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特開2022-122238エネルギー貯蔵システム及びその電力供給方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122238
(43)【公開日】2022-08-22
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵システム及びその電力供給方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20220815BHJP
【FI】
H02J9/06 120
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021132615
(22)【出願日】2021-08-17
(31)【優先権主張番号】110104890
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】519454741
【氏名又は名称】メリー エレクトロニクス(シンセン)コンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】劉 永祥
(72)【発明者】
【氏名】梁 維綱
(72)【発明者】
【氏名】王 郁凱
【テーマコード(参考)】
5G015
【Fターム(参考)】
5G015FA08
5G015GA08
5G015HA16
5G015JA04
5G015JA11
5G015JA33
5G015JA58
(57)【要約】      (修正有)
【課題】エネルギー貯蔵システム及びその電力供給方法を提供する。
【解決手段】エネルギー貯蔵システムにおいて、第1のエネルギー貯蔵装置102及び第2のエネルギー貯蔵装置104は、AC電源と負荷との間に直列に接続される。AC電源が正常である場合、AC電源は、第1のエネルギー貯蔵装置を充電するために使用され、充電のために第2のエネルギー貯蔵装置に提供される。AC電源が異常である場合、第1のエネルギー貯蔵装置の出力を、AC電源から第1のエネルギー貯蔵電源に切り替え、かつ、第2のエネルギー貯蔵装置が第1のエネルギー貯蔵電源を充電に使用することができないようにする。
【効果】負荷に対して、第1のエネルギー貯蔵装置の電力供給状態に応じて、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源又は第2のエネルギー貯蔵回路によって提供される第2のエネルギー貯蔵電源が出力される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC電源に結合された入力端子を有する第1のエネルギー貯蔵装置であって、
前記AC電源に結合され、前記AC電源を充電に使用する、第1のエネルギー貯蔵回路、
前記第1のエネルギー貯蔵回路と、前記第1のエネルギー貯蔵装置の前記入力端子及び出力端子とに結合された第1のスイッチング回路、及び、
前記第1のエネルギー貯蔵回路、前記第1のスイッチング回路、及び前記第1のエネルギー貯蔵装置の前記入力端子に結合された第1の制御回路であり、前記AC電源が異常かどうかに応じて、前記第1のスイッチング回路を制御して、前記第1のエネルギー貯蔵装置の前記出力端子に対して、前記AC電源を出力するか、前記第1のエネルギー貯蔵回路によって提供される第1のエネルギー貯蔵電源を出力するかを切り替える、第1の制御回路、
を備える、第1のエネルギー貯蔵装置、及び、
前記AC電源と負荷との間で前記第1のエネルギー貯蔵装置と直列に接続され、前記第1のエネルギー貯蔵装置の前記出力端子及び前記負荷にそれぞれ結合された入力端子及び出力端子を有する第2のエネルギー貯蔵装置であって、
前記第2のエネルギー貯蔵装置の前記入力端子に結合され、前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される前記AC電源を充電に使用する第2のエネルギー貯蔵回路、
前記第2のエネルギー貯蔵回路と、前記第2のエネルギー貯蔵装置の前記入力端子及び前記出力端子とに結合された第2のスイッチング回路、及び、
前記第2のエネルギー貯蔵回路、前記第2のスイッチング回路、及び前記第2のエネルギー貯蔵装置の前記入力端子に結合され、前記第1のエネルギー貯蔵装置の電力供給状態に応じて、前記第2のスイッチング回路を制御して、前記負荷に対して、前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源を出力するか、或いは、前記第2のエネルギー貯蔵回路によって提供される第2のエネルギー貯蔵電源を出力するかを切り替える第2の制御回路、
を備える、第2のエネルギー貯蔵装置、
を備えるエネルギー貯蔵システム。
【請求項2】
前記第1の制御回路が、前記AC電源が異常であることを検出すると、前記第1のスイッチング回路を制御して、前記第1のエネルギー貯蔵装置の出力を前記第1のエネルギー貯蔵電源に切り替え、前記第1のエネルギー貯蔵回路を制御して、第1のプリセット期間中に第1のプリセット信号特性に適合する前記第1のエネルギー貯蔵電源を出力し、前記第2の制御回路が、前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される前記電源が前記第1のプリセット信号特性に適合していることを検出すると、前記第2のエネルギー貯蔵回路が前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される前記電源を充電に使用することをできなくする、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
前記第1の制御回路が、前記AC電源が正常に戻ったと判定した場合、前記第1のスイッチング回路を制御して、前記第1のエネルギー貯蔵装置の前記出力を前記AC電源に切り替え、前記第1のエネルギー貯蔵回路を制御して、前記第1のエネルギー貯蔵装置の前記出力が前記AC電源に切り替わる前の第2のプリセット期間中に第2のプリセット信号特性に適合する前記第1のエネルギー貯蔵電源を出力する、請求項2に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
前記第2の制御回路が、前記第1のエネルギー貯蔵装置によって出力される前記電源が前記第2のプリセット信号特性に適合している場合に、前記第2のエネルギー貯蔵回路が前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源を充電に使用することができるようにする、請求項3に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項5】
前記第1のプリセット信号特性が、前記第2のプリセット信号特性とは異なる、請求項3に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
前記第1のプリセット信号特性が第1のプリセット周波数変更方式を含み、前記第2のプリセット信号特性が第2のプリセット周波数変更方式を含む、請求項3に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項7】
