(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122210
(43)【公開日】2022-08-22
(54)【発明の名称】自己音声認識装置
(51)【国際特許分類】
H04R 1/12 20060101AFI20220815BHJP
G10K 15/04 20060101ALI20220815BHJP
H04R 1/10 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
H04R1/12
G10K15/04 302D
H04R1/10 101A
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021019400
(22)【出願日】2021-02-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】597144554
【氏名又は名称】中田 豊隆
(74)【代理人】
【識別番号】100093931
【弁理士】
【氏名又は名称】長屋 直樹
(72)【発明者】
【氏名】中田 豊隆
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208CA04
5D208CA05
(57)【要約】
【課題】複数人が集まった場所で使用する場合でも、飛沫によるウイルス感染を防止することができ、飛沫によるウイルス感染が流行している状況でも、カラオケ等のように複数人が集まって発声することができる自己音声認識装置を提供する。
【解決手段】自己音声認識装置1は、筒状の導音部7と、導音部7の先端から連設された呼気遮蔽ユニット30と、呼気遮蔽ユニット30に固定された除菌シート40と、導音部7に設けられたファンユニット70等を有する装置本体3と、装置本体3を支持する装置本体支持部100を有し、導音部7を通じて音声が開口部15から使用者の耳に伝達されるとともに、使用者の呼気は、除菌シート40により除菌されて、ファンユニット70から排出される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己音声認識装置であって、
装置本体(3)と、装置本体を支持するとともに、使用者の頭部に装着される装置本体支持部(100)とを有し、
装置本体は、導音部(7)と、導音部の先端から連設された呼気遮蔽部(32)と、導音部に設けられ、導音部内の空気を排出するファンユニット(70、80)とを有し、
導音部は、先端側が開口した筒状を呈し、導音部は、導音部の先端から後端までの途中位置に設けられ、ファンユニットに対して空気を排出するための第1開口部(12-1、12-1’)と、導音部の後端側に設けられ、使用者の耳に音声を伝達するための第2開口部(15)を有し、
呼気遮蔽部は、導音部の先端の開口から連設され、呼気遮蔽部は、除菌用の液体を塗布した除菌シート(40)を固定するための固定面で、導音部の内側の面から連続した面である固定面(32b)を有し、
ファンユニットは、第1開口部と連通する吸引口(72、84)と吸引口から吸引された空気を排出するための排出口(73、85)とを有し、導音部における第1開口部の位置に設けられたケース部(71、82)と、吸引口から空気を吸引し排出口から空気を排出するファン(75、90)と、ファンを回転させる駆動部(75、86)とを有し、
装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の口から出る呼気が呼気遮蔽部に吹き付けられる位置に呼気遮蔽部が配置されることを特徴とする自己音声認識装置。
【請求項2】
呼気遮蔽部の固定面には、除菌シート(40)が固定されていることを特徴とする請求項1に記載の自己音声認識装置。
【請求項3】
自己音声認識装置であって、
装置本体(3)と、装置本体を支持するとともに、使用者の頭部に装着される装置本体支持部(100)とを有し、
装置本体は、導音部(7)と、導音部の先端から連設された呼気遮蔽部(32)と、呼気遮蔽部に固定された除菌シート(40)と、導音部に設けられ、導音部内の空気を排出するファンユニット(70、80)とを有し、
導音部は、先端側が開口した筒状を呈し、導音部は、導音部の先端から後端までの途中位置に設けられ、ファンユニットに対して空気を排出するための第1開口部(12-1、12-1’)と、導音部の後端側に設けられ、使用者の耳に音声を伝達するための第2開口部(15)を有し、
呼気遮蔽部は、導音部の先端の開口から連設され、呼気遮蔽部は、除菌シートを固定するための固定面で、導音部の内側の面から連続した面である固定面(32b)を有し、
除菌シートには、除菌用の液体が塗布されていて、除菌シートは、呼気遮蔽部の該固定面に固定され、
ファンユニットは、第1開口部と連通する吸引口(72、84)と吸引口から吸引された空気を排出するための排出口(73、85)とを有し、導音部における第1開口部の位置に設けられたケース部(71、82)と、吸引口から空気を吸引し排出口から空気を排出するファン(75、90)と、ファンを回転させる駆動部(75、86)とを有し、
装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の口から出る呼気が除菌シートに吹き付けられる位置に呼気遮蔽部が配置されることを特徴とする自己音声認識装置。
【請求項4】
除菌シートは、呼気遮蔽部の固定面に固定された本体部(42)と、本体部から連設され、導音部の内側の面まで形成された連設部(44)とを有することを特徴とする請求項2又は3に記載の自己音声認識装置。
【請求項5】
導音部が、外板部(12、22)と、内板部(14、24)と、外板部の辺部と内板部の辺部を連結する連結部(16、26-1、26-2)により四角筒状を呈し、第1開口部は外板部に設けられ、第2開口部は内板部に設けられ、
ファンユニットは、外板部に設けられ、
呼気遮蔽部は、外板部から連設され、呼気遮蔽部における外板部の内側の面から連続した面が、固定面となり、
装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態では、内板部が使用者側を向き、外板部が使用者側とは反対側を向くことを特徴とする請求項1又は2又は3又は4に記載の自己音声認識装置。
【請求項6】
導音部が、先端側の端部が開口し後端側の端部が閉塞した四角筒状を呈する第1筒状部(10)と、第1筒状部の先端側の端部から連設され、第1筒状部側とは反対側の端部が開口した四角筒状を呈する第2筒状部(20)を有し、
第1筒状部は、第1外板部(12)と、第1外板部と略平行な第1内板部(14)と、第1外板部の辺部と第1内板部の辺部を連結する第1連結部(16)により筒状に形成され、
第2筒状部は、第1外板部から連設された第2外板部(22)と、第2外板部と略平行で第1内板部から連設された第2内板部(24)と、第2外板部の辺部と第2内板部の辺部を連結する第2連結部(26-1、26-2)により筒状に形成され、
第1内板部の第1外板部側とは反対側の面と、第2内板部の第2外板部側とは反対側の面が鈍角をなすように、第2筒状部が第1筒状部に対して屈曲し、
第1開口部は第1外板部に設けられ、第2開口部は第1内板部に設けられ、
ファンユニットは、第1外板部に設けられ、
呼気遮蔽部は、第2外板部から連設され、呼気遮蔽部における第2外板部の内側の面から連続した面が、固定面となり、
装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態では、第1内板部及び第2内板部が使用者側を向き、第1外板部及び第2外板部が使用者側とは反対側を向くことを特徴とする請求項1又は2又は3又は4に記載の自己音声認識装置。
【請求項7】
第2開口部は、不織布製のシート状部(50)により被覆されていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6に記載の自己音声認識装置。
【請求項8】
導音部には、導音部における第2開口部が形成された領域を覆う耳パッドで、装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の耳に接する耳パッド(60)が設けられていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7に記載の自己音声認識装置。
【請求項9】
装置本体支持部が、導音部における第2開口部が形成された面とは反対側の面である外側の面に、該外側の面に対して回転可能に設けられた接続部(106)と、
接続部から連設された頭部装着部で、装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の頭部に固定して装着される頭部装着部(121)とを有することを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8に記載の自己音声認識装置。
【請求項10】
自己音声認識装置であって、
装置本体(3)と、装置本体を支持するとともに、使用者の頭部に装着される装置本体支持部(100)とを有し、
装置本体は、導音部(7)と、導音部の先端から連設された呼気遮蔽部(32)と、呼気遮蔽部に固定された除菌シート(40)と、導音部に設けられ、導音部内の空気を排出するファンユニット(70、80)とを有し、
