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特開2022-122221発送物品の包装及び重量計測システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122221
(43)【公開日】2022-08-22
(54)【発明の名称】発送物品の包装及び重量計測システム
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20220815BHJP
   G06Q 10/08 20120101ALI20220815BHJP
   B65B 57/10 20060101ALI20220815BHJP
   B65B 11/50 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
B65B57/00 H
G06Q10/08 300
B65B57/10 B
B65B11/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021061881
(22)【出願日】2021-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】519083080
【氏名又は名称】株式会社シプソル
(72)【発明者】
【氏名】中村 仁
【テーマコード(参考)】
3E051
5L049
【Fターム(参考)】
3E051AA03
3E051BA01
3E051CA01
3E051DA08
3E051EA03
3E051EB05
3E051GA05
3E051HE01
3E051KA05
3E051KA06
3E051KB01
3E051KB04
3E051LB10
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】ネット通販などで発注される小型物品の包装および重量計測業務を、自動で、簡便な構成で、経済的に実行することができる発送物品の包装及び重量計測システムを提供すること。
【解決手段】発送物品の包装及び重量計測システムであって、発送物品の包装及び重量計測システムの全体の制御を行うシステム制御部と、前記システム制御部に制御され、発送される物品の包装を行う物品包装装置と、前記物品包装装置と連結し、その下流側、または上流側に設けられ、前記システム制御部に制御され、包装された、または包装前の発送される物品の重量を計測し、その結果を出力する物品重量計測装置とを有することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-発送物品の包装及び重量計測システムの全体の制御を行うシステム制御部と、
-前記システム制御部に制御され、発送される物品の包装を行う物品包装装置と、
-前記物品包装装置と連結し、その下流側、または上流側に設けられ、前記システム制御部に制御され、包装された、または包装前の発送される物品の重量を計測し、その結果を出力する物品重量計測装置と、
を有する発送物品の包装及び重量計測システム。
【請求項2】
前記物品包装装置が、
-包装すべき物品を送り込む供給側コンベヤと、
-前記供給側コンベヤの先に設けられる一対のシート状包装材供給ロールと、
-前記一対のシート状包装材供給ロールから供給される、相互に熱溶着可能なシート状包装材と、
-先端が熱溶着されている前記シート状包装材によって小型物品を覆うことで包装し、その状態で、シート状部材の後端部及び左右端部を熱溶着し包装物を形成する包装物形成部と、
-前記包装物の熱溶着された後端部の中央と、包装物の左右端部の外側とを切断する包装物端部切断部と
を有する小型物品の熱溶着式包装装置であることを特徴とする請求項1に記載の発送物品の包装及び重量計測システム。
【請求項3】
前記物品重量計測装置が、
-前記物品(包装物を含む)を搬送することができるコンベヤと、
-重量計測時に前記コンベヤより上方に突出して、載置される物品の重量を支持し、重量非計測時には前記コンベヤより下方に収容される重量計測台と、
-前記重量計測台と前記載置された物品との合計重量を計測しうる重量計測器と
を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発送物品の包装及び重量計測システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発送される物品、特に、インターネット通販などで注文され、発送される小型物品の包装及び重量計測をするシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット通販の拡大に伴い、小型の物品(書籍、サプリメントなど)の注文及びそれらの包装(あるいは梱包)業務が飛躍的に増大しているが、発送元にとっては物量が多いことから、極力、配送料金を低廉に抑えたいとの要望がある。
