(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122003
(43)【公開日】2022-08-22
(54)【発明の名称】定規
(51)【国際特許分類】
G01B 3/04 20060101AFI20220815BHJP
B25H 7/02 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
G01B3/04
B25H7/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021019038
(22)【出願日】2021-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】599121573
【氏名又は名称】森本 義政
(74)【代理人】
【識別番号】100100170
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 厚司
(72)【発明者】
【氏名】森本 義政
【テーマコード(参考)】
2F061
【Fターム(参考)】
2F061AA16
2F061DD22
2F061JJ02
2F061LL17
2F061LL21
2F061LL31
(57)【要約】 (修正有)
【課題】寸法取りを簡単に行うことができる定規を提供する。
【解決手段】定規本体3の長手方向に設けられた目盛24と、長手方向に直角な短手方向に設けられた突き当て部4とを有する。目盛24は、突き当て部4の突き当て面4aから最小目盛毎に穿孔された貫通孔により設けられている。突き当て部4の突き当て面4aから主目盛毎に昇順で数字の表記が設けられている。貫通孔は、長手方向に対して傾斜する方向に整列している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定規本体の長手方向に設けられた目盛と、前記長手方向に直角な短手方向に設けられた突き当て部とを有し、
前記目盛は、前記突き当て部の突き当て面から最小目盛毎に穿孔された貫通孔により設けられ、
前記突き当て部の突き当て面から主目盛毎に昇順で数字の表記が設けられ、
前記貫通孔は、前記長手方向に対して傾斜する方向に整列していることを特徴とする定規。
【請求項2】
前記突き当て部は、前記定規本体の裏面に設けられ、
前記数字の表記は、前記定規本体の表面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の定規。
【請求項3】
前記定規本体の長手方向に支持体が設けられ、
前記支持体は、前記定規本体より厚い肉厚を有し、前記定規本体の裏面と面一の裏面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の定規。
【請求項4】
前記貫通孔は、前記長手方向に延びる互いに平行な第1基準線と第2基準線との間に設けられ、
前記第1基準線上に、前記主目盛の前記貫通孔と、前記主目盛の1/2の副目盛の前記貫通孔が設けられ、
前記第1基準線から前記第2基準線に向かう第1傾斜線上に、前記最小目盛の前記貫通孔が設けられ、
前記第2基準線から前記第1基準線に向かう第2傾斜線上に、前記最小目盛の前記貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の定規。
【請求項5】
前記貫通孔は、前記長手方向に延びる互いに平行な第1基準線と第2基準線との間に設けられ、
前記第1基準線上に、前記主目盛の前記貫通孔が設けられ、
前記第2基準線上に、前記主目盛の1/2の副目盛の前記貫通孔が設けられ、
前記第1基準線から前記第2基準線に向かう第1傾斜線上に、前記最小目盛の前記貫通孔が設けられ、
前記第2基準線から前記第1基準線に向かう第2傾斜線上に、前記最小目盛の前記貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の定規。
【請求項6】
前記貫通孔は、前記長手方向に延びる互いに平行な第1基準線と第2基準線との間に設けられ、
前記第1基準線上に、前記主目盛の前記貫通孔と、前記主目盛の1/2の副目盛の前記貫通孔が設けられ、
前記第2基準線から前記第1基準線に向かう傾斜線上に、前記最小目盛の貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の定規。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石膏ボード、ベニヤ板、サイディングボード等の建材から所要の寸法を取るのに使用する定規に関する。
【背景技術】
【0002】