導音部は、先端側の端部が開口し後端側の端部が閉塞した四角筒状を呈する第1筒状部(10)と、第1筒状部の先端側の端部から連設され、第1筒状部側とは反対側の端部が開口した四角筒状を呈する第2筒状部(20)を有し、
第1筒状部は、第1外板部(12)と、第1外板部と略平行な第1内板部(14)と、第1外板部の辺部と第1内板部の辺部を連結する第1連結部(16)により筒状に形成され、
第2筒状部は、第1外板部から連設された第2外板部(22)と、第2外板部と略平行で第1内板部から連設された第2内板部(24)と、第2外板部の辺部と第2内板部の辺部を連結する第2連結部(26-1、26-2)により筒状に形成され、
第1内板部の第1外板部側とは反対側の面と、第2内板部の第2外板部側とは反対側の面が鈍角をなすように、第2筒状部が第1筒状部に対して屈曲し、
ファンユニットに対して空気を排出するための第1開口部(12-1、12-1’)が第1外板部に設けられ、使用者の耳に音声を伝達するための第2開口部(15)が第1内板部の後端側に設けられ、
呼気遮蔽部は、第2外板部から連設され、呼気遮蔽部は、除菌シートを固定するための固定面で、呼気遮蔽部における第2外板部の内側の面から連続した面である固定面(32b)を有し、
除菌シートは、呼気遮蔽部の固定面に固定された本体部(42)と、本体部から連設され、第2筒状部の内側の面まで形成された連設部(44)とを有し、除菌シートには、除菌用の液体が塗布されていて、除菌シートは、呼気遮蔽部の該固定面に固定され、
ファンユニットは、第1開口部と連通する吸引口(72、84)と吸引口から吸引された空気を排出するための排出口(73、85)とを有し、第1外板部における第1開口部の位置に設けられたケース部(71、82)と、吸引口から空気を吸引し排出口から空気を排出するファン(75、90)と、ファンを回転させる駆動部(75、86)とを有し、ケース部は、第1外板部に設けられ、
装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態では、第1内板部の外面及び第2内板部の外面が使用者側を向くとともに、第1外板部の外面及び第2外板部の外面が使用者側とは反対側を向き、
第2開口部は、不織布製のシート状部(50)により被覆され、
第1内板部には、第1内板部の第2開口部が形成された領域及びシート状部を覆う耳パッドで、装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の耳に接する耳パッド(60)が設けられ、
装置本体支持部が、第1外板部に対して回転自在に設けられた接続部(106)と、
接続部から連設された頭部装着部で、装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の頭部に固定して装着される頭部装着部(121)とを有し、
頭部装着部は、接続部から連設されたヘッドバンドで、装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の頭部にの表面に沿うように湾曲した略帯状を呈するヘッドバンド(104)と、
ヘッドバンドの接続部側とは反対側の端部から連設された耳接触ユニットで、第2開口部側の耳とは反対側の耳に接する耳パッド(120)を有する耳接触ユニット(122)を有し、
装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の口から出る呼気が除菌シートに吹き付けられる位置に呼気遮蔽部が配置されることを特徴とする自己音声認識装置。
【請求項11】
ファンがシロッコファンであり、ケース部に設けられた排出口が、ケース部におけるシロッコファンの周面に対応した位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10に記載の自己音声認識装置。
【請求項12】
ファンがシロッコファンであり、ケース部が、シロッコファンの周面の外側に形成された略筒状の側面部(82-2)と、側面部における導音部側とは反対側の開口を閉鎖する閉鎖面部(82-1)を有し、
ケース部の排出口が、側面部における領域で、シロッコファンの回転中心の軸線(J3)を通るとともに、第1筒状部の先端と後端を結ぶ軸線(J2)の方向に対して垂直となる仮想平面よりも後端側の領域に設けられていることを特徴とする請求項6又は10に記載の自己音声認識装置。
【請求項13】
ファンがプロペラファンであり、ケース部に設けられた排出口が、ケース部における導音部側とは反対側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10に記載の自己音声認識装置。
【請求項14】
ケース部には、排出口を開閉するカバー部(76)が設けられていることを特徴とする請求項13に記載の自己音声認識装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歌唱等において、自分が発した音声を認識しやすくする自己音声認識装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、歌唱の練習や英語等の学習のために、自分が発した音声を認識しやすくする自己音声認識装置として、特許文献1~特許文献3に記載のものが存在する。
【0003】
特許文献1に記載の自己音声認識装置においては、 音導管20の一端側に集音部30を、他端側に耳の穴に装着するイヤホン部40を備える自己音声認識装置において、イヤホン部40における音導孔44に大気と通じる通気管42が設けられている。
【0004】
また、特許文献2に記載の学習器具においては、集音部5と、チューブ2、2と、腕部材4、4と、耳装着部7、7が設けられている。
【0005】
また、特許文献3にお記載の自己音声確聴器においては、左右2個の耳あて受話器1、2がパイプ3により連結され、一方の受話器にパイプ4を介して送話器5が設けられている。
【0006】
上記特許文献1~3に記載の装置においては、カラオケやコーラス等において、カラオケの伴奏音やコーラスにおける他人の声等のように自己の音声以外の音が耳に入る音がある場合でも、自己を音声を認識しやすくできるので、自己が意図する発声がしやすくなる。例えば、歌唱においては、音程や歌詞の誤りを防止し、また、英語学習においては、発音の誤りを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001-109481号公報
【特許文献2】実用新案登録第3037111号公報
【特許文献3】実開昭62-87400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献1~3に記載の装置においては、自己の音声を認識することはできるものの、複数人が集まった場所で使用する場合には、発声により飛沫が発生するので、飛沫によるウイルス感染の危険がある。
【0009】
特に、カラオケやコーラスのような歌唱の場合には、大声を出すことから飛沫の飛散量も多く、ウイルス感染の危険が大きい。
【0010】
さらに、飛沫によるウイルス感染が流行している状況では、感染を未然に防止するために複数人が集まって発声することは控える傾向がある。例えば、カラオケは、一般的に複数人が集まる場所で行われることが多く、また、コーラスは複数人が集まって歌唱することから、飛沫によるウイルス感染が流行している状況では、感染を未然に防ぐためにカラオケの利用やコーラスの実施を控える傾向がある。
【0011】
そこで、自己の音声を認識しやすくする自己音声認識装置において、複数人が集まった場所で使用する場合でも、飛沫によるウイルス感染を防止することができ、飛沫によるウイルス感染が流行している状況でも、カラオケ等のように複数人が集まって発声することができる自己音声認識装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、自己音声認識装置であって、装置本体(3)と、装置本体を支持するとともに、使用者の頭部に装着される装置本体支持部(100)とを有し、装置本体は、導音部(7)と、導音部の先端から連設された呼気遮蔽部(32)と、導音部に設けられ、導音部内の空気を排出するファンユニット(70、80)とを有し、導音部は、先端側が開口した筒状を呈し、導音部は、導音部の先端から後端までの途中位置に設けられ、ファンユニットに対して空気を排出するための第1開口部(12-1、12-1’)と、導音部の後端側に設けられ、使用者の耳に音声を伝達するための第2開口部(15)を有し、呼気遮蔽部は、導音部の先端の開口から連設され、呼気遮蔽部は、除菌用の液体を塗布した除菌シート(40)を固定するための固定面で、導音部の内側の面から連続した面である固定面(32b)を有し、ファンユニットは、第1開口部と連通する吸引口(72、84)と吸引口から吸引された空気を排出するための排出口(73、85)とを有し、導音部における第1開口部の位置に設けられたケース部(71、82)と、吸引口から空気を吸引し排出口から空気を排出するファン(75、90)と、ファンを回転させる駆動部(75、86)とを有し、装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の口から出る呼気が呼気遮蔽部(呼気遮蔽部の固定面としてもよい)に吹き付けられる位置に呼気遮蔽部が配置されることを特徴とする。
【0013】