【0003】
ここで、小型の物品については、特許文献1のような熱溶着可能なシート状部材を巻きかけて小型物品を包装し、その状態で、シート状部材の後端部及び左右端部を熱溶着し、切断して包装物を作成する技術思想が開示されている。
【0004】
このようにすると、包装物を自動的に作成することができ、かつ、包装物の前後端部及び左右端部の、包装物にとって不要な部分がカットされるため、外形寸法を基準とした配送料金の算出においては極めて有利になる。
【0005】
一方、包装物の寸法及び重量に関しては、特許文献2には、それらを計測する荷物計測装置の技術思想が開示されており、更に、計測した寸法及び重量を含む荷物データと配送先情報から荷物の運送料金を算出し、運送業社に提供する技術思想も開示されている。
【0006】
このように、従来の技術によれば、小型の発送物品の寸法を小さく抑え、また、重量を計測することで、経済的に物品を発送できるという効果を奏する可能性はある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2020-138803
【特許文献2】特開2016-139367
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2に記載の技術思想によれば、荷物計測装置は物品の包装装置とは連動するようになっておらず、人手の介入が必要であり、省力効果(人件費削減効果)が十分とは言えず、また、発送物品の重量計測について具体的な実現方法が記載されておらず、更に、重量計測による料金の低減効果などについても言及されておらず、課題とその解決方法が十分明らかになっていないという問題があった。
【0009】
本発明はこうした従来の技術思想の問題点を解決することを企図したものであり、ネット通販などで発注される小型物品の包装および重量計測業務を、自動で、簡便な構成で、経済的に実行することができる発送物品の包装及び重量計測システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、発送物品の包装及び重量計測システムであって、
-発送物品の包装及び重量計測システムの全体の制御を行うシステム制御部と、
-前記システム制御部に制御され、発送される物品の包装を行う物品包装装置と、
-前記物品包装装置と連結し、その下流側、または上流側に設けられ、前記システム制御部に制御され、包装された、または包装前の発送される物品の重量を計測し、その結果を出力する物品重量計測装置と、
を有することを特徴とする。
【0011】
なお、物品重量計測装置は、物品包装装置の下流側に連結して設けられ、包装の完了した包装物の重量を計測することが好適である。
【0012】
その場合は、包装が完了した状態での重量が計測できるため、重量基準の配送料金が正確に算出できるという利点がある。
【0013】
なお、物品重量計測装置が物品包装装置の上流側に連結して設けられ、包装前の物品の重量を計測してから包装するようにしてもよい。そのようにすると、包装前に概略の配送料金を知ることができ、状況によっては包装を中止し、軽量化の対応を行う、あるいは、他の物品とまとめて包装するなど、コスト低減の方策を採ることができる。
【0014】
また、出力された重量情報を運送業者に提供することによって、運送業者の大口発送元に対する種々の特約の適用を受けて、運送料金の低減を受けることができる。また、包装前の商品検品において画像検品やバーコード検品ができない場合に重量を使った商品検品が可能になる。
【0015】
次に、本発明の第2の態様は、第1の態様の発送物品の重量計測システムであって、前記物品包装装置が、
-包装すべき物品を送り込む供給側コンベヤと、
-前記供給側コンベヤの先に設けられる一対のシート状包装材供給ロールと、
-前記一対のシート状包装材供給ロールから供給される、相互に熱溶着可能なシート状包装材と、
-先端が熱溶着されている前記シート状包装材によって小型物品を覆うことで包装し、その状態で、シート状部材の後端部及び左右端部を熱溶着し包装物を形成する包装物形成部と、
-前記包装物の熱溶着された後端部の中央と、包装物の左右端部の外側とを切断する包装物端部切断部と
を有する小型物品の熱溶着式包装装置であることを特徴としてもよい。
