ボタン3個を続けて押す押し順の組のいずれかに割り当てられる。各押し順の組の最後を示すボタンを「槽洗浄」ボタンに割り当てている。「槽洗浄」ボタンが押されることにより、数字1桁の入力が確定する。
【0027】
例えば、電子機器11から「水量」、続けて「槽洗浄」の順でボタンが押されたとき、そのボタン名称の押し順の組から仮想テンキーデータを参照することで、対応する割り当て数字「1」が入力された数字となる。同様に、「洗濯」、続けて「槽洗浄」の順のボタン名称の押し順の組には割り当て数字「5」を対応付ける。
【0028】
以下、サーバ30が発行した数字列のパスコードを「パスコード番号」と呼び、電子機器11の操作パネル70から入力されたボタン名称の押し順の組の順序列のパスコードを「パスコードボタン列」と呼ぶ。例えば、パスコードボタン列=「洗濯、槽洗浄、すすぎ、槽洗浄、洗い、槽洗浄」は、仮想テンキーデータによって、パスコード番号=「532」に変換することができる。
【0029】
以下が電子機器11と操作端末21とのペアリングの概要である。
【0030】
(1)サーバ30は、ペアリングを確立するために用いられるパスコードを生成する。パスコードは、パスコードボタン列でもよいし、パスコード番号でもよい。ここで、サーバ30は、生成するパスコードボタン列を、連続して押下するボタン間で移動するユーザの指の移動量が少なくなるようにすることで、ユーザの入力の負担を軽減できる。
【0031】
(2)操作端末21は、サーバ30から提供されるパスコードボタン列を表示する。なお、操作端末21は、サーバ30から提供されるパスコードがパスコード番号の場合には、仮想テンキーデータによってパスコードボタン列に変換してから表示する。
【0032】
(3)ユーザは、操作端末21の画面でパスコードボタン列を確認し、そのパスコードボタン列をペアリング相手となる電子機器11に入力する。
【0033】
(4)サーバ30は、操作端末21に提供したパスコードと、電子機器11に入力されたパスコードとが一致したときに、電子機器11と操作端末21とのペアリングを確立する。
【0034】
なお、(1)でパスコード番号を生成したときには、サーバ30または電子機器11は、(3)で電子機器11に入力されたパスコードボタン列から仮想テンキーデータを参照することで、パスコード番号に変換すればよい。
【0035】
図4は、ペアリング動作の前半部を示すフローチャートである。各装置(操作端末21、22および電子機器11~13)には、あらかじめ
図3の仮想テンキーデータが配布されている。また、サーバ30は、仮想テンキーデータを、ペアリングの都度変更してもよい。
【0036】
S101として、操作端末21は、無線LANルータ40と接続する。
【0037】
S110として、電子機器11は、ペアリング開始の操作を受け付けると、S111で無線LANルータ40と接続する。
【0038】
S120として、操作端末21は、
図6に示すペアリング開始画面100を表示する。ペアリング開始画面100には、電子機器11の操作パネルの状態を家電モードからパスコード入力モードに切り替えるための操作(例えば、電源ボタンの長押しなど、普段の電子機器11の操作ではほとんど入力されないもの)が示される。本実施例では、ペアリング開始画面に「ペアリングを開始します。洗濯機の電源ボタンを長押ししてください。」と表示し、利用者に操作を促す。この切り替え操作に従い電子機器11は、パスコード入力モードに切り替わる。パスコード入力モードでは、「すすぎ」などのボタンが押されても対応する「すすぎ」の家電機能はオフのままで起動されないように制御される。
【0039】
S130として、操作端末21は、サーバ30に対してペアリングのためのパスコードを要求する。
【0040】
S135として、サーバ30は、要求に従いパスコード番号(第1パスコード番号)としてパスコードを生成する。なお、生成するパスコードは、S130の要求のたびに異なるパスコード番号を生成してもよいし、同じパスコード番号を再利用してもよい。
【0041】
S140として、サーバ30は、生成したパスコード番号(第1パスコード番号)を操作端末21に応答する。
【0042】
S150として、操作端末21に、
図7に示すパスコード指示画面101を表示する。そのため、操作端末21は、サーバ30から受信したパスコード番号から、仮想テンキーデータを参照して、パスコードボタン列(第1パスコードボタン列)に変換する。
図7では、パスコード番号=「29310」から変換されたパスコードボタン列=「洗い、槽洗浄、脱水、洗濯、槽洗浄、すすぎ、槽洗浄、水量、槽洗浄、自動おそうじ、槽洗浄」がパスコード指示画面にて表示される。本実施例では、パスコード指示画面101には、「パスコードを入力します。洗濯機の操作パネルのボタンを次の順に押してください。」と利用者に操作を促す。
【0043】
S160として、操作端末21は、電子機器ID(電子機器11のID)をサーバ30に要求する。
【0044】
S170として、電子機器11は、S150のパスコード指示画面101を見たユーザから、パスコードボタン列=「洗い、槽洗浄、脱水、洗濯、槽洗浄、すすぎ、槽洗浄、水量、槽洗浄、自動おそうじ、槽洗浄」の入力操作を受け付ける。
【0045】
S180として、電子機器11は、S170で入力されたパスコードボタン列(第1パスコードボタン列)を仮想テンキーデータによって変換したパスコード番号(第2パスコード番号)=「29310」と、自身の電子機器ID(電子機器11のID)とをサーバ30に通知する。
【0046】
S185として、サーバ30は、S135で生成したパスコード番号(第1パスコード番号)=「29310」と、S180で受信したパスコード番号(第2パスコード番号)=「29310」とを照合して、両番号が一致するときに、パスコードが正しいと確認する。
【0047】
一方、他ユーザの操作端末22にはパスコード番号=「29310」から変換されたパスコードボタン列が表示されないので、電子機器11と操作端末22とが誤ってペアリングされることは無い。
【0048】
S190として、サーバ30は、S180の通知が正しく届いたことを電子機器11に応答する。この応答により、S170で入力されたパスコードボタン列がS185の照合処理に合格したことを電子機器11は把握できる。
【0049】