第1の構成の自己音声認識装置においては、使用者の口から発せられた音声は、導音部内を通って第2開口部から流出して、使用者の耳に伝えられるので、使用者は、自分の音声を十分認識することができる。
【0014】
また、呼気遮蔽部の固定面に除菌シートを固定した状態で、使用者が発声することにより除菌シートに向けて吹き付けられた呼気は除菌シートに接触した後に、ファンユニットによる吸引力により導音部内に流入し、導音部の第1開口部からファンユニットを経てファンユニットの排出口から排出される。呼気中の飛沫は除菌シートに接触するので、飛沫中のウイルスを死滅させることができる。特に、ファンユニットにより呼気を吸引しているので、呼気は周囲に拡散することなく、除菌シートに接触しやすくでき、また、呼気遮蔽部の周りの呼気も吸引して、除菌シートに接触させることができることから、効率的にウイルスを死滅させることができる。
【0015】
よって、複数人が集まった場所で使用する場合でも、飛沫によるウイルス感染を防止することができ、飛沫によるウイルス感染が流行している状況でも、カラオケ等のように複数人が集まって発声することができる。
【0016】
また、第2には、上記第1の構成において、呼気遮蔽部の固定面には、除菌シート(40)が固定されていることを特徴とする。
【0017】
また、第3には、自己音声認識装置であって、装置本体(3)と、装置本体を支持するとともに、使用者の頭部に装着される装置本体支持部(100)とを有し、装置本体は、導音部(7)と、導音部の先端から連設された呼気遮蔽部(32)と、呼気遮蔽部に固定された除菌シート(40)と、導音部に設けられ、導音部内の空気を排出するファンユニット(70、80)とを有し、導音部は、先端側が開口した筒状を呈し、導音部は、導音部の先端から後端までの途中位置に設けられ、ファンユニットに対して空気を排出するための第1開口部(12-1、12-1’)と、導音部の後端側に設けられ、使用者の耳に音声を伝達するための第2開口部(15)を有し、呼気遮蔽部は、導音部の先端の開口から連設され、呼気遮蔽部は、除菌シートを固定するための固定面で、導音部の内側の面から連続した面である固定面(32b)を有し、除菌シートには、除菌用の液体が塗布されていて、除菌シートは、呼気遮蔽部の該固定面に固定され、ファンユニットは、第1開口部と連通する吸引口(72、84)と吸引口から吸引された空気を排出するための排出口(73、85)とを有し、導音部における第1開口部の位置に設けられたケース部(71、82)と、吸引口から空気を吸引し排出口から空気を排出するファン(75、90)と、ファンを回転させる駆動部(75、86)とを有し、装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の口から出る呼気が除菌シートに吹き付けられる位置に呼気遮蔽部が配置されることを特徴とする。
【0018】
第3の構成の自己音声認識装置においては、使用者の口から発せられた音声は、導音部内を通って第2開口部から流出して、使用者の耳に伝えられるので、使用者は、自分の音声を十分認識することができる。
【0019】
また、呼気遮蔽部の固定面に除菌シートを固定した状態で、使用者が発声することにより除菌シートに向けて吹き付けられた呼気は除菌シートに接触した後に、ファンユニットによる吸引力により導音部内に流入し、導音部の第1開口部からファンユニットを経てファンユニットの排出口から排出される。呼気中の飛沫は除菌シートに接触するので、飛沫中のウイルスを死滅させることができる。特に、ファンユニットにより呼気を吸引しているので、呼気は周囲に拡散することなく、除菌シートに接触しやすくでき、また、呼気遮蔽部の周りの呼気も吸引して、除菌シートに接触させることができることから、効率的にウイルスを死滅させることができる。
【0020】
よって、複数人が集まった場所で使用する場合でも、飛沫によるウイルス感染を防止することができ、飛沫によるウイルス感染が流行している状況でも、カラオケ等のように複数人が集まって発声することができる。
【0021】
また、第4には、上記第2又は第3の構成において、除菌シートは、呼気遮蔽部の固定面に固定された本体部(42)と、本体部から連設され、導音部の内側の面まで形成された連設部(44)とを有することを特徴とする。
【0022】
よって、除菌シートの連設部は、導音部の内側の面にも設けられているので、導音部を呼気が通過する際にも、飛沫が連設部に接して飛沫中のウイルスを死滅させることができる。
【0023】
また、第5には、上記第1から第4までのいずれかの構成において、導音部が、外板部(12、22)と、内板部(14、24)と、外板部の辺部と内板部の辺部を連結する連結部(16、26-1、26-2)により四角筒状を呈し、第1開口部は外板部に設けられ、第2開口部は内板部に設けられ、ファンユニットは、外板部に設けられ、呼気遮蔽部は、外板部から連設され、呼気遮蔽部における外板部の内側の面から連続した面が、固定面となり、装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態では、内板部が使用者側を向き、外板部が使用者側とは反対側を向くことを特徴とする。
【0024】
また、第6には、上記第1から第4までのいずれかの構成において、導音部が、先端側の端部が開口し後端側の端部が閉塞した四角筒状を呈する第1筒状部(10)と、第1筒状部の先端側の端部から連設され、第1筒状部側とは反対側の端部が開口した四角筒状を呈する第2筒状部(20)を有し、第1筒状部は、第1外板部(12)と、第1外板部と略平行な第1内板部(14)と、第1外板部の辺部と第1内板部の辺部を連結する第1連結部(16)により筒状に形成され、第2筒状部は、第1外板部から連設された第2外板部(22)と、第2外板部と略平行で第1内板部から連設された第2内板部(24)と、第2外板部の辺部と第2内板部の辺部を連結する第2連結部(26-1、26-2)により筒状に形成され、第1内板部の第1外板部側とは反対側の面と、第2内板部の第2外板部側とは反対側の面が鈍角をなすように、第2筒状部が第1筒状部に対して屈曲し、第1開口部は第1外板部に設けられ、第2開口部は第1内板部に設けられ、ファンユニットは、第1外板部に設けられ、呼気遮蔽部は、第2外板部から連設され、呼気遮蔽部における第2外板部の内側の面から連続した面が、固定面となり、装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態では、第1内板部及び第2内板部が使用者側を向き、第1外板部及び第2外板部が使用者側とは反対側を向くことを特徴とする。
【0025】
よって、第2筒状部は、第1筒状部に対して屈曲しているので、呼気遮蔽部を使用者の口の前に配置させることができる。
【0026】
また、第7には、上記第1から第6までのいずれかの構成において、第2開口部は、不織布製のシート状部(50)により被覆されていることを特徴とする。
【0027】
よって、シート状部により、導音部に流入した呼気中の飛沫が第2開口部から外部に漏れて耳に入るのを防止することができるとともに、ファンユニットのファンが回転することによる吸引力により耳がひっぱられる不快感を防止することができる。
【0028】
また、第8には、上記第1から第7までのいずれかの構成において、導音部には、導音部における第2開口部が形成された領域を覆う耳パッドで、装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の耳に接する耳パッド(60)が設けられていることを特徴とする。
【0029】
また、第9には、上記第1から第8までのいずれかの構成において、装置本体支持部が、導音部における第2開口部が形成された面とは反対側の面である外側の面に、該外側の面に対して回転可能に設けられた接続部(106)と、接続部から連設された頭部装着部で、装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の頭部に固定して装着される頭部装着部(121)とを有することを特徴とする。
【0030】
なお、上記第9の構成において、以下の構成としてもよい。すなわち、頭部装着部は、接続部から連設されたヘッドバンドで、装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の頭部の表面に沿うように湾曲した略帯状を呈するヘッドバンド(104)と、ヘッドバンドの接続部側とは反対側の端部から連設された耳接触ユニットで、第2開口部側の耳とは反対側の耳に接する耳パッド(120)を有する耳接触ユニット(122)を有することを特徴とするものとしてもよい。
【0031】
