(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122259
(43)【公開日】2022-08-22
(54)【発明の名称】ヘッドフォン装置
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20220815BHJP
H04R 1/28 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
H04R1/10 101Z
H04R1/10 102
H04R1/10 103
H04R1/28 310D
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009612
(22)【出願日】2022-01-25
(31)【優先権主張番号】110105103
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】512152743
【氏名又は名称】信泰光學(深セン)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】598001814
【氏名又は名称】亞洲光學股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ASIA OPTICAL CO.,INC.
【住所又は居所原語表記】NO.22-3 South 2nd Road,T.E.P.Z,Taichung,Taiwan R.O.C.
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】唐澤 孝行
(72)【発明者】
【氏名】高橋 智也
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BA10
5D005BC02
5D005BD08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】音響チャネルの悪影響を軽減させるとともに、前方定位を実現し、且つ、音質を改善するヘッドフォン装置を提供する。
【解決手段】ヘッドフォン装置2は、ハウジング21、サウンドジェネレーター及びチューブ23を有する。ハウジング21は、本体213及びカバープレート211を有する。カバープレート211は、第一表面2112及び第二表面2114を有する。第一表面2112は、本体213方向に設置され、且つ、本体213に接続されて、サウンドジェネレーターが設置される内部空間を形成する。チューブ23は、管状体231、第一端232及び第二端233を有する。管状体231は、第一端232と第二端233との間に設置され、且つ、断面が閉鎖した環形である。管状体231と第二表面2114は、20度より小さい挟角を形成するか、あるいは、平行に設置される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドフォン装置であって、
本体、および、カバープレートを有し、前記カバープレートは、第一表面、および、第二表面を有し、前記第一表面は、前記本体方向に設置され、且つ、前記本体に接合されて、内部空間を形成し、前記第二表面は、前記第一表面と反対側に設置されるハウジングと、
前記内部空間中に設置されるサウンドジェネレーター、および、
管状体、第一端、および、第二端を有し、前記管状体が、前記第一端と前記第二端間に位置し、且つ、前記管状体の断面が、閉鎖した環形であるチューブ、
を有し、前記カバープレートの前記第二表面は、前記管状体の方向に設置され、且つ、前記管状体と前記第二表面は、20度より小さい挟角を形成するか、あるいは、平行に設置されることを特徴とするヘッドフォン装置。
【請求項2】
さらに、支持部を有し、前記本体は、周辺部を有し、前記周辺部は、前記カバープレートの前記第一表面に接続され、前記支持部は、末端を有し、前記支持部は、前記ハウジングの外側で、前記本体の前記周辺部に沿って延伸し、前記末端は、前記周辺部に接続され、前記周辺部は、音源孔を有し、前記音源孔と前記支持部は相対して設置され、前記チューブは、前記支持部、あるいは、前記音源孔の近くに設置されることを特徴とする請求項1に記載のヘッドフォン装置。
【請求項3】
さらに、支持部、および、別のチューブを有し、前記本体は、周辺部を有し、前記周辺部は、前記カバープレートの前記第一表面に接続され、前記支持部は、末端を有し、前記支持部は、前記ハウジングの外側で、前記本体の前記周辺部に沿って延伸し、前記末端は前記周辺部に接続され、前記周辺部は、音源孔を有し、前記音源孔と前記支持部は相対して設置され、前記チューブは、それぞれ、前記支持部、あるいは、前記音源孔の近くに設置されることを特徴とする請求項1に記載のヘッドフォン装置。
