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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122311
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】コネクタ及び体外循環回路
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/36 20060101AFI20220816BHJP
   A61M 39/10 20060101ALI20220816BHJP
   F16L 47/18 20060101ALI20220816BHJP
   F16L 27/10 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
A61M1/36 100
A61M39/10
F16L47/18
F16L27/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021019436
(22)【出願日】2021-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】阿部 雅晃
(72)【発明者】
【氏名】芹澤 麻美
【テーマコード(参考)】
3H104
4C066
4C077
【Fターム(参考)】
3H104JA07
3H104JB02
3H104JC10
3H104JD09
3H104LB29
3H104LB37
3H104LG03
3H104LG22
4C066JJ04
4C077AA02
4C077BB06
4C077DD23
4C077EE01
4C077KK21
4C077PP08
4C077PP14
4C077PP16
(57)【要約】
【課題】チューブからの折り曲げ力が作用した場合であっても、キンクの発生を防止できるコネクタ及び体外循環回路を提供する。
【解決手段】コネクタ10は、第1チューブ108aが嵌合する第1嵌合部12と、第2チューブ108bが嵌合する第2嵌合部14と、第1嵌合部12と第2嵌合部14とを繋ぐ筒状の接続部18と、を備え、接続部18は、弾性変形可能な可撓性材料によって形成されるとともに、接続部18の外周部には、接続部18の周方向に沿って延びる突起部22が接続部18の延在方向に複数並んだ補強部24を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1チューブが嵌合する第1嵌合部と、
第2チューブが嵌合する第2嵌合部と、
前記第1嵌合部と前記第2嵌合部とを繋ぐ筒状の接続部と、を備え、
前記接続部は、弾性変形可能な可撓性材料によって形成されるとともに、前記接続部の外周部には、前記接続部の周方向に沿って延びる突起部が前記接続部の延在方向に複数並んだ補強部を有する、コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタであって、前記突起部は、前記接続部の径方向外方に向かうにつれて先細りするテーパ状に形成されている、コネクタ。
【請求項3】
請求項1又は2記載のコネクタであって、さらに第3チューブが嵌合するとともに前記接続部に繋がった第3嵌合部を有する、コネクタ。
【請求項4】
請求項3記載のコネクタであって、前記補強部は、前記第3嵌合部と前記接続部との接続部分に対向する側部に設けられている、コネクタ。
【請求項5】
請求項3記載のコネクタであって、前記接続部は、前記第1嵌合部、前記第2嵌合部及び前記第3嵌合部をT字状又はY字状に繋ぐ、コネクタ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のコネクタであって、前記接続部は、前記第1嵌合部及び前記第2嵌合部よりも小さな外径に形成されている、コネクタ。
【請求項7】
請求項6記載のコネクタであって、前記接続部は、前記第1嵌合部及び前記第2嵌合部よりも肉薄に形成されている、コネクタ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のコネクタであって、前記第1嵌合部の内周面と前記第2嵌合部の内周面と前記接続部の内周面とが段差なく繋がっている、コネクタ。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のコネクタであって、前記補強部が設けられた部分の前記接続部の内周面が平滑に形成されている、コネクタ。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載のコネクタであって、前記補強部は、前記接続部が山折りと谷折りの連続よりなる蛇腹構造により形成されている、コネクタ。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のコネクタと、