また、第10には、自己音声認識装置であって、装置本体(3)と、装置本体を支持するとともに、使用者の頭部に装着される装置本体支持部(100)とを有し、装置本体は、導音部(7)と、導音部の先端から連設された呼気遮蔽部(32)と、呼気遮蔽部に固定された除菌シート(40)と、導音部に設けられ、導音部内の空気を排出するファンユニット(70、80)とを有し、導音部は、先端側の端部が開口し後端側の端部が閉塞した四角筒状を呈する第1筒状部(10)と、第1筒状部の先端側の端部から連設され、第1筒状部側とは反対側の端部が開口した四角筒状を呈する第2筒状部(20)を有し、第1筒状部は、第1外板部(12)と、第1外板部と略平行な第1内板部(14)と、第1外板部の辺部と第1内板部の辺部を連結する第1連結部(16)により筒状に形成され、第2筒状部は、第1外板部から連設された第2外板部(22)と、第2外板部と略平行で第1内板部から連設された第2内板部(24)と、第2外板部の辺部と第2内板部の辺部を連結する第2連結部(26-1、26-2)により筒状に形成され、第1内板部の第1外板部側とは反対側の面と、第2内板部の第2外板部側とは反対側の面が鈍角をなすように、第2筒状部が第1筒状部に対して屈曲し、ファンユニットに対して空気を排出するための第1開口部(12-1、12-1’)が第1外板部に設けられ、使用者の耳に音声を伝達するための第2開口部(15)が第1内板部の後端側に設けられ、呼気遮蔽部は、第2外板部から連設され、呼気遮蔽部は、除菌シートを固定するための固定面で、呼気遮蔽部における第2外板部の内側の面から連続した面である固定面(32b)を有し、除菌シートは、呼気遮蔽部の固定面に固定された本体部(42)と、本体部から連設され、第2筒状部の内側の面まで形成された連設部(44)とを有し、除菌シートには、除菌用の液体が塗布されていて、除菌シートは、呼気遮蔽部の該固定面に固定され、ファンユニットは、第1開口部と連通する吸引口(72、84)と吸引口から吸引された空気を排出するための排出口(73、85)とを有し、第1外板部における第1開口部の位置に設けられたケース部(71、82)と、吸引口から空気を吸引し排出口から空気を排出するファン(75、90)と、ファンを回転させる駆動部(75、86)とを有し、ケース部は、第1外板部に設けられ、装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態では、第1内板部の外面及び第2内板部の外面が使用者側を向くとともに、第1外板部の外面及び第2外板部の外面が使用者側とは反対側を向き、第2開口部は、不織布製のシート状部(50)により被覆され、第1内板部には、第1内板部の第2開口部が形成された領域及びシート状部を覆う耳パッドで、装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の耳に接する耳パッド(60)が設けられ、装置本体支持部が、第1外板部に対して回転自在に設けられた接続部(106)と、接続部から連設された頭部装着部で、装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の頭部に固定して装着される頭部装着部(121)とを有し、頭部装着部は、接続部から連設されたヘッドバンドで、装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の頭部にの表面に沿うように湾曲した略帯状を呈するヘッドバンド(104)と、ヘッドバンドの接続部側とは反対側の端部から連設された耳接触ユニットで、第2開口部側の耳とは反対側の耳に接する耳パッド(120)を有する耳接触ユニット(122)を有し、装置本体支持部を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の口から出る呼気が除菌シートに吹き付けられる位置に呼気遮蔽部が配置されることを特徴とする。
【0032】
第10の構成の自己音声認識装置においては、使用者の口から発せられた音声は、導音部内を通って第2開口部から流出して、使用者の耳に伝えられるので、使用者は、自分の音声を十分認識することができる。
【0033】
また、呼気遮蔽部の固定面に除菌シートを固定した状態で、使用者が発声することにより除菌シートに向けて吹き付けられた呼気は除菌シートに接触した後に、ファンユニットによる吸引力により導音部内に流入し、導音部の第1開口部からファンユニットを経てファンユニットの排出口から排出される。呼気中の飛沫は除菌シートに接触するので、飛沫中のウイルスを死滅させることができる。特に、ファンユニットにより呼気を吸引しているので、呼気は周囲に拡散することなく、除菌シートに接触しやすくでき、また、呼気遮蔽部の周りの呼気も吸引して、除菌シートに接触させることができることから、効率的にウイルスを死滅させることができる。
【0034】
よって、複数人が集まった場所で使用する場合でも、飛沫によるウイルス感染を防止することができ、飛沫によるウイルス感染が流行している状況でも、カラオケ等のように複数人が集まって発声することができる。
【0035】
また、除菌シートの連設部は、導音部の内側の面にも設けられているので、導音部を呼気が通過する際にも、飛沫が連設部に接して飛沫中のウイルスを死滅させることができる。
【0036】
また、第2筒状部は、第1筒状部に対して屈曲しているので、呼気遮蔽部を使用者の口の前に配置させることができる。
【0037】
また、シート状部により、導音部に流入した呼気中の飛沫が第2開口部から外部に漏れて耳に入るのを防止することができるとともに、ファンユニットのファンが回転することによる吸引力により耳がひっぱられる不快感を防止することができる。
【0038】
なお、上記第6または第10の構成において、以下の構成としてもよい。すなわち、呼気遮蔽部の周端から呼気遮蔽部の固定面側に立設する壁部(36)と、第2内板部の先端から第2内板部の第2外板部側とは反対側の面に対して立設する第2壁部(38)を有することを特徴とするものとしてもよい。
【0039】
また、第11には、上記第1から第10までのいずれかの構成において、ファンがシロッコファンであり、ケース部に設けられた排出口が、ケース部におけるシロッコファンの周面に対応した位置に設けられていることを特徴とする。
【0040】
よって、ファンがシロッコファンであるので、ファン回転時の音を小さくでき、導音部を通じた音声の認識が容易であり、小さな声で発声した場合でも認識することが可能となる。
【0041】
また、第12には、ファンがシロッコファンであり、ケース部が、シロッコファンの周面の外側に形成された筒状の側面部(82-2)と、側面部における導音部側とは反対側の開口を閉鎖する閉鎖面部(82-1)を有し、ケース部の排出口が、側面部における領域で、シロッコファンの回転中心の軸線(J3)を通るとともに、第1筒状部の先端と後端を結ぶ軸線(J2)の方向に対して垂直となる仮想平面よりも後端側の領域に設けられていることを特徴とする。
【0042】
よって、ファンがシロッコファンであるので、ファン回転時の音を小さくでき、導音部を通じた音声の認識が容易であり、小さな声で発声した場合でも認識することが可能となる。さらに、ケース部の排出口が、側面部における仮想平面よりも後端側の領域に設けられているので、使用者の前方に排出されないようにすることができる。
【0043】
また、第13には、上記第1から第10までのいずれかの構成において、ファンがプロペラファンであり、ケース部に設けられた排出口が、ケース部における導音部側とは反対側に設けられていることを特徴とする。
【0044】
また、第14には、上記第13において、ケース部には、排出口を開閉するカバー部(76)が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0045】
本発明に基づく自己音声認識装置によれば、使用者の口から発せられた音声は、導音部内を通って第2開口部から流出して、使用者の耳に伝えられるので、使用者は、自分の音声を十分認識することができる。
【0046】
また、呼気遮蔽部の固定面に除菌シートを固定した状態で、使用者が発声することにより除菌シートに向けて吹き付けられた呼気は除菌シートに接触した後に、ファンユニットによる吸引力により導音部内に流入し、導音部の第1開口部からファンユニットを経てファンユニットの排出口から排出される。呼気中の飛沫は除菌シートに接触するので、飛沫中のウイルスを死滅させることができる。特に、ファンユニットにより呼気を吸引しているので、呼気は周囲に拡散することなく、除菌シートに接触しやすくでき、また、呼気遮蔽部の周りの呼気も吸引して、除菌シートに接触させることができることから、効率的にウイルスを死滅させることができる。
【0047】
よって、複数人が集まった場所で使用する場合でも、飛沫によるウイルス感染を防止することができ、飛沫によるウイルス感染が流行している状況でも、カラオケ等のように複数人が集まって発声することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】自己音声認識装置の前方斜視図である(実施例1)。
【
図2】自己音声認識装置の後方斜視図である(実施例1)。
【
図3】自己音声認識装置の前方分解斜視図である(実施例1)。
【
図4】自己音声認識装置の後方分解斜視図である(実施例1)。
【
図5】アーム状ユニットの先端部分を示す斜視図である。
【
図6】
図3におけるアーム状ユニットのA-A断面図である。
【
図7】自己音声認識装置の使用状態を示す前方斜視図である(実施例1)。
【
図8】ファンユニットの応用例を示す斜視図である。
【
図9】自己音声認識装置の前方斜視図である(実施例2)。
【
図10】自己音声認識装置の後方斜視図である(実施例2)。
【
図11】自己音声認識装置の前方分解斜視図である(実施例2)。
【
図12】自己音声認識装置の後方分解斜視図である(実施例2)。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明においては、自己の音声を認識しやすくする自己音声認識装置において、複数人が集まった場所で使用する場合でも、飛沫によるウイルス感染を防止することができ、飛沫によるウイルス感染が流行している状況でも、カラオケ等のように複数人が集まって発声することができる自己音声認識装置を提供するという目的を以下のようにして実現した。
