(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122376
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】DSSコンソール、端末給電制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04Q 3/58 20060101AFI20220816BHJP
H04M 19/00 20060101ALI20220816BHJP
H04Q 1/28 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
H04Q3/58 106
H04M19/00 101
H04Q1/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021019561
(22)【出願日】2021-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 賢二
【テーマコード(参考)】
5K037
5K049
【Fターム(参考)】
5K037AA10
5K037AB02
5K037DA06
5K049BB04
5K049BB13
5K049BB16
5K049CC14
5K049CC15
5K049FF52
5K049HH04
(57)【要約】
【課題】 通常時端末給電に利用でき停電時のバッテリ給電時であっても動作可能時間を伸ばすことができる構内電話システムのDSSコンソールを提供する。
【解決手段】 DSSコンソールは、収容された複数の電話端末を給電によって動作可能とする主装置に接続され、主装置を介して呼出する電話端末をそれぞれに割り当て可能な複数のランプ付きボタンを含む操作表示部を有する機能を有する。DSSコンソールは、電話端末の各々の給電状態に対応するランプ制御情報を主装置から取得するランプ制御情報取得部と、ランプ制御情報取得部が取得したランプ制御情報に応じて複数の電話端末の給電状態のそれぞれを複数のボタンのランプで表示する状態表示制御部と、いずれかのボタン操作を検知し、操作されたボタンに対応している電話端末の給電状態を、主装置を介して制御する端末給電制御部と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容された複数の電話端末を給電によって動作可能とする主装置に接続され、前記主装置を介して呼出する電話端末をそれぞれに割り当て可能な複数のランプ付きボタンを含む操作表示部を有し、かつ操作されたボタンに割り当てられた前記複数の電話端末の内の少なくとも1つを、前記主装置を介して呼出する機能を有するDSSコンソールであって、
前記複数の電話端末の各々の給電状態に対応するランプ制御情報を前記主装置から取得するランプ制御情報取得部と、
前記ランプ制御情報取得部が取得した前記ランプ制御情報に応じて前記複数の電話端末の前記給電状態のそれぞれを前記複数のボタンのランプを用いて表示する状態表示制御部と、
前記複数のボタンのいずれかの操作を検知し、操作されたボタンに対応している前記複数の電話端末の内の少なくとも1つの給電状態を、前記主装置を介して制御する端末給電制御部と、
を有することを特徴とするDSSコンソール。
【請求項2】
ボタン操作により前記給電状態取得部を起動できる選択操作ボタンを有することを特徴とする請求項1に記載のDSSコンソール。
【請求項3】
前記複数のボタンの操作の組み合わせにより前記給電状態取得部を起動する機能を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のDSSコンソール。
【請求項4】
前記端末給電制御部は、前記主装置から、前記複数の電話端末のうち給電が行われていない電話端末の情報を取得し、給電が行われていない電話端末が割り当てられたボタンに対応したランプに給電が行われていない状態であることを表示させ、給電が行われていない電話端末が割り当てられたボタンが押下されると、前記主装置に対して、押下されたボタンに対応する電話端末に給電を開始するように指示を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のDSSコンソール。
【請求項5】
前記複数の電話端末には無線基地局も含み、前記操作表示部において前記主装置を介して呼出する電話端末として前記無線基地局をそれぞれ前記複数のランプ付きボタンに割り当てられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のDSSコンソール。
【請求項6】