前記第1のプリセット周波数変更方式が、前記第1のプリセット期間中に第1のシーケンスに従って、前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される前記電源の複数の周波数値を切り替える働きをし、前記周波数値のそれぞれが、対応する期間中維持される、請求項6に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項8】
前記第2のプリセット周波数変更方式が、第2のプリセット期間中に第2のシーケンスに従って、前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される前記電源の複数の周波数値を切り替える働きをし、前記周波数値のそれぞれが、対応する期間中維持される、請求項6に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項9】
前記第2の制御回路が、前記第1のエネルギー貯蔵装置が前記電源の提供を停止したことを検出すると、前記第2のエネルギー貯蔵回路を制御して、前記第2のスイッチング回路を介して前記負荷に対して前記第2のエネルギー貯蔵電源を提供する、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項10】
前記第1の制御回路が、
前記第1のエネルギー貯蔵装置の前記入力端子に結合され、前記AC電源を検出して、第1の検出信号を生成する第1の検出回路を備え、前記第1の制御回路が、前記第1の検出信号に従って前記AC電源が異常であるかどうかを判定する、
請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項11】
前記第2の制御回路が、
前記第2のエネルギー貯蔵装置の前記入力端子に結合され、前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される前記電源を検出して、第2の検出信号を生成する第2の検出回路を備え、前記第2の制御回路が、前記第2の検出信号に従って前記第1のエネルギー貯蔵装置の前記電力供給状態を判定する、
請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項12】
エネルギー貯蔵システムの電力供給方法であって、前記エネルギー貯蔵システムが、AC電源と負荷との間に直列に接続された第1のエネルギー貯蔵装置及び第2のエネルギー貯蔵装置を備え、
前記AC電源が異常かどうかを検出するステップと、
前記AC電源が正常である場合、前記AC電源を使用することによって前記第1のエネルギー貯蔵装置を充電し、充電のために前記AC電源を前記第2のエネルギー貯蔵装置に提供するステップと、
前記AC電源が異常である場合、前記第1のエネルギー貯蔵装置の出力を前記AC電源から第1のエネルギー貯蔵電源に切り替え、前記第2のエネルギー貯蔵装置が前記第1のエネルギー貯蔵電源を充電に使用することをできなくするステップと、
前記第1のエネルギー貯蔵装置の電力供給状態に応じて、前記負荷に対して、前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源又は前記第2のエネルギー貯蔵回路によって提供される第2のエネルギー貯蔵電源を出力するステップと、
を含む、エネルギー貯蔵システムの電力供給方法。
【請求項13】
前記AC電源が異常であることを検出すると、前記第1のエネルギー貯蔵装置を制御して、第1のプリセット期間中に第1のプリセット信号特性に適合する前記第1のエネルギー貯蔵電源を出力するステップと、
前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される前記電源が前記第1のプリセット信号特性に適合しているかどうかを検出するステップと、
前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される前記電源が前記第1のプリセット信号特性に適合していない場合、前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される前記電源を前記負荷に出力し、前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される前記電源を使用することによって前記第2のエネルギー貯蔵装置を充電するステップと、
前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される前記電源が前記第1のプリセット信号特性に適合している場合、前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される前記電源を前記負荷に出力し、前記第2のエネルギー貯蔵装置が前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される前記電源を充電に使用することができないようにするステップと、
を含む、請求項12に記載のエネルギー貯蔵システムの電力供給方法。
【請求項14】
前記AC電源が正常に戻ったことが検出されると、前記第1のエネルギー貯蔵装置の前記出力が前記AC電源に切り替えられ、前記第1のエネルギー貯蔵装置の前記出力が前記AC電源に切り替わる前の第2のプリセット期間中に、前記第1のエネルギー貯蔵装置が第2のプリセット信号特性に適合する前記第1のエネルギー貯蔵電源を出力するように制御される、請求項13に記載のエネルギー貯蔵システムの電力供給方法。
【請求項15】
前記第1のエネルギー貯蔵装置によって出力される前記電源が前記第2のプリセット信号特性に適合している場合、前記第2のエネルギー貯蔵装置が前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される前記電源を充電に使用することができるようにするステップ、
を含む、請求項14に記載のエネルギー貯蔵システムの電力供給方法。
【請求項16】
前記第1のプリセット信号特性が前記第2のプリセット信号特性とは異なる、請求項13に記載のエネルギー貯蔵システムの電力供給方法。
【請求項17】
前記第1のプリセット信号特性が第1のプリセット周波数変更方式を含み、前記第2のプリセット信号特性が第2のプリセット周波数変更方式を含む、請求項13に記載のエネルギー貯蔵システムの電力供給方法。
【請求項18】
前記第1のプリセット周波数変更方式が、前記第1のプリセット期間中に第1のシーケンスに従って、前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される前記電源の複数の周波数値を切り替える働きをし、前記周波数値のそれぞれが、対応する期間中維持される、請求項17に記載のエネルギー貯蔵システムの電力供給方法。
【請求項19】
前記第2のプリセット周波数変更方式が、前記第2のプリセット期間中に第2のシーケンスに従って、前記第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される前記電源の複数の周波数値を切り替える働きをし、前記周波数値のそれぞれが、対応する期間中維持される、請求項17に記載のエネルギー貯蔵システムの電力供給方法。
【請求項20】