【実施例0050】
本発明に基づく自己音声認識装置1は、
図1~
図6に示すように構成され、装置本体3と、装置本体支持部100とを有している。
【0051】
ここで、装置本体3は、アーム状ユニット5と、除菌シート40と、シート状部50と、耳パッド60と、ファンユニット70を有している。除菌シート40とシート状部50と耳パッド60とファンユニット70は、アーム状ユニット5に取り付けられる。詳しくは後述する。
【0052】
アーム状ユニット5は、導音部7と、導音部7の先端から連設された呼気遮蔽ユニット30を有している。
【0053】
導音部7は、第1筒状部10と、第1筒状部10の先端から連設された第2筒状部20を有している。
【0054】
第1筒状部10は、後端側が閉鎖された筒状を呈し、板状の外板部12と、外板部12と平行(略平行としてもよい)に設けられた板状の内板部14と、外板部12の周端と内板部14の周端を連結する連結部16とを有している。
【0055】
ここで、外板部(第1外板部)12は、細長の板状を呈し、直線状の辺部12aと、辺部12aと平行な直線状の辺部12bと、辺部12aの後端(導音部7の基端側の端部)と辺部12bの後端(導音部7の基端側の端部)を結ぶ半円状(略半円状としてもよい)の辺部12cと、辺部12aの先端(導音部7の先端側の端部)と辺部12bの先端(導音部7の先端側の端部)を結び辺部12a、12bに対して直角の直線状の辺部12dにより囲まれた板状を呈している。
【0056】
また、内板部(第1内板部)14は、細長の板状を呈し、直線状の辺部14aと、辺部14aと平行な辺部14bと、辺部14aの後端(導音部7の基端側の端部)と辺部14bの後端(導音部7の基端側の端部)を結ぶ半円状の辺部14cと、辺部14aの先端(導音部7の先端側の端部)と辺部14bの先端(導音部7の先端側の端部)を結び辺部14a、14bに対して直角の直線状の辺部14dにより囲まれた板状を呈している。内板部14は、先端側が若干短く形成されている点を除いて、外板部12と同大同形状に形成されている。
【0057】
また、連結部16は、全体に帯状の板状に形成され、辺部12aと辺部14a間に設けられた連結部16-1と、辺部12bと辺部14b間に設けられた連結部16-2と、辺部12cと辺部14c間に設けられた連結部16-3とを有している。連結部16-1と連結部16-2は細長長方形状の板状であり、連結部16-3は、細長長方形状の板状を半円状(略半円状としてもよい)に湾曲させた形状を呈し、連結部16-3は、連結部16-1と連結部16-2間に設けられている。連結部16-1と連結部16-2は、互いに平行(略平行としてもよい)で、外板部12と内板部14に対して直角となっている。つまり、第1筒状部10は、四角筒状となっている。
【0058】
なお、外板部12と内板部14と連結部16-1、16-2は、平板状を呈している。
【0059】
内板部14の後端側の領域には、円形の開口部(第2開口部)15が設けられ、流入口R1から流入した発声音が導音部7を通して開口部15から流出し、耳パッド60に接する耳に発声音を伝えることができる。
【0060】
第1筒状部10は、上記のように構成されており、後端側が閉鎖された(つまり、連結部16-3により後端側が閉鎖されている)筒状を呈している。
【0061】
また、外板部12の先端側の領域には、開口部(第1開口部)12-1が設けられ、第1筒状部10内の空気は、開口部12-1からファンユニット70により排出される。この開口部12-1は、導音部7の先端から後端までの途中位置に設けられているといえる。
【0062】
また、外板部12の後端側の領域には、ネジ部110を挿通するための穴部12-2が設けられている。ネジ部110を穴部12-2に挿通するとともに、耳対応部106の穴部106cに挿通した状態で、ナット112をネジ部110に螺着することにより、装置本体3が装置本体支持部100に取り付けられる。
【0063】
第2筒状部20は、筒状を呈し、板状の外板部22と、外板部22と平行(略平行としてもよい)に設けられた板状の内板部24と、外板部22と内板部24を連結する一対の連結部26-1、26-2とを有している。
【0064】
ここで、外板部(第2外板部)22は、方形状の板状を呈し、直線状の辺部22aと、辺部22aと平行な直線状の辺部22bと、辺部12dに沿った直線状の辺部22cと、辺部22cと反対側の直線状の辺部とを有している。外板部22は、外板部12の先端側の端部から連設されていて、外板部12に対して屈曲している。つまり、内板部14の露出面(外板部12とは反対側の面)と内板部24の露出面(外板部22とは反対側の面)は、鈍角(具体的には、120度~150度)をなしている。
【0065】
また、内板部(第2内板部)24は、略方形状の(つまり、先端側が円弧状に切り欠かれた)板状を呈し、直線状の辺部24aと、辺部24aと平行な直線状の辺部24bと、辺部14dに沿った直線状の辺部24cと、辺部24cと反対側の円弧状の辺部24dとを有している。内板部24は、内板部14の先端側の端部から連設されていて、内板部14に対して屈曲している。つまり、外板部12の内側の面(内板部14側の面)と外板部22の内側の面(内板部24側の面)は、鈍角(具体的には、120度~150度)をなしている。
【0066】
また、連結部(第2連結部)26-1、26-2は、全体に帯状の板状に形成され、連結部26-1は、辺部22aと辺部24a間に設けられ、連結部26-2は、辺部22bと辺部24b間に設けられている。該連結部26-1は、連結部16-1の先端側の端部から連設され、連結部16-1と同一平面上に形成されているが、連結部16-1、26-1側の面側から視認した際に、連結部26-1は、連結部16-1に対して屈曲している。また、連結部26-2は、連結部16-2の先端側の端部から連設され、連結部16-2と同一平面上に形成されているが、連結部16-2、26-2側の面側から視認した際に、連結部26-2は、連結部16-2に対して屈曲している。連結部26-1と連結部26-2は、互いに平行(略平行としてもよい)で、外板部22と内板部24に対して直角となっている。つまり、第2筒状部20は、四角筒状となっている。
【0067】
なお、外板部22と内板部24と連結部26-1、26-2は、平板状を呈している。
【0068】
第2筒状部20は、上記のように、全体に筒状を呈し、第2筒状部20の内側の空間は、第1筒状部10の内側の空間と連通していて、第2筒状部20は、第1筒状部10に対して屈曲している。第2筒状部20は、第1筒状部10に対して屈曲しているので、呼気遮蔽部32を使用者の口の前に配置させることができる。
【0069】
第2筒状部20の先端には、流入口R1が設けられ、この流入口R1から呼気遮蔽ユニット30に吹き付けられた呼気や発声音が導音部7内に流入する。以上のように、導音部7は、先端側が開口した(つまり、第2筒状部20の先端側が開口している)筒状を呈している。
【0070】
なお、装置本体支持部100を使用者の頭部に装着した状態では、内板部14、24(つまり、内板部14、24の外板部12、22とは反対側の面)が使用者側を向き、外板部12、22(つまり、外板部12、22の内板部14、24とは反対側の面)が使用者側とは反対側を向く。
【0071】
次に、呼気遮蔽ユニット30は、第2筒状部20の先端(つまり、導音部7の先端の開口)から連設されていて、呼気遮蔽ユニット30は、外板部22の先端から連設された呼気遮蔽部(板状部)32と、呼気遮蔽部32の周端の一部から連設され、呼気遮蔽部32の面に対して直角に呼気遮蔽部32に対して立設した帯状の壁部34と、内板部24の先端(辺部24d)から連設され、内板部24の面に対して直角に内板部24に対して立設した帯状の壁部36とを有している。
【0072】
呼気遮蔽部32は、略円形の板状(より具体的には、平板状)を呈し、円弧状(略円弧状としてもよい)の辺部と、外板部22の先端側の辺部に沿った辺部に囲まれた形状を呈していて、呼気遮蔽部32の周端(つまり、輪郭)は、外板部22の前後方向(先端と後端を結ぶ方向)の中心線J1を介して左右線対称(略左右線対称としてもよい)に形成されている。
【0073】
呼気遮蔽部32においては、外板部22の外側の面から連続した面が外側の面32aとなり、外板部22の内側の面(内板部24側の面)から連続した面が内側の面32bとなる。この内側の面32bが、除菌シートを固定するための固定面となる。
【0074】
呼気遮蔽部32の幅(最大幅)N1は、外板部22の幅N2よりも長く形成されている。つまり、幅N1及び幅N2は、中心線J1と直角方向の長さであり、呼気遮蔽部32は、外板部22よりも幅広に形成されている。つまり、導音部7の最大幅はN2であるので、呼気遮蔽部32の幅(最大幅)N1は、導音部7の幅(最大幅)N2よりも長くなっている。このように、呼気遮蔽部32は、外板部22よりも幅広に形成され、さらに、周端が略円弧状に形成されているので、呼気遮蔽部32の内側の面32bは広い面積を有し、呼気を十分遮蔽することができるとともに、除菌シート40も大きくできるので、呼気中のウイルスを十分除去することができる。
【0075】