【0016】
すなわち、物品包装装置として特許文献1に記載されたような小型物品の熱溶着式包装装置を用いることとしたものである。
【0017】
このようにすると、特に大量に発送する書籍、音楽映像ディスク、サプリメントなどの小型物品を包装し、発送する際に、人手を省いて自動化処理が行えるとともに、重量情報提供による料金に関する特約を受けやすく、また、重量による料金区分が設けられている場合も多いことから、発送する物品が所望の区分に入っているかどうかを確認することもでき、省力効果および料金低減効果を得ることができる。
【0018】
次に、本発明の第3の態様は、第1の、または、第2の態様の発送物品の包装及び重量計測システムであって、前記物品重量計測装置が、
-前記物品(包装物を含む)を搬送することができるコンベヤと、
-重量計測時に前記コンベヤより上方に突出して、載置される物品の重量を支持し、重量非計測時には前記コンベヤより下方に収容される重量計測台と、
-前記重量計測台と前記載置された物品との合計重量を計測しうる重量計測器と
を有することを特徴としてもよい。
【0019】
ここで、重量計測器としては、所望の精度が得られることや取り扱いの簡便なことから、ロードセルが好適であるが、それ以外の周知の重量計測器であってもよい。
【0020】
このようにすると、例えば、物品が載置されたコンベヤ全体の重量を計測する場合に比べ、高精度で重量計測ができる。特に小型物品は軽量である場合が多いため、高精度であることは極めて重要である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ネット通販などで発注される小型物品の包装および重量計測業務を、自動で、簡便な構成で、経済的に実行することができる発送物品の包装及び重量計測システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態の発送物品の包装及び重量計測システム(以下システム)の概要を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るシステムの機能構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係るシステムの物品包装装置を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係るシステムの重量計測装置を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係るシステムの重量計測装置の平面図である。
図6】本発明の一実施形態に係るシステムの重量計測装置の側面図である。
図7】本発明の一実施形態に係るシステムの重量計測装置の側面図である。
図8】本発明の一実施形態に係るシステムの重量計測装置の部分斜視図である。
図9】本発明の一実施形態に係るシステムのフローチャートである。
図10】本発明の別の実施形態に係るシステムの概要を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る発送物品の包装及び重量計測システムについて説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る発送物品の包装及び重量計測システムの概要を示す斜視図であり、図2は本発明の一実施形態に係るシステムの機能構成を示すブロック図である。
【0025】
<構成>
発送物品の包装及び重量計測システム1は、システム全体を制御するシステム制御部10、物品包装装置20及び物品重量計測装置30とを有する。
【0026】
システム制御部10は、物品包装装置20及び物品重量計測装置30を制御するもので、CPU、入出力部、インターフェース部、記憶部などを含むサーバが好適であるが、パーソナルコンピュータや専用制御装置であってもよく、これ以外の構成要素を含んでいてもよく、また、これらの構成要素の全ては含んでいなくてもよい。
【0027】
また、システム制御部10は、物品包装装置20と物品包装装置30とをそれぞれ制御する別々の制御部を有していて、それらが連動して全体としての機能を果たしてもよく、逆に、物流システム全体を制御する物流システム制御部の一部であってもよい。
【0028】
図3は本発明の一実施形態に係る物品包装装置20を示す斜視図である、物品包装装置20としては、特に、小型物品の熱溶着式包装装置200が好適である。
【0029】
小型物品の熱溶着式包装装置200は、包装すべき物品を送り込む供給側コンベヤ210を有し、その上に物品が載置される。なお、前段の装置と接続されている場合は自動で供給されてもよい。
