(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122276
(43)【公開日】2022-08-22
(54)【発明の名称】筒状カバー取外装置
(51)【国際特許分類】
A01G 18/61 20180101AFI20220815BHJP
A01G 18/68 20180101ALI20220815BHJP
【FI】
A01G18/61
A01G18/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017558
(22)【出願日】2022-02-07
(31)【優先権主張番号】202110178576.7
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】320014466
【氏名又は名称】一松株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】張 秋生
【テーマコード(参考)】
2B011
【Fターム(参考)】
2B011AA01
2B011DA01
2B011EA03
2B011QA02
(57)【要約】
【課題】 キノコ栽培用の筒状カバーを自動で取り外すことのできる筒状カバー取外装置を提案する。
【解決手段】 本発明は、培養瓶Bの瓶口に取り付けられ、内部空間にキノコが位置する筒状カバーA1を、培養瓶Bから取り外す取外装置2000であって、コンテナ搬送部1、位置決め係止部2、第1挟持部3、第2挟持部4、および筒状カバー搬送部6を含み、コンテナ搬送部1は、筒状カバーA1が取り付けられた培養瓶Bを収容したコンテナCを取り外し待ち位置P1まで搬送でき、位置決め係止部2は、コンテナ搬送部1に設置され、コンテナCを取り外し待ち位置P1で係止し、第1挟持部3は、一対の爪部材を含み、キノコを培養瓶Bから分離することができ、第2挟持部4は、機械指を含み、筒状カバーA2とキノコとを分離することができ、筒状カバー搬送部6は、第2挟持部4で分離される筒状カバーA1を搬送できることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養瓶の瓶口に取り付けられ、内部空間にキノコが位置する筒状カバーを、前記培養瓶から取り外すことのできる筒状カバー取外装置であって、
コンテナ搬送部、位置決め係止部、第1挟持部、第2挟持部、および筒状カバー搬送部を含み、
前記コンテナ搬送部は、前記筒状カバーが取り付けられた培養瓶を収容したコンテナを取り外し待ち位置まで搬送でき、
前記位置決め係止部は、前記コンテナ搬送部に設置され、前記コンテナを前記取り外し待ち位置において係止し、
前記第1挟持部は、一対の爪部材を含み、前記キノコを前記培養瓶から分離することができ、
前記第2挟持部は、機械指を含み、前記筒状カバーと前記キノコとを分離することができ、
前記筒状カバー搬送部は、前記第2挟持部で分離される前記筒状カバーを搬送できることを特徴とする筒状カバー取外装置。
【請求項2】
前記第1挟持部は、前記キノコおよび筒状カバーを挟持して、前記キノコおよび筒状カバーを前記培養瓶から分離する請求項1に記載の筒状カバー取外装置。
【請求項3】
前記第2挟持部は、前記筒状カバーを挟持して、前記筒状カバーと前記キノコとを分離する請求項2に記載の筒状カバー取外装置。
【請求項4】
前記第2挟持部は、前記筒状カバーを挟持して、前記筒状カバーと前記キノコとを分離し、分離した前記筒状カバーを前記筒状カバー搬送部に送る請求項1に記載の筒状カバー取外装置。
【請求項5】
前記第1挟持部は、前記キノコを挟持して、前記キノコを前記培養瓶から分離する請求項4に記載の筒状カバー取外装置。
【請求項6】
分離台が設けられ、
前記分離台は、前記キノコと分離した筒状カバーを前記筒状カバー搬送部に送る請求項1~3のいずれか1項に記載の筒状カバー取外装置。
【請求項7】
前記筒状カバー搬送部に、前記キノコと分離した筒状カバーを互いに重ねて収納できるようにするための振動ユニットが設けられている請求項1~6のいずれか1項に記載の筒状カバー取外装置。
【請求項8】
前記筒状カバーと分離したキノコを切断して分割する切断分割部を備え、
前記切断分割部は、前記キノコを横方向に切断する横切り刃ユニットと、縦方向に切断する縦切り刃ユニットと、を有する請求項1~7のいずれか1項に記載の筒状カバー取外装置。
【請求項9】
前記切断分割部が、縦方向に設けられた切断バッフルを含む請求項8に記載の筒状カバー取外装置。
【請求項10】
前記横切り刃ユニットが、ブレード固定部とブレードとを含み、
前記ブレードは、前記ブレード固定部に固定され、
前記ブレード固定部は、スライド可能である請求項8又は9に記載の筒状カバー取外装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エノキタケおよび細長いキノコ類に用いられる筒状カバーを取り外す筒状カバー取外装置に関する。
【背景技術】
【0002】