前記コネクタに接続されたチューブと、
前記チューブ及び前記コネクタを介して接続された体外循環機器と、
を備えた、体外循環回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用チューブの接続に用いるコネクタ及び体外循環回路に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓や大血管の手術等の際に、心臓を止めて手術をすることがある。その間、体循環、肺循環及びガス交換を代行するべく、人工心肺装置が用いられる。人工心肺装置は、体外循環回路を含み、血液ポンプ、人工肺及び貯血槽といった構成部材を、チューブで接続して構成される。
【0003】
体外循環回路において、急な症状の変化に迅速に対応できるように、血液ポンプ、人工肺及び貯血槽といった構成部品に予めチューブを接続しておき、梱包を開封してから直ぐに使用可能な製品も提供されている。
【0004】
構成部品に予めチューブを接続した体外循環回路において、複数のチューブ同士を接続するために、コネクタが使用される(例えば、特許文献1)。体外循環回路の梱包をよりコンパクトにしようとすると、チューブを小さな曲率半径で巻き回す必要がある。そのため、チューブの巻き回しに追従できるように、コネクタには軟質材料が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7-136252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、チューブの曲率半径を小さくしようとすると、コネクタを折り曲げる力が大きくなり、コネクタが折れる場合がある。軟質材料よりなるコネクタが折れると、楔状の折れ目(キンクともいう)が発生する。一度コネクタにキンクが発生してしまうと、梱包から開封してチューブを引き伸ばしても、コネクタのキンクが消えずに残ってしまい、血液の円滑な流れが阻害されてしまう。
【0007】
そこで、一実施形態は、チューブからの折り曲げ力が作用した場合であっても、キンクの発生を防止できるコネクタ及び体外循環回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下の開示の一観点は、第1チューブが嵌合する第1嵌合部と、第2チューブが嵌合する第2嵌合部と、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部とを繋ぐ筒状の接続部と、を備え、前記接続部は、弾性変形可能な可撓性材料によって形成されるとともに、前記接続部の外周部には、前記接続部の周方向に沿って延びる突起部が前記接続部の延在方向に複数並んだ補強部を有する、コネクタにある。
【0009】
別の一観点は、上記観点のコネクタと、前記コネクタに接続されたチューブと、前記チューブ及び前記コネクタを介して接続された体外循環機器と、を備えた、体外循環回路にある。
【発明の効果】
【0010】
上記観点のコネクタ及び体外循環回路によれば、チューブからの折り曲げ力が作用した場合であっても、コネクタのキンクの発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る体外循環回路の梱包状態での斜視図である。
図2図2Aは、図1のコネクタ(T字コネクタ)の正面図であり、図2B図2Aのコネクタの断面図である。
図3図2Aのコネクタの底面図である。
図4図2Aのコネクタの作用を示す断面図である。
図5】第2実施形態に係るコネクタの正面図である。
図6】第3実施形態に係るコネクタの正面図である。
図7図7Aは、第4実施形態に係るコネクタの正面図であり、図7B図7Aのコネクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、コネクタ及び体外循環回路について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態の体外循環回路100は、送血ポンプ102、人工肺104、貯血槽106等の構成部材を備えており、これらの構成部材が複数のチューブ108で予め接続されている。チューブ108は、梱包状態において図示のように、送血ポンプ102、人工肺104、貯血槽106等の大きな構成部材の隙間にコンパクトに収容するように、巻き回されたり、折り返されたりしている。チューブ108の途上には、複数のチューブ108同士を接続するためのコネクタ10が設けられている。
