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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122327
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】照明付スピーカー
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20220816BHJP
   F21V 21/30 20060101ALI20220816BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20220816BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220816BHJP
【FI】
H04R1/02 102Z
F21V21/30 310
F21V33/00 430
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021019469
(22)【出願日】2021-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】特許業務法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 浩之
(72)【発明者】
【氏名】本多 健一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 達夫
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 稔
(72)【発明者】
【氏名】松岡 京
(72)【発明者】
【氏名】石橋 正昭
(72)【発明者】
【氏名】菅藤 晶広
(72)【発明者】
【氏名】吉原 功
【テーマコード(参考)】
3K014
5D017
【Fターム(参考)】
3K014RB11
5D017AE00
(57)【要約】
【課題】卓上オーディオ等として利用可能なだけでなく、読書などの際の照明器具としても利用可能な利用範囲の広い照明付スピーカーを提供すること。
【解決手段】照明付スピーカー1は、スピーカーユニット12と、スピーカーユニット12の上方に設けられた照明ユニット11と、スピーカーユニット12の下部に接続されたバッテリーユニット13と、バッテリーユニット13に回動可能に支持され且つ先端に照明ユニット11を回動可能に支持するアーム15と、を有し、アーム15による首振り機構により照明ユニット11の位置や光の照射方向を自在に変更可能な構成を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明付スピーカーであって、
内部にスピーカーを有する第1ユニットと、
前記第1ユニットの上方に設けられ、発光部により光を照射する第2ユニットと、
前記第1ユニットの下部に接続され、前記第1ユニット及び前記第2ユニットに電力を供給する第3ユニットと、
前記第3ユニットに回動可能に支持され、先端に前記第2ユニットを回動可能に支持するアームと、を有すること特徴とする照明付スピーカー。
【請求項2】
前記発光部の光量、光色のすくなくともいずれかを調整可能なことを特徴とする請求項1に記載の照明付スピーカー。
【請求項3】
前記第2ユニット又は第3ユニットに設けられるマイクと、前記第2ユニットに設けられ前記光の照射方向を撮影可能なカメラの少なくともいずれかを有し、
さらに、前記カメラ、前記マイクの少なくともいずれかからの入力に基づくデータを外部に送信可能な通信手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の照明付きスピーカー。
【請求項4】
前記第2ユニットに設けられ前記光の照射方向を撮影可能なカメラを有し、
前記カメラからの入力に基づくデータを外部に送信可能な通信手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の照明付きスピーカー。
【請求項5】
前記カメラは、ズーム撮影が可能なことを特徴とする請求項4に記載の照明付スピーカー。
【請求項6】
前記発光部による発光を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記カメラにより撮影された画像に基づき、前記発光部の光量、光色の少なくともいずれかを調整することを特徴とする請求項4又は5に記載の照明付スピーカー。
【請求項7】