キノコ類の生育分野では、通常、キノコ類の菌種を、培地を有する培養瓶に配置し、適切な条件下で成長させる。エノキタケなどの細長いキノコ類の生育過程において、所望の育成効果を達成するために、従来技術では、通常、キノコ栽培用カバー(巻紙も含む)を使用して、培養瓶の瓶口を包む筒体を形成し、エノキタケを囲んで適切な成長環境を提供する。キノコの成長期間が満了して成熟した後、成熟したキノコを採取するために、このカバーを取り外す必要がある。従来技術では、キノコの採取は、カバーの固定接続構造(例えば面ファスナー式、粘着ボタン式等)を手作業で開き、カバーを取り外し、培養瓶からエノキタケを取り、そして、要望される重さに応じて収穫したエノキタケを手作業で分割することが多い。しかし、このようなカバーの取り外しおよびエノキタケを分割する方式に問題があるのは明らかであり、大量の手作業が必要であるにもかかわらず、人的コストが高すぎて取り外しおよびエノキタケの分割効率が低すぎる。一方、キノコの生育に必要な低温環境も人の手による操作に適していない。また、従来の粘着ボタン式カバー技術では、粘着ボタンにより生育過程に新たな汚染とコストが導入されている。カバーを取り外し、エノキタケの分割する操作から、どのようにして手作業を減らし、自動化を実現するかということが、早急に解決しなければならない技術問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに鑑みて、本発明はキノコ栽培用の筒状カバーを自動で取り外すことのできる筒状カバー取外装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の筒状カバー取外装置は、培養瓶の瓶口に取り付けられ、内部空間にキノコが位置する筒状カバーを、前記培養瓶から取り外すことのできる筒状カバー取外装置であって、コンテナ搬送部、位置決め係止部、第1挟持部、第2挟持部、および筒状カバー搬送部を含み、前記コンテナ搬送部は、前記筒状カバーが取り付けられた培養瓶を収容したコンテナを取り外し待ち位置まで搬送でき、前記位置決め係止部は、前記コンテナ搬送部に設置され、前記コンテナを前記取り外し待ち位置において係止し、前記第1挟持部は、一対の爪部材を含み、前記キノコを前記培養瓶から分離することができ、前記第2挟持部は、機械指を含み、前記筒状カバーと前記キノコとを分離することができ、前記筒状カバー搬送部は、前記第2挟持部で分離される前記筒状カバーを搬送できることを特徴とする。
【0005】
本発明は、前記第1挟持部は、前記キノコおよび筒状カバーを挟持して、前記キノコおよび筒状カバーを前記培養瓶から分離してもよい。
【0006】
本発明は、前記第2挟持部は、前記筒状カバーを挟持して、前記筒状カバーと前記キノコとを分離してもよい。
【0007】
本発明は、前記第2挟持部は、前記筒状カバーを挟持して、前記筒状カバーと前記キノコとを分離し、分離した前記筒状カバーを前記筒状カバー搬送部に送ってもよい。
【0008】
本発明は、前記第1挟持部は、前記キノコを挟持して、前記キノコを前記培養瓶から分離してもよい。
【0009】
本発明は、分離台が設けられ、前記分離台は、前記キノコと分離した筒状カバーを筒状カバー搬送部に送ることが好ましい。
【0010】
本発明は、前記筒状カバー搬送部に、前記キノコと分離した筒状カバーを互いに重ねて収納できるようにするための振動ユニットが設けられていることが好ましい。
【0011】
本発明は、前記筒状カバーと分離したキノコを切断して分割する切断分割部を備え、前記切断分割部は、前記キノコを横方向に切断する横切り刃ユニットと、縦方向に切断する縦切り刃ユニットと、を有することが好ましい。
【0012】
本発明は、前記切断分割部が、縦方向に設けられた切断バッフルを含むことが好ましい。
【0013】
本発明は、前記横切り刃ユニットが、ブレード固定部とブレードとを含み、前記ブレードは、前記ブレード固定部に固定され、前記ブレード固定部は、スライド可能であることが好ましい。
【0014】
「筒状カバー」は、工業用、食品用の生産、栽培等に適用される。特に農業用、とりわけ、キノコ栽培用の容器カバーに適用され、例えば、エノキタケ栽培用カバーであって、両端の直径が異なる筒状容器が例示されるが、上下方向の両端の直径が同じものでもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明が提供する技術の改善によって、手作業で筒状カバーの取り外し、エノキタケを分割するという、効率が低く且つ採取に不利な技術問題を解決する。これにより、生産ラインが簡素化し、採取効率を極めて高め、キノコの生育過程における食品の安全を保証する。また、本発明は、生育、採収、分割プロセスおよびその後の筒状カバーの整理、洗浄プロセスを効果的に接続することができ、全プロセス自動化の実現に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明第1実施形態の筒状カバー取外装置の斜視図である。
【
図2】本発明第1実施形態の筒状カバー取外装置の部分正面図である。
【
図3】本発明第1実施形態の筒状カバー取外装置の部分斜視図である。
【
図4】本発明第1実施形態の筒状カバー取外装置の分離台を示す正面図である。
【
図5】本発明第1実施形態の筒状カバー取外装置の第2挟持部を示す斜視図である。
【
図6】本発明第1実施形態の筒状カバー取外装置の第1挟持部の斜視図である。
【
図7】本発明第1実施形態の筒状カバー取外装置の第1挟持部の部分拡大斜視図である。
【
図8】本発明第1実施形態の筒状カバー取外装置の第1ロボットハンドの挟持状態を示す斜視図である。
【
図9】本発明第1実施形態の筒状カバー取外装置の第1ロボットハンドの開放状態を示す斜視図である。
【
図10】本発明第1実施形態の筒状カバー取外装置の第2ロボットハンドの挟持状態を示す斜視図である。
【
図11】本発明第1実施形態の筒状カバー取外装置の第2ロボットハンドの開放状態を示す斜視図である。
【