【0014】
図2Aに示すように、本実施形態のコネクタ10は、第1嵌合部12と、第2嵌合部14と、第3嵌合部16とが接続部18を介してT字状に接続されたT字コネクタである。第1嵌合部12、第2嵌合部14及び第3嵌合部16は、それぞれ別のチューブ108が嵌合して接続される部分である。第1嵌合部12と第2嵌合部14とは、第1方向に延びる中心軸20を中心とする円筒状に形成されている。第1嵌合部12と第2嵌合部14とは、互いに逆向きに開口している。第1嵌合部12と第2嵌合部14とは、第1方向に延びる円筒状の接続部18を介して接続されている。接続部18の外径は、第1嵌合部12及び第2嵌合部14の外径よりも小さく形成されている。
【0015】
第3嵌合部16は、第1方向に垂直な第1方向に延びた円筒状に形成されている。第3嵌合部16は、第1方向の中央部において、接続部18に接合されている。
【0016】
図2Bに示すように、第1嵌合部12の空洞部12aと、第2嵌合部14の空洞部14aとは、接続部18の空洞部18aを介して連通する。また、第3嵌合部16の空洞部16aは、接続部18の側壁を貫通して空洞部18aに連通する。第1嵌合部12の内周面12bと、接続部18の内周面18bとの間には段差部18cが形成されている。また、第2嵌合部14の内周面14bと、接続部18の内周面18bとの間には段差部18dが形成されている。段差部18cは、第1嵌合部12の空洞部12aに嵌合する第1チューブ108a(図4参照)の肉厚と同じ寸法に形成されている。また、段差部18dは、第2嵌合部14の空洞部14aに嵌合する第2チューブ108b(図4参照)の肉厚と同じ寸法に形成されている。これにより、第1チューブ108a及び第2チューブ108bの内周面と、接続部18の内周面18bとに段差が生じないように、第1チューブ108a及び第2チューブ108bを接続できる。
【0017】
なお、本実施形態は、これに限定されるものではなく、第1嵌合部12の内周面12bと第2嵌合部14の内周面14bと接続部18の内周面18bとを面一に形成し、段差部18c、18dをなくしてもよい。段差部18c、18dをなくす場合には、接続される第1嵌合部12及び第2嵌合部14の外周にチューブ108の肉厚に対する段差を設けておくことで、チューブ108の内周面とコネクタ10の内周面との段差を少なくすことができる。これにより、血液の流れをスムーズにすることができ、血栓発生のリスクを低減できる。この場合には、接続部18の肉厚が、第1嵌合部12及び第2嵌合部14の肉厚よりも薄くなり、より小さな曲率半径までしなやかに湾曲することが可能となり、キンクの発生を抑制できる。
【0018】
図2Aに示すように、接続部18の側部には、周方向に延びるフィン状の突起部22が第1方向に複数連なった補強部24が設けられている。図3に示すように、各々の突起部22は、第3嵌合部16と対向する部分を中心にして、接続部18の周方向の1/4~1/2の範囲に亘って延在している。突起部22の突出幅及び高さは、第3嵌合部16と反対側の周方向位置で最も大きくなっている。突起部22の幅及び高さは、周方向の位置が第3嵌合部16の周方向位置に接近するにつれて徐々に減少する。なお、突起部22は、接続部18の周方向の全域に亘って形成されてもよい。
【0019】
突起部22は、外方に向かうにつれ厚さ(第1方向の幅)が先細りするように減少するテーパ状に形成されている。補強部24において、突起部22の中央部は、第1方向に隙間なく隣接するように配置されている。また、突起部22はテーパ状に限定されるものではなく、一定厚さの薄板状に形成されてもよい。
【0020】
図2Bに示すように、補強部24の内側の接続部18の内周面18bは、平滑に形成されている。このように構成することで、血液がスムーズに流れ、血栓の発生を抑制できる。なお、接続部18の内周面18bは平滑面に限定されるものではなく、補強部24の形状に応じた凹凸を有するコルゲート形状であってもよい。また、補強部24は、接続部18の側壁が山折りと谷折りが連続した蛇腹構造で形成してもよい。
【0021】
本実施形態のコネクタ10は、例えば、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、又はポリ塩化ビニル樹脂等の軟質で可撓性を有する材料によって一体的に形成されている。
