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特開2022-122215地震破壊した接続ビームを完全に切断する補強装置および工法
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  • 特開-地震破壊した接続ビームを完全に切断する補強装置および工法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122215
(43)【公開日】2022-08-22
(54)【発明の名称】地震破壊した接続ビームを完全に切断する補強装置および工法
(51)【国際特許分類】
   E04G 23/02 20060101AFI20220815BHJP
   E04G 23/08 20060101ALI20220815BHJP
   E04H 9/02 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
E04G23/02 F
E04G23/08 D
E04H9/02 301
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021039595
(22)【出願日】2021-03-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-02
(31)【優先権主張番号】202110181403.0
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519295166
【氏名又は名称】▲広▼州大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】王廷彦
【テーマコード(参考)】
2E139
2E176
【Fターム(参考)】
2E139AA01
2E139AC19
2E139BD02
2E176AA07
2E176BB28
2E176DD21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】地震破壊した接続ビームを完全に切断し、非エネルギー散逸セグメントにエネルギー散逸セグメントを取り付ける補強装置および工法を提供する。
【解決手段】壁柱と接続ビームの接続部に沿って地震破壊した接続ビームを全部切断し、壁柱の端面の取付ノッチを研磨し切断部をクリーンアップする。エネルギー散逸セグメントの取付位置に、地震破壊した接続ビームの長さに応じた、非エネルギー散逸セグメントであるI型鋼のビームを取付け、I型鋼のビームの端部を取付ノッチに取り付ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端がそれぞれ地震破壊した接続ビームの2つの切断端部に取り付けられる非エネルギー
散逸セグメントを含み、前記非エネルギー散逸セグメント上のエネルギー散逸セグメント
を埋め込んで配置することが可能であり、
前記非エネルギー散逸セグメントは、I型鋼のビームであり、
前記エネルギー散逸セグメントは、エネルギー散逸ブロック(1)、および前記エネルギ
ー散逸ブロック(1)の両端に取り付けられI型鋼のビームを接続するための第1の接続
部品(2)を含み、
前記エネルギー散逸ブロック(1)は、エネルギー散逸ブロック本体(11)、エネルギ
ー散逸ブロック本体(11)内部に取り付けられた2つのエネルギー散逸コンポーネント
(12)、エネルギー散逸ブロック本体(11)内部に取り付けられ2つの前記エネルギ
ー散逸コンポーネント(12)間に位置するエネルギー散逸ボール(13)、エネルギー
散逸ブロック本体(11)内部に取り付けられ2つの前記エネルギー散逸コンポーネント
(12)下端に位置するエネルギー散逸パッド(14)、およびエネルギー散逸ブロック
本体(11)上端に取り付けられたエネルギー伝達ブロック(15)を含み、
前記エネルギー散逸コンポーネント(12)は、取付ブロック(120)、それぞれ取付
ブロック(120)の上端面、下端面、左端面、右端面に可動に取り付けられた上部スラ
イダー(121)、下部スライダー(122)、左側スライダー(123)、右側スライ
ダー(124)を含み、前記上部スライダー(121)と下部スライダー(122)との
間にバネ(125)が設けられ、前記左側スライダー(123)と右側スライダー(12
4)とは同じ構造を有し、左側スライダー(123)と右側スライダー(124)とは取