図12】本発明第1実施形態の筒状カバー取外装置の筒状カバー搬送部の斜視図である。
【
図13】本発明第1実施形態の筒状カバー取外装置の筒状カバー搬送部の側面図である。
【
図14】本発明第1実施形態の筒状カバー取外装置の制御部のブロック図である。
【
図15】本発明第2実施形態の筒状カバー取外装置の斜視図である(第4持部等は省略)。
【
図16】本発明第2実施形態の筒状カバー取外装置の斜視図である(第3挟持部等は省略)。
【
図17】本発明第2実施形態の筒状カバー取外装置の部分拡大斜視図である(第4挟持部等は省略)。
【
図18】本発明第2実施形態の筒状カバー取外装置の第3ロボットハンドの挟持状態を示す斜視図である。
【
図19】本発明第2実施形態の筒状カバー取外装置の第3ロボットハンドの開放状態を示す斜視図である。
【
図20】本発明第2実施形態の筒状カバー取外装置の第4ロボットハンドの挟持状態を示す斜視図である。
【
図21】本発明第2実施形態の筒状カバー取外装置の第4ロボットハンドの開放状態を示す斜視図である。
【
図22】本発明第2実施形態の筒状カバー取外装置の第4挟持部の斜視図である。
【
図23】本発明第2実施形態の筒状カバー取外装置の筒状カバー搬送部の斜視図である(第4持部等は省略)。
【
図24】本発明第1実施形態の筒状カバー取外装置に適用した切断分割部の斜視図である。
【
図25】本発明第1実施形態の筒状カバー取外装置に適用した切断分割部の正面図である。
【
図26】切断分割部による切断動作を示す説明図である。
【
図27】切断分割部により根元の切除した後のエノキタケの写真である。
【
図29】縦切り刃ユニットの位置計算原理を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態の構成要件は、要素が競合しない場合には互いに組み合わせられ得る。本実施形態において、用語「上」、「下」、「左」、「右」などの方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づいており、本実施形態の説明を容易にするためだけであり、装置又は要素が特定の方位を有すると限定するべきではない。用語「第1」、「第2」などは、説明の目的だけに用いられ、相対的な重要性を示したり暗示したりするものではない。以下、本発明を、実施形態と図面を参照して、詳細に説明する。
【0018】
本発明は、キノコ栽培用の筒状カバーの取外装置を提案する。細長いキノコ類の生育過程における収穫段階に用いることができる。以下ではいずれもエノキタケの育成収穫を例としたが、本分野の当業者が理解できる通り、本発明が提供する実施形態は、他の細長いキノコ類の育成収穫にも同様に適用できる。
【0019】
エノキタケは培養室での培養作業が基本的に完了した後においては瓶口に筒状カバーが取り付けられた培養瓶は、培地と培養したエノキタケが含まれている。エノキタケは成長過程で培養瓶の瓶口から伸び出て、筒状カバーの内部空間で成長している。このとき、培養瓶を培養室から取り出し、筒状カバーの取り外しを開始する。培養瓶は、輸送など各操作を容易にするために、コンテナ内に配置されている。
【0020】
筒状カバーは上下方向の両端の直径が同じな円筒状のものでもよいが、通常、筒状カバーの形状はテーパ状であり、異なる生育培養のニーズに応じて、筒状カバーのセット方向が異なり、上端の直径が大きく、下端の直径が小さい場合でもよいし、上端の直径が小さく、下端直径が大きい場合でもよい。筒状カバーを取り外す時、エノキタケは既に筒状カバーの内部空間に満たされているので、形状が異なる筒状カバーでは、取り外し方も異なる。以下、それぞれ説明する。
【0021】
図1~
図14を参照して、本発明第1実施形態の筒状カバー取外装置2000(以下、取外装置2000という)の好ましい構成を説明する。この実施形態では、上端の直径が大きく、下端の直径が小さい形状の筒状カバーA1を適用しており、この場合、テーパ状の筒状カバーA1は、直径の大きい端部を上にして培養瓶Bの瓶口にセットされており、直接に取り外すことができないので、まず、取り外し待ち位置P1において筒状カバーA1および筒状カバーA1内のエノキタケMを同時に挟持して、培養瓶Bから分離する。分離後、挟持した筒状カバーA1および筒状カバーA1内のエノキタケMを分離待ち位置P2まで送る、さらに筒状カバーA1とエノキタケMの分離操作を行う。
【0022】
図1に示す通り、本発明の筒状カバーA1の取外装置2000は、コンテナ搬送部1、位置決め係止部2、第1挟持部3、第2挟持部4、分離台5、筒状カバー搬送部6、切断分割部9、および制御部100(
図14参照)を含む。ここで、コンテナ搬送部1は、筒状カバーA1が取り付けられた培養瓶Bを入れたコンテナCを、第1挟持部3による筒状カバーA1およびエノキタケMの挟持を待つ位置である、取り外し待ち位置P1に搬送する。コンテナ搬送部1としては、例えば搬送ベルトであってもよく、他の類似の装置であってもよい。本実施形態のコンテナCは縦横に4つずつ培養瓶Bを入れることができる。
【0023】
取り外し待ち位置P1は、コンテナ搬送部1の搬送経路上に設けられる。位置決め係止部2により、搬送経路上を搬送されるコンテナCが取り外し待ち位置P1に位置決めされ、係止される。取り外し待ち位置P1は、コンテナCの形状および寸法に合わせて設けられ、例えば、取り外し待ち位置P1の長さがコンテナの長さに等しい、あるいは、取り外し待ち位置P1の幅がコンテナCの幅に等しい、又はコンテナCに入れられた培養瓶Bの1列又は複数列の幅に等しいものであってもよい。