石膏ボード等の建材は、1800mm、1820mmのように規格長さを有するが、施工する家屋の壁の場所によっては規定長さの建材を使用できないため、施工場所に合わせて必要な寸法に切断する必要がある。従来、
図16に示すように、建材100からa×bの寸法取りを行う場合、曲尺やコンベックス101等を使用して建材100の端面100aから所要寸法aの位置の2か所に印m1、m2を付け、当該2か所の印m1、m2を通る線L1を引いた後、同様に前記端面100aと直角な側面100bから所要寸法bの位置の2か所に印m3、m4を付け、当該2か所の印m3、m4を通る線L2を引くようにしている。
【0003】
このように、従来の寸法取りには、合計4箇所の印付けと2回の線引きが必要であり、作業が煩わしいうえ、鉛筆等により手作業で印を付けるため、精度が確保できず、正確性に欠けるという問題があった。
【0004】
特許文献1では、10mmの定ピッチで複数の透孔が形成されたケガキ用定規が記載されている。しかし、特許文献1のケガキ用定規の透孔は、被製作物にポンチで穴開け加工用の凹傷を形成するものであり、寸法取りには使用できない。
【0005】
特許文献2には、円盤と、該円盤の半径とした回動定規片とを一体に形成し、回動定規片の面に円盤の中心を起点とする斜めの線上に等間隔の小孔を穿設したコンパス定規が記載されている。特許文献2の定規は、小孔に筆記用具の先端を挿入して、円盤の中心を中心とする円を描画するものであり、寸法取りには使用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平5-7494号公報
【特許文献2】実開平2-34295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような従来の問題点に鑑みてなされたもので、寸法取りを簡単に行うことができる定規を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
(1)定規本体の長手方向に設けられた目盛と、前記長手方向に直角な短手方向に設けられた突き当て部とを有し、
前記目盛は、前記突き当て部の突き当て面から最小目盛毎に穿孔された貫通孔により設けられ、
前記突き当て部の突き当て面から主目盛毎に昇順で数字の表記が設けられ、
前記貫通孔は、前記長手方向に対して傾斜する方向に整列していることを特徴とする。
【0009】
この解決手段では、寸法取りの被測定物の端面に突き当て部を当て、所要の第1寸法に対応する貫通孔に鉛筆等の罫書具を挿入し、この状態で突き上げ部を被測定物の端面に沿って移動させることで、第1の罫書線を引く。次に、被測定物の端面と90度をなす側面に突き当て部を当て、所要の第2寸法に対応する貫通孔に鉛筆等の罫書具を挿入し、この状態で突き上げ部を被測定物の側面に沿って移動させることで、第1の罫書線と交差する第2の罫書線を引く。これにより、第1の罫書線と第2の罫書線により所要の寸法の寸法取りを行うことができる。貫通孔は、長手方向に対して傾斜する方向に整列しているので、長手方向に整列するよりも、貫通孔間の間隔が広くなり、定規の強度の低下を防止することができる。
【0010】
(2)前記突き当て部は、前記定規本体の裏面に設けられ、
前記数字の表記は、前記定規本体の表面に設けられている。
【0011】
(3)前記定規本体の長手方向に支持体が設けられ、
前記支持体は、前記定規本体より厚い肉厚を有し、前記定規本体の裏面と面一の裏面を有する。
【0012】
(4)前記貫通孔は、前記長手方向に延びる互いに平行な第1基準線と第2基準線との間に設けられ、
前記第1基準線上に、前記主目盛の前記貫通孔と、前記主目盛の1/2の副目盛の前記貫通孔が設けられ、
前記第1基準線から前記第2基準線に向かう第1傾斜線上に、前記最小目盛の前記貫通孔が設けられ、
前記第2基準線から前記第1基準線に向かう第2傾斜線上に、前記最小目盛の前記貫通孔が設けられている。
【0013】
(5)前記貫通孔は、前記長手方向に延びる互いに平行な第1基準線と第2基準線との間に設けられ、
前記第1基準線上に、前記主目盛の前記貫通孔が設けられ、
前記第2基準線上に、前記主目盛の1/2の副目盛の前記貫通孔が設けられ、
前記第1基準線から前記第2基準線に向かう第1傾斜線上に、前記最小目盛の前記貫通孔が設けられ、
前記第2基準線から前記第1基準線に向かう第2傾斜線上に、前記最小目盛の前記貫通孔が設けられている。
【0014】
(6)前記貫通孔は、前記長手方向に延びる互いに平行な第1基準線と第2基準線との間に設けられ、
前記第1基準線上に、前記主目盛の前記貫通孔と、前記主目盛の1/2の副目盛の前記貫通孔が設けられ、
