(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022012213
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】ジャッキ付き支持装置の保持装置
(51)【国際特許分類】
E04G 5/02 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
E04G5/02 C
E04G5/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020113871
(22)【出願日】2020-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】592192907
【氏名又は名称】日建リース工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000101662
【氏名又は名称】アルインコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077791
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 収二
(72)【発明者】
【氏名】和田 壮平
(72)【発明者】
【氏名】伴 和夫
(72)【発明者】
【氏名】板倉 涼
(57)【要約】
【課題】構築物を構築するパイプ製支柱の下端部を支持するジャッキ付き支持装置を支柱に保持させるための保持装置を提供する。
【解決手段】地面に接地する接地体(1)と、該接地体から立設されることにより金属パイプ製支柱の下端部に挿入されるネジロッド(6)と、該ネジロッドに螺合された状態で前記支柱の下端面を支持するナット(7)により構成され、ナットの径方向に突設されたハンドル(8)を介して該ナットを回転することによりネジロッドに沿って上下移動させるジャッキ付き支持装置において、ジャッキ付き支持装置を支柱に保持させる保持装置であり、前記支柱(9)の下端近傍部に着脱自在に装着固定される基体(21)と、該基体から延長された延長体(22)により構成され、前記延長体(22)は、前記ハンドル(8)を吊持する吊持手段(23)を備えている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構築物を構築するパイプ製支柱の下端部を支持するジャッキ付き支持装置であり、地面に接地する接地体(1)と、該接地体から立設され前記支柱の下端部に挿入されるネジロッド(6)と、該ネジロッドに螺合された状態で前記支柱の下端面を支持するナット(7)により構成され、該ナットの径方向に突設されたハンドル(8)を介して該ナットを回転することによりネジロッドに沿って上下移動させる構成において、ジャッキ付き支持装置を支柱に保持させる保持装置であり、
前記支柱(9)の下端近傍部に着脱自在に装着固定される基体(21)と、該基体から延長された延長体(22)により構成され、前記延長体(22)は、前記ハンドル(8)を吊持する吊持手段(23)を備えて成ることを特徴とするジャッキ付き支持装置の保持装置。
【請求項2】
前記延長体(22)は、前記ハンドル(8)に係合することによりナットを回転不能に拘束する回転防止手段(24)を備えて成ることを特徴とする請求項1に記載のジャッキ付き支持装置の保持装置。
【請求項3】
接地体を座板により形成したジャキベースと、接地体をキャスタにより形成したジャッキ付きキャスタから選択的に構成されて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のジャッキ付き支持装置の保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構築物を構築するパイプ製支柱の下端部を支持するジャッキ付き支持装置において、ジャッキ付き支持装置を支柱に保持させるための保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、仮設足場において、パイプ製とされた支柱の下端部に挿入されるネジロッドと、該ネジロッドに螺合された状態で前記支柱の下端面を支持するナットにより構成されたジャッキ付き支持装置が使用されている。前記ナットは、径方向に突設されたハンドルを操作することにより回転させられ、ネジロッドに沿って上下に移動することにより、支持する支柱の下端面の位置を上下方向に調節可能としている。
【0003】