付ブロック(120)を中心として対向して配置され、左側スライダー(123)、右側
スライダー(124)と上部スライダー(121)、下部スライダー(122)の接触端
面がそれぞれ傾斜面であり、
前記エネルギー散逸ボール(13)の左端および右端それぞれが一方のエネルギー散逸コ
ンポーネント(12)の左側スライダー(123)の一端、他方のエネルギー散逸コンポ
ーネント(12)の右側スライダー(124)の一端に接続され、第1の接続部品(2)
が一方のエネルギー散逸コンポーネント(12)の左側スライダー(123)の他端、他
方のエネルギー散逸コンポーネント(12)の右側スライダー(124)の他端に接続さ
れ、
前記エネルギー散逸パッド(14)が下部スライダー(122)に接続され、前記エネル
ギー伝達ブロック(15)が上部スライダー(121)に接続される、ことを特徴とする
地震破壊した接続ビームを完全に切断する補強装置。
【請求項2】
前記エネルギー散逸ブロック(1)は、エネルギー散逸コンポーネント(16)をさらに
含み、前記エネルギー散逸コンポーネント(16)は2つあり、2つのエネルギー散逸コ
ンポーネント(16)がエネルギー散逸ブロック本体(11)内部に取り付けられそれぞ
れエネルギー散逸ボール(13)の上端および下端に位置し、
前記エネルギー散逸コンポーネント(16)は、一端がエネルギー散逸ボール(13)と
接触する接触エネルギー伝達ブロック(161)、前記接触エネルギー伝達ブロック(1
61)の他端に接続されたダンパー(162)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載
の補強装置。
【請求項3】
前記第1の接続部品(2)は、I字形構造の接続ブロック(21)、前記接続ブロック(
21)に開設されたI字形のスロット(22)、接続ブロック(21)の縦方向端面に設
けられI字形のスロット(22)を貫通する第1の固定ノッチ(23)、および接続ブロ
ック(21)の横方向端面に設けられI字形のスロット(22)を貫通する第2の固定ノ
ッチ(24)を含み、
前記非エネルギー散逸セグメントの第1の接続部品(2)との接続端がI字形のスロット
(22)内に挿入可能であり、非エネルギー散逸セグメントの第1の接続部品(2)との
接続端に、第1の固定ノッチ(23)に対応する第1の接続溝及び第2の固定ノッチ(2
4)に対応する第2の接続溝が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の補強装置
【請求項4】
前記非エネルギー散逸セグメントが切断端部と第2の接続部品(3)を介して接続され、
前記第2の接続部品(3)は、壁柱内部に埋め込んで配置された埋込ブロック(31)、
および埋込ブロック(31)の側面に設けられ非エネルギー散逸セグメントを接続するた
めの接続シート(32)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の補強装置。
【請求項5】
前記補強装置は、地震破壊した接続ビームを交換するために使用され、前記地震破壊した
接続ビームは具体的に地震後の鉄筋コンクリート接続ビームの破壊部分であり、鉄筋コン
クリート接続ビームのアスペクト比がL/H≦5である、ことを特徴とする請求項1に記
載の補強装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の補強装置を使用して地震破壊した接続ビームを全部
切断して補強する工法であって、
ステップ1:地震破壊した接続ビームの切断
1)壁柱と接続ビームの接続部に沿って地震破壊した接続ビームを全部切断する、
2)地震破壊した接続ビームを切断した壁柱の端面に取付ノッチを切り取る、
3)壁柱の鉄筋部分が露出するまで、取付ノッチを研磨し、切断部をクリーンアップする
ステップと、
ステップ2:補強装置の取付
1)非エネルギー散逸セグメントに、エネルギー散逸セグメントの取付位置をカットし、
地震破壊した接続ビームの長さに応じて同じ長さのI型鋼のビームを選択し、選択された
I型鋼のビームにエネルギー散逸セグメントの取付位置をカットして、カットした2つの
非エネルギー散逸セグメントを取得し、そのうちに、エネルギー散逸セグメントの取付位
置をカットする場合I型鋼のビームの両端に取付ノッチの深さと等しい距離を確保する必
要がある、
7)カットしたいずれか一方の非エネルギー散逸セグメントを1つの取付ノッチに取り付