前記制御部は、前記画像に基づき、被写体が所定距離以内に存在する人物であると判定した場合に、前記発光部の光量の上限を制限することを特徴とする請求項6に記載の照明付スピーカー。
【請求項8】
前記第3ユニットの下方に設けられ、前記第3ユニットの下部を回転可能に支持する台座を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の照明付スピーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明付スピーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、360度に広がる無指向性ワイヤレススピーカーに照明装置を内蔵し、ほのかな光で音楽の情緒性を醸し出したり、音楽と一緒に光量が変化するワイヤレススピーカーが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-19129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述したような従来のワイヤレススピーカーは、卓上の食べ物等を照らすスポットライトとして使用したり、机で読書や作業をするときに使用したりする目的で作られたものではなく、このような目的の使用に対して十分な光量を得られなかった。
よって、食卓やデスク等においても邪魔にならず、読書などに十分な光量を得られ、高質な音源再生も可能な機器が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、この課題を鑑み、照明付スピーカーであって、内部にスピーカーを有する第1ユニットと、前記第1ユニットの上方に設けられ、発光部により光を照射する第2ユニットと、前記第1ユニットの下部に接続され、前記第1ユニット及び前記第2ユニットに電力を供給する第3ユニットと、前記第3ユニットに回動可能に支持され、先端に前記第2ユニットを回動可能に支持するアームと、を有すること特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、卓上オーディオ等として利用可能なだけでなく、読書などの際の照明器具としても利用可能な利用範囲の広い照明付スピーカーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の照明付スピーカーの一例を示す斜視図。
図2】第1実施形態の照明付スピーカーの一例を示す六面図。
図3】照明ユニットの位置や向きを変えて使用する様子を示す図。
図4】照明ユニットの位置や向きを変えて使用する様子を示す図。
図5】照明ユニットの位置や向きを変えて使用する様子を示す図。
図6】第1実施形態の照明付スピーカーの斜視断面図。
図7】第1実施形態の照明付スピーカーの断面図。
図8】第1実施形態の照明付スピーカーのブロック図。
図9】第2実施形態の照明付スピーカーの一例を示す正面図。
図10】第2実施形態の照明付スピーカーの一例を示す斜視図。
図11】第2実施形態の照明付スピーカーのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔第1実施形態〕
以下、図1図5を用いて、本発明の第1実施形態を示す照明付スピーカー1の外観について説明する。なお、本実施形態の照明付スピーカーとして、卓上やデスク等に置いて使用可能なサイズのスピーカーを想定して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ライブハウスやイベント会場等で楽器等を接続して使用可能な大型のものでもよい。
【0009】
図1は、第1実施形態の照明付スピーカーの一例を示す斜視図である。
図1において、(a)は斜め左上方から見た斜視図、(b)は斜め右上方から見た斜視図、(c)は斜め左下方から見た斜視図、(d)は斜め右下方から見た斜視図である。
【0010】
図2は、第1実施形態の照明付スピーカーの一例を示す六面図である。
図2において、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は背面図、(e)は平面図、(f)は底面図である。
【0011】
本実施形態の照明付スピーカー1は、上から照明ユニット11、スピーカーユニット12、バッテリーユニット13、回転台座14を有し、左右にアーム15を有する。
照明ユニット11は、内部に発光部(本実施形態ではLEDライトとするがこれに限定されるものではない)を備え、図1図2の状態で下向きに光を照射する。
【0012】
