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特開2022-122229タンク及びそれを用いた多流路液冷ラジエータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122229
(43)【公開日】2022-08-22
(54)【発明の名称】タンク及びそれを用いた多流路液冷ラジエータ
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/02 20060101AFI20220815BHJP
   F28D 1/053 20060101ALI20220815BHJP
   F28F 21/08 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
F28F9/02 301D
F28D1/053 A
F28F21/08 D
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021075249
(22)【出願日】2021-04-27
(31)【優先権主張番号】202110174257.9
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】505446862
【氏名又は名称】▲黄▼ 崇賢
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 崇賢
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA01
3L103AA03
3L103AA13
3L103BB20
3L103CC02
3L103DD08
3L103DD18
3L103DD19
3L103DD34
3L103DD42
3L103DD43
(57)【要約】
【課題】タンク及びそれを用いた多流路液冷ラジエータを提供する。
【解決手段】タンクは、タンク本体と、タンク本体内に装着される液仕切板とを備え、タンク本体は、集液室を形成するように一体成形される端面板と周側板とを有し、タンク本体の内側面にU字形凸部が形成され、両U字形凸部の間に挿入スロットが形成され、液仕切板が、開口の箇所から挿入スロットに正対して挿入され、U字形凸部に密封連結され、集液室を多数個の分集液室として画設し、タンクの構造強度を維持させ、表面の均一性が確保され、区画密封性が保たれ、各分集液室の液体の相互混合をなくし、生産製作を容易化し、応用促進に適用する。多流路液冷ラジエータは、タンクを応用することで、液冷ラジエータにおける液体の流動行程を延長することができ、液体を効率よくかつ十分に降温させて放熱させ、全体の放熱効果を向上させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク本体と、前記タンク本体内に装着される液仕切板とを備えるタンクであって、
前記タンク本体は、一体成形連結される端面板と周側板とを有し、前記周側板は、前記端面板の周縁から一体的に同方向に延設され、前記端面板と前記周側板とで集液室が形成され、前記周側板の伸延末端に前記集液室の開口が形成され、前記周側板は、前記端面板の対向側に位置する両側板部を有し、一側板部と、前記端面板と、他側板部の内壁面とに沿って順次にU字形凸部が伸延形成され、前記U字形凸部が2個一組にして間隔をおいて配置され、2個の前記U字形凸部の間に挿入スロットが形成され、
前記液仕切板は、前記開口の箇所から前記挿入スロットに正対して挿入され、かつ前記液仕切板が前記U字形凸部に密封連結されて、前記集液室は、前記液仕切板の両側に位置する分集液室として区画されることを特徴とする、タンク。
【請求項2】
前記液仕切板を前記挿入スロットに挿入した後、リベット接合によって前記U字形凸部の外側を前記液仕切板に対して挟持することを特徴とする、請求項1に記載のタンク。
【請求項3】
前記タンク本体は、放熱金属材質で構成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のタンク。
【請求項4】
前記液仕切板を前記挿入スロットに挿入した後、高温半田付け接続によって前記U字形凸部を前記液仕切板の両側に固定させることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のタンク。
【請求項5】
前記液仕切板は、半田付け接続可能な複合材料で構成されることを特徴とする、請求項4に記載のタンク。
【請求項6】
前記液仕切板は、ステンレスアルミニウム基材と、前記ステンレスアルミニウム基材の表面に複合されたアルミニウム合金誘電体層とを有し、高温時に、前記液仕切板は、表面の前記アルミニウム合金誘電体層を介して前記挿入スロットの内壁面と半田付け接続を形成することを特徴とする、請求項4に記載のタンク。
【請求項7】
前記タンク本体は、冷間鍛造されることを特徴とする、請求項1に記載のタンク。