前記第1のエネルギー貯蔵装置が前記電源の提供を停止したことが検出されると、前記第2のエネルギー貯蔵装置を制御して、前記第2のエネルギー貯蔵電源を前記負荷に提供するステップ、
を含む、請求項12に記載のエネルギー貯蔵システムの電力供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力供給装置、より詳細には、エネルギー貯蔵システム及びその電力供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器の安定動作を確実にするために、通常、デュアル入力電源を備えた電力供給装置を用いて、電気機器に電力を供給する。デュアル入力電源を備えた電力供給装置には、通常、電気機器が電源の中断のために動作しなくなるのを防止し、それによって、電気機器の信頼性を向上させるように、メイン入力電源が異常な場合に、電気機器の電力供給源をメイン入力電源からバックアップ入力電源に自動的に切り替える自動転送スイッチ(ATS)が設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
バックアップ入力電源は、電気機器の電力供給問題を解決することができるが、バックアップ入力電源の電力容量は、一般に限られているため、バックアップ入力電源が電気機器に電力を供給することができる時間も限られている。したがって、バックアップ入力電源の電力容量をどのように増加させて、バックアップ入力電源の電力供給時間を延ばすかは、当業者が取り組むべき問題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、エネルギー貯蔵システムの総放電容量を効果的に増加させ、電力供給時間を大幅に延ばすことができるエネルギー貯蔵システム及びその電力供給方法を提供する。
【0005】
本開示の一実施形態によるエネルギー貯蔵システムは、第1のエネルギー貯蔵装置及び第2のエネルギー貯蔵装置を含む。第1のエネルギー貯蔵装置の入力端子は、AC電源に結合されている。第2のエネルギー貯蔵装置及び第1のエネルギー貯蔵装置は、AC電源と負荷との間に直列に接続されている。第2のエネルギー貯蔵装置の入力端子及び出力端子は、第1のエネルギー貯蔵装置の入力端子及び負荷にそれぞれ結合されている。第1のエネルギー貯蔵装置は、第1のエネルギー貯蔵回路、第1のスイッチング回路、及び第1の制御回路を含む。第1のエネルギー貯蔵回路は、AC電源に結合され、AC電源を充電に使用する。第1のスイッチング回路は、第1のエネルギー貯蔵回路と、第1のエネルギー貯蔵装置の入力端子及び出力端子に結合されている。第1の制御回路は、第1のエネルギー貯蔵回路と、第1のスイッチング回路と、第1のエネルギー貯蔵装置の入力端子に結合され、AC電源が異常であるかどうかに応じて、第1のスイッチング回路を制御して、第1のエネルギー貯蔵装置の出力端子に、AC電源を出力するか、第1のエネルギー貯蔵回路によって提供される第1のエネルギー貯蔵電源を出力するかを切り替える。第2のエネルギー貯蔵装置及び第1のエネルギー貯蔵装置は、AC電源と負荷との間に直列に接続されている。第2のエネルギー貯蔵装置の入力端子及び出力端子は、第1のエネルギー貯蔵装置の出力端子及び負荷にそれぞれ結合されている。第2のエネルギー貯蔵装置は、第2のエネルギー貯蔵回路、第2のスイッチング回路、及び第2の制御回路を含む。第2のエネルギー貯蔵回路は、第2のエネルギー貯蔵装置の入力端子に結合され、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供されるAC電源を充電に使用する。第2のスイッチング回路は、第2のエネルギー貯蔵回路と、第2のエネルギー貯蔵装置の入力端子及び出力端子に結合されている。第2の制御回路は、第2のエネルギー貯蔵回路と、第2のスイッチング回路と、第2のエネルギー貯蔵装置の入力端子に結合され、第1のエネルギー貯蔵装置の電力供給状態に応じて、第2のスイッチング回路を制御して、負荷に対して、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源を出力するか、或いは、第2のエネルギー貯蔵回路によって提供される第2のエネルギー貯蔵電源を出力するかを切り替える。
【0006】
本開示は、エネルギー貯蔵システムの電力供給方法をさらに提供する。エネルギー貯蔵システムは、AC電源と負荷との間に直列に接続された第1のエネルギー貯蔵装置及び第2のエネルギー貯蔵装置を含む。エネルギー貯蔵システムの電力供給方法には、以下のステップが含まれる。AC電源が異常であるかどうかが検出される。AC電源が正常である場合、第1のエネルギー貯蔵装置は、AC電源を使用することによって充電され、AC電源は、充電のために第2のエネルギー貯蔵装置に提供される。AC電源が異常である場合、第1のエネルギー貯蔵装置の出力は、AC電源から第1のエネルギー貯蔵電源に切り替えられ、第2のエネルギー貯蔵装置が第1のエネルギー貯蔵電源を充電に使用することができないようにする。第1のエネルギー貯蔵装置の電力供給状態に応じて、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源又は第2のエネルギー貯蔵回路によって提供される第2のエネルギー貯蔵電源が、負荷に出力される。
【発明の効果】
【0007】
上記に基づいて、本開示の実施形態によると、第1のエネルギー貯蔵装置及び第2のエネルギー貯蔵装置は、AC電源と負荷との間に直列に接続されている。AC電源が正常である場合、第1のエネルギー貯蔵装置は、AC電源を使用することによって充電されてもよく、AC電源は、充電のために第2のエネルギー貯蔵装置に提供されてもよい。AC電源が異常である場合、第1のエネルギー貯蔵装置の出力がAC電源から第1のエネルギー貯蔵電源に切り替えられ、第2のエネルギー貯蔵装置が第1のエネルギー貯蔵電源を充電に使用することができないようにすることができる。加えて、第1のエネルギー貯蔵装置の電力供給状態に応じて、第1のエネルギー貯蔵装置が提供する電源又は第2のエネルギー貯蔵回路が提供する第2のエネルギー貯蔵電源が、負荷に出力される。このように、第1のエネルギー貯蔵装置及び第2のエネルギー貯蔵装置をAC電源と負荷との間に直列に接続し、AC電源の電力供給状態に応じて、第1のエネルギー貯蔵装置及び第2のエネルギー貯蔵装置の電力供給を調整することによって、エネルギー貯蔵システムの総放電容量を効果的に増加させることができ、電力供給時間を大幅に延ばすことができる。
【0008】
添付の図面は、本開示についてのさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成する。これらの図面は、本開示の実施形態を例示し、説明とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態によるエネルギー貯蔵システムの概略図である。
【0010】
図2】本開示の一実施形態による、第1のエネルギー貯蔵装置の電源周波数変更の流れ図である。
【0011】
図3】本開示の一実施形態による、第1のエネルギー貯蔵装置の電源周波数変更を決定する流れ図である。
【0012】
図4】本開示の別の実施形態による、第1のエネルギー貯蔵装置の電源周波数変更の流れ図である。
【0013】
図5】本開示の別の実施形態による、第1のエネルギー貯蔵装置の電源周波数変更を決定する流れ図である。