収容された複数の電話端末を給電によって動作可能とする主装置に接続され、前記主装置を介して呼出する電話端末をそれぞれに割り当て可能な複数のランプ付きボタンを含む操作表示部を有し、かつ操作されたボタンに割り当てられた前記複数の電話端末の内の少なくとも1つを、前記主装置を介して呼出する機能を有するDSSコンソールによる端末給電制御方法であって、
DSSコンソールが、
前記複数の電話端末の各々の給電状態に対応するランプ制御情報を前記主装置から取得するランプ制御情報取得ステップと、
前記ランプ制御情報取得ステップで取得した前記ランプ制御情報に応じて前記複数の電話端末の前記給電状態のそれぞれを前記複数のボタンのランプを用いて表示する状態表示ステップと、
前記複数のボタンのいずれかの操作を検知し、操作されたボタンに対応している前記複数の電話端末の内の少なくとも1つの給電状態を、前記主装置を介して制御する端末給電制御ステップと、
を実行することを特徴とする端末給電制御方法。
【請求項7】
収容された複数の電話端末を給電によって動作可能とする主装置に接続され、前記主装置を介して呼出する電話端末をそれぞれに割り当て可能な複数のランプ付きボタンを含む操作表示部を有し、かつ操作されたボタンに割り当てられた前記複数の電話端末の内の少なくとも1つを、前記主装置を介して呼出する機能を有するDSSコンソールにおける端末給電制御のプログラムであって、
DSSコンソールに搭載されるコンピュータに、
前記複数の電話端末の各々の給電状態に対応するランプ制御情報を前記主装置から取得するランプ制御情報取得ステップと、
前記ランプ制御情報取得ステップで取得した前記ランプ制御情報に応じて前記複数の電話端末の前記給電状態のそれぞれを前記複数のボタンのランプを用いて表示する状態表示ステップと、
前記複数のボタンのいずれかの操作を検知し、操作されたボタンに対応している前記複数の電話端末の内の少なくとも1つの給電状態を、前記主装置を介して制御する端末給電制御ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容された複数の電話端末を給電によって動作可能とする構内電話システムにおけるDSSコンソール、端末給電制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収容された複数の電話端末等の内線端末を給電によって動作可能とする主装置を含む構内電話システムが知られている。当該システムにおいて、停電を検知した時に内線端末の使用状態を判断したり、直接内線端末に対して給電の継続要否を問い合わせることによって、停電時に内線端末に対するバッテリ給電継続の必要性を判定し、動作の継続を必要とする内線端末を特定して給電を継続すると共に、動作の継続を必要としない内線端末に対して給電を停止することにより、停電時にバッテリの電力を効果的に配分し、バッテリによる停電時の動作可能時間を伸ばす技術が知られていた(特許文献1、参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、動作の継続を必要としない内線端末に対して給電を停止することで停電時にバッテリでの稼働時間を延ばしている。しかしながら、停電時の動作継続を行うか、行わないかの設定が過去の情報に従ってソフトウエアプログラムで自動設定されるため、過去使用していない又は過去担当者不在だったことで給電を止められていた内線端末をバッテリ稼働中に急遽使用する場合に構内電話システムのデータ設定従事者が当該内線端末の給電設定を新たに行う等の作業が必要で、実際の運用上、使い勝手が良いものではなかったという問題点があった。
【0005】
本発明は、以上の従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、通常時端末給電に利用でき、停電時のバッテリ給電時であっても動作可能時間を使い勝手良く伸ばすことができる構内電話システムに収容される内線端末の拡張端末(集中受付装置)であるDSS(Direct Station Selection)コンソール、端末給電制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のDSSコンソールは、収容された複数の電話端末を給電によって動作可能とする主装置に接続され、前記主装置を介して呼出する電話端末をそれぞれに割り当て可能な複数のランプ付きボタンを含む操作表示部を有し、かつ操作されたボタンに割り当てられた前記複数の電話端末の内の少なくとも1つを、前記主装置を介して呼出する機能を有するDSSコンソールであって、前記複数の電話端末の各々の給電状態に対応するランプ制御情報を前記主装置から取得するランプ制御情報取得部と、前記ランプ制御情報取得部が取得した前記ランプ制御情報に応じて前記複数の電話端末の前記給電状態のそれぞれを前記複数のボタンのランプを用いて表示する状態表示制御部と、前記複数のボタンのいずれかの操作を検知し、操作されたボタンに対応している前記複数の電話端末