(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122192
(43)【公開日】2022-08-22
(54)【発明の名称】建物用アセンブリ
(51)【国際特許分類】
E04B 1/684 20060101AFI20220815BHJP
F16J 15/10 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
E04B1/684 A
F16J15/10 T
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021019360
(22)【出願日】2021-02-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】518119261
【氏名又は名称】小智研発股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MINIWIZ CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】8F.-1,No.88, Yanchang Rd., Xinyi Dist., Taipei City 110, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】黄謙智
(72)【発明者】
【氏名】劉子▲イ▼
(72)【発明者】
【氏名】陳▲ルイ▼平
(72)【発明者】
【氏名】葉▲ウィ▼瑩
(72)【発明者】
【氏名】幸禹▲トォン▼
(72)【発明者】
【氏名】黄培宜
(72)【発明者】
【氏名】林旻葦
(72)【発明者】
【氏名】張▲イ▼駿
(72)【発明者】
【氏名】翁▲リン▼翔
【テーマコード(参考)】
2E001
3J040
【Fターム(参考)】
2E001DA01
2E001FA41
2E001FA51
2E001GA56
2E001GA58
2E001HD11
2E001HE01
3J040AA02
3J040AA17
3J040BA07
3J040EA01
3J040EA16
3J040EA22
3J040EA25
3J040FA06
3J040HA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】チャンバの建築に使用されるシールされた建物用アセンブリを提供する。
【解決手段】建物用パネルを組み立てるために用いられる建物用アセンブリ100は、支持部材110と、1対の第1シール部材120と、弾性変形ガスケット130と、第2シール部材140とを含む。1対の第1シール部材120は、それぞれ独立して第1ベース部121と、外側に延びる2つの保持舌122a,122bとを含む。弾性変形ガスケット130は、断面がU字型又はV字型の空間132と、横方向に延在する2つのフランジ134とを含む。第2シール部材140は、第2ベース部1411と、その中央に設けられたリブ142とを有する。さらに弾性変形ガスケット130は、支持部材110のチャンネル112にスナップフィットし、第2シール部材140は、弾性変形ガスケット130のU字型又はV字型の空間に圧入することにより弾性変形ガスケット130に係合する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材(110,410)と、1対の第1シール部材(120)と、弾性変形ガスケット(130,430)と、第2シール部材(140)とを含む建物用アセンブリ(100)であって、
前記支持部材(110,410)は、前面側及び背面側(1111,1112)を有するベース(111)と、前記ベース(111)の前面側(1111)の中央に設けられたチャンネル(112)と、それぞれ独立して前記チャンネル(112)の隣に設けられた1対のレール(114)とを含み、前記チャンネル(112)及び前記1対のレール(114)は、それぞれ独立して前記ベース(111)の長手方向の全長に沿って延在し、
前記1対の第1シール部材(120)は、それぞれ独立して前面側及び背面側(1211,1212)を有する第1ベース部(121)と、2つの保持舌(122a,122b)とを含み、前記2つの保持舌(122a,122b)は、それぞれ独立して前記第1ベース部(121)の長手方向の全長に沿って前記第1ベース部(121)の前記背面側(1212)から外向きに延在し、
前記弾性変形ガスケット(130,430)は、断面がU字型又はV字型の空間(132)と、2つのフランジ(134)とを含み、前記2つのフランジ(134)は、それぞれ独立して前記U字型又はV字型の空間(132)の一方の縁から横方向に延在し、
前記第2シール部材(140)は、前面側及び背面側(1411,1412)を有する第2ベース部(141)と、前記第2ベース部(141)の前記背面側(1412)の中央に前記第2ベース部(141)の長手方向の長さに沿って設けられたリブ(142)とを含み、