スピーカーユニット12は、360度に広がる無指向性のスピーカーである。スピーカーユニット12は、上部にメッシュ状カバー121、下部に梁部材122を有する。梁部材122には、スリット123が設けられている。スピーカーユニット12は、メッシュ状カバー121及びスリット123から音を出力する。スピーカーユニット12は、梁部材122でバッテリーユニット13に接続されている。
【0013】
バッテリーユニット13は、後述するバッテリーを有し、電力を照明ユニット11及びスピーカーユニット12に供給する。バッテリーユニット13は、回転台座14に対して回転可能である。
【0014】
アーム15は、バッテリーユニット13によって回動可能に支持されており、先端に照明ユニット11を回動可能に支持している。
例えば、アーム15は、図1図2の状態から、正面方向に約30度まで、背面方向に約30度まで回動可能になっている。また、照明ユニット11は図1図2の状態から、正面方向に約180度まで、背面方向に約90度まで回動可能になっている。ユーザは、照明ユニット11の位置や向きを変えて使用することができる(図3図5)。なお、アーム15、照明ユニット11の可動範囲は、上述の例に限定されるものではない。
【0015】
図3図5は、照明ユニット11の位置や向きを変えて使用する様子を示す図である。
図3はアーム15及び照明ユニット11を正面方向に約30度回転させて、照明ユニット11で装置の正面真下を照らしている状態に対応する。
図3の(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は斜め右上方から見た斜視図、(d)は左上方向から見た斜視図、(e)は平面図である。
【0016】
図4は照明ユニット11を正面方向に約90度回転させて、照明ユニット11で正面方向を照らしている状態に対応する。
図4の(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は斜め左上方から見た斜視図、(d)は右上方向から見た斜視図、(e)は平面図である。
【0017】
図5は照明ユニット11を正面方向に約180度回転させて、照明ユニット11で真上を照らしている状態に対応する。
図5の(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は斜め左上方から見た斜視図、(d)は右上方向から見た斜視図、(e)は平面図である。
【0018】
図3図5のように、ユーザは、照明ユニット11の位置や向きを変えて、照明ユニット11により所望の方向に照らすことができる。
また、照明ユニット11は、図1図2に示すような照明ボタン111を有し、照明ボタン111の操作により、ほのかな光から、読書や撮影に十分な光量まで、光量を変えることが可能である。
【0019】
よって、上述のように照明ユニット11の位置や向き、光量を変えることにより、卓上の食べ物等を照らすスポットライトとして使用したり、机で読書や作業をするときに使用したり、TV会議や映像配信用の動画撮影等の照明器具として使用することもできる。
【0020】
また、バッテリーユニット13は、図1に示すように、ステータスランプ191、電源ボタン192、音量ボタン193、195、一時停止/再生ボタン194を有する。ステータスランプ191は、Bluetooth(登録商標)接続待機の場合に点滅(青色)し、Bluetooth接続中の場合は点灯(青色)し、充電中は点灯(橙色)し、電源オフの場合に消灯する。電源ボタン192は、照明付スピーカー1の電源をオン/オフするためのものである。音量ボタン193は、スピーカーユニット12からの音量を小さくするためのものである。音量ボタン195は、スピーカーユニット12の音量を大きくするためのものである。一時停止/再生ボタン194は、再生している音の一時停止または再生(再開)を行うためのものである。なお、ボタン192~195のいずれかが、Bluetoothのペアリングボタンを兼ねてもよいし、別途Bluetoothのペアリングボタンを設けてもよい。
【0021】
以下、図6図7の断面図を用いて、照明付スピーカー1の内部構成について説明する。
図6は、第1実施形態の照明付スピーカーの斜視断面図である。
図7は、第1実施形態の照明付スピーカーの断面図である。
【0022】
<スピーカーユニット12>