け、エネルギー散逸セグメントを取り付け、その後カットした他方の非エネルギー散逸セ
グメントをエネルギー散逸セグメント、他方の取付ノッチ間に取り付けるステップと、
を含むことを特徴とする工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震破壊した建物の補修の技術分野に関し、具体的に地震破壊した接続ビーム
を完全に切断する補強装置および工法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ほとんどの鉄筋コンクリート建物は耐震壁構造システム、フレーム-耐震壁を採用
しているが、耐震壁構造とフレーム-耐震壁構造では、壁柱と壁柱を接続して壁柱の平面
内で連結したビームが接続ビームと呼ばれる。
【0003】
近年、地震後の機能の急速な回復は、建築の分野で注目されている研究テーマとなってい
る。鉄筋コンクリート建物のほとんどは現在、依然としてRC結合壁が採用され、地震の
往復作用の下で、RC接続ビームが最初に降伏して地震によって引き起こされた負荷を散
逸する。実際の用途では、高層ビルの接続ビーム全体の両端がRC壁柱内部に埋め込まれ
、かつ自身の質量が大きいため、地震後に直接補修することが困難である。また、交換に
は時間と労力がかかる。
【0004】
現代社会の高度な経済と持続可能なサークルへの需要により、安全を確保する上で地震後
の建物構造機能の迅速な補修を実現する方法が差し迫っている。そのため、地震後の鉄筋
コンクリート建物の接続ビームの補修方法が急務となっている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、地震で破壊した接続ビームを完全に切断する補強装置および工法を提供
することである。
【0006】
本発明の技術的解決策として、地震破壊した接続ビームを完全に切断する補強装置は、両
端がそれぞれ地震破壊した接続ビームの2つの切断端部に取り付けられる非エネルギー散
逸セグメントを含み、前記非エネルギー散逸セグメント上のエネルギー散逸セグメントを
埋め込んで配置することができる。
【0007】
本発明の一態様として、前記非エネルギー散逸セグメントはI型鋼のビームであり、
前記エネルギー散逸セグメントは、エネルギー散逸ブロック、および前記エネルギー散逸
ブロック両端に取り付けられI型鋼のビームを接続するための第1の接続部品を含み、
前記エネルギー散逸ブロックは、エネルギー散逸ブロック本体、エネルギー散逸ブロック
本体内部に取り付けられた2つのエネルギー散逸コンポーネント、エネルギー散逸ブロッ
ク本体内部に取り付けられ2つの前記エネルギー散逸コンポーネント間に位置するエネル
ギー散逸ボール、エネルギー散逸ブロック本体内部に取り付けられ2つの前記エネルギー
散逸コンポーネント下端に位置するエネルギー散逸パッド、およびエネルギー散逸ブロッ
ク本体上端に可動に取り付けられたエネルギー伝達ブロックを含み、
前記エネルギー散逸コンポーネントは、取付ブロック、それぞれ取付ブロック上端面、下
端面、左端面、右端面に可動に取り付けられた上部スライダー、下部スライダー、左側ス
ライダー、右側スライダーを含み、前記上部スライダー、下部スライダー間にバネがさら
に設けられ、前記左側スライダー、右側スライダーは同じ構造を有し、左側スライダー、
右側スライダー取付ブロックを中心として対向して配置され、左側スライダー、右側スラ
イダーと上部スライダー、下部スライダーの接触端面がそれぞれ傾斜面であり、
前記エネルギー散逸ボールの左端および右端がそれぞれ一方のエネルギー散逸コンポーネ
ントの左側スライダーの一端、他方のエネルギー散逸コンポーネントの右側スライダーの
一端に接続され、第1の接続部品が一方のエネルギー散逸コンポーネントの左側スライダ
ーの他端、他方のエネルギー散逸コンポーネントの右側スライダーの他端に接続され、
前記エネルギー散逸パッド与下部スライダー接続、前記エネルギー伝達ブロック与上部ス
ライダー接続、利用本補強装置使得エネルギー散逸セグメントは一定の自己回復能力を有
し、小さい地震エネルギーに対応するとき自身の補修能力によって耐震効果を実現するこ
とができる。
【0008】
本発明の一態様として、前記エネルギー散逸ブロックは、エネルギー散逸コンポーネント
をさらに含み、前記エネルギー散逸コンポーネントが2つあり、2つのエネルギー散逸コ
ンポーネントがエネルギー散逸ブロック本体内部に取り付けられそれぞれエネルギー散逸
ボールの上端および下端に位置し、