このようなジャッキ付き支持装置は、地面に接地される接地体を座板により構成し、該座板の上にネジロッドを立設した「ジャッキベース」(例えば特許文献1)として提供されるものや、接地体をキャスタにより構成し、該キャスタの上にネジロッドを立設した「ジャッキ付きキャスタ」(例えば特許文献2)として提供されるものが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-95974号公報
【特許文献2】実用新案登録第3096459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
仮設足場等は、間隔をあけて複数本のパイプ製の支柱を立設し、支柱を相互に連結材により連結することにより構築体を構築している。この際、地面には不陸があるので、各支柱の下端面をジャッキ付き支持装置により支持し、上下方向に調節することにより、支柱を相互に同一高さとなるように整合される。
【0006】
一般的に、構築体の移動が不要な場合は、前述のジャッキベースが使用され、構築体の移動が必要な場合は、前述のジャッキ付きキャスタが使用される。
【0007】
ところで、パイプ製の支柱は、ジャッキ付き支持装置のネジロッドに外挿され、下端面をナットに接支状態で支持されている。この際、構築体は、多数の支柱のうち、仮に1本の支柱の下端面がナットに確実に接支されていなくても、その他の支柱の下端面がナットに接支されているので、見かけ上は、構築体の全体が支持されている。
【0008】
このことは、前述の1本の支柱について、ナットが弛む、つまり支柱の下端面から下方に離れるように回転したときでも、その支柱は、宙吊り状態で保持されていることを意味している。しかしながら、この場合、構築体の荷重が全ての支柱により均等に支持されていないので、構築体に歪変形を生じるおそれがある。そして、振動その他により、このようなナットの弛みが生じていても、作業者の目視により発見することは困難である。
【0009】
更に、ジャッキ付きキャスタの場合、構築体は、キャスタを走行させることにより所望の作業位置に移動させられる。ところが、移動中、地面に不陸がある場合、凹陥部に臨まされたキャスタは、その自重により、凹陥部に向けて移動し落ち込むことになる。つまり、支柱の下端内部に摺動自在に挿入されたネジロッドが下方移動し、凹陥部によりキャスタに大きな抵抗が与えられ、走行が困難となる。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑み、ジャッキ付き支持装置により支柱の下端面を支持した状態において、該ジャッキ付き支持装置を支柱に保持させることができる保持装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、本発明が手段として構成したところは、構築物を構築するパイプ製支柱の下端部を支持するジャッキ付き支持装置であり、地面に接地する接地体と、該接地体から立設され前記支柱の下端部に挿入されるネジロッドと、該ネジロッドに螺合された状態で前記支柱の下端面を支持するナットにより構成され、該ナットの径方向に突設されたハンドルを介して該ナットを回転することによりネジロッドに沿って上下移動させる構成において、ジャッキ付き支持装置を支柱に保持させる保持装置であり、前記支柱の下端近傍部に着脱自在に装着固定される基体と、該基体から延長された延長体により構成され、前記延長体は、前記ハンドルを吊持する吊持手段を備えて成る点にある。
【0012】
本発明の好ましい実施形態において、前記延長体は、前記ハンドルに係合することによりナットを回転不能に拘束する回転防止手段を備えている。
【0013】
ジャッキ付き支持装置は、接地体を座板により形成したジャキベースと、接地体をキャスタにより形成したジャッキ付きキャスタから選択的に構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ジャッキ付き支持装置のネジロッドを支柱の下端部に挿入し、支柱の下端面をナットに接支させた支持状態において、保持具により、支柱の側からジャッキ付き支持装置におけるナットのハンドルを保持することにより、ナットが支柱の下端面から離れることを防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の保持装置が使用されるジャッキ付き支持装置の1例を示しており、(A)はジャッキ付き支持装置と支柱を分離状態で示す斜視図、(B)はジャッキ付き支持装置により支柱を支持した状態を示す斜視図である。
【