スピーカーユニット12は、縦向きの略筒状のボディ124を有する。ボディ124は、例えばアルミニウム等の金属製でも木製でも、その他の素材でもよい。ボディ124の内側には、上部に上向きに配置されたスピーカー125、下部に下向きに配置されたパッシブラジエーター126が設けられている。パッシブラジエーター126は、ボディ124内の空気振動を利用して動作し、主に低音域の増幅・補強を行うことで低音域の音を豊かにする。パッシブラジエーター126からの音は、スピーカーユニット12とバッテリーユニット13の隙間(図1に示したような、梁部材122周囲のスリット123)を通って出力される。なお、バッテリーユニット13の上部は下に向かって広がった形状に形成されており、この形状により、パッシブラジエーター126から出力される音が全方向に拡散される。なお、パッシブラジエーター126の代わりに、低音域用のスピーカーやダクトを設けてもよい。
【0023】
また、スピーカー125とパッシブラジエーター126の間には、基板127が備えられている。基板127には、アンプ回路やBluetoothアンテナ等が設けられている。
【0024】
<バッテリーユニット13>
バッテリーユニット13は、スピーカーユニット12のボディ124と略同径のボディ131を有する。バッテリーユニット13は、充電可能なバッテリー132、基板133を有する。基板133には電源回路等が設けられている。なお、バッテリーユニット13の背面には、図2(d)に示すようにUSB端子138が設けられており、該USB端子138を介してバッテリー132への給電が可能である。なお、USB端子138は例えばタイプCとするが、他の種類の端子でもよい。また、USB端子138を介して外部装置とデータ通信ができるように構成してもよい。
【0025】
バッテリーユニット13の底部135には、バッテリーカバー136が着脱可能に取り付けられている。このバッテリーカバー136を外すことにより、バッテリー132を交換することが可能である。バッテリーユニット13は、回転台座14に回転可能に支持されている。図1(c)を参照して説明すると、底部135及びバッテリーカバー136が、回転台座14に対して回転する。なお、より大型のバッテリーを交換可能に搭載するために、バッテリーカバー136のサイズ(最長部である対角線の長さ)を、回転台座14の底部に設けられた穴の径よりも大きく構成している。そして、図2に示す位置又は180度回転した位置においてのみ、穴の径をバッテリーカバー136が着脱可能な程度に長くしている。このため、回転台座14に対するバッテリーユニット13の回転位相が図2の位相、又は、図2の位相から180度回転した位相以外では、バッテリーカバー136の角が回転台座14の底部の穴に引っ掛かる。よって、バッテリーカバー136は、図2の位相、又は、図2から180度回転した位相でのみ取り外し可能である。このような構成により、より大型のバッテリーを交換可能に搭載することが可能になる。
【0026】
図6の説明に戻る。ヒンジ137で、アーム15がバッテリーユニット13に接続されている。ヒンジ137はフリーストップヒンジであり、+約30度から-30度の任意の位置で止まるように構成されている。このヒンジ137により、アーム15を、正面方向に約30度の位置から背面方向に約30度の位置までの任意の位置で止めることができる。
【0027】
<アーム15>
アーム15は中空構造になっており、アーム15内には電力線や信号線等のケーブル151が通されており、これら電力線や信号線等のケーブル151によりバッテリーユニット13から照明ユニット11に電力や信号を送る。
【0028】
<照明ユニット11>
照明ユニット11は、スピーカーユニット12のボディ124と略同径のボディ112を有する。ヒンジ113で、アーム15に接続されている。ヒンジ113は、フリーストップヒンジであり、+約180度から-90度の任意の位置で止まるように構成されている。このヒンジ113により、照明ユニット11を、正面方向に約180度の位置から背面方向に約90度の位置までの任意の位置で止めることができる。
【0029】
照明ユニット11内には、LED基板114が設けられている。LED基板114には、下向きに白色LEDと暖色LEDとが配置されている。白色LEDと暖色LEDはそれぞれ、例えば三段階(弱、中、強)の光量調整可能なLEDとするが、これに限定されるものではない。
【0030】
照明ユニット11の下部にはディフューザー115(拡散板)が設けられており、LED基板114から照射される光を拡散する。なお、ディフューザー115は、図に示すように下向きの略円錐状形状に形成されており、スピーカー125から出力される音を全方向に拡散する効果を有する。また、本実施形態のディフューザー115は、図4(c)に示すように、境界115aの部分で曲率が変化しており、光や音を最適な角度で拡散するように構成されている。
【0031】