前記エネルギー散逸コンポーネントは、一端がエネルギー散逸ボールと接触する接触エネ
ルギー伝達ブロック、前記接触エネルギー伝達ブロックの他端に接続されたダンパーを含
み、ダンパーは従来技術のダンパーが採用され、エネルギー散逸コンポーネントによって
エネルギー散逸セグメントの耐震性をさらに高めるとともに、自己回復能力をさらに向上
できる。
【0009】
本発明の一態様として、前記第1の接続部品は、I字形構造の接続ブロック、前記接続ブ
ロックに開設されたI字形のスロット、接続ブロックの縦方向端面に設けられI字形のス
ロットを貫通する第1の固定ノッチ、および接続ブロックの横方向端面に位置しI字形の
スロットを貫通する第2の固定ノッチを含み、
前記非エネルギー散逸セグメントの第1の接続部品との接続端がI字形のスロット内に挿
入され得、非エネルギー散逸セグメントの第1の接続部品との接続端に、第1の固定ノッ
チに対応する第1の接続溝、第2の固定ノッチに対応する第2の接続溝が設けられ、固定
ノッチと接続溝を使用して高強度ボルトで接続された方式によって、非エネルギー散逸セ
グメントとエネルギー散逸セグメントを接続し、後期の交換に便利である。
【0010】
好ましくは、前記非エネルギー散逸セグメントが切断端部と第2の接続部品を介して接続
され、前記第2の接続部品は、壁柱内部に埋め込んで配置された埋込ブロック、および埋
込ブロック側面に設けられ非エネルギー散逸セグメントを接続するための接続シートを含
み、地震破壊した接続ビームを切断するとき、接続ビームと壁柱の接続領域をクリーンア
ップし、埋込ブロックを介して壁柱内部の鉄筋を半田付けて埋込ブロックを壁柱内部に埋
め込んだ後、強化ボルトによって補強し、非エネルギー散逸セグメントと接続シートを接
続する。
【0011】
本発明の一態様として、前記補強装置は、地震破壊した接続ビームを交換するために使用
され、前記地震破壊した接続ビームは具体的に地震で破壊した鉄筋コンクリート接続ビー
ムの破壊部分であり、鉄筋コンクリート接続ビームのアスペクト比がL/H≦5である。
本発明は、地震破壊した接続ビームを全部切断して補強する工法を提供しそれは、以下の
ステップを含む:
ステップ1:地震破壊した接続ビームの切断
1)壁柱と接続ビームの接続部に沿って地震破壊した接続ビームを全部切断する、
2)地震破壊した接続ビームを切断した壁柱の端面に取付ノッチを切り取る、
3)壁柱の鉄筋部分が露出するまで、取付ノッチを研磨し、切断部をクリーンアップする

ステップ2:補強装置の取付
1)非エネルギー散逸セグメントに、エネルギー散逸セグメントの取付位置をカットし、
地震破壊した接続ビームの長さに応じて同じ長さのI型鋼のビームを選択し、選択された
I型鋼のビームにエネルギー散逸セグメントの取付位置をカットして、カットした2つの
非エネルギー散逸セグメントを取得し、そのうちに、エネルギー散逸セグメントの取付位
置をカットする場合I型鋼のビームの両端に取付ノッチの深さと等しい距離を確保する必
要がある、
2)カットしたいずれか一方の非エネルギー散逸セグメントを1つの取付ノッチに取り付
け、エネルギー散逸セグメントを取り付け、その後カットした他方の非エネルギー散逸セ
グメントをエネルギー散逸セグメント、他方の取付ノッチ間に取り付ける。
【0012】
従来技術と比較すると、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
1、本発明の方法は、設計が合理であり、地震破壊した接続ビームを効果的に交換可能に
補修し、補修した接続ビームは高いエネルギー散逸能力を有する、
2、本発明によって提出される補強装置全体は構造設計が合理であり、一定の地震に対応
する時好適な自動回復能力を有し、大きい地震エネルギーの破壊に対応するとき、後期の
地震破壊したエネルギー散逸セグメントの交換に便利である、
3、本発明は全体的に大きいプラスチック回転角に対応できるため、高い耐震性能を有し
、幅広いプロモーションに適しいる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例2の補強装置の分解図である。
図3】本発明の実施例2のエネルギー散逸セグメントの外部構造の概略図である。
図4】本発明の実施例2のエネルギー散逸セグメントの内部構造の概略図である。
図5】本発明の実施例3のエネルギー散逸セグメントの外部構造の概略図である。
図6】本発明の実施例4の補強装置の分解図である。