S200として、サーバ30は、S160の要求に対して、S180で受信した電子機器11の電子機器IDを操作端末21に応答する。
【0050】
S210として、操作端末21は、S200で応答された電子機器11の電子機器IDを各電子機器11~13に同報することで、ペアリング相手となる電子機器11の探索を要求する。
【0051】
S215として、S210の同報を受信した各電子機器11~13は、同報に含まれる電子機器IDと自身の電子機器IDとを照合し、一致するときに自身が今回のペアリング相手であると判断する。
【0052】
S220として、ペアリング相手の電子機器11は、S210の探索要求に応答し、同時に操作端末21に対して操作端末IDを発行する。一方、S215の照合処理で不一致となった他の電子機器12、13は、S210の探索要求に応答しない。これにより、例えば、同じ機種の洗濯機が何台も密集して配置されるコインランドリーのような場所でも、ペアリング相手を他の洗濯機と混同させずに済む。
【0053】
以上のように、本発明は、サーバ30は、操作端末21から入力されたペアリングを確立するためのパスコード要求に基づいて、第1パスコード番号を生成し、第1パスコード番号を第1パスコード列に変換すると共に、生成された第1パスコード番号を操作端末21へ送信し、電子機器11にてユーザーである利用者にて入力された第1パスコード列が変換された第2パスコード番号を受信し、第1パスコード番号と第2パスコード番号と、が一致した場合に、操作端末21と電子機器11とのペアリングを確立することができる。これにより、テンキーが搭載されていない家電製品であっても、パスコードを用いた堅牢なペアリングを実現することができる。
【0054】
図5は、
図4から続くペアリング動作の後半部を示すフローチャートである。
【0055】
S230として、電子機器11は、自身が発行した操作端末21のIDを、操作端末IDとしてサーバ30に登録する。
【0056】
S235として、サーバ30は、S180で通知された電子機器ID(電子機器11のID)と、S230で通知された操作端末ID(操作端末21のID)との組み合わせをペアリング情報として自身に登録する。
【0057】
S240として、サーバ30は、S235の登録処理が正常に完了したことを、電子機器11に応答する。
【0058】
S250として、操作端末21は、S235のペアリング情報の登録処理について、サーバ30に確認する。
【0059】
S260として、サーバ30は、S235で登録されたペアリング情報(電子機器ID、操作端末ID)を、操作端末21に応答する。
【0060】
S270として、操作端末21は、電子機器11に対してペアリング処理の終了を要求する。
【0061】
S280として、電子機器11は、操作端末21に対してペアリング処理の終了を応答する。これにより、電子機器11はパスコード入力モードから家電モードに復帰する。
【0062】
以上の処理により、ペアリング情報(電子機器ID、操作端末ID)が、該当する電子機器11および操作端末21に通知されることで、ペアリングが完了する。以降は、互いにペアリングされた電子機器11と操作端末21とは、必要なときに通信接続を確立し、操作端末21からの遠隔操作を電子機器11に反映させることができる。
【0063】
以下、ニックネームに関する処理を説明する。ニックネームとは、操作端末IDや電子機器IDに対してユーザが割り当てる装置の名称であり、接続先を選択するときの候補として表示される。
【0064】
これにより、ユーザは、例えば「父さんのスマホ」というニックネームで操作端末21を認識したり、「2階の洗濯機」というニックネームで電子機器11を認識したりすることができる。
【0065】
S290として、操作端末21は、ニックネーム登録画面(図示省略)を表示して、ペアリング情報に該当する電子機器11および操作端末21のうちの少なくとも1つのニックネームをユーザに入力させる。
【0066】
S300として、操作端末21は、S290で入力されたニックネームの登録を、サーバ30に要求する。
【0067】
S305として、サーバ30は、S300の要求に従い、ニックネームを、ペアリング情報(電子機器ID、操作端末ID)に対応づけて登録する。
【0068】
S310として、サーバ30は、S305の登録結果を操作端末21に応答する。
【0069】
以上説明した本実施形態では、操作端末21から、通信ネットワーク上のサーバ30を介して家電製品等の電子機器11を遠隔操作するためのペアリング方法を説明した。遠隔操作システムは、操作端末21がサーバ30から取得したパスコードから電子機器11の操作ボタンの押下の順序(パスコードボタン列)をユーザに把握させ、その順序に従って電子機器11のボタンを押下させる。そして、パスコードボタン列からパスコード番号への変換には、仮想テンキーデータが用いられる。
【0070】
これにより、テンキーが備えられていないボタン数が少ない電子機器11であっても、ハードウェアの増設をすることなく、既存の操作パネルを介してパスコードを入力させることができる。よって、パスコードを用いた堅牢なペアリングが実現できる。
【0071】
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0072】
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
【0073】
また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。
【0074】
また、前記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
【0075】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、または、IC(Integrated Circuit)カード、SDカード、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に置くことができる。
【0076】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0077】
11 電子機器
12 電子機器
13 電子機器
21 操作端末
22 操作端末
30 サーバ
40 無線LANルータ
50 インターネット
51 基地局
60 ユーザ宅
70 操作パネル