【請求項4】
さらに、支持部を有し、前記本体は、周辺部を有し、前記周辺部は、前記カバープレートの前記第一表面に接続され、前記周辺部は装着孔を有し、前記支持部は、末端を有し、前記支持部は、前記ハウジングの外側で、前記本体の前記周辺部に沿って延伸し、前記末端は、前記周辺部の前記装着孔に接続され、前記チューブは、前記装着孔の近くに設置されることを特徴とする請求項1に記載のヘッドフォン装置。
【請求項5】
さらに、支持部を有し、前記本体は、周辺部を有し、前記周辺部は、前記カバープレートの前記第一表面に接続され、前記周辺部は、装着孔を有し、前記支持部は、末端を有し、前記支持部は、前記ハウジングの外側で、前記本体の前記周辺部に沿って延伸し、前記末端は、前記周辺部の前記装着孔に接続され、前記ヘッドフォン装置を使用するとき、前記イヤークッションと前記カバープレートの間、且つ、前記装着孔の近くに、音響チャネルを形成することを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載のヘッドフォン装置。
【請求項6】
チューブの前記第一端と前記チューブの距離は、前記第二端より大きい、前記チューブは、前記第一端が開口で、前記第二端は接着剤により封止される、ヘッドフォン装置はさらに、イヤークッション、接続部分、および、収容部を有し、前記イヤークッションは受圧部を有し、前記受圧部は、第三表面、および、第四表面を有し、前記第三表面は、前記第二表面の方向に設置され、前記第四表面は、前記第三表面と反対側に設置され、前記接続部分は、第三端、および、第四端を有し、前記第三端は、前記受圧部に固定され、前記第四端は、前記ハウジングに固定され、前記チューブは、前記収容部中に設置され、前記収容部は、前記受圧部の前記第三表面上に設置されることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載のヘッドフォン装置。
【請求項7】
前記ヘッドフォン装置は、少なくとも以下の一条件を満たし、
音響チャネルが、70mm≦D1≦116mmに符合する;
前記チューブの長さが、35mm≦L≦55mmである;
前記チューブの長さは、前記音響チャネルの長さの30%≦L/D1≦79%である;
前記ハウジングはさらに、中心軸、および、対称軸を有し、前記中心軸は、前記ハウジングの厚さの方向に延伸し、前記対称軸は、前記中心軸と垂直に交錯し、前記チューブは、前記第一端が開口で、前記第一端の辺縁と前記中心軸の前記対称軸上の距離は、10mm~30mmであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載のヘッドフォン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドフォン装置に関するものであって、特に、一端が開口で、もう一端が閉鎖するチューブを用いて、音質を改善するヘッドフォン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は、ユーザーの耳に装着された従来のオーバーイヤーヘッドフォン装置の一部を示す図である。オーバーイヤーヘッドフォン装置1は、少なくとも、ハウジング11、オーバーイヤークッション12、および、スピーカー13を有する。図のように、ハウジング11は、通常、硬質材料(たとえば、プラスチックや金属)を採用し、スピーカー13を収容する。オーバーイヤークッション12は、ハウジング11に接続され、通常は、軟性材料(たとえば、スポンジ)であり、ユーザーの耳と接触する。スピーカー13は、ハウジング11中に設置されて、ユーザーが聞く音声を生成する。
【0003】
図2を参照すると、オーバーイヤークッション12は、環状側部分121を有する。ユーザーがヘッドフォン装置1を装着するとき、環状側部分121が、ユーザーの耳3を包み込む。音響チャネル14が、オーバーイヤークッション12中の耳3の後方に形成される。スピーカー13により生成される音波が、この音響チャネル14中で、定常波を誘発し、音質に影響する。さらに、音響チャネル14の長さがL=90mm、且つ、音速が344m/secである場合、可聴周波数fはf=344/(0.09×2)=1911(Hz)であると算出される。つまり、可聴周波数f=1911(Hz)の時、音響チャネル14中で、定常波が形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、本発明は、ヘッドフォン装置を提供し、一端が開口で、もう一端が閉鎖するチューブを、イヤークッション中に設置して、前述のような音響チャネルの悪影響を軽減させるとともに、前方定位を実現し、且つ、ヘッドフォン装置の音質を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のヘッドフォン装置は、ハウジング、サウンドジェネレーター、および、チューブを有する。