図7】本発明の実施例1のエネルギー散逸セグメントの内部構造の概略図である。
【0014】
[符号の説明]
1 エネルギー散逸ブロック
11 エネルギー散逸ブロック本体
12 エネルギー散逸コンポーネント
120 取付ブロック
121 上部スライダー
122 下部スライダー
123 左側スライダー
124 右側スライダー
125 バネ
13 エネルギー散逸ボール
14 エネルギー散逸パッド
15 エネルギー伝達ブロック
16 エネルギー散逸コンポーネント
161 接触エネルギー伝達ブロック
162 ダンパー
2 第1の接続部品
21 接続ブロック
22 I字形のスロット
23 第1の固定ノッチ
24 第2の固定ノッチ
3 第2の接続部品
31 埋込ブロック
32 接続シート
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施例1:地震破壊した接続ビームを完全に切断する補強装置は、両端がそれぞれ地震破
壊した接続ビームの2つの切断端部に取り付けられる非エネルギー散逸セグメントを含み
、前記非エネルギー散逸セグメント上のエネルギー散逸セグメントを埋め込んで配置する
ことが可能であり、
前記非エネルギー散逸セグメントは、I型鋼のビームであり、図2、7に示すように、非
エネルギー散逸セグメントはI型鋼のビームであり、エネルギー散逸セグメントはエネル
ギー散逸ブロック1、およびエネルギー散逸ブロック1の両端に設けられI型鋼のビーム
を接続するための第1の接続部品2を含み、
図7に示すように、エネルギー散逸ブロック1はエネルギー散逸ブロック本体11、エネ
ルギー散逸ブロック本体11内部に取り付けられた2つのエネルギー散逸コンポーネント
12、エネルギー散逸ブロック本体11内部に取り付けられ2つのエネルギー散逸コンポ
ーネント12間に位置するエネルギー散逸ボール13、エネルギー散逸ブロック本体11
内部に取り付けられ2つのエネルギー散逸コンポーネント12下端に位置するエネルギー
散逸パッド14、およびエネルギー散逸ブロック本体11上端に可動に取り付けられたエ
ネルギー伝達ブロック15を含み、
エネルギー散逸コンポーネント12は、取付ブロック120、それぞれ取付ブロック12
0の上端面、下端面、左端面、右端面に可動に取り付けられた上部スライダー121、下
部スライダー122、左側スライダー123、右側スライダー124を含み、上部スライ
ダー121、下部スライダー122間にバネ125がさらに設けられ、左側スライダー1
23、右側スライダー124は同じ構造を有し、左側スライダー123、右側スライダー
124は取付ブロック120を中心として対向して配置され、左側スライダー123、右
側スライダー124と上部スライダー121、下部スライダー122の接触端面がそれぞ
れ傾斜面であり、
エネルギー散逸ボール13の左端および右端がそれぞれ一方のエネルギー散逸コンポーネ
ント12の左側スライダー123の一端、他方のエネルギー散逸コンポーネント12の右
側スライダー124の一端に接続され、第1の接続部品2が一方のエネルギー散逸コンポ
ーネント12の左側スライダー123の他端、他方のエネルギー散逸コンポーネント12
の右側スライダー124の他端に接続され、
エネルギー散逸パッド14が下部スライダー122に接続され、エネルギー伝達ブロック
15が上部スライダー121に接続される。
【0016】
該補強装置の工法は、以下のステップを含む。
ステップ1:地震破壊した接続ビームの切断
1)壁柱と接続ビームの接続部に沿って地震破壊した接続ビームを全部切断し、地震破壊
した接続ビームは具体的に地震で破壊した鉄筋コンクリート接続ビームの破壊部分であり
、鉄筋コンクリート接続ビームのアスペクト比がL/H=2.5である、
2)地震破壊した接続ビームを切断した壁柱の端面に取付ノッチを切り取る、
3)壁柱の鉄筋部分が露出するまで、取付ノッチを研磨し、切断部をクリーンアップする

ステップ2:補強装置の取付
1)非エネルギー散逸セグメントにエネルギー散逸セグメントの取付位置をカットし、地
震破壊した接続ビームの長さに応じて同じ長さのI型鋼のビームを選択し、選択されたI
型鋼のビームにエネルギー散逸セグメントの取付位置をカットし、カットした2つの非エ
ネルギー散逸セグメントを取得し、そのうちに、エネルギー散逸セグメントの取付位置を
カットする時I型鋼のビームの両端に取付ノッチの深さと等しい距離を確保する必要があ
る、
2)カットしたいずれか一方の非エネルギー散逸セグメントを1つの取付ノッチに取り付