【0030】
次に、供給側コンベヤ210の先には、上下一対のシート状包装材供給ロール220、230が設けられており、この一対のシート状包装材供給ロール220,230から供給されるシート状部材240が熱溶着され、連続のシート状となっている。
【0031】
物品が、図示しない搬送手段(コンベヤあるいは牽引機構)によって、先端が熱溶着されているシート状包装材240に当接して進行し、小型物品を覆うことで物品が包装され、その状態で、シート状部材の後端部及び左右端部を熱溶着し、包装物Pを形成する包装物形成部250によって、包装物Pが形成される。
【0032】
一方、包装物Pの熱溶着された後端部の中央と、包装物Pの左右端部の外側とを包装物端部切断部(図示せず)が切断する。
【0033】
なお、ここで、包装物形成部250における包装物Pの後端部側の熱溶着と包装物Pの左右側の熱溶着とは、同時でも、どちらかが先行してもよく、また、包装物端部切断部による、包装物Pの後端部側の切断と、包装物Pの左右側の切断とは、同時でも、どちらかが先行してもよく、また、熱溶着動作と切断動作との順序もどのようであっても構わない。最も効率的で、美麗に物品Bを内包した包装物Pができあがればよい。
【0034】
その後、必要に応じて設けられたラベル発行貼付部260が、包装物Pに所定の情報を印刷した送り状などのラベルを発行し、貼付するようにしてもよい。
【0035】
更に、コンベヤあるいは牽引機構による物品排出部270を経て、物品Bを内包した包装物Pが次工程へと排出される。
【0036】
また、図1に示すように物品包装装置20の出口(包装物の排出口)には、物品重量計測部30への物品(包装物P)の送り込みを制御する、昇降可能なストッパー280が設けられている。
【0037】
なお、本発明の一実施形態に係る物品包装装置20は、これまで述べた小型物品の熱溶着式包装装置200に限定するものではなく、どのような物品包装装置であってもよい。対象とする物品や包装形態によっては、大きな効果が発揮される場合もあり得る。
【0038】
次に、本発明の一実施形態に係る発送物品の包装及び重量計測システムの物品重量計測装置30について説明する。
【0039】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るシステムの物品重量計測装置30は、物品包装装置20に連結され、直接、物品包装装置20から、物品B(この実施形態では、物品Bを内包した包装物Pを指すものとする)を受け取り、その重量を計測する。
【0040】
図4は本発明の一実施形態に係るシステムの物品重量計測装置30を示す斜視図、図5は物品重量計測装置30の平面図、図6は物品重量計測装置30の物品重量非計測時を示す側面図で、図7は物品重量計測装置30の物品重量計測時を示す側面図、図8は物品重量計測装置30の部分斜視図である。
【0041】
物品重量計測装置30は、物品搬送用のコンベヤとして、ローラ31a、31bに巻き掛けられた物品搬送用の4本の平ベルト32a、32b、32c、32d、平ベルト32駆動用のモータ33、平ベルト32の隙間に突出可能に設けられた重量計測台34を有している。
【0042】
図5に示すように、平ベルト32及び重量計測台34で遮蔽されていない部分に、入口側センサ35、出口側センサ36が設けられている。
【0043】
これらのセンサ35、36は、光学センサであって、物体が存在する場合にそれによる反射光を検知する反射型のセンサであることが好適であるが、他の光学式センサ、あるいは機械的な、あるいは磁気的なセンサなど、物体の検出が可能であればどのようなものでもよい。
【0044】
図8に示すように、重量計測台34は、平ベルト32の間隙部分に突出可能な5か所の稜部分341a、341b、341c、341d、341eと、それらと結合・保持していて上昇時も平ベルト32の下側に隠れている保持部342とを有している。なお、5カ所の稜部分341の上面は、段差なく同一レベルの平面を構成している。
【0045】
ここで、重量非計測時には、重量計測台34は下降しており、平ベルト32が包装物Pを搬送可能なようになっている。
【0046】
また、重量計測時には、包装物Pは停止させられ、その状態で、重量計測台34が上昇し、稜部341の上面に構成された平面に、包装物Pが、平ベルト32からは離間して載置された状態となる。
【0047】
物品重量計測台34の下方には重量計測器37が設けられている。重量計測器37としては、ロードセル、特に、シングルポイント型ロードセルが、取り扱いの簡便さ及び計測精度の面から好適であるが、他のタイプのロードセル、あるいはロードセル以外の計量器であってもよい。