ハウジングは、本体、および、カバープレートを有し、カバープレートは、第一表面、および、第二表面を有し、第一表面は、本体方向に設置され、且つ、本体に接合されて、内部空間を形成し、第二表面は、第一表面と反対側に設置される。サウンドジェネレーターは、内部空間中に設置される。チューブは、管状体、第一端、および、第二端を有し、管状体は、第一端と第二端間に設置され、且つ、閉鎖した環形である断面を有する。カバープレートの第二表面は、管状体の方向に設置され、且つ、管状体とカバープレートの第二表面は、20度より小さい挟角を形成するか、あるいは、平行に設置される。
【0006】
本発明のヘッドフォン装置はさらに、支持部を有し、本体は、周辺部を有し、周辺部は、カバープレートの第一表面に接続され、支持部は、末端を有し、支持部は、ハウジング外側で、本体の周辺部に沿って延伸し、末端は周辺部に接続され、周辺部は、音源孔を有し、音源孔と支持部は相対して設置され、チューブは、支持部、あるいは、音源孔の近くに設置される。
【0007】
本発明のヘッドフォン装置はさらに、支持部、および、別のチューブを有し、本体は、周辺部を有し、周辺部は、カバープレートの第一表面に接続され、支持部は、末端を有し、支持部は、ハウジングの外側で、本体の周辺部に沿って延伸し、末端は周辺部に接続され、周辺部は、音源孔を有し、音源孔と支持部は相対して設置され、チューブは、それぞれ、支持部、あるいは、音源孔の近くに設置される。
【0008】
本発明のヘッドフォン装置はさらに、支持部を有し、本体は、周辺部を有し、周辺部は、カバープレートの第一表面に接続され、周辺部は装着孔を有し、支持部は、末端を有し、支持部は、ハウジングの外側で、本体の周辺部に沿って延伸し、末端は、周辺部の装着孔に接続され、チューブは、装着孔の近くに設置される。
【0009】
チューブは、第一端が開口で、且つ、第二端が閉鎖される。
【0010】
チューブの第二端は、接着剤で閉じられる。
【0011】
本発明のヘッドフォン装置はさらに、支持部を有し、本体は、周辺部を有し、周辺部は、カバープレートの第一表面に接続され、周辺部は装着孔を有し、支持部は、末端を有し、支持部は、ハウジングの外側で、本体の周辺部に沿って延伸し、末端は、周辺部の装着孔に接続され、ヘッドフォン装置を使用するとき、イヤークッションとカバープレート間に、音響チャネルを形成し、且つ、音響チャネルは、装着孔の近くに形成され、音響チャネル14の長さL=90mmである。
【0012】
チューブの長さは、音響チャネルの長さの40~63%である。
【0013】
本発明のヘッドフォン装置はさらに、イヤークッション、接続部分、および、収容部を有し、イヤークッションは受圧部を有し、受圧部は、第三表面、および、第四表面を有し、第三表面は、第二表面の方向に設置され、第四表面は、第三表面と反対側に設置される。接続部分は、第三端、および、第四端を有し、第三端は受圧部に固定され、第四端は、ハウジングに固定される。チューブは収容部中に設置され、収容部は、受圧部の第三表面上に設置される。
【0014】
ハウジングは、中心軸、および、対称軸を有し、中心軸は、ハウジングの厚さ方向に延伸し、対称軸と中心軸は垂直に交錯し、チューブは第一端が開口であり、第一端の辺縁と中心軸の対称軸上の距離は、10mm~30mmである。
【発明の効果】
【0015】
本発明のヘッドフォン装置により、音響チャネルの悪影響を軽減させるとともに、前方定位を実現することができ、且つ、ヘッドフォン装置の音質を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】ユーザーの耳に装着された従来のオーバーイヤーヘッドフォン装置の一部を示す図である。
【
図2】
図1の従来のヘッドフォン装置の右側面図である。
【
図3】本発明のヘッドフォン装置のチューブ(1/4波長チューブ)の設計方式を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態によるヘッドフォン装置の分解図である。
【
図5】本発明のヘッドフォン装置の支持部と本体の装着孔、および、音源孔の相対位置を示す立体図である。
【
図6】本発明のヘッドフォン装置のチューブ(1/4波長チューブ)の設置方式を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