け、第1の接続部品2によってエネルギー散逸セグメントを、取付ノッチに取り付けられ
た非エネルギー散逸セグメントにはんだ付け、その後カットした他方の非エネルギー散逸
セグメントをエネルギー散逸セグメント、他方の取付ノッチ間に取り付ける。
【0017】
実施例2:実施例1とは以下のことが異なり、鉄筋コンクリート接続ビームのアスペクト
比がL/H=1.5である。
【0018】
実施例3:実施例1とは以下のことが異なり、図3、4に示すように、第1の接続部品2
は、I字形構造の接続ブロック21、接続ブロック21に開設されたI字形のスロット2
2、接続ブロック21の縦方向端面に設けられI字形のスロット22を貫通する第2の固
定ノッチ23、および接続ブロック21の横方向端面に設けられI字形のスロット22を
貫通する第2の固定ノッチ24を含み、
非エネルギー散逸セグメントと第1の接続部品2の接続端がI字形のスロット22内に挿
入され得、非エネルギー散逸セグメントと第1の接続部品2の接続端に、第2の固定ノッ
チ23に対応する第1の接続溝、および第2の固定ノッチ24に対応する第2の接続溝が
設けられる。
該補強装置の工法は以下のステップを含む:
ステップ1:地震破壊した接続ビームの切断
1)壁柱と接続ビームの接続部に沿って地震破壊した接続ビームを全部切断し、地震破壊
した接続ビームは具体的に地震で破壊した鉄筋コンクリート接続ビームの破壊部分であり
、鉄筋コンクリート接続ビームのアスペクト比がL/H=4.5である、
2)地震破壊した接続ビームを切断した壁柱の端面に取付ノッチを切り取る、
3)壁柱の鉄筋部分が露出するまで、取付ノッチを研磨し、切断部をクリーンアップする

ステップ2:補強装置の取付
1)非エネルギー散逸セグメントにエネルギー散逸セグメントの取付位置をカットし、地
震破壊した接続ビームの長さに応じて同じ長さのI型鋼のビームを選択し、選択されたI
型鋼のビームにエネルギー散逸セグメントの取付位置をカットし、カットした2つの非エ
ネルギー散逸セグメントを取得し、そのうちに、エネルギー散逸セグメントの取付位置を
カットするときに、I型鋼のビームの両端に取付ノッチの深さと等しい距離を確保する必
要がある、
1)カットしたいずれか一方の非エネルギー散逸セグメントを1つの取付ノッチに取り付
け、エネルギー散逸セグメント一端第1の接続部品2上のI字形のスロット22を取付ノ
ッチ上のI型鋼のビームに位置合わせて取り付け、強化ボルトを使用して順次第1の固定
ノッチ23によって第1の接続溝と固定され、第2の固定ノッチ24によって第2の接続
溝と固定され、その後カットした他方の非エネルギー散逸セグメントをエネルギー散逸セ
グメント、他方の取付ノッチ間に取り付ける。
【0019】
実施例4:実施例3と異なり、該補強装置の工法は以下のステップを含む:
ステップ1:地震破壊した接続ビームの切断
1)壁柱と接続ビームの接続部に沿って地震破壊した接続ビームを全部切断し、地震破壊
した接続ビームは具体的に地震で破壊した鉄筋コンクリート接続ビームの破壊部分であり
、鉄筋コンクリート接続ビームのアスペクト比がL/H=3である、
2)地震破壊した接続ビームを切断した壁柱の端面に取付ノッチを切り取る、
3)壁柱の鉄筋部分が露出するまで、取付ノッチを研磨し、切断部をクリーンアップする

ステップ2:補強装置の取付
1)非エネルギー散逸セグメントにエネルギー散逸セグメントの取付位置をカットし、地
震破壊した接続ビームの長さに応じて同じ長さのI型鋼のビームを選択し、選択されたI
型鋼のビームにエネルギー散逸セグメントの取付位置をカットし、カットした2つの非エ
ネルギー散逸セグメントを取得し、そのうちに、エネルギー散逸セグメントの取付位置を
カットするときにI型鋼のビームの両端に取付ノッチの深さと等しい距離を確保する必要
がある、
2)エネルギー散逸セグメントをカットした2つの非エネルギー散逸セグメント間に取り
付けて、補修された接続ビーム全体を形成し、カットした2つの非エネルギー散逸セグメ
ントを順次エネルギー散逸セグメント両端の第1の接続部品2上のI字形のスロット22
内に挿入し、その後強化ボルトを使用して順次第1の固定ノッチ23によって第1の接続
溝と固定され、第2の固定ノッチ24によって第2の接続溝と固定され、その後補修され
た接続ビーム全体を2つの取付ノッチ間に取り付ける。
【0020】
実施例5:実施例3と異なり、図5に示すように、エネルギー散逸ブロック1はエネルギ