【0014】
図6】本開示の別の実施形態によるエネルギー貯蔵システムの概略図である。
【0015】
図7】本開示の別の実施形態によるエネルギー貯蔵システムの概略図である。
【0016】
図8】本開示の一実施形態によるエネルギー貯蔵システムの電力供給方法の流れ図である。
【0017】
図9】本開示の別の実施形態によるエネルギー貯蔵システムの電力供給方法の流れ図である。
【0018】
図10】本開示の別の実施形態によるエネルギー貯蔵システムの電力供給方法の流れ図である。
【0019】
図11】本開示の別の実施形態によるエネルギー貯蔵システムの電力供給方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、本開示の好ましい本実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。可能な限り、図面及び説明では同じ参照番号を使用して、同一又は類似の部品を参照する。
【0021】
図1は、本開示の一実施形態によるエネルギー貯蔵システムの概略図である。図1を参照すると、エネルギー貯蔵システムは、第1のエネルギー貯蔵装置102及び第2のエネルギー貯蔵装置104を含む。第1のエネルギー貯蔵装置102及び第2のエネルギー貯蔵装置104は、AC電源118と負荷120との間に直列に接続されている。第1のエネルギー貯蔵装置102の入力端子は、AC電源118に結合され、第2のエネルギー貯蔵装置104の入力端子及び出力端子は、第1のエネルギー貯蔵装置102の出力端子及び負荷120にそれぞれ結合されている。より詳細には、第1のエネルギー貯蔵装置102は、第1のエネルギー貯蔵回路106、第1のスイッチング回路108、及び第1の制御回路110を含むことができる。第1のエネルギー貯蔵回路106は、AC電源118、第1のスイッチング回路108、及び第1の制御回路110に結合されている。第1のスイッチング回路108は、第1のエネルギー貯蔵装置102の入力端子及び出力端子にさらに結合されている。第1の制御回路110は、第1のスイッチング回路108及び第1のエネルギー貯蔵装置102の入力端子にさらに結合されている。加えて、第2のエネルギー貯蔵装置104は、第2のスイッチング回路112、第2のエネルギー貯蔵回路114、及び第2の制御回路116を含むことができる。第2のスイッチング回路112は、第2のエネルギー貯蔵回路114と、第2の制御回路116と、第2のエネルギー貯蔵装置104の入力端子及び出力端子に結合されている。第2の制御回路116は、第2のエネルギー貯蔵回路114及び第2のエネルギー貯蔵装置104の入力端子に結合されている。第2のエネルギー貯蔵回路114は、第2のエネルギー貯蔵装置104の入力端子にさらに結合されている。
【0022】
第1のエネルギー貯蔵回路106は、AC電源118によって提供される電力を充電に使用することができる。AC電源118の電力供給状態が異常であるかどうかに応じて、第1の制御回路110は、第1のスイッチング回路108を制御して、第1のエネルギー貯蔵装置102の出力端子に、AC電源118を出力するか、第1のエネルギー貯蔵回路106によって提供される第1のエネルギー貯蔵電源(これもAC電源である)を出力するかを切り替えることができる。AC電源118の電力供給異常は、AC電源118の異常な電圧又は異常な周波数に起因する場合がある。このような異常により、AC電源118を正常に供給することができない場合がある。第1のエネルギー貯蔵装置102の出力端子の電力供給状態に応じて、第2のエネルギー貯蔵装置104の第2の制御回路116は、負荷120に、第1のエネルギー貯蔵装置102によって提供される電源を出力するか、第2のエネルギー貯蔵回路114によって提供される第2のエネルギー貯蔵電源を出力するかを切り替えて、負荷120が動作するのに必要な電力を負荷120に供給することができる。
【0023】
より詳細には、AC電源118の電力供給状態が正常である場合、第1のエネルギー貯蔵装置102は、バイパスモードにある。第1のエネルギー貯蔵装置102によって提供されるAC電源118は、第2のエネルギー貯蔵回路114を充電しながら、負荷120に電力を供給する働きをすることができる。第1の制御回路110が、AC電源118が異常であることを検出すると、第1のエネルギー貯蔵装置102は、バッテリモードに入る。このとき、第1の制御回路110は、第1のスイッチング回路108を制御して、第1のエネルギー貯蔵装置102の出力を、第1のエネルギー貯蔵回路106によって提供される第1のエネルギー貯蔵電源に切り替えて、負荷120に途切れなく電力を供給することができる。第1のエネルギー貯蔵回路106によって提供される第1のエネルギー貯蔵電源が第2のエネルギー貯蔵回路114に提供されるのを防止するために、第1の制御回路110は、第1のエネルギー貯蔵回路106を制御して、第1のプリセット期間中に第1のプリセット信号特性に適合する第1のエネルギー貯蔵電源を出力して、現在の電力供給源が第1のエネルギー貯蔵回路106であることを第2のエネルギー貯蔵装置104に通知することができる。第2のエネルギー貯蔵装置104は、第1のプリセット信号特性を事前に記憶しているため、第2のエネルギー貯蔵装置104は、第1のエネルギー貯蔵装置102によって提供される電源が、第1のプリセット期間中に第1のプリセット信号特性に適合していることを検出した場合、第2のエネルギー貯蔵回路114が第1のエネルギー貯蔵装置102によって提供される電源を充電に使用することができないようにすることができる。
【0024】
第1のプリセット信号特性は、プリセット電源周波数変更シーケンスである第1のプリセット周波数変更方式を含み、例えば、第1のプリセット期間中に第1のシーケンスに従って、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源の複数の周波数値を切り替える働きをすることができ、各周波数値は、対応する期間中維持される。例えば、図2は、本開示の一実施形態による、第1のエネルギー貯蔵装置102の電源周波数変更の流れ図である。本実施形態では、第1のエネルギー貯蔵装置102は、最初はバイパスモードにある(ステップS202)。第1の制御回路110は、AC電源118が異常であるかどうかを検出する(ステップS204)。AC電源118が異常でない場合、フローがステップS202に戻って、AC電源118の電力供給状態を継続的に検出することができる。AC電源118が異常である場合、第1のエネルギー貯蔵装置102は、バッテリモードに入る(ステップS206)。続いて、第1の制御回路110は、第1のエネルギー貯蔵回路106が第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数を調整するように制御されているかどうかを判定する(ステップS208)。第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数が調整されている場合、フローがステップS206に戻る。