(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122258
(43)【公開日】2022-08-22
(54)【発明の名称】光投射装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/25 20060101AFI20220815BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
G01B11/25 H
G01B11/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022008669
(22)【出願日】2022-01-24
(31)【優先権主張番号】17/170,917
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502016219
【氏名又は名称】ハイマックス テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120857
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 聡
(72)【発明者】
【氏名】蕭 名淑
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA06
2F065AA53
2F065FF11
2F065GG06
2F065GG15
2F065HH07
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065LL10
2F065LL42
(57)【要約】
【課題】本発明は、光投射装置を提供する。
【解決手段】光を発射するように配置される光源と、光を屈折させるように光源の上に設けられ、位置調整可能なもの又は有効焦点距離調整可能なものである調節可能な光学素子と、光を空間領域に回折させるように調節可能な光学素子の上に設けられる回折光学素子と、を備える光投射装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発射するように配置される光源と、
前記光を屈折させるように前記光源の上に設けられ、位置調整可能なもの又は有効焦点距離(effective focal length)調整可能なものである調節可能な光学素子と、
前記光を空間領域に回折させるように前記調節可能な光学素子の上に設けられる回折光学素子(diffractive optical element;DOE)と、
を備える光投射装置。
【請求項2】
前記光源が前記調節可能な光学素子の集束面にある場合、前記空間領域に投射される前記光は構造化光(structured light)パターンを有し、前記光源が前記調節可能な光学素子の前記集束面から焦点はずれる場合、前記空間領域に投射される前記光はフラッド光(flood light)パターンを有する請求項1に記載の光投射装置。
【請求項3】
フラッド光を前記空間領域に投射するように、前記光源は前記調節可能な光学素子の前記集束面から焦点が約200ミクロン~約600ミクロンはずれる請求項2に記載の光投射装置。
【請求項4】
前記回折光学素子は2次元ファンアウト(fan out)タイプ回折光学素子である請求項1~3の何れか1項に記載の光投射装置。
【請求項5】
前記光源は垂直共振器面発光レーザー(vertical cavity surface emitting laser;VCSEL)アレイである請求項1~4の何れか1項に記載の光投射装置。
【請求項6】
前記光源の位置に対する前記調節可能な光学素子の位置を調整するように配置されるステッピングモーターを更に含む請求項1~5の何れか1項に記載の光投射装置。
【請求項7】
前記調節可能な光学素子は液晶レンズであり、且つ前記光投射装置は、
電圧信号を前記液晶レンズに印加して前記液晶レンズの有効焦点距離を調整するようにように配置される液晶レンズドライバーを更に含む請求項1~5の何れか1項に記載の光投射装置。
【請求項8】
前記空間領域で反射された前記光を感知するように配置される光センサーを更に含む請求項1~7の何れか1項に記載の光投射装置。
【請求項9】
前記光センサーは、構造化光センサー、飛行時間距離測定(time of flight;ToF)センサー又は上記の組み合わせである請求項8に記載の光投射装置。
【請求項10】
第1の光を発射するように配置される第1の光源と、
前記第1の光を屈折させるように前記第1の光源の上に設けられ、前記第1の光源が前記第1の光学素子の集束面の上にある第1の光学素子と、
前記第1の光を空間領域に回折させるように前記第1の光学素子の上に設けられる第1の回折光学素子(diffractive optical element;DOE)と、
第2の光を発射するように配置される第2の光源と、
前記第2の光を屈折させるように前記第2の光源の上に設けられ、前記第2の光源が前記第2の光学素子の前記集束面から焦点はずれる第2の光学素子と、
前記第2の光を前記空間領域に回折させるように前記第2の光学素子の上に設けられる第2の回折光学素子と、
を備え、
前記第1の光源及び前記第1の光学素子は、それぞれ前記第2の光源及び前記第2の光学素子と同じである光投射装置。
【請求項11】