ー散逸コンポーネント16をさらに含み、エネルギー散逸コンポーネント16が2つあり
、2つのエネルギー散逸コンポーネント16がエネルギー散逸ブロック本体11内部に取
り付けられそれぞれエネルギー散逸ボール13の上端および下端に位置し、
エネルギー散逸コンポーネント16は、一端がエネルギー散逸ボール13と接触する接触
エネルギー伝達ブロック161、接触エネルギー伝達ブロック161の他端に接続された
ダンパー162を含み、そのうちに、ダンパー162は市販されているダンパーである。
該補強装置の工法は以下のステップを含む:
ステップ1:地震破壊した接続ビームの切断
1)壁柱と接続ビームの接続部に沿って地震破壊した接続ビームを全部切断し、地震破壊
した接続ビームは具体的に地震で破壊した鉄筋コンクリート接続ビームの破壊部分であり
、鉄筋コンクリート接続ビームのアスペクト比がL/H=3.5である、
2)地震破壊した接続ビームを切断した壁柱の端面に取付ノッチを切り取る、
3)壁柱の鉄筋部分が露出するまで、取付ノッチを研磨し、切断部をクリーンアップする

ステップ2:補強装置の取付
1)非エネルギー散逸セグメントにエネルギー散逸セグメントの取付位置をカットし、地
震破壊した接続ビームの長さに応じて同じ長さのI型鋼のビームを選択し、選択されたI
型鋼のビームにエネルギー散逸セグメントの取付位置をカットし、カットした2つの非エ
ネルギー散逸セグメントを取得し、そのうちに、エネルギー散逸セグメントの取付位置を
カットするときにI型鋼のビームの両端に取付ノッチの深さと等しい距離を確保する必要
がある、
3)カットしたいずれか一方の非エネルギー散逸セグメントを1つの取付ノッチに取り付
け、エネルギー散逸セグメントの一端の第1の接続部品2上のI字形のスロット22を取
付ノッチ上のI型鋼のビームに位置合わせて取り付け、強化ボルトを使用して順次第1の
固定ノッチ23によって第1の接続溝と固定され、第2の固定ノッチ24によって第2の
接続溝と固定され、その後カットした他方の非エネルギー散逸セグメントをエネルギー散
逸セグメント、他方の取付ノッチ間に取り付ける。
【0021】
実施例6:実施例5と異なり、該補強装置の工法は以下のステップを含む:
ステップ1:地震破壊した接続ビームの切断
1)壁柱と接続ビームの接続部に沿って地震破壊した接続ビームを全部切断し、地震破壊
した接続ビームは具体的に地震で破壊した鉄筋コンクリート接続ビームの破壊部分であり
、鉄筋コンクリート接続ビームのアスペクト比がL/H=2.6である、
2)地震破壊した接続ビームを切断した壁柱の端面に取付ノッチを切り取る、
3)壁柱の鉄筋部分が露出するまで、取付ノッチを研磨し、切断部をクリーンアップする

ステップ2:補強装置の取付
1)非エネルギー散逸セグメントにエネルギー散逸セグメントの取付位置をカットし、地
震破壊した接続ビームの長さに応じて同じ長さのI型鋼のビームを選択し、選択されたI
型鋼のビームにエネルギー散逸セグメントの取付位置をカットし、カットした2つの非エ
ネルギー散逸セグメントを取得し、そのうちに、エネルギー散逸セグメントの取付位置を
カットするときにI型鋼のビームの両端に取付ノッチの深さと等しい距離を確保する必要
がある、
4)エネルギー散逸セグメントをカットした2つの非エネルギー散逸セグメント間に取り
付けて、補修された接続ビーム全体を形成し、カットした2つの非エネルギー散逸セグメ
ントを順次エネルギー散逸セグメント両端の第1の接続部品2上のI字形のスロット22
内に挿入し、その後強化ボルトを使用して順次第1の固定ノッチ23によって第1の接続
溝と固定され、第2の固定ノッチ24によって第2の接続溝と固定され、その後補修され
た接続ビーム全体を2つの取付ノッチ間に取り付ける。
【0022】
実施例7:実施例5と異なり、図6に示すように、非エネルギー散逸セグメントが切断端
部と第2の接続部品3を介して接続され、第2の接続部品3は、壁柱内部に埋め込んで設
けられた埋込ブロック31、および埋込ブロック31側面に設けられ非エネルギー散逸セ
グメントを接続する接続シート32を含む。
該補強装置の工法は以下のステップを含む:
ステップ1:地震破壊した接続ビームの切断
1)壁柱と接続ビームの接続部に沿って地震破壊した接続ビームを全部切断し、地震破壊
した接続ビームは具体的に地震で破壊した鉄筋コンクリート接続ビームの破壊部分であり
、鉄筋コンクリート接続ビームのアスペクト比がL/H=2.5であり、
2)地震破壊した接続ビームを切断した壁柱の端面に取付ノッチを切り取る、