第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数が調整されていない場合、第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数を61Hzに調整し(ステップS210)、次いで、各サイクルが、電源信号(第1のエネルギー貯蔵電源)の正の半サイクルと負の半サイクルを含む10サイクルにわたって、第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数が61Hzに維持されたかどうかを判定する(ステップS212)。第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数を10サイクルにわたって61Hzに維持できない場合、フローがステップS210に戻り、第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数を61Hzに調整し続ける。第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数が10サイクルにわたって61Hzに維持された場合、第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数を59Hzに調整する(ステップS214)。次に、第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数が10サイクルにわたって59Hzに維持されたかどうかを判定する(ステップS216)。第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数を10サイクルにわたって59Hzに維持できない場合、フローがステップS214に戻り、第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数を59Hzに調整し続ける。第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数が10サイクルにわたって59Hzに維持された場合、第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数を61Hzに調整する(ステップS218)。その後、第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数が10サイクルにわたって61Hzに維持されたかどうかを判定する(ステップS220)。第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数を10サイクルにわたって61Hzに維持できない場合、フローがステップS218に戻り、第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数を61Hzに調整し続ける。第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数が10サイクルにわたって61Hzに維持された場合、第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数を60Hzに調整し(ステップS222)、これにより、第1のエネルギー貯蔵電源の電源周波数の調整が完了する。
【0025】
これに対応して、第2のエネルギー貯蔵装置104が、第1のエネルギー貯蔵装置102によって提供される電源が第1のプリセット期間中に第1のプリセット信号特性に適合するかどうかを判定するステップは、図3に示されるようなものであってもよい。第2のエネルギー貯蔵装置104がバイパスモードにあると仮定すると(ステップS302)、第2の制御回路116は、第1のエネルギー貯蔵装置102から第2のエネルギー貯蔵装置104に入力される電源の入力周波数を検出し、サイクルをカウントすることができる(ステップS304)。次に、第2の制御回路116は、第2のエネルギー貯蔵装置104に入力される電源の入力周波数が10サイクルにわたって61Hzに維持されたかどうかを判定する(ステップS306)。電源の入力周波数を10サイクルにわたって61Hzに維持できない場合、フローがステップS304に戻り、第2のエネルギー貯蔵装置104に入力される電源の入力周波数を検出し、サイクルをカウントし続ける。電源の入力周波数が10サイクルにわたって61Hzに維持された場合、フローがステップS308に入り、電源の入力周波数を検出し、サイクルをカウントする。その後、電源の入力周波数が10サイクルにわたって59Hzに維持されたかどうかを判定する(ステップS310)。電源の入力周波数を10サイクルにわたって59Hzに維持できない場合、フローがステップS304に戻る。電源の入力周波数が10サイクルにわたって59Hzに維持された場合、フローがステップS312に入り、電源の入力周波数を検出し、サイクルをカウントする。次に、電源の入力周波数が10サイクルにわたって61Hzに維持されたかどうかを判定する(ステップS314)。電源の入力周波数を10サイクルにわたって61Hzに維持できない場合、フローがステップS304に戻る。電源の入力周波数が10サイクルにわたって61Hzに維持された場合、フローがステップS316に入り、電源の入力周波数を検出し、サイクルをカウントする。続いて、電源の入力周波数が60Hzである時間が10サイクル以上であるかどうかを判定する。電源の入力周波数が60Hzである時間が10サイクル未満以下である場合、フローがステップS304に戻る。電源の入力周波数が60Hzである時間が10サイクル以上である場合、これは、第1のエネルギー貯蔵装置102から第2のエネルギー貯蔵装置104に出力される電源が第1のプリセット信号特性に適合し、第1のエネルギー貯蔵電源として機能することを意味する。これはまた、その時点で第1のエネルギー貯蔵装置102によって提供される電源が、AC電源118から第1のエネルギー貯蔵回路106によって提供される第1のエネルギー貯蔵電源に切り替えられたことを示唆している。したがって、第2の制御回路116は、第2のエネルギー貯蔵回路114が第1のエネルギー貯蔵装置102によって提供される電源を充電に使用することができないようにして、第2のエネルギー貯蔵回路114が、第1のエネルギー貯蔵回路106が負荷120に提供する第1のエネルギー貯蔵電源を消費するのを防止する。
【0026】
第1のプリセット信号特性に含まれる電源の周波数調整値及び電源の調整された周波数が維持されるサイクルの長さは、単なる例として説明されていることに留意されたい。他の実施形態では、周波数調整の回数、調整される周波数値、周波数値の変更順序、及び周波数が維持されるサイクルの長さは、上記の例に限定されない。例えば、周波数値の変更順序は、例えば、→62Hz→61Hz→60Hz→59Hz→58Hz→60Hzであってもよく、各周波数が維持されるサイクルの長さは、例えば、5サイクル、5サイクル、10サイクル、6サイクル、5サイクル、及び5サイクルの順であってもよい。
【0027】
さらに、第2の制御回路116が、第1のエネルギー貯蔵回路106が電力を使い果たしたときなど、第1のエネルギー貯蔵装置102が電源の提供を停止したことを検出すると、第2の制御回路116は、バッテリモードに入り、第2のエネルギー貯蔵回路114を制御して、第2のスイッチング回路112を介して第2のエネルギー貯蔵電源を負荷120に提供し、エネルギー貯蔵システムが負荷120に電力を供給する時間を延ばすことができる。
【0028】