前記第2基準線から前記第1基準線に向かう傾斜線上に、前記最小目盛の貫通孔が設けられている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、貫通孔に罫書具を挿入してスライドさせるだけの作業で、印をつける作業が不要で、簡単に所要寸法の寸法取りを行うことができる。また、貫通孔は、長手方向に対して傾斜する方向に整列しているので、貫通孔間の間隔が広くなり、定規の強度の低下を防止することができるという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図3】
図1の定規の正面図(a)及び背面図(b)。
【
図4】
図1の定規の左側面図(a)及び右側面図(b)。
【
図7】貫通孔に罫書具を挿入したときの貫通孔の断面図。
【
図10】本発明の実施形態の定規の第1、第2目盛を用いて寸法取りを行う状況を示す平面図。
【
図11】本発明の実施形態の定規を用いて切断を行う状況を示す平面図。
【
図12】本発明の実施形態の定規の第4目盛を用いて寸法取りを行う状況を示す平面図。
【
図15】貫通孔の配列のさらに他の変形例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を添付図面に従って説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態に係る定規1を示す。この定規1は、全体的に直角三角形の平面形状を有している。本明細書では、定規1の長い方を「長手方向」、短い方を「短手方向」といい、長手方向と短手方向の間の90度の範囲を「内側」、長手方向と短手方向の間の270度の範囲を「外側」という。また、略直角三角形の長手方向の鋭角側の端部を「先端」、直角側の端部を「基端」という。
【0019】
定規1は、支持体2と、定規本体3と、突き当て部4とからなっている。
【0020】
支持体2は、厚さ10mm、幅60、長さ1150mmのステンレス鋼等の金属製の板材であるが、寸法はこれに限るものではない。支持体2の表面の外側部分には第1目盛21が設けられ、
図2に示すように、裏面の外側部分には第2目盛22が設けられている。
図5に示すように、支持体2の表面の内側部分にはテーパ面5が形成されている。支持体2の裏面の内側部分には、後述する定規本体3を取り付けるための、段部6が形成されている。段部6には、複数のねじ穴7が長手方向に所定間隔で設けられている。支持体2の外側の側面の上下の縁には突起8が形成され、この上下の突起8の間に、
図3(a)に示すように、第3目盛23が設けられている。
【0021】
定規本体3は、厚さ2mmのステンレス鋼等の金属製の板材で、
図1に示すように、長手部9と、短手部10と、略三角形の補強部11とを有している。長手部9は、
図1において左右方向に延び、支持体2と同じ長さを有している。短手部10は、長手部9の基端から、
図1において上下方向に延び、長手部9より短い長さを有している。補強部11は、長手部9と短手部10の間に、長手部9と短手部10に一体に設けられている。定規本体3は、
図5に示すように、長手部9を支持体2の段部6に配置して支持体2のねじ穴7を通してねじ12を長手部9にねじ込むことにより取り付けられている。定規本体3の裏面は、支持体2の裏面と面一になっている。
【0022】
定規本体3の長手部9の表面には、長手方向に、第4目盛24が設けられている。定規本体3の短手部10には、短手方向に所定間隔で矩形と半円径の突き当て確認窓13a、13bが打ち抜きで形成されている。定規本体3の補強部11は、直角三角形の形状を有し、第1開口部14と、第2開口部15と、第3開口部16とが設けられている。第1開口部14、第2開口部15、及び第3開口部16の縁は、長手部9の長手方向に対して、30°、45°、60°、90°の角度を有し、この縁を利用して平行線を書くことができる。補強部11の表面には、斜面に沿って取手17が設けられている。
【0023】
突き当て部4は、8mm×14mmの矩形断面を有するが、寸法はこれに限るものではない。突き当て部4は、ステンレス鋼等の金属製の棒状材で、定規本体3の短手部10の裏面に短手方向に延びるように取り付けられている。突き当て部4の内側の面は、定規本体2の第1目盛21と第2目盛22の方向に直交する突き当て面4aとなっている。突き当て面4aは、短手部10の突き当て確認窓13a、13bのそれぞれの縁より内側に位置している。
【0024】
図8は、定規に設けられる第1目盛21、第2目盛22、第3目盛23、及び第4目盛24を示す。
【0025】
第1目盛21は、支持体2の表面に、先端のゼロを開始目盛とし基端の1150mmまで昇順で設けられたミリ目盛21aと、先端のゼロを開始目盛とし基端の37.95寸まで昇順で設けられた寸目盛22bとが併設されたものである。
【0026】