【0024】
位置決め係止部2は、コンテナ搬送部1の搬送方向に設ける伸縮可能な位置決めストッパ21、コンテナ搬送部1の搬送方向の両側に設ける一組又は複数組の伸縮シリンダ22を含む。コンテナCが取外し待ち位置P1に到達すると、制御部100からの制御指令により位置決めストッパ21が突出し、コンテナCを係止する。好ましくは、取り外し待ち位置P1にある各コンテナCの左右両側には、少なくとも1組の伸縮シリンダ22が設けられており、コンテナCを正確な位置に位置決めし、係止する。
【0025】
各組の伸縮シリンダ22は、搬送方向の両側に対して左右対称に設けられた2つの同じ伸縮可能なシリンダを含む。伸縮シリンダ22は制御部100から命令を受けて伸縮運動をする。伸縮シリンダ22の2つのシリンダが対称的に移動するようにそれぞれの伸縮時間、距離は同じに設定される。伸縮シリンダ22によってコンテナCを挟持することにより、コンテナCをコンベアの中間位置に位置決めし、掛止する。詳細を後述する第1挟持部3による筒状カバーA1の培養瓶Bからの分離、および移動が完了した後、伸縮シリンダ22は、制御部100からの命令を受けて後退し、コンテナ搬送部1による、コンテナCの搬送が再開される。
【0026】
各組の伸縮シリンダ22は、コンテナCの一方側に位置が固定されるシリンダと、コンテナの他方側に位置された伸縮可能なシリンダとを含む構成でもよい(図示せず)。ここで、位置が固定されるシリンダは、制御部100から命令を受け、固定位置まで伸縮運動を行い、その後一定時間、固定位置に位置し続ける。伸縮可能なシリンダは、制御部100から命令を受けてコンテナCが取り外し待ち位置P1に到達するたびに突出して、固定されるシリンダと協働してコンテナCを挟持することにより、コンテナCを位置決めして、係止する。第1挟持部3による筒状カバーA1の培養瓶Bからの分離、および移動が完了した後、伸縮可能なシリンダは、制御部100からの命令を受けて後退し、コンテナ搬送部1による、コンテナCの搬送が再開される。
【0027】
各組の伸縮シリンダ22は、コンテナCの一方側に位置が固定されたストッパと、コンテナの他方側に位置する伸縮可能なシリンダを含む構成でもよい(図示せず)。ここで、コンテナCが取り外し待ち位置P1に搬送されると、伸縮可能なシリンダが突出し、位置が固定されたストッパと協働してコンテナCを挟持することにより、コンテナCを位置決めして、係止する。第1挟持部3による筒状カバーA1の培養瓶Bからの分離、および移動が完了した後、伸縮可能なシリンダが、制御部100からの命令を受けて後退し、コンテナ搬送部1によるコンテナCの搬送が再開される。
【0028】
図2に示すように、コンテナ搬送部1の両側には、さらに、検出部11が設けられている。検出部11は、例えば赤外線検出装置、又は他の類似の装置であり、コンテナCの通過を検出し、制御部100に伝達する。制御部100は、検出部11によって検出された情報に基づいて制御信号を位置決め係止部2に送信し、位置決め係止部2を起動停止させることができる。
【0029】
以下、
図1~
図9を参照して、本発明第1実施形態の第1挟持部3の好ましい構成を詳細に説明する。
【0030】
第1挟持部3は、制御部100と接続した駆動装置(例えば、シリンダ又はモータ、図示しない)により駆動され、上下運動およびレールアセンブリに沿ってスライドすることができるフレーム組立体31を含む。フレーム組立体31には複数の第1ロボットハンド32が取り付けられており、1列に配置された第1ロボットハンド32であることが好ましい。第1ロボットハンド32の配置は、取り外し待ち位置P1における取り外し待ちの培養瓶Bの配置に対応する。一例として、
図6に示すように、第1挟持部3は一列の第1ロボットハンド32が12個設けられており、3つのコンテナCの中の同じ列(計12本)の培養瓶Bの筒状カバーA1およびエノキタケMを一度に掴み取ることができる。
【0031】
フレーム組立体31は、長尺状の外側支持枠311を含み、外側支持枠311は、長尺状の上面311aと、上面311aの長手方向の両側に位置する第1端面311b、第2端面311cを含み、第1端面311b、第2端面311cの間に内支持軸312が固定接続されている。第2端面311cには、連動部材314を介して内支持軸312を外側支持枠311に対して回動駆動させる回動モータ313が設けられている。これにより、制御部100から回動モータ313への制御信号により、外側支持枠311に対する内支持軸312の回動幅と回動速度を制御することができる。これにより、内支持軸312に固定された第1ロボットハンド32の回動を調節することができる。
【0032】
内支持軸312の側面には、一列に配置された第1ロボットハンド32が取り付けられている。
図8、
図9に示すように、各第1ロボットハンド32は、一対の円弧状の爪部材である、第1爪部材32aおよび第2爪部材32bを有している。第1ロボットハンド32は、制御部100からの制御信号により、第1爪部材32aおよび第2爪部材32bを挟持状態と開放状態とに変更可能である。
【0033】