【請求項8】
前記液仕切板が前記U字形凸部に密封連結された後、前記液仕切板は、前記開口の箇所に前記周側板の伸延末端から突出露呈されることを特徴とする、請求項4に記載のタンク。
【請求項9】
並行配置される複数組の並列管を含む多流路液冷ラジエータであって、
前記複数組の並列管の両端にタンクがそれぞれ組付けられ、前記タンクは、請求項1~8のいずれか1項に記載の前記タンクであり、前記タンク本体の前記集液室の前記開口の箇所に蓋体が密封装着され、前記液仕切板が前記蓋体の内壁面に密封連結され、前記蓋体上に各前記分集液室に対応して取付け孔がそれぞれ設置され、前記複数組の並列管の両端には、相応の前記取付け孔がそれぞれ連結されて相応の前記分集液室に連通していることを特徴とする、多流路液冷ラジエータ。
【請求項10】
前記並列管が6組配置され、第1並列管、第2並列管、第3並列管、第4並列管、第5並列管及び第6並列管とそれぞれ定義され、前記複数組の並列管の両端の前記タンクが第1タンク及び第2タンクとしてそれぞれ定義され、前記第1タンクには、前記第1タンクを第1分集液室、第2分集液室、第3分集液室及び第4分集液室に区画形成する3枚の前記液仕切板が設置され、前記第1タンクのタンク本体には、前記第1分集液室に連通する入液口が設置されると共に、前記第4分集液室に連通する出液口が設置され、前記第2タンクには、前記第2タンクを第5分集液室、第6分集液室及び第7分集液室に区画形成する2枚の前記液仕切板が設置され、
前記第1並列管から前記第6並列管上にいずれも放熱フィンが設置され、前記第1並列管の一端部が前記第1分集液室と連通し、前記第1並列管の他端部が前記第5分集液室と連通し、前記第2並列管の一端部が前記第2分集液室と連通し、前記第2並列管の他端部が前記第5分集液室と連通し、前記第3並列管の一端部が前記第2分集液室と連通し、前記第3並列管の他端部が前記第6分集液室と連通し、前記第4並列管の一端部が前記第3分集液室と連通し、前記第4並列管の他端部が前記第6分集液室と連通し、前記第5並列管の一端部が前記第3分集液室と連通し、前記第5並列管の他端部が前記第7分集液室と連通し、前記第6並列管の一端部が前記第4分集液室と連通し、前記第6並列管の他端部が前記第7分集液室と連通することを特徴とする、請求項9に記載の多流路液冷ラジエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液冷放熱器の技術分野に係り、特に、コンピュータ内部部品の放熱に適用されるタンク及び多流路液冷ラジエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液冷放熱器は、液体ポンプの連動を使用して液体を強制循環させて放熱器の熱量を取り去る放熱技術に関するものであり、従来の風冷放熱技術と比べて静音性、降温安定性に優れ、環境に対する依存性が小さいなどの利点を有する。液冷放熱器の放熱性能は、その中の放熱液(水やその他の液体)の流速と正比例し、放熱液の流速は、冷媒システムの液体ポンプのパワーに関連しており、かつ放熱液の熱容量が大きいために、液冷冷媒システムに優れた熱負荷能力を持たせるものである。
【0003】
従来の液冷放熱器は、通常、液冷ラジエータと、液冷ヘッドと、液管とから構成され、液冷ラジエータと液冷ヘッドとの間を液管で連結し、液管を利用して液冷ラジエータと液冷ヘッド内の放熱液を循環流動させ、液冷ヘッド上に発熱部品からの熱量を吸収した後の放熱液は、液冷ラジエータ上に進入して放熱を行い、そして放熱後の放熱液を液冷ヘッド内へと流し戻し、循環放熱を行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術において、液冷放熱器の液冷ラジエータの流路は、単一の行程の流路であり、液冷ラジエータにおける放熱液の流動行程を比較的に短くし、放熱液を効率よく降温させて放熱させることができなくなる。そのため、タンク及びそれを用いた多流路液冷ラジエータは、多流路液冷ラジエータ及びタンクについて同時に改良しようと、タンクの区画密封性が良好になり、表面の均一性が好適に確保され、各分集液室の液体の相互混合をなくし、及び生産製作の容易化などの目的の達成が期待される。
【0005】