の内の少なくとも1つの給電状態を、前記主装置を介して制御する端末給電制御部と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の端末給電制御方法は、収容された複数の電話端末を給電によって動作可能とする主装置に接続され、前記主装置を介して呼出する電話端末をそれぞれに割り当て可能な複数のランプ付きボタンを含む操作表示部を有し、かつ操作されたボタンに割り当てられた前記複数の電話端末の内の少なくとも1つを、前記主装置を介して呼出する機能を有するDSSコンソールによる端末給電制御方法であって、上記のDSSコンソールが、前記複数の電話端末の各々の給電状態に対応するランプ制御情報を前記主装置から取得するランプ制御情報取得ステップと、前記ランプ制御情報取得ステップで取得した前記ランプ制御情報に応じて前記複数の電話端末の前記給電状態のそれぞれを前記複数のボタンのランプを用いて表示する状態表示ステップと、前記複数のボタンのいずれかの操作を検知し、操作されたボタンに対応している前記複数の電話端末の内の少なくとも1つの給電状態を、前記主装置を介して制御する端末給電制御ステップと、を実行することを特徴とする。
【0008】
本発明の端末給電制御のプログラムは、収容された複数の電話端末を給電によって動作可能とする主装置に接続され、前記主装置を介して呼出する電話端末をそれぞれに割り当て可能な複数のランプ付きボタンを含む操作表示部を有し、かつ操作されたボタンに割り当てられた前記複数の電話端末の内の少なくとも1つを、前記主装置を介して呼出する機能を有するDSSコンソールにおける端末給電制御のプログラムであって、上記のDSSコンソールに搭載されるコンピュータに、前記複数の電話端末の各々の給電状態に対応するランプ制御情報を前記主装置から取得するランプ制御情報取得ステップと、前記ランプ制御情報取得ステップで取得した前記ランプ制御情報に応じて前記複数の電話端末の前記給電状態のそれぞれを前記複数のボタンのランプを用いて表示する状態表示ステップと、前記複数のボタンのいずれかの操作を検知し、操作されたボタンに対応している前記複数の電話端末の内の少なくとも1つの給電状態を、前記主装置を介して制御する端末給電制御ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、構内電話システムにおいて、DSSコンソールを用いて収容した電話端末の給電制御を行える故に、DSSコンソールにより電話端末の給電制御を容易に制御可能となることで、構内電話システムの消費電力の低減及び停電中のバッテリ稼働時間の延長等を改善できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明による実施例の構内電話交換機である主装置を含む構内電話システムの構成例の一例を示す概略説明図である。
【
図2】本実施例における主装置の記憶部に記憶される登録された内線テーブルの一例を示した構成図である。
【
図3】本実施例における主装置に端末として収容されるDSSコンソールの構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施例における主装置に端末として収容されるDSSコンソールの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例による主装置としての構内電話交換機について、図面を参照して説明する。さらに、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0012】
(構成の説明)
図1は、本実施例の構内電話交換機である主装置10を含む構内電話システムの構成例の一例を示す概略説明図である。主装置10は、内線の電話端末MFT同士の接続や、内線と加入電話回線(通信網NW)、内線と専用線(通信網NW)等との通話路の接続、発着信制御を司る装置である。
【0013】
システム構成は、主装置10とこれに通信可能に収容された内線の複数の電話端末MFTとを含む。主装置10は、固定電話機、スマートフォン等の通信機(図示しない)が電話局を介して接続され得る通信網NWに1つ以上の回線(局線)である外線を収容している。
【0014】
電話端末MFTとしては、多機能電話機や通常の固定電話機等の電話端末の他、多機能電話機の集中受付装置である電話端末の状態監視やワンタッチ呼出が可能なDSSコンソール101、無線端末用の無線基地局がある。さらに、主装置10にはデータ設定のための保守コンソールPCもLANケーブル等で接続され得る。
【0015】
[主装置]
主装置10は、装置全体を制御する主制御部10mや、内線の電話端末MFTのグループ毎にまとめて制御する内線回路や、外線の加入電話回線や専用線を接続する外線回路や、通話路を接続するスイッチ回路等が搭載された種々の機能ユニットを備える一種のコンピュータ装置である。