第2目盛22は、支持体2の裏面に、先端の第1目盛21のゼロの目盛に対応する位置から建材(石膏ボード)の規格長さである182cmを開始目盛とし基端の67cmまで逆順で設けられたミリ目盛22aと、先端の第1目盛21のゼロの目盛に対応する位置から建材の規格長さである60寸を開始目盛とし基端の22.1寸まで逆順で設けられた寸目盛22bとが併設されたものである。
【0027】
第1目盛21と第2目盛22は、規格長さが1820mmの石膏ボード用であるが、規格長さが1800mmの石膏ボード用にしてもよい。この場合、第2目盛は、180cmを開始目盛とする。また、規格長さが1800mmの石膏ボード用の目盛と、1820mmの石膏ボード用の目盛とを併設してもよい。
【0028】
第3目盛23は、支持体2の表面から見て、突き当て面4aの延長線上をゼロの開始目盛とし、100cmまで昇順で設けられている。
【0029】
第4目盛24は、ミリ目盛24aと、寸目盛24bとが併設されたものであり、いずれも突き当て部4の突き当て面4aの延長線上から最小目盛毎に穿孔された複数の貫通孔25、26により設けられている。複数の貫通孔25、26は、長手方向に対して傾斜する方向に整列している。
【0030】
具体的には、
図9に示すように、複数の貫通孔25、26は、長手方向に延びる互いに平行な第1基準線C1と第2基準線C2との間に設けられている。本実施例では、ミリ目盛24aでは、第1基準線C1と第2基準線C2は16mm離れている。また、寸目盛25bでは、第1基準線C1と第2基準線C2は11mm離れている。貫通孔25、26は、
図6に示すように、0.6mmの内径を有し、定規本体3の表面に向かって拡径している。
【0031】
ミリ目盛24aでは、第1基準線C1上に、1cm毎の主目盛の貫通孔25aと、主目盛の1/2の5mm毎の副目盛の貫通孔25bとが設けられている。また、第2基準線C2から第1基準線C1の副目盛の貫通孔25bに向かう第1傾斜線S1上に1mm毎の最小目盛の貫通孔25cが設けられ、さらに第1基準線C1の副目盛の貫通孔25bから第2基準線C2に向かう第2傾斜線S2上に1ミリ毎の最小目盛の貫通孔25cが設けられている。
【0032】
寸目盛24bでは、第1基準線C1上に、1寸毎の主目盛の貫通孔26aが設けられ、第2基準線C2上に、主目盛の1/2の5分毎の副目盛の貫通孔26bが設けられている。また、第2基準線C2から第1基準線C1に向かう第1傾斜線S1と、第1基準線C1から第2基準線C2の副目盛の貫通孔26bに向かう第2傾斜線S2とからなる第1V字線上に、1分毎の最小目盛の貫通孔26cが設けられている。さらに、第2基準線C2の副目盛の貫通孔26bから第1基準線C1に向かう第3傾斜線S3と、第1基準線C1から第2基準線C2に向かう第4傾斜線S4とからなる第2V字線上に、1分毎の最小目盛の貫通孔26cが設けられている。
【0033】
なお、ゼロと1分の貫通孔26cの間、1分毎の貫通孔26cの間、及び主目盛の貫通孔26aとその前後の1分の貫通孔26cとの間に、最小目盛の1/2の厘の目盛の貫通孔26dが設けられてもよい。貫通孔26a、26b、26cの径は、ミリ目盛24aの貫通孔25a、25b、25cより大きい。厘の目盛の貫通孔26dは、寸、5分、1分の目盛の貫通孔26a、26b、26cの径よりも小さく、ミリ目盛24aの貫通孔25a、25b、25cと同じである。
【0034】
第4目盛24には、主目盛毎に昇順で、1、2、3、・・・の数字の表記27が設けられている。
【0035】
次に、前記第1実施形態の定規1の使用方法について説明する。
【0036】
第1目盛21と第2目盛22の使用方法は、本願出願人の特許第6222674号明細書に記載されているので詳細な説明は省略するが、規格長さが1820mmの石膏ボード(以下、「被測定物」という)30を測長するのに使用する。すなわち、被測定物30から切断する必要長さL
1が1820mmの1/2以下である場合、
図10(a)に示すように、定規1を立てた状態で被測定物30の測定面に置き、先端を被測定物30の一端に合わせ、ゼロを開始目盛とする昇順の第1目盛21により、必要長さL
1を測長し、印mを付けることができる。また、被測定物30から切断する必要長さL
2が1820mmの1/2以上である場合、
図10(b)に示すように、定規1を180度左右反転し、立てた状態で被測定物30の測定面に置き、先端を被測定物30の他端に合わせて、1820を開始目盛とする逆順の第2目盛22により、必要長さL
2を測長し、印mをつけることができる。
【0037】
測長した位置に印mを付けた後、
図11(a)に示すように、定規1を寝かして、突き当て部4の突き当て面4aが被測定物30の側縁に当接するようにし、支持体2の側端が印mと一致するようにスライドさせる。この状態で、支持体2の側端に沿って罫書線Lを罫書く。そして、