3)壁柱の鉄筋部分が露出するまで、取付ノッチを研磨し、切断部をクリーンアップする

ステップ2:補強装置の取付
1)非エネルギー散逸セグメントにエネルギー散逸セグメントの取付位置をカットし、地
震破壊した接続ビームの長さに応じて同じ長さのI型鋼のビームを選択し、選択されたI
型鋼のビームにエネルギー散逸セグメントの取付位置をカットし、カットした2つの非エ
ネルギー散逸セグメントを取得し、そのうちに、エネルギー散逸セグメントの取付位置を
カットするときにI型鋼のビームの両端に取付ノッチの深さと等しい距離を確保する必要
がある、
5)埋込ブロック31によって第2の接続部品3を2つの取付ノッチ間に取り付け、カッ
トしたいずれか一方の非エネルギー散逸セグメントを1つの接続シート32に取り付け、
エネルギー散逸セグメント一端の第1の接続部品2上のI字形のスロット22を取付ノッ
チ上のI型鋼のビームに位置合わせて取り付け、強化ボルトを使用して順次第1の固定ノ
ッチ23によって第1の接続溝と固定され、第2の固定ノッチ24によって第2の接続溝
と固定され、その後他方のカットした非エネルギー散逸セグメントをエネルギー散逸セグ
メント、他方の接続シート32間に取り付ける。
【0023】
実施例8:実施例6と異なり、該補強装置の工法は以下のステップを含む:
ステップ1:地震破壊した接続ビームの切断
1)壁柱と接続ビームの接続部に沿って地震破壊した接続ビームを全部切断し、地震破壊
した接続ビームは具体的に地震で破壊した鉄筋コンクリート接続ビームの破壊部分であり
、鉄筋コンクリート接続ビームのアスペクト比がL/H=3.2であり、
2)地震破壊した接続ビームを切断した壁柱の端面に取付ノッチを切り取る、
3)壁柱の鉄筋部分が露出するまで、取付ノッチを研磨し、切断部をクリーンアップする

ステップ2:補強装置の取付
1)非エネルギー散逸セグメントにエネルギー散逸セグメントの取付位置をカットし、地
震破壊した接続ビームの長さに応じて同じ長さのI型鋼のビームを選択し、選択されたI
型鋼のビームにエネルギー散逸セグメントの取付位置をカットし、カットした2つの非エ
ネルギー散逸セグメントを取得し、そのうちに、エネルギー散逸セグメントの取付位置を
カットするときにI型鋼のビームの両端に取付ノッチの深さと等しい距離を確保する必要
がある、
6)エネルギー散逸セグメントをカットした2つの非エネルギー散逸セグメント間に取り
付け、補修された接続ビーム全体を形成し、カットした2つの非エネルギー散逸セグメン
トを順次エネルギー散逸セグメント両端の第1の接続部品2上のI字形のスロット22内
に挿入し、その後強化ボルトを使用して順次第1の固定ノッチ23によって第1の接続溝
と固定され、第2の固定ノッチ24によって第2の接続溝と固定され、その後第2の接続
部品3をカットした2つの非エネルギー散逸セグメント外側端に取り付け、埋込ブロック
31によって第2の接続部品3を2つの取付ノッチ間に取り付ける。
【0024】
実験例:比較組と比較して、実施例1、3、5、7で提出された補強装置の性能を実験に
よって測定し、そのうちに、比較組の非エネルギー散逸セグメント、エネルギー散逸セグ
メントはそれぞれQ345鋼を採用し、エネルギー散逸セグメントにフランジとウェブが
設けられ、そのうちに、フランジはQ345鋼を採用し、ウェブはLY225低降伏点鋼
を採用し、非エネルギー散逸セグメント、エネルギー散逸セグメント間にエンドプレート
-シアーキーによって接続される。
具体的なステップは以下の通りである:実施例1、3、5、7で提出された補強装置のそ
れぞれについて、接続ビームは第1回破壊が発生するまで接続ビームに負荷を加え湾曲さ
せ、その後エネルギー散逸セグメントを、接続ビームが弧度を持つまま取り外して交換し
、交換済の接続ビームに再び負荷を加え、0.020radの弧度まで停止し、それが回
復した後、接続ビームの弧度が0.002rad/minの速度で増加するように接続ビ
ームに第2回破壊現象が発生するまでさらに負荷を加え、具体的な実験データは表1に示
される:
表1:実施例1、3、5、7および比較組に対する実験によって得られたデータテーブル
【0025】
【0026】
結論:本発明の補強装置によって構成される接続ビームの構造は、その限界弧度が大幅に
大きくなり、地震で破壊した後エネルギー散逸セグメントの交換にかかる時間が短縮され
る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7