図1に示すように、位置決めストッパ21および伸縮シリンダ22がコンテナCの位置決めおよび係止を完了すると、第1挟持部3は、駆動装置によって駆動されて取り外し位置p1に移動する。取り外し位置p1は取り外し待ち位置P1の真上にあり、このとき、第1ロボットハンド32の第1爪部材32a、第2爪部材32bは、垂直方向に向いている。第1挟持部3を駆動して取り外し待ち位置P1に位置する培養瓶Bに近づくまで下向きに移動させ、制御部100によって回動モータ313を制御して内支持軸312を回動させて、内支持軸312に固定された第1ロボットハンド32を回動させる。これにより、第1爪部材32aおよび第2爪部材32bは、向きが垂直方向から水平方向に回動するとともに、互いに接近する。これにより、第1爪部材32aおよび第2爪部材32bが筒状カバーA1を挟持する(
図2参照)。筒状カバーA1内はエノキタケMで満たされているため、筒状カバーA1内のエノキタケMも含めて第1ロボットハンド32によって挟持される。
【0034】
筒状カバーA1の挟持が完了した後、制御部100が回動モータ313を制御することにより、第1ロボットハンド32が、筒状カバーA1の回動揺動を行う。回動の角度を10度以内に制御して、第1爪部材32aおよび第2爪部材32bに挟持されている筒状カバーA1およびエノキタケMを培養瓶B中の培地と相対運動させて緩みを生じさせることにより、エノキタケMを培養瓶Bから完全に分離させる。
【0035】
次いで、第1挟持部3は、培養瓶Bから分離された筒状カバーA1およびエノキタケMを挟持した状態で、レールアセンブリに沿って分離位置p2まで移動する。
【0036】
図3に示すように、分離位置p2は分離待ち位置P2に対応しており、分離待ち位置P2には分離台5が設けられている。第1挟持部3の回動モータ313は、制御部100からの制御信号を受けて90度回動する。これにより、第1爪部材32aおよび第2爪部材32bの向きは、垂直方向となり、挟持している筒状カバーA1およびエノキタケMは、水平方向となる。
【0037】
そして、第1挟持部3は、下方に移動して分離台5に近づき、第1爪部材32a、第2爪部材32bを開放し、筒状カバーA1およびエノキタケMを分離台5に置く。
【0038】
図3~
図5に示すように、分離台5は、筒状カバーA1およびエノキタケMを載置することができる台面51を含む。分離台5の一方側には、分離台5に載置された筒状カバーA1およびエノキタケMの位置と一致する1列のエジェクタロッド52とエジェクタロッド固定板53が設けられている。エジェクタロッド52の一端は、いずれもエジェクタロッド固定板53に固定接続されている。エジェクタロッド固定板53には、第2挟持部4に運動軌道を与えるガイドロッド54が設けられている。
【0039】
図5に示すように、第2挟持部4は、第1固定板41と、第1固定板41に固定され、1列に配置された第2ロボットハンド42を含む。1列に配置された第2ロボットハンド42の位置は、台面51上に載置された1列の筒状カバーおよびエノキタケMの位置に対応する。
図10、
図11に示すように、各第2ロボットハンド42は、相対的に回動可能な2つの機械指である、第1機械指42aと第2機械指42bとを含む。第2ロボットハンド42は、制御部100からの制御信号により、第1機械指42aおよび第2機械指42bを挟持状態と開放状態とに変更可能である。
【0040】
分離台5に筒状カバーA1およびエノキタケMが載置されると、第1固定板41は制御部100と接続された駆動装置(図示せず)によって筒状カバーA1の一端に向かって移動する。制御部100からの制御信号によって第2ロボットハンド42の第1機械指42aと第2機械指42bは相対的に回動し、筒状カバーの側壁を挟持する。
【0041】
その後、第1固定板41が初期位置に戻るように移動する。戻る途中において、エノキタケMがエジェクタロッド52と当接することにより、エノキタケMが筒状カバーA1から分離され、分離台5上に残されるため、筒状カバーA1のみが第1機械指42aおよび第2機械指42bによって挟持された状態で第1固定板41が初期位置に戻る。
【0042】
さらに、第1挟持部3は、分離台5の上方に移動して第1爪部材32aおよび第2爪部材32bで分離台5に残されたエノキタケMを挟持し、切断分割する場所に移動させる。
【0043】
エノキタケMが第1挟持部3によって挟持されて移動した後、第2挟持部4は、筒状カバーA1を挟持して筒状カバー搬送部6に搬送してもよい。
【0044】
筒状カバーA1を筒状カバー搬送部6へ搬送する工程をさらに簡略化するために、本実施例においては、
図4に示すように、分離台5の台面51が、シリンダによって回動を制御される構造となっている。エノキタケMが第1挟持部3によって挟持されて移動した後、第2挟持部4が、挟持した筒状カバーA1を台面51上に載置し、台面51を下方向に回転させることにより、載置した筒状カバーA1を台面51の斜め下方に位置する筒状カバー搬送部6に滑り落ちるようにする。
【0045】
図1および
図12に示すように、筒状カバー搬送部6は、複数列の搬送ユニット61を含み、そして各列の搬送ユニット61の間に互いに間隔をおいて仕切り板(バッフルプレート)61aが配置されている。複数列の搬送ユニット61の位置は、台面51に載置された筒状カバーA1の位置に対応して配置されている。台面51の回動に伴って滑り落ちる筒状カバーA1を直接に搬送ユニット61に転送させる。
【0046】
筒状カバー搬送部6は、複数列の搬送ユニット61を横切って配置されたコンベアベルト62を含む。筒状カバーA1は、複数列の搬送ユニット61から順次コンベアベルト62上に搬送され、さらに収納部63に搬送される。
【0047】
収納部63では、複数の筒状カバーA1が1つずつ重ねられて収納される。
図12および