音源方向と頭部伝達関数(HRTF)のトラフとクレスト値(trough and crest values)間の関係に対し、大量の研究後に発見されたことは、イヤークッション中に、1/4波長チューブが設置される場合、トラフとクレスト値での周波数バンド中の音声を吸収することができることである。具体的には、本発明は、1/4波長チューブの直径と長さを調整するとともに、変更する周波数を設定することにより、ユーザーの耳の後方で形成される定常波を消去、あるいは、減少させて、ヘッドフォン装置の音質を改善するとともに、音声の前方定位を実現する。例えば、音速c=344m/secの時、1/4波長チューブの長さをL=45mm、直径をφ=4mmに設定する場合、共振周波数(fn)の公式は:
fn=c/(4l)×n(n=1、3、5…)…(1)
第一共振周波数は1911Hz、第二共振周波数は5733Hz、第三共振周波数は9555Hzであることが分かる。第二共振周波数と第三共振周波数(resonant frequency)は、6kHzと9kHzのトラフ値(trough value)の付近で作用することが発見され、定常波を消去するとともに、音声の前方定位を改善する。
【0018】
図3は、本発明のヘッドフォン装置のチューブ(1/4波長チューブ)の設計方式を説明するのに用いられる。まず、ヘッドフォン装置は、中心C’を基準にして、三等分され(各部分は120度)、尺寸D
1、D
2、および、D
3の長さが得られ、以下の表1に示される。
【0019】
【0020】
尺寸D
1とヘッドフォン装置中の耳の後方で形成される音響チャネル(
図2の符号14で示される破線領域)の長さは、それぞれ、87.5mm、105mm、70.00mmと115.50mmにほぼ等しく、よって、音響チャネルは、70mm≦D
1≦116mmを満たす。本発明の1/4波長チューブの長さLは、35mm≦L≦55mmを満たし、1/4波長チューブの直径φは、2mm~4mmである。よって、このデータを利用して、1/4波長チューブの長さと音響チャネルの長さの比率関係を求めることができる。計算により、L/D
1=(35mm~55mm)/87.5mm=30%≦L/D
1≦79%であり、すなわち、本発明の1/4波長チューブの長さは、音響チャネルの長さの30%~79%である。
【0021】
本発明のヘッドフォン装置の構造は、以下で詳細に記述される。
【0022】
図4は、本発明の実施形態によるヘッドフォン装置の分解図である。ヘッドフォン装置2は少なくとも、ハウジング21、イヤークッション22、接続部分24、チューブ23、収容部25、および、サウンドジェネレーター(図示しない)を有する。サウンドジェネレーターは、一つ以上のスピーカー(たとえば、ツイーター、ウーファー、および/または、クロスフィード(crossfeed)スピーカー)を有する。
【0023】
ハウジング21は、硬質材料(たとえば、プラスチックや金属)を採用し、サウンドジェネレーターを収容する。ハウジング21は、本体213、および、カバープレート211を有する。本体213の断面は、ほぼ、U字型であり、底部2130、および、周辺部2131を有する。底部2130に接続される周辺部2131の一側は閉鎖側であり、閉鎖側と相対するもう一側は開口側である。カバープレート211は、開口側に設置され、第一表面2112、および、第二表面2114を有する。第一表面2112は、本体213方向に設置されるとともに、本体213に接合されて、ハウジング21の内部空間を形成する。前述のサウンドジェネレーターは、内部空間中に設置されて、ユーザーが聞く音声を生成する。カバープレート211の第二表面2114は、第一表面2112の反対に設置される。
【0024】
イヤークッション22は、軟性材料(たとえば、スポンジ)を採用し、ユーザーの耳と接触する。イヤークッション22は、受圧部221を有する。受圧部221は、第三表面2211、および、第四表面2213を有する。第三表面2211は、カバープレート211の第二表面2114方向に設置され、第四表面2213は、第三表面2211と反対側に設置される。
【0025】
接続部分24は、内周面244、外周面243、第三端241、および、第四端242を有する。内周面244は、外周面243よりも、さらに、サウンドジェネレーターに近い。第三端241は、受圧部221に固定される。第四端242は、ハウジング21のカバープレート211の第二表面2114、あるいは、本体213の周辺部2131に固定される。
【0026】
図1、
図2、および、