【0022】
本実施形態のコネクタ10は以上のように構成され、以下その作用について説明する。
【0023】
図4に示すように、コネクタ10の第1嵌合部12には、第1チューブ108aが接続され、第2嵌合部14には第2チューブ108bが接続され、第3嵌合部16には第3チューブ108cが接続されて使用される。第1チューブ108aは、第1嵌合部12の内側に嵌合する。また、第2チューブ108bも同様に、第2嵌合部14の内側に嵌合する。これにより、第1チューブ108a及び第2チューブ108bとコネクタ10の内周面とが段差なく接続される。なお、本実施形態のコネクタ10の使用方法は、上記の例に制限されるものではなく、第1チューブ108aを第1嵌合部12の外側に嵌合させ、第2チューブ108bを第2嵌合部14の外側に嵌合させて使用してもよい。
【0024】
コネクタ10において、接続部18には、第1チューブ108a及び第2チューブ108bから屈曲する応力が作用する。接続部18に対して、図示のように、第3嵌合部16と対向する側部が内側となる曲げが生じると、接続部18のキンクの発生リスクが高くなる。
【0025】
これに対し、本実施形態では、補強部24に複数の突起部22が設けられていることにより、肉厚になり接続部18が補強されてキンクの発生を防ぐことができる。また、局所的に曲げ応力が集中すると、隣接する突起部22が当接して、曲げに抵抗する。そして、局所的な応力を突起部22が当接することで補強部24の広い範囲に分散させることができ、楔状のキンクの発生を防止できる。
【0026】
本実施形態のコネクタ10及び体外循環回路100は、以下の効果を奏する。
【0027】
本実施形態のコネクタ10は、第1チューブ108aが嵌合する第1嵌合部12と、第2チューブ108bが嵌合する第2嵌合部14と、第1嵌合部12と第2嵌合部14とを繋ぐ筒状の接続部18と、を備え、接続部18は、弾性変形可能な可撓性材料によって形成されるとともに、接続部18の外周部には、接続部18の周方向に沿って延びる突起部22が接続部18の延在方向に複数並んだ補強部24を有する。
【0028】
上記のコネクタ10によれば、補強部24に設けられた突起部22によって接続部18が補強され、キンクの発生を防ぐことができる。
【0029】
上記のコネクタ10において、突起部22は、接続部18の径方向外方に向かうにつれて先細りするテーパ状に形成されてもよい。突起部22をテーパ状に形成することで、隣接する突起部22の間に変形可能なスペースが形成され、接続部18にキンクが発生しない範囲で柔軟に湾曲することができる。
【0030】
上記のコネクタ10において、さらに第3チューブ108cが嵌合するとともに接続部18に繋がった第3嵌合部16を有してもよい。
【0031】
上記のコネクタ10において、補強部24は、第3嵌合部16と接続部18との接続部分に対向する側部に設けられてもよい。これにより、接続部18のうち、脆弱な部分を補強部24で補強することができ、キンクの発生を防止できる。
【0032】
上記のコネクタ10において、接続部18を、第1嵌合部12、第2嵌合部14及び第3嵌合部16は、T字状又はY字状に繋いでもよい。
【0033】
上記のコネクタ10において、接続部18は、第1嵌合部12及び第2嵌合部14よりも小さな外径に形成されてもよい。この構成によれば、接続部18がより小さな曲率半径に湾曲可能となり、キンクの発生を抑制できる。
【0034】
上記のコネクタ10において、接続部18は、第1嵌合部12及び第2嵌合部14よりも肉薄に形成されてもよい。これにより、接続部18をより小さな曲率半径にしなやかに湾曲させることができ、キンクの発生を抑制できる。
【0035】
上記のコネクタ10において、第1嵌合部12の内周面12bと第2嵌合部14の内周面14bと接続部18の内周面18bとが段差なく繋がってもよい。この構成によれば、血液の流れがスムーズになり、血栓の発生を抑制できる。
【0036】
上記のコネクタ10において、補強部24が設けられた部分の接続部18の内周面18bが平滑に形成されてもよい。この構成によれば、血液の流れがスムーズになり、血栓の発生を抑制できる。
【0037】
上記のコネクタ10において、補強部24は、接続部18が山折りと谷折りの連続よりなる蛇腹構造により形成されてもよい。この構成によっても、接続部18のキンクを抑制できる。
【0038】