図2】構築体を構築した支柱をジャッキ付き支持装置により支持した状態において、支持機能を失った状態のジャッキ付き支持装置を例示する正面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る保持装置を示しており、(A)は基体と延長体を分解した状態の斜視図、(B)は基体を構成するクランプ金具を開いた状態の斜視図、(C)はクランプ金具を閉じた状態の斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係る保持装置をジャッキ付き支持装置により支持された支柱に装着するときの状態を示す斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係る保持装置を支柱に装着し、ジャッキ付き支持装置を保持した態を示す斜視図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る保持装置を示しており、(A)は保持装置を背面側から見た斜視図、(B)は正面側から見た斜視図である。
【
図7】第2実施形態に係る保持装置を支柱に装着し、ジャッキ付き支持装置を保持した態を示す斜視図である。
【
図8】
図7の状態における保持装置と支柱を断面にて示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0017】
(ジャッキ付き支持装置)
図1及び
図2は、本発明の保持装置が使用されるジャッキ付き支持装置の1例を示しており、地面に接地される接地体1の上に支持ジャッキ装置2が設けられている。
【0018】
図例の場合、ジャッキ付き支持装置は、キャスタ1aにより接地体1を構成した上述のジャッキ付きキャスタを示しており、キャスタ1aは、車輪3を軸支するフォーク4を縦軸廻りに首振り回動自在とするベアリングを内装した上部の固定盤5に支持しており、該固定盤5の上に支持ジャッキ装置2が設けられている。
【0019】
しかしながら、図示省略しているが、ジャッキ付き支持装置は、矩形金属板等から成る座板により接地体1を構成する上述のジャッキベースを採用しても良く、その場合、座板の上に支持ジャッキ装置2が設けられる。
【0020】
支持ジャッキ装置2は、
図1(A)に示すように、前記固定盤5から立設されたネジロッド6と、該ネジロッド6に螺合されたナット7により構成され、ナット7の上面に支持面7aを形成しており、ナット7の直径方向に延びるロッドにより、ナットを回転操作するための一対のハンドル8を構成している。
【0021】
図示のように、仮設足場等の構築体における支柱9は、金属パイプ製とされており、長手方向に間隔をあけてフランジ部材等の緊結部材10を固設している。そこで、前記ネジロッド6は、パイプ製の支柱9の下端部に挿入される外径を有するものとされ、前記ナット7の支持面7aは、ネジロッド6に外挿された支柱9の下端面を受止め接支することにより支持するように形成されている。
【0022】
図1(B)に示すように、仮設足場等を構築するとき、所定間隔をあけて列設される支柱9の下端部に支持ジャッキ装置2が装着される。支柱9の下端部にネジロッド6を挿入した状態で、ハンドル8を操作してナット7を回転させ、ネジロッド6に沿って上下移動させることにより支持面7aの高さが調節され、これにより、隣り合う支柱9の高さ位置が整合される。そこで、隣り合う支柱9は、相互に連結材11により連結され、所定の構築体を構築する。連結材11は、端部に設けた連結金具12を支柱9の緊結部材10に対して楔その他の緊結手段13により緊結することにより連結される。
【0023】
キャスタ1aを備えたジャッキ付きキャスタは、構築体を構成する支柱9をそれぞれ支持した状態で、地面を走行することにより、所望の作業位置に移動することができる。
【0024】
図2は、3本の支柱9A、9B、9Cについて、下端部をそれぞれキャスタ1aに設けられた支持ジャッキ装置2A、2B、2Cにより支持した構築体を例示している。
【0025】
図2における中間の支持ジャッキ装置2Bのように、移動中に、キャスタ1aが不陸のある地面の凹陥部に臨まされると、キャスタ1a及び支持ジャッキ装置2Bの全体が自重により凹陥部の底部に向けて下方移動させられる。つまり、ネジロッド6が支柱9Bの下端内部を下向きに摺動することにより、キャスタ1aと支持ジャッキ装置2Bの全体を下方移動させる。その結果、凹陥部に落ち込んだキャスタ1aに大きな抵抗が与えられ、構築体の走行が困難となる。
【0026】