壁部34は、呼気遮蔽部32の内側の面に対して直角に立設し、略同一幅の帯状に形成されていて、呼気遮蔽部32の円弧状の周端に沿って形成されている。つまり、壁部34は、連結部26-1の先端から連設されて、呼気遮蔽部32の周端に沿って形成され、連結部26-2の先端まで形成されている。つまり、壁部34は、呼気遮蔽部32の円弧状の周端の全周にわたって形成されている。この壁部34により、除菌シート40に吹き付けられた呼気が呼気遮蔽部32の外周方向に漏れ出すのを止めることができる。
【0076】
なお、自己音声認識装置1を頭部に装着した状態では、呼気遮蔽ユニット30は、
図7に示すように、使用者Wの口の前方に位置し、呼気遮蔽部32の内側の面は、右側斜め後方を向くとともに、斜め上方を向いてて、壁部34は、使用者の顔の向きに対して背面側に位置するので、この壁部34により、除菌シート40に吹き付けられた呼気が呼気遮蔽部32の背面側に漏れ出すのを止めることができる。
【0077】
また、壁部36は、内板部24の外側の面に対して直角に立設し、略同一幅の帯状を呈し、略帯状の板形状が円弧状に湾曲された形状を呈している。
【0078】
これらの壁部34、36により、呼気遮蔽部32に固定された除菌シート40に吹き付けられた呼気(つまり、口や鼻から吐いた息)が呼気遮蔽部32の外周方向に拡散せず、導音部7内に吸い込まれやすくすることができる。
【0079】
アーム状ユニット5は、全体に合成樹脂により一体に形成されている。
【0080】
また、除菌シート40は、シート状を呈し、フェルト布のように液体を染みこませることができる材質で形成されている。除菌シート40は、円弧状の周端を有する本体部42と、本体部42から突出して連設された連設部44とを有している。本体部42の円弧の径は、呼気遮蔽部32の円弧の径と略同一に(厳密には、やや短く)形成され、本体部42が呼気遮蔽部32の内側の面に接着可能となっている。
【0081】
また、連設部(突状部)44は、方形状に形成され、横方向の幅L1は、連結部26-1と連結部26-2間の長さと略同一に(厳密には、やや短く)形成され、前後方向の長さL2は、外板部22の前後方向の長さ(軸線J1に沿った長さ)よりも短く形成されている。これにより、連設部44を外板部22の内側の面に接着可能となっている。連設部44は、外板部22の内側の面に接着され、外板部22における内板部24に対応する領域まで設けられていて、これにより、連設部44は、第2筒状部20の内側の面まで設けられている。
【0082】
除菌シート40には、アルコール溶液等の除菌液が塗布されていて、除菌シート40に吹き付けられた呼気中の飛沫に含まれる菌やウイルスを死滅させることができる。除菌シート40は、呼気遮蔽部32及び外板部22の内側の面に接着により固定されている。接着の方法は、任意であるが、例えば、両面接着テープにが用いられる。
【0083】
また、シート状部50は、円形のシート状部材であり、開口部15を塞ぐことができる大きさに形成されている。このシート状部50は、不織布により形成されている。このシート状部50により、流入口R1から流入した呼気中の飛沫が開口部15から外部に漏れて耳に入るのを防止することができるとともに、ファンユニット70のプロペラファン75が回転することによる吸引力により耳がひっぱられる不快感を防止することができる。なお、シート状部50を不織布製とすることにより、導音部7内を伝わる音声を耳に伝えるのに支障がない。例えば、シート状部50をパラフィン紙により形成する場合に比べて、不織布製とすることにより、導音部7を伝わる音声を開口部15を介して聞きやすくすることができる。
【0084】
また、耳パッド60は、円形の略ドーム状の柔軟部材であり、第1筒状部10の内板部14の後端領域、つまり、内板部14における開口部15が形成された領域をカバーするように内板部14に接着等により固定されている。開口部15(つまり、内板部14における開口部15が形成された領域)及びシート状部50は、耳パッド60によりカバーされている。耳パッド60は、例えば、スポンジ状の合成樹脂により形成されている。耳パッド60は、装置本体支持部100を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の耳(左耳)に接する。
【0085】
また、ファンユニット70は、外板部12の外側の面に取り付けられていて、ファンユニット70は、略直方体形状のケース部(筐体)71と、ケース部71内に設けられたモータ(駆動部)74と、モータ74により回転するプロペラファン(ファン)75とを有し、ケース部71の内面部71-1(外板部12側の面、導音部7側の面)には、開口部(吸引口)72が設けられ、外面部71-2(内面部71-1と反対側の面、導音部7側とは反対側の面)には、開口部(排出口)73が設けられている。ケース部71は、開口部12-1の位置に設けられ、開口部72は、開口部12-1と連通している。ファンユニット70は、いわゆるファンモータにより構成されている。ファンユニット70は、開口部72から空気を吸引して開口部73から排出することにより、導音部7内の空気を排出するものである。
【0086】
ケース部71の内面部71-1の外周の輪郭は開口部12-1よりも大きく形成され、ケース部71は、外板部12の外側の面にケース部71の内面部71-1が開口部12-1を塞ぐように取り付けられ、開口部72と開口部12-1が連通している。
【0087】
モータへの給電については、ファンユニット70から導出されたケーブル79からモータに給電されるが、給電の方法は任意であり、ケーブル79を乾電池や充電池等の直流電源に接続する方法や、ACアダプタを介して交流電源に接続する方法が考えられる。直流電源に接続する場合の例としては、ケーブル79をスイッチ付きの電池ボックスに接続し、該電池ボックスに乾電池を入れた状態でスイッチをオン操作することによりプロペラファン75が回転する方法や、給電する電圧値を数段階に切り換えることができる電圧調整回路を備えた充電池ボックスに接続し、該充電池ボックスに設けられたスイッチを切換え操作することにより、プロペラファン75の回転数を調整する方法が考えられる。また、交流電源に接続する場合の例としては、ケーブル79にUSB端子を設け、該USB端子を交流電源に接続されたACアダプタに接続することにより、ACアダプタにより交流電圧から直流電圧に変換してモータに給電する方法が考えられる。
【0088】
プロペラファン75が回転することにより、導音部7の流入口R1から気体が流入し、開口部12-1及び開口部72を経て、開口部73から排出される。
【0089】
また、装置本体支持部100は、支持部本体102と、カバー部108と、カバー部118と、耳パッド120とを有している。
【0090】
支持部本体102は、ヘッドバンド104と、ヘッドバンド104の左側の端部に連設された耳対応部106と、ヘッドバンド104の右側の端部に連設された耳対応部116とを有している。支持部本体102は、全体に合成樹脂により一体に形成されている。
【0091】
ヘッドバンド104は、全体に帯状部材を略円弧状に湾曲した形状を呈している。つまり、ヘッドバンド104は、装置本体支持部100を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の頭部の表面に沿うように湾曲した略帯状を呈している。
【0092】
耳対応部(接続部、耳当て部)106は、略円弧状の枠状部106aと、枠状部106aの外側(外板部12側とは反対側)の端部から枠状部106aの中央側(略円弧状における中心側)に連設された凹状部106bを有し、凹状部106bの略中心には、ネジ部110が挿通するための穴部106cが設けられている。支持部本体102が第1筒状部10に取り付けられた状態では、枠状部106aの内側の端部と凹状部106aの内側の端部は、外板部12の外側の面に接した状態となっている。耳対応部106は、装置本体支持部100を装置本体3と接続する接続部として機能する。
【0093】
耳対応部(耳当て部)116は、耳対応部106と左右対称に形成されている。
【0094】
カバー部108は、円形の略ドーム状の剛性部材であり、耳対応部106の凹状部106bの外側の面をカバーするように枠状部106aの外側に接着等により固定されている。ネジ部110の先端とナット112は、このカバー部108によりカバーされている。
【0095】
耳対応部106と第1筒状部10の外板部12は、ネジ部110とナット112により固定されているので、耳対応部106は外板部12に対して回転可能であり、アーム状ユニット5が耳対応部106に対して回転可能となる程度にナット112を締め付けておくことにより、装置本体3を装置本体支持部100に対してネジ部110の軸部110aを中心に回転させることができる。
【0096】
また、カバー部118は、カバー部108と左右対称に形成され、円形の略ドーム状の剛性部材であり、耳対応部116の凹状部(凹状部106bと同様の構成の凹状部)の外側の面をカバーするように枠状部(枠状部106aと同様の構成の枠状部)の外側に接着等により固定されている。
【0097】
また、耳パッド120は、円形の略ドーム状の柔軟部材であり、耳対応部116の内側をカバーするように耳対応部116に接着等により固定されている。
【0098】
装置本体支持部100における耳パッド120以外の構成は、剛性の部材(例えば、合成樹脂)により形成されている。