前記第1の回折光学素子は、前記第2の回折光学素子と同じである請求項10に記載の光投射装置。
【請求項12】
前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子の各々は、2次元ファンアウト(fan out)タイプ回折光学素子である請求項10又は11に記載の光投射装置。
【請求項13】
前記第1の光源と前記第2の光源の各々は垂直共振器面発光レーザー(vertical cavity surface emitting laser;VCSEL)アレイである請求項10~12の何れか1項に記載の光投射装置。
【請求項14】
前記空間領域で反射された前記第1の光又は前記第2の光を感知するように配置される光センサーを更に含む請求項10~13の何れか1項に記載の光投射装置。
【請求項15】
前記光センサーは、構造化光センサー、飛行時間距離測定(time of flight;ToF)センサー又は上記の組み合わせである請求項14に記載の光投射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光投射装置に関し、且つ特に構造化光投射及びフラッド光投射を統合した光投射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元画像センシング技術は、顔認識や障害物検知などのようなさまざまな用途に徐々に採用されている。顔認識について、一般的に、顔の認証にはフラッドイルミネーターが用いられ、顔の表面輪郭の計算には構造化光プロジェクターが用いられる。携帯電話などのような一部の従来の電子デバイスには、デバイスのロック解除やモバイル決済などのようなさまざまなアプリケーションの顔認識機能を実行するためのフラッドイルミネーターや構造化光プロジェクターが含まれている。しかしながら、電子デバイスにフラッドイルミネーターと構造化光プロジェクターとを同時に配置する場合、かなりの空間を占めるだけでなく、コストも高い。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様は、光源、調節可能な光学素子及び回折光学素子(diffractive optical element;DOE)を含む光投射装置である。光源は、光を発射するように配置される。調節可能な光学素子は、光を屈折させるように光源の上に設けられる。調節可能な光学素子は、位置調整可能なもの又は有効焦点距離(effective focal length)調整可能なものである。回折光学素子は、光を空間領域に回折させるように調節可能な光学素子の上に設けられる。
【0004】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記光源が調節可能な光学素子の集束面にある場合、空間領域に投射される光は構造化光(structured light)パターンを有し、且つ上記光源が調節可能な光学素子の集束面から焦点はずれる場合、空間領域に投射される光はフラッド光(flood light)パターンを有する。
【0005】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、フラッド光を空間領域に投射するように、上記光源は調節可能な光学素子の集束面から焦点が約200ミクロン~約600ミクロンはずれる。
【0006】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記回折光学素子は、2次元ファンアウト(fan out)タイプ回折光学素子である。
【0007】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記光源は、垂直共振器面発光レーザー(vertical cavity surface emitting laser;VCSEL)アレイである。
【0008】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記光投射装置は、光源の位置に対する調節可能な光学素子の位置を調整するように配置されるステッピングモーターを更に含む。
【0009】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記調節可能な光学素子は、液晶レンズであり、且つ上記光投射装置は、電圧信号を液晶レンズに印加して液晶レンズの有効焦点距離を調整するように配置される液晶レンズドライバーを更に含む。
【0010】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記光投射装置は、空間領域で反射された光を感知するように配置される光センサーを更に含む。
【0011】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記光センサーは、構造化光センサー、飛行時間距離測定(time of flight;ToF)センサー又は上記の組み合わせである。
【0012】