図2における右側の支持ジャッキ装置2Cは、キャスタ1aは下方移動せず正常な状態で接地し、ネジロッド6も支柱9Cの下端部に正常に挿入されているが、ナット7が弛んでいる。支柱9Cは、連結材11により他の支柱に連結された状態で構築体の一部として支持されているので、ナット7は、振動その他の外力を受けたとき、支柱の下端面から離れる方向に向けて容易に回転する。その結果、支持ジャッキ装置2Cのナットの支持面と支柱9Cの下端面の間に隙間S2が形成される。即ち、支柱9Cは、下端面の支持が失われている。このため、この状態で構築体を高所作業に供すると、構築体に歪変形を生じるおそれがある。
【0027】
(保持具)
本発明の保持具20は、支持ジャッキ装置2を支柱9の下端近傍部に保持させ、これにより、上述のような隙間が形成されることを防止し、常に、ナット7の支持面7aが支柱9の下端面に接支された状態を維持するように構成している。
【0028】
図3ないし
図5は、保持具20の第1実施形態を示し、
図6ないし
図8は、保持具20の第2実施形態を示している。何れの実施形態においても、保持具20は、支柱9の下端近傍部に着脱自在に装着されて固定される基体21と、該基体21から延長された延長体22により構成されており、延長体22は、ナット7のハンドル8を下方移動しないように吊持する吊持手段23を備えており、更に好ましくは、ハンドル8に係合することによりナット7を回転不能に拘束する回転防止手段24を備えている。
【0029】
(第1実施形態)
図3ないし
図5に示す第1実施形態において、基体21と延長体22は、別体の構成物を相互に結合することにより保持具20を提供している。
【0030】
基体21は、仮設足場において金属製パイプに締結状態で取付けられるクランプ金具25により構成されている。クランプ金具25は、第1顎部26の一端部に第2顎部27の基端部を枢軸28により枢結し、第1顎部26の他端部に回動軸29を介して回動自在なボルト30を設けている。第1顎部26に対して、第2顎部27は、枢軸28を介して開閉方向に回動自在であり、開くことにより支柱9の受入空間P1を形成し、閉じることにより支柱9を挟着する締結空間P2を形成する。この際、第2顎部27は、自由端部に二股部31を設けており、閉じた状態で、二股部31に前記ボルト30の先端部を挿入させナット32を締結することにより、第1顎部26と第2顎部27の間に支柱9を挟着状態で締結する。
【0031】
延長体22は、金属線材の折曲成形体33により構成されている。折曲成形体33は、支柱9の軸線の直交方向に延びる支持部34と、該支持部34の両端から下向きに折曲された下向き延長部35、35と、該延長部35の下端から折曲されて支柱9の両側に向けて延びる吊持部36と、該吊持部36の先端から上向きに折曲された起立端部37を形成している。
【0032】
そこで、基体21と延長体22は、延長体22の支持部34を第1顎部26の背部に溶接等で固着し結合することにより合体され、これにより、保持具20が構成されている。
【0033】
第1実施形態の場合、
図4に示すように、支持ジャッキ装置2のネジロッド6に支柱9の下端部を外挿させ、高さ位置が調節されたナット7の支持面7aに支柱9の下端面を接支させた状態において、保持具20は、クランプ金具25を支柱9の下端近傍部に締結することにより装着される。
【0034】
装着作業に際し、
図4及び
図5に示すように、クランプ金具25の第2顎部27を開き、折曲成形体33の支持部34がナット7のハンドル8が延びる方向と平行になるように保持具20の姿勢を制御し、吊持部36、36をハンドル8、8の下側に交差させるように前進させながら、第1顎部26と第2顎部27を支柱9の両側に配置する。その後、第2顎部27を閉じ、前述のようにボルト30にナット32を締結することにより、第1顎部26と第2顎部27により支柱9の外周面を挟着する。
【0035】
この際、保持具20の上下方向の位置に関して、クランプ金具25により支柱9の外周面を締結する前に、吊持部36、36がハンドル8、8の下面に当接する位置まで保持具20を持ち上げ、その状態でクランプ金具25を締結することにより、装着を終えることが好ましい。
【0036】
基体21を構成するクランプ金具25を支柱9に装着した状態において、延長体22を構成する折曲成形体33は、ハンドル8、8の下面に当接した吊持部36、36により、該ハンドル8と共に、支持ジャッキ装置2及びキャスタ1a(接地体1)の全体を下方移動しないように吊持する吊持手段23を構成している。このため、
図2における支持ジャッキ装置2Bのようにキャスタ1aが不陸のある地面の凹陥部に臨まされたときでも、支持ジャッキ装置2及びキャスタ1aの全体が下方移動することはない。
【0037】
しかも、吊持部36並びに下向き延長部35及び起立端部37がハンドル8に係合することにより、ナット7を回転不能に拘束する回転防止手段24が構成されている。