【0016】
図1に示すように、主制御部10mに制御される機能ユニットとしては、通信網NWと通信ができる外線機能ユニットOSL、内線回路部としての端末I/FユニットISL、スイッチ回路機能ユニットSWT等がある。主装置10は、電話端末MFTが多機能電話機であれば、これに対応した端末I/FユニットISLを介して、収容した各電話端末MFTの内線機能、例えば、ACR発信、PB発信、内線外線通話制御、通話録音、代理応答、昼夜切替、転送等を実現できる。
【0017】
主制御部10mは、CPU(Central Processing Unit)と、図示しないがRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶部を含み、記憶部に格納されたプログラムに従い、搭載された複数の機能ユニットをCPUが制御するように構成されている。
【0018】
主制御部10mの記憶部には、主装置10による、内線の電話端末MFT同士の通話路接続及び内線・外線の通話路接続や、内線の電話端末MFTの状態の監視等に利用する内線テーブルTBが記録されている。
【0019】
図2は、主装置10の記憶部に記憶される登録された電話端末の内線テーブルTBの一例を示したものである。内線テーブルTBには、既定情報として電話端末MFTの収容位置情報と、登録情報としての電話端末MFTに割り当てられる電話番号(内線番号)、部所情報、担当情報と、給電情報として主装置10から電話端末MFTへ電力が給電されているか(ON)又は給電されていないか(OFF)の状態情報と、使用情報としての電話端末MFTの空き/話中/着信中等の情報状態等が、内線番号毎に関係付けられて一意的に格納される。
【0020】
主装置10の主制御部10mは、その記憶部に記憶される内線テーブルTBの給電情報に応じて、
図1に示す電話端末MFTへの電力給電を決めて電話端末MFTの給電制御を行う。
【0021】
主装置10の記憶部の内線テーブルTBの給電情報の書き換えは、例えば、
図1に示すDSSコンソール101や、保守コンソールPCで行うことができる。
【0022】
主装置10は、
図1に示すように、更に、装置全体に電力を供給する電源部PWを有する。
【0023】
電源部PWは、商業電源の外部電源(AC電源)を上流として電源供給を受けるユニット用DC電源であり、主制御部10mや各機能ユニットへの電力を供給する。例えば、電源部PWは、主制御部10mからの電源のオンオフ制御信号に応じて、端末I/FユニットISLを介して複数の電話端末MFTのそれぞれへ電力供給のオンオフを行う。
【0024】
なお、電源部PWの下流に接続されたバックアップバッテリBTTが設けられている。バックアップバッテリBTTは、外部電源が停電等で停止した場合であっても、必要な各機能ユニットに必要な電力を供給する。バックアップバッテリBTTは、外部電源が供給されなくなった場合における緊急電源である。電源部PWは、図示しないが外部電源の停電を検出する停電検出部を有し、停電検出部は外部電源の停電を検出すると、バックアップバッテリBTTからの主制御部10mや各機能ユニットへの電力供給に切り替えると共に、主制御部10mに停電検出結果を送信する。そして、主制御部10mは、停電検出結果に応じて、停電検出結果を電話端末MFTのそれぞれへ送信できる。
【0025】
本実施例の説明では、収容されるDSSコンソール101を詳述するために、他の機能ユニットの説明を省略する。
【0026】
[DSSコンソール]
図3は、主装置10に端末として収容されるDSSコンソール101の構成を示すブロック図である。
図4は、同DSSコンソール101の正面図である。
【0027】
図3に示すように、DSSコンソール101は、主装置10に接続される通信部13、制御部であるMCU(Micro Control Unit)及びフラシュメモリ等のRAM(Random Access Memory)等の所定のソフトウエアプログラムを格納する記憶部MEMを含み、さらに、MCUに接続され且つ利用者とのインターフェースである操作表示部を含む。操作表示部は、複数のランプ付きボタン(以下、単にボタンともいう)BUTを含む。
【0028】
MCUは、複数のボタンBUTの押下による信号(位置データ)を受け付け、そのデータ信号を、通信部13を介して主装置10に送る。これより、主装置10はDSSコンソール101の通常の機能を実現したり、その主制御部10mの記憶部に記憶される電話端末MFTの内線テーブルTBに当該データを反映できる。
【0029】