第1の制御回路110が、AC電源118が異常状態から正常に戻ったと判断した場合、第1の制御回路110は、第1のスイッチング回路108を制御して、第1のエネルギー貯蔵装置102の出力をAC電源118に切り替え、第1のエネルギー貯蔵回路106を制御して、第1のエネルギー貯蔵装置102の出力がAC電源118に切り替えられる前の第2のプリセット期間中に第2のプリセット信号特性に適合する第1のエネルギー貯蔵電源を出力することができる。同様に、第2のエネルギー貯蔵装置104も、第2のプリセット信号特性を事前に記憶している。同様に、第2のプリセット信号特性は、第2のプリセット周波数変更方式を含むことができる。第2のプリセット周波数変更方式は、例えば、第2のプリセット期間中に第2のシーケンスに従って第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源の複数の周波数値を切り替える働きをすることができ、周波数値のそれぞれは、対応する期間中維持される。第2のプリセット信号特性に含まれる第2のプリセット周波数変更方式は、第1のプリセット信号特性に含まれる第1のプリセット周波数変更方式とは異なることに留意されたい。すなわち、第1のプリセット信号特性は、第2のプリセット信号特性とは異なる。
【0029】
例えば、図4は、本開示の別の実施形態による、第1のエネルギー貯蔵装置102の電源周波数変更の流れ図である。本実施形態では、第1のエネルギー貯蔵装置102は、最初はバッテリモードにある(ステップS402)。第1の制御回路110は、AC電源118が正常に戻ったかどうかを検出することができる(ステップS404)。AC電源118が正常に戻らない場合、フローがステップS402に戻って、AC電源118の電力供給状態を継続的に検出することができる。AC電源118が正常に戻った場合、第1の制御回路110は、第1のエネルギー貯蔵回路106を制御して、第2のプリセット期間中に第2のシーケンスで第1のエネルギー貯蔵電源の周波数値を切り替えることができる。図4のステップS406~S420に示すように、本実施形態では、第1のエネルギー貯蔵電源の周波数変更シーケンスは、→59Hz→61Hz→59Hz→60Hzであり、各周波数は、10サイクルにわたって維持される。本実施形態における周波数値の変更の詳細は、図2の実施形態と同様であるため、以下では、同じ詳細を繰り返さない。ステップS420において、第1のエネルギー貯蔵電源の出力周波数が10サイクルにわたって60Hzに維持されたと判定されると、第1の制御回路110は、バイパスモードに戻り(ステップS422)、第1のスイッチング回路108を介してAC電源118を第2のエネルギー貯蔵装置104に提供して、第2のエネルギー貯蔵回路114を充電しながら負荷120に電力を供給することができる。
【0030】
これに対応して、第2のエネルギー貯蔵装置104が、第1のエネルギー貯蔵装置102によって提供される電源が第2のプリセット期間中に第2のプリセット信号特性に適合しているかどうかを判定するステップは、図5に示されるようなものであってもよい。本実施形態では、第2のエネルギー貯蔵装置104は、最初はバイパスモードにある(ステップS502)。第2の制御回路116は、第2のエネルギー貯蔵回路114の充電が無効にされているかどうかを判定することができる(ステップS504)。第2のエネルギー貯蔵回路114の充電が無効にされていない場合、フローがステップS502に戻る。第2のエネルギー貯蔵回路114の充電が無効にされている場合、ステップS506~S520に示されるように、第1のエネルギー貯蔵装置102によって提供される電源の周波数値の変化を検出することができる。第2の制御回路116が、第1のエネルギー貯蔵装置102によって提供される電源の周波数値の変化が、図4の実施形態における周波数変更方式を満たすこと、すなわち、第1のエネルギー貯蔵装置102によって提供される電源の周波数変更シーケンスが→59Hz→61Hz→59Hz→60Hzであり、各周波数が10サイクルにわたって維持されたことを検出した場合、これは、AC電源118が正常に戻ったことを意味する。本実施形態における周波数値の変化の検出の詳細は、図3の実施形態と同様であるため、以下では、同じ詳細を繰り返さない。ステップS520において、第1のエネルギー貯蔵装置102によって提供される電源の周波数が10サイクルにわたって60Hzに維持されたと判定されると、第2の制御回路116は、第2のエネルギー貯蔵回路114の充電を有効にし(ステップS522)、第2のエネルギー貯蔵回路114がAC電源118を充電に使用することができるようにする。
【0031】
図6は、本開示の別の実施形態によるエネルギー貯蔵システムの概略図である。図6を参照すると、本実施形態のエネルギー貯蔵システムと図1のエネルギー貯蔵システムとの違いは、第1の制御回路110及び第2の制御回路116が第1の検出回路602及び第2の検出回路604をそれぞれ含むことである。第1の検出回路602は、第1のエネルギー貯蔵装置102の入力端子に結合され、第2の検出回路604は、第2のエネルギー貯蔵装置104の入力端子に結合されている。第1の検出回路602は、AC電源118を検出して第1の検出信号を生成することができ、第1の制御回路110は、第1の検出信号に従ってAC電源118の電力供給状態を判定することができる。第2の検出回路604は、第1のエネルギー貯蔵装置102によって提供される電源を検出して第2の検出信号を生成することができ、第2の制御回路116は、第2の検出信号に従って第1のエネルギー貯蔵装置102の電力供給状態を判定することができる。AC電源118の電力供給状態に応じて第1のエネルギー貯蔵装置102及び第2のエネルギー貯蔵装置104の電力供給を調整することの詳細は、上記の実施形態で説明されているため、以下では同じ詳細を繰り返さない。
【0032】
図7は、本開示の別の実施形態によるエネルギー貯蔵システムの概略図である。図7を参照すると、本実施形態では、第1のエネルギー貯蔵回路106は、第1の変換回路702、第1のバッテリ704、及び第1の充電回路706を含むことができる。第1の制御回路110は、第1のコントローラ708及び第1の検出回路602を含むことができる。第2のエネルギー貯蔵回路114は、第2の変換回路710、第2のバッテリ712、及び第2の充電回路714を含むことができる。第2の制御回路116は、第2のコントローラ716及び第2の検出回路604を含むことができる。第1のバッテリ704は、第1の変換回路702及び第1の充電回路706に結合され、第1の変換回路702は、第1のスイッチング回路108にさらに結合され、第1の充電回路706は、第1のコントローラ708にさらに結合され、第1のコントローラ708は、第1の検出回路602にさらに結合されている。第2のバッテリ712は、第2の変換回路710及び第2の充電回路714に結合され、第2の変換回路710は、第2のスイッチング回路112にさらに結合され、第2の充電回路714は、第2のコントローラ716にさらに結合され、第2のコントローラ716は、第2の検出回路604にさらに結合されている。
【0033】