本発明別の一態様は、第1の光源及び第2の光源、第1の光学素子及び第2の光学素子、並びに第1の回折光学素子及び第2の回折光学素子を含む光投射装置である。第1の光源は、第1の光を発射するように配置される。第1の光学素子は、第1の光を屈折させるように第1の光源の上に設けられる。第1の光源は、第1の光学素子の集束面にある。第1の回折光学素子は、第1の光を空間領域に回折させるように第1の光学素子の上に設けられる。第2の光源は、第2の光を発射するように配置される。第2の光学素子は、第2の光を屈折させるように第2の光源の上に設けられる。第2の光源は、第2の光学素子の集束面から焦点はずれる。第2の回折光学素子は、第2の光を空間領域に回折させるように第2の光学素子の上に設けられる。第1の光源及び第1の光学素子は、それぞれ第2の光源及び第2の光学素子と同じである。
【0013】
本発明の1つ又は複数の実施例によれば、上記第1の回折光学素子は第2の回折光学素子と同じである。
【0014】
要するに、本願に提出された光投射装置は、構造化光投射及びフラッド光投射等の機能を統合して、生産コストを低下させ、且つ使用ニーズに応じて放出光を集束して構造化光を投射し又は放出光を焦点はずれしてフラッド光を投射するように調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付図面を参照してなされる下記の簡単な説明は、実施例及びそのメリットをより分かりやすくするためのものである。
【
図1】本発明のいくつかの実施例による光投射装置を示す模式図である。
【
図2】一例の
図1に示される光投射装置の素子により構造化光パターンを空間領域に投射することを模式的に示す。
【
図3】一例の
図1に示される光投射装置の素子によりフラッド光パターンを空間領域に投射することを模式的に示す。
【
図4】本発明のいくつかの実施例による光投射装置を示す模式図である。
【
図5】本発明のいくつかの実施例による光投射装置を示す模式図である。
【
図6】本発明のいくつかの実施例による光投射装置を示す模式図である。
【
図7】同じ光源から光投射装置の同じ3×3ファンアウトタイプ回折光学素子を通過して同じ光センサーによってキャプチャされた構造化光投射及びフラッド光投射を示す。
【
図8】同じ光源から特定の強度設計がある同じ9×11ファンアウトタイプ回折光学素子を通過して同じ光センサーによってキャプチャされた構造化光投射及びフラッド光投射を示す。
【
図9】同じ光源から他の強度設計がある同じ9×11ファンアウトタイプ回折光学素子を通過して同じ光センサーによってキャプチャされた構造化光投射及びフラッド光投射を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、詳しく本開示の実施例を検討する。しかしながら、理解すべきなのは、実施例は様々な特定の内容に実施される数多くの応用可能な概念を提供する。検討され開示される特定の実施例は、説明するためのものだけであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0017】
理解すべきなのは、本文において、「第1の」及び「第2の」等の用語は、各種の素子、及び/又は部品を記述することに用いられてもよいが、これらの素子、及び/又は部品を制限するものではない。これらの用語は、素子、及び/又は部品と別の素子、及び/又は部品を識別するためのものだけである。
【0018】
本文に用いる用語は、特定の実施例を説明するためのものであるが、特許請求の範囲を限定する意図ではない。本文に用いるものであれば、別に制限されない限り、単数形の「一つ」及び「前記」は、複数形も含むことが意図される。また、空間相対用語は、図示される配向以外の使用又は操作中の装置の異なる配向を含むことを意図する。装置は、他の形態で配向されてよく(90度回転又は他の方向)、本明細書に使用される空間相対用語は、同様にそれに応じて解釈されてよい。
【0019】
説明を単純化及び明確にするために、本文は、様々な実施例において素子の符号及び/又は文字を繰り返し使用することができるが、これは、議論される様々な実施例及び/又は配置の間に因果関係があることを意味するものではない。
【0020】
図1は、本発明のいくつかの実施例による光投射装置100を示す模式図である。光投射装置100は、例えば携帯電話、タブレットコンピューター又はスマートグラスであってよいが、本発明はこれらに限定されない。
図1に示すように、光投射装置100は、光源110、調節可能な光学素子120、回折光学素子(diffractive optical element;DOE)130及び光センサー140を含む。光源110は、光を発射するように配置される。放出光は、可視光波長範囲又は近赤外光波長範囲内であってよいが、本発明はこれらに限定されない。光源110は、レーザー光源、例えば垂直共振器面発光レーザー(vertical cavity surface emitting laser;VCSEL)、垂直共振器面発光レーザーアレイ、分散フィードバック(distributed feedback;DFB)半導体レーザー光源又は他の適切な光源であってよい。調節可能な光学素子120は、光源110からの光を回折光学素子130に屈折させるように光源110の上に設けられる。回折光学素子130における屈折された光成分の分布を決めるように、調節可能な光学素子120の位置及び/又は有効焦点距離は、調整可能である。調節可能な光学素子120は、凸レンズ、凹レンズ、液晶レンズ又は類似のものであってよい。回折光学素子130は、屈折された光を投射光パターンに転換し投射光パターンを空間領域に投射するように、光源110の上に設けられる。