図13に示すように、筒状カバーA1が整然と収納できるように、収納部63には、制御部100に接続された振動ユニット64が設けられている。
【0048】
振動ユニット64は、コンベアベルト62の下流側に設けられ、収納部63の末端から約2/3の長さの位置にある(すなわち、収納部63の全長をSとすると、振動ユニット64は収納部63の末端から約2S/3の位置にある)。振動ユニット64は、コンベアベルト62をわずかに振動させることにより、筒状カバーA1の位置を合わせて筒状カバーA1同士を重ね合わせ、収納を完了させる。
【0049】
取外装置2000の制御等を司る制御部100の一例を示す制御回路について
図14を参照して説明する。この制御部100は、CPU101、RAM102、ROM103、カウンタ104、タイマ105、音声制御部106、入力部107、入出力インタフェース109を有しており、バス110により相互に接続したものである。CPU101が初期設定、或いは入力信号を受けて所定の演算等を行い、それらに対して、制御信号が制御部100と接続された各要素に送信されるようになっている。
【0050】
CPU101は、各部に出力する制御信号を生成し、プログラム制御によって、制御信号を出力することで、制御を実行する。プログラム制御に代えて、LSIロジック等のハードウェア制御によっても実施が可能である。RAM102は、データを一時的に読み書きするものである。ROM103にプログラムが読み出し専用で格納されている。
【0051】
本発明第2実施形態は、上端の直径と比べ、下端の直径が大きい筒状カバーA2の取り外し操作を実現することができる取外装置3000である。上端の直径と比べ、下端の直径が大きいテーパ状の筒状カバーA2を培養瓶Bの瓶口にセットした場合には、取り外し待ち位置P1で筒状カバーA2を直接取外し、さらに、エノキタケMと培養瓶Bとを分離することができるので、本発明第1実施形態に対して、取外装置の挟持部の設置を変更するだけでよい。第1実施形態と同一の部品には同一番号を付してその説明を援用し、同じ部分の構造はこれ以上述べない。
【0052】
図15、
図17に示すように、コンテナ搬送部1で搬送されるコンテナCを取り外し待ち位置P1に位置決めし、係止した後、第3挟持部7は、取り外し待ち位置P1と上下に対応した取り外し位置p1に移動する。なお、第3挟持部7は、第2挟持部4と同様の構成であり、第2固定板71およびその駆動装置と、第2固定板71に固定された複数の第3ロボットハンド72を含む。第3ロボットハンド72の数および配置は、それぞれ取り外し待ち位置P1に位置するコンテナC内の培養瓶Bの数および配置に対応している。
【0053】
図18、
図19に示すように、各第3ロボットハンド72は、2つ相対的に回動可能な第3機械指72aおよび第4機械指72bを有する。コンテナCが取り外し待ち位置P1に係止された後、第2固定板71は、制御部100に接続された駆動装置(図示しない)により駆動されて取り外し待ち位置P1に位置する培養瓶Bに近接するように移動する。制御部100からの制御信号により、第3ロボットハンド72の第3機械指72aと第4機械指72bとを相対的に回転させて筒状カバーA2の側壁を挟持し、第2固定板71を初期位置に戻すことにより、筒状カバーA2の取り外し操作が完了する。
【0054】
第3ロボットハンド72により筒状カバーA2を取り外した後、コンテナ内には、培養瓶Bと培養瓶B内で生育したエノキタケMが残っている。このとき、第4挟持部8は駆動装置(図示せず)によって駆動されて取り外し位置p1に移動し、培養瓶B内のエノキタケMを挟持して、培養瓶Bから分離させる。第4挟持部8は、第1挟持部3と同様に、複数の第4ロボットハンド82を含む。
【0055】
図20~
図22に示すように、各第4ロボットハンド82は、一対の円弧状の爪部材である、第3爪部材82aおよび第4爪部材82bを備えている。
【0056】
第4挟持部8は、取り外し位置p1から下方向に移動して取り外し待ち位置P1に近接し、回動モータ813によって駆動された内支持軸812が回動して、内支持軸812に固定された第4ロボットハンド82回転させる。これにより、第3爪部材82aと第4爪部材82bは、向きが垂直方向から水平方向に回動するとともに、互いに接近する。これによって、第3爪部材82aと第4爪部材82bとがエノキタケMの外周を挟持する。
【0057】
続いて、制御部100が回動モータ813を制御することにより、第4ロボットハンド82がエノキタケMの回動揺動を行う。回動の角度を10度以内に制御し、第3爪部材82aおよび第4爪部材82bに挟持されているエノキタケMを培養瓶Bの培地と相対的に運動させて緩みを生じさせることにより、エノキタケMを培養瓶Bから分離させる。
【0058】
図23に示す通り、第3挟持部7は、筒状カバーA2の挟持操作を完了した後、取り外し位置p1に戻り、上部のスライドレールに沿って一方側に移動して筒状カバーA2を仮収納部1001に送る。バッフル1006は、モータ1004に駆動されてスライドレール1005に沿ってスライドする。バッフル1006により筒状カバーA2が押されてコンベアベルト1003に移動する。コンベアベルト1003の両側には、壁1008が設けられており、筒状カバーA2のコンベアベルト1003からの脱落を防止する。コンベアベルト1003の搬送経路上には、コンベアベルト1003を横切るように壁1008から延び出す棒状のダイヤルレバー1002が設けられている。ダイヤルレバー1002は、横倒しとなった筒状カバーA2が下側を潜り抜けることができる高さに位置している。コンベアベルト1003によって搬送される筒状カバーA2が、ダイヤルレバー1002が設けられた位置を通過する際に、ダイヤルレバー1002との接触により筒状カバーA2は垂直方向に立っていた状態から水平方向に倒れた状態となる。これにより横倒しとなった筒状カバーA2がコンベアベルト1003に沿って整理収納部1007に順次搬送される。整理収納部1007は、第1実施形態における収納部63(振動ユニット64を含む)と同じ構成であるため、ここでの説明は省略する。