【0099】
上記ヘッドバンド104と、耳対応部116と、カバー部118と、耳パッド120とで、頭部装着部121が構成され、この頭部装着部121は、耳対応部116から連設され、装置本体支持部100を使用者の頭部に装着した状態で、使用者の頭部に固定して装着されるものである。
【0100】
なお、頭部装着部としては、耳対応部116とカバー部118と耳パッド120の構成が省略されたものでもよく、耳対応部106からヘッドバンド104のみが連設された構成として、ヘッドバンド104を頭部に装着することにより、装置本体支持部100を頭部に装着する構成としてもよい。つまり、この場合には、装置本体支持部100は、ヘッドバンド104と耳対応部106のみからなる構成となる。
【0101】
また、耳対応部116と、カバー部118と、耳パッド120とで、耳接触ユニット122(ヘッドバンド104の耳対応部106とは反対側の端部から連設された耳接触ユニット)が構成され、この耳接触ユニット122は、ヘッドバンド104の耳対応部106側とは反対側の端部から連設され、開口部15側の耳とは反対側の耳に接する耳パッド120を有するものである。
【0102】
装置本体支持部100を使用者の頭部に装着した状態では、使用者の口から出る呼気が除菌シート40に吹き付けられる位置に呼気遮蔽部32が配置される。なお、除菌シート40が呼気遮蔽部32及び外板部22に接着されていない状態では、使用者の口から出る呼気が呼気遮蔽部32(具体的には、呼気遮蔽部32の内側の面32b(固定面))に吹き付けられる位置に呼気遮蔽部32が配置される。
【0103】
上記構成の自己音声認識装置1の使用方法について説明する。自己音声認識装置1を使用するには、
図7に示すように、自己音声認識装置1を使用者Wの頭部に装着する。つまり、ヘッドバンド104が頭部の上方にある状態で、耳パッド60が左耳に接し、耳パッド120が右耳に接した状態する。つまり、ヘッドホンを装着する要領で、自己音声認識装置1を頭部に装着する。自己音声認識装置1を頭部に装着した状態では、第1筒状部10が顔の左側に位置する。
【0104】
その後、装置本体3の装置本体支持部100に対する回動角度を調整して、使用者の口の前方に呼気遮蔽ユニット30が位置するようにする。以上のようにして、自己音声認識装置1を頭部に装着する。
【0105】
自己音声認識装置1を頭部に装着したら、ファンユニット70の電源をオンとしてプロペラファン75が回転した状態で、使用者が歌唱等の発声をする。すると、使用者の口から発せられた音声は、導音部7内を通って開口部15から流出して、耳パッド60に接した耳に伝えられる。
【0106】
これにより、使用者は、自分の音声を十分認識することができる。つまり、通常人間の口から出た音声は骨伝導を通じて耳に伝えられるが、骨伝導による音声の伝達能力が低い使用者であっても、自分の音声を認識しやすくすることができる。また、カラオケの伴奏音やコーラスにおける他人の声等のように、自己の音声以外の音が耳に入る環境の場合でも、自己を音声を認識しやすくできる。自己の音声を認識しやすくできるので、自己が意図する発声がしやすくなり、例えば、歌唱においては、音程や歌詞の誤りを防止し、また、英語学習においては、発音の誤りを防止することができる。
【0107】
さらに、使用者が発声することにより呼気遮蔽ユニット30に向けて吹き付けられた呼気は除菌シート40に接触した後に、ファンユニット70による吸引力により流入口R1から導音部7内に流入し、導音部7の開口部12-1からファンユニット70を経てファンユニット70の開口部73から排出される。呼気中の飛沫は除菌シート40に接触するので、飛沫中のウイルスを死滅させることができ、開口部73から排出される空気は除菌されている。
【0108】
特に、ファンユニット70により呼気を吸引しているので、呼気は周囲に拡散することなく、除菌シート40に接触しやすくでき、また、呼気遮蔽ユニット30の周りの呼気も吸引して、除菌シート40に接触させることができることから、効率的にウイルスを死滅させることができる。また、除菌シート40の連設部44は、第2筒状部20の内側の面にも設けられているので、第2筒状部20内を呼気が通過する際にも、飛沫が連設部44に接して飛沫中のウイルスを死滅させることができる。
【0109】
さらには、使用者の呼気は、ファンユニット70の開口部73から排出されて、呼気は使用者の前側ではなく側方に排出されているので、使用者が他の人と対面して会話する場合には、対面している人に飛沫が到達するおそれを小さくでき、対面している人が飛沫感染するおそれを防止することができる。ただし、開口部73から排出される空気は、上記のように除菌されているので、使用者の側方に排出することにより、より安全にすることができる。
【0110】
これにより、複数人が集まった場所で使用する場合でも、飛沫によるウイルス感染を防止することができ、飛沫によるウイルス感染が流行している状況でも、カラオケ等のように複数人が集まって発声することができる。
【0111】
上記実施例1の自己音声認識装置1の応用例として、
図8に示すような構成としてもよい。
【0112】
すなわち、
図8に示す構成においては、ケース部71の外面部71-2に開口部73を開閉するためのカバー部76と、カバー部76を回動自在に軸支するためのネジ部78と、開口部73を閉じた状態のカバー部76を固定するための押さえ部77が設けられている。ここで、カバー部76は、方形状の板状を呈し、外面部71-2の外形と略同一の形状を有し、カバー部76を外面部71-2に重ねた状態では、カバー部76が開口部73をカバーするようになっている。このカバー部76には、ネジ部78の軸部を挿通するための穴部(図示せず)が設けられ、この穴部の径は、ネジ部78の頭部の径よりも小さく形成されている。
【0113】
また、ネジ部78は、頭部と頭部から連設された軸部とを有し、外面部71-2の角部に設けられたネジ穴に螺合されている。なお、ネジ部78の締付け具合は、カバー部76がネジ部78の軸部を中心に回動可能な程度となっている。
【0114】
また、押さえ部77は、板状を呈し、平板状の基端部77-1と、基端部77-1から連設され略円弧状に湾曲した先端部77-2とを有している。基端部77-1の基端側には、穴部が設けられ、該穴部にネジ部78の軸部が挿通されている。押さえ部77の穴部の径は、ネジ部78の頭部の径よりも小さく形成されている。この押さえ部77は、カバー部76とネジ部78の頭部の間に設けられている。押さえ部77の長手方向の長さは、
図8(a)に示すように、カバー部76を閉じた状態で、押さえ部77をカバー部76の辺部に対して斜めにして、押さえ部77の先端をカバー部76の対角位置の方向に向けた場合に、先端部77-2の先端が、カバー部76の中央領域に位置するような長さとなっている。このように、先端部77-2の先端がカバー部76の中央領域に位置することにより、カバー部76が開口部73を閉じた状態でカバー部76を固定することができる。
【0115】
このカバー部76の使用方法としては、プロペラファン75を回転させて使用する場合には、
図8(b)に示すように、カバー部76を開口部73に対して開けた状態とし、一方、周囲に人がおらず一人で使用する場合には、プロペラファン75を回転させる必要がない(つまり、呼気を吸引する必要がない)ので、
図8(a)に示すように、カバー部76により開口部73を閉じた状態する。つまり、開口部73が開いていると、開口部73から音声が漏れてしまい、開口部15からの音声が聞きづらいおそれがあるので、プロペラファン75を使用しない場合には、カバー部76により開口部73を閉じた状態とする。
【0116】
なお、上記の説明においては、耳パッド60が左耳に接し、耳パッド120が右耳に接する状態で、自己音声認識装置1を装着し、自己音声認識装置1を装着した状態では、装置本体3、特に、第1筒状部10が顔の左側に位置するものとして説明したが、自己音声認識装置1を左右対称の構成として、自己音声認識装置1を装着した場合には、装置本体3、特に、第1筒状部10が顔の右側に位置する構成としてもよい。
【0117】
自己音声認識装置1を左右対称の構成とした場合に、自己音声認識装置1を頭部に装着した状態では、使用者の口の前方に位置する呼気遮蔽ユニット30においては、呼気遮蔽部32の内側の面は、左側斜め後方を向くとともに、斜め上方を向くが、壁部34が左右対称に構成されるので、壁部34は、使用者の顔の向きに対して背面側に位置し、壁部34により、除菌シート40に吹き付けられた呼気が呼気遮蔽部32の背面側に漏れ出すのを止めることができる。
次に、実施例2の自己音声認識装置について説明する。実施例2の自己音声認識装置1’は、実施例1の自己音声認識装置1と略同様の構成であるが、ファンユニットにおいて、プロペラファンの代わりにシロッコファンを用いている点が異なる。
ここで、アーム状ユニット5は、導音部7と、導音部7の先端から連設された呼気遮蔽ユニット30を有し、導音部7は、第1筒状部10と、第1筒状部10の先端から連設された第2筒状部20を有している。
ここで、第1筒状部10の構成は、実施例1の第1筒状部10の構成と略同一であるが、外板部12の先端側の領域に設けられた開口部12-1’は、実施例1の開口部12-1と異なり、円形である点が異なる。