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、タンクの多流路液冷ラジエータへの応用に適することができると共に、構造強度が良好になり、表面の均一性が好適に確保され、区画密封性が比較的好適に確保され、各分集液室の液体の相互混合をなくし、かつ生産製作の容易化、多流路液冷ラジエータへの応用促進に適用するという目的を達成できる、タンク及び多流路液冷ラジエータを提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、液冷ラジエータにおける放熱液の流動行程を延長することにより、従来の液冷ラジエータの液体に対して降温・放熱を効率よく行うことができないという問題を有効に解決することができる、タンク及び多流路液冷ラジエータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明で開示するタンク及び多流路液冷ラジエータにおいて、前記タンクは、タンク本体と、前記タンク本体内に装着される液仕切板とを備え、前記タンク本体は、集液室を形成するように一体成形される端面板と周側板とを有し、前記タンク本体の内側面にU字形凸部が形成され、前記両U字形凸部の間に挿入スロットが形成され、前記液仕切板が、開口の箇所から前記挿入スロットに正対して挿入されると共に、前記U字形凸部に密封連結され、前記集液室を多数個の分集液室として画設し、これによって前記タンクの構造強度を好適に維持させ、表面の均一性が好適に確保され、区画密封性が好適に保たれ、各分集液室の液体の相互混合をなくし、かつ生産製作を容易化し、応用促進に適用することができる。前記多流路液冷ラジエータは、前記タンクを応用することで、液冷ラジエータにおける液体の流動行程を延長することができるので、液体を効率よくかつ十分に降温させて放熱させることができることから、全体の放熱効果を向上させることができる。
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明のタンクは、タンク本体と、前記タンク本体内に装着される液仕切板とを備え、その内、前記タンク本体は、一体成形連結される端面板と周側板とを有し、前記周側板は、前記端面板の周縁から一体的に同方向に延設され、前記端面板と前記周側板とで集液室が形成され、前記周側板の伸延末端に前記集液室の開口が形成され、前記周側板は、前記端面板の対向側に位置する両側板部を有し、一側板部と、前記端面板と、他側板部の内壁面とに沿って順次にU字形凸部が伸延形成され、前記U字形凸部が2個一組にして間隔をおいて配置され、2個の前記U字形凸部の間に挿入スロットが形成され、前記液仕切板は、前記開口の箇所から前記挿入スロットに正対して挿入され、かつ前記液仕切板が前記U字形凸部に密封連結されて、前記集液室は、前記液仕切板の両側に位置する分集液室として区画される。
【0009】
本発明では、前記タンクにおいて、前記液仕切板を前記挿入スロット内に挿入した後、リベット接合によって2個の前記U字形凸部の外側で両者を前記液仕切板に対して向かい合って挟持させる。
【0010】
本発明では、前記タンクにおいて、前記タンク本体は、放熱金属材質で構成される。
【0011】
本発明では、前記タンクにおいて、前記液仕切板を前記挿入スロット内に挿入した後、高温半田付け接続によって2個の前記U字形凸部を前記液仕切板の両側に固定させる。
【0012】
本発明では、前記タンクにおいて、前記液仕切板は、半田付け接続可能な複合材料で構成される。
【0013】
本発明では、前記タンクにおいて、前記液仕切板は、ステンレスアルミニウム基材と、前記ステンレスアルミニウム基材の表面に複合されたアルミニウム合金誘電体層とを有し、高温時に、前記液仕切板は、表面の前記アルミニウム合金誘電体層を介して前記挿入スロットの内壁面と半田付け接続を形成する。
【0014】
本発明では、前記タンクにおいて、前記タンク本体は、冷間鍛造されてなる。
【0015】
本発明は、前記タンクにおいて、前記液仕切板が前記U字形凸部に密封連結された後、前記液仕切板は、前記開口の箇所に前記周側板の伸延末端から突出露呈される。
【0016】
本発明では、並行配置される複数組の並列管を含み、前記複数組の並列管の両端にタンクがそれぞれ組付けられ、前記タンクは、請求項1~8のいずれか1項に記載の前記タンクであり、前記タンク本体の前記集液室の前記開口の箇所に蓋体が密封装着され、前記液仕切板が前記蓋体の内壁面に密封連結され、前記蓋体上に各前記分集液室に対応して取付け孔がそれぞれ設置され、前記複数組の並列管の両端には、相応の前記取付け孔がそれぞれ連結されて相応の前記分集液室に連通している。
【0017】
本発明では、前記多流路液冷ラジエータにおいて、前記並列管が6組配置され、第1並列管、第2並列管、第3並列管、第4並列管、第5並列管及び第6並列管とそれぞれ定義され、前記複数組の並列管の両端の前記タンクが第1タンク及び第2タンクとしてそれぞれ定義され、前記第1タンクには、前記第1タンクを第1分集液室、第2分集液室、第3分集液室及び第4分集液室に区画形成する3枚の液仕切板が設置され、前記第1タンクのタンク本体には、前記第1分集液室に連通する入液口が設置されると共に、前記第4分集液室に連通する出液口が設置され、前記第2タンクには、前記第2タンクを第5分集液室、第6分集液室及び第7分集液室に区画形成する2枚の前記液仕切板が設置され、前記第1並列管から前記第6並列管上にいずれも放熱フィンが設置され、前記第1並列管の一端部が前記第1分集液室と連通し、前記第1並列管の他端部が前記第5分集液室と連通し、前記第2並列管の一端部が前記第2分集液室と連通し、前記第2並列管の他端部が前記第5分集液室と連通し、前記第3並列管の一端部が前記第2分集液室と連通し、前記第3並列管の他端部が前記第6分集液室と連通し、前記第4並列管の一端部が前記第3分集液室と連通し、前記第4並列管の他端部が前記第6分集液室と連通し、前記第5並列管の一端部が前記第3分集液室と連通し、前記第5並列管の他端部が前記第7分集液室と連通し、前記第6並列管の一端部が前記第4分集液室と連通し、前記第6並列管の他端部が前記第7分集液室と連通する。