図11(b)に示すように、定規1を罫書線Lの横にずらし、定規1の支持体2をガイドとして使用し、電動丸のこぎり29で罫書線Lに沿って切断する。
【0038】
第3目盛23は、被測定物30の端面に突き当て部4の突き当て面4aを突き当てて、被測定物を測長したり、被測定物に必要寸法の寸法取りをすることができる。
【0039】
第4目盛24は、被測定物30から必要寸法の寸法取りをするのに使用する。すなわち、被測定物からa×bの寸法の板材を寸法取りする場合、
図12(a)に示すように、被測定物30の端面30aに突き当て部4の突き当て面4aを突き当てて、突き当て確認窓13a、13bにより、突き当て面4aが被測定物30の端面30aに正しく当たっていることを確認する。
【0040】
続いて、第4目盛24の寸法aの位置の貫通孔25に鉛筆等の罫書具28を挿入し、突き当て面4aと被測定物30の端面30aが摺動するように、定規1を被測定物30上でスライドさせる。これにより、被測定物30の表面に端面30aから寸法aの位置に第1の罫書線L1が描かれる。
【0041】
次に、
図12(b)に示すように、定規1を置き換えて、被測定物30の側面30bに突き当て部4の突き当て面4aを突き当てて、第4目盛24の寸法bの位置の貫通孔25に罫書具28を挿入し、突き当て面4aと被測定物30の側面30bが摺動するように、定規を被測定物30上でスライドさせる。これにより、被測定物30の表面に側面から寸法bの位置に第2の罫書線L2が描かれる。
【0042】
罫書具28を貫通孔25に挿入したとき、罫書具28の先端が貫通孔25の中心からずれていたとしても、
図7に示すように、定規1をスライドさせたときに、貫通孔25の中心に寄るので、貫通孔25の中心に正確に罫書くことができる。
【0043】
このように、本実施形態の定規1は、定規1の貫通孔25に罫書具28を挿入して定規1をスライドさせるだけでよく、印をつける作業が不要となるので、簡単に所要寸法の寸法取りを行うことができる。
【0044】
本実施形態の定規1では、複数の貫通孔25が長手方向に対して傾斜する方向に整列しているので、貫通孔25間の間隔が広くなり、定規1の強度の低下を防止することができる。
【0045】
本発明は、以上に実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の技術思想に属する範囲内で種々変更することができる。
【0046】
例えば、定規本体2の先端面に、被測定物30の端面に係止するフックを設けてもよい。
【0047】
また、第4目盛24の貫通孔25の配列は、前記実施形態に限るものではない。
【0048】
例えば、第4目盛24は、
図13に示すように、第1実施形態の第4目盛24の第1基準線C1と第2基準線C2の間の中心線に対して対称に設けてもよい。
【0049】
また、ミリ目盛に関しては、以下に示すように設けてもよい。
図14(a)では、第1基準線C1上に、1cm毎の主目盛の貫通孔25aが設けられ、第2基準線C2上に、主目盛の1/2の5mm毎の副目盛の貫通孔25bが設けられている。また、第2基準線C2から第1基準線C1に向かう第1傾斜線S1上に1mm毎の最小目盛の貫通孔25cが設けられ、第1基準線C1から第2基準線C2に向かう第2傾斜線S2上に、1mm毎の最小目盛の貫通孔25cが設けられている。
図14(b)は、
図14(a)の目盛を第1基準線C1と第2基準線C2の間の中心線に対して対称にしたものである。
【0050】
図15(a)では、第1基準線C1上に、1cm毎の主目盛の貫通孔25aと、主目盛の1/2の5mm毎の副目盛の貫通孔25bとが設けられている。また、第2基準線C2から第1基準線C1の副目盛の貫通孔25bに向かう第1傾斜線S1上に1mm毎の最小目盛の貫通孔25cが設けられ、第2基準線C2から第1基準線C1の主目盛の貫通孔25aに向かう第2傾斜線S2上に1mm毎の最小目盛の貫通孔25cが設けられている。
図15(b)は、
図15(a)の目盛を第1基準線C1と第2基準線C2の間の中心線に対して対称にしたものである。
【符号の説明】
【0051】
1 定規
2 支持体
3 定規本体
4 突き当て部
4a 突き当て面
5 テーパ面
6 段部
7 ねじ孔
8 突起
9 長手部
10 短手部
11 補強部
12 ねじ
13a、13b 突き当て確認窓
14 第1開口部
15 第2開口部
16 取手
21 第1目盛
21a ミリ目盛
21b 寸目盛
22 第2目盛
22a ミリ目盛
23b 寸目盛
23 第3目盛
24 第4目盛
24a ミリ目盛
24b 寸目盛
25 貫通孔
26 貫通孔
27 表記
28 罫書部
29 電動丸のこぎり
30 被測定物
C1 第1基準線
C2 第2基準線
S1 第1傾斜線
S2 第2傾斜線
S3 第3傾斜線
S4 第4傾斜線