【0048】
なお、重量計測台34の下方には、重量計測台34を上下に移動するための昇降部38を有している。昇降部38は、昇降部38は、ガイド付エアーシリンダが構造が簡便で動作速度も速いことから好適であるが、それに限定せず、上下方向に重量計測台34を昇降できるものであればよい。
【0049】
なお、物品重量計測装置30の出口には、次工程への包装物Pの送り込みを制御するように、包装物Pの搬送経路に昇降可能に設けたストッパー39を有している。
【0050】
次に、物品重量計測装置30の次工程を説明する。重量計測を完了した包装物Pを受け取って更に先に進行させるための一時保留部40を有する。
【0051】
一時保留部40は、ローラコンベヤで、かつ、ローラにモータを内蔵した、いわゆるモータローラが、構造が簡便になるため好適であるが、それ以外のコンベヤや牽引機構であってもよい。
【0052】
次に、一時時保留部40を通過した包装物Pの搬送方向を分岐するための回転台50が設けられている。
【0053】
これは、包装物Pの搬送方向を直進方向と左側直角方向とに分岐するものであり、回転可能なターンテーブルと、ターンテーブルに埋め込み配置されたローラコンベヤとを有する。
【0054】
更に、回転台50の搬送方向左側には、包装物Pをその自重で搬送しうる、斜め下方に傾斜しているフリーローラコンベヤ60が設けられている。
【0055】
また、直進方向は図示を省略するが、フリーローラコンベヤや、その他の搬送機構が設けられている。
【0056】
なお、物品重量計測装置30より先の工程については、これまでに述べた装置に限定されず、一般に物流に用いられる装置であればどのようなものを配置してもよく、それぞれシステムとして効率のよい構成とすればよい。
<動作>
次に、本発明の一実施形態に係る発送物品の包装及び重量計測システムの動作につき説明する。図9は、このシステムの動作を示すフローチャートである。
【0057】
発送される物品Bを物品投入部210に載置する。(ステップS-01)ここでは物品Bの載置は人手によるものとしたが、コンベヤなどの搬送手段で搬送されてくる物品Bを受け取るようにしてもよい。
【0058】
次に、システム制御部10が、物品Bを物品包装装置20の中に送り込み、物品包装装置20によって、物品Bの包装を完了させ、必要な場合は、左右側の余分な部分を切断させ、送り状を印刷発行貼付させる。(ステップS-02)
【0059】
すなわち、物品包装装置20が、小型物品の熱溶着式包装装置200である場合には、物品Bを、先端が熱溶着されているシート状包装材240に当接して進行させ、包装物形成部250によって、小型物品を覆うことで物品が包装されるようにし、その状態で、シート状包装材240の後端部及び左右端部を熱溶着し、包装物Pを形成する。
【0060】
更に、包装物Pの熱溶着された後端部の中央と、包装物Pの左右端部の外側とを刃物の昇降によって切断する包装物端部切断部(図示せず)によって切断させ、無駄な余白部分(あるいは縁部)のない包装物Pを完成させる。
【0061】
なお、ここで、包装物形成部250における包装物Pの後端部側の熱溶着と包装物Pの左右側の熱溶着とは、共用の機構でも別々の機構でもよく、また、そのタイミングは、同時でも、どちらかが先行してもよく、また、包装物Pの後端部側の切断と、包装物Pの左右側の切断とは、共用の機構でも別々の機構でもよく、また、そのタイミングは、同時でも、どちらかが先行してもよく、また、熱溶着動作と切断動作との順序もどのようであっても構わない。最も効率的で、美麗に物品Bを内包した包装物Pができあがればよい。
【0062】
その後、システム制御部10が、必要に応じて設けられたラベル発行貼付部260によって、包装物Pに所定の情報を印刷した送り状などのラベルを発行し、貼付するようにしてもよい。
【0063】
なお、小型物品の熱溶着式包装装置200以外の物品包装装置20の場合にも、類似のステップにて包装物Pを完成させる。
【0064】
次に、システム制御部10が、物品Bを内包する包装物Pを物品重量計測装置30に送り込み、包装物Pの重量を計測させ、その結果を記憶する。(ステップS-03)
【0065】
なお、送り込む際には、ストッパー280によって、送り込みを制御して、物品重量計測装置30において正確な重量計測、及び、物品Bと関連付けた計測結果の把握ができるようにする。
【0066】
具体的な重量計測は、次のように実行される。