前記1対の第1シール部材(120)は、前記1対の第1シール部材(120)のそれぞれの前記2つの保持舌(122a,122b)を前記支持部材(110)の前記1対のレール(114)のそれぞれに圧入することにより、前記支持部材(110)に係合するように構成され、
前記弾性変形ガスケット(130)は、前記支持部材(110)の前記チャンネル(112)にスナップフィットするように構成され、
前記第2シール部材(140)は、前記リブ(142)を前記弾性変形ガスケット(130)の前記U字型又はV字型の空間(132)に圧入することにより、前記弾性変形ガスケット(130)に係合するように構成され、
前記1対の第1シール部材(120)と前記支持部材(110)との係合により、それぞれ独立して建築用パネルを受け入れる1対のポケット(115)が形成される、建物用アセンブリ。
【請求項2】
前記第2シール部材(140)は、第1及び第2拡張部(143)をさらに含み、
前記第1及び第2拡張部(143)は、それぞれ前記第2ベース部(141)の長手方向の全長に沿って前記第2ベース部(141)の前記背面側(1412)から上向きに延在する、請求項1に記載の建物用アセンブリ。
【請求項3】
前記第1シール部材(120)、前記弾性変形ガスケット(130)及び前記第2シール部材(140)は、それぞれ独立して、ポリプロピレン(PP)、ネオプレン、熱可塑性エラストマー(TPE)及びこれらの組み合わせからなる群より選択される弾性材料で作製される、請求項1に記載の建物用アセンブリ。
【請求項4】
前記TPEは、熱可塑性スチレン(TPS)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリエーテルエステル(TPEE)、及び熱可塑性ポリアミド(TPA)からなる群より選択される、請求項3に記載の建物用アセンブリ。
【請求項5】
前記第1シール部材(120)及び前記第2シール部材(140)はそれぞれTPVで作製され、前記弾性変形ガスケットはPPで作製される、請求項4に記載の建物用アセンブリ。
【請求項6】
前記支持部材(110)は、前記ベースの背面側に形成された長方形管路(470)をさらに含む、請求項1に記載の建物用アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物用アセンブリに関し、特にチャンバ(例えば、無菌チャンバ又は僅かな負圧又は正圧が一般的に存在するチャンバ)の建築に使用されるシールされた建物用アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
建築用パネルは、様々な方法及びアセンブリにより組み立てられることが知られている。米国公開第2015/0376899号には、このような方法及びアセンブリが開示されている。しかしながら、無菌チャンバ及び僅かな負圧が存在するチャンバなどの医療用途に適したチャンバを建築するための改良された組立システムは必要である。
【0003】
本開示は、容易かつ経済的に製造することができるとともに、組立、分解、又は再組立が簡単であり、さらに、接続された壁の間が気密な建物用アセンブリを提供することを目的とする。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、チャンバ(例えば、無菌チャンバ又は僅かな負圧又は正圧が一般的に存在するチャンバ)の建築に使用されるシールされた建物用アセンブリを提供することを目的とする。チャンバは、緊急時に簡単に組立、分解、及び/又は再組立することができる。
【0005】
本開示の第1態様によれば、支持部材と、1対の第1シール部材と、弾性変形ガスケットと、第2シール部材とを含む建物用アセンブリであって、
前記支持部材は、前面側及び背面側を有するベースと、ベースの前面側の中央に設けられたチャンネルと、それぞれチャンネルに隣接してその左側及び右側において平行に設けられる1対のレールとを含み、
前記1対の第1シール部材は、それぞれ独立して前面側及び背面側を有する第1ベース部と、2つの保持舌とを含み、前記2つの保持舌は、それぞれ独立して前記第1ベース部の長手方向の全長に沿って前記第1ベース部の前記背面側から外向きに延在し、
前記弾性変形ガスケットは、断面がU字型又はV字型の空間と、2つのフランジとを含み、前記2つのフランジは、それぞれ独立して前記U字型又はV字型の空間の一方の縁から横方向に延在し、
前記第2シール部材は、前面側及び背面側を有する第2ベース部と、前記第2ベース部の前記背面側の中央に前記第2ベース部の長手方向の長さに沿って設けられたリブとを含み、
前記1対の第1シール部材は、前記1対の第1シール部材のそれぞれの前記2つの保持舌を前記支持部材の前記1対のレールのそれぞれに圧入することにより、前記支持部材に係合するように構成され、
前記弾性変形ガスケットは、前記支持部材の前記チャンネルにスナップフィットするように構成され、
前記第2シール部材は、前記リブを前記弾性変形ガスケットの前記U字型又はV字型の空間に圧入することにより、前記弾性変形ガスケットに係合するように構成され、