なお、図1に示した照明ボタン111を長押しすることで照明オフ(白色LEDオフ且つ暖色LEDオフ)にすることができる。この照明オフから、照明ボタン111を長押しすると、照明オフする前の調光状態で照明オンになる。照明オン状態で照明ボタン111を1回押すごとに調光状態を変更できる。第1調光状態(白色LED光量弱且つ暖色LEDオフ)で照明ボタン111を1回押すと、第2調光状態(白色LED光量中且つ暖色LEDオフ)になる。さらに、照明ボタン111を1回押すと、第3調光状態(白色LED光量強且つ暖色LEDオフ)になる。さらに、照明ボタン111を1回押すと、第4調光状態(白色LEDオフ且つ暖色LED光量弱)になる。さらに、照明ボタン111を1回押すと、第5調光状態(白色LEDオフ且つ暖色LED光量中)になる。さらに、照明ボタン111を1回押すと、第6調光状態(白色LEDオフ且つ暖色LED光量強)になる。さらに、照明ボタン111を1回押すと、第1調光状態に戻る。
【0032】
ここで、ヒンジ137や、ヒンジ113のトルク設定や、照明付スピーカー1の質量バランスについて説明する。
例えば、ユーザがバッテリーユニット13を手で支えることなく、手で照明ユニット11を正面側に引いた(又は背面側に押した)場合に、アーム15が正面側(又は背面側)に回動するように、照明付スピーカー1の各部の質量バランスと、バッテリーユニット13のヒンジ137のトルクの上限が設定されている。また、アーム15を垂直以外の角度に調整した場合に(例えば図3のような場合に)、照明ユニット11の重さで、照明付スピーカー1が転倒しないようなバランスの質量設定、アーム15が下がってしまわないようなトルク設定(下限設定)で構成されている。
【0033】
また、照明ユニット11のヒンジ113は、例えば、ユーザが照明ユニット11の角度のみを変えたい場合(例えば図1のような状態から図4図5のような状態にしたい場合)、照明ユニット11の回動可能方向に力を加えるだけで、アーム15を手で支えなくても照明ユニット11のみが回動するようなトルク設定(上限設定)になっている。また、ヒンジ113は、照明ユニット11の角度を図4のような角度にした(90度回転させた)場合でも、この角度を維持できる程度のトルク設定(下限設定)になっている。
【0034】
このようなヒンジ137、ヒンジ113のトルク設定や照明付スピーカー1の質量バランスにより、ユーザは片手で照明ユニット11を操作することで、アーム15の角度や、照明ユニット11の向き等を自在に調整することが可能となる。
【0035】
以上のように、ユーザが手動で照明ユニット11の位置や向き、照明ユニット11の光量を変えることにより、音楽を聴くのみでなく、照明付スピーカー1を卓上の食べ物等を照らすスポットライトとして使用したり、机で読書や作業をするときに使用したり、TV会議や映像配信用の撮影等の照明器具として容易に使用することができる。
【0036】
以下、図8を用いて、照明付スピーカー1の電気構成について説明する。
図8は、第1実施形態の照明付スピーカーのブロック図である。
照明付スピーカー1は、Bluetooth通信部803を有する。Bluetooth通信部803から入力されたオーディオ信号は、信号処理部802に入力される。信号処理部802は、入力されたオーディオ信号に対してイコライズ等の処理を行い、音声信号を増幅回路804に入力する。増幅回路804は、増幅したオーディオ信号をスピーカー125に入力する。スピーカー125はこの信号を音響として放音する。
【0037】
制御部801は、Bluetooth通信部803のペアリング動作、信号処理部802のイコライズ動作、増幅回路804のゲインなどの制御を行う。制御部801は、マイクロコンピュータ等で構成されている。制御部801には、さらにUSB I/F805、操作部809および点灯回路806が接続されている。
【0038】
操作部809は、照明ボタン111、ステータスランプ191、電源ボタン192、音量ボタン193、195、一時停止/再生ボタン194等を含む。点灯回路806は、白色LED807、暖色LED808を点灯する回路であり、LED基板114に設けられている。制御部801は、電源ボタン192がオンされると、オーディオ回路に電力を供給する。照明ボタン111がオンされることで、制御部801は、点灯回路806を介して、白色LED807、暖色LED808を点灯させる。
USB I/F805には、USB端子138が接続されており、該USB端子138を介した給電を可能にする。なお、USB I/F805は、データ通信が可能に構成されていれば、USB端子138を介して外部機器とのデータ通信も可能にする。
【0039】