第1筒状部10の構成は、上記の点を除き、実施例1の第1筒状部10と同様であるので、詳しい説明を省略する。また、第2筒状部20は、実施例1の第2筒状部20と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。アーム状ユニット5は、全体に合成樹脂により一体に形成されている。
ケース部82は、円形の外面部(閉鎖面部)82-1と、外面部82-1の周端から立設された筒状(具体的には、円筒状)の側面部82-2を有している。側面部82-2の内側の端部(外面部82-1とは反対側の端部)は、開口していて、開口端(吸引口)84が設けられている。開口端84は、開口部12-1’の位置に設けられ、開口端84と開口部12-1’とは連通している。側面部82-2には、排気用の開口部(排出口)85が設けられている。つまり、開口部85は、ケース部82におけるシロッコファン90の周面に対応した位置に設けられている。
なお、側面部82-2は、シロッコファン90の周面の外側に形成された略筒状を呈していればよく、例えば、側面部82-2の周方向に対する直角方向の幅全体に切り欠いた切欠きを設けて、該切欠きを排出口としてもよい。
この開口部85の側面部82-2における形成位置は、シロッコファン90の回転中心をなす軸線J3に対する直角方向の仮想直線で開口部85の中心を通る仮想直線J4の方向が、外板部12の前後方向(先端と後端を結ぶ方向)の中心線J2に対して直角となる位置となっている。これにより、開口部85から排出される空気は、自己音声認識装置1を頭部に装着して使用する状態では、使用者の前方には排出されないようになっていて、他の人と対面する場合に、対面する人に飛沫が到達するおそれを小さくすることができる。なお、仮想直線J4における軸線J3側から反対側への方向が、軸線J2に対する直角方向よりも外板部12の後端側となるような位置に開口部85を設ける(つまり、側面部82-2における仮想平面(軸線J3を通るとともに、軸線J2に対して垂直な仮想平面)よりも後端側の領域に開口部85を設ける)ことにより、外板部12における後端方向に向けて空気を排出できるので、より使用者の前方に排出されないようにすることができ、他の人と対面する場合に、対面する人に飛沫が到達するおそれをより小さくすることができる。例えば、開口部85を第1筒状部10の後端側の方向(軸線J2における後端側の方向)に設ける。ただし、開口部85から排出される空気は、上記のように除菌されているので、使用者の前方に排出されないようにすることにより、より安全にすることができる。
外面部82-1の内側の面には、モータ(駆動部)86が固定して設けられ、モータ86は、外面部82-1の内側の面に固定されたモータ本体87と、モータ本体87から内側に突出した回転軸88を有し、回転軸88は、モータ本体87から突出した本体部88-1と、本体部88-1の先端から突出した先端部88-2とを有し、先端部88-2は、本体部88-1と同軸に形成され、先端部88-2の径は、本体部88-1の径よりも小さく形成されている。先端部88-2には、ネジ溝が周設されている。この先端部88-2には、ナット99が螺合する。
モータ86への給電の方法は、実施例1と同様であり、ファンユニット80から導出されたケーブル89からモータ86に給電されるが、給電の方法は任意であり、ケーブル89を乾電池や充電池等の直流電源に接続する方法や、ACアダプタを介して交流電源に接続する方法が考えられる。直流電源に接続する場合の例としては、ケーブル89をスイッチ付きの電池ボックスに接続し、該電池ボックスに乾電池を入れた状態でスイッチをオン操作することによりシロッコファン90が回転する方法や、給電する電圧値を数段階に切り換えることができる電圧調整回路を備えた充電池ボックスに接続し、該充電池ボックスに設けられたスイッチを切換え操作することにより、シロッコファン90の回転数を調整する方法が考えられる。また、交流電源に接続する場合の例としては、ケーブル89にUSB端子を設け、該USB端子を交流電源に接続されたACアダプタに接続することにより、ACアダプタにより交流電圧から直流電圧に変換してモータ86に給電する方法が考えられる。
シロッコファン(ファン)90は、外面部92と、外面部92の円環状部93と間隔を介して内側に設けられた円環状部96と、外面部92と円環状部96間に設けられた複数の羽根部98を有している。
外面部92は、円環状の板状を呈する円環状部93と、円環状部93の内周端から内側に連設された凹部94とを有している。円環状部93の外径と円環状部96の外径は同一(略同一としてもよい)に形成され、円環状部96の径方向の幅は、円環状部93の径方向の幅よりも短く成形されている。
凹部94は、円筒状の側面部94-1と、側面部94-1の内側の端部を閉鎖する内板部94-2を有し、凹部94内には、モータ86(特に、モータ本体87)が収納されている。この内板部94-2には、先端部88-2が挿通する穴部94aが設けられ、穴部94aの径は、本体部88-1の径よりも小さく形成され、穴部94aに先端部88-2を挿通した状態でナット99を螺合することにより、内板部94-2は、本体部88-1とナット99により挟まれた状態となって、シロッコファン90が回転軸88に固定される。
モータ86が回転することにより、円環状部96の内側の開口から吸引された空気は、羽根部98に沿った周面の外側に排出される。つまり、導音部7内の空気は、開口部12-1’を介してシロッコファン90により吸引され、ケース部82の開口部85から排出される。
上記構成の自己音声認識装置1’の使用方法について説明する。自己音声認識装置1’を使用するには、実施例1の場合と同様に、自己音声認識装置1’を使用者の頭部に装着する。つまり、ヘッドバンド104が頭部の上方にある状態で、耳パッド60が左耳に接し、耳パッド120が右耳に接した状態する。自己音声認識装置1’を頭部に装着した状態では、第1筒状部10が顔の左側に位置する。
その後、装置本体3の装置本体支持部100に対する回動角度を調整して、使用者の口の前方に呼気遮蔽ユニット30が位置するようにする。以上のようにして、自己音声認識装置1’を頭部に装着する。
自己音声認識装置1’を頭部に装着したら、ファンユニット80の電源をオンとしてシロッコファン90が回転した状態で、使用者が歌唱等の発声をする。すると、使用者の口から発せられた音声は、導音部7内を通って開口部15から流出して、耳パッド60に接した耳に伝えられる。
これにより、使用者は、自分の音声を十分認識することができる。つまり、骨伝導による音声の伝達能力が低い使用者であっても、自分の音声を認識しやすくすることができる。また、カラオケの伴奏音やコーラスにおける他人の声等のように、自己の音声以外の音が耳に入る環境の場合でも、自己を音声を認識しやすくできる。自己の音声を認識しやすくできるので、自己が意図する発声がしやすくなり、例えば、歌唱においては、音程や歌詞の誤りを防止し、また、英語学習においては、発音の誤りを防止することができる。
さらに、使用者が発声することにより呼気遮蔽ユニット30に向けて吹き付けられた呼気は除菌シート40に接触した後に、ファンユニット80による吸引力により流入口R1から導音部7内に流入し、導音部7の開口部12-1’からファンユニット80を経てファンユニット80の開口部85から排出される。呼気中の飛沫は除菌シート40に接触するので、飛沫中のウイルスを死滅させることができる。
特に、ファンユニット80により呼気を吸引しているので、呼気は周囲に拡散することなく、除菌シート40に接触しやすくでき、また、呼気遮蔽ユニット30の周りの呼気も吸引して、除菌シート40に接触させることができることから、効率的にウイルスを死滅させることができる。また、除菌シート40の連設部44は、第2筒状部20の内部に設けられているので、第2筒状部20内を呼気が通過する際にも、飛沫が連設部44に接して飛沫中のウイルスを死滅させることができる。
さらには、使用者の呼気は、ファンユニット80の開口部85から排出されて、呼気は使用者の前側ではなく側方に排出されるので、使用者が他の人と対面して会話する場合には、対面している人に飛沫が到達することがなく、対面している人が飛沫感染するおそれを防止することができる。
これにより、複数人が集まった場所で使用する場合でも、飛沫によるウイルス感染を防止することができ、飛沫によるウイルス感染が流行している状況でも、カラオケ等のように複数人が集まって発声することができる。
また、実施例2の自己音声認識装置1’によれば、ファンユニット80がシロッコファン90を有するので、実施例1においてプロペラファン75を用いた場合に比べて、ファン回転時の音が小さく、導音部7を通じた音声の認識が容易であり、小さな声で発声した場合でも認識することが可能となる。
なお、実施例1で説明したのと同様に、自己音声認識装置1’を左右対称の構成として、自己音声認識装置1’を装着した場合には、装置本体3’、特に、第1筒状部10が顔の右側に位置する構成としてもよい。
自己音声認識装置1’を左右対称の構成とした場合に、自己音声認識装置1’を頭部に装着した状態では、使用者の口の前方に位置する呼気遮蔽ユニット30においては、呼気遮蔽部32の内側の面は、左側斜め後方を向くとともに、斜め上方を向くが、壁部34が左右対称に構成されるので、壁部34は、使用者の顔の向きに対して背面側に位置し、壁部34により、除菌シート40に吹き付けられた呼気が呼気遮蔽部32の背面側に漏れ出すのを止めることができる。