前記1対の第1シール部材と前記支持部材との係合により、それぞれ独立して建築用パネルを受け入れる1対のポケットが形成される、建物用アセンブリが提供される。
【0006】
本開示の好ましい実施形態によれば、前記第2シール部材は、第1及び第2拡張部をさらに含み、前記第1及び第2拡張部は、それぞれ前記第2ベース部の長手方向の全長に沿って前記第2ベース部の前記背面側から上向きに延在する。
【0007】
本開示の他の実施形態によれば、前記支持部材は、前記ベースの背面側に形成された長方形管路をさらに含む。
【0008】
本開示の好ましい実施形態によれば、前記第1シール部材、弾性変形ガスケット及び第2シール部材は、それぞれ独立してポリプロピレン(PP)、ネオプレン、熱可塑性エラストマー(TPE)及びこれらの組み合わせから群より選択される弾性材料で作製される。
【0009】
本開示で適用されるTPEの例には、熱可塑性スチレン(TPS)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリエーテルエステル(TPEE)、熱可塑性ポリアミド(TPA)などが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、前記第1シール部材及び第2シール部材はそれぞれTPVで作製され、弾性変形ガスケットはPPで作製される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示は、以下の詳細な説明および図面からより完全に理解され得る。これらの図面は、説明をするためのものだけで、本開示を限定するものではない。
【0011】
【
図1】本開示の好ましい実施形態に係る建物用アセンブリ100の分解図である。
【
図2】
図1の建物用アセンブリ100の組立後の斜視図である。
【
図3】
図1建物用アセンブリを介して組み立てられた2つの壁パネル380を含むアセンブリの断面図である。
【
図4】本開示の他の実施形態に係る建築用梁450の存在下で壁パネルを組み立てるための建物用アセンブリ400の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の詳細な説明及び技術的内容は、添付する図面と併せて以下に示される。しかしながら、本明細書に開示される説明及び添付する図面は、単に説明的かつ例示的なものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0013】
1.本発明の建物用アセンブリ
より具体的には、
図1から3を参照されたい。
図1は、本発明の建物用アセンブリ100の分解図である。
図2は、
図1の建物用アセンブリ100の組立後の斜視図である。
図3は、
図1の建物用アセンブリを介して組み立てられた2つの壁パネル380を含むアセンブリの断面図である。
本実施形態において、建物用アセンブリ100は、支持部材110と、1対の第1シール部材120と、弾性変形ガスケット130と、第2シール部材140とを含む。支持部材110は、構造的には、前面側1111及び背面側1112を有するベース111と、前面側1111の中央に形成されるとともに、ベース111の長手方向の全長に沿って延在するチャンネル112と、それぞれチャンネル112に隣接してその左側及び右側において平行に設けられるとともに、ベース111の長手方向の全長に沿って延在する2つのレール114とを含む。
【0014】
1対の第1シール部材120は、それぞれ2つのレール114に係合するために提供される。各シール部材120は、前面側及び背面側1211,1212を有するベース部121と、それぞれ独立してベース部121の長手方向の全長に沿ってベース部121の背面側1212から外向きに延在する2つの鏡像保持舌122a,122bとを含む。組み立てる際に、各シール部材120を支持部材110の2つのレール120のうちの1つに圧入又はスナップフィットすることでシール面を提供し、建築用パネル(
図1、2に未図示)を保持するためのポケット115を形成する。具体的には、ポケット115は、1つのレール114及び1つのチャンネル壁によって定義される空間を指す。従って、建築用パネル380(例えば、壁パネル又は天井パネル)は、それぞれ2つのポケット115に置かれ、2つのレール114及びチャンネル112によって保持され得る(
図3)。
【0015】
2つの建築用パネル380を2つのポケット115に保持するのを助けるために、さらに弾性変形ガスケット130を支持部材110のチャンネル112に圧入又はスナップフィットすることができる。弾性変形ガスケット130は、断面がU字型又はV字型の空間132と、それぞれ独立してU字型又はV字型の空間132の一方の縁から横方向に延在する2つのフランジ134とを含む。弾性変形ガスケット130がチャンネル112に圧入されると、2つのフランジ134は、それぞれ2つのポケット115に保持された2つの建築用パネル380に押し付けられる(