回折光学素子130は、グレーティング構造、マイクロレンズ構造、フレネル(Fresnel)構造、ホログラフィック光学素子(holographic optical element;HOE)構造又は他の光の回折に適する構造を有してよく、これにより、屈折された光が回折光学素子130の回折原理により投射光パターンに転換される。回折光学素子130は、2次元ファンアウト(fan out)タイプ回折光学素子であってよく、その投射された空間領域の複数のエリアに同じ構造化光パターンを投射する。光センサー140は、空間領域の光パターンを感知するように配置されて、対応する光学パターンの画像をキャプチャする。光センサー140は、構造化光センサー、飛行時間距離測定(time of flight;ToF)センサー又は上記の組み合わせであってよく、且つ電荷結合素子(charge-coupled device;CCD)センサー、相補型金属酸化物半導体(complementary metal-oxide semiconductor;CMOS)センサー又は類似のものを含んでよい。光源110、調節可能な光学素子120及び回折光学素子130の設置によれば、光投射装置100は、構造化光プロジェクター(ドットマトリックスプロジェクターとも呼ばれる)又はフラッド光プロジェクター(投光照明装置とも呼ばれる)として操作されてよい。
【0021】
いくつかの実施例において、回折光学素子130は、光学的に光源110と調節可能な光学素子120との間に設けられるように変更されてもよい。また、調節可能な光学素子120及び回折光学素子130を単一のモジュールに統合することができる。
【0022】
図2は、一例の光投射装置100の素子により構造化光パターンを空間領域P1に投射することを模式的に示す。この例において、光源110は垂直共振器面発光レーザー照明装置アレイであり、且つ回折光学素子130は3×3ファンアウトタイプ回折光学素子であり、投射される空間領域の3×3エリアに同じ構造化光パターンを投射する。光源110が調節可能な光学素子120の集束面にあることにより、回折光学素子130は、反射光をパターン化して構造化光パターンを生成し、且つ構造化光パターンを空間領域P1に投射する。
【0023】
図3は、一例の光投射装置100の素子によりフラッド光パターンを空間領域P2に投射することを模式的に示す。光源110及び回折光学素子130は、それぞれ
図2の例に対応する素子と同じであってよい。光源110が調節可能な光学素子120の集束面から焦点はずれることにより、回折光学素子130は、屈折された光をパターン化してフラッド光パターンを生成し、且つフラッド光パターンを空間領域P2に投射する。フラッド光照射に用いられる焦点はずれ量は、光源110の密度によって決めることができる。一般的に、光源110の密度が比較的まばらである場合、フラッド光照射に用いられるために焦点はずれ量は比較的に大きい。光源110、調節可能な光学素子120及び回折光学素子130の設計により、光源110は、調節可能な光学素子120の集束面から焦点が約200ミクロン~約600ミクロンはずれることができる。
【0024】
上記の説明により、調節可能な光学素子120は、放出光を集束して構造化光を投射するように配置されてよく、且つ放出光を焦点はずれしてフラッド光を投射するように制御されてよく、これにより、構造化光投射及びフラッド光投射等の機能を単一の光投射装置に統合することを実現できて、製造コストを低下させる。
【0025】
図4は、本発明のいくつかの実施例による光投射装置200を示す模式図である。
図4に示すように、光投射装置200は、光源210、調節可能な光学素子220、回折光学素子230、光センサー240及びステッピングモーター250を含む。光源210、回折光学素子230及び光センサー240は、それぞれ
図1に示される光源110、回折光学素子130及び光センサー140と同じ又は類似してよい。調節可能な光学素子220は、コリメータレンズ、例えば凸レンズ、凹レンズ又は類似のものであってよく、且つステッピングモーター250は、ステッピングモーター250に対する調節可能な光学素子220の位置を調整するように配置されてよい。ステッピングモーター250は、調節可能な光学素子220を、光源210からの距離が調節可能な光学素子220の有効焦点距離にほぼ等しい位置に移動する場合、光投射装置200は、構造化光(例えば光点及び/又は線光)を投射する構造化光プロジェクターとされる。これに対して、ステッピングモーター250は、光源210が調節可能な光学素子220の集束面から焦点はずれるように調節可能な光学素子220を移動する場合、光投射装置200はフラッド光(例えばライトスポット)を投射するフラッド光プロジェクターとされる。
【0026】
図5は、本発明のいくつかの実施例による光投射装置300を示す模式図である。
図5に示すように、光投射装置300は、光源310、調節可能な光学素子320、回折光学素子330、光センサー340及び液晶レンズドライバー350を含む。光源310、回折光学素子330及び光センサー340は、それぞれ