第1のバッテリ704及び第2のバッテリ712は、電力を蓄えるように構成することができる。第1の変換回路702及び第2の変換回路710は、第1のコントローラ708及び第2のコントローラ716によってそれぞれ制御されて、第1のバッテリ704及び第2のバッテリ712に貯蔵された電力をAC電源に変換し、変換されたAC電源を第1のエネルギー貯蔵電源及び第2のエネルギー貯蔵電源としてそれぞれ採用することができる。第1の充電回路706は、第1のコントローラ708によって制御されて、AC電源118を使用することによって第1のバッテリ704を充電することができる。第2の充電回路714は、第2のコントローラ716によって制御されて、第1のエネルギー貯蔵装置102によって提供されるAC電源118を使用することによって、第2のバッテリ712を充電することができる。より詳細には、第1のコントローラ708及び第2のコントローラ716は、第1のバッテリ704及び第2のバッテリ712の電力貯蔵状態をそれぞれさらに検出し、第1のバッテリ704及び第2のバッテリ712の電力貯蔵状態に応じて、第1のバッテリ704及び第2のバッテリ712の充電並びに放電を制御して、第1のバッテリ704及び第2のバッテリ712の耐用年数を延ばすことができる。加えて、第1のコントローラ708は、第1の検出回路602によって提供される第1の検出信号に従ってAC電源118が異常であるかどうかをさらに判定し、AC電源118が異常であるかどうかに応じて、第1のスイッチング回路108を制御して、第1のエネルギー貯蔵装置102の出力端子に、AC電源118を出力するか、或いは、第1の変換回路702によって提供される第1のエネルギー貯蔵電源を出力するかを、切り替えることができる。第2のコントローラ716は、第2の検出回路604によって提供される第2の検出信号に従って第1のエネルギー貯蔵装置102の電力供給状態をさらに判定し、第1のエネルギー貯蔵装置102の電力供給状態に応じて、第2のスイッチング回路112を制御して、負荷120に対して、第1のエネルギー貯蔵装置102によって提供される電源を出力するか、或いは、第2の変換回路710によって提供される第2のエネルギー貯蔵電源を出力するかを、切り替えることができる。第1のコントローラ及び第2のコントローラの技術的手段は、上述した第1の制御回路110及び第2の制御回路116の技術的手段と同様であるため、以下では同じ技術的手段を繰り返さない。
【0034】
図8は、本開示の一実施形態によるエネルギー貯蔵システムの電力供給方法の流れ図である。エネルギー貯蔵システムは、AC電源と負荷との間に直列に接続された第1のエネルギー貯蔵装置及び第2のエネルギー貯蔵装置を含む。上記の実施形態によると、エネルギー貯蔵システムの電力供給方法は、少なくとも以下のステップを含むことができる。最初に、AC電源が異常であるかどうかが検出される(ステップS802)。AC電源が正常である場合、第1のエネルギー貯蔵装置は、AC電源を使用することによって充電され、AC電源は、充電のために第2のエネルギー貯蔵装置に提供される(ステップS804)。AC電源が異常である場合、第1のエネルギー貯蔵装置の出力は、AC電源から第1のエネルギー貯蔵電源に切り替えられ、第2のエネルギー貯蔵装置が第1のエネルギー貯蔵電源を消費して、負荷に供給される電力に影響を及ぼすことを防止するように、第2のエネルギー貯蔵装置が第1のエネルギー貯蔵電源を充電に使用することができないようにする(ステップS806)。加えて、ステップS804及びS806の後、フローがステップS808に入り、第1のエネルギー貯蔵装置の電力供給状態に応じて、負荷に対して、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源、又は第2のエネルギー貯蔵回路によって提供される第2のエネルギー貯蔵電源を、出力することができる。第1のエネルギー貯蔵装置が依然として電力を供給することができる場合、第1のエネルギー貯蔵装置によって出力される電源を負荷に提供することができる。第1のエネルギー貯蔵装置が電力を使い果たした場合、負荷に対して、第2のエネルギー貯蔵回路の第2のエネルギー貯蔵電源を提供して、エネルギー貯蔵システムの電力供給時間を延ばすことができる。
【0035】
図9は、本開示の別の実施形態によるエネルギー貯蔵システムの電力供給方法の流れ図である。本実施形態では、ステップS802においてAC電源が異常であることが検出された場合、第1のエネルギー貯蔵装置の出力をAC電源から第1のエネルギー貯蔵電源に切り替えることができ、第1のエネルギー貯蔵装置は、第1のプリセット期間中に第1のプリセット信号特性に適合する第1のエネルギー貯蔵電源を出力するように制御されてもよい(ステップS902)。第1のプリセット信号特性は、第1のプリセット周波数変更方式を含む。第1のプリセット周波数変更方式は、例えば、第1のプリセット期間中に第1のシーケンスに従って、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源の複数の周波数値を切り替える働きをすることができる。各周波数値は、対応する期間中維持される。次に、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源が、第1のプリセット期間中に第1のプリセット信号特性に適合しているかどうかが検出される(ステップS904)。第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源が第1のプリセット信号特性に適合していない場合、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源が負荷に出力され、第2のエネルギー貯蔵装置が、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源を使用することによって充電される(ステップS906)。加えて、ステップS802においてAC電源が正常であることが検出されると、フローがステップS804に入り、AC電源を使用することによって第1のエネルギー貯蔵装置を充電し、充電のためにAC電源を第2のエネルギー貯蔵装置に提供することができる。次に、フローがステップS906に入り、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源を使用することによって第2のエネルギー貯蔵装置を充電する。ステップS904において、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源が第1のプリセット信号特性に適合している場合、負荷に対して第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源が出力され、第2のエネルギー貯蔵装置が第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源を消費するのを防止するために、第2のエネルギー貯蔵装置が第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源を充電に使用することができないようにする(ステップS908)。
【0036】