【0038】
ナット7は、上下方向に関して、支持面7aに支柱9の下端面を接支させ、ハンドル8の下面に吊持部36を当接させており、このように上下方向から挟み付けられているので、ネジロッド6の軸方向に移動不能、つまり、回転不能とされる。従って、この状態においては、吊持部36が回転防止手段24として機能している。
【0039】
もしも、吊持部36がハンドル8の下面に当接せず下方に離間している場合でも、ナット7が回転しようとしたとき、延長部35及び起立端部37がハンドル8、8に当接する位置にあれば、これによりナット7の回転が阻止される。従って、この状態においては、延長部35及び起立端部37が回転防止手段24として機能している。
【0040】
(第2実施形態)
図6ないし
図8に示す第2実施形態において、基体21と延長体22は、1枚の金属板を折曲成形することにより一体に形成されており、基体21にネジ手段38を設けることにより保持具20を提供している。
【0041】
基体21は、1枚の金属板の背壁39と、該背壁39の両側縁に沿って折曲された両側壁40、40により形成され、支柱9の抱持空間Pを形成しており、背壁39に前記ネジ手段38を設けている。ネジ手段38は、背壁39の貫通孔に連通状態で溶接等により固着されたナット等の雌ネジ手段41と、該雌ネジ手段41に螺挿される雄ネジ手段42により構成され、雄ネジ手段42の先端を抱持空間Pに臨ませている。尚、雄ネジ手段42の尾端には、回転操作用の摘み片43が設けられている。
【0042】
延長体22は、基体21の両側壁40、40の下端部から支柱9の両側に向けて延設されたアーム部44と、アーム41部の先端から上向きに延びるフック部45により形成されており、前記フック部45によりほぼU形の係止溝46を形成している。
【0043】
第2実施形態の場合、
図6(B)並びに
図7及び
図8に示すように、支持ジャッキ装置2のネジロッド6に支柱9の下端部を外挿させ、高さ位置が調節されたナット7の支持面7aに支柱9の下端面を接支させた状態において、保持具20は、基体21と延長体22が協働することにより支柱9の下端近傍部に装着される。
【0044】
ネジ手段38を弛めた状態、つまり、雄ネジ手段42の先端を抱持空間Pから後退させた状態で、アーム部44、44をハンドル8、8の下側に交差させるように前進させると共に、持ち上げることにより、ハンドル8、8を係止溝46、46に嵌入させると、基体21の抱持空間Pに支柱9の外周面が抱持されている。
【0045】
そこで、摘み片43を操作して雄ネジ手段42を螺進させると、雄ネジ手段42の先端が支柱9の外周面を押圧し、フック部45がハンドル8を引き寄せることにより、保持具20が支柱9に固定される。
【0046】
この状態において、延長体22を構成するアーム部44は、ハンドル8の下面に当接することにより、該ハンドル8と共に、支持ジャッキ装置2及びキャスタ1a(接地体1)の全体を下方移動しないように吊持する吊持手段23を構成している。このため、
図2に示した支持ジャッキ装置2Bのようにキャスタ1aが不陸のある地面の凹陥部に臨まされたときでも、支持ジャッキ装置2とキャスタ1aの全体が下方移動することはない。
【0047】
ナット7は、上下方向に関して、支持面7aに支柱9の下端面を接支させ、ハンドル8の下面にアーム部44を当接させ、このように上下方向から挟み付けられているので、ネジロッド6の軸方向に移動不能、つまり、回転不能とされる。従って、この状態においては、アーム部44が回転防止手段24として機能している。
【0048】
もしも、アーム部44がハンドル8の下面に当接せず下方に離間している場合でも、ナット7が回転しようとしたとき、係止溝46がハンドル8に嵌合状態で係合しているので、ナット7の回転が阻止される。従って、この状態においては、係止溝46が回転防止手段24として機能している。
【符号の説明】
【0049】
1 接地体
1a キャスタ
2 支持ジャッキ装置
3 車輪
4 フォーク
5 固定盤
6 ネジロッド
7 ナット
7a 支持面
8 ハンドル
9 支柱
10 緊結部材
11 連結材
12 連結金具
13 緊結手段
20 保持具
21 基体
22 延長体
23 吊持手段
24 回転防止手段
25 クランプ金具
26 第1顎部
27 第2顎部
28 枢軸
29 回動軸
30 ボルト
31 二股部
32 ナット
33 折曲成形体
34 支持部
35 下向き延長部
36 吊持部
37 起立端部
38 ネジ手段
39 背壁
40 側壁
41 雌ネジ手段
42 雄ネジ手段
43 摘み片
44 アーム部
45 フック部
46 係止溝