まず、物品Bを内包する包装物Pが物品重量計測装置30に進入してくると、平ベルト32が包装物Pを前方へと搬送する。
【0067】
ここで、入口側センサ35、出口側センサ36によって包装物Pが検知されることで、包装物Pが重量計測に適した場所に存することが確認できる。
【0068】
例えば、包装物Pが入口側センサ35を通過して、かつ、出口側センサ36に検知されない状態であれば、重量計測台34の中央付近に存することが考えられ、計測に適した状態と判断される。なお、判断基準はこれに限定されず、2カ所のセンサ35,36を適宜活用して定めればよい。
【0069】
重量計測に適した状態で、搬送を停止し、重量計測台34を上昇させ、重量計測器35によって重量が計測される。
【0070】
この場合は、重量計測台34及びその支持部分と、物品(包装物P)の合計重量が計測されるので、既知の重量計測台34及びその支持部分の重量を減じることによって、物品(包装物P)の重量を求めることができる。
【0071】
次に、システム制御部10が、包装物Pを物品重量計測装置30から次工程へと排出させる。ここでも、物品重量計測装置30の出口に設けられたストッパー39を動作させ、包装物Pを重量計測結果と紐づけられた形で、次工程へと送り出すようにする。(ステップS-04)
【0072】
この実施形態では、次工程は、重量計測を完了した包装物Pを受け取って更に先に進行させるための一時保留部40であり、包装物Pが物品重量計測装置30を通過したことを確認し、コンベヤにて更に搬送を続ける。
【0073】
一時保留部40を通過した包装物Pは回転台50において、システム制御部10から直進方向または左方向への分岐が指示されて、それに従って搬送される。
【0074】
その後は、フリーコンベヤあるいは別の搬送装置へと送り込まれることとなる。
【0075】
また、包装物Pの重量に関する情報は、包装物Pと紐づけられて順に送られていき、必要な個所でその情報が使用される。
【0076】
計測された重量情報はその重量区分(例えば、0から200g、201gから500gなど)ごとにデータが分けられ、また包装物は1件ずつの注文ごとにそのデータをもとにして自動でコンベアで振り分けられるようにすることが好適である。
【0077】
なお、物品Bまたは包装物Pの外形寸法(縦・横・高さ)については、発送料金に影響する場合もあるが、本システムにおいては、寸法計測装置を必須の要件とはしない。重量基準による物品Bまたは包装物Pの処理を重要視するためである。
【0078】
<別の実施形態>
次に、本発明の別の実施形態に係る発送物品の包装及び重量計測システムを説明する。なお、先の実施形態と同一の装置については同一符号で表して説明を省略することもある。
【0079】
図10は本発明の別の実施形態に係る発送物品の包装及び重量計測システムの斜視図であり、物品投入部1010、物品重量計測装置30、物品包装装置20の順に設けられており、システム制御部10が全体を制御している。
【0080】
このような構成の発送物品の包装及び重量計測システム1000の動作について説明する。物品投入部1010のコンベヤに載置された、あるいは上流から搬送されてきて物品投入部1010に到着した物品Bは、まず、物品重量計測装置30において、先の実施形態で説明したように、物品Bの重量が計測される。
【0081】
その後、物品包装装置20、好適には小型物品の熱溶着式包装装置200に送り込まれて、先の実施形態で説明したように、包装物Pが形成される。
【0082】
その後、包装物Pは、次工程へと送り出される。
【0083】
このように、包装前に物品Bの重量を計測することによって、例えば、1kg以上は集荷不可能な場合は包装前に排除され無駄な包装をすることを防ぐことができ、1kg以上の商品を配送できる送り状を自動的に選択して添付することも可能になる。また、包装する前に商品重量による商品個数の検品も可能な場合もある。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明に係る発送物品の包装及び重量計測システムは、工業的に製造することができ、また商取引の対象とすることができるため、経済的価値を有しており、産業上利用することができる発明である。
【符号の説明】
【0085】
1 発送物品の包装及び重量計測システム
10 システム制御部
20 物品包装装置
200 小型物品の熱溶着式包装装置
30 物品重量計測装置
34 重量計測台
1000 発送物品の包装及び重量計測システム
B 物品
P 包装物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10