本実施形態の体外循環回路100は、上記のコネクタ10と、コネクタ10に接続されたチューブ108と、チューブ108及びコネクタ10を介して接続された体外循環機器(例えば、送血ポンプ102、人工肺104、貯血槽106等)と、を備える。この構成によれば、チューブ108を介してコネクタ10を大きく屈曲させてもキンクの発生を防ぐことができる。これにより、チューブ108の引き回しの自由度が向上し、体外循環回路100をよりコンパクトに梱包することができる。
【0039】
(第2実施形態)
図5に示すように、本実施形態のコネクタ10Aは、補強部24Aにおいて図2Aのコネクタ10と異なる。コネクタ10Aにおいて、コネクタ10と同様の構成には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0040】
コネクタ10Aの補強部24Aは、接続部18の延在方向(第1方向)に複数配置された突起部22を有している。本実施形態の補強部24Aでは、第1方向に隣接する突起部22の間に間隙23が設けられており、隣接する突起部22が互いに離間している。
【0041】
本実施形態のコネクタ10Aによっても、第1実施形態のコネクタ10と同様の効果が得られる。
【0042】
(第3実施形態)
図6に示すように、本実施形態のコネクタ10Bは、いわゆるY字コネクタである。コネクタ10Bにおいて、図2Aのコネクタ10と同様の構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0043】
コネクタ10Bは、第1嵌合部12、第2嵌合部14及び第3嵌合部16を繋ぐ接続部18BがY字状に分岐している。すなわち、接続部18Bは、第1嵌合部12に接続された第1枝部32と、第2嵌合部14に接続された第2枝部34と、第3嵌合部16に接続された第3枝部36とを有している。このような接続部18Bにおいて、第1枝部32、第2枝部34及び第3枝部36の分岐部分に曲げ応力が集中して、キンクが発生しやすい。そこで、本実施形態のコネクタ10Bでは、第1枝部32、第2枝部34及び第3枝部36の分岐部分に、それぞれ複数の突起部22を含む補強部24Bが設けられている。
【0044】
以上に説明した本実施形態のコネクタ10Bによれば、キンクの発生を防ぐことができる。
【0045】
(第4実施形態)
図7Aに示す本実施形態のコネクタ10Cは、第1嵌合部12と、第2嵌合部14とを接続部18Cで連結してなる。なお、コネクタ10Cにおいて、図2Aのコネクタ10と同様の構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0046】
コネクタ10Cにおいて、第1嵌合部12と第2嵌合部14と接続部18Cとは、同一の中心軸20Cに沿った筒状に形成されている。接続部18Cは、第1嵌合部12及び第2嵌合部14よりも小径に形成されている。接続部18Cの外周部には、周方向に延びる突起部22Cを複数備えた補強部24Cが形成されている。突起部22Cは、接続部18Cの周方向の全域に亘って形成されている。
【0047】
図7Bに示すように、第1嵌合部12の内周面12bと、接続部18Cの内周面18bとの間には、段差部18cが形成されている。第2嵌合部14の内周面14bと、接続部18Cの内周面18bとの間には段差部18dが形成されている。これらの段差部18c、18dは、第1嵌合部12及び第2嵌合部14の内側に嵌合されるチューブ108の肉厚と同じ寸法となっている。そのため、チューブ108を接続した状態において、チューブ108の内周面と接続部18Cの内周面18bとは、段差なく面一に繋がる。なお、本実施形態のコネクタ10Cは、これに限定されるものではなく、第1嵌合部12の内周面12bと、接続部18Cの内周面18bと第2嵌合部14の内周面14bとが段差なく面一に繋がって形成されてもよい。
【0048】
本実施形態のコネクタ10Cによれば、補強部24Cの突起部22Cが接続部18Cの全周に亘って形成されているため、全ての方向の曲げに対してキンクの発生を防ぐことができる。
【0049】
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0050】
10、10A、10B、10C…コネクタ 12…第1嵌合部
12b、14b、18b…内周面 14…第2嵌合部
16…第3嵌合部 18、18B、18C…接続部
22、22C…突起部
24、24A、24B、24C…補強部 100…体外循環回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7