図10は、本開示の別の実施形態によるエネルギー貯蔵システムの電力供給方法の流れ図である。本実施形態では、ステップS902の後に、第1のエネルギー貯蔵装置が電源の提供を停止したかどうかをさらに検出することができる(ステップS1002)。第1のエネルギー貯蔵装置が電源の提供を停止した場合、第2のエネルギー貯蔵装置を制御して、負荷に対して第2のエネルギー貯蔵電源を提供し(ステップS1004)、エネルギー貯蔵システムの電力供給時間を延ばすことができる。第1のエネルギー貯蔵装置が電源の提供を停止しない場合、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源が、第1のプリセット期間中に第1のプリセット信号特性に適合しているかどうかを検出することができる(ステップS1006)。第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源が第1のプリセット信号特性に適合していない場合、負荷に対して第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源が出力されてもよく、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源が、第2のエネルギー貯蔵装置を充電するために使用されてもよい(ステップS1008)。同様に、本実施形態では、ステップS804の後に、フローがステップS1008に入り、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源を使用することによって第2のエネルギー貯蔵装置を充電することができる。第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源が第1のプリセット信号特性に適合している場合、負荷に対して第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源が出力され、第2のエネルギー貯蔵装置が第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源を消費するのを防止するために、第2のエネルギー貯蔵装置が第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源を充電に使用することができないようにする(ステップS1010)。
【0037】
図11は、本開示の別の実施形態によるエネルギー貯蔵システムの電力供給方法の流れ図である。本実施形態では、最初はAC電源が異常であると仮定する。ステップS1102において、AC電源が正常に戻ったかどうかを検出することができる。AC電源が正常に戻っていないことが検出された場合、ステップS1102において、AC電源が正常に戻ったかどうかの検出が継続して行われる。AC電源が正常に戻ったことが検出された場合、フローがステップS1104に入り、第1のエネルギー貯蔵装置の出力をAC電源に切り替え、第1のエネルギー貯蔵装置を制御して、第1のエネルギー貯蔵装置の出力がAC電源に切り替えられる前の第2のプリセット期間中に第2のプリセット信号特性に適合する第1のエネルギー貯蔵電源を出力する(ステップS1104)。第2のプリセット信号特性は、第1のプリセット周波数変更方式とは異なる第2のプリセット周波数変更方式を含むことができる。第2のプリセット周波数変更方式は、例えば、第2のプリセット期間中に第2のシーケンスに従って、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源の複数の周波数値を切り替える働きをすることができる。各周波数値は、対応する期間中維持される。続いて、第2のプリセット期間中に、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源が、第2のプリセット信号特性に適合しているかどうかが継続的に検出される(ステップS1106)。第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源が第2のプリセット信号特性に適合していることが検出されると、第2のエネルギー貯蔵装置が第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源を充電に使用することができるようにする(ステップS1108)。
【0038】
要約すると、本開示の実施形態によると、第1のエネルギー貯蔵装置及び第2のエネルギー貯蔵装置は、AC電源と負荷との間に直列に接続されている。AC電源が正常である場合、第1のエネルギー貯蔵装置はAC電源を使用して充電され、またAC電源は充電のために第2のエネルギー貯蔵装置に提供されてもよい。AC電源が異常である場合、第1のエネルギー貯蔵装置の出力がAC電源から第1のエネルギー貯蔵電源に切り替えられ、第2のエネルギー貯蔵装置が第1のエネルギー貯蔵電源を充電に使用することができないようにすることができる。加えて、第1のエネルギー貯蔵装置の電力供給状態に応じて、負荷に対して、第1のエネルギー貯蔵装置が提供する電源又は第2のエネルギー貯蔵回路が提供する第2のエネルギー貯蔵電源が出力される。このように、第1のエネルギー貯蔵装置及び第2のエネルギー貯蔵装置をAC電源と負荷との間に直列に接続し、AC電源の電力供給状態に応じて第1のエネルギー貯蔵装置及び第2のエネルギー貯蔵装置の電力供給を調整することによって、エネルギー貯蔵システムの総放電容量を効果的に増加させることができ、電力供給時間を大幅に延ばすことができる。さらに、2つのエネルギー貯蔵装置に限定されるのではなく、電力需要に応じて複数のエネルギー貯蔵装置が直列に接続されてもよい。加えて、一部の実施形態では、第1のエネルギー貯蔵装置によって提供される電源の周波数を調整して、電力供給源の変化を第2のエネルギー貯蔵装置に通知することができる。したがって、追加の通信回線は不要である。
【0039】
本開示の範囲又は精神から逸脱することなく、本開示の構造に対して様々な修正及び変形を行うことができることが当業者には明らかであろう。前述の事項に鑑みて、本開示は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内にある限り、本開示の修正形態及び変形形態を包含することが意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0040】
エネルギー貯蔵システム及び電力供給方法は、電気機器の電力供給を確実にするために電気機器とともに使用され得る。
【符号の説明】
【0041】
102:第1のエネルギー貯蔵装置
104:第2のエネルギー貯蔵装置
106:第1のエネルギー貯蔵回路
108:第1のスイッチング回路
110:第1の制御回路
112:第2のスイッチング回路
114:第2のエネルギー貯蔵回路
116:第2の制御回路
118:AC電源
120:負荷
602:第1の検出回路
604:第2の検出回路
702:第1の変換回路
704:第1のバッテリ
706:第1の充電回路
708:第1のコントローラ
710:第2の変換回路
712:第2のバッテリ
714:第2の充電回路
716:第2のコントローラ
S202~S222,S402~S422:第1のエネルギー貯蔵装置の電源周波数を変更するステップ
S302~S320,S502~S522:第1のエネルギー貯蔵装置によって供給される電力の変化を決定するステップ
S802~S808,S902~S908,S1002~S1010,S1102~S1108:エネルギー貯蔵システムの電力供給方法のステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】