図6に示されるチューブ23は、前述の1/4波長チューブであり、耳の後方で形成される定常波を消去、あるいは、減少させて、音声の前方定位を実現するとともに、ヘッドフォン装置2の音質を改善する。チューブ23は、イヤークッション22とカバープレート211間に設置され、且つ、カバープレート211とほぼ平行である。あるいは、チューブ23は、カバープレート211と1~20度の挟角で設置される。チューブ23は、管状体231、第一端232、および、第二端233を有する。管状体231は、第一端232と第二端233間に設置される。第一端232、および、第二端233は、接続部分24の内周面244の方向に設置され、第一端232は開口、第二端233は閉鎖している。その具体的な実施方式は、両端がどちらも開口であるチューブを準備し、工業用接着剤により一端を封止して、音漏れしなければよい。このようにして、一端が開口で、もう一端が閉鎖したチューブが完成する。このほか、チューブ23の断面は閉鎖した環形、たとえば、円形、正方形、三角形等であり、実際の要求に応じて、適当な形状を採用する。チューブ23は、たとえば、プラスチックホースである。
【0027】
収容部25は、イヤークッション22の受圧部221の第三表面2211上に設置されて、チューブ23を収容する。収容部25は、たとえば、皮革カバーである。チューブ23を収容部25に挿入し、第一端232の開口は露出させれば、組み立てが完成する。
【0028】
図5は、本発明のヘッドフォン装置の支持部と本体の装着孔、および、音源孔の相対位置を示す立体図である。本発明のヘッドフォン装置2はさらに、支持部27を有する。支持部27は、少なくとも一つの末端271を有するとともに、ハウジング21外側で、本体213の周辺部2131に沿って延伸する。支持部27の末端271は、周辺部2131に接続される。周辺部2131は、音源孔2133、および、装着孔2135を設置する。図に示されるように、音源孔2133と支持部27は相対して設置される。支持部27の末端271は、装着孔2135に接続される。
【0029】
本発明において、チューブの数量は、一本か、二本で、且つ、支持部27、装着孔2135、あるいは、音源孔2133の近くに設置される。
図6は、チューブの設置に適した各位置を説明する。一実施形態において、一個のチューブ23だけが提供され、且つ、チューブ23は、支持部27の近くに設置される。ユーザーがヘッドフォン装置2を装着するとき、チューブ23は、ユーザーの耳の上方に位置する。チューブ23の第一端232は、装着孔2135の方向に形成される。つまり、ユーザーの耳の後方に形成される音響チャネルにとって、第一端232(開口端)は、第二端233(閉鎖端)よりさらに音響チャネルに近い。別の実施形態において、同様に、一個のチューブ23’だけが設置され、且つ、チューブ23’は、音源孔2133の近くに設置される。ユーザーがヘッドフォン装置2を装着するとき、チューブ23’は、ユーザーの耳の下方に位置し、チューブ23’の第一端232’(開口端)は、装着孔2135の方向に設置される。さらに別の実施形態において、本発明は、同時に、二個のチューブ23、および、23’を設置し、且つ、チューブ23、および、23’は、それぞれ、支持部27、および、音源孔2133の近くに設置される。ユーザーがヘッドフォン装置2を装着するとき、チューブ23、および、23’の第一端232、および、232’(開口端)は、装着孔2135の方向に設置される。さらに別の実施形態において、一個のチューブ23”だけを設置し、且つ、チューブ23”は、装着孔2135の近くに設置される。ユーザーがヘッドフォン装置2を装着するとき、チューブ23”は、ユーザーの耳の後方に位置する。チューブ23”の第一端232”、および、第二端233”の任意の一者は開口で、もう一つが閉鎖している。つまり、第一端232”は開口端、第二端233”は閉鎖端であるか、あるいは、第一端232”は閉鎖端、第二端233”は開口端である。
【0030】
図6に示されるように、ヘッドフォン装置2のハウジング21の形状は上下対称であり、よって、対称軸Lを有する。ハウジング21はさらに、厚さ方向(図面に垂直)で、中心軸Cを有する。対称軸Lは中心軸Cと垂直に交錯する。いくつかの実施形態において、チューブ23と23’の第一端232と232’の辺縁と中心軸Cの対称軸L上の距離dは、10mm~30mmである。
【符号の説明】
【0031】
1…オーバーイヤーヘッドフォン装置
11…ハウジング
12…オーバーイヤークッション
13…スピーカー
14…音響チャネル
121…環状側部分
2…ヘッドフォン装置
21…ハウジング
22…イヤークッション
23、23’、23”…チューブ
24…接続部分
25…収容部
27…支持部
211…カバープレート
213…本体
221…受圧部
231…管状体
232、232’、232”…第一端
233、233’、233”…第二端
241…第三端
242…第四端
243…外周面
244…内周面
271…末端
2112…第一表面
2114…第二表面
2130…底部
2131…周辺部
2133…音源孔
2135…装着孔
2211…第三表面
2213…第四表面
3…耳
C…中心軸
C’…中心
d…距離
D1、D2、D3…尺寸
L…対称軸