以上のように、本実施形態の照明付スピーカー1は、縦型の卓上スピーカーであるとともに、その上部に位置及び照射角度を変更可能な照明部を有し、オーディオとしてのみでなく、読書や撮影用の照明としても使用することができ、オーディオ機器と照明とを兼ね、卓上スピーカーとして好適である。例えば、バッテリーユニットに対してアームを回動させたり、アームに対して照明ユニットを回動させたりすることで(すなわちアーム15による首振り機構を利用することにより)、照明ユニットによる光の照射方向を自在に変更することができ、WEBカメラなどを含めて多目的に使用できる。
【0040】
また、本実施形態の照明付スピーカーを大型にし、ライブハウスやイベント会場等で楽器等を接続して使用する場合、ライブやイベントを行う際の照明の機能とスピーカーの機能を一台で賄うことができる。
【0041】
なお、照明付スピーカー1は、以上説明した形状に限定されない。例えば、各ユニットのカバーは、円筒形でなくてもよく、多角柱形状であってもよい。このように、形状や素材、色彩を変更することで、工芸品としての価値を付与することが可能である。
【0042】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、卓上スピーカーの上部に、読書や撮影も可能で、照射角度が変更自在な照明を有する照明付スピーカーについて説明した。第2実施形態では、これに、さらにマイクとズームカメラを設けた構成について説明する。第2実施形態は、照明ユニット以外は第1実施形態と同様に構成されているため、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を用いて説明する。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0043】
まず、図9図10を用いて、本発明の第2実施形態を示す照明付スピーカー1の外観について説明する。
図9は、第2実施形態の照明付スピーカーの一例を示す正面図である。
図10は、第2実施形態の照明付スピーカーの一例を示す斜視図である。
【0044】
本実施形態に係る照明ユニット11は、内部にマイクを有する音声入力部118が設けられており、音声を入力することができる。また、カメラ119が、図10に示すように、ディフューザー115の中心部付近の内部に設けられている。なお、カメラ119はズーム撮影が可能なズームカメラであり、図示しないボタン操作や、照明付スピーカーとBluetooth通信部803により無線接続された携帯端末等の操作部への操作入力等により倍率、画角を調整し、所望の撮影条件で撮影可能である。なお、音声入力部118は、バッテリーユニット13等に設けられていてもよい。
【0045】
以下、図11を用いて、照明付スピーカー1の電気構成について説明する。
図11は、第2実施形態の照明付スピーカーのブロック図である。
音声入力I/F810は、音声入力部118から入力された音声信号を処理し、音声データとして制御部801に入力する。カメラI/F811は、カメラ119から入力された画像データを処理し、制御部801に入力する。
【0046】
制御部801は、音声入力部118から入力された音声データやカメラ119から入力された画像データを、Bluetooth通信部803、又は、USB I/F805を介して、外部装置に送信可能である。
【0047】
なお、制御部801は、カメラモードの場合(カメラ119がオンになっている場合)、LED807、808の光量を撮影に最適な光量に自動調整することも可能である。例えば、制御部801(又はUSBで接続される携帯端末やPC等の端末側のアプリケーション)において被写体が人の顔であるかを判定し、人の顔である場合、被写体がまぶしくないような光量に調整したり、顔を撮影するのに最適な光量、光色で顔を照らせるように調整したりすることができる。
【0048】
また、制御部801等は、被写体までの距離が予め定められた所定距離以内にある(自撮り)かどうかを判定し、自撮りであると判定した場合、光量や光色を調整するようにしてもよい。例えば、撮影画像内の人物の大きさから、所定距離以内に人物が存在する自撮りであると判定した場合には、光量の上限値を自撮りでない撮影時や、撮影を伴わない照射の場合の光量の上限値よりも小さい値に制限することや、人がまぶしいと感じにくい光色や肌の色がキレイに見える光色に調整することなどが可能である。なお、被写体までの距離が所定距離以内にあるかどうかは、撮影画像内の人物の大きさからではなく、距離センサなどを用いて判定しても良い。
【0049】
なお、操作部809には、照明ユニット11又はバッテリーユニット13に設けられる、音声入力部118をオン/オフするスイッチ(不図示)や、カメラ119のズームを調整するスイッチ(不図示)等が含まれているものとする。