MCUは、主装置10から通信部13を介して取得する複数のボタンBUTそれぞれに登録された電話端末MFTの使用状況等のデータに基づき、当該ボタンのランプLEDを点灯、点滅等させて表示でき、当該電話端末MFTの使用状況等を利用者に通知できる。例えば、DSSコンソール101は、内線番号が登録された電話端末MFTに関して、主装置10から内線テーブルTBの内容を取得することにより、ランプ付きボタンBUTのランプLEDの消灯/点灯/点滅等によりその使用状態を利用者に表示することができる。
【0030】
このように、DSSコンソール101は、記憶部のソフトウエアプログラムに従うMCUによって、通信部13を介して主装置10との間でデータの送受信をすると共に、利用者とのインターフェース処理を行う。
【0031】
図4に示す一例では、DSSコンソール101の正面には、利用者とのインターフェースである複数のボタンBUTを含む操作表示部が利用者に対面するように備えられている。DSSコンソール101には、構内電話システムに収容される電話端末の台数分のボタンBUT、例えば、60個が配備されている。60個のボタンBUTには、60台それぞれの電話端末の内線番号が登録され得る。
図3に示すDSSコンソール101の操作表示部の右上のセレクトボタンSBT(選択操作ボタン)は、60台以上例えば120台の電話端末が収容されている場合、セレクトボタンSBTを短く一回押下することでセレクトボタンSBTのランプLEDが点灯し、点灯しているときには別の60台の電話端末の状況の監視が可能となる機能が割り当てられるように登録が可能である。さらに、DSSコンソール101には電話端末としての無線端末の登録の他、無線基地局についてもDSSコンソール101上のボタンBUTに登録が可能である。
【0032】
一般に、DSSコンソールは、協働する電話端末MFTの内線のボタン機能を拡張する登録したワンタッチボタン機能を有し、内線番号をダイヤルすることなく、ボタンBUTの一押しで相手の内線端末を簡易に呼べるようにした拡張装置であるが、本実施例のDSSコンソールは、通常モードとして登録した電話端末MFTの使用状態を表示して電話端末MFTの何れかをワンタッチで呼び出す等の機能の他に、給電制御モードとして電話端末MFTの給電状態を表示して電話端末MFTの何れかの給電状態を制御する機能を有する。
【0033】
かかる給電状態制御機能を実現するために、DSSコンソール101の記憶部MEMには、所定のプログラムにより展開された、ランプ制御情報取得部14、ランプ制御情報保持部15、状態表示制御部16、端末給電制御部17及び通常モード制御部18が構成されている。
【0034】
ランプ制御情報取得部14により、ランプ制御情報取得ステップとして通信部13を介し主装置10から内線テーブルTBの給電状態に応じて複数の電話端末MFTの各々の給電状態に対応するランプ制御情報の内容の情報が取得される。
【0035】
ランプ制御情報保持部15では、主装置10から取得したランプ制御情報の内容を保持する。
【0036】
状態表示制御部16により、状態表示ステップとして、取得したランプ制御情報に応じて複数の電話端末MFTの給電状態のそれぞれを複数のボタンBUTのランプLEDを用いて表示させる。
【0037】
端末給電制御部17は、給電制御モード時に、端末給電制御ステップとして、複数のボタンBUTのいずれかの操作を検知し、操作されたボタンBUTに対応している複数の電話端末MFTの内の少なくとも1つの給電状態を、通信部13を介して制御する。
【0038】
通常モード制御部18は、通常モード時に、登録した電話端末MFTの使用状態をボタンBUTのランプLEDで表示して電話端末MFTの何れかをワンタッチで呼び出す等の機能を実行する。
【0039】
このように、DSSコンソール101は、登録した電話端末MFTの必要な情報の送受信を行うと共に、給電制御機能等を有している。
【0040】
(動作の説明)
本実施例におけるDSSコンソール101の給電制御機能を実行する給電制御モードへの移行は、例えば、60個のボタンBUTのうちの複数個(複数のボタンBUTの組み合わせ)を同時に押すこと、又はセレクトボタンSBTの長押し等によって通常モードと給電制御モードの切り替えが実現できる。給電制御モード中はセレクトボタンSBTのランプLEDの色を変化させる又は点灯と消灯の周期を変えることで通常モードとは異なる状態であることを知らせることも可能である。
【0041】
また、電話端末MFTの状態を表示するDSSコンソール101のボタンBUTのランプLEDについても、電話端末MFTが空きの状態はランプ消灯、電話端末MFTが使用中はランプ点灯である状態に加え、給電を停止している電話端末MFTの場合はWINK点灯等、通常のランプ点灯とは異なったランプ表示を行うことで給電していない電話端末MFTを利用者に認識させることができる。
【0042】
DSSコンソール101が或るボタン押下時に主装置10に送出する情報には押下された当該ボタンの識別データ(収容位置情報や内線番号等)とモード種別データ(通常モード、給電制御モード他)とで構成される。