図3)。最後に、第2シール部材140をU字型又はV字型の空間132に圧入又はスナップフィットすることで、弾性変形ガスケット130をその位置に保持するとともに弾性変形ガスケット130との間にタイトシールを形成することにより組立が完成する。構造的には、第2シール部材140は、第2ベース部141と、リブ142と、2つの拡張部143を含む。第2ベース部141は、前面側1411及び背面側1412を有する。リブ142は、第2ベース部141の背面側1412の中央に形成されるとともに、第2ベース部141の長手方向の全長に沿って延在する。さらに、リブ142は、内部が中空であってもよい。本実施形態において、リブ142は中空で断面が長方形であり、サイズが弾性変形ガスケットの130U字型又はV字型の空間132に適合する。2つの拡張部143は、それぞれ独立して第2ベース部141の背面側1412から垂直に延在し、2つのフランジ134の各縁部に密接することにより弾性変形ガスケット130をその位置にさらに保持するように構成される。
【0016】
本開示において、第1シール部材120、弾性変形ガスケット130、及び第2シール部材140は、それぞれ独立してポリプロピレン(PP)、ネオプレン、熱可塑性エラストマー(TPE)などの弾力性又は弾性材料で作製され得る。本開示に適用されるTPEの例には、熱可塑性スチレン(TPS)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリエーテルエステル(TPEE)、熱可塑性ポリアミド(TPA)などが含まれるが、これらに限定されない。好ましい実施形態によれば、第1シール部材120及び第2シール部材140は、それぞれTPVで作製され、弾性変形ガスケット130は、PPで作製される。
【0017】
2.建築用梁の存在下で使用される本発明の建物用アセンブリの代替設計
図4は、建築用梁が存在する場合に適用される本発明の建物用アセンブリ400の代替設計である。本実施形態における建物用アセンブリ400の構成要素は、支持部材410の構造が
図1と異なる以外、
図1に示される建物用アセンブリ100と同じである。
【0018】
建物用アセンブリ400のほとんどの構成要素及び部品は建物用アセンブリ100と同じであるので、同じ構成要素及び部品は同じ符号で示される。例えば、支持部材は、
図1において110、
図4において410で示される。弾性変形ガスケットは、
図1において130、
図4において430で示される。
【0019】
本実施形態において、支持部材410は、建物用梁(例えば、天井梁)を受け入れるための構造をさらに含む点で
図1と異なる。
図4に示すように、支持部材410は、ベース411の背面側4112に形成された長方形管路470をさらに含む。長方形管路470は、建物用梁450を受け入れる可能なサイズを有する。
【0020】
無菌チャンバ又は僅かな負圧が存在するチャンバを組み立てるために、支持部材410をまずネジ460又は任意の適切なナットボルト構造によって梁450に螺合し、そして1対の第1シール部材420を2つのレール414にスナップフィットすることで、それぞれ2つの壁パネル480を受け入れるための2つのポケット415を形成することができる。なお、2つのポケット415は2つの壁パネル480に遮られているので
図4から見えない。次に、断面がU字型の弾性変形ガスケット430をチャンネル412にスナップフィットし、その後、第2シール部材440を弾性変形ガスケット430のU字型の空間にスナップフィットする。これによって、建物用アセンブリ400を用いる2つの壁パネル480の組立は完成する。さらに、壁パネル、天井パネル又は他の任意の所望なパネル(例えば、ソケット、空気導管などのプロファイルを有するパネル)は、上記建物用アセンブリ100を用いて、組み立てられた2つのパネル480の隣に追加することができる。
【0021】
図1から4に示される各構成要素は、当業者に知られている鋳造、スタンピング、射出成形、押出成形などの方法、好ましくは押出成形によって製造することができる。また、
図1から4に示される各構成要素に対しては、滑らか又は粗い表面仕上げのために、フライス加工、研磨加工などを行ってもよい。さらに、特定の部品(例えば、保持舌、弾性変形ガスケット及びリブ)以外、
図1から4に示される各構成要素は、当業者に知られているように、プラスチック、セラミック、金属及びその他の同等の材料で作製されてもよい。
【0022】
上記の実施形態の説明は、例としてのみ与えられており、当業者によって様々な修正を行うことができることが理解され得る。上記の仕様、例、及びデータは、本発明の例示的な実施形態の構造及び使用の完全な説明を提供する。本発明の様々な実施形態は、ある程度の特殊性をもって、又は1つ若しくは複数の実施形態を参照して上記のように説明されたが、当業者は、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多数の変更を加えることができる。
【外国語明細書】