【0059】
なお、図示されていないが、さらに筒状カバーA2を取り外す効率を向上させるために、1つ以上の仮収納部1001を別途設け、それに応じて、筒状カバー搬送部をさらに別途設けてもよい。
【0060】
第4挟持部8は、エノキタケMを培養瓶Bから分離した後、挟持したエノキタケMを切断分割する場所に搬送し、エノキタケMが所望する重さに応じて適宜分割される。
【0061】
第1実施形態の取外装置2000および第2実施形態の取外装置3000のいずれとも、エノキタケMを切断する切断分割部9をさらに設けることができる。以下、
図24~
図29を参照して、筒状カバーA1、A2が取り外されたエノキタケMの切断分割を行う切断分割部9の構成および原理について説明する。
【0062】
図24に示すように、筒状カバーA1(A2)が取り外された後、第1挟持部3(第1実施形態)、又は、第4挟持部8(第2実施形態)によって挟持されたエノキタケMは、切断分割部9に送られる。切断分割部9には、横切り刃ユニット90、切断バッフル93、縦切り刃ユニット94が設けられている。
【0063】
図25に示すように、横切り刃ユニット90は、切断バッフル93の両側に設置された第1横切り刃ユニット91、第2横切り刃ユニット92を含む。第1横切り刃ユニット91は、第1ブレード固定部911と第1ブレード912を含み、第2横切り刃ユニット92は、第2ブレード固定部921と第2ブレード922を含む。第1ブレード912と第2ブレード922のブレード本体はいずれも水平方向に保持されており、それぞれ第1ブレード固定部911と第2ブレード固定部921に装着固定することができる。第1ブレード912および第2ブレード922は、それぞれ第1ブレード固定部911および第2ブレード固定部921と一体的な構造であってもよい。第1ブレード固定部911および第2ブレード固定部921はいずれも底部ガイドレール95に沿ってスライドできる。
【0064】
縦切り刃ユニット94のブレードは、垂直上向きであり、横切り刃ユニットの遠位端(第1挟持部3又は第4挟持部8の動きの軌跡に基づいて、時間的に比較的早い通過位置を近位、比較的遅い通過側を遠位とする)に設けられている。
【0065】
以下、
図26~
図29を参考して、エノキタケMの切断分割の原理および操作手順について説明する。
【0066】
根元を切り取る前のエノキタケMを挟持した第1ロボットハンド32(又は第4ロボットハンド82)は、
図26が示すように、切断バッフル93の左側に移動して停止する。第1ブレード固定部911は、底部ガイドレール95に沿って右方向に位置する切断バッフル93に向かってスライドし、スライド途中、第1ブレード912は、第1軌跡S1に沿ってエノキタケMの底部の切断し、食用ではない根元を切除する。
【0067】
次に、第1ロボットハンド32(又は第4ロボットハンド82)は、根元が切除されたエノキタケMを挟持したまま、切断バッフル93の右側に移動して停止する。第2ブレード固定部921は、底部ガイドレール95に沿って左方向に位置する切断バッフル93に向かってスライドし、スライド途中、第2ブレード922は、第2軌跡(図示せず)に沿ってエノキタケMの底部(長さ約1cm~3cm)をさらに切断する。第2ブレード922によって切断された部分はエノキタケMの食用根部である。
【0068】
最後に、第1ロボットハンド32(又は第4ロボットハンド82)は、底部を切除したエノキタケMを挟持したまま、縦切り刃ユニット94の上方に移動する。所定の位置に到達した後、第1ロボットハンド32(又は第4ロボットハンド82)は、下方向に移動する。これによりエノキタケMに縦切り刃ユニット94を通過させ、縦切り刃ユニット94によってエノキタケMの切断および分割が完成する。
【0069】
図27に示す通り、筒状カバーA1、A2の被覆下で生育され、根元を切り取って、切断分割を待つ状態のエノキタケMは、全体が非常に均一であり、ぎっしりと詰まっている。これまでに採取したエノキタケMの秤量試験の結果から、生育環境が同じである場合、培養瓶1瓶あたりのエノキタケMの重量もほぼ同じであることが分かっている。
図28に示すように、ある試験環境では平均してエノキタケMの1束当たりの重量が500gであることが分かった。
【0070】
図29を例として、エノキタケMと縦切り刃ユニット94との相対的な位置を決める方法を示す。図中の円形部は均一に詰まった状態のエノキタケの底部断面であり、縦線は縦切り刃ユニット94のブレードである。上述のように、エノキタケMは非常に均一に成長しており、ぎっしりと詰まっているので、エノキタケMの1束の重量、および分割後に必要とされるエノキタケMの重量から、簡単な計算によって、エノキタケMと縦切り刃ユニット94のブレードとの相対的な位置を決めることができる。
【0071】
上記では、1つの縦切り刃ユニット94を配置する例を示しただけであり、複数の縦切り刃ユニット94を配置することもできる。すなわち、1つ又は複数の縦切り刃ユニット94を配置し、分割後に必要とされるエノキタケMの重量に応じて縦切り刃ユニット94を増減することにより、縦切り刃ユニット94の位置を計算調整して正確な重量の分割を達成することができる。