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、タンクのタンク本体の内壁面にU字形凸部が順次に伸延形成されることにより、U字形凸部が2個一組にして間隔をおいて配置され、2個のU字形凸部の間に挿入スロットが形成されてから、液仕切板を開口の箇所から挿入スロットに正対して挿入し、かつ液仕切板がU字形凸部に密封連結されることから、集液室を各液仕切板の両側に位置する分集液室として画設する。本発明のタンクは、構造強度が良好になり、表面の均一性が好適に確保され、区画密封性が良好になり、各分集液室の液体の相互混合をなくし、かつ生産製作を容易化し、多流路液冷ラジエータへの応用促進に適用するなどという効果を有する。
【0019】
本発明の多流路液冷ラジエータは、タンクを応用することで、本製品における流路に多数個を順次連結した多数個の迂回構造を呈させ、液冷ラジエータにおける液体の流動行程を有効に延長することにより、液体を効率よくかつ十分に降温させて放熱させることができ、液冷ラジエータ全体の放熱効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態のタンクを示す斜視図である。
図2】本発明の図1における平面図である。
図3】本発明の図2におけるA-A断面を示す図である。
図4】本発明の実施形態のタンクを示す分解斜視図である。
図5】本発明の図2の部分拡大を示す図である。
図6】本発明の図3の部分拡大を示す図である。
図7】本発明の実施形態の多流路液冷ラジエータを示す平面図である。
図8】本発明の実施形態の多流路液冷ラジエータを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態によるタンク及びそれを用いた多流路液冷ラジエータを図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0022】
図1から図6に示すように、本発明にかかるタンクの実施形態は、タンク本体1と、タンク本体1内に装着される液仕切板2とを備え、その内、タンク本体1は、一体成形連結される端面板21と周側板22とを有し、周側板22は、端面板21の周縁から一体的に同方向に延設され、端面板21と周側板22とで集液室25が形成され、周側板22の伸延末端に集液室25の開口が形成され、周側板22は、端面板21の対向側に位置する両側板部221を有し、かつ一側板部221から端面板21を経て他側板部221の内壁面にまで沿うようにU字形凸部23が伸延形成され(一端方向から観察)、U字形凸部23が2個一組にして間隔をおいて配置され、2個のU字形凸部23の間に挿入スロット24が形成される。
【0023】
液仕切板2は、開口の箇所からタンク本体1の挿入スロット24内に正対して挿入され、かつ液仕切板2がU字形凸部23に密封連結されることから、集液室25を液仕切板2の両側に位置する分集液室として画設する。また、液仕切板2がU字形凸部23に密封連結された後、液仕切板2は、開口の箇所に周側板22の伸延末端から突出露呈される。
【0024】
液仕切板2をU字形凸部23に密封連結する実際の加工方式としては、多様な方式を採用することができ、例えば、液仕切板2を挿入スロット24内に挿入した後、リベット接合によって2個のU字形凸部23の外側で両者を液仕切板2に対して向かい合って挟持させ、望ましくは、リベット接合操作時に、2個のU字形凸部23の外側(両者の背向側ともいう)に向かい合う押圧力を受けると同時に、開口の箇所で2個のU字形凸部23に対して押圧が行われる。なお、高温半田付け接続方式を採用してもよく、液仕切板2を挿入スロット24内に挿入した後、高温半田付け接続によって2個のU字形凸部23を液仕切板2の両側に固定させ、この種の加工方式では、液仕切板2は、半田付け接続可能な複合材料で構成され、ここで、液仕切板2は、3003ステンレスアルミニウム基材と、3003ステンレスアルミニウム基材の表面に複合された4343アルミニウム合金誘電体層とを有することが望ましく、通炉高温時に、液仕切板2は、表面の4343アルミニウム合金誘電体層を介して挿入スロット24の内壁面と半田付け接続を形成する。
【0025】
タンクのタンク本体1を製作する時に、冷間鍛造を採用して成形されるようにすることが望ましく、例えば、ステンレスアルミニウム、鉄またはステンレス鋼などの材質から選択できる放熱金属材質を採用することが好ましい。