図1に示される光源110、回折光学素子130及び光センサー140と同じ又は類似してよい。調節可能な光学素子320は、液晶レンズドライバー350によって駆動されなく、光源310からの距離が調節可能な光学素子320の有効焦点距離にほぼ等しい位置に設けられてよい。調節可能な光学素子320は液晶レンズであり、且つ液晶レンズドライバー350はそれぞれ電圧信号を調節可能な光学素子320の2つの対向電極(図示せず)に印加することにより調節可能な光学素子320の有効焦点距離を調整する。液晶レンズドライバー350が電圧信号を調節可能な光学素子320に印加しない場合、光投射装置300は構造化光(例えば光点及び/又は線光)を投射する構造化光プロジェクターとされる。これに対して、液晶レンズドライバー350が電圧信号を調節可能な光学素子320に印加する場合、光投射装置300は投射フラッド光(例えばライトスポット)を投射するフラッド光プロジェクターとされる。
【0027】
図6は、本発明のいくつかの実施例による光投射装置400を示す模式図である。
図6に示すように、光投射装置400は、光源410A、410B、光学素子420A、420B、回折光学素子430A、430B及び光センサー440を含む。光源410A、410B、回折光学素子430A、430B及び光センサー440は、それぞれ
図1に示される光源110、回折光学素子130及び光センサー140と同じ又は類似してよい。光源410A、光学素子420A及び回折光学素子430Aは、構造化光プロジェクターとされるように配置されてよく、光源410B、光学素子420B及び回折光学素子430Bは、フラッド光プロジェクターとされるように配置されてよい。光センサー440は、回折光学素子430A又は回折光学素子430Bで反射された光を受け取るように配置される。いくつかの実施例において、回折光学素子430Bは、マイクロレンズアレイで置き換えられることができる。
【0028】
いくつかの実施例において、光源410A、光学素子420A及び回折光学素子430Aは、それぞれ光源410B、光学素子420B及び回折光学素子430Bと同じであり、光源410Aが光学素子420Aの集束面にあり、且つ光源410Bが集束面から焦点はずれる。システム設計により、光源410A/410B、光学素子420A/420B及び回折光学素子430A/430Bは、それぞれ
図4に示される光源210、調節可能な光学素子220及び回折光学素子230と同じ又は類似してよく、又は、それぞれ
図5に示される光源310、調節可能な光学素子320及び回折光学素子330と同じ又は類似してよい。
【0029】
図7は、同じ光源から光投射装置(例えば
図1に示される光投射装置)の同じ3×3ファンアウトタイプ回折光学素子を通過して同じ光センサーによってキャプチャされた構造化光投射及びフラッド光投射を示す。光源が調節可能な光学素子の集束面にある場合、ファンアウトタイプ回折光学素子を通過して投射された光学パターンは
図7に示される構造化光投射である。光源は調節可能な光学素子から焦点が200ミクロンはずれる場合、ファンアウトタイプ回折光学素子を通過して投射された光学パターンは
図7に示されるフラッド光投射である。同じ光投射装置について、フラッド光投射に対応する視野(field of view;FOV)は、構造化光投射に対応する視野よりも小さい。
【0030】
図8は、同じ光源から特定の強度設計がある同じ9×11ファンアウトタイプ回折光学素子を通過して同じ光センサーによってキャプチャされた構造化光投射及びフラッド光投射を示す。
図7に示される構造化光投射及びフラッド光投射と比べると、同じ視野について、
図8に示される構造化光投射はより多くの投射光点(その光点密度が比較的に大きい)を有し、且つ
図8に示されるフラッド光投射はより広くなる。
図7及び
図8からわかるように、ファンアウトの数が大きな回折光学素子は輪郭設計の自由度がより高くなる。
【0031】
図9は、同じ光源から特定の強度設計がある同じ9×11ファンアウトタイプ回折光学素子を通過して同じ光センサーによってキャプチャされた構造化光投射及びフラッド光投射を示す。
図8及び
図9からわかるように、構造化光投射及びフラッド光投射のパターンは、回折光学素子の構造パターンに伴って変わることができる。回折光学素子の構造パターンは、例えば反復フーリエ変換アルゴリズム(iterative Fourier Transform algorithm;IFTA)、シミュレーテッドアニーリング(simulated annealing)アルゴリズム、及び/又は類似のもののようなアルゴリズムを使用して最適化設計を行うことができ、且つこのアルゴリズムは、ソフトウェアプログラムによって実現され、中央処理装置(central processing unit;CPU)などのプロセッサによって実行されることができる。
【0032】
本開示は実施例によって前述の通りに開示されたが、これに限定されず、当業者であれば、本開示の精神と範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修飾を加えることができる。従って、本開示の保護範囲は、下記特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0033】
100、200、300、400:光投射装置
110、210、310、410A、410B:光源
120、220、320:調節可能な光学素子
130、230、330、430A、430B:回折光学素子
140、240、340、440:光センサー
250:ステッピングモーター
350:液晶レンズドライバー
420A、420B:光学素子
P1、P2:空間領域