【0050】
以上のように、第2実施形態の照明付スピーカー1は、第1実施形態の構成に加え、マイクやズームカメラを備えている。よって、第2実施形態の照明付スピーカーを、パーソナルコンピュータ(PC)等にBluetooth又はUSB接続することにより、容易にTV会議等を簡単に行うことができる。なお、この際も、照明ユニット11の照明により鮮明な画像を送信することが可能である。
【0051】
近年、カメラ付のパーソナルコンピュータ(PC)等でTV会議や、ソーシャルメディアを介した映像配信が盛んに行われてきている。このようなTV会議や映像配信では、発信者や手元説明資料の映像を天井照明等の室内照明に頼って撮影したものが大多数である。しかし、通常の室内照明では、このような撮影に十分な光量を与えられず、受信側の映像に明瞭性に欠いてしまうといった課題を、本実施形態に係る照明付スピーカーによって有効に解決することができる。
【0052】
なお、映像撮影専用の高価な照明を用いることで映像撮影に十分な光量を得ることができるが、一般のユーザには大掛かりなものであり、手軽に映像撮影に十分な光量を得られる機器が望まれていた。また、受信側のPC等の内蔵されるスピーカーでは、高質な音声の再生ができることが望まれていた。本実施形態に係る照明付スピーカーによれば、それらの課題を同時に解決することができる。
【0053】
以上のように、照明ユニットに内蔵されたマイクやカメラを用いて、PC等と接続して被写体の高質な音声や映像を送信でき、高音質TV会議システムツールとして使用可能である。なお、無線LAN I/Fや有線LAN I/F等のネットワークI/Fを設け、インターネット等を介して通信を行い、PC等と接続することなく、映像や音声を送信したり、音楽のダウンロードやショッピングサイトへの注文等を可能にしてもよい。
【0054】
また、送信する机上の被写体や人物の映像を、照明の調光、照明ユニットの首振り機構による撮影角度の調整、及びズームレンズによりスムーズに撮影することが可能になる。
さらに、照明ユニットの照明を壁等へ投射すれば、間接照明としてソフトな光が得られ、影がつきにくい画像を撮影することもできる。
また、照明ユニットにより、卓上接写撮影を容易に行うことができる。
また、PC等から独立しているため、明瞭な音声で再生することが可能となる。
【0055】
さらに、ワイヤレススピーカーに照明、カメラ、マイクを内蔵し、光量、光色、照射角度が変化可能であり、従来のワイヤレススピーカーに比べ広範囲に利用することが可能となる。
また、照明ユニット、スピーカーユニット、バッテリーユニット、アーム等をコンパクトにまとめることができ卓上に無理なく配置することができる。
以上、コンシューマ向けからビジネス使用、店舗使用商品として、幅広いシーンに利用することができる。
なお、筐体は、アルミ挽物筐体で高質感を強調してもよく、また、木質筐体(ウォールナット、ビーチ材等)、グラスファイバードライバー等、漆塗等、カーボンやステンレスとしてもよい。
ライブハウスやイベント会場等で使用可能なように、LEDの大型化、内蔵アンプのハイパワー化等を行ってもよい。
【0056】
以上、各実施形態によれば、卓上オーディオ等として利用可能なだけでなく、読書や高質な映像撮影の際の照明器具としても利用可能な利用範囲の広い照明付スピーカーを提供することができる。また、第2実施形態によれば、さらに、高質な映像と音声の送信と高質な音声の再生を行うことができる。
【0057】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施形態を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0058】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、照明付スピーカー本体以外のシステム又は装置において実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)を用いても実現可能である。
また、本発明は、複数の照明付スピーカーから構成されるシステムであっても、1つの照明付スピーカーからなるシステムであってもよい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0059】
1 照明付スピーカー
11 照明ユニット
12 スピーカーユニット
13 バッテリーユニット
14 回転台座
15 アーム
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