【0026】
次に、図7及び図8に示すように、本発明にかかる多流路液冷ラジエータの実施形態は、並行配置される複数組の並列管300を含み、複数組の並列管300の両端にタンクがそれぞれ組付けられ、タンクは、タンク本体1と、液仕切板2とから構成されるタンクである。タンク本体1の集液室25の開口の箇所に蓋体3が密封装着され、液仕切板2が蓋体3の内壁面に密封連結され、蓋体3上に各分集液室に対応して多数個の取付け孔がそれぞれ設置され、複数組の並列管300の両端には、相応の各取付け孔がそれぞれ連結されて相応の分集液室に連通している。液仕切板2が開口の箇所に周側板22の伸延末端から突出露呈されるため、それらを複数組の並列管300の両端に組付けた後、より一層好適な密封組付けが確保され、液仕切板2の露呈端は、複数組の並列管300の両端と密閉接触を形成することができ、タンク、複数組の並列管の両端の寸法誤差との互換性がより好適となる。望ましくは、タンク本体1の周側板22が蓋体3内に延び入って緊密な連結が形成される。
【0027】
本実施形態において、複数組の並列管300が6組配置され、第1並列管31、第2並列管32、第3並列管33、第4並列管34、第5並列管35及び第6並列管36とそれぞれ定義され、複数組の並列管300の両端に組付けられるタンクが第1タンク100及び第2タンク200としてそれぞれ定義され、第1タンク100には、上記の構造に基づいて3組のU字形凸部23、挿入スロット24及び液仕切板2が設置されて、第1タンク100を第1分集液室101、第2分集液室102、第3分集液室103及び第4分集液室104に区画形成し、第1タンク100のタンク本体1には、第1分集液室101に連通する入液口1011が設置され、及び第4分集液室104に連通する出液口1041が設置され、放熱液を流入及び流出させるために用いられる。第2タンク200には、上記の構造に基づいて2組のU字形凸部23、挿入スロット24及び液仕切板2が設置されることが好ましく、第2タンク200を第5分集液室201、第6分集液室202及び第7分集液室203に区画形成し、かつ第1タンク100の液仕切板2及び第2タンク200の液仕切板2同士が、互いに位置ずれして配置されている。
【0028】
上記の第1並列管31、第2並列管32、第3並列管33、第4並列管34、第5並列管35及び第6並列管36上にいずれも放熱フィンが設置され、第1並列管31の一端部が第1分集液室101と連通し、第1並列管31の他端部が第5分集液室201と連通し、第2並列管32の一端部が第2分集液室102と連通し、第2並列管32の他端部が第5分集液室201と連通し、第3並列管33の一端部が第2分集液室102と連通し、第3並列管33の他端部が第6分集液室202と連通し、第4並列管34の一端部が第3分集液室103と連通し、第4並列管34の他端部が第6分集液室202と連通し、第5並列管35の一端部が第3分集液室103と連通し、第5並列管35の他端部が第7分集液室203と連通し、第6並列管36の一端部が第4分集液室104と連通し、第6並列管36の他端部が第7分集液室203と連通し、これによって放熱のために用いられる多流路液冷ラジエータが構成される。
【0029】
本発明を詳述する動作原理は、以下の通りである。
本発明の多流路液冷ラジエータは、使用時に、図7に示すように、温度が比較的に高い液体が入液口1011から第1分集液室101に進入し、その後、順次第1並列管31、第5分集液室201、第2並列管32、第2分集液室102、第3並列管33、第6分集液室202、第4並列管34、第3分集液室103、第5並列管35、第7分集液室203、第4分集液室104を流過し、最後に、出液口1041から出力され、液体が第1分集液室101を流過し、その後、順次第1並列管31、第5分集液室201、第2並列管32、第2分集液室102、第3並列管33、第6分集液室202、第4並列管34、第3分集液室103、第5並列管35、第7分集液室203、第4分集液室104を流過する過程において温度が漸次低下し、出液口1041から出力される液体の温度が比較的に低いので、より好適な降温・放熱効果を実現することができる。
【0030】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 タンク本体
2 液仕切板
21 端面板
22 周側板
221 側板部
23 U字形凸部
24 挿入スロット
25 集液室
300 複数組の並列管
31 第1並列管
32 第2並列管
33 第3並列管
34 第4並列管
35 第5並列管
36 第6並列管
100 第1タンク
101 第1分集液室
102 第2分集液室
103 第3分集液室
104 第4分集液室
1011 入液口
1041 出液口
200 第2タンク
201 第5分集液室
202 第6分集液室
203 第7分集液室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8