【0072】
上記に示す実施形態は、好ましい形態として、2つの横切り刃ユニット91、92を設置し、第1ブレード固定部911、第2ブレード固定部921が、切断バッフル93の左右両側に配列され、第1ブレード912と第2ブレード922とが対向して水平方向に設けられ、それぞれがエノキタケMの非食用の根元部分、可食用の底部の切断をする構成を示している。しかしながら、当業者であれば、エノキタケMの根元を二次的に切断する必要がない場合、第1横切り刃ユニット91、第2横切り刃ユニット92は、その1つを省略して、横切り刃ユニット91又は92を1つだけ設けてもよいことが理解される。
【0073】
各横切り刃ユニット91、92の高さは固定された高さで設けられてもよく、各ロボットハンド32、82の動きを制御することによってエノキタケMの根元と第1ブレード912又は第2ブレード922との相対的な位置を調整することができる。また、各横切り刃ユニット91、92の高さを調整可能に設定することもでき、この場合は、各横切り刃ユニット91、92の高さ調整によって、エノキタケMの根元の高さと、第1ブレード912又は第2ブレード922の高さとの相対距離が要求される切除長となるようにすればよい。
【0074】
以上より、本発明による技術改善により、異なる形態の筒状カバーの取り外し操作の自動化生産ライン設計の課題を解決し、筒状カバーと培養瓶を迅速に分離することができ、極めて生産効率を向上させることができる。本発明が提供する技術的改良は、コンパクトなプロセスで採収したエノキタケなど細長いキノコ類の根元を切り取り、自動的に重量を分け、異なる重量配分ニーズに応じて柔軟に調整し、高い重量配分正確率を保証することができる。本発明が提供する技術的改善は人の手作業が不要であり、エノキタケなどの細長いキノコ類が生育室から転出された後の採収プロセスを簡略化し,操作効率を最適化した。本発明はまた、従来技術において筒状カバー分離に人の手作業が必要であることによる、効率が低く、生産能力が低下する問題を解決し、従来技術においてエノキタケの重量分割に人の手作業が必要であることによって発生した汚染や、効率が低いなどの問題を解決した。本発明は、生産ラインを簡素化し、生産効率を極めて向上させると同時に、エノキタケの生育過程における食品安全を保証し、且つエノキタケの育成プロセス、およびエノキタケの整理洗浄プロセスを有効的につなぐことができ、全プロセス自動化の実現に役立つ。
【0075】
以上に述べたものは本発明の好ましい実施形態にすぎないので、本発明を上記実施形態に限定する必要はなく、本発明の範囲中で行ったいかなる修正、均等、置換、改善等も、本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【0076】
本発明の一部を構成する図面は、本発明のさらなる理解を提供するために用いられ、本発明の例示的な実施形態およびその説明は本発明を説明するために用いられ、本発明に対する不当な限定をするものではない。
【符号の説明】
【0077】
1・・・コンテナ搬送部
11・・・検出部
2・・・位置決め係止部
21・・・ストッパ
22・・・伸縮シリンダ
3・・・第1挟持部
31・・・フレーム組立体
311・・・外側支持枠
311a・・・上面
311b・・・第1端面
311c・・・第2端面
312・・・内支持軸
313・・・回動モータ
314・・・連動部材
32・・・第1ロボットハンド
32a・・・第1爪部材
32b・・・第2爪部材
4・・・第2挟持部
41・・・第1固定板
42・・・第2ロボットハンド
42a・・・第1機械指
42b・・・第2機械指
5・・・分離台
51・・・台面
52・・・エジェクタロッド
53・・・エジェクタロッド固定板
54・・・ガイドロッド
6・・・筒状カバー搬送部
61・・・搬送ユニット
61a・・・仕切り板
62・・・コンベアベルト
63・・・収納部
64・・・振動ユニット
7・・・第3挟持部
71・・・第2固定板
72・・・第3ロボットハンド
72a・・・第3機械指
72b・・・第4機械指
8・・・第4挟持部
812・・・内支持軸
813・・・回動モータ
82・・・第4ロボットハンド
82a・・・第3爪部材
82b・・・第4爪部材
9・・・切断分割部
91、92・・・横切り刃ユニット
91・・・第1切り刃ユニット
911・・・第1ブレード固定部
912・・・第1ブレード
92・・・第2切り刃ユニット
921・・・第2ブレード固定部
922・・・第2ブレード
93・・・切断バッフル
94・・・縦切り刃ユニット
95・・・底部ガイドレール
100・・・制御部
101・・・CPU
102・・・RAM
103・・・ROM
104・・・カウンタ
105・・・タイマ
106・・・音声制御部
107・・・入力部
109・・・入出力インタフェース
110・・・バス
1001・・・仮収納部
1002・・・ダイヤルレバー
1003・・・コンベアベルト
1004・・・モータ
1005・・・スライドレール
1006・・・バッフル
1007・・・整理収納部
1008・・・壁
2000、3000・・・取外装置(筒状カバー取外装置)
A1、A2・・・筒状カバー
B・・・培養瓶
C・・・コンテナ
M・・・エノキタケ(キノコ)
P1・・・取り外し待ち位置
P2・・・分離待ち位置
p1・・・取り外し位置
p2・・・分離位置