【0043】
(通常モード中)
DSSコンソール101が通常モード中は、主装置10にボタン識別データとモード種別データを通常モードとして主装置10に送信する。
【0044】
(初回起動の給電制御モード中で非給電中がない場合)
給電制御モード中は送信するデータの中のモード種別データを給電制御モードとし、ボタン識別データと共に送信することで主装置10には通常のデータとは異なるデータを送信する。
【0045】
主装置10の制御部はDSSコンソール101から給電制御モードとボタン識別データが送信されてきたときに、読み取った情報に従い端末I/FユニットISLを制御して電話端末MFTへの給電を開始又は停止を行う。
【0046】
主装置10内の主制御部10mの記憶部に記憶される内線テーブルTBにある給電情報は、初回起動時に、例えば、全電話端末MFTが給電中(ON状態)である情報を保持する。
【0047】
DSSコンソール101のランプ制御情報保持部15にも給電制御モード時の電話端末MFTの各々の給電状態に対応するランプ制御情報を全端末分保管することができる故に、DSSコンソール101の起動時は主装置10からのランプ制御情報を端末I/FユニットISLを介して入手でき、DSSコンソール101内の電話端末の各々の給電状態に対応するランプ制御情報を全端末分上書き保管する。
【0048】
(非給電中がある場合)
DSSコンソール101は、給電制御モード時に移行後は、DSSコンソール101内のランプ制御情報に従い非給電中とされている電話端末MFTに該当するボタンBUTのランプLEDをWINK点灯させる。DSSコンソール101上のWINK点灯(非給電中)しているボタンBUTを押下することで、DSSコンソール101からは給電制御モードとボタン識別データを主装置10へ送出することになる。このように、DSSコンソール101は、主装置10から、複数の電話端末MFTのうち給電が行われていない電話端末のランプ制御情報を取得し、給電が行われていない電話端末MFTが割り当てられたボタンBUTに対応したランプLEDに給電が行われていない状態であることを表示させ、給電が行われていない電話端末MFTが割り当てられたボタンBUTが押下されると、主装置10に対して、押下されたボタンBUTに対応する電話端末MFTに給電を開始するように指示を行う。
【0049】
主装置10は、DSSコンソール101からの情報により主制御部の給電情報を非給電中から給電中に更新後に、電源部PWから端末I/FユニットISLを介して電話端末MFTへの給電を行うと共に、更新されたボタン識別データと給電中状態に対応するランプ制御情報をDSSコンソール101へ送出する。
【0050】
DSSコンソール101の端末給電制御部17は、DSSコンソール101から取得した更新されたボタン識別データと給電中状態に対応するランプ制御情報をDSSコンソール101のランプ制御情報保持部15内に保管するとともに、該当ランプLEDをWINK点灯(非給電中)から通常点灯(給電中)に切り替える。
【0051】
DSSコンソール101上のボタンBUTに無線基地局を登録した場合、通常モードにおいては無線基地局が正常に動作している場合にランプLEDを点灯、無線基地局に何らかの動作異常が生じている場合にはランプLEDを点滅させる。動作異常の例としては無線基地局と主装置10間の通信異常や無線基地局に設定数を超えた無線端末が検出された場合等がある。
【0052】
(効果の説明)
以上のように、本実施例によれば、通常、収容された電話端末MFTの状態監視及び同電話端末の呼出の機能だけだったDSSコンソール101に電話端末MFTの給電制御を行える給電制御モードを追加することで構内電話システムにおいて停電中のバッテリ給電時間を延長させることを容易に運用上の問題なく実現できること、停電中でなくても容易に給電制御ができることで消費電力セーブの観点でも利用可能となる。
【0053】
また、DSSコンソール101に無線基地局を登録できる機能も増えDSSコンソール101の収容価値が増し構内電話システムでの収容機会が増えることでメーカ生産台数の増加によるDSSコンソール101の原価低減についても期待できる.
本実施例によれば、構内電話システムにおいて、DSSコンソール101を用い構内電話システムに収容した電話端末MFTの状態監視(表示)及び給電制御を行える故に、構内電話システムの消費電力の低減及び停電中のバッテリ稼働時間の延長等の効果が期待でき、合わせてDSSコンソール101に無線基地局も登録可能であるのでDSSコンソール101の利用価値を高めることができる。
【符号の説明】
【0054】
10 主装置
13 通信部
14 給電状態取得部
15 給電状態保持部
16 状態表示制御部
17 端末給電制御部
18 通常モード制御部
101 DSSコンソール
MFT 電話端末